JP3917113B2 - 高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法に関するものであり、特に石油精製設備に用いられる大型反応塔の設備管理・寿命予測に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石油精製プラントで利用される大型反応塔は高温高圧水素雰囲気で運転されるため、水素によって破壊感受性が高まることが懸念される。圧力容器の水素脆化割れ損傷に関しては、評価手法は国内外の規格等である程度解説されている。例えば、図12に示すように圧力容器の健全性評価指針の国際規格である非特許文献1には、水素脆化割れ進展速度の模式図が掲載されている。この図は、水素脆化した圧力容器にき裂が生じた場合のき裂進展性を定性的に現したものであり、横軸はき裂先端に掛かる応力拡大係数を示し、縦軸はき裂進展速度を示す。図中の符号の説明は以下である。
【0003】
KIH :き裂発生下限界応力拡大係数,(MPa√m)
KIC−H :急速破壊で示される水素を吸収した材料の破壊靱性値,(MPa√m)
KIC :水素フリー材の破壊靱性値,(MPa√m)
da/dt:水素助長割れき裂進展速度,(mm/sec.)
【0004】
また、この他に簡易な算出によって応力拡大係数を求める数式が提案されている。以下に、この数式を示す。下記手順および数式によって応力拡大係数が算出される。
【0005】
【非特許文献1】
API Reccomended Practice 579規格
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記規格による評価方法では、定量的な評価が困難であり、評価の信頼性が低いという問題がある。このため信頼性が高く、定量的な評価が可能である欠陥評価方法の確立が強く望まれている。
しかし、定量的な評価を行う場合、圧力容器に内在する残留応力を推定することが難しく、一般には、熱流動、応力解析等に大がかりなコンピュータ計算を必要とするという問題がある。
【0007】
また、前記した簡易算出方法は、大がかりなコンピュータを必要とすることなく応力拡大係数を算出することが可能である。しかし、簡易的方法とするために、残留応力を作用応力の中に含め、作用応力として材料の降伏応力を採用することがとられてきたが、材料の降伏応力の値を用いることは圧力容器の寿命を過大に安全側に評価することになる。このため、この簡易算出方法では評価の信頼性が高くないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、圧力容器内部を流れる高温高圧水素ガスによって生じる水素脆化の影響を考慮し、圧力容器内部に発生する残留応力場での割れ状欠陥の進展性ならびに脆性破壊を起こす危険性を予知可能な欠陥評価方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来不明とされていた水素を吸収した容器の割れに対する感受性評価手法を確立し、容器が水素性の割れによって破壊するか否かの判定ならびに加圧時の最低温度を解析可能とした。また複雑構造溶接部に生じた割れの計算には多変数回帰分析手法による精度の高い瞬時簡易計算方法を構築することで、大幅な解析時間の短縮を実現した。
【0010】
前記課題を解決するため請求項1記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法の発明は、少なくとも被判定材に生じた割れの位置、方向ならびに形状等に関する情報と被判定材の構造に関する情報とを因子として、水素を吸収した状態における前記割れの応力拡大係数KIを求め、該応力拡大係数KIに基づいて、荷重負荷速度と運転温度とから算出されるき裂進展速度によってき裂の進展具合を判定し、被判定材の水素脆化割れ判定を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記因子が、前記割れの深さおよび長さと、被判定材である圧力容器の構造因子(ノズル径、内径、板厚、オーバレイ厚さ)と、運転圧力を含むものであることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記応力拡大係数KIは、前記因子を用いた多変数回帰分析を行うことによって得られる回帰式で示されることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記応力拡大係数KIと、き裂発生下限界応力拡大係数KIHとを比較し、その比較結果に基づいて、き裂進展の有無を判定することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記き裂発生下限界応力拡大係数KIHは、焼戻脆化した被判定材が水素を吸収した状態で室温〜150℃の範囲で示す温度依存特性を定量的に表記したものであることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記応力拡大係数KIと、脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとを比較し、その比較結果に基づいて脆性破壊の可能性を判定することを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hは、焼戻脆化した被判定材が水素を吸収した状態で室温〜86℃の範囲で示す温度依存特性を定量的に表記したものであることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項5または7に記載の発明において、前記応力拡大係数KIと、温度に依存する前記き裂発生下限界応力拡大係数KIHまたは脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとの大小関係に基づいて運転温度を設定することを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記応力拡大係数KIは、運転停止時を条件に求められることを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、運転停止時を条件として求められた前記応力拡大係数KIと、前記脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとを比較し、その比較結果に基づいて脆性破壊の可能性ありの判定がなされない場合、運転加圧時を条件に加圧時応力拡大係数KIを求め、この加圧時応力拡大係数KIと、温度に依存する前記き裂発生下限界応力拡大係数KIHまたは脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとの大小関係に基づいて運転温度を設定することを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の発明において、前記被判定材が石油精製用圧力容器であることを特徴とする。
また、請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の発明において、前記応力拡大係数K I は、実機と同等の厚さを有する試験体を用いて、実機と同程度の水素を内部に保った状態の再現試験により定量的に求めることを特徴とする。
【0022】
すなわち本発明によれば、少なくとも被判定材に生じた割れの形状に関する情報と被判定材の構造に関する情報とを因子として水素を吸収した状態において求められる応力拡大係数KIに基づいて、荷重負荷速度と運転温度とから算出されるき裂進展速度によってき裂の進展具合を判定し、被判定材の水素脆化割れ判定を行うことができるので、水素脆化割れを定量的に評価することができ、精度の高い評価が可能になる。なお、前記因子としては、圧力容器の内径やインターナル厚さ、シェル厚さ、オーバレイ厚さ、運転圧力、割れ形状(長さ、深さ、割れ方向)、き裂形状から求められる割れ形状係数などが挙げられる。
また、上記応力拡大係数KI分布は、上記因子を用いた多変数回帰分析を行うことによって得られる回帰式で示すものとすれば、瞬時簡易計算システムにより水素脆化割れの評価を簡便かつ精度よく行うことが可能になる。
【0023】
また、応力拡大係数KIに基づく脆化割れ判定では、応力拡大係数KIと、き裂発生下限界応力拡大係数KIHとの比較結果を利用することができる。すなわち、KI<KIHの場合、き裂の進展がないと推定でき、KI≧KIHの場合、き裂の進展があると推定できる。き裂の進展が推定される場合、荷重負荷速度と運転速度とからき裂進展速度を算出してき裂の進展具合、すなわち材料の寿命を予測することができる。
【0024】
また、応力拡大係数KIに基づく脆化割れ判定では、応力拡大係数KIと、脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとの比較結果を利用することができる。すなわち、応力拡大係数KI≧脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hの場合、脆性破壊の可能性ありと判定することができる。この判定に基づいて被判定材の補修、取り替え作業などを行うことができる。
【0025】
すなわち、上記によって求められる応力拡大係数KIと、き裂発生下限界応力拡大係数KIHと脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとは、大小比較において、望ましい関係を示すことができる。そして、き裂発生下限界応力拡大係数KIHと脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとを定量的な温度依存特性で表記すれば、上記した望ましい上下関係を満たすように運転温度を定めることができる。例えば、き裂の進展が生じない、最も安全な状態にするためには、応力拡大係数KI<KIHの条件を満たすように運転温度を設定すればよい。
【0026】
本発明では、被判定材には、高温高圧水素環境で供用される材料が対象となる。代表的には石油精製に用いられる大型反応塔の圧力容器が示される。本発明では被判定材の材料種別は特定のものに限定されないが、代表的には、2.25Cr−1Mo鋼が例示される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
従来、水素脆性の評価のために、1インチ厚程度の小型試験片に高温高圧水素添加を行った試験データが多く公表されている。しかしこのような試験片は、短時間に水素が試験片から放出してしまうことから実機水素環境を再現したものではなかった。このことから、実機と同等のサイズを有する大型3.5T−CT試験体に水素添加が可能な装置によって水素脆化割れ試験を行うことによって、実機水素環境を再現したデータ収集が可能になってきている。
【0028】
図1には、従来の水素添加された1T−CT試験片と本装置によって高温高圧水素添加された3.5T−CT試験片内の水素濃度(試験時間に対する)を示す。3.5T−CT試験片は、実機と同様の2ppm程度以上が長時間内部に保たれている。これにより、従来困難であった厚肉リアクターとほぼ同等の水素環境を再現した環境下での水素脆性割れ限界特性を再現する事が可能となる。また、この再現試験により、被判定材が水素を吸収した状態において、水素割れ脆性の評価に用いるき裂発生下限界応力拡大係数KIHと脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとを容易に定量的に示すことができる。そして、き裂発生下限界応力拡大係数KIHと脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとは、さらに温度依存特性を定量的に表記するものとして示すことができる。これら係数は、例えば材料劣化度や水素量、負荷環境を反映させた回帰分析によって得ることができる。
【0029】
図2は、所定(図示)の試験条件における水素脆性割れ進展速度を応力拡大係数KIとの関係において示すものである。焼戻脆化を受けた鋼に水素を吸収させると、ある応力拡大係数(き裂発生下限界応力拡大係数:KIH)を超えた時点からき裂が進展開始し、一定時間の後に遅れ破壊を起こす現象が認められる。この脆性破壊に移行する際の応力拡大係数(脆性破壊限界応力拡大係数:KIC−H)は、水素を添加しない場合の破壊靱性値KICに比較して低下する事から容器が脆性破壊を起こさないかの判定は、脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hによって行うことができる。すなわち、被判定材の応力拡大係数KIを求め、この応力拡大係数KIと脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとを比較することで判定できる。そして、応力拡大係数KIが脆性破壊限界応力拡大係数KIC−H以上である場合、被判定材は脆性破壊の可能性があると判定することができる。また、応力拡大係数KIがき裂発生下限界応力拡大係数KIH以上になると、き裂が進展することから、き裂の進展開始点としてき裂発生下限界応力拡大係数KIHを判定に利用することもできる。
【0030】
応力拡大係数KIの算出方法
上記した応力拡大係数KIについては、割れ形状、被判定材の構造因子(容器の内半径、板厚等)や運転圧力等についての多変数回帰分析を行い、近似された回帰式によって、ステンレスオーバーレイ近傍などに生じた割れ深さaに対する応力拡大係数KIとして算出することができる。図3は、被判定材である石油精製用圧力容器における水素脆性割れ解析可能部位を示す図である。下記数式1〜数式7は、図3中に示すインターナル取り付け部に生じた割れで、割れ形状がa:2c=1:2〜1:4迄の形状であるき裂の応力拡大係数の近似値を表す式である。ここで、式中、Ri:内径(inch),ta:インターナル厚さ(inch),ts:シェル厚さ(inch),P:圧力(psi),Q:割れ形状係数(Q=1+1.464(a/c)1.65,c=き裂長さの半分)である。
【0031】
【数式1】
【0032】
【数式2】
【0033】
【数式3】
【0034】
【数式4】
【0035】
【数式5】
【0036】
【数式6】
【0037】
【数式7】
【0038】
割れ形状がa:2c=1:4〜1:16の割れである場合については、上記と同様の手順で得られた多変数回帰された結果を用いて、同様の手順で応力拡大係数KIをそれぞれ求めることができる。
以下、同様の手法によって、インターナル取り付け部以外の部位、即ち図3に示される様なノズル、溶接継ぎ手部、ヘッド部のき裂発生想定位置においても割れ深さaに対して応力拡大係数KIを高精度で求めることが可能となる。
【0039】
この計算方法による近似精度は、図4に示されるように、母材と内面ステンレスオーバーレイの熱膨張係数差によって発生した熱応力と圧力を考慮した有限要素解析を多数行うことによって得られるFEM(有限要素法)解法と比較しても95%以上の確度を有している。すなわち、これらの簡易式によって従来長時間のFEM計算処理時間を必要としていたが、瞬時に応力拡大係数KIの解析結果が出力可能となる。
【0040】
上記による簡易式の計算手順と従来のFEM解法の手順とを比較して図5に示す。図5から明らかなように、従来法では、運転条件、容器構造データを入力し(ステップa1)、ついで有限要素のためにき裂を考慮したメッシュ分割を行い(ステップa2)、FEM熱解析を行う(ステップa3)。次いで、熱応力、膜応力に基づく弾塑性FEM解析を行い(ステップa4)、オーバーレイ溶接部の応力分布を求める(ステップa5)。さらに割れの情報を入力し(ステップa6)、応力分布を考慮した応力拡大係数の解析計算を繰り返し行う(ステップa7)、その結果、オーバーレイ溶接部近傍の応力拡大係数分布が得られる(ステップa8)。
【0041】
一方、本発明で採用する簡易計算手順では、被判定材の溶接構造データ、割れの情報を入力し(ステップA1)、これらを因子として多変数解析によって応力拡大係数を求め(ステップA2)、その結果、オーバーレイ溶接部近傍の応力拡大係数分布が得られる(ステップA3)。
以上、図5に示されるように、従来法では複雑構造溶接部に生じた割れの計算に従来熱流動、応力解析等の大がかりなコンピュータ計算を必要としていたが、本発明による多変数回帰分析手法による精度の高い瞬時簡易計算手法を構築することで、大幅な解析時間の短縮とコスト削減を実現することができる。
【0042】
図6には、KIH、KIC−Hを環境温度との関係において示す。最も高温側である150℃でのKIHは、試験片内から最高で3.9ppmの水素が検出されたが、室温の4倍程度にまで上昇した。これらのデータのうち、下限界点を結ぶと焼戻脆化を受けた2.25Cr−1Mo鋼が水素吸収した場合の水素割れ進展限界応力拡大係数KIHは、環境温度Tとの関係において数式8で表すことができる。
【0043】
【数式8】
【0044】
また、脆性破壊限界KIC−Hは150℃では認められないことから、実機想定水素環境における焼戻脆化を受けた2.25Cr−1Mo鋼の水素脆性破壊限界応力拡大係数は20〜86℃付近迄の範囲において数式9で表すことができる。
【0045】
【数式9】
【0046】
容器を安全に加圧するための温度(T)の算定には応力拡大係数KIが水素脆性割れ発生限界KIHを上回らない温度を求めるために数式8を変形した数式10より求めることが可能である。
【0047】
【数式10】
【0048】
また、水素脆化の判定に際しては、寿命予測などに利用できる水素脆性割れ進展速度da/dtを用いることができる。
この進展速度は、例えば材料劣化度や水素量、負荷環境を反映させた回帰分析によって得ることができる。
すなわち、水素脆性割れ進展速度da/dtは、図7に示すように荷重負荷速度の変動に対して強い依存性を示し、荷重負荷速度の増大に伴い上昇する。これらのデータ解析から室温での水素脆性割れの進展速度は応力拡大係数KIならびにその変化率K.(Kドット)との関係において下記数式11で表すことができる。
【0049】
【数式11】
【0050】
さらに水素脆性割れ進展速度da/dtは、図8に示すように雰囲気温度が上昇するに伴い低下する。これらのデータ解析から雰囲気温度と前項の荷重負荷速度の両方を考慮することにより、実機環境温度、変動荷重速度条件下での水素脆性割れの進展速度を下記数式12により推定することが可能である。数式12を実機環境温度、変動荷重速度で直接表記すると数式13となる。
【0051】
【数式12】
【0052】
【数式13】
【0053】
次に、上記で算出された応力拡大係数KI、き裂発生下限界応力拡大係数KIH、脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hを用いた水素脆化の判定手順の一例を図9に基づいて説明する。
先ず、被判定材(圧力容器)の割れ情報、構造情報、運転情報を入力する(ステップS1)。例えば、図示するように、き裂損傷部の形状、初期欠陥サイズ、運転条件などを入力する。次いで、上記因子を基にして前記で説明したように多変数回帰分析によって応力拡大係数KI値を算出する(ステップS2)。KI値を算出した後、室温停止中を条件にして、き裂発生下限界応力拡大係数KIH値を算出する(ステップS3)。算出後、上記応力拡大係数KIとき裂発生下限界応力拡大係数KIHとを比較する(ステップS4)。該比較において応力拡大係数KI<き裂発生下限界応力拡大係数KIHの場合、き裂の進展がないものと推定し、進展量Δaを0とし(ステップSa1)、ステップSa2に移行する。一方、ステップS4の比較において応力拡大係数KI≧き裂発生下限界応力拡大係数KIHの場合、き裂の進展があるものと推定し、脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hを算出するステップS5に移行する。ステップS5では、室温停止中を条件にして、前記したように材料の劣化度等を考慮して係数KIC−Hを算出する。算出後、前記応力拡大係数KIと脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとを比較する(ステップS6)。その比較において応力拡大係数KI<脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hの場合、脆性破壊に至らないもののき裂の進展があるものと推定し、進展量Δaを算出する(ステップSa2)。該ステップSa2では、前記したように、荷重負荷速度と雰囲気温度を考慮して数式を用いて水素脆性割れ進展速度da/dtを算出する。該割れ進展速度から進展量を予測し、次ステップSa3に移行する。
【0054】
ステップSa3では、運転加圧時を条件として加圧時応力拡大係数KIを算出する。次ステップSa4では、この加圧時応力拡大係数KIを用いて加圧温度(T)の適正化を図る。具体的には、前記したようにき裂発生下限界応力拡大係数KIHと脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとは温度依存特性が定量的に表記されており、これらの係数と加圧時応力拡大係数KIとの大小関係が適切になるように加圧温度を設定する。例えば、加圧時応力拡大係数KIが脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hを下回っていれば、上記したようにき裂の進展がないものと推定され、水素脆化の評価においては安全域にあるので、加圧温度を上記条件を満たすように設定する。なお、現状の応力拡大係数KIが安全域にあれば加圧温度を変更する必要はない。この加圧温度の適正化のステップの後は、供用が継続され、必要に応じてステップS1からの処理が繰り返される。
【0055】
一方、ステップS6において応力拡大係数KI≧脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hの場合、脆性(急速)破壊の可能性があると判定され、次ステップS7へ移行する。ステップS7では、上記判定結果を受け、被判定材の再評価を行い、評価が変わらない場合には、必要な補修や取り替えを行う。一方、ステップS7で再評価の結果、急速破壊の可能性が否定される場合には、供用を継続するとともに運転条件を見直し(ステップSb1)、さらに欠陥サイズの測定を行って(ステップSb2)、ステップS2に移行することで水素脆化の評価を引き続き行う。
上記手順を進めることで被判定材の水素脆化を高精度で、かつ効率よく行うことができる。なお、上記説明における数式の具体的な数値は、次の材料で採取した実験データの近似値であり、閾値ではない。
KIC−H :20〜86℃で有効
KIH :20〜150℃で有効
da/dt:K.>0で有効
また、この実施形態は、本発明の一形態を示すものであり、本発明を逸脱しない範囲で異なる形態に変更するものであってもよい。
【0056】
【実施例】
以下に本発明の一実施例を説明する。
約26年間供用された高温高圧水素反応塔のインターナル取り付け金物の隅肉溶接部に生じた深さa=12.7mm,長さ2c=50.8mmのき裂が母材へ貫通していることが検出された。機器仕様は以下の通りである。この機器に対し本発明を適用した水素脆性割れ判定評価方法を以下に説明する。
【0057】
(1)応力拡大係数の算出
室温停止時の残留応力によって発生するき裂端部の応力拡大係数(KI)分布は瞬時簡易計算システムにより求められる。これを運転停止時と運転加圧時ついて求め図10に示した。この図から明らかなように、運転停止時には、割れ深さa=12.7mmの到達点においてはKI=41MPa√mとなる。
【0058】
(2)割れ進展可能性の判定
前記した数式を用い、材料劣化度、水素、温度、負荷環境を反映したKIHを求めると、定温停止中のき裂発生限界KIH=31.4MPa√mとなる。上記(1)で求めた応力拡大係数KIとの比較により、KI>KIHとなるため、停止冷却中にき裂進展の可能性があるものと判定される。
【0059】
(3)水素環境における破壊靱性値の判定
前記した数式を用い、材料劣化度、水素、温度、負荷環境を反映したKIC−Hパラメータを求めると室温停止中の脆性破壊限界は、KIC−H=65.7MPa√mとなる。前記(1)で求めた応力拡大係数KIとの比較によりKIH<KI<KIC−Hとなり、脆性破壊を起こす可能性は小さいものと判定される。
【0060】
(4)割れ進展量△aの推定
反応塔を10℃/hrで停止した場合の負荷速度はKは0.00013MPa√m/sと計算される。壁温度が室温であると仮定し、前記き裂進展速度da/dtの式へ代入すると、き裂進展速度da/dtは約0.5mm/日と推算され、図10中のKIHとの交点である16mm程度までき裂が進展し続けるものと判定される。
【0061】
(5)加圧温度の適正化
加圧時の応力拡大係数KIは上記のようにKI=49MPa√mとなる。加圧時に欠陥を起点とした水素脆性割れ破壊を防止するための加圧温度は、KI>KIHを満たすことを条件にして前記式より最低温度76℃と計算される。
【0062】
次に、本発明の判定方法を用いた診断システムと従来の安全解析方法とを図11のフロー図に示して比較した。
本発明の診断システムでは、割れの形状や圧力、容器形状などをWEBなどを通して簡便に入力することができる。これらの入力データを因子として多変数回帰分析によって回帰式を求める瞬時簡易計算システムによって割れ先端にかかる応力拡大係数を速やか、かつ精度よく算出することができる。材料劣化度、水素、温度、負荷環境を反映したき裂発生下限界応力拡大係数KIH 、脆性破壊限界応力拡大係数KIC−H 、水素脆性割れ進展速度da/dtを算出し、これらパラメータと前記この応力拡大係数とを用いて圧力容器の破壊可能性の判定、推奨加圧温度の算定、寿命の推定を精度よく、また効率よく実行することができる。これらの判定結果は、個々のユーザに報告書として提出し、さらに、判定に用いたデータや判定結果を顧客データベースに登録して利用することもできる。
【0063】
一方、従来法では、規格書等を調べるために手間がかかり、またFEM解析に高性能のコンピュータを用いて高度な計算を行うことを必要とするため膨大な費用と時間を要する。しかも得られたデータでは、実機の水素量を十分に再現できないデータとなる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による評価手法ならびにシステムによれば、石油精製用圧力容器の内部に充填された高温高圧水素ガスによって生じる脆化割れが許容されるかの判定計算を効率的かつ精度良く行うことができ、従来にはない新たな安全診断サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に用いる試験片の平均水素濃度を示す図である。
【図2】 本発明の一実施形態における応力拡大係数と、き裂進展速度との関係を示すグラフである。
【図3】 同じく、被判定材である圧力容器の解析可能部位の例を示す図である。
【図4】 同じく、多数回帰分析で得られた応力拡大係数と、FEM解法によって得られた応力拡大係数とを比較した図である。
【図5】 同じく、本発明の応力拡大係数の算出手順と、従来法の算出手順とを示すフロー図である。
【図6】 同じく水素脆性割れ限界遷移曲線を示す図である。
【図7】 同じく、水素脆性割れき裂進展速度と応力拡大係数との関係における荷重負荷速度への依存性を示すグラフである。
【図8】 同じく、水素脆性割れき裂進展速度と応力拡大係数との関係における環境温度への依存性を示すグラフである。
【図9】 同じく、判定手順を示すフロー図である。
【図10】 本発明の一実施例において算出された、停止時と加圧時の応力拡大係数の分布を示す図である。
【図11】 同じく、本発明の判定方法を用いた診断システムと従来の安全解析法を示すフロー図である。
【図12】 従来、水素脆化割れの評価に用いられる規格図である。
Claims (12)
- 少なくとも被判定材に生じた割れの位置、方向ならびに形状等に関する情報と被判定材の構造に関する情報とを因子として、水素を吸収した状態における前記割れの応力拡大係数KIを求め、該応力拡大係数KIに基づいて、荷重負荷速度と運転温度とから算出されるき裂進展速度によってき裂の進展具合を判定し、被判定材の水素脆化割れ判定を行うことを特徴とする高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 前記因子が、前記割れの深さおよび長さと、被判定材である圧力容器の構造因子(ノズル径、内径、板厚、オーバレイ厚さ)と、運転圧力を含むものであることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 前記応力拡大係数KIは、前記因子を用いた多変数回帰分析を行うことによって得られる回帰式で示されることを特徴とする請求項1または2に記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 前記応力拡大係数KIと、き裂発生下限界応力拡大係数KIHとを比較し、その比較結果に基づいて、き裂進展の有無を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 前記き裂発生下限界応力拡大係数KIHは、焼戻脆化した被判定材が水素を吸収した状態で室温〜150℃の範囲で示す温度依存特性を定量的に表記したものであることを特徴とする請求項4記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 前記応力拡大係数KIと、脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとを比較し、その比較結果に基づいて脆性破壊の可能性を判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hは、焼戻脆化した被判定材が水素を吸収した状態で室温〜86℃の範囲で示す温度依存特性を定量的に表記したものであることを特徴とする請求項6記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 前記応力拡大係数KIと、温度に依存する前記き裂発生下限界応力拡大係数KIHまたは脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとの大小関係に基づいて運転温度を設定することを特徴とする請求項5または7に記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 前記応力拡大係数KIは、運転停止時を条件に求められることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 運転停止時を条件として求められた前記応力拡大係数KIと、前記脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとを比較し、その比較結果に基づいて脆性破壊の可能性ありの判定がなされない場合、運転加圧時を条件に加圧時応力拡大係数KIを求め、この加圧時応力拡大係数KIと、温度に依存する前記き裂発生下限界応力拡大係数KIHまたは脆性破壊限界応力拡大係数KIC−Hとの大小関係に基づいて運転温度を設定することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 前記被判定材が石油精製用圧力容器であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の高温高圧水素環境で供用される材料の水素脆化割れ判定方法。
- 前記応力拡大係数K I は、実機と同等の厚さを有する試験体を用いて、実機と同程度の水素を内部に保った状態の再現試験により定量的に求めることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の水素脆化割れ判定方法。
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