JP2017128089A - エンボスシート、化粧シート - Google Patents

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佑美 滝澤
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佑美 滝澤
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Abstract

【課題】異方性反射散乱特性を有するエンボスシートと、このエンボスシートを備えた化粧シートとを提供する。【解決手段】シート状の基材3の一方の面31側に設けられ、第1の方向と、第2の方向とに互いに離間して配置された複数のレンズ2を備える。複数のレンズの各々は、入射した光を反射する反射主面と、反射主面と基材とを接続する接続面とを有する。第1の方向に平行な第1の断面において、反射主面21の形状は例えば直線状である。第1の断面において、直線状である反射主面の中心部に平行な直線と、基材の一方の面とが交差する角度を反射主面の傾斜角度θ1としたとき、傾斜角度θ1は−40度以上40度以下の範囲内である。複数のレンズのうちの1つ以上のレンズは、複数のレンズのうちの他のレンズと傾斜角度θ1が異なる。複数のレンズのうちの1つ以上のレンズは、複数のレンズのうちの他のレンズと第2の方向における長さが異なる。【選択図】図1

Description

本発明は、エンボスシート、化粧シートに関する。
従来、内装や家具の表面材として使用される化粧板としては、基材の表面に木材単板を貼り合わせた突板化粧板が広く用いられてきた。しかし近年、天然資材の枯渇により、合板等の基材に木目模様を印刷した化粧シートを貼り合わせた化粧板が多く使用されている。
しかしながら、印刷化粧シートでは、木材の質感(照り感や導管形状等)の表現に乏しい。そこで先行文献1には、比較的入手のしやすい針葉樹材を薄く平坦にした木材基板の上に、広葉樹材の木目模様を裏面に印刷した透明ポリチオフェン系樹脂からなる化粧シートを貼り合わせる方法が開示されている。この方法により、木目が本来有するいわゆる照り感や木質感を反映した、意匠性に優れた化粧材を提供することができる。
特許第3672636号公報
天然木の木目模様に現れる「照り感」とは、照明光の正反射方向とは異なる方向に現れる光沢感であり、照明角度や観察角度を移動すると「照り」が生じる箇所も移動する。
「照り」の移動には方向性があり、この要因は天然木の細胞内腔が繊維状のためと考えられる。すなわち細胞内腔の繊維の延伸方向に入射した照明光は概ね正反射方向へと反射されるが、細胞内腔の繊維の配列方向に入射した照明光は細胞内腔の角度によって正反射方向とは異なる方向へと反射される。この細胞内腔の角度が、位置によって変化することで「照り」の移動が生じると考えられる。
ここで、天然木を用いて「照り」の反射散乱特性を評価した結果を図13に示す。図13(a)は測定した木片の模式図である。図13(b)は木片にY方向から照明光を入射した際の反射散乱特性を示すグラフである。図13(c)は木片にX方向から照明光を入射した際の反射散乱特性を示すグラフである。なお、図13(a)中のa、b、cは、木片における光強度の測定箇所である。また、図13(b)及び(c)の横軸は受光角を示し、縦軸は光強度を示す。この反射散乱特性評価では、木片に対する光の入射角度を−30度に設定した。
図13(b)に示すように、Y方向から照明光を入射すると、正反射角度である30度とは異なる角度に第2の反射ピークが確認された。また、測定箇所を変えると第2の反射ピーク角度が変化することが確認された。一方、図13(c)に示すように、X方向から照明光を入射すると、正反射角度にしか反射ピークは発生しなかった。すなわち、上述した繊維状の細胞内腔による異方性反射散乱特性が確認された。この異方性反射散乱特性が天然木の特徴の一つとなっている。しかしながら、従来の化粧シートでは、このような異方性反射散乱特性を再現することは難しかった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、異方性反射散乱特性を有するエンボスシートと、このエンボスシートを備えた化粧シートとを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るエンボスシートは、シート状の基材と、前記基材の一方の面側に設けられ、第1の方向と、前記第1の方向と平面視で交差する第2の方向とに互いに離間して配置された複数のレンズと、を備え、前記複数のレンズの各々は、入射した光を反射する反射主面と、前記反射主面と前記基材とを接続する接続面とを有し、前記第1の方向に平行な第1の断面において、前記反射主面の形状は、直線状又は、前記反射主面の2つの端点を結んだ直線と該端点とにおける接線とが交差する角度が0度以上40度以下となる湾曲線状であり、前記第1の断面において、前記直線状である前記反射主面の中心部に平行な直線又は、前記湾曲線状である前記反射主面の中心部における接線と、前記基材の一方の面とが交差する角度を前記反射主面の傾斜角度としたとき、前記傾斜角度は−40度以上40度以下の範囲内であり、前記複数のレンズのうちの1つ以上のレンズは、前記複数のレンズのうちの他のレンズと前記傾斜角度が異なり、前記複数のレンズのうちの1つ以上のレンズは、前記複数のレンズのうちの他のレンズと前記第2の方向における長さが異なることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、異方性反射散乱特性を有するエンボスシートと、このエンボスシートを備えた化粧シートとを提供することができる。
本発明の実施形態に係るエンボスシート1の構成例を示す図である。 レンズ2の第1の構成例を示す図である。 傾斜角度θ1の周期的な変動の一例を示すグラフである。 傾斜角度θ1の周期的な変動のパターンが異なる2つの領域を例示する図である。 レンズ2の第2の構成例を示す図である。 レンズ2の第3の構成例を示す図である。 レンズ2の第4の構成例を示す図である。 レンズ2の第5の構成例を示す図である。 レンズ2の第6の構成例を示す図である。 レンズ2の配列の一例を示す図である。 レンズ2の配列の他の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る化粧シート5の構成例を示す図である。 天然木を用いた「照り」の反射散乱特性を評価した結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。ただし、以下に説明する全ての図面において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。また、図面は模式的なものであり、各図における各部の長さ、厚さの寸法は現実のものとは異なり、それらの比等も現実のものとは異なる場合がある。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<エンボスシート>
図1(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係るエンボスシート1の構成例を示す平面図と、この平面図を第1の方向に平行なX1−X’1線で切断した断面図である。図1(a)及び(b)に示すように、エンボスシート1は、シート状の基材3と、基材3の一方の面31側に設けられ、第1の方向と、第1の方向と平面視で交差する第2の方向とに互いに離間して配置された複数のレンズ2と、を備える。
なお、本実施形態において、第1の方向とは図1(a)に示す平面図における左右方向であり、第2の方向とは図1(a)に示す平面図における上下方向であり、他の図面においても同様とする。また、本実施形態では、第1の方向と第2の方向とが90度で交差している(すなわち、直交している)場合を示しているが、これはあくまで一例である。本発明において、第1の方向と第2の方向は90度以外の角度で交差していてもよい。
(1)基材
シート状の基材3は透光性を有し、その下方に配置される印刷面を透視可能とする程度に透光性を有することが望ましい。基材3は、無色透明であり(または、有色透明や半透明であってもよく)、着色剤や充填剤を含有していてもよい。なお、透明とは、表から裏が視認できる程度の透明度を指す。
(2)レンズ
複数のレンズ2の各々は、例えば、入射した光を反射する反射主面と、反射主面と基材3とを接続する接続面とを有する。第1の方向に平行な第1の断面において、反射主面21の形状は直線状である。また、第1の断面において、反射主面21の形状は、反射主面21の2つの端点を結んだ直線と該端点とにおける接線とが交差する角度が0度以上40度以下となる湾曲線状であってもよい。
第1の断面において、直線状である反射主面21の中心部に平行な直線(または、湾曲線状である反射主面21の中心部における接線)と、基材3の一方の面とが交差する角度を、反射主面21の傾斜角度θ1としたとき、傾斜角度θ1は−40度以上40度以下の範囲内である。ここで、複数のレンズ2のうちの1つ以上のレンズ2は、複数のレンズ2のうちの他のレンズ2と傾斜角度θ1が異なる。つまり、複数のレンズ2において、傾斜角度θ1の大きさは不均一(ランダム)となっている。後述するように、本実施形態において、レンズ2の反射主面21は、複数のレンズ2の配置位置に沿って変動(推移)したように設定されている。
また、複数のレンズ2のうちの1つ以上のレンズ2は、複数のレンズ2のうちの他のレンズ2と第2の方向における長さが異なる。また、レンズ2は、第1の方向に等間隔あるいは決められた範囲内で不規則(ランダム)に配置されている。長さの異なるレンズ2が第2の方向にランダムに配置されていることにより、見た目に関して、木の繊維の側面のような自然感を持たせることができる。
また、複数のレンズ2には、第2の方向に平行な第2の断面において、反射主面24が直線状から曲線状に変形した形状のものもランダムに含まれる。これにより、反射光を散乱させやすくなるため、反射光の強弱を付けやすくなり、照りの表情を表現しやすくすることができる。
次に、レンズ2について、第1の構成例、傾斜角度θ1、第2〜第6の構成例について、それぞれ順に説明する。
(2.1)第1の構成例
図2(a)〜(c)は、レンズ2の第1の構成例を示す平面図と、この平面図を第1の方向に平行なX2−X’2線で切断した断面図と、この平面図を第2の方向に平行なY2−Y’2線で切断した断面図である。図2(b)は第1の方向に平行な第1の断面を示し、図2(c)は第2の方向に平行な第2の断面を示している。
図2(a)〜(c)に示すように、レンズ2の平面形状は、例えば角丸矩形である。または、後述の図11に示すように、レンズ2の平面形状は、円形若しくは楕円形であってもよい。レンズ2の第1の方向における長さをDxとし、レンズ2の第2の方向における長さDyとしたとき、Dxは50μm以上500μm以下であり、1≦Dy/Dx≦10、の関係を満たす(この関係を満たすとき、Dyは50μm以上5000μm以下となる。)。Dx及びDyがそれぞれ50μm以上であれば、回折光の影響によりレンズ2が虹色に光ることを防ぐことができる。
反射主面21の第1の断面における形状は、例えば直線状である。この第1の断面において、直線状である反射主面21の中心部に平行な直線211と基材3の一方の面31とが交差する傾斜角度θ1は、−40度以上40度以下の範囲内(0度も含む)となっている。すなわち、第1の断面において、直線状の反射主面21の中心部は、基材3の一方の面31に対して±40度の範囲内で傾斜している。±40度の範囲内には0度も含まれる。このため、反射主面21の中心部は、基材3の一方の面31と平行となっていてもよい。接続面22、23の第1の断面における形状は、例えば湾曲線状である。
一方、第2の断面において、反射主面24の形状は、直線状又は湾曲線状である。また、第2の断面において、接続面25、26の形状も、直線状又は湾曲線状である。
なお、本発明の実施形態を説明する各図では、レンズ2は凸形状で示されているが、レンズ2は凸形状に限定されるものではなく凹形状であってもよい。
(2.2)傾斜角度θ1
本実施形態において、複数のレンズ2のうちの一つ以上のレンズ2は、複数のレンズ2のうちの他のレンズ2と傾斜角度θ1が異なる。傾斜角度θ1は、レンズ2の配置位置によって、±40度の範囲内(0度を含む)で異なる値をとるように任意に決定されている。
エンボスシート1に入射した光は、主として基材3の一方の面31とレンズ2の反射主面21とにて反射されるが、反射主面21の傾斜角度θ1は、±40度の範囲内でレンズ2間で異なる値をとる。このため、エンボスシート1は、基材3の一方の面31で反射される正反射光のほかに、正反射とは異なる方向への反射光(第2の反射ピーク)を生じさせることが可能となる。
また、天然木の木目模様に現れる照りのある光沢を、より本物に近く再現する観点から、反射主面の傾斜角度θ1は、基材3の一方の面における複数のレンズ2の配置位置に沿って変動(推移)したように設定されている。傾斜角度θ1の変動範囲は、±40度の範囲内である。
傾斜角度θ1は第1の方向に沿って変動していてもよく、第2の方向に沿って変動していてもよく、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに沿って変動していてもよい。何れの場合も、その変動の範囲は±40度である。また、傾斜角度θ1の第1の方向に沿う変動は周期的であってもよく、第2の方向に沿う変動も周期的であってよい。次に、傾斜角度θ1の周期的な変動について、具体例を挙げて説明する。
図3は、傾斜角度θ1の周期的な変動の一例を示すグラフである。図3の縦軸は第1の方向におけるレンズ2の配置位置を示し、図3の横軸は傾斜角度θ1の大きさを示す。図3に示すように、反射主面21の傾斜角度θ1は、第1の方向に沿って、±40度以下の範囲で変動する。例えば、傾斜角度θ1は、−35度→−30度、・・・−5度→0度→+5度→・・・+30度→+35度・・・といったように周期的に変動してもよい。また、傾斜角度θ1は上記のように5度刻みで周期的に変動してもよいが、それよりも細かい刻み値(例えば、1度以下)で周期的に変動してもよい。傾斜角度θ1の刻み値が細かいほど、視点や照明角度を変更した際に生じる第2のピーク角度の移動が滑らかになって望ましい。一方、傾斜角度θ1の刻み値が大きいほど製造プロセスが簡略化される。
また、上述した傾斜角度θ1の周期的な変動のパターン(変動周期、変動振幅等)は、基材3の一方の面側の複数の領域間で互いに異なっていてもよい。例えば、反射主面21の傾斜角度θ1が周期的に変動する際、変動周期は1種類でもよいが2種類以上でもよく、また1周期内の傾斜角度θ1の変動範囲(変動振幅)も1種類でもよいが2種類以上であってもよい。
図4(a)及び(b)は、傾斜角度θ1の周期的な変動のパターンが異なる2つの領域を例示する平面図である。例えば、図4(a)に示す第1の領域では、傾斜角度θ1の変動周期は50mmであり、傾斜角度θ1の変動振幅は±35度の範囲である。図4(a)に示す第2の領域では、傾斜角度θ1の変動周期は20mmであり、傾斜角度θ1の変動は±20度の範囲である。
なお、傾斜角度θ1の周期的な変動のパターンが互いに異なる領域が隣接している場合には、各領域内だけでなく、隣接している領域間でも傾斜角度θ1の変動が連続していることが望ましい。
また、傾斜角度θ1は、隣接するレンズ2間でそれぞれ異なる値としてもよいし、隣接する複数のレンズ2を1単位として、単位毎に異なる値としてもよい。例えば第1の方向に並ぶ10個のレンズ2を1単位とし、この1単位内においては傾斜角度θ1を同一の値とし、異なる単位間では傾斜角度θ1を異なる値としてもよい。また、1単位に含まれるレンズ2の個数は、各単位間で同一の個数としてもよいし、各単位間で異なる個数としてもよい。
以上、傾斜角度θ1の第1の方向に沿う周期的な変動について具体例を挙げて説明したが、傾斜角度θ1の第2の方向に沿う周期的な変動も第1の方向の場合と同様である。この場合、図3では、横軸が示す「第1の方向におけるレンズ2の配置位置」を、「第2の方向におけるレンズ2の配置位置」と読み替えてよい。また、傾斜角度θ1の第2の方向に沿う周期的な変動のパターン(変動周期、変動振幅等)は、図4(b)に示す第1、第2の領域間で互いに異なっていてもよい。
また、本実施形態では、第1の方向における傾斜角度θ1の最大差は、第2の方向における傾斜角度θ1の最大差よりも大きくてもよい。傾斜角度θ1の最大差は、図3に示した変動振幅で示される。このように、第1の方向における傾斜角度θ1の変動が、第2の方向における傾斜角度θ1の変動よりも大きい場合には、面内の散乱反射の異方性をよりその方向(第1の方向)に線状・帯状にみせることができる。
また、本実施形態では、上記とは逆に、第2の方向における傾斜角度θ1の最大差は、第1の方向における傾斜角度θ1の最大差よりも大きくてもよい。つまり、第2の方向における傾斜角度θ1の変動は、第1の方向における傾斜角度θ1の変動よりも大きくてもよい。この場合には、面内の散乱反射の異方性をよりその方向(第2の方向)に線状・帯状にみせることができる。
また、実木では、木によって照りの面内の偏りは異なり、縦、横だけでなく斜めにも偏りをもつことがある。このため、面内の散乱反射の異方性が第1の方向に強い領域と、第2の方向に強い領域とをそれぞれ作り、これらを組み合わせてもよい。これらの組み合わせによって色々な木目柄を作成することができるようになる。
(2.3)第2の構成例
図5は、レンズ2の第2の構成例を示す断面図である。図5に示す断面図は、第1の方向に平行な第1の断面を示している。図5に示すように、第1の断面において、レンズ2は、曲率半径r1で湾曲した反射主面21と、r1より小さい曲率半径r2で湾曲した接続面22、及び曲率半径r3で湾曲した接続面23とを有してもよい。ここで曲率半径r2とr3は同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。
第1の断面において、反射主面21が直線である揚合、第2の反射ピークの幅が狭くなってしまう傾向があるが、図13に示したように、天然木では第2の反射ピークはある程度の角度範囲を持つ。このため、反射主面21は完全な直線であるよりは、図5に示すように、ある程度湾曲していることが望ましい。具体的には、反射主面21の2つの端点を結んだ直線212と、反射主面21の2つの端点における接線213、214とがそれぞれ交差する角度θ2、θ3はそれぞれ0度以上20度以下であることが望ましい。その理由は、反射主面21は基材3の一方の面31に対して±40度の範囲で傾斜していることで、基材3の一方の面31による正反射ピークに対して第2の反射ピークを生じさせることができるが、角度θ2、θ3の少なくとも一方が20度を超えてしまうと曲率半径r1が小さくなりすぎてしまい、傾斜角度θ1の変動が意味を成さなくなるからである。
(2.4)第3の構成例
図6(a)〜(c)は、レンズ2の第3の構成例を示す平面図と、この平面図を第1の方向に平行なX6−X’6線で切断した断面図と、この平面図を第2の方向に平行なY6−Y’6線で切断した断面図である。図6(b)は第1の方向に平行な第1の断面を示し、図6(c)は第2の方向に平行な第2の断面を示している。
図6(a)〜(c)に示すように、第1の断面において、レンズ2は、反射主面21の片端が基材3の一方の面31に直に接続されていてもよく、接続面22、23のうちの一方は省略されていてもよい。第2のピークを生じさせる機能は反射主面21であるため、接続面22、23は必要に応じて省略してもよい。ただし当然ながら、反射主面21が直線且つ反射主面21と基材3の一方の面31とのなす角度が0度である場合においては、反射主面21の両端に接続面22、23は必要であり、これを省略することはできない。なお、接続面22、23は、図5に示すように円弧状でもよく、または、後述の図7に示すように、その一部又は全部が直線状であってもよい。
(2.5)第4の構成例
図7は、レンズ2の第4の構成例を示す断面図である。図7に示す断面図は、第1の方向に平行な第1の断面を示している。
図7に示すように、反射主面21の一端と基材3の一方の面31とを接続する接続面22は、直線と曲率半径r2の円弧とを組み合わせた形状であってもよい。この場合、エンボスシート1を成形する際の型抜けを良くすることができる。また、反射主面21の他端と基材3の一方の面31とを接続する接続面23は、曲率半径r3の円弧状であってもよい。
エンボスシート1に入射した光のうち一部の光は接続面22、23に入射する。レンズ2において、接続面22、23に入射した光は散乱反射させることが望ましいため、接続面22、23に円弧領域を設けることが望ましい。
(2.6)第5の構成例
図8(a)〜(c)は、レンズ2の第5の構成例を示す断面図である。図8(a)〜(c)に示す断面図は、第2の方向に平行な第2の断面を示している。
図8(a)〜(c)に示すように、第2の断面において、レンズ2は、曲率半径r’1で湾曲した反射主面24と、反射主面24と基材3の一方の面31とを接続する接続面25、26とを有してもよい。ここで接続面25、26の断面形状は図8(a)のように直線であってもよいし、図8(b)のように直線とr’1よりも小さな曲率半径r’2、r’3で湾曲した部分からなってもよいし、図8(c)のように波形からなってもよい。このとき、接続面25、26の一方のみが直線でもう一方が波形であるなど組み合わせも自由でよい。
このとき、接続面25、26それぞれと基材3の一方の面31との接続部における接線(または、直線)の角度θ2、θ3は0度以上40度以下であることが望ましく、30度以下だとより好ましい。このθ2、θ3が40度以下であることにより、エンボスシート1を成型する際に樹脂の流れ込みが容易になったり、型抜けを良くしたりすることができる。
(2.7)第6の構成例
図9は、レンズ2の第6の構成例を示す断面図である。図9に示す断面図は、第2の方向に平行な第2の断面を示している。
図9に示すように、第2の断面において、レンズ2は、曲率半径r”1で湾曲した円弧状のみからなる形状であってもよい。ただし曲率半径r”1はレンズ2の第2の方向の長さよりも大きいものとする。レンズ2における反射主面が円弧状からなることにより、反射主面で反射される光が拡散されるため、第2の方向に同じ長さをもつレンズ2同士であっても特定方向への反射光量を変化させることができる。
(3)レンズの配列
次に、レンズ2の配列について、第1、第2の構成例を挙げて説明する。
(3.1)第1の構成例
図10は、本発明の実施形態に係るレンズ2の配列の一例を示す平面図である。図10に示すように、エンボスシート1に設けられた複数のレンズ2は、第1の方向と、第1の方向と平面視で交差する第2の方向とに互いに離間して配置されている。ここで、複数のレンズ2のうちの1つ以上のレンズ2は、他のレンズ2と第2の方向における長さDyが異なる。つまり、複数のレンズ2において、レンズ2の第2の方向における長さDyは不均一となっている。レンズ2の第1の方向における長さDxは均一でもよいし、不均一(ランダム)でもよい。
また、複数のレンズ2のうち、第2の方向で隣り合う一対のレンズ2の重心間距離は、第2の方向で隣り合う他の一対のレンズ2の重心間距離と長さが異なる。例えば、図10において、一対のレンズ2の重心間距離L1、L2、L3は、L1=L3≠L2となっている。一例を挙げると、重心間距離L1、L2、L3は、それぞれ0.05mm以上6mm以下である。
また、複数のレンズ2のうちの第2の方向で隣り合う一対のレンズ2の離間距離は、第2の方向で隣り合う他の一対のレンズ2の離間距離と長さが異なる。例えば、図10において、一対のレンズ2の離間距離G1、G2、G3は、G1=G3≠G2となっている。このように、第2の方向におけるレンズ2の配置間隔は不均一(ランダム)となっている。これにより、下記a)、b)の効果を得ることができる。
a)木の繊維の自然感を出すことができる。
b)基材3に対してレンズ2は照りピークを出すために存在している。このため、一定の角度で見ると入射光に対しレンズ2が光り基材3は光らないという状態にある。その際、レンズ2の長さを工夫することでエンボスシート1の光る部分がランダムであるのに対し、光らない部分が単調に存在すると人の目には人工的に見えてしまう。そのため、エンボスシート1の光らない部分もランダムに存在させることで、より自然な見た目にすることができる。
また、図10に示すように、複数のレンズ2は、複数のレンズ2が第2の方向に重心を揃えて列を成すレンズ群を複数構成している。これら複数のレンズ群において、第1の方向で隣り合う一対のレンズ群の間隔は、第1の方向で隣り合う他の一対のレンズ群の間隔と長さが異なる。ここで、レンズ群の間隔とは、一方のレンズ群の第2の方向に沿う中心線と、他方のレンズ群の第2の方向に沿う中心線との間の距離のことである。中心線は、各レンズ2の重心の第1の方向における平均の位置を示す線である。
例えば、図10では、中心線を第2の方向に沿う破線で示しているが、第1の方向で隣り合う一対のレンズ群の間隔W1、W2は、W1≠W2となっている。つまり、第1の方向におけるレンズ群の配置間隔W1、W2、…は不均一(ランダム)となっている。一例を挙げると、配置間隔Wは、0.06mm以上0.6mm以下である。このように、レンズ群の配置間隔が不均一となっていることにより、上記a)、b)と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、第1の方向で隣り合うレンズ群の配置は均一(等間隔)であってもよい。レンズ群の配置が等間隔となっている場合には、下記c)の効果を得ることができる。
c)レンズ群の配置が第1の方向にも第2の方向にもランダムすぎると木の繊維感が失われてしまう。このため、隣り合うレンズ群の配置間隔を第1の方向(レンズ2の長手方向に平行な方向)である程度(等間隔〜あまり乱れていると感じない程度のランダムに)そろえることで、レンズ群に束感を持たせることができ、木の繊維感を演出することができる。
また、本実施形態では、レンズ2の第1の方向の巾をDxとしたとき、第1の方向で隣り合うレンズ群の間隔W(例えば、W1、W2、…)は、1.2≦W≦2、の条件を満たすことが望ましい。この条件を満たすことにより、下記d)の効果を得ることができる。
d)レンズの巾が第1の方向にも第2の方向にもランダムすぎると木の繊維感が失われてしまう。このため、レンズの巾を第1の方向(レンズ2の長手方向に平行な方向)である程度(等しい長さ〜あまり乱れていると感じない程度のランダムに)そろえることで、レンズ群に束感を持たせることができ、木の繊維感を演出することができる。
(3.2)第2の構成例
図11は、レンズ2の配列の他の例を示す平面図である。図11は、レンズ2の平面形状が楕円形の場合を例示している。
図11において、各レンズ2は第2の方向に重心同士が0.05mm以上6mm以下の間隔で並んでいる。つまり、第2の方向で隣り合うレンズ2同士の重心間距離をLとしたとき、Lは0.05mm以上6mm以下となっている。また、各レンズ群のうちシートの最上段に位置するレンズ2を基準レンズとしたとき、各レンズ2は基準レンズを起点として、第2の方向に向けて直線状に並んでいる。各レンズ群において、各レンズ2の重心の第1の方向における平均の位置を中心線としたとき、各レンズ2は中心線から第1の方向に多少位置ずれしていてもよく、その位置ずれ量の許容範囲は例えば基準レンズの巾Dxの1/3以内である。また、各レンズ群において、各レンズ2の長手方向は、第2の方向に必ずしも平行でなくてもよい。
各レンズ群の中心線同士は0.06mm以上0.6mm以下の間隔で離れている。つまり、第1の方向で隣り合うレンズ2郡同士の中心線間距離(配置間隔)をWとしたとき、Wは0.06mm以上0.6mm以下となっている。エンボスシート1において、複数のレンズ群のそれぞれの配置間隔Wは、一定の値でもよいし、一定の値でなくてもよい。
(4)粗面化
エンボスシート1に入射した光を散乱反射させる手法として、エンボスシート1の基材3の一方の面31及びレンズ2の表面の少なくとも一方を粗面化してもよい。エンボスシート1を成形する際の型を粗面化することで、粗面をエンボスシート1に転写してもよく、またはエンボスシート1を直接粗面化してもよい。または微粒子を含有したコーティングをエンボスシート1に施してもよい。このとき、表面粗さ(算術平均粗さ)Raは0.01μm以上20μm以下の範囲であることが望ましい。0.01μm以下はほとんど鏡面といっても差支えなく望むような散乱特性を得ることができず、一方で20μmを超えるとレンズ2の機能が低下するためである。すなわち、基材3の一方の面31及びレンズ2の表面の少なくとも一方の表面粗さRaが0.01μm以上20μm以下である場合、適度な角度範囲の方向に亘って光を反射させつつ、好適な散乱特性を得ることができる。
(5)レンズの面積率
エンボスシート1におけるレンズ2の面積率を調整することで、第2の反射ピークの強度を調整することができる。ここで、レンズ2の面積率とは、エンボスシート1の一方の面31の単位面積当たりにおけるレンズ2の反射主面21の面積と定義される。レンズ2の面積率は任意に設定可能だが、望ましくは1%以上70%以下の範囲である。レンズ2の面積率が1%を下回ると、レンズ2が少なすぎ第2の反射ピークが弱過ぎるためである。また、レンズ2の面積率が1%を下回ると、レンズ2の配置が疎らになり、レンズ2が1つ1つの点状に視認され易くなるためである。一方で、レンズ2の面積率が70%を超えると、基材3の一方の面31の平坦部が少なくなり過ぎて、エンボスシート1による反射光の大部分がレンズ2によるものとなってしまい、望ましくないためである。
エンボスシート1におけるレンズ2の面積率は1%以上70%以下の範囲で設定されることが望ましく、基材3の一方の面31内において面積率は一定でもよく、または箇所によってレンズ2の面積率を変動(疎密分布)させてもよい。すなわち、第2の反射ピークの強弱をエンボスシート1面内で表現したい場合、例えば第2の反射ピークを弱くしたい領域はレンズ2の面積率を1〜20%の範囲に設定し、第2の反射ピークを強めたい領域はレンズ2の面積率を50〜70%に設定し、その中間にしたい領域はレンズ2の面積率を20〜50%と設定することができる。
上述した通り、レンズ2は基材3の一方の面31に対して面積率が1%以上70%以下の範囲で配置される。第2のピーク強度を大きくしたい場合は、レンズ2の面積率を高く設定するか、第2の断面において反射主面24が直線に近い形状のレンズ2を多く用いる。また、第2のピーク強度を小さくしたい場合は、レンズ2の面積率を低く設定するか、第2の断面において反射主面24が湾曲したレンズ2を多く用いて反射光を散乱させる。
また、エンボスシート1の面内において、領域毎にレンズ2の面積率を変動させたり、領域毎にレンズ2の種類を変えたりすることで、面内における第2のピーク強度の強弱を表現することもできる。
<化粧シート>
図12は、本発明の実施形態に係る化粧シート5の構成例を示す断面図である。化粧シート5は、合板等に貼り合わせることで内装や家具の表面材に使用されるものである。
図12に示すように、化粧シート5は、シート状の下層基材6と、下層基材6上に設けられた木目柄の印刷面(印刷層とも称される)4と、下層基材6との間で印刷面4を挟み込むように下層基材6上に配置されたエンボスシート1と、を備える。下層基材6の材料は特に限定されないが、例えば熱可塑性樹脂を用いることができる。下層基材6の好適な材料の一例としては、ランダムPP(ポリプロビレン)やHDPE(高密度ポリエチレン)などを挙げることができ、これら熱可塑性樹脂に有機又は無機の顔料を添加してもよい。
印刷面4に用いられるインキとしては、例えばウレタン樹脂バインダーに有機又は無機の顔料を添加したものを好適に用いることができるが、これに限定されるわけではない。化粧シート5の下層基材6とエンボスシート1との界面(印刷面4)に接着層(図示せず)を追加してもよい。接着層としては、例えばポリプロピレン系の接着性樹脂などを用いることができるが、これに限定されるわけではなく、下層基材6とエンボスシート1との密着性等を考慮して適宜選択することができる。また、ポリエステルポリオールにイソシアネート系を混合したアンカー層を下層基材6と接着層との間に迫加してもよい。また、エンボスシート1表面に、図示しないオーバーコート層(トップコート層とも称される)を設けてもよい。
<製造方法>
次に、エンボスシート1の製造方法について説明する。エンボスシート1はレンズ2を形成する版を用いて、押出成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって、基材3とレンズ2とを一体に成形することができる。用いる樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2、6−ナフレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂、スポログリコール共重合ポリエステル樹脂、フルオレン共重合ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)、ポリメチルペンテン、脂環式オレフィン共重合樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルスチレン共重合体、およびこれらを成分とする共重合体、またこれら樹脂の混合物などを挙げることができ、特に制限されることはない。これらの樹脂に例えば紫外線吸収剤や光安定剤等を添加してもよい。
または上記熱可塑性樹脂を用いて、押出成形法、射出成型法によって基材3を成形して後、レンズ2を形成する版を用いて、熱プレス法、紫外性硬化成形法、電子線硬化成形法等によってレンズ2を形成してもよい。
このようなエンボスシート1は木目柄の化粧シート5の印刷面4の上に配置することで、リアルな木目感を表現することができる。エンボスシート1には上述したレンズ2だけでなく、導管を表現する凹部、または凸部(図示せず)を設けてもよい。よりリアルな木目感を表現することができるためである。またエンボスシート1表面にオーバーコート層(図示せず)を設けてもよい。
化粧シート5の基材3としては特に限定はされないが上述したエンボスシート1に用いられる熱可塑性樹脂を用いてもよい。好適な材料の一例としてはランダムPP(ポリプロピレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)などが挙げられ、これら熱可塑性樹脂に有機、無機の顔料が添加されてもよい。
印刷面4に用いられるインキとしては、例えばウレタン樹脂バインダーに有機、無機の顔料を添加したものが好適に用いられるがこれに限定されない。
また化粧シート5の基材3とエンボスシート1との界面(印刷面4)において、接着層(図示せず)を追加してもよい。接着層は例えばポリプロピレン系の接着性樹脂などが用いられるがこれに限定されない。化粧シート5の基材3とエンボスシート1の密着性等を考慮して適宜選択することができる。また、ポリエステルポリオールにイソシアネ―ト系を混合したアンカー層を化粧シート5の基材3と接着層との間に追加してもよい。
エンボスシート1表面のオーバーコート層材料としては、例えばアクリルポリオールにイソシアネート系を混合した樹脂に紫外線吸収剤や光安定剤等が添加されたものを用いることができるが特に限定はされない。
本発明の実施形態に係る化粧シート5は正反射ピークと、箇所によって異なる角度である第2の反射ピークとを有するエンボスシート1を有しているため、天然木の木目で生じる「照り」が表現される、よりリアルな木目柄の化粧シート5を得ることができる。
<実施形態の効果>
(1)本発明の実施形態によれば、エンボスシート1は、基材3の一方の面とのなす角度が異なる反射主面を備えたレンズ2が配列される。このため、第1の方向においては基材3の一方の面における正反射角度とは異なる角度に反射光を射出することができる。更に、反射主面の中心部に接する直線(または、接線)と基材3の一方の面とのなす角度が異なるレンズ2が多数配置されるため、箇所によってはその反射光角度を自由に設計することができる。
一方で、第2の方向においては、反射主面は円弧状である(または、波線状でもよい)ため特定の反射ピークを有しない散乱反射光を射出することができる。すなわち上述した異方性散乱反射特性を表現することができる。
(2)また、レンズ2を第1の方向に規則的に配置し、第2の方向に長さが異なるものを用いて配置することで、シート内のレンズ2の配置を工夫することができ、木目の絵柄に対して照りとなる反射光を並べやすくなるほか、見た目に関しても、木の繊維のような自然感を持たせることができる。このようなエンボスシート1を備えることで、化粧シートに木の「照り感」を付与することができる。
(3)異なる周期性を持った模様同士が重なるとき、モアレが発生する場合がある。印刷面やオーバーコート層の塗布に使われるグラビア製版では版の目に周期がある。レンズ2の配置を規則的にすると周期が生まれ、それが印刷面やオーバーコート層のグラビア版の周期と重なりもモアレが発生することがある。これについて、グラビア版の目を変えることは困難だが、本実施形態では、レンズ2の配置を不規則にする(ランダム性を持たせる)ことで回避することができる。
(4)同じ大きさのレンズ2が規則的に配列されているとき、指先で擦るとレンズ2特有の擦れ音が発生し、周期によってその音は増幅され高くなる。レンズ2の大きさや配置をランダムにすることで周期による音の増幅がなくなり、擦れ音が自然な程度になる。また同じ大きさのレンズ2が規則的に並んだ状態では、触感も淡々とぶつぶつとしたものであり、無機質である。これについて、本実施形態では、レンズ2の大きさや配置がランダムになることで自然な木肌のような凹凸に波のあるざらざらとしたものになる。レンズ2の大きさや配置がランダムになることで、より天然木に近い障り心地を再現することができる。
<その他>
本発明の技術的思想は、以上に記載した実施形態に特定されるものではない。当業者の知識に基づいて、本発明の実施形態に設計の変更等を加えてもよく、また、実施形態に記載の各構成例を任意に組み合わせてもよく、そのような変更が加えられた態様も、本発明の技術的思想に含まれる。
1 エンボスシート
2 レンズ
3 基材
4 印刷面
5 化粧シート
6 下層基材
21 (第1の断面における)反射主面
22、23 (第1の断面における)接続面
23 (第1の断面における)接続面
24 (第2の断面における)反射主面
25、26 (第2の断面における)接続面
31 一方の面
211、212、直線
213、214 接線

Claims (16)

  1. シート状の基材と、
    前記基材の一方の面側に設けられ、第1の方向と、前記第1の方向と平面視で交差する第2の方向とに互いに離間して配置された複数のレンズと、を備え、
    前記複数のレンズの各々は、入射した光を反射する反射主面と、前記反射主面と前記基材とを接続する接続面とを有し、
    前記第1の方向に平行な第1の断面において、前記反射主面の形状は、直線状又は、前記反射主面の2つの端点を結んだ直線と該端点とにおける接線とが交差する角度が0度以上40度以下となる湾曲線状であり、
    前記第1の断面において、前記直線状である前記反射主面の中心部に平行な直線又は、前記湾曲線状である前記反射主面の中心部における接線と、前記基材の一方の面とが交差する角度を前記反射主面の傾斜角度としたとき、前記傾斜角度は−40度以上40度以下の範囲内であり、
    前記複数のレンズのうちの1つ以上のレンズは、前記複数のレンズのうちの他のレンズと前記傾斜角度が異なり、
    前記複数のレンズのうちの1つ以上のレンズは、前記複数のレンズのうちの他のレンズと前記第2の方向における長さが異なることを特徴とするエンボスシート。
  2. 前記複数のレンズのうち、前記第2の方向で隣り合う一対のレンズの重心間距離は、前記第2の方向で隣り合う他の一対のレンズの重心間距離と長さが異なることを特徴とする請求項1に記載のエンボスシート。
  3. 前記複数のレンズのうちの前記第2の方向で隣り合う一対のレンズの離間距離は、前記第2の方向で隣り合う他の一対のレンズの離間距離と長さが異なることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンボスシート。
  4. 前記複数のレンズは、複数のレンズが前記第2の方向に重心を揃えて列を成すレンズ群を複数構成しており、
    前記複数のレンズ群において、前記第1の方向におけるレンズ群の配置は等間隔であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のエンボスシート。
  5. 前記複数のレンズは、該レンズの重心を前記第2の方向に揃えて並ぶレンズ群を複数構成するように配置されており、
    前記複数のレンズ群において、前記第1の方向で隣り合う一対のレンズ群の間隔は、前記第1の方向で隣り合う他の一対のレンズ群の間隔と長さが異なることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のエンボスシート。
  6. 前記レンズの前記第1の方向の巾をDxとしたとき、
    前記第1の方向で隣り合うレンズ群の間隔Wは、1.2≦W≦2、の条件を満たすことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のエンボスシート。
  7. 前記レンズの前記第1の方向の巾をDxとし、前記レンズの前記第2の方向の巾をDyとしたとき、
    Dxは50μm以上500μm以下であり、
    DxとDyは、1≦Dy/Dx≦10、の条件を満たすことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載のエンボスシート。
  8. 前記第1の断面において、前記接続面は前記反射主面の一端側にのみ設けられており、前記反射主面の他端側は前記基材の一方の面に直に接続していることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載のエンボスシート。
  9. 前記傾斜角度は、前記複数のレンズの配置位置に沿って変動したように設定されていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載のエンボスシート。
  10. 前記傾斜角度は前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれに沿って変動したように設定されており、
    前記第1の方向における前記傾斜角度の最大差は、前記第2の方向における前記傾斜角度の最大差よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載のエンボスシート。
  11. 前記傾斜角度の前記第1の方向に沿う変動は周期的であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のエンボスシート。
  12. 前記傾斜角度は前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれに沿って変動したように設定されており、
    前記第2の方向における前記傾斜角度の最大差は、前記第1の方向における前記傾斜角度の最大差よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載のエンボスシート。
  13. 前記傾斜角度の前記第2の方向に沿う変動は周期的であることを特徴とする請求項9又は請求項12に記載のエンボスシート。
  14. 前記傾斜角度の周期的な変動のパターンは、前記基材の一方の面側の複数の領域間で互いに異なることを特徴とする請求項11又は請求項13に記載のエンボスシート。
  15. 前記複数のレンズ及び前記基材の一方の面の少なくとも一方は、表面粗さRaが0.01μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項14の何れか一項に記載のエンボスシート。
  16. 請求項1から請求項15の何れか一項に記載のエンボスシートを備えることを特徴とする化粧シート。
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