JP7093175B2 - 火災警報器 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅等の警戒区域の火災を検出して火災警報を出力する火災警報器に関する。
従来、住宅等における火災を検知して警報する火災警報器が普及している。このような火災警報器にあっては、電池電源で動作し、住警器内に火災を検出するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備え、センサ部の検出信号に基づき火災を検知すると警報部から火災警報音を出力するようにしており、所謂自動火災報知設備のように受信機等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報報知ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
また、複数の火災警報器間で相互に無線通信を行うことによって、任意の火災警報器で火災警報音が出力されると、他の火災警報器でも連動して火災警報音を出力させる無線連動型の火災警報器を用いた警報システムも実用化され、普及している。
また、火災報知設備の設置義務のない、床面積が300平米未満の特定小規模施設、例えば高齢者や知的障害者の家事支援などを行うグループホーム等に対して、特定小規模施設用自動火災報知設備が導入されている。特定小規模施設用自動火災報知設備は、火災を検出するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備える感知器によって構成され、感知器同士が無線連動することでいずれの感知器で火災を検出した際に施設内の感知器全てが発報して施設全体に火災を報知させるものである。
このような無線連動型の警報システムでは、火災警報器で火災を検出した場合、当該火災を検出した連動元の火災警報器は、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点灯し、一方、連動先の警報器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点滅するようにしている。
特開2011-053751号公報 特開平10-222775号公報
ところで、このような火災警報器にあっては、火災警報器の製造段階で所定の検出感度を設定している。例えば、煙濃度により火災を検出する場合には、火災報知設備に設置されている煙感知器の感度として、2.5~7.5%の煙濃度を検出する1種感度、5~15%/mの煙濃度を検出する2種感度、7.5~20.5%の煙濃度を検出する3種感度が定められていることから、住宅用の火災警報器にあっては、例えば煙感知器の2種感度に相当する10%/mを感度閾値に設定し、検煙部により検出された煙濃度が感度閾値10%/m以上となった場合に火災と判定して火災警報を出力させるようにしている。
しかしながら、住宅用の火災警報器は、その設置が義務付けられたことから、全国の様々な地域の住宅に設置されており、火災警報器が設置されている室内の環境も様々であり、このため火災警報器の設置場所における火災の危険度も一律ということはできないが、従来の火災警報器にあっては、設置場所における環境要因を考慮することなく所定の検出感度を設定しており、その結果、設置場所によって、火災が発生してから警報するまでの動作性能が異なることが予想され、火災警報器の動作性能に所謂地域格差を生じるという問題がある。
本発明は、設置場所の相違による動作性能への影響を低減した火災監視により地域格差の解消を可能とする火災警報器を提供することを目的とする。
(火災警報器)
本発明は、火災を検出して火災警報を出力する火災警報器であって
火災に伴う煙濃度又は温度を検出する火災センサと、
火災センサにより検出された煙濃度又は温度から予め設定された所定の感度により火災を検出する火災検出部と、
設置場所の環境状態を検出する環境検出部と、
環境検出部による環境状態の検出結果に基づいて所定の感度を変更する環境設定部と、
を備え、
環境検出部は、所定の設定操作に応じて設置場所の建造物に関する環境状態を検出することを特徴とする。
(環境センサ)
環境検出部は設置場所の環境状態を検出する環境センサである。
(温度センサ、湿度センサ)
環境センサは、
設置場所の温度を検出する温度センサ及び又は設置場所の湿度を検出する湿度センサであり、
環境設定部は、火災の危険性の高い所定の状態を判定した場合は所定の感度を高くし、火災の危険性の低い所定の状態を判定した場合は所定の感度を低くする。
(住宅密集地と住宅過疎地の感度設定)
環境検出部は、所定の操作に応じて設置場所の地域が住宅密集地か住宅過疎地かの何れかを検出し、
環境設定部は、住宅密集地の場合は所定の感度より高い所定の検出感度を初期設定し、住宅過疎地の場合は所定の感度より低い所定の感度を初期設定する。
(木造建物とコンクリート建物の感度設定)
環境検出部は、所定の設定操作に応じて設置場所の建物構造が木造建物かコンクリート建物のいずれかを検出し、
環境設定部は、木造建物の場合は所定の感度より高い所定の感度を初期設定し、コンクリート建物の場合は所定の感度より低い所定の感度を初期設定する。
(検出感度と火災判定閾値)
環境設定部は、所定の感度をそれより高い所定の感度に変更する場合は、火災を判定する所定の閾値をそれより小さい所定の閾値に変更し、所定の感度をそれより低い所定の感度に変更する場合は、火災を判定する所定の閾値をそれより大きい所定の閾値に変更する。
(検出感度と蓄積時間)
火災を判定する判定時間が所定時間継続することによって火災判定を行う火災警報器であって、
環境設定部は、所定の感度をそれより高い所定の感度に変更する場合は、火災を判定する判定時間をそれより小さい判定時間に変更し、所定の感度をそれより低い所定の感度に変更する場合は、火災を判定する判定時間をそれより大きい判定時間に変更する。
(感度設定テーブル)
環境設定部は、環境状態の検出値と感度との対応関係を示す感度設定テーブルを予め登録し、環境センサの検出値に対応した感度を感度設定テーブルから取得して設定変更する。
(環境センサ)
環境センサは前記火災警報器と一体に設けられるか、又は火災警報器から分離して設けられて環境状態の検出値を火災警報器に無線送信する。
(初期設定した感度の環境状態に応じて増減する設定変更)
火災警報器は更に環境検出部として設置場所の環境状態を検出する環境センサを備え、環境設定部は、環境センサの検出値に応じて、初期設定した所定の感度を増加又は減少させることにより設定変更する。
(基本的な効果)
本発明は、火災を検出して火災警報を出力する火災警報器に於いて、火災に伴う煙濃度又は温度を検出する火災センサと、火災センサにより検出された煙濃度又は温度から予め設定された所定の感度により火災を検出する火災検出部と、所定の設定操作に応じて設置場所の建造物に関する環境状態を検出する環境検出部と、環境検出部による環境状態の検出結果に基づいて所定の感度を変更する環境設定部とが設けられたため、工場出荷段階で所定の感度を設定していても、火災警報器を住宅に設置して火災監視を行っている間に設置場所の環境に適合した感度に自動的に変更され、設置場所の相違による動作性能への影響が低減され、設置場所に起因した火災監視により地域格差を解消した火災監視を可能とする。
(環境センサによる効果)
また、環境検出部は設置場所の環境状態を検出する環境センサであり、例えば、環境センサは、設置場所の温度を検出する温度センサ及び又は設置場所の湿度を検出する湿度センサであり、環境設定部は、火災の危険性の高い所定の状態を判定した場合は所定の感度を高くし、火災の危険性の低い所定の状態を判定した場合は所定の感度を低くするようにしたため、火災の危険度が高い場合は高い感度に変更され、一方、火災の危険度が低い場合は低い感度に変更され、設置場所の環境に適合した感度に自動的に変更することができる。
例えば温度が高い状態では火災の危険度が高いことから高い感度に変更し、一方、温度が低い状態では火災の危険度が少ないことから低い感度に変更し、設置場所の温度の相違による動作性能への影響を低減可能とする。
また、湿度が高い状態では火災の危険度が低いことから高い感度に変更し、一方、湿度が低い状態では乾燥により火災の危険度が高いことから高い感度に変更し、設置場所の温度の相違による動作性能への影響を低減可能とする。
更に、高温多湿の場合は火災の危険度が低いことから低い感度に変更し、低温低湿の場合は冬場の乾燥時期のように火災の危険度が高いことから高い感度に変更し、設置場所の温度と湿度の相違による動作性能への影響を低減可能とする。
(住宅密集地と住宅過疎地による感度設定の効果)
また、環境検出部は、所定の操作に応じて設置場所の地域が住宅密集地か住宅過疎地かの何れかを検出し、環境設定部は、住宅密集地の場合は所定の感度より高い所定の感度を初期設定し、住宅過疎地の場合は所定の感度より低い所定の感度を初期設定するようにしたため、住宅密集地と住宅過疎地では火災に対する危険度が異なることから、このような地域環境に対応して適切な感度が初期設定され、設置場所が住宅密集地か住宅過疎地かの相違による動作性能への影響が低減され、地域格差を解消した火災監視を可能とする。
(木造建物とコンクリート建物による感度初期設定の効果)
また、環境検出部は、所定の設定操作に応じて設置場所の建物構造が木造建物かコンクリート建物のいずれかを検出し、環境設定部は、木造建物の場合は所定の感度より高い所定の感度を初期設定し、コンクリート建物の場合は所定の感度より低い所定の感度を初期設定するようにしたため、木造建物とコンクリート建物では火災に対する危険度が異なることから、このような建物構造に対応して適切な感度が初期設定され、木造建物かコンクリート建物かの相違による動作性能への影響が低減され、建物による格差を解消した火災監視を可能とする。
(検出感度と蓄積時間による効果)
また、火災を判定する判定時間が所定時間継続することによって火災判定を行う火災警報器であって、環境設定部は、所定の感度をそれより高い所定の感度に変更する場合は、火災を判定する判定時間をそれより小さい判定時間に変更し、所定の感度をそれより低い所定の感度に変更する場合は、火災を判定する判定時間をそれより大きい判定時間に変更するようにしたため、火災を判定する判定時間である蓄積時間を短くすることで感度を高くし、蓄積時間を長くすることで感度を低くすることができる。
(感度設定テーブルによる効果)
環境設定部は、環境状態の検出値と感度との対応関係を示す感度設定テーブルを予め登録し、環境センサの検出値に対応した感度を感度設定テーブルから取得して設定変更するようにしたため、環境状態の検出値により予め設定した感度を簡単に取得して変更することができる。
(環境センサの配置による効果)
また、環境センサは火災警報器と一体に設けられるか、又は火災警報器から分離して設けられて環境状態の検出値を火災警報器に無線送信するようにしたため、環境センサを火災警報器に一体化した場合は、その設置が簡単となり、環境センサを分離配置した場合は、設置場所の火災の危険度の高い場所等に環境センサを自由に設置して環境状態を検出できる。
(初期設定した感度の環境状態に応じて増減する設定変更の効果)
また、火災警報器は更に環境検出部として設置場所の環境状態を検出する環境センサを備え、環境設定部は、環境センサの検出値に応じて、初期設定した所定の感度を増加又は減少させることにより設定変更するようにしたため、地域及び又は建物に応じて初期設定された感度が、使用中に環境センサで検出された温度及び又は湿度に応じて増加又は減少されることで、地域及び建物による格差の解消に加え、設置場所の環境の相違による格差を解消した火災監視を可能とする。
住宅に設置した本発明の火災警報器を用いた警報システムの概略を示した説明図 火災警報器の外観を示したブロック図 環境温度に応じて感度を変更する火災警報器の第1実施形態を示したブロック図 温度による感度設定テーブルの一例を示した説明図 図3の火災警報器による制御動作を示したフローチャート 環境湿度に応じて感度を変更する火災警報器の第2実施形態を示したブロック図 湿度による感度設定テーブルの一例を示した説明図 環境温度と環境湿度に応じて感度を変更する火災警報器の第3実施形態を示したブロック図 温度と湿度による感度設定テーブルの一例を示した説明図 設置環境と建物構造に応じて初期感度を設定する火災警報器の第4実施形態を示したブロック図 図10の実施形態で用いる初期感度設定テーブルと感度変更テーブルを示した説明図 図10の火災警報器による制御動作を示したフローチャート
[警報システムの概要]
図1は住宅に設置された本発明の火災警報器を用いた警報システムの概略を示した説明図である。図1に示すように、住宅12の台所、居間、子供部屋1、子供部屋2、主寝室のそれぞれには、火災を検出して警報する無線連動型の火災警報器10-1~10-5が設置されている。
火災警報器10-1~10-5は、火災等の連動信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅全体の火災監視を行っている。また。火災警報器10-1~10-5は、同じチャンネル周波数を使用することにより連動グループを形成している。本実施形態で連動グループを形成する火災警報器の最大数は例えば15台となる。また、以下の説明で火災警報器10-1~10-5を区別する必要がない場合は、火災警報器10という場合がある。
火災警報器10は、火災センサにより煙濃度又は温度を検出しており、煙濃度又は温度が予め設定された所定の感度に対応した閾値(以下「感度閾値」という)以上となった場合に火災を検出して連動元を示す火災警報を出力し、更に、火災連動信号を他の火災警報器へ送信する。
また、火災警報器10には、設置場所の環境状態を検出する環境センサが設けられており、環境センサによる室内の環境状態の検出値に基づいて感度を変更する機能を備えている。
いま、住宅12の子供部屋1で火災が発生したとすると、火災警報器10-3が火災を検出し、警報音と警報表示により連動元を示す火災警報を出力する。この場合、連動元を示す火災警報は、例えば「ウー ウー 火事です 火事です」とする音声メッセージを出力すると共に動作表示灯を点灯させる。
また火災を検出した火災警報器10-3は他の火災警報器10-1、10-2,10-4,10-5に対し、火災発生を示す火災連動信号を無線により送信する。他の火災警報器10-1、10-2,10-4,10-5は連動元の火災警報器10-3からの火災連動信号を受信した場合に、警報音と警報表示により連動先を示す火災警報を出力する。この場合の連動先を示す火災警報は、例えば「ウー ウー 火事です 火事です 別の警報器が作動しました」とする音声メッセージを出力すると共に動作表示灯を点滅させる。
火災警報器10-3は火災警報の出力中に警報停止操作を行うと、自身の警報を停止すると共に警報停止連動信号を他の火災警報器に送信して警報停止動作を行わせる。また、火災を検出した火災警報器10-3で火災復旧が検出されると、自身の警報を停止すると共に火災復旧連動信号を他の火災警報器に送信して警報停止動作を行わせる。
また火災警報器10-1~10-5は、障害としてセンサ部又は回路の故障、電池切れ、又は通信エラーを検出した場合に、障害元を示す障害警報を周期的に出力すると共に障害連動信号を他の火災警報器に送信して非障害元を示す障害警報を周期的に出力させる。
図2は火災警報器の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面図を示し、図2(B)に側面図を示している。
図2に示すように、火災警報器10は本体18とカバー20で構成され、カバー20の中央には煙流入口を開口し、内部には火災センサとして機能する検煙部28が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出する。また、本体18の内部には、設置場所となる室内の環境状態を検出する環境センサが配置されている。
カバー20の左下側には音響孔26が設けられ、この背後にスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。
検煙部28の下側にはテストスイッチ22が設けられている。テストスイッチ22は火災警報器の警報停止を指示する機能を兼ねており、火災警報時にテストスイッチ22が操作されると警報を停止し、通常状態でテストスイッチ22が操作されると機能点検を開始して結果を報知する。
テストスイッチ22の内部には、点線で示すように警報表示を行うLEDを用いた動作表示灯24が配置され、テストスイッチ22を介して内部の動作表示灯24の点灯、点滅等を視認可能としている。
[火災警報器の第1実施形態]
図3は環境温度に応じて感度を変更する火災警報器の第1実施形態を示したブロック図である。
(機能構成の概要)
図3に示すように、火災警報器10は制御プロセッサ30を備え、制御プロセッサ30に対しては火災センサとして機能する検煙部28、テストスイッチ22、動作表示灯24、スピーカ36、アンテナ34を接続した通信部32、及び環境センサとして機能する温度センサ48が設けられ、図示しない電池電源で動作し、10年を超える電池寿命が保証されている。
制御プロセッサ30には、CPU38が設けられ、CPU38からのバス46に、制御ロジック40、ROM42、RAM44が接続されている。なお、制御ロジック40はCPU38の制御処理に伴うバス制御などの各種のハードウェア機能を実現する。
検煙部28は、公知の散乱光式検煙構造をもち、所定周期で赤外LEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、フォトダイオードなどの受光部で受光した散乱光の受光信号を増幅し、煙濃度検出信号を出力する。
なお、火災センサとして検煙部28に代えて温度検出部を設ける場合もあり、温度検出部は、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧信号となる温度検出信号を出力する。火災センサとして温度検出部を設けた場合には、温度検出部により置場所の環境温度を検出する温度センサ48を兼ねることができ、この場合、温度センサ48を除くことができる。
通信部32は、他の火災警報器との間で所定の通信プロトコルに従って火災等の連動信号を送受信する。この通信プロトコルは、日本国内の場合には、例えば426MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD-30(特定小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)に準拠する。
426MHz帯の特定小電力セキュリティシステム無線局設備では、426.2500MHz~426.8375MHzの間に12.5kHzの周波数帯域幅を持つ48チャンネルが割り当てられており、何れかのチャンネル周波数を複数の火災警報器で構成する連動グループに割り当てて使用する。
通信部32は制御プロセッサ30から出力された火災連動信号等のデータ信号をMSK変調した後にFM変調してアンテナ34から426MHz帯の割当チャンネル周波数の信号電波として送信し、また、他の火災警報器が送信した信号電波を受信し、FM復調した後に、FSK復調を行い、更にビット判定を行って火災連動信号等のデータ信号を復調する。
(火災監視制御)
CPU38にはプログラムの実行により実現される火災制御部50の機能が設けられる。火災制御部50は、検煙部28から出力された煙濃度の検出信号をAD変換して読み込み、煙濃度がそのとき設定している感度に対応した所定の感度閾値以上の場合に火災を検出し、連動元の火災を示す火災警報を出力させる制御を行う。
火災制御部50は、火災警報を出力させた場合、火災連動信号を生成し、通信部32に指示し、他の住戸の火災警報器へ火災連動信号を送信させる制御を行い、当該火災連動信号を受信した他の住戸の火災警報器で連動先を示す火災警報を出力させる。
また、火災制御部50は、同じ連動グループとなる住戸内の他の火災警報器が送信した火災連動信号を受信した場合、連動先を示す火災を出力させる制御を行う。
また、火災制御部50は、テストスイッチ22の操作による警報停止制御、検煙部28の煙濃度が閾値以下に下がる火災復旧制御についても、火災連動信号の場合と同様に、警報停止連動信号及び火災復旧連動信号の送信を行う。
また、火災制御部50は、火災センサとして機能する検煙部28及び回路の故障を監視しており、故障を検出すると、故障の障害元を示す障害警報を周期的に出力すると共に通信部32に指示し、故障を示す障害連動信号を他の火災警報器に送信し、非障害元を示す故障の障害警報を周期的に出力させる制御を行う。
また、火災制御部50は、電池電圧の低下による電池切れを監視しており、電池切れを検出すると、電池切れの障害元を示す障害警報を周期的に出力すると共に通信部32に指示し、電池切れを示す障害連動信号を他の火災警報器に送信し、非障害元を示す電池切れの障害警報を周期的に出力させる制御を行う。
更に、火災制御部50は、自動通信テストを行う。自動通信テストは、所定の火災警報器から24時間に1回、通信テスト信号を送信して他の火災警報器から通信テスト応答信号を送信させ、連続して3回、通信テスト応答信号が受信されない火災警報器が存在した場合に通信テスト異常と判断し、通信テスト異常警報を正常に通信できた全ての火災警報器から出力させる。このため通信テストは実質的には72時間に1回行われることに相当する。
(感度設定制御)
CPU38にはプログラムの実行により実現される環境設定部52の機能が設けられる。環境設定部52は、環境センサとして機能する温度センサ48で検出された室内の環境温度に基づいて、火災の危険性の高い所定の温度状態を判定した場合は、現在の感度をそれより高い所定の感度に変更し、一方、火災の危険性の低い所定の温度状態を判定した場合は現在の感度をそれより低い所定の感度に変更する制御を行う。
環境設定部52による感度の変更は、具体的には煙濃度から火災を判定するための煙濃度の感度閾値を変更する。火災警報器10には、例えば煙感知器の2種感度に相当する煙濃度の感度閾値10%/mが初期設定されていることから、環境設定部52は、現在の感度をそれより高い感度に変更する場合は、現在の煙濃度の感度閾値10%/mをそれより小さい例えば感度閾値9%/mに変更し、また、現在の感度をそれより低い感度に変更する場合は、現在の煙濃度の感度閾値10%/mをそれより大きい例えば感度閾値11%/mに変更することになる。即ち、感度を高くするということは煙濃度の感度閾値を小さくすることを意味し、感度を低くすることは煙濃度の感度閾値を大きくすることを意味する。
環境設定部52による環境温度に対応した感度変更の制御は、本実施形態にあっては、RAM44に予め記憶された感度設定テーブル54を用いて行われる。
図4は温度による感度設定テーブルの一例を示した説明図である。図4に示すように、温度による感度設定テーブル54には、温度状態が10℃未満、10~30℃、及び、30℃超えの3状態に分けられ、各温度状態における火災の危険度に応じて感度に対応した感度閾値が記憶されている。
ここで、温度状態が10℃未満では、冬場等の暖房器具の使用が想定されることか火災の危険度が高いとして感度閾値9%/mにより高い感度を設定し、温度状態が10~30℃、及び、30℃超えとなる程、火災の危険度が低くなるものとして、感度閾値10%/mと11%/mにより感度を順番に下げる設定としている。なお、図4の温度による感度設定テーブル54は一例であり、必要に応じて、異なる温度状態の分割と感度閾値の設定を行うことを妨げるものではない。
(警報器制御)
図5は図3の火災警報器による制御動作を示したフローチャートであり、制御プロセッサ30に設けられたCPU38による制御となる。
図5に示すように、図4に示した火災警報器10の電池シール等を外して電池電源をオンすると、CPU38が起動してステップS1で所定の初期化処理を行う。
続いて、CPU38はステップS2で温度センサ48による環境温度の検出値を読み込む。この環境温度の検出値の読み込みは、例えば5分といった所定時間の間行われ、所定時間の間に読み込んだ温度検出値の平均値を環境温度として求める。
続いて、CPU38はステップS3に進み、ステップS2で求めた環境温度により図4に示した感度設定テーブル54を参照し、通常、室内温度は年間を通じて10~30℃の範囲あることから、感度閾値10%/mを取得して初期設定し、これにより火災警報器10の感度は、煙感知器の2種感度に相当する感度に初期設定される。
続いて、CPU38はステップS4に進んで火災監視制御を行う。ステップS4のCPU38による火災監視制御は、前述した図3の火災制御部50の制御内容となる。
続いて、CPU38はステップS5に進み、例えば3時間に1回又は6時間に1回といった感度変更タイミングを判別するとステップS6に進み、前回の感度変更の終了から記憶している環境温度を読み出して平均値を算出し、ステップS7で環境温度の平均値により図4に示した感度設定テーブル54を参照して感度閾値を読み出し、例えば、環境温度の平均値か10℃未満であれば、現在の感度閾値10%/mを感度設定テーブル54から読み出した感度閾値9%/mに設定変更して感度を高くする。
このような火災警報器10の感度変更制御により、例えば温度が低い状態では暖房機器の使用等により火災の危険度が高いことから高い感度に変更され、一方、温度が高い状態では火災の危険度が低いことから低い感度に変更され、設置場所の温度の相違による動作性能への影響を低減可能とする。
[火災警報器の第2実施形態]
図6は環境湿度に応じて感度を変更する火災警報器の第2実施形態を示したブロック図、図7はと湿度による感度設定テーブルの一例を示した説明図である。
(機能構成の概要)
図6に示すように、本実施形態の火災警報器10は制御プロセッサ30を備え、制御プロセッサ30に対しては検煙部28、テストスイッチ22、動作表示灯24、スピーカ36、アンテナ34を接続した通信部32が設けられた点は、図3の第1実施形態と同じであるが、環境センサとして機能する湿度センサ60が設けられた点が相違する。
また、CPU38には図3の実施形態と同じ火災制御部50の機能が設けられ、更に、湿度センサ60により検出される室内の環境湿度に基づいて感度を変更する環境設定部62が設けられる。
(感度変更制御)
環境設定部62は、環境センサとして機能する湿度センサ60で検出された室内の環境湿度に基づいて、火災の危険性の高い所定の湿度状態を判定した場合は、現在の感度をそれより高い所定の感度に変更し、火災の危険性の低い所定の湿度状態を判定した場合は現在の感度をそれより低い所定の感度に変更する制御を行う。
環境設定部62による環境湿度に対応した感度変更の制御は、本実施形態にあっては、RAM44に予め記憶された感度設定テーブル64を用いて行われる。
図7に示すように、湿度による感度設定テーブル64には、湿度状態が30%未満、30~70%、及び、70%超えの3状態に分けられ、各湿度状態における火災の危険度に応じて感度に対応した感度閾値が記憶されている。
ここで、湿度状態が30%未満では、室内の乾燥により火災の危険度が高いとして感度閾値9%/mとなる高い感度が設定され、湿度状態が30~70%、及び、70%超えとなる程、火災の危険度が低くなるものとして、感度閾値10%/mと11%/mにより感度を順番に下げた設定としている。
なお、図7の湿度による感度設定テーブル64は一例であり、必要に応じで、異なる温度状態の分割と感度閾値の設定を行うことを妨げるものではない。例えば、湿度が高くなると、コンセントに差し込んでいるプラグに溜まっているホコリに水分が吸着して漏電することによりトラッキング現象による火災に繋がることから、この場合は火災の危険度は高いのとして感度閾値5%/mを設定するようにしても良い。
CPU38による警報器制御は、図5のフローチャートにおける温度を湿度に読み替えることで、図5のフローチャートによる前述した制御動作と基本的に同じとなる。
このような火災警報器10の環境湿度に応じた感度変更制御により、例えば湿度が低い状態では火災の危険度が高いことから高い感度に変更され、一方、湿度が高い状態では火災の危険度が低いことから低い感度に変更され、設置場所の湿度の相違による動作性能への影響を低減可能とする。
[火災警報器の第3実施形態]
図8は温度と湿度に応じて感度を変更する火災警報器の第3実施形態を示したブロック図、図9は温度と湿度による感度設定テーブルの一例を示した説明図である。
(機能構成の概要)
図8に示すように、本実施形態の火災警報器10は制御プロセッサ30を備え、制御プロセッサ30に対しては検煙部28、テストスイッチ22、動作表示灯24、スピーカ36、アンテナ34を接続した通信部32が設けられた点は、図3の第1実施形態と同じになるが、環境センサとして機能する温度センサ48と湿度センサ60が設けられた点が相違する。
また、CPU38には図3の実施形態と同じ火災制御部50の機能が設けられ、更に、温度センサ48と湿度センサ60により検出される室内の環境温度と環境湿度に基づいて感度を変更する環境設定部72が設けられる。
(感度変更制御)
環境設定部72は、環境センサとして機能する温度センサ48と湿度センサ60で検出された室内の環境温度と環境湿度に基づいて、火災の危険性の高い所定の温度状態と湿度状態を判定した場合は、現在の感度をそれより高い所定の感度に変更し、火災の危険性の低い所定の温度状態と湿度状態を判定した場合は現在の感度をそれより低い所定の感度に変更する制御を行う。
環境設定部72による環境湿度に対応した感度変更の制御は、本実施形態にあっては、RAM44に予め記憶された感度設定テーブル74を用いて行われる。
図9は温度と湿度による感度設定テーブルの一例を示した説明図であり、感度設定テーブルの生成手順を併せて示している。
図9(A)は、図4に示した温度の感度設定テーブル54と図7に示した湿度の感度設定テーブル64に基づき、縦欄を温度状態とし、横欄を湿度状態とした2元テーブルを構成し、両者の感度閾値をA=11%/m、B=10%/m、C=9%/mとし、縦横の組み合わせとなるAA~CCで示している。
図9(B)は図8のRAM44に記憶された温度・湿度の感度設定テーブル74の一例であり、図9(A)のAA~CCにつき、(A+A)/2~(C+C)/2とした感度閾値11%/m~9%/mを配置している。
更に、図9(C)は、感度を高い順に感度閾値をK1~K5とし、K1=9.0%/m~K5=11.0%/mとして、図9(B)を感度閾値K1~K5で表し、温度と湿度の2元テーブルにおける感度の分布状態を示している。この感度閾値K1~K5の分布から、図9(B)に示す温度・湿度の感度設定テーブル74は、高温多湿となるほど高い感度(小さい感度閾値)が設定され、低温低湿となるほど低い感度(大きい感度閾値)が設定されることが分かる。
なお、図9の湿度による感度設定テーブル74は一例であり、必要に応じで、異なる温度状態と湿度状態の分割と感度閾値の設定を行うことを妨げるものではない
CPU38による警報器制御は、図5のフローチャートにおける温度を、温度と湿度に読み替えることで、図5のフローチャートによる前述した制御動作と基本的に同じとなる。
このような火災警報器10の環境湿度と環境湿度に応じた感度変更制御により、例えば低温低湿の状態では火災の危険度が高いことから高い感度に変更され、一方、高温多湿の状態では火災の危険度が低いことから低い感度に変更され、設置場所の温度と湿度の相違による動作性能への影響を低減可能とする。
[火災警報器の第4実施形態]
図10は設置環境と建物構造に応じて初期感度を設定する火災警報器の第4実施形態を示したブロック図、図11は図10の実施形態で用いる初期感度設定テーブルと感度変更テーブルを示した説明図である。
本実施形態の火災警報器10は、設置場所の地域環境に基づいて所定の感度を初期設定することを特徴とし、初期設定された感度は、使用中に環境センサにより検出される環境温度と環境湿度により設定変更される。
(機能構成の概要)
図10に示すように、本実施形態の火災警報器10は制御プロセッサ30を備え、制御プロセッサ30に対しては検煙部28、テストスイッチ22、動作表示灯24、スピーカ36、アンテナ34を接続した通信部32、及び環境センサとして機能する温度センサ48と湿度センサ60が設けられた点は、図8の第3実施形態と同じになるが、新たに地域選択スイッチ80と建物選択スイッチ82が設けられた点が相違する。なお、地域選択スイッチ80と建物選択スイッチ82は環境検出部として機能する。
また、CPU38には図8の実施形態と同じ火災制御部50の機能が設けられ、更に、環境設定部84と初期感度設定部86の機能が設けられている。
(初期感度設定)
初期感度設定部86は、火災警報器10を設置して使用を開始するときに、設置場所の地域を住宅密集地と住宅過疎地に分け、地域選択スイッチ80の選択操作により住宅密集地が選択された場合は火災の危険度が高いことから所定の感度より高い感度を初期設定し、一方、住宅過疎地が選択された場合は火災の危険度が低いことから所定の感度より低い感度を初期設定する制御を行う。
また、初期感度設定部86は、火災警報器10の設置場所の建物構造を木造建物とコンクリート建物に分け、建物選択スイッチ82の操作により木造建物が選択された場合は火災の危険度が高いことから所定の感度より高い感度を初期設定し、一方、コンクリート建物が選択された場合は火災の危険度が低いことから所定の感度より低い感度を初期設定する制御を行う。
本実施形態では、初期感度設定部86は、地域選択スイッチ80と建物選択スイッチ82の操作により、住宅密集地か住宅過疎地かの選択と、木造建物かコンクリート建物かの選択を組み合わせて初期感度を設定する制御を行うようにしている。
この場合、初期感度設定部86は、住宅密集地と木造住宅組み合わせ又は住宅過疎地と木造建物の組み合わせが選択された場合は、共に火災の危険度が高いことから、所定の感度より高い感度を初期設定する制御を行う。
また、初期感度設定部86は、住宅密集地とコンクリート住宅の組み合わせ、又は、住宅過疎地とコンクリート建物の組み合わせが選択された場合は、共に火災の危険度が低いことから、所定の感度より低い感度を初期設定する制御を行う。
このような初期感度設定部86による設置場所の地域環境に応じた感度の初期設定は、RAM44に記憶された初期感度設定テーブル88に基づいて行われる。
(初期感度設定テーブル)
図11(A)は地域の初期感度設定テーブル76の一例であり、火災警報器10の設置場所を住宅密集地と住宅過疎地に分け、住宅密集地は火災の危険度が高いことから感度閾値9%/mとして高めの初期感度を格納し、住宅過疎地は火災の危険度が低いことから感度閾値11%/mとして低めの初期感度を設定している。
また、図11(B)は建物構造の初期感度設定テーブル78の一例であり、火災警報器10の設置場所となる建物を木造建物とコンクリート建物に分け、木造建物は火災の危険度が高いことから感度閾値9%/mとして高めの初期感度を格納し、コンクリート建物は火災の危険度が低いことから感度閾値11%/mとして低め初期感度を設定している。
(火災制御機能)
更に、図11(C)は、図10のRAM44に記憶された初期感度設定テーブル88の一例であり、図11(A)に示した地域の初期感度設定テーブル76と図11(B)に示した建物構造の初期感度設定テーブル78に基づき、縦欄を地域とし、横欄を建物構造とした2元テーブルを構成し、縦横となる両者の組み合わせにより次の感度閾値を格納している。
(住宅密集地と木造建物) = 9.0%/m
(住宅密集地とコンクリート建物)=10.0%/m
(住宅過疎地と木造建物) =10.0%/m
(住宅過疎地とコンクリート建物)=11.0%/m
(感度変更テーブル)
環境設定部84は、火災警報器10の使用開始時に初期設定された感度を、使用中に温度センサ48と湿度センサ60で検出した環境温度と環境湿度に基づいて増減させて設定変更する制御を行う。この場合、環境設定部84はRAM44に予め記憶された感度変更デーブル90を使用して初期設定された感度、又は、変更された感度を変更する制御を行う。
図11(D)は、図9に示した温度状態と湿度状態を組み合わせた2元テーブルに、感度の増減値1.5%/m~0%/m~-1.5%/mを格納して感度変更テーブル90を構成している。
感度変更テーブル90に格納する感度増減値は、図9(C)に示した高い順の感度閾値K1~K5の配置に対応しており、図11(E)に示す感度変更テーブル90aのように、感度を増減する閾値増減値ΔK1~ΔK5の配置となっており、
ΔK1=-1.5%/m
ΔK2=-1.0%/m
ΔK3= 0.0%/m
ΔK4= 1.0%/m
ΔK5= 1.5%/m
とすると、これを感度変更テーブル90aに代入することにより、図9(D)の感度変更テーブル90が生成される。
環境設定部84は、温度センサ48と湿度センサ60により検出された温度と湿度の組み合わせにより図11(D)の感度変更テーブル90を参照して閾値増減値ΔKを取得し、現在の感度に対応した感度閾値をK1とすると、
K2=K1+ΔK
として変更した感度閾値K2を求め、感度閾値K1を感度閾値K2に設定変更する。
火災警報器10が設置された住宅の室内環境は、年間を通じて温度が10~30℃で湿度が30~70%の範囲にあることから、感度変更テーブル90から取得される閾値増減値はΔK=0%/mであり、その時の感度閾値が例えばK1=10%/mであったとすると、変更後の感度閾値K2は、K2=K1+ΔK=10%/mとなり、一定値に保たれている。
これに対し温度が10℃未満で湿度が30%未満の低温低湿状態が検出されたとすると、感度変更テーブルから閾値増減値ΔK1=-1.5%/mが取得され、変更後の感度閾値K2は、K2=K1+ΔK1=10-1.5=8.5%/mとなり、感度が高められる。
一方、温度が30℃超えで湿度が70%超えの高温高湿状態が検出されたとすると、感度変更テーブルから閾値増減値ΔK5=1.5%/mが取得され、変更後の感度閾値K2は、K2=K1+ΔK5=10+1.5=11.5%/mとなり、感度が低下される。
(警報器制御)
図12は図10の火災警報器による制御動作を示したフローチャートであり、制御プロセッサ30に設けられたCPU38による制御となる。
図12に示すように、図4に示した火災警報器10の電池シール等を外して電池電源をオンすると、CPU38が起動してステップS11で所定の初期化処理を行う。続いてCPU38はステップS12で地域選択スイッチ80と建物選択スイッチ82の操作により地域と建物の種別選択操作を判別するとステップS13に進み、図11(D)に示した初期感度設定テーブル90から煙濃度から火災を判定するための感度閾値を取得して記憶することで、設置場所の地域と建物構造に対応した初期感度の設定を行う。
続いてCPU38はステップS14に進んで火災監視制御行い、続いてステップS15で温度センサ48と湿度センサ60の検出値から温度と湿度を読み込んで記憶する。
続いて、CPU38はステップS16に進み、例えば3時間に1回又は6時間に1回といった感度変更タイミングを判別するとステップS17に進み、前回の感度変更の終了から記憶している温度と湿度を読み出して平均値を算出し、ステップS18で温度と湿度の平均値により図11(D)に示した感度変更テーブル90を参照して感度閾値の増減値ΔKを読み出し、ステップS19で現在の感度閾値K1に増減値ΔKを加算して変更後の感度閾値K2を求め、ステップS20で変更した感度閾値K2を設定することで、感度を変更する。
このような警報器制御により、火災警報器の設置場所が住宅密集地であっても、木造建物とコンクリート建物では火災に対する危険度が異なることから、設置地域と建物構造に対応して適切な感度が初期設定され、住宅密集地か住宅過疎地かの相違、及び、設置場所の建物が木造建物かコンクリート建物かの相違による動作性能への影響が低減され、地域及び建物による格差を解消した火災監視を可能とする。
また、地域及び又は建物に応じて火災警報器10に初期設定された感度は、使用中に環境センサで検出された温度及び又は湿度に応じて増加又は減少されることで、地域及び建物による格差の解消に加え、設置場所における環境の相違による格差を解消した火災監視を可能とする。
なお、上記の第4実施形態は、地域と建物構造の組み合わせにより感度を初期設定する場合を例にとっているが、図11(A)に示した地域の初期感度設定テーブル76を用いた住宅密集地と住宅過疎地に応じた感度の初期設定を行ってもよいし、図11(B)に示した建物構造の初期感度設定テーブル78を用いた木造建物とコンクリート建物に応じた感度の初期設定を行ってもよい。
また、地域による初期感度の設定は、住宅密集地と住宅過疎地で分ける以外に、平野地域と山間地域、寒冷地と温暖地等、火災の危険度に相違がでる適宜の地域分けとしても良い。
[スタンドアローン型の火災警報器]
上記の実施形態は、無線連動型の火災警報器10を例にとるものであったが、無線連動機能を備えずに単独で設置されて火災監視するスタンドアローン型の火災警報器についても、上記の第1乃至第4実施形態をそのまま適用することができる。
[本発明の変形例]
上記の実施形態は親機/子機の区別無くそれぞれの警報器が相互に通信するものであるが、チャンネルグループに1台の親機と1又は複数台の子機を設けるようにしても良い。また、グループ間連動を行う場合には、各グループの親機の間の信号を中継器を経由して送受信させる。
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等が出来る。
また、無線連動型の火災警報器10にあっては、環境検出部を有する火災警報器はグループ内に1つだけ設けるようにしても良い。この場合、環境検出部で検出した内容の一部または全部を無線通信することで、グループ内の全ての火災警報器に環境設定を反映させることが可能となる。また、グループ間中継器を用いて異なるグループにおいても環境設定を反映させても良い。この場合、地域環境による環境設定のみ反映し、住戸ごとに異なる建物構造による環境設定は反映しないものとする。
また、上記実施例において、感動変更は閾値の変更で行ったがこれに限らない。例えば、蓄積時間の変更、サンプリングレートの変更、無線連動通信の頻度等、適宜の内容によって警報感度を異ならせるようにしても良い。
また、ストーブ等の火災の危険を生じる機器の動作を検出して火災警報器の感度を上げるようにしても良い。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10,10-1~10-5:火災警報器
12:住宅
18:本体
20:カバー
22:テストスイッチ
24:動作表示灯
28:検煙部
30:制御プロセッサ
32:通信部
36:スピーカ
38:CPU
46:バス
48:温度センサ
50:火災制御部
52,62,72,84:環境設定部
54,64,74:感度設定テーブル
60:湿度センサ
80:地域選択スイッチ
82:建物選択スイッチ
86:初期感度設定部
88:初期感度設定テーブル
90:感度変更テーブル

Claims (3)

  1. 火災を検出して火災警報を出力する火災警報器であって、
    火災に伴う煙濃度又は温度を検出する火災センサと、
    前記火災センサにより検出された前記煙濃度又は前記温度から予め設定された所定の感度により火災を検出する火災検出部と、
    設置場所の環境状態を検出する環境検出部と、
    前記環境検出部による前記環境状態の検出結果に基づいて前記所定の感度を変更する環境設定部と、
    を備え、
    前記環境検出部は、所定の設定操作に応じて前記設置場所の地域が住宅密集地か住宅過疎地か、及び前記設置場所の建物構造が木造建物かコンクリート建物か、の少なくともいずれかを検出することを特徴とする火災警報器。
  2. 火災を検出して火災警報を出力する火災警報器であって、
    火災に伴う煙濃度又は温度を検出する火災センサと、
    前記火災センサにより検出された前記煙濃度又は前記温度から予め設定された所定の感度により火災を検出する火災検出部と、
    設置場所の環境状態を検出する環境検出部と、
    前記環境検出部による前記環境状態の検出結果に基づいて前記所定の感度を変更する環境設定部と、
    を備え、
    前記環境検出部は、所定の設定操作に応じて前記設置場所の地域が住宅密集地か住宅過疎地のいずれかを検出し
    前記環境設定部は、前記住宅密集地の場合は所定の感度より高い所定の検出感度を初期設定し、前記住宅過疎地の場合は前記所定の感度より低い所定の感度を初期設定することを特徴とする火災警報器。
  3. 火災を検出して火災警報を出力する火災警報器であって、
    火災に伴う煙濃度又は温度を検出する火災センサと、
    前記火災センサにより検出された前記煙濃度又は前記温度から予め設定された所定の感度により火災を検出する火災検出部と、
    設置場所の環境状態を検出する環境検出部と、
    前記環境検出部による前記環境状態の検出結果に基づいて前記所定の感度を変更する環境設定部と、
    を備え、
    前記環境検出部は、所定の設定操作に応じて前記設置場所の建物構造が木造建物かコンクリート建物のいずれかを検出し、
    前記環境設定部は、前記木造建物の場合は所定の感度より高い所定の感度を初期設定し、前記コンクリート建物の場合は前記所定の感度より低い所定の感度を初期設定することを特徴とする火災警報器。

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