JP7093867B2 - 注入材の施工方法 - Google Patents
注入材の施工方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7093867B2 JP7093867B2 JP2021042412A JP2021042412A JP7093867B2 JP 7093867 B2 JP7093867 B2 JP 7093867B2 JP 2021042412 A JP2021042412 A JP 2021042412A JP 2021042412 A JP2021042412 A JP 2021042412A JP 7093867 B2 JP7093867 B2 JP 7093867B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- super
- injection material
- delaying agent
- injection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
- Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
セメントおよび水を含むA液と、可塑性を付与する可塑化材および水を含むB液とを混合して注入材を形成し、該注入材を空隙に注入する注入工程を備える注入材の施工方法であって、A液は、超遅延剤を含んでおり、該超遅延剤は、クエン酸、ショ糖、および、酢酸からなる群から選択される少なくとも一つであり、超遅延剤を含むA液のブリーディング率は、1.3%以上である。
本実施形態に係る注入材原料の回収方法を説明する前に、注入材について説明する。注入材は、空隙(例えば、構造物に形成される空隙や構造物と地盤との間に形成される空隙等)に注入可能に構成される。例えば、土木構造物の空洞へ充填されたり裏込め材として使用されたりするものである。
また、超遅延剤添加工程は、A液を形成してから10時間以内に行うのが好ましく、5時間以内に行うのがより好ましい。
本実施形態に係る注入材の施工方法は、注入材の原料であるA液が超遅延剤を含むものである。つまり、本実施形態に係る注入材の施工方法は、超遅延剤を含むA液を空隙に向けて搬送し、B液と混合することで注入材を形成し、該注入材を空隙に注入するものである。これにより、空隙への注入材の注入を終了した時点でA液が残っても、A液が硬化して硬化体となるまでの時間が比較的長くなる。このため、A液が流動性を有していれば、吸引装置でA液を吸引して回収することができる。または、A液が流動性を有していなくても、練り返すことが可能な状態であれば、スコップ等を用いてA液を回収したり、練り返して流動性を回復させて吸引装置で吸引して回収したりすることができる。上記のようにしてA液を回収する回収工程は、超遅延剤が添加されたA液を作製してから14日以内に行うのが好ましく、7日以内に行うのがより好ましい。
・セメント:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)
・可塑化材1:アタパルジャイト(品名:「JETMS L材」 住友大阪セメント社製)
・可塑化材2:ベントナイト(品名:「JETMS B材」 住友大阪セメント社製)
・混和剤1:ポリカルボン酸系遅延型流動化剤(品名:「JETMS A液混和剤」 住友大阪セメント社製)
・混和剤2:リン酸塩系流動化剤(品名:「JETMS L液混和剤」 住友大阪セメント社製)
・混和剤3:ポリカルボン酸系流動化剤(品名:「JETMS B液混和剤」 住友大阪セメント社製)
・水(上水道水)
・超遅延剤1:クエン酸(品名:「無水クエン酸」 昭栄薬品工業社製)
・超遅延剤2:ショ糖(品名:「ショ糖(スクロース)」 林純薬工業社製)
・超遅延剤3:酢酸(品名:「酢酸」 昭和電工社製)
<A液の作製>
上記の各材料を用いて、下記表1に示す配合で、A液を作製した。
上記の各A液について、ブリーディング率の測定を行った。ブリーディング率は、土木学会コンクリート標準示方書「プレパックドコンクリートの注入モルタルのブリーディング率 及び膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)」(JSCE-F-522-2013)に基づいて測定した。ブリーディング率の測定結果については、下記表1に示す。また、超遅延剤の添加量とブリーディング率との関係を図1のグラフに示す。
上記の各A液について、硬化状況の評価を行った。硬化状況の評価方法は、上記のブリーディング率の測定で使用するポリエチレン袋にA液を入れ、袋越しにA液の一部を指で押し、A液に形成される凹みの状態で評価した。具体的には、袋越しにA液を指で押して凹ませても凹みが維持されない状態(流動性があって液状であるもの)を〇、指で押して凹ませた後、凹みが3~15秒維持されてその後に凹みが消失する状態(こわ張り状態であるが練り返すことで流動性が復活する状態)を△、指で押して凹ませることができない状態あるいは凹みが消失しないもの(流動性を失って練り返すこともできない状態)を×として評価した。硬化状況の評価結果については、下記表1に示す。
<注入材の作製>
下記表2に示す配合でA液およびB液を作製し、作製したA液とB液とを混合して注入材を作製した。
上記の各注入材について、フロー値の測定を行った。フロー値の測定は、NEXCO試験方法127に基づいて行った。フロー値の測定結果については、下記表2に示す。
上記の各注入材が硬化することで形成される硬化体について、一軸圧縮強さの測定を行った。一軸圧縮強さの測定は、JIS A 1216(φ50×100mmの供試体)に基づいて行った。
強度の測定結果については、下記表2に示す。
<注入材の作製>
下記表3に示す配合でA液およびB液を作製し、作製したA液を下記表3に示す日数で20℃の環境に放置した。そして、各放置日数のA液をB液と混合して注入材を作製した。
上記の放置日数毎の注入材について、上記と同様の方法でフロー値の測定を行った。フロー値の測定結果については、下記表3に示す。
上記の放置日数毎の注入材が硬化することで形成される硬化体について、上記と同様の方法で強度の測定を行った。強度の測定結果については、下記表3に示す。
表1を見ると、各配合において各実施例と各比較例とを比較すると、各実施例の方が硬化状況の評価が高いことが認められる。つまり、超遅延剤を添加したA液のブリーディング率が本発明の範囲となるようにA液に超遅延剤を添加することで、A液が硬化するのを遅延させることができる。これにより、A液の回収を容易に行うことが可能となる。
また、実施例30~31を比較すると、実施例30の硬化状況の評価が高いことが認められる。つまり、超遅延剤としてクエン酸を用いることで、A液の硬化をより遅延させることができる。これにより、A液の回収を容易に行うことが可能な期間をより長くすることができる。
また、実施例17~21と、実施例22~29とを比較すると、実施例22~29の硬化状況の評価が高いことが認められる。つまり、超遅延剤が添加されたA液を比較的低い温度で保持することで、A液の硬化をより遅延させることができる。これにより、A液の回収を容易に行うことが可能な期間をより長くすることができる。
また、実施例1~8と、実施例9~16とを比較すると、実施例1~8の硬化状況の評価が高いことが認められる。つまり、水/セメント比が比較的小さい方が、A液の硬化をより遅延させることができる。これにより、A液の回収を容易に行うことが可能な期間をより長くすることができる。
また、表1の実施例12を見ると、超遅延剤添加したA液だけでは7日でも流動性を保持しているが、表2の実施例12を見ると、超遅延剤添加したA液とB液と混合することにより遅延効果が消失し、材齢7日で一軸圧縮強さが発現していることが認められる。つまり、超遅延剤添加したA液であってもB液と混合することで施工可能となるため、A液の回収量を減らすことができ、経済性に優れるものとなる。
Claims (2)
- セメントおよび水を含むA液(ただし、ベントナイトを含む場合を除く)と、可塑性を付与する可塑化材および水を含むB液とを混合して注入材を形成し、該注入材を空隙に注入する注入工程を備える注入材の施工方法であって、
A液は、超遅延剤を含んでおり、
該超遅延剤は、クエン酸であり、
超遅延剤を含むA液の、土木学会コンクリート標準示方書「プレパックドコンクリートの注入モルタルのブリーディング率 及び膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)」(JSCE-F-522-2013)に基づいて測定されたブリーディング率は、1.3%以上であり、
B液の可塑化材は、アタパルジャイト又はベントナイトからなり、
A液中のセメントに対する超遅延剤の割合は、B液の可塑化材がアタパルジャイトである場合、2.0質量%以下であり、B液の可塑化材がベントナイトである場合は、1.5質量%以下であり、
超遅延剤を含むA液のブリーディング率は、超遅延剤を含まないA液のブリーディング率を超える、
注入材の施工方法。 - 超遅延剤を含まないA液を用いて注入工程を行った後で残るA液に超遅延剤を添加する超遅延剤添加工程を備えており、
該超遅延剤添加工程で得られる超遅延剤を含むA液を用いて注入工程を行う、
請求項1に記載の注入材の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021042412A JP7093867B2 (ja) | 2020-02-19 | 2021-03-16 | 注入材の施工方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020026106A JP6952146B2 (ja) | 2020-02-19 | 2020-02-19 | 注入材原料の回収方法 |
JP2021042412A JP7093867B2 (ja) | 2020-02-19 | 2021-03-16 | 注入材の施工方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020026106A Division JP6952146B2 (ja) | 2020-02-19 | 2020-02-19 | 注入材原料の回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021130819A JP2021130819A (ja) | 2021-09-09 |
JP7093867B2 true JP7093867B2 (ja) | 2022-06-30 |
Family
ID=77550611
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020026106A Active JP6952146B2 (ja) | 2020-02-19 | 2020-02-19 | 注入材原料の回収方法 |
JP2021042412A Active JP7093867B2 (ja) | 2020-02-19 | 2021-03-16 | 注入材の施工方法 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020026106A Active JP6952146B2 (ja) | 2020-02-19 | 2020-02-19 | 注入材原料の回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP6952146B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7427210B2 (ja) * | 2022-06-16 | 2024-02-05 | 株式会社鴻池組 | 地盤改良材及びその製造方法 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000170153A (ja) | 1998-12-03 | 2000-06-20 | Kyokado Eng Co Ltd | 裏込め注入材 |
JP2001302315A (ja) | 2000-04-24 | 2001-10-31 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 裏込め注入材料 |
JP2003119062A (ja) | 2001-10-10 | 2003-04-23 | Taiheiyo Cement Corp | 裏込材用硬化材及び裏込材 |
JP2004263069A (ja) | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Taiheiyo Cement Corp | 可塑状グラウト材及び該グラウト材の注入工法及び注入システム |
JP2002528375A5 (ja) | 1999-09-09 | 2006-11-02 | ||
JP2012229141A (ja) | 2011-04-26 | 2012-11-22 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 長距離圧送用セメント混和材及び注入工法 |
JP2014005391A (ja) | 2012-06-26 | 2014-01-16 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 長距離圧送用セメント混和材、可塑性注入材及び注入工法 |
JP2014034490A (ja) | 2012-08-08 | 2014-02-24 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 長距離圧送用セメント混和材、可塑性注入材及び注入工法 |
JP5819557B1 (ja) | 2015-04-20 | 2015-11-24 | 有限会社シモダ技術研究所 | Cb液及びその圧送方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3566359B2 (ja) * | 1994-11-07 | 2004-09-15 | 太平洋セメント株式会社 | 裏込め注入材料 |
JP3761938B2 (ja) * | 1995-09-12 | 2006-03-29 | 太平洋セメント株式会社 | 空洞充填材料 |
JPH09156973A (ja) * | 1995-12-11 | 1997-06-17 | Mitsubishi Materials Corp | 自硬性滑材 |
JP3643634B2 (ja) * | 1996-01-24 | 2005-04-27 | 太平洋セメント株式会社 | 空洞充填材料 |
JP3639054B2 (ja) * | 1996-07-03 | 2005-04-13 | 太平洋セメント株式会社 | 裏込め注入材料 |
KR100650089B1 (ko) * | 1998-10-29 | 2006-11-27 | 제트 코포레이션 | 3차원 인쇄 물질 시스템과 방법 |
-
2020
- 2020-02-19 JP JP2020026106A patent/JP6952146B2/ja active Active
-
2021
- 2021-03-16 JP JP2021042412A patent/JP7093867B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000170153A (ja) | 1998-12-03 | 2000-06-20 | Kyokado Eng Co Ltd | 裏込め注入材 |
JP2002528375A5 (ja) | 1999-09-09 | 2006-11-02 | ||
JP2001302315A (ja) | 2000-04-24 | 2001-10-31 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 裏込め注入材料 |
JP2003119062A (ja) | 2001-10-10 | 2003-04-23 | Taiheiyo Cement Corp | 裏込材用硬化材及び裏込材 |
JP2004263069A (ja) | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Taiheiyo Cement Corp | 可塑状グラウト材及び該グラウト材の注入工法及び注入システム |
JP2012229141A (ja) | 2011-04-26 | 2012-11-22 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 長距離圧送用セメント混和材及び注入工法 |
JP2014005391A (ja) | 2012-06-26 | 2014-01-16 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 長距離圧送用セメント混和材、可塑性注入材及び注入工法 |
JP2014034490A (ja) | 2012-08-08 | 2014-02-24 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 長距離圧送用セメント混和材、可塑性注入材及び注入工法 |
JP5819557B1 (ja) | 2015-04-20 | 2015-11-24 | 有限会社シモダ技術研究所 | Cb液及びその圧送方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021130948A (ja) | 2021-09-09 |
JP6952146B2 (ja) | 2021-10-20 |
JP2021130819A (ja) | 2021-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3172932B2 (ja) | 発生土を用いた水硬性組成物の製造方法 | |
JP4297986B2 (ja) | セメント噴霧用添加剤を用いたコーティング方法 | |
JP2008137889A (ja) | セメント組成物 | |
JP2009155151A (ja) | セメント組成物用減水剤、及びセメント組成物 | |
NL8201905A (nl) | Werkwijze en preparaat voor het tegengaan van volumeverandering in snelhardende, voor fluida ondoorlaatbare, cementeuse systemen. | |
JP7093867B2 (ja) | 注入材の施工方法 | |
JP3171879B2 (ja) | セメント混和材及びセメント組成物 | |
JP5744702B2 (ja) | 水硬性組成物用添加剤 | |
JP2007177077A (ja) | 地盤注入材 | |
JP2001294469A (ja) | 超速硬性無収縮グラウト材 | |
JP3638894B2 (ja) | ポリマーセメント組成物 | |
AU2014356413A1 (en) | Flowable concrete with secondary accelerator | |
JP2019178579A (ja) | 改良土の製造方法 | |
JPH0648801A (ja) | 高流動性コンクリート組成物 | |
JP6414748B2 (ja) | 可塑性注入材用キット、可塑性注入材、可塑性注入材の製造方法、及び、可塑性注入材の施工方法 | |
JPS5826061A (ja) | セメント混練物の作業性低下防止方法 | |
JP6420043B2 (ja) | モルタル組成物 | |
JP3180095B2 (ja) | 発生土を含有する水硬性組成物用添加剤 | |
JP6701575B2 (ja) | 注入材、注入材の充填方法 | |
JP6764702B2 (ja) | 水硬性組成物 | |
JP6701574B2 (ja) | 注入材、注入材の充填方法 | |
JPH01257156A (ja) | 吹付け工法用急結性セメント組成物 | |
JP2005281089A (ja) | シールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物とその製造方法 | |
JP7323464B2 (ja) | 地盤改良材及びそれを用いた地盤改良方法 | |
JP6924738B2 (ja) | ソイルセメント用添加剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210316 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220121 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220121 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220316 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220603 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220620 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7093867 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |