JP5819557B1 - Cb液及びその圧送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメント類の水和反応を抑制させることにより、CB液の流動性保持時間を長くし、且つ、ブリージングや材料分離を抑制して長距離圧送を容易としたCB液及びその圧送方法を提供する。【解決手段】注入されることで水和反応により硬化して地盤を強化するセメント類とベントナイトを含有するCB液において、縮合リン酸塩を、1m3あたり1.0kg以上5.0kg以下添加したうえ、有機遅延剤を、圧送可能な流動性保持時間内においてブリージング水の量が13%以下となる所定量添加する。【選択図】なし

Description

本発明は、地盤の間隙や構造物背面の空洞などに注入されて水和反応により硬化することで地盤を硬化するグラウトに使用するセメント類とベントナイトを含有するCB液に関し、詳しくは、長時間水和反応を抑制したCB液及びその圧送方法に関する。
従来、構造物と地山との間に生じた空洞、トンネル等の裏込などに注入されて水和反応により硬化することで地盤を強化するグラウト注入工法が知られている。
このようなグラウト注入工法に用いられるグラウトとしては、安価で大量に入手容易なため、セメント類とベントナイトを含有するものが一般的であり、汎用性が高く、多くの用途に使用されている。以下、セメント類とベントナイトを含有するグラウトを単にCB液という。
このCB液において、ベントナイトは、ブリージングを抑えたり、セメント粒子が沈降するような材料分離を抑えたりする作用を有する、いわゆる増粘剤として機能している。
このCB液は、トンネル等の裏込や構造物と地山との間に生じた空洞へ充填されるグラウトのうち、高粘度の二液性可塑状グラウトのA液として用いられる。
この粘性が極めて高い可塑状グラウト(可塑性グラウトともいう)は、一液性で圧送することができないため、二液性注入方法で注入することとなる。すなわち、CB液をA液とし、これに硬化成分を含まない可塑剤(水ガラス、硫酸バン土、ベントナイト等)をB液として、別々に圧送して注入直前に合流混合させて可塑状固結(グラウト自体は流動性はないが、若干加圧すれば容易に流動化できる固結強さを有する)を生成させ、構造物背面の空洞に注入充填する二液性注入方法である。
このうち、本発明の目的は、硬化成分であるセメント類とベントナイトであるCB液(A液)及びその圧送方法に関するものである。
水にセメント類とベントナイトを混合したCB液中のセメント類は、水和反応を起こし時間の経過と共に増粘(反応が進行)して流動性を失い、やがて硬化する。このCB液の施工上必要な流動性保持時間(可使時間ともいう)は、約2〜3時間程度であり、作業時間(圧送時間)の制約を大きく受けることになる。
例えば、CB液を調合したプラントから遠く離れた注入地点(通常500〜1,000m、遠いところでは2,000m以上の場合もある)まで圧送管を通じて長距離圧送することは、施工時間を要するため困難であるという問題点があった。
このため、セメントの水和反応を抑制して長時間流動性を保持させるため、ほとんど有機系遅延剤が用いられている(非特許文献1、43頁、表1参照)。
この遅延剤には、有機系と無機系とがあるが、主に遅延効果の大きい有機系が主流である。この有機系遅延剤は、元々コンクリート用に開発されたもので遅延効果は大きいが(添加量によってはCB液を数百時間以上硬化させないことも可能である)、その反面分散作用(減水効果)を併せもっている。
しかし、CB液では、調合水が1m3あたり約600〜930Lと多量に含有されているため、有機系遅延剤の分散作用の影響を大きく受けて、有機系遅延剤を含有しないCB液のみの場合と比べて次のような新たな問題が発生する。
1)圧送管内でCB液の圧送を何らかの理由(主に注入作業)で中断(この時、CB液は、静止状態)するとCB液中の固体粒子(主にセメント)は、比重が大きく、粒子が大きいものから順に時間の経過と共に沈降して行く。特に、セメント粒子の大きいものは、圧送管底部に付着し、小さいものはCB液中に包含された状態で浮遊し、その上部は、上澄み液(ブリージング水)となるように、CB液が粘性と比重の異なる不均一層を形成して分離してしまうという問題が発生する。
2)次に、中断したCB液の圧送を再開すると、初めに、粘性の小さいブリージング水、次に、小さい粒子を含んだCB液、最後に、圧送管底部の大きな粒子を含むCB液が前方に押し出されて圧送されることとなる。このため、初めに圧送されたCB液は、配合時よりセメント成分が非常に少ないものとなり正常な可塑状グラウト(特に、強度)が得られないという問題が発生する。
3)さらには、中断、圧送を繰り返すことにより、圧送管を水洗いしても付着したセメント成分を完全には排出することができず、圧送管底部にセメント成分が付着してそのまま硬化堆積して行き、次第に管断面積が小さくなって、最終的には、圧送管そのものが使用不能になるという問題が発生する。
一方、無機系遅延剤は、非特許文献1の46頁表1の中でリン酸類の一例として第2リン酸カリウム(リン酸水素二カリウム:K2HPO4)が開示されている。しかし、具体的な遅延効果は明記されておらず、また、現状ではCB液の遅延剤としては全く使用されていない。
このリン酸塩には、数多くの化合物があり、その中でリン酸アルカリ金属塩を適正量CB液に添加すると、圧送時や注入時の加圧脱水による体積収縮を大幅に低減できることが発明者等によって開示されている(特許文献1参照)。しかし、この開示には、セメント類の水和反応を抑制する遅延効果につては何ら記載されていない。
また、前述のように、施工場所(現場)、即ち、プラント(調合場所)から注入地点までの距離は、施工条件(注入地点の立地条件等)に左右される。例えば、トンネル等の裏込工事では、プラントから注入地点までの距離が、500〜1,000m、長い場合では、2,000m以上離れている場合も多々ある。このため、プラントから注入地点まで、圧送管(注入ホースも含む)を通じて、前述のセメント類とベントナイトを含有するCB液を長距離圧送することになる。
一方、二液性の可塑状グラウトでは、B液である可塑剤(水ガラス、硫酸バン土、ベントナイト等)は、いずれも硬化成分を含まないので、液の粘性さえ調整すれば、長距離圧送しても問題はないが、A液であるCB液は、時間の経過と共に、ブリージングの増大や材料分離が起こり、水和反応が進行するため、長距離圧送の際問題となる。
CB液のセメント類は、水を加えると水和反応を起こし、粘性が増大していき、非流動性を経て硬化する。例えば、普通ポルトランドセメントとベントナイトのみからなるCB液の流動性保持時間(P漏斗流出時間で18秒程度)は、約2〜3時間程度であり、この流動性保持時間を超えると圧送が困難となるため、CB液を圧送する圧送管内にCB液を放置することはできない。このため、圧送終了時(一般には、施工した日の作業終了時)には、CB液を圧送する圧送管内を水洗いしてCB液を排出(廃棄)しているのが実情である。
また、日曜日、さらには土曜日の作業が休みであることを想定すると、長時間(最大で70時間)のCB液の流動性保持時間が得られ、ブリージングが低減できれば、施工上長距離圧送が容易となり、非常に有利であるため、このようなCB液の開発が望まれていた。
例えば、圧送管2インチ、長さ1,000mの場合、圧送管内に約2m3滞留しており、このCB液の排出時間、排水液の処理、そして、次の圧送開始時(例えば、次の日、翌々日、或は3日後)に新たにCB液を圧送管の先端まで送り込むのに要する作業時間、人的労力及び処理費を含めた諸費用が掛かるという問題があった。
星野清一、平尾宙著「C3クリップボード[セメント化学編]」、セメント協会、2008年1月、P43〜P46 特許第5614867号公報
そこで、本発明は、前述したセメント類の水和反応に起因した短い流動性保持時間にかかわる問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、セメント類の水和反応を抑制させることにより、CB液の流動性保持時間を長くし、且つ、ブリージングや材料分離を抑制して長距離圧送を容易としたCB液及びその圧送方法を提供することにある。
第1発明に係るCB液は、注入されることで水和反応により硬化して地盤を強化するセメント類とベントナイトを含有するCB液であって、縮合リン酸塩が、1m3あたり1.0kg以上5.0kg以下添加されたうえ、有機遅延剤が、流動性保持時間内においてブリージング水の量が13%を超えないように、生成24時間後のブリージング水の量が10.1%以下又は生成72時間後のブリージング水の量が12.2%以下となる所定量添加されていることを特徴とする。
第2発明に係るCB液は、第1発明において、前記縮合リン酸塩は、ヘキサリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、又はこれらの混合物であることを特徴とする。
第3発明に係るCB液は、第1発明又は第2発明において、前記有機遅延剤は、カルボン酸類、糖類、高分子有機酸類であることを特徴とする。
第4発明に係るは、請求項1ないし3のいずれかに記載のCB液を圧送するCB液の圧送方法であって、前記CB液を圧送した後、圧送を中断し、前記CB液を圧送する圧送管内を洗浄することなく8時間以上70時間以内に圧送を再開して前記圧送管内に前記CB液を存置したまま新たな前記CB液を圧送することを特徴とする。
第1発明〜第4発明によれば、セメント類の水和反応を抑制させることにより、CB液の流動性保持時間を長くし、且つ、ブリージングや材料分離を抑制して長距離圧送が容易となる。また、第1発明〜第4発明によれば、CB液の圧送中断後土日の連休を挟んでも、CB液を圧送する圧送管内を水洗いしてCB液を排出(廃棄)する必要がなく、圧送管内に滞留したCB液の排出に係る時間や、排水液の処理に掛かる費用を削減することができる。さらに、第1発明〜第4発明によれば、圧送開始時に新たにCB液を圧送管の先端まで送り込む時間等に要する作業時間、人的労力含めた諸費用を削減することもできる。
特に、第4発明によれば、前記CB液を圧送する圧送管内を洗浄することなく8時間以上70時間以内に圧送を再開して前記圧送管内に前記CB液を存置したまま新たな前記CB液を圧送するので、CB液の圧送中断後土日の連休を挟んでも、圧送管内に滞留したCB液の排出に係る時間や、排水液の処理に掛かる費用、圧送開始時に新たにCB液を圧送管の先端まで送り込むのに要する作業時間、人的労力含めた諸費用を削減することができる。
以下、本発明を適用したCB液、及びそのCB液の圧送方法を実施するための形態について、詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るCB液として二液性の可塑状グラウトに使用する場合を例示して説明する。すなわち、本発明の実施形態に係るCB液をA液として、可塑剤をB液として、これらを別々に圧送して地盤への注入直前に(グラウトを地盤や空洞に注入する付近にて)混合して注入する二液性注入工法で注入する場合を例示して説明する。
先ず、A液であるCB液について説明する。この実施形態に係るCB液は、セメント類とベントナイトと、縮合リン酸塩を含有している。
(セメント類)
ここで、セメント類とは、水との水和反応により水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を溶出して硬化する難溶性、高アルカリ性の粉末のことを指す。具体的には、セメント類には、普通、早強、中庸熱、超早強、及び低熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグ等の微粒子を混合した各種混合セメント、微粒子セメント等が含まれる。また、セメント類には、ポルトランドセメントに水酸化カルシウムを加えたものも含まれる。さらに、スラグに水酸化カルシウムを加えて、スラグを硬化させることもセメント類に含まれる。
本実施形態に係るCB液に使用するセメント類の量は、グラウトの使用目的に応じた強度(通常、0.5〜5.0N/mm2程度の範囲)によって定まるものである。使用するセメントの種類によっても異なるが、本実施形態に係るCB液に使用するセメント類の量の具体的な数値としては、一般的な使用目的の範囲では、200〜600kg/m3の範囲と考えられる。
(ベントナイト)
ベントナイトは、粘土鉱物であるモンモリロナイトを主成分とする粘土であり、水と接することにより膨潤性を示す混合物である。また、ベントナイトは、天然鉱物を主成分とするため、ベントナイトの品質、即ち、ベントナイトをグラウトに加えた場合の膨潤度、増粘度などの増粘剤としての効能は、モンモリロナイトの産地によって大きく異なるものである。
本実施形態に係るCB液におけるベントナイトの添加量は、ベントナイトの品質、グラウト中の水量、セメント類の種類や数量、骨材(細骨材)の種類や数量など、を考慮し、グラウトの使用目的に応じた粘性となるように適宜定められるものである。但し、前述のように、産地によって品質や性能が大きく異なるため、グラウトに添加するベントナイトの具体的数量の範囲を一律に特定することは、非常に困難と云える。
(縮合リン酸塩)
縮合リン酸塩は、リン酸アルカリ金属塩に属し、正リン酸(オルトリン酸:H3PO4)を加熱することにより脱水反応が起こり、縮合して無機高分子となった物の総称である。実施の形態に係るCB液に添加する縮合リン酸塩としては、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサリン酸ナトリウム、又はこれらの混合物が好適である。
本実施形態に係るCB液に添加する必須成分である縮合リン酸塩の量は、1m3あたり1.0kg以上である。これは、後で詳述するが、縮合リン酸塩が、CB液1m3あたり1.0kg以上添加されると、圧送可能な流動性保持時間が長時間(8時間以上)となることが明らかになったからである。
また、縮合リン酸塩の添加量がCB液1m3あたり1.0kgを超えて増やしていくと漸次CB液の流動性保持時間も長くなる傾向を示すが、5.0kg以上添加しても流動性保持時間があまり長くならないため、縮合リン酸塩の添加量としては5.0kgが限度であり、縮合リン酸塩の添加による流動性保持時間は最大でも30時間であることも明らかとなった。本実施の形態に係るCB液に添加する縮合リン酸塩の量は、CB液1m3あたり2.0〜5.0kgが好ましく、1.0kg未満であれば、CB液の流動性保持時間が8時間に至らず、CB液の圧送作業を中断して、次の作業開始時に数時間前にプラントで生成した圧送管内の残留CB液をそのまま圧送することができない。
また、縮合リン酸塩を5.0kg以上添加しても縮合リン酸塩の添加による流動性保持時間は最大でも30時間であるので、グラウト注入現場において、例えば、土曜、日曜の間作業を中断するような場合、CB液の圧送を中断して、次の作業開始時(月曜日)に圧送管内の残留CB液をそのまま圧送することはできない。
そこで、本実施形態に係るCB液では、流動性保持時間をさらに70時間まで延長するため、縮合リン酸塩に加え、水和反応に対する遅延効果の高い有機遅延剤を添加している。
すなわち、本実施形態に係るCB液には、必須成分としてCB液1m3あたり縮合リン酸塩を1.0kg〜5.0kg添加するとともに、CB液の流動性保持時間が8時間以上70時間以下となるように、有機遅延剤を併用して調整している。
ここで、本実施形態に係るCB液に縮合リン酸塩を必須成分としているのは、圧送中断状態(CB液静止状態)であっても、ブリージングや材料分離を低減することができるため、具体的には、セメント粒子などの粒子が沈降することを低減できるため、長距離圧送が容易になるからである。
一方、有機遅延剤は、分散作用を併せ持っているため、この分散作用により、ブリージングが大きく、且つ、粒径の大きなセメント粒子が圧送管底部に付着する度合いが大きくなり、圧送が困難になるという作用も有している。このため、本実施形態に係るCB液には、流動性保持時間が30時間以上となるように、水和反応に対する遅延効果の高い有機遅延剤を添加するが、ブリージングや材料分離の影響が顕著とならない所定の添加量以下に調整している。
(有機遅延剤)
本実施形態に係るCB液に添加する有機遅延剤としては、カルボン酸(塩)、ケト酸(塩)、糖類、糖アルコール類、高分子有機酸塩(リグニンスルホン酸塩など)など水和反応に対する凝結・硬化遅延効果のある有機物が使用でき、特に、カルボン酸類としてオキシカルボン酸(塩)(グルコン酸等)、ケトカルボン酸(塩)、アミノカルボン酸(塩)、糖類としてグルコース、サッカロース(ショ糖)が好適である。
本実施形態に係るCB液では、ブリージングの許容範囲として、流動性保持時間が8時間以上30時間未満の場合は、分離したブリージング水がCB液容量の10%以下、流動性保持時間が30時間以上70時間以下の場合は、分離したブリージング水がCB液容量の13%以下となることを目安として有機遅延剤の種類に応じて有機遅延剤の添加量(所定量)を決定している。例えば、有機遅延剤として、グルコン酸を添加する場合は、1.3kg以下、有機遅延剤として、ショ糖を添加する場合は、0.3kg以下としている。このように、CB液のブリージング水を13%以下とした理由は、13%を超えると材料分離(粘性の増大)、さらには、粗粒子の沈降による圧送管底部への付着が著しく大きくなり長距離圧送が困難となるからである。
なお、有機遅延剤(特に、ショ糖等の糖類)は、縮合リン酸塩と比べて安価であり、有機遅延剤を添加することにより、縮合リン酸塩の流動性保持時間を長くするという作用の一部を代替させて本実施形態に係るCB液の単価を低減することもできる。
(その他)
本実施形態に係るCB液は、前述の物質の他、必要に応じて一次鉱物である砂等の細骨材を含有しても構わない。また、ベントナイト以外の二次鉱物である粘土鉱物、フライアッシュや高炉スラグ等の微粒子物質、石膏等を含有しても構わない。さらに、目的に応じて、本実施形態に係るCB液は、分散剤、遅延剤、強度促進並びに増強剤、ゲル化剤、増粘剤、粘着剤等、各種の混和剤(混和材)・添加剤が添加されていてもよい。その上、本実施形態に係るCB液には、起泡剤等を用いて長時間安定した超微細気泡(マイクロバルブ)を混入するようにしてもよい。
以上説明した実施形態に係るCB液によれば、有機遅延剤及び縮合リン酸塩の効果によりセメント類の水和反応を抑制させ、CB液の流動性保持時間を長くすることができるとともに、縮合リン酸塩の効果により、ブリージングや材料分離を抑制して長距離圧送が容易となる。また、流動性保持時間が8時間以上70時間以下となるように調整されているので、CB液の圧送中断後、土日の連休を挟んでも、CB液を圧送する圧送管内を水洗いしてCB液を排出(廃棄)する必要がなく、圧送管内に滞留したCB液の排出に係る時間や、排水液の処理に掛かる費用を削減することができる。
[二液性可塑状グラウト注入工法]
次に、前述の実施形態に係るCB液を可塑剤と分けて圧送して構造物背面の空洞等に注入する二液性可塑状グラウト注入工法及びそのCB液の圧送方法について説明する。本実施形態に係る二液性可塑状グラウト注入工法は、前述の実施形態に係るCB液をA液として、これに硬化成分を含まない可塑剤(水ガラス、硫酸バン土、ベントナイト等)をB液として、別々に圧送して注入直前に合流混合させて可塑状固結を生成させ、構造物背面の空洞に注入充填する工法であり、水和反応により硬化することで地盤を強化するグラウトとして注入する。
(CB液の調合方法)
先ず、CB液の調合方法について説明する。本実施形態に係る二液性可塑状グラウト注入工法では、プラント等の調合槽を備える調合施設において2段階に分けて前述の実施形態に係るCB液を調合する。1段階目は、ミキサー又はアジテータなどの撹拌機能の付いた調合槽内に、水と、前述の実施形態に係る縮合リン酸塩、有機遅延剤、及びベントナイトを入れて、これらを溶解・膨潤させる。ここで、縮合リン酸塩と有機遅延剤は、別々に添加してもよいし、同時に添加してもよい。また、縮合リン酸塩と有機遅延剤の添加は、ベントナイト投入前でも、投入後のいずでもよく、後述の第2段階目のセメント類の投入後でも構わない。
そして、2段階目は、前述の調合水においてベントナイトを充分に膨潤させた後、その調合水に、実施形態に係るセメント類、必要であれば、細骨材、各種の混和剤、添加剤がさらに投入されて撹拌され、圧送可能な粘度、且つ、ブリージング水がCB液容量の13%以下となるように調整され、前述の実施形態に係るCB液が生成される。
(CB液の圧送方法)
次に、実施形態に係る二液性可塑状グラウト注入工法におけるCB液の圧送方法について詳細に説明する。前述の調合方法により調合されたCB液は、プラント等に設置された圧送ポンプから圧送管を通じて注入地点まで圧送される。このCB液の圧送は、グラウト注入作業に合わせて、圧送、中断を繰り返して行われる。
通常、CB液は、セメント類とベントナイトに水を加えて調合すると、その中でセメント類が水和反応を起こして次第に粘性が増大していき、圧送不能な非流動性の状態を経て硬化する。CB液のポンプで圧送可能な粘性、ひいては、流動性保持時間は、ポンプの性能、CB液の性質、圧送距離等に左右されるが、一般に、P漏斗での流出時間が18秒程度と言われており、本発明でもこの値を基準としている。
一方、施工(現場)、即ち、プラント(調合場所)から注入地点までの距離は、施工条件(注入地点の立地条件等)に左右される。例えば、トンネル等の裏込工事では、プラントから注入地点までの距離が、500〜1,000m、長い場合では、2,000m以上離れている場合も多々ある。このため、プラントから注入地点まで、圧送管(注入ホースも含む)を通じて、2液に分けて別々に圧送することになる。
しかし、縮合リン酸塩を添加しない従来のCB液の流動性保持時間は、約2〜3時間程度であり、それ以上の時間圧送管内にCB液を滞留させておくことができないため、圧送管内に残留したCB液を廃棄して圧送管内を水洗いしなければならなかった。
そこで、本発明の実施形態に係るCB液の圧送方法では、前述のようにCB液に縮合リン酸塩を1m3あたり1.0〜5.0kg添加したうえ、前述の有機遅延剤を圧送可能な流動性保持時間が8時間以上70時間以下、且つ、ブリージング水の量が13%以下となる所定量添加し、このCB液を放置したまま圧送を長時間(少なくとも8時間以上、好ましくは30時間以上)中断し、その後、圧送管内を洗浄することなく放置したCB液を圧送管内に存置させたまま新たなCB液を圧送する。
なお、前述の中断には、その日の注入作業の終了によるCB液の圧送中断だけでなく、昼休みによる中断、注入地点の移動による圧送中断、ポンプなどの注入機器や圧送管の継手部の故障などその他のトラブルによる圧送中断等が含まれるものである。
但し、圧送を中断してから再開するまでの時間は、CB液の流動性保持時間内であることを原則とする。勿論、中断してから再開するまでの時間に応じて、CB液に添加する縮合リン酸塩の量及び有機遅延剤の量を調整する。
また、8時間を目安にしたのは、トンネル工事等のグラウト注入の作業現場においてプラントやグラウト注入作業を、24時間、8時間3交代制で続けた場合、何らかのトラブルでそのうちの8時間が稼働できずに中断した場合を想定している。70時間は、金曜日の作業終了時から土曜、日曜日の連休を挟んで月曜日の作業開始までポンプ圧送を中断していた場合を想定している。
(可塑剤)
次に、可塑剤を含有するB液について説明する。本実施形態に係る二液性可塑状グラウト注入工法においてB液として前述のCB液に加える可塑剤には、代表的に、次の3種類の物質が使用されている。
1)水ガラス(珪酸ナトリウム)
水ガラス(Na2・nSiO2)は、高粘度で高アルカリ性(pH11〜12)の液体であり、長距離圧送するには、例えば、JIS3号品を80%程度に希釈して粘度を下げて使用する。この水ガラスは、CB液と混合すると、セメントとゲル化反応を起こし、約20秒以下で含水珪酸ゲル、すなわち、高粘性の可塑状グラウト(可塑状固結)を生成する。水ガラスは、セメントと著しく反応するため、早期強度(1時間で0.03〜0.1N/mm2)を発揮することができる。この早期強度発現の性質を利用して、シールドトンネルの裏込めグラウトとして使用されている。
B液を水ガラスとした場合のA液(CB液)とB液との混合時の容積比率は、通常、A液1に対してB液0.06〜0.15程度であり、この混合比率でA液とB液とを合流混合させて可塑状固結を生成させ、構造物背面の空洞に注入充填する。
2)硫酸バンド(硫酸アルミニウム)
硫酸バンド(Al2(SO4)3)は、弱酸性(pH2〜3程度)の粉末状又は水和物(液体)からなる物質であり、市販のもの(Al2O3換算で約8%)は、それ程、粘度は高くなく、そのまま長距離圧送が可能である。なお、粉末状の硫酸バンドは、水に溶かして液体と同様Al2O3換算で約8%程度に溶解して使用する。
この硫酸バンドで生成した可塑状グラウトは、CB液と混合するとセメントと略瞬時に反応して含水水酸化アルミニウムゾル、すなわち可塑状グラウトを生成する。硫酸バンドを混合して生成した可塑状グラウトは、CB液単味より強度の早期発現性は優れており、強度促進硬化を発揮する。しかし、硫酸バンドで生成した可塑状グラウトでは、前述の水ガラスを混合して生成した可塑状グラウトと比較して発現した強度自体は著しく低くなる。
また、B液を硫酸バンドとした場合のA液(CB液)とB液との混合時の容積比率は、通常、A液1に対してB液0.05〜0.10程度であり、この混合比率でA液とB液とを合流混合させて可塑状固結を生成させ、構造物背面の空洞に注入充填する。
3)ベントナイト
ベントナイトは、前述のCB液を製造するベントナイトと同じものを用いてよいが、可塑剤として使用するには、ベントナイト膨潤液そのものを使用する。
このベントナイト膨潤液をB液として使用した場合は、ベントナイト膨潤液とCB液を混合すると前述のように、ベントナイトとセメントがゲル化反応を起こし、略瞬時に可塑状グラウトを生成する。
このベントナイトを用いた可塑状グラウトは、粘性の違いはあるものの、本質的にはCB液と同じ程度の強度発現であり、発現した強度は、硫酸バンドで生成した可塑状グラウトよりも劣る。
また、B液をベントナイト膨潤液とした場合のA液(CB液)とB液との混合時の容積比率は、ベントナイト膨潤液とセメント類の反応が弱いため、通常、A液1に対してB液1〜3倍程度とA液よりもB液を多く使用して、可塑状固結を生成させ、構造物背面の空洞に注入充填する。
以上のように、グラウトの可塑剤として、硫酸バンドやベントナイトを使用する場合は、早期強度発現が必要とされない構造物の補強、補修用のグラウトとして使用する場合に限られており、水ガラスをグラウトの可塑剤として使用する場合と使い分けがなされている。
以上説明した本実施の形態に係る二液性可塑状グラウト注入工法、及びCB液の圧送方法によれば、圧送管内に滞留したCB液の排出に係る時間や、排出液の処理に掛かる費用を削減することができるだけでなく、圧送開始時に新たにCB液を圧送管の先端まで送り込む時間等に要する作業時間、人的労力含めた諸費用を削減することもできる。
以上、前述した実施の形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施の形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
[効果確認実験]
以下、実施例と比較例を挙げて実験により本発明の効果を検証する。実験には、セメント類として普通ポルトランドセメント、ベントナイトとしてホージュン製250メッシュ、縮合リン酸塩としてヘキサリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、縮合リン酸以外のリン酸塩として第1リン酸ナトリウム(リン酸二水素ナトリウム)、有機遅延剤としてカルボン酸類を代表してグルコン酸を、糖類を代表してショ糖を用いた。
(流動性試験)
先ず、効果確認実験において行ったCB液の流動性の一指標であるP漏斗流下試験の試験方法について説明する。このP漏斗流下試験は、土木学会基準JSCE−F521(P漏斗による方法)に準じて行われる。具体的には、P漏斗流下試験は、流出口径13mmの漏斗からCB液1725mLが流出する時間(秒)を測定することにより行う。なお、単にP漏斗流出時間とは、調合直後、即ち、調合5分後のCB液の流出時間の測定値である。
(ブリージング試験)
透明なビニール袋(直径5cm、長さ40cm)に、CB液500mlを入れて静止密閉状態で垂直に吊るし、所定時間経過後にブリージング水(上澄み液)の容量を測定し、そのブリージング水量を500mlで割った容積比率を百分率(%)で表示している。
(粗粒子沈降試験)
CB液を静止状態で放置した場合、ブリージングの発生と同時に粗粒子(セメントの大きな粒子)が沈降する現象を確認するため、前述の最終のブリージング試験におけるブリージング水量の測定時に、ビニール袋底部に沈降した粗粒子を手触りで確認し、その粗粒子沈降度合を判定した。
[実験A]
実験Aは、縮合リン酸塩を加えたCB液の調合直後のP漏斗流出時間、2時間経過後のブリージング水量(%)、及び流動性保持時間としてP漏斗流出時間が18秒になるまでに要した時間を測定し、次の表1に示す結果を得た。
Figure 0005819557
表1から分かるように、CB液単味の比較例1と比べて、これにヘキサリン酸ナトリウムを0.5kg添加した比較例2は、調合直後のP漏斗流出時間が、極わずかながら短い値を示している。これは、特許文献1に開示されているように縮合リン酸塩であるヘキサリン酸ナトリウムの分散作用によるものと考えられる。しかし、ヘキサリン酸ナトリウムを1.0kg添加すると分散作用は消失し、極わずかであるが流出時間が長い値を示している。さらに、添加するヘキサリン酸ナトリウムの量を2.0kg〜5.0kgと増やしていくと、少しずつ流出時間が長くなる傾向を示している。
また、流動性保持時間を見ると、CB液は、調合後時間の経過とともに増粘していき、流動性の指標であるP漏斗流出時間も増加していくことになる。CB液の圧送可能な流動性の限界を示す指標としては、一般にP漏斗流出時間が18秒となった状態といわれており、本実験では、CB液のP漏斗流出時間が18秒に達した時が、調合後何時間であったかを記録し、CB液の流動性保持時間とした。
さらに、表1に示すように、縮合リン酸塩を含まない比較例1の流動性保持時間は、3時間であり、縮合リン酸塩としてヘキサリン酸ナトリウムをCB液1m3あたり0.5kg添加した比較例2の流動性保持時間は、7時間であり、前述のように、圧送の中断時間との目安である8時間をクリアしていない。
しかし、ヘキサリン酸ナトリウムをCB液1m3あたり1.0kg添加した実施例1の流動性保持時間は、9時間、さらにヘキサリン酸ナトリウムの添加量を増した実施例2〜4の性保持時間は、長くなる傾向を示し、ヘキサリン酸ナトリウムをCB液1m3あたり5.0kg添加した実施例5は、流動性保持時間が29時間と大幅に長くなるが、ヘキサリン酸ナトリウムをCB液1m3あたり6.0kg添加した比較例3では、31時間と極わずかしか長くなっていないことが判明した。これにより、縮合リン酸塩の添加量は、5.0kgで縮合リン酸塩の添加による流動性保持時間の延長効果は、30時間が限度であると結論付けられる。
また、表1に示すように、縮合リン酸塩のヘキサリン酸ナトリウム(実施例2、4)とトリポリリン酸ナトリウム(実施例6,7)を比較すると流動性保持時間は、略同じであることも判明した。
一方、縮合リン酸塩に属さない第1リン酸ナトリウム(リン酸二水素ナトリウム)を添加した比較例4の流動性保持時間は、CB液1.0m3あたり3.0kg添加したにもかかわらず5時間であり、目安とした8時間に達しなかった。
以上実験Aにより、CB液1m3あたり縮合リン酸塩を1.0kg以上添加すると、CB液のポンプによる圧送可能な流動性の指標である流動性保持時間が8時間以上となることが判明した。これは、通常カルシウム溶出量調整剤等として利用される縮合リン酸塩の大量添加により、縮合リン酸塩がCB液のセメント類の水和反応を抑制して硬化遅延効果を発揮したからではないかと考えられる。しかし、縮合リン酸塩をCB液1m3あたり6.0kg以上添加してもそれ以上の硬化遅延効果が得られないことが判った。
このように、他の添加剤と比べて高価な縮合リン酸塩をCB液1m3あたり6.0kg以上多量添加しても、それ程の硬化遅延効果が得られないことから、前述のように、本発明の実施形態に係るCB液では、縮合リン酸塩を1m3あたり1.0kg以上5.0kg以下添加することとしている。
一方、ブリージング(2時間後)は、P漏斗流出時間と反比例した傾向を示している。CB液単味である比較例1に、縮合リン酸塩を5%(実施例5)まで添加量を漸増やしていくと、ブリージング水の比率は、6.6%から4.1%と大きく低減しているのに対し、P漏斗流出時間は、8.63秒から8.93秒と微増となっている。これは、縮合リン酸塩がベントナイトのような増粘剤としての効果よりも粘結剤として作用(粒子と粒子を結びつける働きがあり、分散剤とは反対の作用)し、結果として粘性を付加しているものと推測される。
[実験B]
実験Bは、実験A(表1)でCB液に縮合リン酸塩を多く加えても流動性保持時間が30時間を超えて延びなかったため、この流動性保持時間をより長くするため、CB液に縮合リン酸塩と有機遅延剤(グルコン酸、ショ糖)を添加し、2,4,24,72時間後のブリージング水の比率、粗粒子の沈降度合、P漏斗流出時間、流動性保持時間(P漏斗流出時間が18秒に達した時)を測定し、次の表2に示す結果を得た。
Figure 0005819557
表2より、CB液1m3あたり、グルコン酸0.17、1.00、1.35kg(比較例5、6、7)、ショ糖0.3、0.5、0.8kg(比較例8、9、10)と少量添加すると流動性保持時間は、大幅に遅延され、グルコン酸1.35kg添加した比較例7では、流動性保持時間が78時間、ショ糖0.8kg添加した比較例10では、流動性保持時間が72時間と70時間を超える流動性保持時間が得られ、遅延効果が大きいことが確認された。
その反面、72時間後のブリージング水の割合は、グルコン酸1.35kg添加した比較例7では、32.1%、ショ糖0.8kg添加した比較例10では、30.3%となっており、粗粒子(大きいセメント粒子)の沈降度合が、非常に多いことが確認された。これは、有機遅延剤の分散作用の影響を受けて、ブリージングや材料分離を起こしているからと推測される。
以上の結果からCB液に縮合リン酸塩を添加せずに有機遅延剤のみを添加した場合は、70時間を超える流動性保持時間を得られるものの、ブリージングや材料分離が大きくCB液の長距離圧送には問題があることが判る。
また、表2の実施例8〜11から分かるように、CB液に有機遅延剤を添加せずに縮合リン酸塩のみを添加した場合は、流動性保持時間は、30時間を超えることができない。これに対して、表2の実施例12〜16から分かるように、CB液に縮合リン酸塩と有機遅延剤を併用した場合、流動性保持時間が20時間〜130時間まで調整可能であることが判る。
但し、流動性保持時間が8時間以上30時間未満の場合は、分離したブリージング水がCB液容量の10%を超え、流動性保持時間が30時間以上70時間以下の場合は、分離したブリージング水がCB液容量の13%を超えると、CB液圧送上問題があるため、本発明の実施形態に係るCB液では、前述のように、流動性保持時間内におけるブリージング水がCB液容量の13%以下となるように、有機遅延剤の添加する量を調整している。即ち、有機遅延剤として、グルコン酸を添加する場合は、1.0kg以下、有機遅延剤として、ショ糖を添加する場合は、0.3kg以下としている。
以上実験Bにより、CB液に縮合リン酸塩と有機遅延剤を併用して添加することにより、流動性保持時間を30時間以上に延長することができるとともに、ブリージングや材料分離を抑制できることが判る。

Claims (4)

  1. 注入されることで水和反応により硬化して地盤を強化するセメント類とベントナイトを含有するCB液であって、
    縮合リン酸塩が、1m3あたり1.0kg以上5.0kg以下添加されたうえ、
    有機遅延剤が、流動性保持時間内においてブリージング水の量が13%を超えないように、生成24時間後のブリージング水の量が10.1%以下又は生成72時間後のブリージング水の量が12.2%以下となる所定量添加されていること
    を特徴とするCB液。
  2. 前記縮合リン酸塩は、ヘキサリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、又はこれらの混合物であること
    を特徴とする請求項1に記載のCB液。
  3. 前記有機遅延剤は、カルボン酸類、糖類、高分子有機酸類であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のCB液。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のCB液を圧送するCB液の圧送方法であって、
    前記CB液を圧送した後、圧送を中断し、前記CB液を圧送する圧送管内を洗浄することなく8時間以上70時間以内に圧送を再開して前記圧送管内に前記CB液を存置したまま新たな前記CB液を圧送すること
    を特徴とするCB液の圧送方法。
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