JP5819557B1 - Cb液及びその圧送方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、セメント類とは、水との水和反応により水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を溶出して硬化する難溶性、高アルカリ性の粉末のことを指す。具体的には、セメント類には、普通、早強、中庸熱、超早強、及び低熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグ等の微粒子を混合した各種混合セメント、微粒子セメント等が含まれる。また、セメント類には、ポルトランドセメントに水酸化カルシウムを加えたものも含まれる。さらに、スラグに水酸化カルシウムを加えて、スラグを硬化させることもセメント類に含まれる。
ベントナイトは、粘土鉱物であるモンモリロナイトを主成分とする粘土であり、水と接することにより膨潤性を示す混合物である。また、ベントナイトは、天然鉱物を主成分とするため、ベントナイトの品質、即ち、ベントナイトをグラウトに加えた場合の膨潤度、増粘度などの増粘剤としての効能は、モンモリロナイトの産地によって大きく異なるものである。
縮合リン酸塩は、リン酸アルカリ金属塩に属し、正リン酸(オルトリン酸:H3PO4)を加熱することにより脱水反応が起こり、縮合して無機高分子となった物の総称である。実施の形態に係るCB液に添加する縮合リン酸塩としては、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサリン酸ナトリウム、又はこれらの混合物が好適である。
本実施形態に係るCB液に添加する有機遅延剤としては、カルボン酸(塩)、ケト酸(塩)、糖類、糖アルコール類、高分子有機酸塩(リグニンスルホン酸塩など)など水和反応に対する凝結・硬化遅延効果のある有機物が使用でき、特に、カルボン酸類としてオキシカルボン酸(塩)(グルコン酸等)、ケトカルボン酸(塩)、アミノカルボン酸(塩)、糖類としてグルコース、サッカロース(ショ糖)が好適である。
本実施形態に係るCB液は、前述の物質の他、必要に応じて一次鉱物である砂等の細骨材を含有しても構わない。また、ベントナイト以外の二次鉱物である粘土鉱物、フライアッシュや高炉スラグ等の微粒子物質、石膏等を含有しても構わない。さらに、目的に応じて、本実施形態に係るCB液は、分散剤、遅延剤、強度促進並びに増強剤、ゲル化剤、増粘剤、粘着剤等、各種の混和剤(混和材)・添加剤が添加されていてもよい。その上、本実施形態に係るCB液には、起泡剤等を用いて長時間安定した超微細気泡(マイクロバルブ)を混入するようにしてもよい。
次に、前述の実施形態に係るCB液を可塑剤と分けて圧送して構造物背面の空洞等に注入する二液性可塑状グラウト注入工法及びそのCB液の圧送方法について説明する。本実施形態に係る二液性可塑状グラウト注入工法は、前述の実施形態に係るCB液をA液として、これに硬化成分を含まない可塑剤(水ガラス、硫酸バン土、ベントナイト等)をB液として、別々に圧送して注入直前に合流混合させて可塑状固結を生成させ、構造物背面の空洞に注入充填する工法であり、水和反応により硬化することで地盤を強化するグラウトとして注入する。
先ず、CB液の調合方法について説明する。本実施形態に係る二液性可塑状グラウト注入工法では、プラント等の調合槽を備える調合施設において2段階に分けて前述の実施形態に係るCB液を調合する。1段階目は、ミキサー又はアジテータなどの撹拌機能の付いた調合槽内に、水と、前述の実施形態に係る縮合リン酸塩、有機遅延剤、及びベントナイトを入れて、これらを溶解・膨潤させる。ここで、縮合リン酸塩と有機遅延剤は、別々に添加してもよいし、同時に添加してもよい。また、縮合リン酸塩と有機遅延剤の添加は、ベントナイト投入前でも、投入後のいずでもよく、後述の第2段階目のセメント類の投入後でも構わない。
次に、実施形態に係る二液性可塑状グラウト注入工法におけるCB液の圧送方法について詳細に説明する。前述の調合方法により調合されたCB液は、プラント等に設置された圧送ポンプから圧送管を通じて注入地点まで圧送される。このCB液の圧送は、グラウト注入作業に合わせて、圧送、中断を繰り返して行われる。
次に、可塑剤を含有するB液について説明する。本実施形態に係る二液性可塑状グラウト注入工法においてB液として前述のCB液に加える可塑剤には、代表的に、次の3種類の物質が使用されている。
水ガラス(Na2・nSiO2)は、高粘度で高アルカリ性(pH11〜12)の液体であり、長距離圧送するには、例えば、JIS3号品を80%程度に希釈して粘度を下げて使用する。この水ガラスは、CB液と混合すると、セメントとゲル化反応を起こし、約20秒以下で含水珪酸ゲル、すなわち、高粘性の可塑状グラウト(可塑状固結)を生成する。水ガラスは、セメントと著しく反応するため、早期強度(1時間で0.03〜0.1N/mm2)を発揮することができる。この早期強度発現の性質を利用して、シールドトンネルの裏込めグラウトとして使用されている。
硫酸バンド(Al2(SO4)3)は、弱酸性(pH2〜3程度)の粉末状又は水和物(液体)からなる物質であり、市販のもの(Al2O3換算で約8%)は、それ程、粘度は高くなく、そのまま長距離圧送が可能である。なお、粉末状の硫酸バンドは、水に溶かして液体と同様Al2O3換算で約8%程度に溶解して使用する。
ベントナイトは、前述のCB液を製造するベントナイトと同じものを用いてよいが、可塑剤として使用するには、ベントナイト膨潤液そのものを使用する。
以下、実施例と比較例を挙げて実験により本発明の効果を検証する。実験には、セメント類として普通ポルトランドセメント、ベントナイトとしてホージュン製250メッシュ、縮合リン酸塩としてヘキサリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、縮合リン酸以外のリン酸塩として第1リン酸ナトリウム(リン酸二水素ナトリウム)、有機遅延剤としてカルボン酸類を代表してグルコン酸を、糖類を代表してショ糖を用いた。
先ず、効果確認実験において行ったCB液の流動性の一指標であるP漏斗流下試験の試験方法について説明する。このP漏斗流下試験は、土木学会基準JSCE−F521(P漏斗による方法)に準じて行われる。具体的には、P漏斗流下試験は、流出口径13mmの漏斗からCB液1725mLが流出する時間(秒)を測定することにより行う。なお、単にP漏斗流出時間とは、調合直後、即ち、調合5分後のCB液の流出時間の測定値である。
透明なビニール袋(直径5cm、長さ40cm)に、CB液500mlを入れて静止密閉状態で垂直に吊るし、所定時間経過後にブリージング水(上澄み液)の容量を測定し、そのブリージング水量を500mlで割った容積比率を百分率(%)で表示している。
CB液を静止状態で放置した場合、ブリージングの発生と同時に粗粒子(セメントの大きな粒子)が沈降する現象を確認するため、前述の最終のブリージング試験におけるブリージング水量の測定時に、ビニール袋底部に沈降した粗粒子を手触りで確認し、その粗粒子沈降度合を判定した。
実験Aは、縮合リン酸塩を加えたCB液の調合直後のP漏斗流出時間、2時間経過後のブリージング水量(%)、及び流動性保持時間としてP漏斗流出時間が18秒になるまでに要した時間を測定し、次の表1に示す結果を得た。
実験Bは、実験A(表1)でCB液に縮合リン酸塩を多く加えても流動性保持時間が30時間を超えて延びなかったため、この流動性保持時間をより長くするため、CB液に縮合リン酸塩と有機遅延剤(グルコン酸、ショ糖)を添加し、2,4,24,72時間後のブリージング水の比率、粗粒子の沈降度合、P漏斗流出時間、流動性保持時間(P漏斗流出時間が18秒に達した時)を測定し、次の表2に示す結果を得た。
Claims (4)
- 注入されることで水和反応により硬化して地盤を強化するセメント類とベントナイトを含有するCB液であって、
縮合リン酸塩が、1m3あたり1.0kg以上5.0kg以下添加されたうえ、
有機遅延剤が、流動性保持時間内においてブリージング水の量が13%を超えないように、生成24時間後のブリージング水の量が10.1%以下又は生成72時間後のブリージング水の量が12.2%以下となる所定量添加されていること
を特徴とするCB液。 - 前記縮合リン酸塩は、ヘキサリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、又はこれらの混合物であること
を特徴とする請求項1に記載のCB液。 - 前記有機遅延剤は、カルボン酸類、糖類、高分子有機酸類であること
を特徴とする請求項1又は2に記載のCB液。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のCB液を圧送するCB液の圧送方法であって、
前記CB液を圧送した後、圧送を中断し、前記CB液を圧送する圧送管内を洗浄することなく8時間以上70時間以内に圧送を再開して前記圧送管内に前記CB液を存置したまま新たな前記CB液を圧送すること
を特徴とするCB液の圧送方法。
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