JP7092994B2 - 積層剥離容器 - Google Patents

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Description

本発明は、積層剥離容器に関する。
内容物の減少に伴って内袋が外殻から剥離し収縮することによって容器の内部に空気が入り込むことを抑制する積層剥離容器が知られている(例えば、特許文献1)。
特開平6-345069号公報
積層剥離容器において、口部においても内袋が外殻から剥離することによって内袋が外殻内に脱落してしまう虞がある。特許文献1では、口部において内袋と外殻を係合させる係合片を設けているが、このような係合片を設けても口部における内袋の剥離が抑制できない場合もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、口部における内袋の剥離を抑制可能な積層剥離容器を提供するものである。
本発明によれば、外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が収縮する容器本体を備える積層剥離容器であって、前記容器本体は、内容物を収容する収容部と、前記収容部から前記内容物を吐出する口部とを備え、前記口部には、径方向に突出する複数の突起が設けられる、積層剥離容器が提供される。
本発明の構成によれば、径方向に突出する複数の突起によって内袋の剥離が抑制される。1つの突起を設けるだけでも内袋の剥離の抑制の効果はあるが、特許文献1のように口部の全周に渡って突起(係合片)を設けていると、突起の一部の領域において剥離が開始されてしまうと、その剥離が残りの領域にまで伝搬してしまって、剥離抑制効果が発揮されない場合があることが分かった。一方、本発明の構成では、口部に複数の突起が設けられているので、1つの突起において内袋の剥離が生じても、その剥離が別の突起には伝搬されにくいため、剥離抑制効果が高められる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記外殻は、前記収容部において、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と前記外部空間を連通する外気導入孔を備える、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記収容部は、筒状の筒状部と、前記筒状部の一部が凹まされて形成されたパネル部を有し、前記外気導入孔は、前記パネル部に隣接した位置に設けられる、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記複数の突起は、前記口部の周方向に沿って配置される、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記突起は、先細り形状である、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記突起は、左側面と、右側面と、上面と、下面を備え、前記左側面及び前記右側面は、前記口部の周方向に前記突起が先細りになるように傾斜する、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記上面と前記下面は、前記口部の上下方向に前記突起が先細りになるように傾斜する、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記左側面及び前記右側面は、傾斜角度が互いに異なる、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記複数の突起は、右前突起及び左前突起を備え、前記外殻は、前記収容部において、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と前記外部空間を連通する外気導入孔を備え、前記外気導入孔は、正面視において、前記右前突起の先端を通って上下方向に延びる直線と、前記左前突起の先端を通って上下方向に延びる直線の間に配置され、前記右前突起は、前記左側面の傾斜が前記右側面の傾斜よりも急峻であり、前記左前突起は、前記右側面の傾斜が前記左側面の傾斜よりも急峻である、積層剥離容器である。
好ましくは、前記記載の積層剥離容器であって、前記複数の突起は、右前突起及び右後突起を備え、前記右前突起の右側面と前記右後突起の左側面は、略同一平面である、積層剥離容器である。
本発明の一実施形態の積層剥離容器の容器本体3の斜視図である。 図1の容器本体3の口部9近傍を拡大した、別の角度からの斜視図である。 図3Aは、図1の容器本体3の平面図であり、図3Bは、図1の容器本体3の正面図である。 図3B中のA-A断面図である。 図5Aは、図3B中のB-B断面図であり、図5Bは、図5A中の領域Aの拡大図である。 図6Aは、図3A中のC-C断面図であり、図6Bは、図6A中の領域Bの拡大図である。 容器本体3を固定治具10で保持した状態でドリル11を用いて外気導入孔15を形成する工程を説明するための斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。以下の説明中での上・下・左・右・前・後は、図3A~図3Bに示す定義に従う。また、口部9の周方向の左右は、図3Aに示す定義に従う。
図1~図7に示すように、本発明の一実施形態の積層剥離容器は、容器本体3を備える。容器本体3は、内容物を収容する収容部7と、収容部7から内容物を吐出する口部9を備える。
図4に示すように、容器本体3は、収容部7及び口部9において、外殻12と内袋14を備える。内容物の減少に伴って内袋14が外殻12から剥離することによって、内袋14が外殻12から離れて収縮する。
外殻12は、復元性が高くなるように、内袋14よりも肉厚に形成される。外殻12は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。外殻12は、複数層構成であってもよい。内袋14は、複数の層から構成することが好ましい。例えば、外層と接触する層にエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなるEVOH層を用い、内容物に接触する層に、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなる内面層を用いることができる。そして、上記EVOH層と内面層との間には、接着層を用いることが好ましい。
収容部7は、図1~図3に示すように、断面が略円形である筒状の筒状部7bと、筒状部7bの一部が凹まされて形成されたパネル部7cを有する。容器本体3は、筒状(例:円筒状)の積層パリソンをブロー成形することによって形成されるので、容器本体3の各部の肉厚は、ブロー比が大きい部位ほど小さくなる。パネル部7cは、筒状部7bよりもブロー比が小さいので、筒状部7bよりも肉厚が大きくなる。このため、パネル部7cの剛性が筒状部7bよりも高くなる。
本実施形態では、外殻12には、収容部7に設けられた凹部7aにおいて、外殻12と内袋14の間の中間空間と、容器本体3の外部空間を連通する外気導入孔15が設けられている。外気導入孔15は、具体的には、パネル部7cに隣接した位置(より具体的にはパネル部7cと口部9の間の領域)に設けられる。外気導入孔15には、外殻12と内袋14の間の空間への空気の出入りを調整するための弁部材等を装着することができる。外気導入孔15を設ける代わりに、外殻12と内袋14の間に隙間を設けて外気を導入するようにしてもよい。
図4に示すように、収容部7の底面29には、底面29から突出する底シール突出部27が設けられる。底シール突出部27は、前記ブロー成形におけるパリソンの底シール部である。底シール突出部27を折り曲げることによって、容器本体3の耐衝撃性を向上させると共に容器本体3の自立性を向上させることが可能になっている。
口部9には、係合部9dが設けられている。本実施形態では、口部9には、打栓式のキャップが装着されていることが想定されており、係合部9dは、キャップに係合されるリング状の突起である。但し、別の実施形態では、口部9には、雌ねじを有するキャップやポンプなどを装着してもよく、その場合、係合部9dは、雄ねじ部で構成される。口部9には、係合部9dよりも収容部7側に、口部9の内側に向かってくびれたくびれ部9cが設けられている。
図2~図6に示すように、口部9には、径方向に突出する複数の突起8が設けられている。複数の突起8は、右前突起8rf,左前突起8lf,右後突起8rr,左後突起8lrである。口部9は、筒状の本体部9aを有し、突起8は、本体部9aから突出するように設けられている。突起8は、くびれ部9cよりも口部9の端面に近い側において、くびれ部9cに隣接した位置に設けられている。複数の突起8は、口部9の周方向に沿って配置されており、略等間隔になるように配置されている。複数の突起8は、上下方向の位置が同じである。図5Bに示すように、突起8内には中空部8iが設けられ、突起8において、外殻12の内面形状は、外殻12の外面形状の相似形状になっている。また、突起8において、内袋14は、外殻12の内面に沿って設けられている。
図5Aに示す断面において、本体部9aの外接円の半径をR1とし、全ての突起8を取り囲む外接円の半径をR2とすると、R2/R1>1であり、1.05~1.50が好ましく、具体的には例えば、1.05、1.10、1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、1.50であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
各突起8は、先細り形状であり、左側面8lと、右側面8rと、上面8uと、下面8bを備える。左側面8lと右側面8rは、口部9の周方向に突起8が先細りになるように傾斜する。上面8uと、下面8bは、口部9の上下方向に突起8が先細りになるように傾斜する。突起8の先端には略平坦な先端面8tが設けられる。各突起の左側面8lと右側面8rは、傾斜角度が互いに異なっている。図6Bに示すように、各突起8は、突起8の上下方向の中央面P3を中心とした対称形状である。
右前突起8rfと左前突起8lfは、容器本体3の幅方向の中央面P1を中心にした対称形状である。右後突起8rrと左後突起8lrも、中央面P1を中心にした対称形状である。右前突起8rfと右後突起8rrは、容器本体3の前後方向の中央面P2を中心にした対称形状である。左前突起8lfと左後突起8lrも、中央面P2を中心にした対称形状である。
図3及び図5に示すように、外気導入孔15は、正面視において(つまり、図3Bに示す正面図において)、右前突起8rfの先端を通って上下方向に延びる直線L1と、左前突起8lfの先端を通って上下方向に延びる直線L2の間に配置されている。右前突起8rfは、左側面8lの傾斜が右側面8rの傾斜よりも急峻である。このため、右前突起8rfの先端面8tが左側面8l側に偏る。また、左前突起8lfは、右側面8rの傾斜が左側面8lの傾斜よりも急峻である。このため、左前突起8lfの先端面8tが右側面8r側に偏る。このような構成によれば、外気導入孔15に近い位置において、右前突起8rfと左前突起8lfの突出量が大きくなり、内袋14の剥離抑制の効果が高くなる。内袋14の剥離は、外気導入孔15に近い位置から開始されやすいので、上記構成を採用することによって、口部9での内袋14の剥離抑制効果が特に高くなる。
図5Bに示すように、右前突起8rfの左側面8l,右側面8rの、口部9の外面の接線に対する角度をそれぞれA1、A2とすると、A1/A2>1である。この値は、具体的には例えば、1.1、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。A1は、例えば、20~80度であり、具体的には例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。A2は、例えば、5~30度であり、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
図6Bに示すように、突起8の上面8u,下面8bの、口部9の外面の接線に対する角度をそれぞれA3、A4とすると、A3/A4は、例えば0.5~1.5であり、この値は、具体的には例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。A3,A4は、例えば、40~85度であり、具体的には例えば、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
図5Aに示すように、右前突起8rfの右側面8rと、右後突起8rrの左側面8lは、略同一平面である。左前突起8lfの左側面8lと、左後突起8lrの右側面8rも、略同一平面である。これらの面を用いて、容器本体3の周方向の位置決めを行うことが可能である。
具体的には、図7に示すように、一対の固定治具10の一方を右前突起8rfの右側面8rと右後突起8rrの左側面8lに当接させ、他方を左前突起8lfの左側面8lと左後突起8lrの右側面8rに当接させることによって、容器本体3の周方向の位置決めが可能になる。
容器本体3は、成形直後の状態では、外気導入孔15が形成されておらず、外気導入孔15を正確な位置に形成するには、容器本体3の正確な位置決めが必須である。図7に示すように、一対の固定治具10で容器本体3の周方向の位置決めを行った状態で、ドリル11を用いて凹部7aに外気導入孔15を形成することによって、外気導入孔15を正確な位置に形成することができる。
従来技術では、凹部7aと口部9の間に溝を設け、この溝を用いて、容器本体3の周方向の位置決めを行っていたが、目薬容器などの小型の容器では、この部位に溝を設けるとその分だけ、凹部7aを下方向にずらす必要があり、その結果、パネル部7cの面積が小さくなり、使い勝手が悪くなってしまう。一方、本実施形態では、上記の方法で容器本体3の周方向の位置決めが可能であるので、凹部7aと口部9の間に溝を設ける必要がなく、パネル部7cを大きくすることができる。これによって、パネル部7cを押圧して内容物を吐出しやすくなる。
3 :容器本体
7 :収容部
7a :凹部
7b :筒状部
7c :パネル部
8 :突起
8b :下面
8i :中空部
8l :左側面
8lf :左前突起
8lr :左後突起
8r :右側面
8rf :右前突起
8rr :右後突起
8t :先端面
8u :上面
9 :口部
9a :本体部
9c :くびれ部
9d :係合部
10:固定治具
11:ドリル
12 :外殻
14 :内袋
15 :外気導入孔
27 :底シール突出部
29 :底面

Claims (9)

  1. 外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が収縮する容器本体を備える積層剥離容器であって、
    前記容器本体は、内容物を収容する収容部と、前記収容部から前記内容物を吐出する口部とを備え、
    前記口部には、前記口部の筒状の本体部から径方向に突出する複数の突起が設けられ
    前記突起は、先細り形状であり、
    前記口部には、前記本体部の全周が前記口部の内側に向かってくびれたくびれ部が設けられており、
    前記くびれ部は、前記くびれ部よりも前記口部の端面に近い部位よりも内径が小さい部位であり、
    前記突起は、前記くびれ部よりも前記口部の端面に近い側において、前記くびれ部に隣接した位置に設けられている、積層剥離容器。
  2. 請求項1に記載の積層剥離容器であって、
    前記外殻は、前記収容部において、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と前記外部空間を連通する外気導入孔を備え、
    前記外気導入孔は、前記くびれ部よりも口部の端面から遠い側に設けられる、積層剥離容器。
  3. 請求項2に記載の積層剥離容器であって、
    前記収容部は、筒状の筒状部と、前記筒状部の一部が凹まされて形成されたパネル部を有し、
    前記外気導入孔は、前記パネル部に隣接した位置に設けられる、積層剥離容器。
  4. 請求項1~請求項3の何れか1つに記載の積層剥離容器であって、
    前記複数の突起は、前記口部の周方向に沿って配置される、積層剥離容器。
  5. 請求項1~請求項4の何れか1つに記載の積層剥離容器であって、
    前記突起は、左側面と、右側面と、上面と、下面を備え、
    前記左側面及び前記右側面は、前記口部の周方向に前記突起が先細りになるように傾斜する、積層剥離容器。
  6. 請求項5に記載の積層剥離容器であって、
    前記上面と前記下面は、前記口部の上下方向に前記突起が先細りになるように傾斜する、積層剥離容器。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の積層剥離容器であって、
    前記左側面及び前記右側面は、傾斜角度が互いに異なる、積層剥離容器。
  8. 請求項7に記載の積層剥離容器であって、
    前記複数の突起は、右前突起及び左前突起を備え、
    前記外殻は、前記収容部において、前記外殻と前記内袋の間の中間空間と前記外部空間を連通する外気導入孔を備え、
    前記外気導入孔は、正面視において、前記右前突起の先端を通って上下方向に延びる直線と、前記左前突起の先端を通って上下方向に延びる直線の間に配置され、
    前記右前突起は、前記左側面の傾斜が前記右側面の傾斜よりも急峻であり、
    前記左前突起は、前記右側面の傾斜が前記左側面の傾斜よりも急峻である、積層剥離容器。
  9. 請求項5~請求項8の何れか1つに記載の積層剥離容器であって、
    前記複数の突起は、右前突起及び右後突起を備え、
    前記右前突起の右側面と前記右後突起の左側面は、略同一平面である、積層剥離容器。
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