JP7093589B1 - 移乗補助椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】移乗介助を容易に行うことができ、被介護者の身体を持ち上げるときの作業負担を軽減できる、移乗補助椅子を提供する。【解決手段】移乗補助椅子10は、基礎フレーム12と、車輪18b等と、座板部20と、座板支持フレーム22と、リフト部26とを備えている。基礎フレーム12は、左側支柱34と、右側支柱36と、ハンドル部42とを有している。座板支持フレーム22の左側回動フレーム66および右側回動フレーム68は、互いに近接する第1状態と、互いに離間する第2状態とを選択的に取り得るように、左側支柱34および右側支柱36のそれぞれに回動可能に取り付けられている。リフト部26は、基礎フレーム12の前部の左右方向中央部に上下方向へ延びて設けられたリフト支柱114と、リフト支柱114の上端部から後方へ延びて設けられ、被介護者の身体を吊り下げるための棒状のアーム部116と、昇降機構118とを有している。【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用 令和3年8月31日、9月1日 ベストワン株式会社のホームページに掲載 https://happy-bestone.com/ 令和3年8月31日、9月1日 YouTubeの動画配信サイトに掲載 https://www.youtube.com/channel/UCUxs_4DOTtwhhVvOARC1a6g/videos?view=0&sort=da&flow=grid 令和3年9月1日 公益財団法人テクノエイド協会のデータベースに掲載 http://www.techno-aids.or.jp/
本発明は、被介護者を移動させる際に介護者によって操作される移乗補助機能を有する移乗補助椅子に関する。
ベッドで寝ている被介護者を他の場所へ移動させるとき、介護者は、ベッドから移動用の椅子に被介護者を移乗させるための移乗介助を行う。上記の他の場所がトイレであれば、介護者は、移動用の椅子から便座に被介護者を移乗させるための移乗介助を行う。被介護者をベッドに戻すとき、介護者は、上記とは逆の手順で移乗介助を行う。このように、介護の現場において、移乗介助は頻繁に行われており、その負担を軽減するための様々な工夫が従来からなされている。
例えば、下記特許文献1には、ベッドで寝姿勢にある被介護者を車椅子に移動させる機能を有するリフト付き車椅子が開示されている。このリフト付き車椅子は、一般的な車椅子とほぼ同様に構成された車椅子と、被介護者の身体を吊り下げて移動させるためのリフトとを備えている。リフトの体重支持柱(リフト支柱)は、車椅子の前部における左右方向の一方端部に上下方向へ延びて設けられている。体重支持柱(リフト支柱)の上部は、前方へ傾けられており、その上端部には、被介護者の身体を吊り下げるためのリフトロープを巻き取るロープドラムが設けられている。また、車椅子の後部には、被介護者の身体を後方へ引くための後方引きロープを巻き取る後方引きドラムが設けられている。
また、下記特許文献2には、被介護者を補助椅子とベッドとの間で移乗させることができるように構成された移乗補助椅子が開示されている。この移乗補助椅子では、被介護者が着座する座板部材が左右に分割して構成されており、左側座板部材を支持する左側回転フレームの前部が、ベースの前部に設けられた左側シャフト部材に回転可能に取り付けられており、右側座板部材を支持する右側回転フレームの前部が、ベースの前部に設けられた右側シャフト部材に回転可能に取り付けられている。左側回転フレームの後部には、左側手押しハンドル部材が設けられており、右側回転フレームの後部には、右側手押しハンドル部材が設けられている。座板部に着座した被介護者を収容する空間は、前方へ向けて開放されており、座板部材の下方に確保された空間は、ベッドを後方から受け入れることができるように後方へ向けて開放されている。
特開2000-333996号公報 実用新案登録第3226653号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたリフト付き車椅子では、リフトロープおよび後方引きロープの2種類のロープを使用しているため、構造が複雑であり、製造コストが高くなるという問題があった。また、2種類のロープを操作する必要があるため、移乗介助のための作業が複雑であるという問題があった。一方、特許文献2に開示された移乗補助椅子では、構造が簡単であり、移乗介助のための作業を容易に行うことができるが、被介護者の身体を持ち上げるときの介護者の作業負担が大きいという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、簡単な構造で、移乗介助のための作業を容易に行うことができ、被介護者の身体を持ち上げるときの介護者の作業負担を軽減できる、移乗補助椅子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る移乗補助椅子の特徴は、床面に置かれる基礎フレームと、前記基礎フレームを前記床面で移動させるための複数の車輪と、被介護者が着座する板状の座板部と、前記座板部を支持する座板支持フレームと、被介護者の身体を持ち上げるためのリフト部とを備え、前記座板部に着座した被介護者から見た前後左右の方向を基準としたとき、前記基礎フレームは、前記床面に沿って前後方向へ延びるように、互いに左右方向へ間隔を隔てて設けられた棒状の左側基礎部材および右側基礎部材と、前記左側基礎部材の前端部に上下方向へ延びるように設けられた左側支柱と、前記右側基礎部材の前端部に上下方向へ延びるように設けられた右側支柱と、前記左側支柱と前記右側支柱との間に架け渡され、介護者の手で握られるように構成された棒状のハンドル部と、前記ハンドル部から下方へ離間して前記左側支柱と前記右側支柱との間に架け渡され、前記座板部に着座した被介護者の手で握られるように構成された棒状の手すり部とを有し、前記座板支持フレームは、前記左側基礎部材と前記右側基礎部材との間に確保された空間の上方で互いに近接する第1状態と、前記第1状態から左右方向へ開いて互いに離間する第2状態とを選択的に取り得るように、前記左側支柱および前記右側支柱のそれぞれに回動可能に取り付けられた左側回動フレームおよび右側回動フレームを有し、前記座板部は、左側回動フレームに取り付けられ、前記第1状態において前記座板部の左側部分を構成する左側座板片と、右側回動フレームに取り付けられ、前記第1状態において前記座板部の右側部分を構成する右側座板片とを有し、前記リフト部は、前記基礎フレームの前部の左右方向中央部に上下方向へ延びて設けられたリフト支柱と、前記座板部に着座した被介護者の上方において前記リフト支柱の上端部から後方へ延びて設けられ、被介護者の身体を真上から吊り下げるための棒状のアーム部と、前記アーム部で吊り下げられた被介護者の身体を真上方向へ引き上げるように構成された昇降機構とを有することにある。
この構成によれば、左側回動フレームおよび右側回動フレームを第1状態にしたとき、被介護者を座板部に着座させることができる。ベッドや便座の上方で、左側回動フレームおよび右側回動フレームを開いて第2状態にすると、左側座板片と右側座板片との間に空間を確保できるので、この空間を通して、ベッドや便座と座板部との間で被介護者を容易に移乗させることができる。このとき、被介護者の身体に支持体を装着して、支持体と共に被介護者の身体をリフト部で引き上げるようにすると、介護者の負担を軽減できる。被介護者を引き上げる方向は、真上方向でよいので、リフト部の構造を簡素化でき、製造コストを低く抑えることができる。
また、座板部をベッドの上に配置したときでも、基礎フレームの前部に設けられたハンドル部をベッドの外側に配置できるので、介護者は、ハンドル部を手で握り易く、移乗補助椅子を操作し易い。さらに、リフト支柱は、基礎フレームの前部の左右方向中央部に上下方向へ延びて設けられ、アーム部は、リフト支柱の上端部から後方へ延びて設けられるので、移乗補助椅子の全体の重心位置を平面視で移乗補助椅子の中央部に定めることができ、移乗補助椅子を安定させることができる。
本発明に係る移乗補助椅子の他の特徴は、前記リフト支柱は、前記ハンドル部および前記手すり部の両方に固定されることにある。
この構成によれば、リフト支柱をハンドル部および手すり部で安定して支持できる。
本発明に係る移乗補助椅子の他の特徴は、前記左側支柱および前記右側支柱のそれぞれの下端部に設けられ、前記左側支柱および前記右側支柱を上下方向へ移動させるための左側可動部および右側可動部と、第1動力源から付与された動力で伸縮することによって前記左側支柱および前記右側支柱を上下方向へ移動させるように構成された第1伸縮装置とを有する高さ調整機構を備えることにある。
この構成によれば、第1伸縮装置を用いた簡単な構造で高さ調整機構を構成できる。
本発明に係る移乗補助椅子の他の特徴は、前記基礎フレームは、前記左側基礎部材の前端部と前記右側基礎部材の前端部とを連結する棒状の連結基礎部材を有し、前記第1伸縮装置は、その軸中心が前記連結基礎部材の左右方向中央部の上面と前記リフト支柱の下端面との間に配置されるように構成され、前記第1伸縮装置が伸長されたとき、前記第1伸縮装置から前記リフト支柱に対して上方向の力が入力されることにある。
この構成によれば、リフト部の荷重をリフト支柱の真下に配置された第1伸縮装置で安定して受けることができ、リフト部の荷重で左側支柱、右側支柱およびハンドル部が歪むことを防止できる。
本発明に係る移乗補助椅子の他の特徴は、前記昇降機構は、前記アーム部の前端部を前記リフト支柱の上端部に回動可能に連結する回動連結部と、一方端部が前記リフト支柱における前記回動連結部から下方へ離間した部分に取り付けられるとともに、他方端部が前記アーム部における前記回動連結部から後方へ離間した部分に取り付けられ、第2動力源から付与された動力で伸縮することによって前記アーム部の傾斜角度を変更できるように構成された第2伸縮装置とを有することにある。
この構成によれば、第2伸縮装置を用いた簡単な構造で昇降機構を構成できる。
本発明に係る移乗補助椅子の他の特徴は、前記左側基礎部材および前記右側基礎部材のそれぞれから前方へ突出するように設けられた左側車輪取付け部および右側車輪取付け部を備え、前記左側車輪取付け部および前記右側車輪取付け部のそれぞれに前記車輪が取り付けられることにある。
この構成によれば、左側車輪取付け部および右側車輪取付け部ならびにこれらに取り付けられた車輪によって、移乗補助椅子の全体が前方へ傾くことを抑制できる。また、左側基礎部材および右側基礎部材をベッドなどの下方の空間に挿し入れたときでも、左側車輪取付け部および右側車輪取付け部は、当該空間の外側にあるので、これらに対して旋回性に優れた大型の車輪を取り付けることができる。
本発明に係る移乗補助椅子の他の特徴は、前記左側車輪取付け部と前記右側車輪取付け部との間には、被介護者の足を置くための板状のフットレストが架け渡されることにある。
この構成によれば、左側車輪取付け部と右側車輪取付け部との間の広い範囲に板状のフットレストを配置できるので、被介護者はフットレストに足を置き易い。
本発明に係る移乗補助椅子の他の特徴は、前記座板部の下方に確保された空間は、被介護者が使用するベッドを後方から受け入れることができるように後方へ向けて開放されることにある。
この構成によれば、座板部の下方に確保された空間にベッドを後方から受け入れることができるので、介護者が座板部をベッドの上方に配置する際には、ハンドル部を押して、移乗補助椅子を後方へ移動させるだけでよく、作業性がよい。
本発明に係る移乗補助椅子の他の特徴は、前記リフト支柱は、前記ハンドル部の上方において上下方向へ分割可能に構成されることにある。
この構成によれば、リフト部を使用しないときに、リフト支柱の上部およびアーム部を簡単に取り外すことができるので、移乗補助椅子の全体のサイズを小さくでき、操作性を高めることができる。
第1実施形態に係る移乗補助椅子の使用状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る移乗補助椅子の構成を示す斜視図ある。 リフト部の主要部を取り外した移乗補助椅子の構成を示す斜視図である。 移乗補助椅子の一部の構成を示す分解斜視図である。 座板支持フレームのロック機構を示す図である。 右側可動部の一部の構成を示す分解斜視図である。 リフト支柱の一部の構成を示す分解斜視図である。 第2状態にある座板支持フレームおよび座板部の構成を示す後斜め上方から見た斜視図である。 第1状態にある座板支持フレームおよび座板部をベッドの上に配置した状態を示す前斜め上方から見た斜視図である。
以下、本発明に係る移乗補助椅子の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる「上・下・左・右・前・後」の各方向は、座板部20に着座した被介護者Xから見た方向であり、図面において矢印で示す各方向と一致する。
(移乗補助椅子の構成)
図1は、第1実施形態に係る移乗補助椅子10の使用状態を示す斜視図である。図2は、移乗補助椅子10の構成を示す斜視図ある。図3は、リフト部26の主要部を取り外した移乗補助椅子10の構成を示す斜視図である。図4は、移乗補助椅子10の一部の構成を示す分解斜視図である。図1に示す移乗補助椅子10は、被介護者Xを移動させる際に介護者(図示省略)によって操作される介護補助用具であり、介護者が行う移乗介助を補助する機能を有している。
図2に示すように、移乗補助椅子10は、床面Fに置かれる基礎フレーム12と、左右両側の車輪取付け部14,16と、複数(本実施形態では4個)の車輪18a~18dと、座板部20と、座板支持フレーム22と、高さ調整機構24と、リフト部26とを備えている。図3に示すように、リフト部26の主要部は、取り外し可能に構成さている。
図4に示すように、基礎フレーム12は、移乗補助椅子10の基礎となる部分であり、床面Fに沿って前後方向へ延びるように、互いに左右方向へ間隔を隔てて設けられた棒状の左側基礎部材28および右側基礎部材30と、左側基礎部材28の前端部28aと右側基礎部材30の前端部30aとを連結する棒状の連結基礎部材32とを有している。これらの3つの部材28,30,32は、四角形の断面を有する角パイプ状に形成されており、平面視でU字状(またはコ字状)となるように、互いに強固に接合されている。後述する左側回動フレーム66および右側回動フレーム68が第2状態(図8)にあるとき、被介護者Xは、これらの3つの部材28,30,32の内側で床面Fに立つことができる。
また、基礎フレーム12は、左側基礎部材28の前端部28aに上下方向へ延びるように設けられた左側支柱34と、右側基礎部材30の前端部30aに上下方向へ延びるように設けられた右側支柱36とを有している。左側支柱34および右側支柱36のそれぞれは、円形の断面を有する丸パイプ状に形成されており、これらの上端部は、前方へ傾けられている。
左側支柱34の下端部34aは、高さ調整機構24(図2)の左側可動部94を介して、左側基礎部材28の前端部28aに取り付けられている。左側支柱34の下端部34aにおける後方を向いた面には、後述する左側回動フレーム66の篏合部(前端部)66bが上方から回動可能に嵌め合わされる棒状の左側回動軸部38が設けられている。
右側支柱36の下端部36aは、高さ調整機構24(図2)の右側可動部96を介して、右側基礎部材30の前端部30aに取り付けられている。右側支柱36の下端部36aにおける後方を向いた面には、後述する右側回動フレーム68の篏合部(前端部)68bが上方から回動可能に嵌め合わされる棒状の右側回動軸部40が設けられている。
さらに、基礎フレーム12は、左側支柱34と右側支柱36との間に架け渡され、介護者(図示省略)の手で前方から握られるように構成された棒状のハンドル部42と、ハンドル部42から下方へ離間して左側支柱34と右側支柱36との間に架け渡され、被介護者Xの手で後方から握られるように構成された棒状の手すり部44とを有している。ハンドル部42および手すり部44は、円形の断面を有する丸パイプ状に形成されている。
ハンドル部42の左端部42aと左側支柱34の上端部34bとは、滑らかに湾曲した湾曲部46aを介して繋げられており、ハンドル部42の右端部42bと右側支柱36の上端部36bとは、滑らかに湾曲した湾曲部46bを介して繋げられている。手すり部44の左端部44aは、左側支柱34の右方を向いた面に溶接により固定されており、手すり部44の右端部44bは、右側支柱36の左方を向いた面に溶接により固定されている。
図4に示すように、左側車輪取付け部14は、左側基礎部材28の前端部28aの上部から前方へ突出するように設けられた平面視で長方形の板状の部材である。左側車輪取付け部14の後端部は、ボルト・ナットおよび溶接などの接合手段(図示省略)を用いて左側基礎部材28の前端部28aに接合されている。左側車輪取付け部14の前端部には、第3車輪18cに設けられたボルト48aが挿通される貫通孔14aが形成されている。
右側車輪取付け部16は、右側基礎部材30の前端部30aの上部から前方へ突出するように設けられた平面視で長方形の板状の部材である。右側車輪取付け部16の後端部は、ボルト・ナットおよび溶接などの接合手段(図示省略)を用いて右側基礎部材30の前端部30aに接合されている。右側車輪取付け部16の前端部には、第4車輪18dに設けられたボルト48bが挿通される貫通孔16aが形成されている。
図1に示すように、左側車輪取付け部14と右側車輪取付け部16との間には、被介護者Xの足を置くためのフットレスト50が架け渡されている。図4に示すように、フットレスト50は、平面視で長方形の板状に形成されており、フットレスト50の前端部および後端部は、下方へ向けて滑らかに湾曲して形成されている。フットレスト50の左端部には、第3車輪18cに設けられたボルト48aが挿通される貫通孔50aが形成されており、フットレスト50の右端部には、第4車輪18dに設けられたボルト48bが挿通される貫通孔50bが形成されている。
図4に示すように、車輪18a~18bは、基礎フレーム12を床面Fで移動させるための部材である。基礎フレーム12の後部を支持する第1車輪18aおよび第2車輪18bは、任意の方向を向くように構成されており、その回転を停止するためのストッパー(図示省略)を有している。そして、第1車輪18aが、左側基礎部材28の後端部28bの下面にボルト・ナットなどの接合手段(図示省略)を用いて固定されており、第2車輪18bが、右側基礎部材30の後端部30bの下面にボルト・ナットなどの接合手段(図示省略)を用いて固定されている。第1車輪18aおよび第2車輪18bは、左側基礎部材28および右側基礎部材30と共にベッド82などの下方に確保された空間S(図9)に挿し込まれる。そのため、第1車輪18aおよび第2車輪18bの直径は、空間S(図9)の高さが低い場合を想定して、できる限り小さく定められている。
図4に示すように、基礎フレーム12の前部を支持する第3車輪18cおよび第4車輪18dは、任意の方向を向くように構成されており、その回転を停止するためのストッパー52a,52bを有している。そして、第3車輪18cが、左側車輪取付け部14の前端部の下面にボルト48aおよびナット54aを用いて固定されており、第4車輪18dが右側車輪取付け部16の前端部の下面にボルト48bおよびナット54bを用いて固定されている。第3車輪18cおよび第4車輪18dの直径は、旋回性を高めるために、第1車輪18aおよび第2車輪18bの直径よりも大きく定められている。
第3車輪18cおよび第4車輪18dを左側車輪取付け部14および右側車輪取付け部16に取り付ける際には、左側車輪取付け部14および右側車輪取付け部16のそれぞれの上面にフットレスト50が載置される。そして、第3車輪18cに設けられたボルト48aが、左側車輪取付け部14の貫通孔14aおよびフットレスト50の貫通孔50aに挿通されて、ナット54aに対して螺合される。また、第4車輪18dに設けられたボルト48bが、右側車輪取付け部16の貫通孔16aおよびフットレスト50の貫通孔50bに挿通されて、ナット54bに対して螺合される。さらに、ナット54a,54bには、キャップ56a,56bが装着される。
図4に示すように、座板部20は、被介護者X(図1)が着座するクッション性を有する板状の部材であり、左右方向に分割して構成されている。座板部20の左側部分を構成する左側座板片58は、平面視で前後方向に長い長方形に形成されており、左側座板片58の前後方向中央部における右端部には、半円形の切り欠き60aが形成されている。座板部20の右側部分を構成する右側座板片62は、平面視で前後方向に長い長方形に形成されており、右側座板片62の前後方向中央部における左端部には、半円形の切り欠き60bが形成されている。
図2に示すように、左側座板片58と右側座板片62とが左右方向に並べられることによって、座板部20が構成される。座板部20の全体の平面視形状は、左右方向に長い長方形であり、その全体の中央部には、切り欠き60a,60bによって円形の孔60が構成されている。この孔60の内周部で被介護者X(図1)の臀部が受けられる。
図4に示すように、座板支持フレーム22は、座板部20および背もたれ部64を支持する部材であり、左側支柱34および右側支柱36のそれぞれに回動可能に取り付けられた左側回動フレーム66および右側回動フレーム68を有している。背もたれ部64は、座板部20に着座した被介護者X(図1)の背中を受ける部分であり、左右方向に分割して構成されている。つまり、背もたれ部64の左側部分は、クッション性を有する板状の左側背もたれ部70で構成されており、背もたれ部64の右側部分は、クッション性を有する板状の右側背もたれ部72で構成されている。
左側回動フレーム66は、左側座板片58および左側背もたれ部70を支持する棒状の支持部66aと、左側回動軸部38に篏合される棒状の篏合部66bと、棒状のひじ掛け部66cとを有している。これらの部分は、円形の断面を有する丸パイプ状の部材によって連続して一体的に形成されている。
より詳しく説明すると、支持部66aは、左側座板片58の左側縁および後側縁に沿って形成された座板支持部74aと、左側背もたれ部70の下端縁に沿って形成された背もたれ支持部74bと、座板支持部74aの後部の右端部と背もたれ支持部74bの右端部とを繋ぐ繋ぎ部74cとを有している。そして、座板支持部74aの前端部から下方へ延びるように篏合部66bが形成さており、背もたれ支持部74bの左端部から前方へ延びるようにひじ掛け部66cが形成されている。
左側座板片58は、ボルト・ナットなどの接合手段およびブラケット(図示省略)を用いて座板支持部74aに接合されており、左側背もたれ部70は、ボルト・ナットなどの接合手段およびブラケット(図示省略)を用いて背もたれ支持部74bに接合されている。ひじ掛け部66cおよび背もたれ支持部74bには、クッション性を有するパイプ状のカバー部材76aが被せられている。
右側回動フレーム68は、右側座板片62および右側背もたれ部72を支持する棒状の支持部68aと、右側回動軸部40に篏合される棒状の篏合部68bと、棒状のひじ掛け部68cとを有している。これらの部分は、円形の断面を有する丸パイプ状の部材によって連続して一体的に形成されている。
より詳しく説明すると、支持部68aは、右側座板片62の右側縁および後側縁に沿って形成された座板支持部80aと、右側背もたれ部72の下端縁に沿って形成された背もたれ支持部80bと、座板支持部80aの後部の左端部と背もたれ支持部80bの左端部とを繋ぐ繋ぎ部80cとを有している。そして、座板支持部80aの前端部から下方へ延びるように篏合部68bが形成さており、背もたれ支持部80bの右端部から前方へ延びるようにひじ掛け部68cが形成されている。
右側座板片62は、ボルト・ナットなどの接合手段およびブラケット(図示省略)を用いて座板支持部80aに接合されており、右側背もたれ部72は、ボルト・ナットなどの接合手段およびブラケット(図示省略)を用いて背もたれ支持部80bに接合されている。ひじ掛け部68cおよび背もたれ支持部80bには、クッション性を有するパイプ状のカバー部材76bが被せられている。
上記の通り、左側回動フレーム66および右側回動フレーム68は、左側支柱34および右側支柱36のそれぞれに、左側回動軸部38および右側回動軸部40を介して回動可能に取り付けられている。したがって、これらは、左側基礎部材28と右側基礎部材30との間に確保された空間Qの上方において、互いに近接する第1状態と、第1状態から左右方向へ開いて互いに離間する第2状態とを選択的に取ることができる。第1状態においては、左側座板片58によって座板部20の左側部分が構成されるとともに、右側座板片62によって座板部20の右側部分が構成される。座板部20の下方に確保された空間Qは、被介護者Xが使用するベッド82(図9)を後方から受け入れることができるように、後方へ向けて開放されている。
図5は、座板支持フレーム22のロック機構84を示す図である。左側回動フレーム66および右側回動フレーム68が第1状態にあるとき、座板部20(図2)に被介護者Xが着座するためには、左側回動フレーム66および右側回動フレーム68が勝手に開くことを防止する必要がある。そのため、座板支持フレーム22には、ロック機構84が設けられている。図5に示すように、ロック機構84は、左側の繋ぎ部74cの後方を向いた面に設けられた突起状の被引掛け部86と、右側の繋ぎ部80cの後方を向いた面に回動可能に設けられたフック状の引掛け部88とを有している。引掛け部88には、引掛け部88に対して半時計周りに付勢するためのバネ部材90が組み込まれている。また、図8に示すように、右側の繋ぎ部80cには、左側の繋ぎ部74cを位置決めするための平面視でU字状に形成された板状の位置決め部材92が装着されており、位置決め部材92には、被引掛け部86との干渉を避けるための切り欠き92aが形成されている。
図5に示すように、左側回動フレーム66および右側回動フレーム68を閉じて第1状態(実線で示す状態)を取るとき、左側の繋ぎ部74cが、位置決め部材92に受け入れられて右側の繋ぎ部80cに対して位置決めされる。このとき、引掛け部88が被引掛け部86に干渉することを防止するために、介護者は、引掛け部88を手で操作して、バネ部材90の付勢に抗して時計周りに回動させる。左側の繋ぎ部74cが位置決め部材92に完全に受け入れられた後、引掛け部88から手を離すと、引掛け部88は、バネ部材90の付勢によって被引掛け部86に引掛けられる。なお、図5中の符号P1は、自然状態にある引掛け部88の位置を示しており、符号P2は、時計周りに回動させられた引掛け部88の位置を示している。
図2に示すように、高さ調整機構24は、左側支柱34および右側支柱36を上下方向へ移動させることによって、座板部20およびリフト部26の高さを調整するための機構である。高さ調整機構24は、左側支柱34の下端部34aに設けられ、左側支柱34を上下方向へ移動させるための左側可動部94と、右側支柱36の下端部36aに設けられ、右側支柱36を上下方向へ移動させるための右側可動部96と、第1伸縮装置98とを備えている。
左側可動部94は、左側基礎部材28の前端部28aに、上方へ突出するように設けられた円形の断面を有する支持パイプ100aと、円形の断面を有する棒状の摺動ガイド部材100bと、支持パイプ100aと摺動ガイド部材100bとを連結する連結部材100cとを有している。摺動ガイド部材100bの外径は、支持パイプ100aおよび左側支柱34のそれぞれの内径よりもわずかに小さく定められており、摺動ガイド部材100bの下端部が支持パイプ100aに挿し込まれて連結部材100cで連結されている。そして、摺動ガイド部材100bにおける支持パイプ100aから上方へ突出した部分が、左側支柱34に対して下方から摺動可能に挿し込まれている。
右側可動部96は、右側基礎部材30の前端部30aに、上方へ突出するように設けられた円形の断面を有する支持パイプ102aと、円形の断面を有する棒状の摺動ガイド部材102bと、支持パイプ102aと摺動ガイド部材102bとを連結する連結部材102cとを有している。摺動ガイド部材102bの外径は、支持パイプ102aおよび右側支柱36のそれぞれの内径よりもわずかに小さく定められており、摺動ガイド部材102bの下端部が支持パイプ102aに挿し込まれて連結部材102cで連結されている。そして、摺動ガイド部材102bにおける支持パイプ102aから上方へ突出した部分が、右側支柱36に対して下方から摺動可能に挿し込まれている。
図6は、右側可動部96の一部の構成を示す分解斜視図である。図6に示すように、右側可動部96を構成する連結部材102cは、支持パイプ102aの外周面に装着されるC字状の装着部103aと、装着部103aに固定された棒状の連結ピン103bとを有している。支持パイプ102aと摺動ガイド部材102bとを連結する際には、連結ピン103bが、支持パイプ102aおよび摺動ガイド部材102bのそれぞれに形成された貫通孔103c,103dに挿通されるとともに、装着部103aが、支持パイプ102aの外周面に装着される。図2に示す左側可動部94の連結部材100cは、右側可動部96の連結部材102cと同様に構成されている。
図2に示すように、第1伸縮装置98は、第1動力源から付与される動力で伸縮することによって左側支柱34および右側支柱36を上下方向へ移動させるように構成されている。本実施形態の第1伸縮装置98は、伸縮ロッド104を有する電動アクチュエータであり、第1動力源は、電動アクチュエータの駆動モータに電力を付与するバッテリー(図示省略)である。第1伸縮装置98の下端部は、連結基礎部材32の左右方向中央部の上面に設けられたブラケット33(図4)にボルト・ナット(図示省略)を用いて取り付けられている。第1伸縮装置98の軸中心、すなわち伸縮ロッド104の軸中心は、連結基礎部材32の左右方向中央部の上面とリフト支柱114の下端面との間に配置されている。したがって、第1伸縮装置98が伸長されると、第1伸縮装置98からリフト支柱114に対して、入力部120等を介して上方向の力が入力される。また、伸縮ロッド104と並んでスイッチ用の支柱106が設けられており、第1伸縮装置98を操作するためのスイッチ108は、支柱106の上端部に取り付けられている。
図1に示すように、リフト部26は、被介護者Xの身体を持ち上げるための装置である。リフト部26を用いて被介護者Xの身体を持ち上げるとき、被介護者Xの身体には、支持体(スリングシート)110が装着される。本実施形態の支持体(スリングシート)110は、4本の吊りベルト112a~112dで吊られるように構成されており、前後方向において対向する一対のベルト112a,112cおよび他の一対のベルト112b,112dのそれぞれは、連続して形成されている。
図2に示すように、リフト部26は、基礎フレーム12の前部の左右方向中央部に上下方向へ延びて設けられたリフト支柱114と、リフト支柱114の上端部114aから後方へ延びて設けられ、図1に示す支持体(スリングシート)110と共に被介護者Xの身体を吊り下げるための棒状のアーム部116と、アーム部116の傾斜角度を変えることによって被介護者Xを昇降させるための昇降機構118とを有している。
図7は、リフト支柱114の一部の構成を示す分解斜視図である。図7に示すように、リフト支柱114は、円形の断面を有する丸パイプ状に形成されている。図2に示すように、リフト支柱114の下端部114bは、手すり部44の上方を向いた面に溶接により固定されている。手すり部44の下方を向いた面には、丸パイプ状の入力部120がリフト支柱114の延長線上に配置されるように溶接により固定されている。また、リフト支柱114におけるハンドル部42と交差する部分は、ハンドル部42の後方に配置されており、この部分がハンドル部42の後方を向いた面に溶接により固定されている。
図2に示すように、本実施形態では、左側支柱34および右側支柱36のそれぞれの上端部が、前方へ傾けられており、これらの間に架け渡されたハンドル部42は、手すり部44よりも前方に配置されている。これにより、ハンドル部42の後方を向いた面に溶接されたリフト支柱114は、わずかに前方へ傾けられている。また、入力部120の下端面には、第1伸縮装置98を構成する伸縮ロッド104の上端面が突き当てられている。したがって、伸縮ロッド104の軸中心は、連結基礎部材32の左右方向中央部の上面とリフト支柱114の下端面との間に配置されていることになる。
図7に示すように、リフト支柱114は、ハンドル部42の上方において上下方向へ分割可能に構成されている。つまり、リフト部26の主要部は、取り外し可能に構成されている。リフト支柱114を分割する部分においては、リフト支柱114の下側部分122aと上側部分122bとが接続棒124を介して接続されている。接続棒124は、円形の断面を有する丸パイプ状に形成されており、接続棒124の外径は、リフト支柱114の内径よりもわずかに小さく定められている。そして、接続棒124の下部が下側部分122aに上方から挿し込まれており、接続棒124の上部が上側部分122bに下方から挿し込まれている。下側部分122aおよび上側部分122bのそれぞれの端面は、周方向に段差を有する互いに篏合可能な形状に形成されている。したがって、下側部分122aと上側部分122bとを突き合わせて繋いだとき、上側部分122bは下側部分122aに対して回動しない。
図2に示すように、アーム部116は、円形の断面を有する丸パイプ状の第1部分126と、第1部分126の後端部126aにT字状に接合された丸パイプ状の第2部分128とを有している。第2部分128は、水平方向へ延びるように設けられており、第1部分126は、第2部分128の長さ方向中央部に直角を成すように接合されている。
図1に示すように、第2部分128における長さ方向中央部よりも左側の部分には、板状の左側ベルト取付け部130が設けられており、左側ベルト取付け部130には、一対の吊りベルト112a,112cを支持するフック部材132が引っ掛けられる貫通孔130aが形成されている。第2部分128における長さ方向中央部よりも右側の部分には、板状の右側ベルト取付け部134が設けられており、右側ベルト取付け部134には、一対の吊りベルト112b,112dを支持するフック部材136が引っ掛けられる貫通孔134aが形成されている。
図2に示すように、昇降機構118は、アーム部116の前端部116aをリフト支柱114の上端部114aに回動可能に連結する回動連結部140と、第2伸縮装置142とを有している。第2伸縮装置142は、第2動力源から付与される動力で伸縮することによってアーム部116の傾斜角度(すなわち後端部116bの高さ)を変更できるように構成されている。本実施形態の第2伸縮装置142は、伸縮ロッド144を有する電動アクチュエータであり、第2動力源は、電動アクチュエータの駆動モータに電力を付与するバッテリー(図示省略)である。そして、第2伸縮装置142の一方端部142aが、リフト支柱114における回動連結部140から下方へ離間した部分に回動可能に取り付けられており、第2伸縮装置142の他方端部142bが、アーム部116における回動連結部140から後方へ離間した部分に取り付けられている。第2伸縮装置142を操作するためのスイッチ146は、リフト支柱114における介護者の手が届き易い高さの部分に取り付けられている。なお、スイッチ146は、リフト支柱114に対して固定的に取り付けられてもよいし、その位置を適宜変更できるように取り付けられてもよい。
(移乗補助椅子の使用方法)
続いて、移乗補助椅子10の使用方法について、ベッド82(図9)から座板部20(図2)に被介護者Xを移乗させる場合を例に挙げて説明する。この移乗介助において、介護者は、まず、被介護者Xをベッド82の側端部に座らせる。また、移乗補助椅子10の左側回動フレーム66および右側回動フレーム68を開いて第2状態(図8)にする。そして、移乗補助椅子10を被介護者Xに対して前方から近づけることによって、ベッド82の上方における被介護者Xの左右両側に左側座板片58および右側座板片62を配置する。
続いて、介護者は、図1に示す4本の吊りベルト112a~112dに接続された支持体(スリングシート)110を被介護者Xの身体に装着し、図2に示す第2伸縮装置142を操作してアーム部116の後端部116bを上昇させることによって、支持体(スリングシート)110と共に被介護者Xの身体を持ち上げる。被介護者Xの臀部とベッド82との間で隙間が生じると、介護者は、左側回動フレーム66および右側回動フレーム68を閉じて第1状態にし、ロック機構84(図5)の引掛け部88を被引掛け部86に引っ掛ける。その後、第2伸縮装置142を操作してアーム部116の後端部116bを降下させることによって、被介護者Xを座板部20に着座させる。
なお、介護の現場では、様々な介助が行われており、座板部20からベッド82(図9)への移乗介助、座板部20とトイレの便座や車椅子(図示省略)との間の移乗介助、リフト部26を使用しない移乗介助、リフト部26を使用して座板部20を使用しない介助にも移乗補助椅子10を使用することができる。
(移乗補助椅子の効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、左側回動フレーム66および右側回動フレーム68を第1状態にしたとき、被介護者Xを座板部20に着座させることができる。ベッド82や便座の上に座板部20を配置して、左側回動フレーム66および右側回動フレーム68を開いて第2状態にすると、左側座板片58と右側座板片62との間に空間を確保できるので、この空間を通して、ベッド82や便座と座板部20との間で被介護者Xを容易に移乗させることができる。このとき、被介護者Xの身体に支持体(スリングシート)110を装着して、支持体(スリングシート)110と共に被介護者Xの身体をリフト部26で引き上げるようにすると、介護者の負担を軽減できる。被介護者Xを引き上げる方向は、真上方向でよいので、リフト部26の構造を簡素化でき、製造コストを低く抑えることができる。
座板部20をベッド82の上に配置したときでも、基礎フレーム12の前部に設けられたハンドル部42をベッド82の外側に配置できるので、介護者は、ハンドル部42を手で握り易く、移乗補助椅子10を操作し易い。リフト支柱114は、基礎フレーム12の前部の左右方向中央部に上下方向へ延びて設けられており、アーム部116は、リフト支柱114の上端部114aから後方へ延びて設けられているので、移乗補助椅子10の全体の重心位置を平面視で移乗補助椅子10の中央部に定めることができ、移乗補助椅子10を安定させることができる。
リフト支柱114は、左側支柱34と右側支柱36との間に架け渡された棒状のハンドル部42および手すり部44に固定されているので、リフト支柱114をこれらの2点で安定して支持できる。また、第1伸縮装置98を用いた簡単な構造で高さ調整機構24を構成でき、第2伸縮装置142を用いた簡単な構造で昇降機構118を構成できる。さらに、リフト部26の荷重をリフト支柱114の真下に配置された第1伸縮装置98で受けることができるので、リフト部26の荷重を安定して受けることができ、当該荷重で左側支柱34、右側支柱36、ハンドル部42および手すり部44が歪むことを防止できる。
左側車輪取付け部14および右側車輪取付け部16ならびにこれらに取り付けられた車輪18c,18dによって、移乗補助椅子10の全体が前方へ傾くことを抑制できる。また、左側基礎部材28および右側基礎部材30をベッド82などの下方の空間Sに挿し入れたときでも、左側車輪取付け部14および右側車輪取付け部16は、当該空間Sの外側にあるので、これらに対して旋回性に優れた大型の車輪18c,18dを取り付けることができる。さらに、左側車輪取付け部14と右側車輪取付け部16との間の広い範囲に板状のフットレスト50を配置できるので、被介護者Xはフットレスト50に足を置き易い。
座板部20の下方に確保された空間Qにベッド82を後方から受け入れることができるので、介護者が座板部20をベッド82の上方に配置する際には、ハンドル部42を押して、移乗補助椅子10を後方へ移動させるだけでよく、作業性がよい。リフト部26を使用しないときには、リフト支柱114の上側部分122b、アーム部116および昇降機構118を簡単に取り外すことができるので、移乗補助椅子10の全体のサイズを小さくでき、操作性を高めることができる。
(変形例)
本発明の実施にあたっては、上記の実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、高さ調整機構24の第1伸縮装置98および昇降機構118の第2伸縮装置142として、バッテリーを動力源とする電動アクチュエータが用いられているが、これに代えて、油圧源を動力源とする油圧シリンダーや圧縮空気を動力源とするエアシリンダーなどが用いられてもよい。
座板部20の高さを調整するための高さ調整機構24は省略されてもよいし、第1伸縮装置98を有しない他の高さ調整機構に変更されてもよい。これらの場合には、リフト支柱114の下方に第1伸縮装置98を設ける必要がないので、リフト支柱114は、連結基礎部材32に固定されてもよい。また、リフト支柱114は、ハンドル部42、手すり部44および連結基礎部材32から選択される少なくとも1つに固定されてもよい。さらに、上記実施形態では、第1伸縮装置98の軸中心、すなわち伸縮ロッド104の軸中心が、リフト支柱114の真下に配置されているが、この軸中心は、リフト支柱114の真下からずれた位置に配置されてもよい。
また、上記実施形態では、リフト部26を構成する昇降機構118の方式として、支持体(スリングシート)110に接続されたベルト112a~112dをアーム部116で引き上げる方式が採用されているが、これに代えて、支持体(スリングシート)110に接続されたワイヤーを巻き取り装置で巻き取る方式が採用されてもよい。
さらに、上記実施形態では、支持体(スリングシート)110を4本のベルト112a~112dで吊り下げているが、支持体(スリングシート)110を吊り下げる方式は、これに限定されるものではなく、例えば、2本のベルトで吊り下げる方式が採用されてもよいし、4本のベルト112a~112dに加えて、被介護者Xの頭部などを支持するためのベルトで吊り下げる方式が採用されてもよい。さらに、上記実施形態では、一対のベルト112a,112cおよび他の一対のベルト112b,112dのそれぞれが、連続して形成されているが、これらは、独立して形成されてもよい。
10…移乗補助椅子、12…基礎フレーム12、18a~18d…車輪、20…座板部、22…座板支持フレーム、24…高さ調整機構、26…リフト部、28…左側基礎部材、30…右側基礎部材、32…連結基礎部材、34…左側支柱、36…右側支柱、42…ハンドル部、66…左側回動フレーム、68…右側回動フレーム、114…リフト支柱、116…アーム部、118…昇降機構。

Claims (9)

  1. 床面に置かれる基礎フレームと、
    前記基礎フレームを前記床面で移動させるための複数の車輪と、
    被介護者が着座する板状の座板部と、
    前記座板部を支持する座板支持フレームと、
    被介護者の身体を持ち上げるためのリフト部とを備え、
    前記座板部に着座した被介護者から見た前後左右の方向を基準としたとき、
    前記基礎フレームは、前記床面に沿って前後方向へ延びるように、互いに左右方向へ間隔を隔てて設けられた棒状の左側基礎部材および右側基礎部材と、前記左側基礎部材の前端部に上下方向へ延びるように設けられた左側支柱と、前記右側基礎部材の前端部に上下方向へ延びるように設けられた右側支柱と、前記左側支柱と前記右側支柱との間に架け渡され、介護者の手で握られるように構成された棒状のハンドル部と、前記ハンドル部から下方へ離間して前記左側支柱と前記右側支柱との間に架け渡され、前記座板部に着座した被介護者の手で握られるように構成された棒状の手すり部とを有し、
    前記座板支持フレームは、前記左側基礎部材と前記右側基礎部材との間に確保された空間の上方で互いに近接する第1状態と、前記第1状態から左右方向へ開いて互いに離間する第2状態とを選択的に取り得るように、前記左側支柱および前記右側支柱のそれぞれに回動可能に取り付けられた左側回動フレームおよび右側回動フレームを有し、
    前記座板部は、左側回動フレームに取り付けられ、前記第1状態において前記座板部の左側部分を構成する左側座板片と、右側回動フレームに取り付けられ、前記第1状態において前記座板部の右側部分を構成する右側座板片とを有し、
    前記リフト部は、前記基礎フレームの前部の左右方向中央部に上下方向へ延びて設けられたリフト支柱と、前記座板部に着座した被介護者の上方において前記リフト支柱の上端部から後方へ延びて設けられ、被介護者の身体を真上から吊り下げるための棒状のアーム部と、前記アーム部で吊り下げられた被介護者の身体を真上方向へ引き上げるように構成された昇降機構とを有する、移乗補助椅子。
  2. 前記リフト支柱は、前記ハンドル部および前記手すり部の両方に固定される、請求項1に記載の移乗補助椅子。
  3. 前記左側支柱および前記右側支柱のそれぞれの下端部に設けられ、前記左側支柱および前記右側支柱を上下方向へ移動させるための左側可動部および右側可動部と、第1動力源から付与された動力で伸縮することによって前記左側支柱および前記右側支柱を上下方向へ移動させるように構成された第1伸縮装置とを有する高さ調整機構を備える、請求項1または2に記載の移乗補助椅子。
  4. 前記基礎フレームは、前記左側基礎部材の前端部と前記右側基礎部材の前端部とを連結する棒状の連結基礎部材を有し、
    前記第1伸縮装置は、その軸中心が前記連結基礎部材の左右方向中央部の上面と前記リフト支柱の下端面との間に配置されるように構成され、
    前記第1伸縮装置が伸長されたとき、前記第1伸縮装置から前記リフト支柱に対して上方向の力が入力される、請求項に記載の移乗補助椅子。
  5. 前記昇降機構は、前記アーム部の前端部を前記リフト支柱の上端部に回動可能に連結する回動連結部と、一方端部が前記リフト支柱における前記回動連結部から下方へ離間した部分に取り付けられるとともに、他方端部が前記アーム部における前記回動連結部から後方へ離間した部分に取り付けられ、第2動力源から付与された動力で伸縮することによって前記アーム部の傾斜角度を変更できるように構成された第2伸縮装置とを有する、請求項1ないしのいずれか1項に記載の移乗補助椅子。
  6. 前記左側基礎部材および前記右側基礎部材のそれぞれから前方へ突出するように設けられた左側車輪取付け部および右側車輪取付け部を備え、
    前記左側車輪取付け部および前記右側車輪取付け部のそれぞれに前記車輪が取り付けられる、請求項1ないしのいずれか1項に記載の移乗補助椅子。
  7. 前記左側車輪取付け部と前記右側車輪取付け部との間には、被介護者の足を置くための板状のフットレストが架け渡される、請求項に記載の移乗補助椅子。
  8. 前記座板部の下方に確保された空間は、被介護者が使用するベッドを後方から受け入れることができるように後方へ向けて開放される、請求項1ないしのいずれか1項に記載の移乗補助椅子。
  9. 前記リフト支柱は、前記ハンドル部の上方において上下方向へ分割可能に構成される、請求項1ないしのいずれか1項に記載の移乗補助椅子。
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