JP7092900B2 - 積層体および画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体及びこれを含む画像表示装置に関する。
特許文献1には、基材と粘着剤層とを含み、基材が特定の範囲の引張弾性率を有し、粘着剤層が特定の範囲の25℃における貯蔵弾性率を有することを特徴とする光学積層体であって、優れた柔軟性を持ち、屈曲時のクラック発生を最小化できる光学積層体が開示されている。
特許文献2には、セパレータフィルムを有し、光学フィルム及びセパレータフィルムがそれぞれ特定の範囲の厚みを有し、セパレータフィルムが特定の範囲の表面のビッカース硬度を有する光学フィルムであって、異物による傷付きや打痕発生が抑制された光学フィルムが開示されている。
韓国特許第10-1579710号公報 特開2018-021202号公報
前面板と粘着剤層と円偏光板とをこの順に備える積層体において、前面板側を内側にして屈曲したときに、前面板又は円偏光板(特に位相差層)にクラックが生じ易い場合があった。また、積層体の前面板側に外部からの衝撃により打痕が生じた際、打痕が視認され易い場合があった。
本発明の目的は、前面板と粘着剤層と円偏光板とをこの順に備え、円偏光板が重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層を含む積層体であって、屈曲性と打痕防止性に優れる積層体を提供することである。
本発明は、以下の積層体及び画像表示装置を提供する。
[1] 前面板と、粘着剤層と、円偏光板とをこの順に備え、
前記円偏光板は、重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層を含み、
下記式(1)を満たす積層体。
20<(A×B×C)/1000<380 (1)
〔式中、
Aは前記前面板の剛性[MPa・mm]、Bは前記粘着剤層の応力緩和性[MPa/mm]、及びCは前記円偏光板の剛性[MPa・mm]を表し、
前記前面板の温度23℃、相対湿度55%における引張弾性率をE[MPa]、前記前面板の厚みをT[mm]、前記粘着剤層の温度25℃における貯蔵弾性率をG’[MPa]、前記粘着剤層の厚みをT[mm]、前記円偏光板の温度23℃、相対湿度55%における引張弾性率をE[MPa]、前記円偏光板の厚みをT[mm]とするとき、A、B及びCはそれぞれ下記式:
A=E×T
B=G’/T
C=E×Tに従って算出される。〕
[2] 前記Aは、290MPa・mm以下である、[1]に記載の積層体。
[3] 前記Bは、4MPa/mm以下である、[1]又は[2]に記載の積層体。
[4] 前記Cは、380MPa・mm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5] 前記円偏光板側にタッチセンサパネルをさらに有する、[1]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6] 前記前面板は、耐摩耗層を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の積層体。
[7] 前記耐摩耗層は、ハードコート層の視認側に形成されている、[6]に記載の積層体。
[8] 前記耐摩耗層は、前記前面板の視認側表面を構成する、[6]又は[7]に記載の積層体。
[9] [1]~[8]のいずれか一項に記載の積層体を備える、画像表示装置。
本発明によれば、前面板と粘着剤層と円偏光板とをこの順に備え、円偏光板が重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層を含む積層体であって、屈曲性と打痕防止性に優れる積層体を提供することができる。
本発明の積層体の一例を模式的に示す概略断面図である。 本発明の積層体の製造方法を模式的に示す概略断面図である。 繰返し屈曲耐久性の評価方法を説明する概略図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
<積層体>
図1を参照しながら、本開示の積層体について説明する。図1に示す積層体10は、前面板11と、粘着剤層12と、円偏光板13とをこの順に備え、円偏光板13は、直線偏光板14と位相差板15とを備える。積層体10は、後述する貼合層、タッチセンサパネル及び画像表示素子をさらに備えることができる。積層体10は、前面板11側が視認側となることが好ましい。視認側とは、積層体10を画像表示装置に用いたときに画像表示装置の視認される側をいう。
積層体10は、前面板11側を内側にして屈曲することができる。屈曲することが可能であるとは、前面板11及び円偏光板13(特に位相差層)にクラックを生じさせることなく積層体を屈曲させ得ることを意味する。屈曲には、曲げ部分に曲面が形成される折り曲げの形態が含まれる。折り曲げの形態において、折り曲げた内面の屈曲半径は特に限定されない。また、屈曲には、内面の屈折角が0°より大きく180°未満である屈折の形態、及び内面の屈曲半径がゼロに近似、又は内面の屈折角が0°である折り畳みの形態が含まれる。積層体10は、屈曲することが可能であることからフレキシブルディスプレイに好適である。
積層体10は、平面視において、例えば方形形状であってよく、好ましくは長辺と短辺とを有する方形形状であり、より好ましくは長方形である。積層体10を構成する各層は、角部がR加工されたり、端部が切り欠き加工されたり、穴あき加工されたりしていてもよい。
積層体10は、例えば画像表示装置等に用いることができる。画像表示装置は特に限定されず、例えば有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示装置、液晶表示装置、電界発光表示装置等が挙げられる。積層体10は屈曲することが可能であるため、フレキシブルディスプレイに好適である。
[式(1)]
20<(A×B×C)/1000<380 (1)
〔式中、
Aは前面板の剛性[MPa・mm]、Bは粘着剤層の応力緩和性[MPa/mm]、及びCは円偏光板の剛性[MPa・mm]を表し、
前面板の温度23℃、相対湿度55%における引張弾性率をE[MPa]、前面板の厚みをT[mm]、粘着剤層の温度25℃における貯蔵弾性率をG’[MPa]、粘着剤層の厚みをT[mm]、円偏光板の温度23℃、相対湿度55%における引張弾性率をE[MPa]、円偏光板の厚みをT[mm]とするとき、A、B及びCはそれぞれ下記式:
A=E×T
B=G’/T
C=E×T
に従って算出される。〕
積層体10は、上述の式(1)を満たす。積層体10は、上述の式(1)を満たすことにより屈曲性及び打痕防止性に優れることとなる。従来、積層体の構成部材の引張弾性率及び粘着層の貯蔵弾性率と屈曲性との関係、及び積層体の構成部材の厚みや表面硬度と打痕防止性との関係が知られていたものの、それら2つの関係を組み合わせたときに良好な屈曲性及び打痕防止性の両立が達成されることについては知られていなかった。屈曲性と打痕防止性とは相反する製品性能であるためである。つまり、打痕を防止しようとすれば、屈曲性を犠牲にせざるを得ないし、屈曲性を高めようとすれば、打痕が見えてしまうのをある程度許容せざるを得ない。そのような状況下、本発明者によって、前面板の引張弾性率と厚みとの積である剛性と、粘着剤層の貯蔵弾性率と厚みとの商である応力緩和性と、円偏光板の引張弾性率と厚みとの積である剛性とが式(1)の関係を満たすことにより、屈曲性及び打痕防止性のいずれにも優れる積層体が得られることが見出された。
式(1)において左辺は、好ましくは30であり、より好ましくは40であり、さらに好ましくは50であり、さらに好ましくは80であり、100であってもよいし、105であってもよい。式(1)において右辺は、好ましくは360であり、より好ましくは340であり、さらに好ましくは320であり、さらに好ましくは300であり、250であってもよいし、200であってもよい。
前面板11の剛性Aは、例えば350MPa・mm以下であってよく、積層体10の屈曲性の観点から好ましくは290MPa・mm以下、より好ましくは230MPa・mm以下である。一方、前面板11の剛性Aは、例えば30MPa・mm以下であってよく、積層体10の打痕防止性の観点から好ましくは50MPa・mm以上、より好ましくは80MPa・mm以上である。E[MPa]及びT[mm]については後述する。
粘着剤層12の応力緩和性Bは、例えば10MPa/mm以下であってよく、屈曲性の観点から好ましくは5MPa/mm以下、より好ましくは4MPa/mm以下である。一方、粘着剤層12の応力緩和性Bは、例えば0.5MPa/mm以上であってよく、打痕防止性(又は復元力)の観点から好ましくは1.0MPa/mm以上、より好ましくは1.5MPa/mm以上である。G’[MPa]及びT[mm]については後述する。
積層体10は、粘着剤層12を前面板11と円偏光板13との間に含む。2以上の粘着剤層が前面板11と円偏光板13との間に存在する場合、最も前面板11側に配置される粘着剤層を粘着剤層12とする。ただし、粘着剤層12に接して積層される粘着剤層及びその粘着剤層に連続して積層される粘着剤層が存在する場合、それら全ての粘着剤層の応力緩和性(=粘着剤層の温度25℃における貯蔵弾性率[MPa]/粘着剤層の厚み[mm])の合計値を応力緩和性Bとする。また、前面板が、後述の耐衝撃性を高めること等を目的として樹脂フィルムが粘着剤層を介して積層されている構成である場合、その構成に含まれる粘着剤層は前面板11を構成する要素であり、前面板11と一体的であるとみなすこととし、粘着剤層12とはみなさない。
円偏光板13の剛性Cは、例えば400MPa・mm以下であってよく、円偏光板13の屈曲性の観点から好ましくは380MPa・mm以下、より好ましくは365MPa・mm以下である。一方、円偏光板13の剛性Cは、例えば100MPa・mm以上であってよく、積層体10の打痕防止性の観点から好ましくは110MPa・mm以上、より好ましくは120MPa・mm以上である。E[MPa]及びT[mm]については後述する。
[繰返し屈曲耐久性]
積層体10に対して、25℃の温度において、前面板11側を内側にして屈曲半径が1.5mmとなるように繰返しの屈曲を行った場合、屈曲部において前面板11や円偏光板13(特に位相差板15)にクラックが生じにくい傾向にある。積層体10は、25℃の温度において前面板11側を内側にして屈曲半径が1.5mmで繰返しの屈曲を行ったとき、円偏光板13に最初にクラックが生じる屈曲回数が好ましくは20万回以上であり、より好ましくは30万回以上であり、さらに好ましくは40万回以上であり、特に好ましくは50万回以上である。繰返し屈曲耐久性の試験は、後述の実施例において説明する方法により行うことができる。
[前面板]
前面板11は、画像表示装置の視認側の最表面を構成することができる。前面板11は、画像表示装置の前面を保護する機能を有することができる。前面板11は、タッチセンサとしての機能、ブルーライトカット機能、視野角調整機能等を有するものであってもよい。
[MPa]は、例えば4000MPa以上であってよく、式(1)を満たし易くする観点から好ましくは5000MPa以上である。E[MPa]は通常、10000MPa以下である。E[MPa]は後述の実施例の欄に記載の測定方法に従って測定することができる。
[mm]は、例えば0.001mm以上1mm以下であってよく、式(1)を満たし易くする観点から好ましくは0.03mm以上0.5mm以下であり、より好ましくは0.03mm以上0.07mm以下である。T[mm]は後述の実施例の欄に記載の測定方法に従って測定することができる。
前面板11は、光を透過可能な板状体であれば、材料及び厚みは限定されず、また単層構造であっても多層構造であってもよく、ガラス製の板状体(例えば、ガラス板、ガラスフィルム等)、樹脂製の板状体(例えば、樹脂板、樹脂シート、樹脂フィルム等)、樹脂製の板状体とガラス製の板状体との積層体が例示される。前面板11は、耐衝撃性を高めるために粘着剤層を介して樹脂フィルムが積層された構造を有していてもよい。前面板11は、例えば後述の光を透過可能な板状体と、粘着剤層と、耐衝撃性を高める樹脂フィルム(以下、耐衝撃性フィルムともいう)とがこの順に積層されたものであってよい。また、前面板11は、後述のハードコート層や耐摩耗層を有してもよい。前面板11がいずれの多層構造を有する場合においても、前面板11の引張弾性率E[MPa]は、一体のものとして多層構造の状態で測定される。
ガラス板としては、ディスプレイ用強化ガラスが好ましく用いられる。ガラス板の厚みは、例えば10μm以上1000μm以下であり、好ましくは20μm以上500μm以下である。ガラス板を用いることにより、優れた機械的強度及び表面硬度を有する光学部材を構成することができる。
樹脂フィルムとしては、光を透過可能な樹脂フィルムであれば限定されない。例えば、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリ(メタ)アクリル、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミドイミド等の高分子で形成されたフィルムが挙げられる。これらの高分子は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。積層体10をフレキシブルディスプレイに用いる場合には、優れた可撓性を有し、高い強度及び高い透明性を有するように構成可能な、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の高分子で形成された樹脂フィルムが好適に用いられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルのいずれでもよいことを意味する。(メタ)アクリレート等の「(メタ)」も同様の意味である。
前面板11が樹脂フィルムである場合、樹脂フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面にハードコート層を設けて硬度をより向上させたフィルムであってもよい。ハードコート層は、基材フィルムの一方の面に形成されていてもよいし、両方の面に形成されていてもよい。後述する画像表示装置がタッチパネル方式の画像表示装置である場合には、前面板11の表面がタッチ面となるため、ハードコート層を有する樹脂フィルムが好適に用いられる。ハードコート層を設けることにより、硬度及び耐スクラッチ性を向上させた樹脂フィルムとすることができる。ハードコート層は、例えば、紫外線硬化型樹脂の硬化層である。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。ハードコート層は、硬度を向上させるために、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は限定されることはなく、無機系微粒子、有機系微粒子、又はこれらの混合物が挙げられる。樹脂フィルムの厚みは、例えば10μm以上500μm以下であり、好ましくは20μm以上100μm以下である。
前記ハードコート層の視認側には、耐摩耗性を向上させたり、皮脂などによる汚染を防止したりするために、耐摩耗層が形成されていることも好ましい。前面板は、耐摩耗層を有することができ、耐摩耗層は、前面板の視認側表面を構成する層であることができる。耐摩耗層はフッ素化合物由来の構造を含むことができる。フッ素化合物としてはケイ素原子を有し、ケイ素原子にアルコキシ基やハロゲンのような加水分解性の基を有する化合物が好ましい。加水分解性基が脱水縮合反応することにより塗膜を形成することができ、また基材表面の活性水素と反応することにより耐摩耗層の密着性を向上させることができる。さらにフッ素化合物は、パーフルオロアルキル基やパーフルオロポリエーテル構造を有すると撥水性を付与することができるので好ましい。特に好ましいのはパーフルオロポリエーテル構造と炭素数4以上の長鎖のアルキル基とを有する含フッ素ポリオルガノシロキサン化合物である。フッ素化合物としては2種類以上の化合物を用いることも好ましい。さらに含むことが好ましいフッ素化合物としては、炭素数2以上のアルキレン基、及びパーフルオロアルキレン基を含む含フッ素オルガノシロキサン化合物である。
耐摩耗層の厚さは、例えば1~20nmである。また、耐摩耗層は撥水性を有しており、水接触角が例えば110~125°程度である。滑落法で測定した接触角ヒステリシス及び滑落角は、それぞれ3~20°程度、2~55°程度である。更に、耐摩耗層は、本発明の効果を阻害しない範囲で、シラノール縮合触媒、酸化防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防カビ剤、抗菌剤、生物付着防止剤、消臭剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤等、各種の添加剤を含有していてもよい。
耐摩耗層とハードコート層との間にはプライマー層を設けてもよい。プライマー剤として、例えば紫外線硬化型、熱硬化型、湿気硬化型、あるいは2液硬化型のエポキシ系化合物等のプライマー剤がある。また、プライマー剤として、ポリアミック酸を用いてもよく、シランカップリング剤を用いることも好ましい。プライマー層の厚さは、例えば0.001~2μmである。
耐摩耗層とハードコート層とを含む積層体を得る方法としては、ハードコート層の上に、必要に応じてプライマー剤を塗布、乾燥、硬化させてプライマー層を形成させた後、フッ素化合物を含む組成物(耐摩耗層コーティング用組成物)を塗布、乾燥することで形成できる。塗布する方法としては、例えばディップコート法、ロールコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビアコーター法などが挙げられる。また、プライマー剤、または、耐摩耗層コーティング用組成物を塗布する前に、塗布面をプラズマ処理、コロナ処理、又は紫外線処理等の親水化処理を施すことも好ましい。この積層体は前面板に直接積層することもできるし、別の透明基材の上に積層したものを接着剤や粘着剤を用いて前面板に貼合することもできる。
前面板11の層構成としては、視認側から順に、例えばハードコート層/基材フィルム、ハードコート層/基材フィルム/ハードコート層、耐摩耗層/ハードコート層/基材フィルム、耐摩耗層/ハードコート層/基材フィルム/ハードコート層、耐摩耗層/プライマー層/ハードコート層/基材フィルム、耐摩耗層/プライマー層/ハードコート層/基材フィルム/ハードコート層、ハードコート層/基材フィルム/粘着剤層/耐衝撃性フィルム、ハードコート層/基材フィルム/ハードコート層/粘着剤層/耐衝撃性フィルム、耐摩耗層/ハードコート層/基材フィルム/粘着剤層/耐衝撃性フィルム、耐摩耗層/ハードコート層/基材フィルム/ハードコート層/粘着剤層/耐衝撃性フィルム等が挙げられる。
[粘着剤層]
粘着剤層12は、前面板11と円偏光板13との間に介在してこれらを貼合する層であることができる。粘着剤層12は、前面板11と円偏光板13とに直接接触して配置されることが好ましい。本明細書において「粘着剤」とは、硬化反応後の状態が高粘度液体又はゲル状固体であり、常温(例えば温度23℃~25℃、相対湿度55~60%)で短時間、僅かな圧力を加えるだけで接着できるもの、例えば感圧式接着剤とも呼ばれるものである。一方、本明細書において「接着剤」とは、粘着剤(感圧式接着剤)以外の接着剤をいい、硬化反応後の状態が固体状であり、硬化後の25℃における弾性率の範囲が100MPa以上のものをいう。粘着剤層12は、1層からなるものであってもよく、又は2層以上からなるものであってもよいが、好ましくは1層からなるものである。
G’[MPa]は、例えば0.005MPa以上0.5MPa以下であってよく、式(1)を満たし易くする観点から好ましくは0.01MPa以上0.2MPa以下であり、より好ましくは0.02MPa以上0.1MPa以下である。G’[MPa]は、例えば後述のベースポリマーを構成するモノマーの種類の選定、架橋度の調節等により調節することができる。G’[MPa]は後述の実施例の欄に記載の測定方法に従って測定することができる。
[mm]は、式(1)を満たし易くする観点から好ましくは0.004mm以上であり、より好ましくは0.005mm以上であり、さらに好ましくは0.01mm以上である。T[mm]は、式(1)を満たし易くする観点から好ましくは0.1mm以下であり、より好ましくは0.05mm以下である。T[mm]は、粘着剤層12の最大の厚みとする。T[mm]は後述の実施例の欄に記載の測定方法に従って測定することができる。
粘着剤層12は、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型であってもよいし、熱硬化型であってもよい。(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば100万以上であってもよいし、120万以上であってもよいし、200万いかであってもよい。重量平均分子量は、後述の実施例に記載された方法により測定される。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種または2種以上をモノマーとする重合体または共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物とは、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有しており、活性エネルギー線照射前においても粘着性を有してフィルム等の被着体に密着させることができ、活性エネルギー線の照射によって硬化して密着力の調整ができる性質を有する粘着剤組成物である。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、ベースポリマー、架橋剤に加えて、活性エネルギー線重合性化合物をさらに含有する。さらに必要に応じて、光重合開始剤や光増感剤等を含有させることもある。
粘着剤組成物は、光散乱性を付与するための微粒子、ビーズ(樹脂ビーズ、ガラスビーズ等)、ガラス繊維、ベースポリマー以外の樹脂、粘着性付与剤、充填剤(金属粉やその他の無機粉末等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、着色剤、消泡剤、腐食防止剤、光重合開始剤等の添加剤を含むことができる。
粘着剤層12は、上記粘着剤組成物の有機溶剤希釈液を基材上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を用いた場合は、形成された粘着剤層に、活性エネルギー線を照射することにより所望の硬化度を有する硬化物とすることができる。
[円偏光板]
円偏光板13は、後述する重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層を含む。図1に示すように、円偏光板13は、直線偏光板14と位相差板15とを備えることができる。円偏光板13は、直線偏光板14側に粘着剤層12が積層されることができる。円偏光板13は、積層体10を備える画像表示装置の視認側から積層体10を通って入射する光(外光)を円偏光に変換することができる。直線偏光板14の吸収軸と位相差板15の遅相軸とが所定の角度となるように直線偏光板と位相差板とが配置された円偏光板13は、画像表示装置中の表示素子で反射した外光を吸収することができるため、積層体10に反射防止フィルムとしての機能を付与することができる。
[MPa]は、例えば2000MPa以上であってよく、式(1)を満たし易くする観点から好ましくは3000MPa以上であり、3500MPa以上であってもよい。E[MPa]は通常、10000MPa以下である。E[MPa]は後述の実施例の欄に記載の測定方法に従って測定することができる。
[mm]は、式(1)を満たし易くする観点から好ましくは0.03mm以上であり、より好ましくは0.04mm以上である。T[mm]は通常、式(1)を満たし易くする観点から好ましくは0.1mm以下であり、より好ましくは0.08mm以下である。T[mm]は、円偏光板13の最大の厚みとする。T[mm]は後述の実施例の欄に記載の測定方法に従って測定することができる。
[直線偏光板]
直線偏光板14は、偏光子層として、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略すこともある。)系樹脂フィルムを含むものであってもよく、二色性色素及び重合性化合物を含む組成物を配向させ、重合性液晶化合物を重合させた硬化膜であってもよい。二色性色素及び重合性化合物を含む組成物を塗布し硬化させてなる偏光子層は、延伸工程を含むPVA系樹脂フィルムの偏光子層に比べて、屈曲方向に制限がないため好ましい。
直線偏光板14は、偏光子層のみを含むものであってもよいし、偏光子層に加えて、保護層、基材、熱可塑性樹脂フィルム、オーバーコート層及び配向膜のいずれか1以上をさらに含んでいてもよい。直線偏光板14の厚みは、例えば1μm以上50μm以下であり、好ましくは5μm以上30μm以下である。
[偏光子層]
偏光子層としては、例えば、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略すこともある。)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理、及び延伸処理が施されたもの等が挙げられる。光学特性に優れることから、PVA系樹脂フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子層を用いることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより製造できる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体との共重合体であることもできる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85~100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も使用可能である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常1,000~10,000程度であり、好ましくは1,500~5,000程度である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が1000未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超ではフィルム加工性に劣ることがある。
その他のPVA系樹脂フィルムを含む偏光子層の製造方法としては、まず基材フィルムを用意し、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂等の樹脂の溶液を塗布し、溶媒を除去する乾燥等を行って基材フィルム上に樹脂層を形成する工程を含むものを挙げることができる。なお、基材フィルムの樹脂層が形成される面には、予めプライマー層を形成することができる。基材フィルムとしては、PET等の樹脂フィルムや、後述する保護層に用いることができる熱可塑性樹脂を用いたフィルムを使用できる。プライマー層の材料としては、偏光子層に用いられる親水性樹脂を架橋した樹脂等を挙げることができる。
次いで、必要に応じて樹脂層の水分等の溶媒量を調整し、その後、基材フィルム及び樹脂層を一軸延伸し、続いて、樹脂層をヨウ素等の二色性色素で染色して二色性色素を樹脂層に吸着配向させる。続いて、必要に応じて二色性色素が吸着配向した樹脂層をホウ酸水溶液で処理し、ホウ酸水溶液を洗い落とす洗浄工程を行う。これにより、二色性色素が吸着配向された樹脂層、すなわち、偏光子層が製造される。各工程には公知の方法を採用できる。
基材フィルム及び樹脂層の一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色中に行ってもよいし、染色後のホウ酸処理中に行ってもよく、これら複数の段階においてそれぞれ一軸延伸を行ってもよい。基材フィルム及び樹脂層は、MD方向(フィルム搬送方向)に一軸延伸してもよく、この場合、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、基材フィルム及び樹脂層は、TD方向(フィルム搬送方向に垂直な方向)に一軸延伸してもよく、この場合、いわゆるテンター法を使用することができる。また、基材フィルム及び樹脂層の延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤にて樹脂層を膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。偏光子層の性能を発現するためには延伸倍率は4倍以上であり、5倍以上であることが好ましく、特に5.5倍以上が好ましい。延伸倍率の上限は特にないが、破断等を抑制する観点から8倍以下が好ましい。
PVA系樹脂フィルムを含む偏光子層の厚さは、例えば2μm以上40μm以下である。偏光子層の厚さは5μm以上であってもよく、20μm以下、15μm以下、さらには10μm以下であってもよい。
二色性色素及び重合性化合物を含む組成物を配向させ、重合性液晶化合物を重合させた硬化膜である偏光子層の製造方法としては、基材フィルムの上に配向膜を介して重合性液晶化合物及び二色性色素を含む偏光子層形成用組成物を塗布して偏光子層を形成する方法、或いは、基材フィルム上に形成した後述の保護層上に、配向膜を介して重合性液晶化合物及び二色性色素を含む偏光子層形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を液晶状態を保持したまま重合して硬化させて偏光子層を形成する方法を挙げることができる。このようにして得られた偏光子層は、基材フィルムの保護層上に積層された状態にあり、基材フィルム付き直線偏光板として用いてもよい。基材フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等を使用することができる。
二色性色素及び重合性化合物を含む組成物を塗布し硬化させてなる偏光子層の厚さは、通常10μm以下であり、好ましくは0.5μm以上8μm以下であり、より好ましくは1μm以上5μm以下であり、4μm以下であってもよい。
上記方法で作製した偏光子層は、基材フィルムを剥離して、又は基材フィルムとともに直線偏光板として用いてもよい。上記方法によれば、基材フィルムを剥離することができるため、偏光子層の更なる薄膜化が可能となる。
[オーバーコート層]
直線偏光板14の偏光子層側の面に、オーバーコート層(以下、OC層ともいう)を設けることができる。OC層を構成する材料としては、例えば光硬化性樹脂や水溶性ポリマー等が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリルアミド系ポリマー;ポリビニルアルコール、及びエチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸又はその無水物-ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系ポリマー;カルボキシビニル系ポリマー;ポリビニルピロリドン;デンプン類;アルギン酸ナトリウム;ポリエチレンオキシド系ポリマー等が挙げられる。OC層の厚さは、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましく、5μm以下であってもよく、また、0.05μm以上であり、0.5μm以上であってもよい。
[保護層]
保護層は、偏光子層の表面を保護する機能を有する。積層体において、直線偏光板14は通常、保護層が偏光子層より前面板11側となるように配置されることができる。
保護層は、有機物層または無機物層であることができる。有機物層または無機物層は、コーティングにより形成される層であることができる。有機物層は、保護層形成用組成物、例えば(メタ)アクリル系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物、ポリイミド系樹脂組成物等を用いて形成することができる。保護層形成用組成物は、活性エネルギー線硬化型であってもよいし、熱硬化型であってもよい。無機物層は、例えばシリコン酸化物等から形成することができる。保護層が有機物層である場合、保護層はハードコート層と呼ばれるものであってもよい。
保護層が有機物層である場合、例えば活性エネルギー線硬化型の保護層形成用組成物を基材フィルム上に塗布し、活性エネルギーを照射して硬化させることにより保護層を作製することができる。基材フィルムは、上述の基材フィルムの説明が適用される。基材フィルムは通常、剥離して除去される。保護層形成用組成物を塗布する方法としては、例えばスピンコート法等が挙げられる。保護層が無機物層である場合、例えばスパッタリング法、蒸着法等によって保護層を形成することができる。保護層が有機物層または無機物層である場合、保護層の厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下であってよく、好ましくは0.5μm以上5μm以下である。
保護層としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂フィルムを用いることもできる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;シクロ系及びノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂ともいう);(メタ)アクリル樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、並びにこれらの混合物を挙げることができる。偏光子層の両面に保護層が積層されている場合、2つの保護層は同種であってもよいし、異種であってもよい。熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、例えば3μm以上60μm以下であってよく、好ましくは5μm以上50μm以下であり、30μm以下であってもよい。
[位相差板]
位相差板15は、重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層を含む。位相差板15は、1層又は2層以上の位相差層を含むことができる。位相差板15が2層の位相差層を含む場合、偏光子層側から順に第1位相差層と第2位相差層ということがある。位相差層は、1層であってもよく2層以上であってもよい。位相差層は、その表面を保護するオーバーコート層、及び位相差層を支持する基材フィルム等を有していてもよい。位相差層としては、例えばλ/4の位相差を与える位相差層(λ/4層)、λ/2の位相差を与える位相差層(λ/2層)及びポジティブC層等が挙げられる。位相差板15は、好ましくはλ/4層を含み、さらに好ましくはλ/4層とλ/2層又はポジティブC層の少なくともいずれかとを含む。位相差板15がλ/2層を含む場合、直線偏光板14側から順にλ/2層及びλ/4層を積層する。位相差板15がポジティブC層を含む場合、直線偏光板14側から順にλ/4層及びポジティブC層を積層してもよく、直線偏光板14側から順にポジティブC層及びλ/4層を積層してもよい。位相差板15の厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは0.5μm以上8μm以下である。
位相差板15は、上述した熱可塑性樹脂フィルムの材料として例示した樹脂フィルムから形成した位相差層を含んでもよい。位相差層は、さらに配向膜及び基材フィルムを含んでいてもよく、λ/4層と、λ/2層及びポジティブC層とは、後述の層間貼合層により接合されていてもよい。
重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層は、重合性液晶化合物を含む組成物を、基材フィルムに塗布し硬化させることにより形成することができる。基材フィルムと塗布層との間に配向膜を形成してもよい。基材フィルムの材料及び厚みは、上記熱可塑性樹脂フィルムの材料及び厚みと同じであってよい。位相差層は、重合性液晶化合物を硬化してなる層から形成する場合、配向膜及び基材フィルムを有する形態又は有さない形態で積層体に組み込まれてもよい。
直線偏光板14の吸収軸と位相差層の遅相軸とが所定の角度となるように、直線偏光板14と位相差板15とが配置された偏光板は、反射防止機能を有することができる。位相差板がλ/4層を含む場合、直線偏光板14の吸収軸とλ/4層の遅相軸とのなす角度は、45°±10°であることができる。位相差層は正波長分散性を有していてもよく、逆波長分散性を有していてもよい。λ/4層は、好ましくは逆波長分散性を有する。
直線偏光板14と位相差板15とは後述の貼合層により接合されていてよい。
[層間貼合層]
層間貼合層は、第1位相差層と第2位相差層との間に配置され、第1位相差層と第2位相差層とを貼合する機能を有する。層間貼合層は、接着剤又は粘着剤から構成されることができる。層間貼合層は、好ましくは接着剤層である。
層間貼合層の厚みは、層間貼合層として粘着剤層を使用する場合、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であってもよく、通常50μm以下であり、20μm以下であってもよい。層間貼合層として接着剤層を使用する場合、層間貼合層の厚みは、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であってもよく、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であってもよい。
層間貼合層に用いる粘着剤は、上述の粘着剤組成物を用いることができ、他の粘着剤、例えば粘着剤層の材料とは異なる(メタ)アクリル系粘着剤、スチレン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、エポキシ系共重合体粘着剤等を用いることもできる。
層間貼合層に用いる接着剤としては、例えば水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤等のうち1種または2種以上を組み合わせて形成することができる。水系接着剤としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等を挙げることができる。活性エネルギー線硬化型接着剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化する接着剤であり、例えば重合性化合物および光重合性開始剤を含む接着剤、光反応性樹脂を含む接着剤、バインダー樹脂および光反応性架橋剤を含む接着剤等を挙げることができる。上記重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマー等の光重合性モノマー、およびこれらモノマーに由来するオリゴマー等を挙げることができる。上記光重合開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線を照射して中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルといった活性種を発生する物質を含む化合物を挙げることができる。
[貼合層]
積層体10は、直線偏光板14と位相差板15との貼合のために、及び積層体10と後述するタッチセンサパネルや画像表示素子との貼合のために貼合層をさらに含んでいてもよい。貼合層は接着剤又は粘着剤から形成することができる。接着剤及び粘着剤については、上述の層間貼合層の接着剤及び粘着剤の説明が適用される。
[タッチセンサパネル]
タッチセンサパネルとしては、タッチされた位置を検出可能なセンサであれば、検出方式は限定されることはなく、抵抗膜方式、静電容量結合方式、光センサ方式、超音波方式、電磁誘導結合方式、表面弾性波方式等のタッチセンサパネルが例示される。低コストであることから、抵抗膜方式、静電容量結合方式のタッチセンサパネルが好適に用いられる。タッチセンサパネルは、積層体の視認側とは反対側に配置されることができる。
抵抗膜方式のタッチセンサパネルの一例は、互いに対向配置された一対の基板と、それら一対の基板の間に挟持された絶縁性スペーサーと、各基板の内側の前面に抵抗膜として設けられた透明導電膜と、タッチ位置検知回路とにより構成されている。抵抗膜方式のタッチセンサパネルを設けた画像表示装置においては、前面板11の表面がタッチされると、対向する抵抗膜が短絡して、抵抗膜に電流が流れる。タッチ位置検知回路が、このときの電圧の変化を検知し、タッチされた位置が検出される。
静電容量結合方式のタッチセンサパネルの一例は、基板と、基板の全面に設けられた位置検出用透明電極と、タッチ位置検知回路とにより構成されている。静電容量結合方式のタッチセンサパネルを設けた画像表示装置においては、前面板11の表面がタッチされると、タッチされた点で人体の静電容量を介して透明電極が接地される。タッチ位置検知回路が、透明電極の接地を検知し、タッチされた位置が検出される。
[画像表示素子]
画像表示素子は、例えば液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示素子、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示素子、プラズマ表示素子、電界放射型表示素子等が挙げられる。
[積層体の製造方法]
積層体は、前面板と円偏光板とを粘着剤層を用いて貼合することにより製造することができる。粘着剤層は粘着シートとして準備することができる。粘着シートは、例えば離型処理が施された剥離フィルム(以下、セパレータともいう)上に粘着剤からなる層をシート状に形成しておき、その粘着剤層上にさらに別の剥離フィルムを貼合する方式等により作製することができる。一方の剥離フィルムを剥離した粘着シートを一方の層に貼合し、次いで他方の剥離フィルムを剥離し、他方の層を貼合する方法により各層を貼合することができる。
積層体の製造方法は、例えば以下の(a)~(d)の工程を含むことができる。積層体の製造方法について、図2を参照しながら説明する。
(a)前面板30と、軽セパレータ41、粘着剤層42及び重セパレータ43からなる粘着シート40とを準備し、前面板30と、粘着シート40の軽セパレータ41を剥離した面とを貼り合わせて、前面板30、粘着剤層42及び重セパレータ43をこの順に有する前面板積層体100を得る工程[図2(a)]。
(b)基材フィルム51、偏光子層52及びオーバーコート層53からなる直線偏光板50と、軽セパレータ61、貼合層62及び重セパレータ63からなる粘着シート60とを準備し、オーバーコート層53と、粘着シート60の軽セパレータ61を剥離した面とを貼り合わせて、基材フィルム51、偏光子層52、オーバーコート層53、貼合層62及び重セパレータ63をこの順に有する偏光子層積層体101を得る工程[図2(b)]。
(c)基材フィルム71、第1位相差層72、層間貼合層73、第2位相差層74及び基材フィルム75からなる位相差板70を準備し、偏光子層積層体101から、重セパレータ63を剥離した面と、位相差板70から基材フィルム71を剥離した面とを貼り合わせて、基材フィルム51、偏光子層52、オーバーコート層53、貼合層62、第1位相差層72、層間貼合層73、第2位相差層74、及び基材フィルム75をこの順に有する円偏光板102を得る工程[図2(c)]。
(d)前面板積層体100から重セパレータ43を剥離した面と、円偏光板102の基材フィルム51とを貼り合わせて、前面板30、粘着剤層42、基材フィルム51、偏光子層52、オーバーコート層53、貼合層62、第1位相差層72、層間貼合層73、第2位相差層74及び基材フィルム75をこの順に有する積層体103を得る工程[図2(d)]。
上記積層体103の基材フィルム75を剥離し、貼合層を介してタッチセンサパネル又は画像表示素子をさらに積層することができる。
密着性を高めるために、貼合面の一方又は両方に対して、例えばコロナ処理やプラズマ処理等の表面活性化処理を施すことが好ましい。貼合は、公知のラミネーター、ロール、セル接合機等の装置を用いて行うことができる。
<画像表示装置>
本発明に係る画像表示装置は、上記積層体を含む。画像表示装置は特に限定されず、例えば有機EL表示装置、無機EL表示装置、液晶表示装置、電界発光表示装置等の画像表示装置が挙げられる。画像表示装置はタッチパネル機能を有していてもよい。積層体は、屈曲または折り曲げ等が可能な可撓性を有する画像表示装置に好適である。画像表示装置において、積層体が前面板を有する場合、積層体は、前面板を外側(画像表示素子側とは反対側、すなわち視認側)に向けて、画像表示装置の視認側に配置される。
本発明に係る画像表示装置は、スマートフォン、タブレット等のモバイル機器、テレビ、デジタルフォトフレーム、電子看板、測定器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器等として用いることができる。本発明に係る画像表示装置は、優れたフレキシブル性を有するため、フレキシブルディスプレイ等に好適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記のない限り、質量%及び質量部である。
[層の厚み]
接触式膜厚測定装置(株式会社ニコン製「MS-5C」)を用いて測定した。ただし、偏光子層および配向膜については、レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製「OLS3000」)を用いて測定した。
[貯蔵弾性率]
G’[MPa]は、粘弾性測定装置(MCR-301、Anton Paar社)を用いて測定した。実施例および比較例で用いたものと同じ粘着シートを幅30mm×長さ30mmにして、剥離フィルムを剥がし、厚みが150μmとなるように複数枚積層してガラス板に接合後、測定チップと接着した状態で-20℃~100℃の温度領域で周波数1.0Hz、変形量1%、昇温速度5℃/分の条件下にて測定を行った。
[引張弾性率]
[MPa]及びE[MPa]は、温度23℃、相対湿度55%において、引張り試験機(AG-1S、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。測定対象が面内に位相差を有する場合、遅相軸方向の引張弾性率を測定した。
[重量平均分子量(Mw)の測定]
(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)として、移動相にテトラヒドロフランを用い、下記のサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により求めた。
測定する(メタ)アクリル系ポリマーを約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、1.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED-B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV-VIS検出器(商品名:Agilent GPC)を用いた。
[繰返し屈曲耐久性試験]
図3に示すように、2つのステージ501、502を備えた屈曲装置(Science Town社製、STS-VRT-500)を準備し、2つのステージ501、502を間隔C1で配置し、積層体500の幅方向の中心が間隙C1の中心に位置するように固定して配置した(図3(a))。このとき、ステージ501、502の上に前面板が上方となるように積層体500を配置した。このステージ501、502は、2つのステージの間隔C1を中心に揺動可能であり、初期は、2つのステージ501、502は同一平面を構成する。2つのステージ501、502を位置P1及び位置P2を回転軸の中心として上方に90度回転させて2つのステージ501、502を閉じ、載置台の間隙C1に対応する積層体500の領域に曲げの力を付加し、対向する前面板同士の間隔C2が3.0mm(屈曲半径1.5mm)となるようにした(図3(b))。その後、再びステージ501、502を開いた(図3(a))。以上の一連の動作を1回の屈曲と定義する。この動作を繰り返し、前面板または位相差板へ最初にクラックが生じるまでの屈曲回数を数えた。評価の基準は以下の通りである。A又はBを合格とした。
A:屈曲回数が50万回以上でもクラックが発生していない。
B:屈曲回数が20万回以上50万回未満で、クラックが発生した。
C:屈曲回数が10万回以上20万回未満で、クラックが発生した。
D:屈曲回数が10万回未満で、クラックが発生した。
[打痕防止性]
積層体から、長辺150mm×短辺70mmの長方形の大きさの小片をスーパーカッターを用いて切り出し、小片の前面板側とは反対側の表面を粘着剤層を介してアクリル板に貼合した。そして、23℃、相対湿度55%の環境下で、小片に対して、評価用ペンを小片の前面板の最表面から5cmの高さにペン先が位置しかつペン先が下向きとなるように保持し、その位置から評価用ペンを落下させた。評価用ペンとして、重量が5.6gであり、ペン先の直径が0.75mmのペンを用いた。評価用ペンを落下させた後の小片について、積層体の前面板側から目視での観察により以下の評価基準に基づいて打痕を評価した。A,B又はCを合格とした。
A:打痕が観測されない。
B:打痕が少し観測される。
C:打痕が観察される。
D:打痕がはっきり観察される。
[粘着剤層P1]
アクリル酸n-ブチル70質量部、アクリル酸メチル20質量部、アクリル酸1.0質量部を共重合させて、アクリル系ポリマーを調製した。このアクリル系ポリマーの重量平均分子量Mwは150万であった。
得られたアクリル系ポリマー100質量部に、架橋剤(東ソー株式会社「コロネートL」)0.3質量部、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「X-12-981」)0.5質量部を混合し、全体固形分濃度が10%になるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(重spフィルム、厚み38μm)の離型処理面に、アプリケーターを利用して乾燥後の厚みが25μmになるように塗布した。塗布層を100℃で1分間乾燥して、粘着剤層を備えるフィルムを得た。その後、粘着剤層の露出面上に、離型処理された別のポリエチレンテレフタレートフィルム(軽spフィルム、厚み38μm)を貼合した。その後、温度23℃、相対湿度50%RHの条件で7日間養生させた。このようにして、重spフィルム/粘着剤層/軽spフィルムからなる粘着剤シートを作製した。G’=0.047MPaであった。
[粘着剤層P2]
アクリル酸n-ブチル98.9質量部、アクリル酸1.1質量部を共重合させて、アクリル系ポリマーを調製した。アクリル系ポリマーを調製した。このアクリル系ポリマーの重量平均分子量Mwは136万であった。
得られたアクリル系ポリマー100質量部に、架橋剤(東ソー株式会社「コロネートL」)2質量部、及び(相互薬工株式会社「TAZM」)0.02質量部、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM403」)0.5質量部を混合したこと以外は、粘着剤層P1の作製手順と同様にして、重spフィルム/粘着剤層P2/軽spフィルムからなる粘着剤シートを作製した。G’=は、0.094MPaであった。
[粘着剤層P3]
アクリル酸n-ブチル70.4質量部、アクリル酸2-エチルヘキシル45質量部、アクリル酸4-ヒドロキシブチル1質量部を共重合させて、アクリル系ポリマーを調製した。このアクリル系ポリマーの重量平均分子量Mwは80万であった。
得られたアクリル系ポリマー100質量部に、架橋剤(東ソー株式会社「コロネートL」)0.4質量部、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM403」)0.5質量部を混合したこと以外は、粘着剤層P1の作製手順と同様にして、重spフィルム/粘着剤層P3/軽spフィルムからなる粘着剤シートを作製した。G’=1.02MPaであった。
[粘着剤層P4]
アクリル酸n-ブチル68質量部、アクリル酸メチル30質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル1質量部、アクリル酸1質量部を共重合させて、アクリル系ポリマーを調製した。このアクリル系ポリマーの重量平均分子量Mwは135万であった。
得られたアクリル樹脂100質量部に、架橋剤(東ソー株式会社「コロネートL」)3質量部、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM403」)0.5質量部を混合したこと、及び粘着剤組成物を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布したこと以外は、粘着剤層P1の作製手順と同様にして、重spフィルム/粘着剤層P4/軽spフィルムからなる粘着剤シートを作製した。G’=0.638MPaであった。
<実施例1>
(前面板の準備)
特開2018-119141号公報の実施例4に従って前面板[ポリアミドイミドフィルム、厚み40μm(T=0.04mm)、E=5700MPa]を作製した。
(円偏光板の準備)
基材フィルム(トリアセチルセルロースフィルム、製品名:KC2UAW、コニカミノルタ株式会社、厚み25μm)上に、配向膜形成用組成物を塗布した。塗膜を乾燥させた後、偏光UVを照射して、配向膜(厚み0.1μm)を形成した。配向膜上に、重合性液晶化合物および二色性色素を含む組成物を塗布した。重合性液晶化合物を配向し、硬化させて、偏光子層(厚み1.8μm)を形成した。偏光子層上に、オーバーコート層形成用組成物を塗布し、乾燥させて、オーバーコート層(厚み1μm)を形成した。
λ/4層(厚み2μm)とポジティブC層(厚み4μm)とが接着剤層(厚み2μm)により貼合された位相差板を準備した。λ/4板及びポジティブC層は、それぞれ重合性液晶化合物が硬化した層からなる。接着剤層は、紫外線硬化型接着剤から形成された層である。
オーバーコート層とλ/4層とを、粘着剤層P4(厚み5μm)により積層した。位相差板は、偏光子層の吸収軸とλ/4層の遅相軸とのなす角が45°になるように積層した。このようにして、基材フィルム、偏光子層、オーバーコート層、アクリル系粘着剤層、および位相差板からなる基材フィルム付き円偏光板[厚み41μm(T=0.041mm)、E=3100MPa]を作製した。
(積層体の作製)
円偏光板の基材フィルムと前面板のポリイミド系樹脂フィルムとを、粘着剤層P2[厚み25μm(T=0.025mm)]により積層した。
有機ELパネルの代用品としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)と、ポジティブC層とを、粘着剤層P1(厚み25μm)により積層し、積層体を作製した。
得られた積層体について繰返し屈曲耐久性試験及び打痕防止性の評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例2~8及び比較例1~6>
表1に示す前面板、粘着剤層及び円偏光板の基材フィルムを用いて、実施例1と同様の手順で積層体を作製した。結果を表1に示す。なお、実施例7及び8において用いたハードコート(HC)層付前面板(HC-PAI)は、以下のようにして作製した。
(HC-PAIの作製方法)
実施例1において前面板として用いたポリアミドイミドフィルムの一方の面に、下記HC層形成用組成物を硬化後の厚みが10μmになるように塗工した。得られた塗膜を温度80℃で5分間乾燥し、UV照射装置(SPOT CURE SP-7、ウシオ電機株式会社製)を用いて、露光量500mJ/cm(365nm基準)のUV光を照射してHC層を形成した。以上のようにして、HC層(厚み10μm)/PAI(厚み40μm)の層構成を有する前面板(HC-PAI)を得た。
(ハードコート(HC)層形成用組成物)
HC層形成用組成物は、多官能アクリレート(Miramer M340、Miwon Specialty Chemical製)30質量部と、ナノシリカゾルのプロピレングリコールモノメチルエーテル分散体(12nm、固形分40%)50質量部と、エチルアセテート17質量部と、光重合開始剤(Irgacure-184、Ciba Corporation製)2.7質量部と、フッ素系添加剤(KY1203、信越化学工業株式会社製)0.3質量部とを含む。
Figure 0007092900000001
10,103,500 積層体、11,30 前面板、12,42 粘着剤層、13,102 円偏光板、14,50 直線偏光板、15,70 位相差板、40,60 粘着シート、41,61 軽セパレータ、43,63 重セパレータ、51,71,75 基材フィルム、52 偏光子層、53 オーバーコート層、62 貼合層、72 第1位相差層、73 層間貼合層、74 第2位相差層、100 前面板積層体、101 偏光子層積層体、501,502 載置台。

Claims (7)

  1. 前面板と、粘着剤層と、円偏光板とをこの順に備えてなり、
    前記円偏光板は、重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層を含み、
    前記粘着剤層は、前記前面板と前記円偏光板とに直接接触して配置され、
    下記式(1)を満たす積層体。
    80<(A×B×C)/1000<380 (1)
    〔式中、
    Aは前記前面板の剛性[MPa・mm]、Bは前記粘着剤層の応力緩和性[MPa/mm]、及びCは前記円偏光板の剛性[MPa・mm]を表し、
    前記前面板の温度23℃、相対湿度55%における引張弾性率をE[MPa]、前記前面板の厚みをT[mm]、前記粘着剤層の温度25℃における貯蔵弾性率をG’[MPa]、前記粘着剤層の厚みをT[mm]、前記円偏光板の温度23℃、相対湿度55%における引張弾性率をE[MPa]、前記円偏光板の厚みをT[mm]とするとき、A、B及びCはそれぞれ下記式:
    A=E×T
    B=G’/T
    C=E×T
    に従って算出され、
    前記Bは、5MPa/mm以下であり、
    前記粘着剤層の温度25℃における貯蔵弾性率G’[MPa]は、粘弾性測定装置(MCR-301、Anton Paar社)を用いて、幅30mm×長さ30mmにした粘着剤層を厚みが150μmとなるように複数枚積層してガラス板に接合後、測定チップと接着した状態で-20℃~100℃の温度領域で周波数1.0Hz、変形量1%、昇温速度5℃/分の条件下にて測定され、
    前記円偏光板の温度23℃、相対湿度55%における引張弾性率E [MPa]は、3000MPa以上である。〕
  2. 前記Aは、290MPa・mm以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記Cは、380MPa・mm以下である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記円偏光板側にタッチセンサパネルをさらに有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記前面板は、ハードコート層と耐摩耗層とを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記積層体は、画像表示装置に備えられるものであり、
    前記前面板は、画像表示装置の最表面を構成するものであり、前記耐摩耗層は、前記ハードコート層上に形成されている、請求項5に記載の積層体。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体を備える、画像表示装置。
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