JP7096498B2 - 推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属材料の破断時期を推定する技術に関する。
水素脆化による金属材料の破壊(破断)は、遅れ破壊とも呼ばれるように予知の難しい破壊モードであり、破壊後に破壊原因が水素脆化であったことが明らかになる事象である。また、水素脆化による金属材料の劣化過程を捉えることは、困難である(非特許文献1)。
金属材料の水素脆化に対する対策方法としては、水素脆化を生じる環境に金属材料を暴露しないようにする予防手段が有効である。一方、水素脆化を生じる環境に金属材料を暴露しなければならない場合、水素脆化が生じる前に更改することが望ましい。このとき、金属材料を更改するためには、金属材料が供用環境下で水素脆化するまでの供用可能期間が既知であることが必要である。供用可能期間は、実際に金属材料を供用して水素脆化により破壊するまでの期間を調査することにより確認される。一般に、供用可能期間は、水素脆化により破壊しているか否かを任意の時間間隔で点検することで確認される。
秋山、"金属材料の水素脆化と今日の課題"、まてりあ、第56巻、第3号、2017年、p.230-p.233 南雲、"破壊現象としての水素脆性~水素脆性機構~、圧力技術、JHPI、第46巻、第4号、2018年、p.190-p.199 松山、"遅れ破壊"、1989年、p.97
しかしながら、水素脆化による破壊が生じるまでの期間を定期的な点検作業により確認する場合、点検間隔内における破壊の時期は不明であり、点検間隔が供用可能期間の最少単位となるため、破壊の時期を正しく評価することは困難である。また、金属材料に対して歪センサ等を用いて常時モニタリングする方法も考えられるが、センサの導入及び維持にコストがかかる。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、金属材料の破断時期の推定精度を改善することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の推定方法は、金属材料の破断時期を推定する推定装置で行う推定方法において、破断した金属材料の水素脆化度から前記金属材料の破断温度を算出する第1工程と、前記金属材料が設置されていた設置環境の温度情報を用いて、前記破断温度を含む期間を前記金属材料の破断発生期間として算出する第2工程と、前記破断発生期間において前記金属材料に応力が負荷された時期を前記金属材料の破断時期として算出する第3工程と、を行うことを特徴とする。
上記推定方法において、前記水素脆化度は、破断した金属材料の破面において、ディンプルを含む破面を延性破面とし、ディンプルを含む破面以外の破面を水素脆化破面とみなし、破面全体に占める水素脆化破面の割合を示す脆性破面率であり、前記第1工程では、金属材料における前記脆性破面率と破断温度との関係を示す関係式を用いることを特徴とする。
上記推定方法において、前記水素脆化度は、金属材料を空気中で破断した際の断面収縮率と水素中で破断した際の断面収縮率との比であり、前記第1工程では、金属材料における前記比と破断温度との関係を示す関係式を用いることを特徴とする。
上記推定方法において、前記第3工程では、所定の外れ値検定方法を用いて前記破断発生期間に負荷された応力の外れ値を検出し、外れ値が連続して検出された期間が長い順に高応力が負荷された時期として算出することを特徴とする。
上記推定方法において、前記破断した金属材料は、屋外に設置された金属材料、又は屋外に設置された構造体に含まれる金属材料であり、前記第3工程では、所定の外れ値検定方法を用いて前記破断発生期間に負荷された前記屋外での風力の外れ値検出を行い、外れ値が連続して検出された期間が長い順に大きな風力が負荷された時期として算出することを特徴とする。
上記推定方法において、前記第3工程では、前記外れ値が連続して検出された期間が長い順に高応力が負荷された時期を順位付け、前記順位付けに応じて前記破断時期にも順位付けを行うことを特徴とする。
上記推定方法において、前記第3工程では、前記外れ値が連続して検出された期間が長い順に大きな風力が負荷された時期を順位付け、前記順位付けに応じて前記破断時期にも順位付けを行うことを特徴とする。
上記推定方法において、前記破断した金属材料は、コンクリート構造物に含まれる鋼材であることを特徴とする。
上記推定方法において、前記構造体は、コンクリートポールであることを特徴とする。
本発明によれば、金属材料の破断時期の推定精度を向上できる。
推定装置の機能ブロックの構成例を示す図である。 金属材料の破面(破断面)を模式的に示す図である。 金属材料における温度と脆性破面率との関係を示す図である。 金属材料の破断温度の推定例を示す図である。 金属材料の破断発生期間の推定例を示す図である。 金属材料の破断時期の推定例を示す図である。 金属材料の破断時期の推定方法のフローを示す図である。
以下、本発明を実施する一実施形態について図面を用いて説明する。
<概要>
本実施形態は、水素脆化により破断した金属材料の破壊時期(破断時期)を推定することを目的とする。水素脆化により破壊(破断)した金属材料から得られる水素脆化に関する情報としては、例えば、破面形態、断面収縮率がある。そこで、例えば破面形態を用いる場合、破断時の温度により破面形態が推移することを利用し、破面全体に占める脆性破面率から破断時の温度を推定計算する。そして、推定計算した破断時の温度(温度条件)を設置環境の温度情報に適用することで所定の点検間隔内から破壊が生じた期間を絞り込み、高応力(応力条件)が生じた時期が明らかな場合、応力条件を用いて破壊が生じた時期をさらに絞り込む。これにより、水素脆化により破断した金属材料の破断時期の推定精度の向上を図る。
<構成>
本実施形態では、水素脆化により破断した金属材料の破壊時期を推定するため、図1に示す推定装置1を用いる。図1は、推定装置1の機能ブロックの構成例を示す図である。推定装置1は、主として、データ取得部11と、データ記憶部12と、水素脆化度算出部13と、破断温度推定部14と、破断発生時期絞り込み部15と、破断時期推定部16と、を備えて構成される。
データ取得部11は、金属材料の破断時期を推定するために用いるデータを取得する機能を備える。データ取得部11は、例えば、金属材料の破面(破断面)の画像データ、金属材料の破断温度、金属材料を空気中で破断した際の破面の画像データ、金属材料を水素中で破断した際の破面の画像データ、推定対象の金属材料が設置されていた設置環境の温度情報、推定対象の金属材料に負荷されていた風力情報(応力情報)等の入力を受け付ける。
データ記憶部12は、データ取得部11が取得したデータを読み出し可能に記憶しておく機能を備える。
水素脆化度算出部13は、破断した推定対象の金属材料の水素脆化度を算出する機能を備える。水素脆化度は、例えば、破面形態、断面収縮率をもとに算出される。破面形態をもとに算出する場合、水素脆化度算出部13は、水素脆化度として、破断した金属材料の破面において、ディンプルを含む破面を延性破面とし、ディンプルを含む破面以外の破面を水素脆化破面とみなし、破面全体に占める水素脆化破面の割合を示す脆性破面率を算出する。断面収縮率をもとに算出する場合、水素脆化度算出部13は、水素脆化度として、金属材料を空気中で破断した際の断面収縮率と水素中で破断した際の断面収縮率との比を算出する。尚、脆性破面率又は断面収縮率は、データ記憶部12の画像データを用いて算出される。
また、水素脆化度算出部13は、破断した金属材料の水素脆化度と当該破断した金属材料の破断温度とを「水素脆化度-温度のグラフ」にプロットし、水素脆性度と破断温度との関係を示す関係式Fを導出する機能を備える。破面形態をもとに水素脆化度を算出した場合、水素脆化度算出部13は、脆性破面率と破断温度との関係を示す関係式F1を導出する。断面収縮率をもとに水素脆化度を算出した場合、水素脆化度算出部13は、断面収縮率の比と破断温度との関係を示す関係式F2を導出する。
破断温度推定部14は、導出した関係式F(F1,F2)を用いて、破断した推定対象の金属材料の水素脆化度から当該推定対象の金属材料の破断温度Kを推定算出する機能を備える。
破断発生時期絞り込み部15は、データ記憶部12から推定対象の金属材料が設置されていた設置環境の温度情報を読み出し、当該温度情報を用いて、推定算出した破断温度Kを含む期間Tを推定対象の金属材料の破断発生期間Tとして絞り込み算出する機能を備える。
破断時期推定部16は、データ記憶部12から推定対象の金属材料に負荷されていた風力情報(応力情報)を読み出し、当該風力情報を用いて、絞り込み算出した破断発生期間Tにおいて、推定対象の金属材料に大きな風力(高応力)が負荷された時期を推定対象の金属材料の破断時期として推定算出する機能を備える。
また、破断時期推定部16は、所定の外れ値検定方法を用いて破断発生期間Tに負荷された風力(応力)の外れ値を検出し、外れ値が連続して検出された期間が長い順に大きな風力(高応力)が負荷された時期として算出する機能を備える。
また、破断時期推定部16は、外れ値が連続して検出された期間が長い順に大きな風力(高応力)が負荷された時期を順位付け、その順位付けに応じて破断時期にも順位付けを行う機能を備える。
尚、金属材料は、屋内又は屋外に設置され、構造物の内外(金属材料の露出の有無)を問わない。例えば、露出した金属材料、コンクリートポール等の構造体に含まれる金属材料、コンクリート構造物に含まれる鋼材や鉄筋、屋内外に設置されたメッキ鋼材や塗装鋼材である。また、一般に屋内とは建物の中(校内、庁舎内等)をいい、屋外とは建物の外(道路、グランド等)をいうが、金属材料は、必ずしも屋内と屋外のうちいずれかに限定して用いられるものではなく、球技場の屋根を支えるコンクリート等、屋外と屋内とが共存するようなコンクリート内の鋼材等でもよい。
<推定方法>
次に、破断時期の推定方法について詳述する。本推定方法では、破面形態をもとに推定する場合を例に説明する。鉄筋等の金属材料が水素脆化により破壊した際の破面形態の模式図を図2に示す。水素脆化による金属材料の破面は、粒界面や擬へき開破面等の条件により、さまざまな模様、形状等が表れる。そして、延性破面としては、ディンプルが特徴時に観察される(非特許文献2)。
そこで、本実施形態では、図2に示すように、ディンプルが観察される破面Aを延性破面とし、ディンプルが観察される破面以外の破面Bを水素脆性による水素脆性破面とみなす。そして、水素脆化破面(破面B)の面積を破面全体(破面A+破面B)の面積で除することで脆性破面率を算出する。
また、金属材料における脆性破面率と破断温度とを「水素脆化度-温度のグラフ」にプロットした例を図3に示す。図3は、「JISG 3137」により規定されるD種の金属材料に対し、994MPaの定荷重を負荷した後、陰極チャージ法により水素を添加し、金属材料に接する溶液温度を10℃、25℃、50℃の三水準設け、金属材料が破断するまで試験した際の結果である。図3より、高温であるほど脆性破面率が低下することが明らかである。
そして、「水素脆化度-温度のグラフ」のプロット点に対して、例えば最小二乗法により近似式を取得することで、図4に示すように、温度と脆性破面率の関係式F1を導出する。この関係式F1に供用環境で破壊した推定対象の金属材料の脆性破面率を代入することで、図4に示すように、破断時の破断温度Kを推定算出する。
その後、供用環境における温度変化が明らかな場合、推定算出した破断温度Kから、破断が生じた破断発生期間Tを推定算出すればよい。点検間隔が1年であり、供用環境の温度変化が明らかであって、破断温度Kが約303℃と推定された場合における、破断発生期間Tの推定結果を図5に示す。供用環境における温度の推移の中で破断温度K=303℃となる条件を有する期間Tが0.45~0.74年であったことから、破断発生期間Tを、点検間隔であった1年間からより短い期間である0.29年間にまで絞り込むことができる。
さらに、金属は高応力条件において水素脆化しやすいことから(非特許文献3)、推定対象の金属材料に対して高応力が負荷される条件が明らかである場合、破断が高い確率で生じた時期をさらに絞り込むことができる。例えば、屋外の構造物においては、風圧により応力が負荷されると考えられる。したがって、供用環境における風速情報を取得し、特異的に風速の大きい時間が継続した場合、高確率で破断が生じたと推定する。特異的に風速が大きい、すなわち特異的に高い応力がかかった時間の導出方法としては、所定の外れ値検定方法、例えば、スミルノフ・グラブス検定、トンプソン検定を用いる。そして、測定結果に対して、検定による外れ値評価が連続した時間で検出され、その連続時間が長い順に高い確率で水素脆化破断が生じたと推定する。
図5に示した期間と同じ期間に生じた風速の測定値を図6に示す。破断温度Kから推定された破断発生期間Tにおいて、風速の外れ値の検定を実施すると、高応力条件が最も長く継続したのは0.515~0.518年の間、すなわち32時間であり、前回の点検から約0.518年経過した時期に破断した確率が最も高いと推定できる。続いて、2番目に連続時間が長い期間を第2位として評価する。尚、高応力条件について歪ゲージ等で金属材料への負荷応力を測定している場合にも、本推定方法を組み合わせ可能であり、外れ値を用いた順位付けをすればよい。
最後に、推定装置1で行う金属材料の破断時期の推定方法の推定フローについて説明する。図7は、推定方法のフローを示す図である。
ステップS1;
まず、水素脆化度算出部13は、破断した金属材料の脆性破面率と当該破断した金属材料の破断温度とを「水素脆化度-温度のグラフ」にプロットし、そのプロットに対して最小二乗法により近似式を求めることにより、脆性破面率と破断温度との関係を示す関係式F1を導出する(図4参照)。尚、水素脆化度算出部13は、関係式F1を予め導出してデータ記憶部12に格納しておいてもよい。
ステップS2;
次に、水素脆化度算出部13は、破断した推定対象の金属材料の破面の画像データ等を用いて、当該推定対象の金属材料の水素脆化度を算出する。例えば、水素脆化度算出部13は、破断した金属材料の破面において、ディンプルを含む破面Aを延性破面とし、ディンプルを含む破面以外の破面Bを水素脆化破面とみなして、破面全体に占める水素脆化破面の割合を示す脆性破面率を算出することにより、水素脆化度を算出する。
ステップS3;
次に、破断温度推定部14は、ステップS1で導出した関係式F1に、ステップS2で算出した水素脆化度(脆性破面率)を代入することにより、推定対象の金属材料の破断温度Kを推定算出する(図4参照)。
ステップS4;
次に、破断発生時期絞り込み部15は、推定対象の金属材料が設置されていた設置環境の温度情報を取得する。
ステップS5;
次に、破断発生時期絞り込み部15は、ステップS4で取得した温度情報を参照し、点検間隔である例えば1年の期間内から、推定算出した破断温度Kを含む期間Tを、上記推定対象の金属材料の破断発生期間Tとして絞り込む(図5参照)。これにより、破断が生じた時期を年単位から月単位又は日単位に絞り込むことができる。
ステップS6;
次に、破断時期推定部16は、推定対象の金属材料に負荷されていた風速情報を参照し、絞り込み算出した破断発生期間Tにおいて、推定対象の金属材料に大きな風速が負荷された時期を推定対象の金属材料の破断時期として推定算出する。例えば、破断時期推定部16は、スミルノフ・グラブス検定方法を用いて破断発生期間Tに生じた風速のうち極めて大きな風速である外れ値を検出し、外れ値が連続して検出された期間が長い順に大きな風速が負荷された時期として算出し、金属材料の破断時期と判定する(図6参照)。これにより、破断が生じた時期を月単位から日単位又は時間単位にさらに絞り込むことができる。
ステップS7;
最後に、破断時期推定部16は、外れ値が連続して検出された期間が長い順に大きな風速が負荷された時期を順位付け、その順位付けに応じて破断時期にも順位付けを行い、それらの順位付け結果をモニタ等に出力する。図6に示した風速情報の場合、前回の点検から0.518年経過後が破断時期の第1位、0.561年経過後が第2位、0.732年経過後が第3位として、破断時期が表示される。
ここまで、本推定方法では、破面形態をもとに推定する場合を例に説明したが、破面形態に代えて、断面収縮率をもとに推定してもよい。その場合、水素脆化度算出部13は、ステップS2において、金属材料を空気中で破断した際の断面収縮率と水素中で破断した際の断面収縮率との比を算出することにより、水素脆化度を算出する。
<効果>
通常、水素脆化により金属材料が破壊した時期は、破壊前の点検時から破断を認識した破壊後の点検時までの期間でしか絞り込めず、また、その期間の長さは、点検間隔に依存する。
これに対し、本実施形態では、金属材料の破壊結果から得られる水素脆化度(破面形態、断面収縮率等)を指標とし、水素脆化度が温度により変化することから、予め水素脆化度と温度の関係式Fを導出しておき、その関係式Fを用いて、実際に破断した推定対象の金属材料の水素脆化度から破断温度Kを推定する。
そして、推定した破断温度Kを供用環境下の温度変化に対応付けることで、破断発生期間Tを絞り込む。また、負荷応力が高いほど水素脆化による破断が生じ易いことから、得られる環境情報から高い応力を生じる外れ値を検出し、その連続時間が長い順に破断発生確率の順位付けをする。これにより、水素脆化破壊の発生した時期をさらに短い期間に絞り込むことができる。
この結果、水素脆化による金属材料の破壊期間(金属材料や金属材料を構成に含む構造物等の供用可能期間)をより正確に推定でき、より正確に把握できる。また、正確に推定された供用可能期間の情報により、金属材料又は金属材料を含む設備等を効率的に更改できる。
尚、本実施形態で説明した推定装置1は、CPU、メモリ、入出力インタフェース、通信インタフェース等を備えたコンピュータで実現可能である。また、それらの装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、そのプログラムの記憶媒体の作成も可能である。
1…推定装置
11…データ取得部
12…データ記憶部
13…水素脆化度算出部
14…破断温度推定部
15…破断発生時期絞り込み部
16…破断時期推定部

Claims (9)

  1. 金属材料の破断時期を推定する推定装置で行う推定方法において、
    破断した金属材料の水素脆化度から前記金属材料の破断温度を算出する第1工程と、
    前記金属材料が設置されていた設置環境の温度情報を用いて、前記破断温度を含む期間を前記金属材料の破断発生期間として算出する第2工程と、
    前記破断発生期間において前記金属材料に応力が負荷された時期を前記金属材料の破断時期として算出する第3工程と、
    を行うことを特徴とする推定方法。
  2. 前記水素脆化度は、破断した金属材料の破面において、ディンプルを含む破面を延性破面とし、ディンプルを含む破面以外の破面を水素脆化破面とみなし、破面全体に占める水素脆化破面の割合を示す脆性破面率であり、
    前記第1工程では、
    金属材料における前記脆性破面率と破断温度との関係を示す関係式を用いることを特徴とする請求項1に記載の推定方法。
  3. 前記水素脆化度は、金属材料を空気中で破断した際の断面収縮率と水素中で破断した際の断面収縮率との比であり、
    前記第1工程では、
    金属材料における前記比と破断温度との関係を示す関係式を用いることを特徴とする請求項1に記載の推定方法。
  4. 前記第3工程では、
    所定の外れ値検定方法を用いて前記破断発生期間に負荷された応力の外れ値を検出し、外れ値が連続して検出された期間が長い順に高応力が負荷された時期として算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の推定方法。
  5. 前記破断した金属材料は、屋外に設置された金属材料、又は屋外に設置された構造体に含まれる金属材料であり、
    前記第3工程では、
    所定の外れ値検定方法を用いて前記破断発生期間に負荷された前記屋外での風力の外れ値検出を行い、外れ値が連続して検出された期間が長い順に大きな風力が負荷された時期として算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の推定方法。
  6. 前記第3工程では、
    前記外れ値が連続して検出された期間が長い順に高応力が負荷された時期を順位付け、前記順位付けに応じて前記破断時期にも順位付けを行うことを特徴とする請求項4に記載の推定方法。
  7. 前記第3工程では、
    前記外れ値が連続して検出された期間が長い順に大きな風力が負荷された時期を順位付け、前記順位付けに応じて前記破断時期にも順位付けを行うことを特徴とする請求項5に記載の推定方法。
  8. 前記破断した金属材料は、
    コンクリート構造物に含まれる鋼材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の推定方法。
  9. 前記構造体は、
    コンクリートポールであることを特徴とする請求項5に記載の推定方法。
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