JP2021144208A - 積層シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、積層シートを表示パネルに貼合する際に、吸着力が低下しにくい積層シートを提供することを目的とする。【解決手段】第1保護フィルム、前面板、および偏光層がこの順に積層され、前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記前面板に積層されており、前記第1保護フィルムは、前記前面板から剥離可能であり、前記第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下である、積層シート。【選択図】図1
Description
本発明は、積層シートおよびその製造方法に関する。
前面板、および偏光層を備える積層シートは、偏光層側に形成された粘着剤層を介して表示パネルに貼合され、表示装置を構成する。積層シートが貼合されるまでの間、その表面が汚染されたり傷ついたりするのを防ぐため、粘着剤層上にはセパレートフィルムが積層され、前面板上には表面保護フィルムが積層される。積層シートを表示パネルに貼合するときは、まず表面保護フィルム側を吸着して積層シートを保持する。セパレートフィルムを剥がして粘着剤層を露出させ、その粘着剤層を介して積層体を表示パネルに貼合する。
前面板、偏光層を備える積層シートは、長尺状の積層体から所定形状の枚葉体へレーザーによりカットされて製造される。特に積層シートが、重合性液晶化合物が硬化した層を有する場合、レーザーによる裁断は、刃物による裁断に比べ、積層シートの端部に微小なクラック(例えば、その長さは200μm以下である。)を発生させにくい点で優れている。表示装置が屈曲可能である場合、積層シートの端部に微小なクラックが存在すると、屈曲時に、微小なクラックがきっかけとなって積層シートが破断する恐れがあるため、レーザーで裁断することが望ましい。
レーザーによる裁断を行うと、積層シート表面の外周縁部にバリ(burr)が発生することが明らかになった。このバリは、積層シートを表示パネルに貼合する際に、吸着力を減少させてしまい、積層シートが保持されないという問題を引き起こしてしまう。本発明は、積層シートを表示パネルに貼合する際に、吸着力が低下しにくい積層シートを提供することを目的とする。
[1] 第1保護フィルム、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記偏光層に積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記偏光層から剥離可能であり、
前記第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下である、積層シート。
[2] 第1保護フィルム、前面板、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記前面板に積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記前面板から剥離可能であり、
前記第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下である、積層シート。
[3] 前記バリの高さが0.1μm以上である、[1]または[2]に記載の積層シート。
[4] 前記偏光層は、重合性液晶化合物が硬化した層を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層シート。
[5] 第2保護フィルム、第1保護フィルム、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記偏光層に積層されており、
前記第2保護フィルムは、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有し、
前記第2保護フィルムは、当該第2粘着剤層を介して、前記第1保護フィルムに積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記偏光層から剥離可能であり、
前記第2保護フィルムは、前記第1保護フィルムから剥離可能である、積層体を準備する準備工程と、
レーザー光を前記偏光層側から積層体に照射することによって、前記積層体を所定の形状に裁断し、積層シートを得る裁断工程とを含む、積層シートの製造方法。
[6] 第2保護フィルム、第1保護フィルム、前面板、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記前面板に積層されており、
前記第2保護フィルムは、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有し、
前記第2保護フィルムは、当該第2粘着剤層を介して、前記第1保護フィルムに積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記前面板から剥離可能であり、
前記第2保護フィルムは、前記第1保護フィルムから剥離可能である、積層体を準備する準備工程と、
レーザー光を前記偏光層側から積層体に照射することによって、前記積層体を所定の形状に裁断し、積層シートを得る裁断工程とを含む、積層シートの製造方法。
[7] 前記裁断工程において、レーザー光の出力は50W以上200W以下である、[5]または[6]に記載の積層シートの製造方法。
[8] 前記裁断工程において、フルカットで前記積層体を所定の形状に裁断する、[5]〜[7]のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
[9] 前記第2樹脂フィルムの厚みは、40μm以上である、[5]〜[8]のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
[10] 前記偏光層は、重合性液晶化合物が硬化した層を有する、[5]〜[9]のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記偏光層に積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記偏光層から剥離可能であり、
前記第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下である、積層シート。
[2] 第1保護フィルム、前面板、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記前面板に積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記前面板から剥離可能であり、
前記第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下である、積層シート。
[3] 前記バリの高さが0.1μm以上である、[1]または[2]に記載の積層シート。
[4] 前記偏光層は、重合性液晶化合物が硬化した層を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層シート。
[5] 第2保護フィルム、第1保護フィルム、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記偏光層に積層されており、
前記第2保護フィルムは、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有し、
前記第2保護フィルムは、当該第2粘着剤層を介して、前記第1保護フィルムに積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記偏光層から剥離可能であり、
前記第2保護フィルムは、前記第1保護フィルムから剥離可能である、積層体を準備する準備工程と、
レーザー光を前記偏光層側から積層体に照射することによって、前記積層体を所定の形状に裁断し、積層シートを得る裁断工程とを含む、積層シートの製造方法。
[6] 第2保護フィルム、第1保護フィルム、前面板、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記前面板に積層されており、
前記第2保護フィルムは、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有し、
前記第2保護フィルムは、当該第2粘着剤層を介して、前記第1保護フィルムに積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記前面板から剥離可能であり、
前記第2保護フィルムは、前記第1保護フィルムから剥離可能である、積層体を準備する準備工程と、
レーザー光を前記偏光層側から積層体に照射することによって、前記積層体を所定の形状に裁断し、積層シートを得る裁断工程とを含む、積層シートの製造方法。
[7] 前記裁断工程において、レーザー光の出力は50W以上200W以下である、[5]または[6]に記載の積層シートの製造方法。
[8] 前記裁断工程において、フルカットで前記積層体を所定の形状に裁断する、[5]〜[7]のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
[9] 前記第2樹脂フィルムの厚みは、40μm以上である、[5]〜[8]のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
[10] 前記偏光層は、重合性液晶化合物が硬化した層を有する、[5]〜[9]のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
本発明によれば、積層シートを表示パネルに貼合する際に、吸着力が低下しにくい積層シートを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
<積層シート>
図1は、本発明の積層シートの一例を示す概略断面図である。図1に示す積層シート300は、第1保護フィルム100、前面板1、および偏光層2がこの順に積層されている。前面板1と偏光層2とは、貼合層3により貼合されている。偏光層2は、前面板1側から、直線偏光板20および位相差フィルム22を有する。第1保護フィルム100は、いわゆる表面保護フィルムに相当し、第1樹脂フィルム101の一方の面に第1粘着剤層102を有する。第1保護フィルム100は、第1粘着剤層102を介して、前面板1に積層されている。第1保護フィルム100は、前面板1から剥離可能であり、第1粘着剤層102は前面板1から剥離可能なように、その粘着力が調整されている。
図1は、本発明の積層シートの一例を示す概略断面図である。図1に示す積層シート300は、第1保護フィルム100、前面板1、および偏光層2がこの順に積層されている。前面板1と偏光層2とは、貼合層3により貼合されている。偏光層2は、前面板1側から、直線偏光板20および位相差フィルム22を有する。第1保護フィルム100は、いわゆる表面保護フィルムに相当し、第1樹脂フィルム101の一方の面に第1粘着剤層102を有する。第1保護フィルム100は、第1粘着剤層102を介して、前面板1に積層されている。第1保護フィルム100は、前面板1から剥離可能であり、第1粘着剤層102は前面板1から剥離可能なように、その粘着力が調整されている。
図4は、本発明の積層シートの一例を示す概略断面図である。図4に示す積層シート302は、第1保護フィルム100、および偏光層2がこの順に積層されている。偏光層2は、第1保護フィルム100側から、直線偏光板20および位相差フィルム22を有する。第1保護フィルム100は、いわゆる表面保護フィルムに相当し、第1樹脂フィルム101の一方の面に第1粘着剤層102を有する。第1保護フィルム100は、第1粘着剤層102を介して、偏光層2に積層されている。第1保護フィルム100は、偏光層2から剥離可能であり、第1粘着剤層102は偏光層2から剥離可能なように、その粘着力が調整されている。
積層シートは、偏光層における前面板側(または第1保護フィルム側)とは反対側に、第3粘着剤層および第3樹脂フィルムを備えることができる。図2、図5は、本発明の積層シートの一例を示す概略断面図である。図2に示す積層シート301は、第1保護フィルム100、前面板1、偏光層2、第3粘着剤層50、第3樹脂フィルム51がこの順に積層されている。前面板1と偏光層2とは、貼合層3により貼合されている。偏光層2は、前面板1側から、直線偏光板20および位相差フィルム22を有する。第3樹脂フィルム51は、いわゆるセパレートフィルムに相当することができ、第3粘着剤層50は、積層シートを表示パネルに貼合するための粘着剤層であることができる。第3樹脂フィルム51は、第3粘着剤層50から剥離可能であり、第3樹脂フィルム51は第3粘着剤層50から剥離可能なように、その表面が離型処理されることができる。
図5に示す積層シート303は、第1保護フィルム100、偏光層2、第3粘着剤層50、第3樹脂フィルム51がこの順に積層されている。偏光層2は、第1保護フィルム100側から、直線偏光板20および位相差フィルム22を有する。第3樹脂フィルム51は、いわゆるセパレートフィルムに相当することができ、第3粘着剤層50は、積層シートを表示パネルに貼合するための粘着剤層であることができる。第3樹脂フィルム51は、第3粘着剤層50から剥離可能であり、第3樹脂フィルム51は第3粘着剤層50から剥離可能なように、その表面が離型処理されることができる。
積層シートは、図1〜2、図4〜5に示した層以外の層を備えることができる。積層シートは、例えば、タッチセンサ層、前面板1と偏光層2との間に平面視で額縁状に形成される着色層、前面板1と偏光層2との間に配置される耐衝撃フィルム、および樹脂フィルム等を備えてもよい。
本発明の積層シートは、第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下である。バリは、積層シートのかどのエッジにおける、幾何学的形状の外側の残留物であり、機械加工または成形工程を経た後の積層シート上の残留物であることができる。具体的に、バリは、第1保護フィルムにおける第1粘着剤層側とは反対側の表面であって、その外周縁部に存在する、積層シートを構成する材料(特に第1保護フィルムの材料)が溶融し凝固した物であることができる。バリは、レーザー加工により生じたものであることができる。バリは、平面視において、第1保護フィルムの外周縁部全周の少なくとも一部に存在することができ、外周縁部の全周に存在していてもよい。
図1において、バリ40は、第1保護フィルム100における第1粘着剤層102側表面とは反対側の表面であって、平面視で、その外周縁部に存在する。バリの高さは、符号41で表される高さに当たる。
第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下であることにより、積層シートと吸着装置との間の隙間を小さくすることができる。そのため、積層シートを吸着する力が低下しにくくなるものと推定される。そのため、バリの高さは、2.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることがさらに好ましく、0.7μm以下であってもよい。
バリの高さの下限値は特に限定されないが、バリの高さは、0.01μm以上であることができ、0.1μm以上であることができ、0.3μm以上であってもよい。バリの高さが上記範囲であると、複数の積層シートが重なった積層シートの積層体から、その最上部の積層シートを取り出すときに、複数の積層シートを取り出してしまう不具合(多重取り)も防止しやすい。
バリの高さは、触針式膜厚計を用いて測定することができる。触針式膜厚計としては、例えばDEKTAK32(VEECO社製)が挙げられる。
積層シートは、第1保護フィルム側とは反対側の表面にも、バリを有することができる。具体的に、バリは、第3樹脂フィルムにおける第3粘着剤層側とは反対側の表面であって、その外周縁部に存在することができる。バリは、積層シートを構成する材料(特に第3樹脂フィルムの材料)が溶融し凝固した物であることができる。第1保護フィルム側とは反対側の表面に存在することができるバリの高さは0μm超100μm以下であることができ、第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さより大きくてもよい。
積層シートを構成する、前面板1と偏光層2とを備える積層フィルムは、少なくとも前面板1を内側にし、偏光層2を外側にした方向(いわゆるIn−folding方式)に屈曲可能であることが好ましい。屈曲可能とは、前面板1を内側にし、偏光層2を外側にした方向に、割れることなく屈曲させ得ることを意味する。
別の実施形態において、積層シートを構成する、偏光層2を備える積層フィルムは、少なくとも直線偏光板20を内側にし、位相差フィルム22を外側にした方向(いわゆるIn−folding方式)に屈曲可能であることが好ましい。屈曲可能とは、直線偏光板20を内側にし、位相差フィルム22を外側にした方向に、割れることなく屈曲させ得ることを意味する。
積層シートの面方向の形状は、例えば方形形状であってよく、好ましくは長辺と短辺とを有する方形形状であり、より好ましくは長方形である。積層シートの面方向の形状が長方形である場合、長辺の長さは、例えば10mm〜1400mmであってよく、好ましくは50mm〜600mmである。短辺の長さは、例えば5mm〜800mmであり、好ましくは30mm〜500mmであり、より好ましくは50mm〜300mmである。積層シートを構成する各層は、角部がR加工されたり、端部が切り欠き加工されたり、穴あき加工されたりしていてもよい。
積層シートの厚さは、積層シートに求められる機能及び積層シートの用途等に応じて異なるため特に限定されないが、例えば20μm〜1,000μmであり、好ましくは50μm〜500μmである。
[第1保護フィルム]
第1保護フィルムは、いわゆる表面保護フィルムに相当し、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有する。第1保護フィルムは、第1粘着剤層を介して、前面板に積層されている。通常、例えば表示パネルや他の光学部材に積層シートが貼合された後に、第1保護フィルムは、それが有する第1粘着剤層ごと剥離除去される。そのため、第1保護フィルムは、前面板から剥離可能であり、第1粘着剤層は前面板から剥離可能なように、その粘着力が調整されている。
第1保護フィルムは、いわゆる表面保護フィルムに相当し、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有する。第1保護フィルムは、第1粘着剤層を介して、前面板に積層されている。通常、例えば表示パネルや他の光学部材に積層シートが貼合された後に、第1保護フィルムは、それが有する第1粘着剤層ごと剥離除去される。そのため、第1保護フィルムは、前面板から剥離可能であり、第1粘着剤層は前面板から剥離可能なように、その粘着力が調整されている。
別の実施形態において、第1保護フィルムは、第1粘着剤層を介して、偏光層に積層されている。通常、例えば表示パネルや他の光学部材に積層シートが貼合された後に、第1保護フィルムは、それが有する第1粘着剤層ごと剥離除去される。そのため、第1保護フィルムは、偏光層から剥離可能であり、第1粘着剤層は偏光層から剥離可能なように、その粘着力が調整されている。
第1保護フィルムの厚みは、例えば30μm以上200μm以下であることができ、50μm以上150μm以下であることができる。第1保護フィルムの厚みとは、積層シートの(外周縁部ではなく)中央部の厚みをいう。
[第1樹脂フィルム]
第1樹脂フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。第1樹脂フィルムは、単層構造であってもよいし多層構造であってもよいが、製造容易性及び製造コスト等の観点から、好ましくは単層構造である。
第1樹脂フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。第1樹脂フィルムは、単層構造であってもよいし多層構造であってもよいが、製造容易性及び製造コスト等の観点から、好ましくは単層構造である。
第1樹脂フィルムの厚みは、例えば20μm以上200μm以下であることができ、30μm以上150μm以下であることができる。第1樹脂フィルムの厚みとは、積層シートの(外周縁部ではなく)中央部の厚みをいう。
[第1粘着剤層]
第1粘着剤層は、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好ましい。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。
第1粘着剤層は、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好ましい。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上をモノマーとする重合体又は共重合体が好ましく用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させてもよい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーが挙げられる。
粘着剤組成物は、架橋剤を含むことができる。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが挙げられる。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
粘着剤組成物は、光散乱性を付与するための微粒子、ビーズ(樹脂ビーズ、ガラスビーズ等)、ガラス繊維、ベースポリマー以外の樹脂、粘着性付与剤、充填剤(金属粉やその他の無機粉末等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、着色剤、消泡剤、腐食防止剤、光重合開始剤等の添加剤を含んでいてよい。
上記粘着剤組成物の有機溶剤希釈液を基材上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
第1粘着剤層の厚みは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。第1粘着剤層の厚みの上限値は、特に限定されないが、50μm以下であってもよいし、40μm以下であってもよい。
[前面板]
前面板1は、視認側から見て、表示装置の最表面を構成する層であることができる。前面板1は、光を透過可能な板状体であれば材料及び厚さは限定されることはなく、1層のみから構成されてよく、2層以上から構成されてもよい。その例としては、樹脂フィルム、ガラスフィルム等が挙げられる。前面板は、樹脂フィルムを有することが好ましい。前面板1は、樹脂フィルムとガラスフィルムとの積層体であってもよい。
前面板1は、視認側から見て、表示装置の最表面を構成する層であることができる。前面板1は、光を透過可能な板状体であれば材料及び厚さは限定されることはなく、1層のみから構成されてよく、2層以上から構成されてもよい。その例としては、樹脂フィルム、ガラスフィルム等が挙げられる。前面板は、樹脂フィルムを有することが好ましい。前面板1は、樹脂フィルムとガラスフィルムとの積層体であってもよい。
前面板1の厚さは、例えば30〜200μmであってよく、好ましくは50〜150μmであり、より好ましくは50〜100μmである。
前面板1が樹脂フィルムを有する場合、その材料としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート及びポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン及びポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース及びアセチルプロピオニルセルロース等のセルロース系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール及びポリビニルアセタール等のポリビニル系樹脂;ポリスルホン及びポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;ポリエーテルケトン及びポリエーテルエーテルケトン等のケトン系樹脂;ポリエーテルイミド;ポリカーボネート系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;及びポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらの高分子は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。中でも強度及び透明性向上の観点から、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、又はポリアミド系樹脂を用いることが好ましい。
樹脂フィルムの厚さは、例えば10〜100μmであってよく、好ましくは20〜70μmであり、より好ましくは30〜60μmである。
前面板1は、樹脂フィルムの少なくとも一方の面にハードコート層を設けて硬度をより向上させたフィルムであってもよい。ハードコート層は、樹脂フィルムの一方の面に形成されていても、両方の面に形成されていてもよい。ハードコート層を設けることにより、硬度及びスクラッチ性を向上させた前面板とすることができる。ハードコート層は、例えば紫外線硬化型樹脂の硬化層である。紫外線硬化型樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。ハードコート層は、硬度を向上させるために、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は限定されることはなく、無機系微粒子、有機系微粒子、又はこれらの混合物が挙げられる。
前記ハードコート層の視認側には、耐摩耗性を向上させたり、皮脂などによる汚染を防止したりするために、耐摩耗層が形成されていることが好ましい。前面板は、耐摩耗層を有することができ、耐摩耗層は、前面板の視認側表面を構成する層であることができる。耐摩耗層はフッ素化合物由来の構造を含む。フッ素化合物としてはケイ素原子を有し、ケイ素原子にアルコキシ基やハロゲンのような加水分解性の基を有する化合物が好ましい。加水分解性基が脱水縮合反応することにより塗膜を形成することができ、また基材表面の活性水素と反応することにより耐摩耗層の密着性を向上させることができる。さらにフッ素化合物は、パーフルオロアルキル基やパーフルオロポリエーテル構造を有すると撥水性を付与することができるので好ましい。特に好ましいのはパーフルオロポリエーテル構造と炭素数4以上の長鎖のアルキル基とを有する含フッ素ポリオルガノシロキサン化合物である。フッ素化合物としては2種類以上の化合物を用いることも好ましい。さらに含むことが好ましいフッ素化合物としては、炭素数2以上のアルキレン基、及びパーフルオロアルキレン基を含む含フッ素オルガノシロキサン化合物である。
耐摩耗層の厚さは、例えば1〜20nmである。また、耐摩耗層は撥水性を有しており、水接触角が例えば110〜125°程度である。滑落法で測定した接触角ヒステリシス及び滑落角は、それぞれ3〜20°程度、2〜55°程度である。更に、耐摩耗層は、本発明の効果を阻害しない範囲で、シラノール縮合触媒、酸化防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防カビ剤、抗菌剤、生物付着防止剤、消臭剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤等、各種の添加剤を含有していてもよい。
耐摩耗層とハードコート層との間にはプライマー層を設けてもよい。プライマー剤として、例えば紫外線硬化型、熱硬化型、湿気硬化型、あるいは2液硬化型のエポキシ系化合物等のプライマー剤がある。また、プライマー剤として、ポリアミック酸を用いてもよく、シランカップリング剤を用いることも好ましい。プライマー層の厚さは、例えば0.001〜2μmである。
耐摩耗層とハードコート層とを含む積層体を得る方法としては、ハードコート層の上に、必要に応じてプライマー剤を塗布、乾燥、硬化させてプライマー層を形成させた後、フッ素化合物を含む組成物(耐摩耗層コーティング用組成物)を塗布、乾燥することで形成できる。塗布する方法としては、例えばディップコート法、ロールコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビアコーター法などが挙げられる。また、プライマー剤、または、耐摩耗層コーティング用組成物を塗布する前に、塗布面をプラズマ処理、コロナ処理、又は紫外線処理等の親水化処理を施すことも好ましい。この積層体は前面板に直接積層することもできるし、別の透明基材の上に積層したものを接着剤や粘着剤を用いて前面板に貼合することもできる。
前面板1がガラスフィルムを有する場合、ガラスフィルムは、ディスプレイ用強化ガラスが好ましく用いられる。ガラスフィルムの厚さは、例えば10μm以上500μm以下であってよく、20μm以上100μm以下であってもよい。ガラスフィルムを用いることにより、優れた機械的強度及び表面硬度を有する前面板1を構成することができる。
積層シートが表示装置に用いられる場合、前面板1は、表示装置におけるウィンドウフィルムとしての機能を有していてもよい。前面板1は、さらにタッチセンサとしての機能、ブルーライトカット機能、視野角調整機能等を有するものであってもよい。
[偏光層]
偏光層は、前面板に近い側から、直線偏光板および位相差フィルムを有することができる。偏光層は、円偏光板(楕円偏光板を含む)であってよい。円偏光板は、表示装置中で反射された外光を吸収することができるため、積層シートに反射防止フィルムとしての機能を付与することができる。偏光層は、重合性液晶化合物が硬化した層を有することが好ましい。本発明によれば、重合性液晶化合物が硬化した層を有しながらも、バリの高さを小さくし、屈曲性を向上させることができる。
偏光層は、前面板に近い側から、直線偏光板および位相差フィルムを有することができる。偏光層は、円偏光板(楕円偏光板を含む)であってよい。円偏光板は、表示装置中で反射された外光を吸収することができるため、積層シートに反射防止フィルムとしての機能を付与することができる。偏光層は、重合性液晶化合物が硬化した層を有することが好ましい。本発明によれば、重合性液晶化合物が硬化した層を有しながらも、バリの高さを小さくし、屈曲性を向上させることができる。
[直線偏光板]
直線偏光板は、自然光等の非偏光な光線からなる一方向の直線偏光を選択的に透過させる機能を有する。直線偏光板は、二色性色素を吸着させた延伸フィルム又は延伸層、重合性液晶化合物の硬化物及び二色性色素を含み、重合性液晶化合物が硬化した層中に二色性色素が分散し、配向している液晶層等を偏光子として備えることができる。液晶層を偏光子として用いた直線偏光板は、二色性色素を吸着させた延伸フィルム又は延伸層に比べて、屈曲方向に制限がないため好ましい。
直線偏光板は、自然光等の非偏光な光線からなる一方向の直線偏光を選択的に透過させる機能を有する。直線偏光板は、二色性色素を吸着させた延伸フィルム又は延伸層、重合性液晶化合物の硬化物及び二色性色素を含み、重合性液晶化合物が硬化した層中に二色性色素が分散し、配向している液晶層等を偏光子として備えることができる。液晶層を偏光子として用いた直線偏光板は、二色性色素を吸着させた延伸フィルム又は延伸層に比べて、屈曲方向に制限がないため好ましい。
(二色性色素を吸着させた延伸フィルム又は延伸層である偏光子)
二色性色素を吸着させた延伸フィルムである偏光子は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをヨウ素等の二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。
二色性色素を吸着させた延伸フィルムである偏光子は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをヨウ素等の二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。
偏光子の厚みは、通常30μm以下であり、好ましくは18μm以下、より好ましくは15μm以下である。偏光子の厚みを薄くすることは、積層シートの薄膜化に有利である。偏光子の厚みは、通常1μm以上であり、例えば5μm以上であってよい。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体が用いられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば不飽和カルボン酸系化合物、オレフィン系化合物、ビニルエーテル系化合物、不飽和スルホン系化合物、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド系化合物が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上100モル%以下程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等も使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000以上10000以下であり、好ましくは1500以上5000以下である。
二色性色素を吸着させた延伸層である偏光子は、通常、上記ポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を基材フィルム上に塗布する工程、得られた積層フィルムを一軸延伸する工程、一軸延伸された積層フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させて偏光子とする工程、二色性色素が吸着されたフィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。偏光子を形成するために用いる基材フィルムは、偏光子の保護層として用いてもよい。必要に応じて、基材フィルムを偏光子から剥離除去してもよい。基材フィルムの材料及び厚みは、後述する樹脂フィルムの材料及び厚みと同様であってよい。
二色性色素を吸着させた延伸フィルム又は延伸層である偏光子は、そのまま直線偏光板として用いてよく、その片面又は両面に樹脂フィルムを貼合して直線偏光板として用いてもよい。直線偏光板の厚みは、好ましくは2μm以上40μm以下である。
樹脂フィルムは、例えばシクロポリオレフィン系樹脂フィルム;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等の樹脂からなる酢酸セルロース系樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂からなるポリエステル系樹脂フィルム;ポリカーボネート系樹脂フィルム;(メタ)アクリル系樹脂フィルム;ポリプロピレン系樹脂フィルム等、当分野において公知のフィルムを挙げることができる。偏光子と保護層とは、後述する貼合層を介して積層することができる。
樹脂フィルムの厚みは、例えば100μm以下であり、好ましくは80μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下であり、なおさらに好ましくは30μm以下であり、また、通常10μm以上であり、レーザーの吸収率を高める観点から、好ましくは15μm以上である。
樹脂フィルム上にハードコート層が形成されていてもよい。ハードコート層は、樹脂フィルムの一方の面に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。ハードコート層を設けることにより、硬度及びスクラッチ性を向上させた熱可塑性樹脂フィルムとすることができる。ハードコート層は、上述の樹脂フィルムに形成されるハードコート層と同様にして形成することができる。
(液晶層である偏光子)
液晶層を形成するために用いる重合性液晶化合物は、重合性反応基を有し、かつ、液晶性を示す化合物である。重合性反応基は、重合反応に関与する基であり、光重合性反応基であることが好ましい。光重合性反応基は、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基をいう。光重合性官能基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物の種類は特に限定されず、棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物、及びこれらの混合物を用いることができる。重合性液晶化合物の液晶性は、液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック性液晶でもよく、相秩序構造としてはネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
液晶層を形成するために用いる重合性液晶化合物は、重合性反応基を有し、かつ、液晶性を示す化合物である。重合性反応基は、重合反応に関与する基であり、光重合性反応基であることが好ましい。光重合性反応基は、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基をいう。光重合性官能基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物の種類は特に限定されず、棒状液晶化合物、円盤状液晶化合物、及びこれらの混合物を用いることができる。重合性液晶化合物の液晶性は、液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック性液晶でもよく、相秩序構造としてはネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
液晶層である偏光子に用いられる二色性色素としては、300〜700nmの範囲に吸収極大波長(λMAX)を有するものが好ましい。このような二色性色素としては、例えば、アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタレン色素、アゾ色素、及びアントラキノン色素等が挙げられるが、中でもアゾ色素が好ましい。アゾ色素としては、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、及びスチルベンアゾ色素等が挙げられ、好ましくはビスアゾ色素、及びトリスアゾ色素である。二色性色素は単独でも、2種以上を組み合わせてもよいが、3種以上を組み合わせることが好ましい。特に、3種以上のアゾ化合物を組み合わせることがより好ましい。二色性色素の一部が反応性基を有していてもよく、また液晶性を有していてもよい。
液晶層である偏光子は、例えば基材フィルム上に形成した配向膜上に、重合性液晶化合物及び二色性色素を含む偏光子形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を重合して硬化させることによって形成することができる。偏光子を形成するために用いる基材フィルムは、偏光子の保護層として用いてもよい。基材フィルムの材料及び厚みは、上述した樹脂フィルムの材料及び厚みと同様であってよい。
重合性液晶化合物及び二色性色素を含む偏光子形成用組成物、及びこの組成物を用いた偏光子の製造方法としては、特開2013−37353号公報、特開2013−33249号公報、特開2017−83843号公報等に記載のものを例示することができる。偏光子形成用組成物は、重合性液晶化合物及び二色性色素に加えて、溶媒、重合開始剤、架橋剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、増感剤等の添加剤をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、それぞれ1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
偏光子形成用組成物が含有していてもよい重合開始剤は、重合性液晶化合物の重合反応を開始し得る化合物であり、より低温条件下で、重合反応を開始できる点で、光重合性開始剤が好ましい。具体的には、光の作用により活性ラジカル又は酸を発生できる光重合開始剤が挙げられ、中でも、光の作用によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の総量100重量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは3質量部以上8質量部以下である。この範囲内であると、重合性基の反応が十分に進行し、かつ、液晶化合物の配向状態を安定化させやすい。
重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の総量100重量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは3質量部以上8質量部以下である。この範囲内であると、重合性基の反応が十分に進行し、かつ、液晶化合物の配向状態を安定化させやすい。
液晶層である偏光子の厚みは、通常10μm以下であり、好ましくは0.5μm以上8μm以下であり、より好ましくは1μm以上5μm以下である。
液晶層である偏光子は、基材フィルムを剥離除去せずに直線偏光板として用いてもよく、基材フィルムを偏光子から剥離除去して直線偏光板としてもよい。液晶層である偏光子は、その片面又は両面に保護層を形成して直線偏光板として用いてもよい。保護層としては、上述の樹脂フィルムを用いることができる。
液晶層である偏光子は、偏光子の保護等を目的として、偏光子の片面又は両面にオーバーコート層を有していてもよい。オーバーコート層は、例えば偏光子上にオーバーコート層を形成するための材料(組成物)を塗布することによって形成することができる。オーバーコート層を構成する材料としては、例えば光硬化性樹脂、水溶性ポリマー等が挙げられる。オーバーコート層を構成する材料としては、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を用いることができる。
[位相差フィルム]
偏光層に含まれる位相差フィルムは、1層の位相差層からなってもよく、2層以上の位相差層の積層体であってもよい。位相差フィルムは、重合性液晶化合物が硬化した層を含む位相差層を備えることが好ましい。位相差フィルムが2層の位相差層の積層体である場合、いずれの位相差層も重合性液晶化合物が硬化した層を含む位相差層であることが好ましい。位相差フィルムは、偏光子の前面板側(または第1保護フィルム側)とは反対側に積層されている。位相差フィルムは、その表面を保護するオーバーコート層、位相差フィルムを支持する基材フィルム等を有していてもよい。
偏光層に含まれる位相差フィルムは、1層の位相差層からなってもよく、2層以上の位相差層の積層体であってもよい。位相差フィルムは、重合性液晶化合物が硬化した層を含む位相差層を備えることが好ましい。位相差フィルムが2層の位相差層の積層体である場合、いずれの位相差層も重合性液晶化合物が硬化した層を含む位相差層であることが好ましい。位相差フィルムは、偏光子の前面板側(または第1保護フィルム側)とは反対側に積層されている。位相差フィルムは、その表面を保護するオーバーコート層、位相差フィルムを支持する基材フィルム等を有していてもよい。
位相差フィルムは、位相差層としてλ/4層を備えることが好ましく、さらにλ/2層又はポジティブC層の少なくともいずれかを備えていてもよい。位相差層は、配向膜を有していてもよい。位相差フィルムがλ/2層である位相差層を有する場合、偏光子側から順にλ/2層及びλ/4層を積層することができる。位相差フィルムがポジティブC層である位相差層を含む場合、偏光子側から順にλ/4層及びポジティブC層を積層してもよく、偏光子側から順にポジティブC層及びλ/4層を積層してもよい。
位相差層の厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは0.5μm以上8μm以下であり、より好ましくは1μm以上6μm以下である。
位相差層は、保護層の材料として例示した樹脂フィルムから形成してもよいし、重合性液晶化合物が硬化した層から形成してもよい。位相差層は、さらに配向膜を含んでもよい。位相差フィルムは、λ/4層と、λ/2層及びポジティブC層とを貼合するための貼合層を有していてもよい。貼合層は、後述のとおり、接着剤層や粘着剤層から形成されることができる。
重合性液晶化合物を硬化して位相差層を形成する場合、位相差層は、重合性液晶化合物を含む組成物を基材フィルムに塗布し硬化させることにより形成することができる。基材フィルムと塗布層との間に配向膜を形成してもよい。基材フィルムの材料及び厚みは、上記樹脂フィルムの材料及び厚みと同じであってよい。重合性液晶化合物を硬化してなる層から位相差層を形成する場合、位相差層は、配向膜及び基材フィルムを有する形態で積層シートに組み込まれてもよい。位相差層は、貼合層を介して直線偏光板と貼合することができる。
[タッチセンサ層]
タッチセンサ層は、少なくとも透明導電層を有し、さらに樹脂フィルムを有することができる。タッチセンサ層は、前面板側(または第1保護フィルム側)から順に、透明導電層、及び樹脂フィルムを備えることができる。タッチセンサ層は、前面板側(または第1保護フィルム側)から順に、樹脂フィルム、及び透明導電層を備えることもできる。タッチセンサ層は、樹脂フィルムを有さなくてもよい。タッチセンサ層は、透明導電層、樹脂フィルム以外に、分離層、貼合層、保護層を備えることができる。
タッチセンサ層は、少なくとも透明導電層を有し、さらに樹脂フィルムを有することができる。タッチセンサ層は、前面板側(または第1保護フィルム側)から順に、透明導電層、及び樹脂フィルムを備えることができる。タッチセンサ層は、前面板側(または第1保護フィルム側)から順に、樹脂フィルム、及び透明導電層を備えることもできる。タッチセンサ層は、樹脂フィルムを有さなくてもよい。タッチセンサ層は、透明導電層、樹脂フィルム以外に、分離層、貼合層、保護層を備えることができる。
タッチセンサ層としては、表示装置の表面でタッチされた位置を検出可能なセンサであり、透明導電層を有する構成であれば、検出方式は限定されることはない。タッチセンサ層の検出方式としては、抵抗膜方式、静電容量方式、光センサ方式、超音波方式、電磁誘導結合方式、表面弾性波方式等が挙げられる。中でも低コスト、早い反応速度、薄膜化の面で、静電容量方式のタッチセンサ層が好ましく用いられる。
透明導電層は、ITO等の金属酸化物からなる透明導電層であってもよく、アルミニウムや銅、銀、金、又はこれらの合金等の金属からなる金属層であってもよい。
分離層は、ガラス等の基板上に形成されて、分離層上に形成された透明導電層を分離層とともに、基板から分離するための層であることができる。分離層は、無機物層又は有機物層であることが好ましい。無機物層を形成する材料としては、例えばシリコン酸化物が挙げられる。有機物層を形成する材料としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物、ポリイミド系樹脂組成物等を用いることができる。
[第3粘着剤層]
第3粘着剤層は、積層シートを表示パネル等に貼合するための粘着剤層であることができる。第3粘着剤層は、第1粘着剤層と同様の粘着剤組成物で構成することができる。
第3粘着剤層の厚みは、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。第1粘着剤層の厚みの上限値は、特に限定されないが、50μm以下であってもよいし、40μm以下であってもよい。
第3粘着剤層は、積層シートを表示パネル等に貼合するための粘着剤層であることができる。第3粘着剤層は、第1粘着剤層と同様の粘着剤組成物で構成することができる。
第3粘着剤層の厚みは、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。第1粘着剤層の厚みの上限値は、特に限定されないが、50μm以下であってもよいし、40μm以下であってもよい。
[第3樹脂フィルム]
第3樹脂フィルムは、第3粘着剤層を表示パネルや他の光学部材に貼合するまでその表面を保護するために仮着されるフィルムである。第3樹脂フィルムは、いわゆるセパレートフィルムであることができる。第3樹脂フィルムは通常、片面にシリコーン系、フッ素系等の離型剤などによる離型処理が施された樹脂フィルムで構成され、その離型処理面が第3粘着剤層に貼り合わされる。
第3樹脂フィルムは、第3粘着剤層を表示パネルや他の光学部材に貼合するまでその表面を保護するために仮着されるフィルムである。第3樹脂フィルムは、いわゆるセパレートフィルムであることができる。第3樹脂フィルムは通常、片面にシリコーン系、フッ素系等の離型剤などによる離型処理が施された樹脂フィルムで構成され、その離型処理面が第3粘着剤層に貼り合わされる。
第3樹脂フィルムを構成する樹脂としては、第1樹脂フィルムを構成する樹脂と同様の樹脂が挙げられる。第3樹脂フィルムを構成する樹脂は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂であることが好ましい。第3樹脂フィルムは、単層構造であってもよいし多層構造であってもよいが、製造容易性及び製造コスト等の観点から、好ましくは単層構造である。第3樹脂フィルムの厚みは、例えば20μm以上100μm以下であることができ、30μm以上80μm以下であることができる。
[貼合層]
貼合層は、各層を貼合するための層であることができ、粘着剤又は接着剤から構成される層であることができる。各貼合層は、同じ材料からなるものであっても、異なる材料からなるものであってもよい。位相差フィルムが複数の位相差層を有する場合、位相差層は互いに接着剤層で貼合されてもよいし、粘着剤層で貼合されてもよい。直線偏光板と位相差フィルムとは、粘着剤層で貼合されることが好ましい。
貼合層は、各層を貼合するための層であることができ、粘着剤又は接着剤から構成される層であることができる。各貼合層は、同じ材料からなるものであっても、異なる材料からなるものであってもよい。位相差フィルムが複数の位相差層を有する場合、位相差層は互いに接着剤層で貼合されてもよいし、粘着剤層で貼合されてもよい。直線偏光板と位相差フィルムとは、粘着剤層で貼合されることが好ましい。
貼合層を構成する粘着剤層としては、上述の第1粘着剤層または第3粘着剤層と同様の粘着剤層を用いることができる。
接着剤としては、例えば水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤等のうち1種又は2種以上を組み合わせて形成することができる。水系接着剤としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等を挙げることができる。活性エネルギー線硬化型接着剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化する接着剤であり、例えば重合性化合物及び光重合性開始剤を含む接着剤、光反応性樹脂を含む接着剤、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む接着剤等を挙げることができる。上記重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマー等の光重合性モノマー、及びこれらモノマーに由来するオリゴマー等を挙げることができる。上記光重合開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線を照射して中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルといった活性種を発生する物質を含む化合物を挙げることができる。
貼合層が粘着剤層である場合、粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm以上30μm以下であり、より好ましくは2μm以上20μmであり、3μm以上10μm以下である。貼合層が接着剤層である場合、接着剤層の厚みは、好ましくは、0.01μm以上5μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上3μm以下である。
<積層シートの製造方法>
積層シートの製造方法は、積層体を準備する準備工程と、積層体から積層シートを得る裁断工程とを含む。積層シートの製造方法は、第2保護フィルムを剥離する剥離工程を備えてもよい。
積層シートの製造方法は、積層体を準備する準備工程と、積層体から積層シートを得る裁断工程とを含む。積層シートの製造方法は、第2保護フィルムを剥離する剥離工程を備えてもよい。
準備工程で用意する積層体は、第2保護フィルム、第1保護フィルム、前面板、および偏光層がこの順に積層されたものである。第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、第1保護フィルムは、第1粘着剤層を介して、前面板に積層されている。第2保護フィルムは、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有し、第2保護フィルムは、第2粘着剤層を介して、第1保護フィルムに積層されている。第1保護フィルムは、前面板から剥離可能であり、第2保護フィルムは、第1保護フィルムから剥離可能である。積層体は、積層シートが備えてもよい層(第3粘着剤層、第3樹脂フィルム、タッチセンサ層、着色層、耐衝撃フィルム、樹脂フィルム等)を有することができる。積層体は、長尺状であってもよいし、所定の大きさの枚葉体であってもよい。第1保護フィルム、前面板、および偏光層は、上で述べたものを用いることができる。
別の実施形態において、準備工程で用意する積層体は、第2保護フィルム、第1保護フィルム、および偏光層がこの順に積層されたものである。第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、第1保護フィルムは、第1粘着剤層を介して、偏光層に積層されている。第2保護フィルムは、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有し、第2保護フィルムは、第2粘着剤層を介して、第1保護フィルムに積層されている。第1保護フィルムは、偏光層から剥離可能であり、第2保護フィルムは、第1保護フィルムから剥離可能である。積層体は、積層シートが備えてもよい層(第3粘着剤層、第3樹脂フィルム、タッチセンサ層、着色層、耐衝撃フィルム、樹脂フィルム等)を有することができる。積層体は、長尺状であってもよいし、所定の大きさの枚葉体であってもよい。第1保護フィルム、および偏光層は、上で述べたものを用いることができる。
図3に示す積層体400は、第2保護フィルム200、第1保護フィルム100、前面板1、および偏光層2がこの順に積層されている。第1保護フィルム100は、第1樹脂フィルム101の一方の面に第1粘着剤層102を有する。第1保護フィルム100は、第1粘着剤層102を介して、前面板1に積層されている。第2保護フィルム200は、第2樹脂フィルム201の一方の面に第2粘着剤層202を有する。第2保護フィルム200は、第2粘着剤層202を介して、第1保護フィルム100に積層されている。第1保護フィルム100は、前面板1から剥離可能であり、第2保護フィルム200は、第1保護フィルム100から剥離可能である。
[第2保護フィルム]
第2保護フィルムは、いわゆる表面保護フィルムに相当し、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有する。第2保護フィルムは、第2粘着剤層を介して、第1保護フィルムに積層されている。積層体から積層シートを得る裁断工程を終えた後に、第2保護フィルムは、それが有する第2粘着剤層ごと剥離除去される。そのため、第2保護フィルムは、第1保護フィルムから剥離可能であり、第2粘着剤層は第1保護フィルムから剥離可能なように、その粘着力が調整されている。
第2保護フィルムは、いわゆる表面保護フィルムに相当し、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有する。第2保護フィルムは、第2粘着剤層を介して、第1保護フィルムに積層されている。積層体から積層シートを得る裁断工程を終えた後に、第2保護フィルムは、それが有する第2粘着剤層ごと剥離除去される。そのため、第2保護フィルムは、第1保護フィルムから剥離可能であり、第2粘着剤層は第1保護フィルムから剥離可能なように、その粘着力が調整されている。
第2保護フィルムの第1保護フィルムに対する密着力は、第1保護フィルムの前面板に対する密着力よりも小さいことが好ましい。別の実施形態において、第2保護フィルムの第1保護フィルムに対する密着力は、第1保護フィルムの偏光層に対する密着力よりも小さいことが好ましい。第2保護フィルムを剥離するときに、意図せず第1保護フィルムを剥離してしまう不具合が起きにくい。
第2保護フィルムの厚みは、例えば30μm以上200μm以下であることができ、40μm以上150μm以下であることができる。
[第2樹脂フィルム]
第2樹脂フィルムを構成する樹脂としては、第1樹脂フィルムを構成する樹脂と同様の樹脂が挙げられる。第2樹脂フィルムを構成する樹脂は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂であることが好ましい。第2樹脂フィルムは、単層構造であってもよいし多層構造であってもよいが、製造容易性及び製造コスト等の観点から、好ましくは単層構造である。第2樹脂フィルムの厚みは、例えば20μm以上100μm以下であることができ、30μm以上80μm以下であることができ、40μm以上であってもよい。
第2樹脂フィルムを構成する樹脂としては、第1樹脂フィルムを構成する樹脂と同様の樹脂が挙げられる。第2樹脂フィルムを構成する樹脂は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂であることが好ましい。第2樹脂フィルムは、単層構造であってもよいし多層構造であってもよいが、製造容易性及び製造コスト等の観点から、好ましくは単層構造である。第2樹脂フィルムの厚みは、例えば20μm以上100μm以下であることができ、30μm以上80μm以下であることができ、40μm以上であってもよい。
[第2粘着剤層]
第2粘着剤層は、第1粘着剤層と同様の粘着剤組成物で構成することができる。第2粘着剤層の厚みは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。第1粘着剤層の厚みの上限値は、特に限定されないが、50μm以下であってもよいし、40μm以下であってもよい。
第2粘着剤層は、第1粘着剤層と同様の粘着剤組成物で構成することができる。第2粘着剤層の厚みは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。第1粘着剤層の厚みの上限値は、特に限定されないが、50μm以下であってもよいし、40μm以下であってもよい。
積層体は、各層を互いに積層することにより作製され、各層を積層する順序は特に限定されない。積層体は、例えば、前面板と偏光層とを積層する工程、前面板に第1保護フィルムを積層する工程、および第1保護フィルムに第2保護フィルムを積層する工程を含む製造方法により、得られる。別の実施形態において、積層体は、例えば、偏光層に第1保護フィルムを積層する工程、および第1保護フィルムに第2保護フィルムを積層する工程を含む製造方法により、得られる。
積層体から積層シートを得る裁断工程は、レーザー光を偏光層側から(反視認側から)積層体に照射することによって、積層体を所定の形状に裁断することで行われる。すなわち、レーザー光の出射側の表面は、第2保護フィルムにより構成される。積層体が第2保護フィルムを備えることで、第1保護フィルムは、積層体の最表面を構成する層ではなく、積層体の内部に存在する層となる。レーザー光の出射側表面の外周縁部には、積層体の内部に存在する層の外周縁部に比べて相対的に大きなバリが形成されやすい。そのため、積層体が第2保護フィルムを備えることで、第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さを6.0μm以下にしやすい。
レーザーには、例えば200nm〜11μmの範囲に含まれる波長の光を放射するレーザーが用いられる。レーザーは、連続波(CW)レーザーであってもよいし、パルスレーザーであってもよい。レーザーの種類としては、CO2レーザー等の気体レーザー、YAGレーザー等の固体レーザー、半導体レーザーが挙げられる。積層シートの吸収域に適合させやすいことから、CO2レーザーが好ましい。
第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さは、レーザーの出力が大きいと、小さくなりやすい。レーザーの出力は、CO2レーザーを用いる場合、好ましくは50W以上であり、より好ましくは60W以上であり、さらに好ましくは100W以上である。レーザーの出力の上限値は特に限定されないが、例えば200W以下とすることができる。
同様の観点から、単位長さの走査で照射されるレーザー光のエネルギー(以下、照射エネルギーということがある。)は、100mJ/mm以上であることが好ましく、200mJ/mm以上であることがより好ましく、250mJ/mm以上であることがさらに好ましい。照射エネルギーの上限値は特に限定されないが、例えば1000mJ/mm以下であり、500mJ/mm以下であってもよい。
レーザー光が積層体表面を移動する速度(以下、移動速度ということがある。)は、好ましくは50mm/秒以上2000mm/秒以下、より好ましくは100mm/秒以上1000mm/秒以下であり、さらに好ましくは150mm/秒以上700mm/秒以下であり、300mm/秒以上であってもよい。
レーザー光をレンズにより集光する場合、レーザー光の焦点は、積層体の偏光層側の表面に合わせてもよいし、第2保護フィルム側の表面に合わせてもよいし、積層体の内部に合わせてもよい。レーザー光のスポットサイズは、5μm以上100μm以下とすることができ、10μm以上70μm以下とすることができる。レンズの焦点深度(depth of Focus、DOF)は、10μm以上500μm以下とすることができ、100μm以上300μm以下とすることができる。
裁断工程は、フルカットで行ってもよいし、一旦ハーフカットで積層体を裁断しない深さまで切り込みを入れて、再度、1回または複数回レーザー光を照射して、完全に積層体を裁断してもよい。フルカットとは、積層方向にわたる全ての層を1回のレーザー光照射で裁断することを意味する。裁断工程をフルカットで行うことが、第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さを小さくする観点から望ましい。
積層シートの製造方法は、第2保護フィルムを剥離する剥離工程を備えてもよい。第2保護フィルムを剥離することで、第1保護フィルム、前面板、および偏光層がこの順に積層された積層シートを得ることができる。別の実施形態において、第2保護フィルムを剥離することで、第1保護フィルム、および偏光層がこの順に積層された積層シートを得ることができる。
<表示装置>
表示装置は、第1保護フィルムを吸着して積層シートを保持し、第3樹脂フィルムを剥がして粘着剤層を露出させ、その粘着剤層を介して積層体をパネルに貼合することで得られる。積層シートは、可撓性を有する表示パネルの表示面に適用する用途に特に好ましい。表示パネルは、視認側表面を内側にして折り畳み可能に構成されたものであってもよく、巻回可能に構成されたものであってもよい。表示パネルの具体例としては、液晶表示素子、有機EL表示素子、無機EL表示素子、プラズマ表示素子、電界放射型表示素子が挙げられる。
表示装置は、第1保護フィルムを吸着して積層シートを保持し、第3樹脂フィルムを剥がして粘着剤層を露出させ、その粘着剤層を介して積層体をパネルに貼合することで得られる。積層シートは、可撓性を有する表示パネルの表示面に適用する用途に特に好ましい。表示パネルは、視認側表面を内側にして折り畳み可能に構成されたものであってもよく、巻回可能に構成されたものであってもよい。表示パネルの具体例としては、液晶表示素子、有機EL表示素子、無機EL表示素子、プラズマ表示素子、電界放射型表示素子が挙げられる。
表示装置は、スマートフォン、タブレット等のモバイル機器、テレビ、デジタルフォトフレーム、電子看板、測定器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器等として用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例中、物質を配合する割合の単位「部」は、特に断らない限り、重量基準である。
[バリの高さの測定]
触針式膜厚計(DEKTAK32、VEECO社製)を用いて測定した。積層シートの端辺に沿った60mmの範囲に含まれる11カ所で、バリの高さを測定し、その平均を求めた。同じ操作を5回繰り返し、その平均をバリの高さとした。
触針式膜厚計(DEKTAK32、VEECO社製)を用いて測定した。積層シートの端辺に沿った60mmの範囲に含まれる11カ所で、バリの高さを測定し、その平均を求めた。同じ操作を5回繰り返し、その平均をバリの高さとした。
[第1保護フィルム]
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み125μm)の一方の面に、アクリル系粘着剤層(厚み10μm)が形成された表面保護フィルムを準備した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み125μm)の一方の面に、アクリル系粘着剤層(厚み10μm)が形成された表面保護フィルムを準備した。
[第2保護フィルム]
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み50μm)の一方の面に、アクリル系粘着剤層(厚み6μm)が形成された表面保護フィルムを準備した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み50μm)の一方の面に、アクリル系粘着剤層(厚み6μm)が形成された表面保護フィルムを準備した。
[第3樹脂フィルム]
離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムであるセパレートフィルムを準備した。
離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムであるセパレートフィルムを準備した。
[前面板]
前面板として、ポリイミド(PI)フィルムの一方の表面にハードコート層が形成されたものを用いた。ポリイミドフィルムの厚みは50μmであり、ハードコート層の厚みは10μmであった。
前面板として、ポリイミド(PI)フィルムの一方の表面にハードコート層が形成されたものを用いた。ポリイミドフィルムの厚みは50μmであり、ハードコート層の厚みは10μmであった。
[円偏光板]
トリアセチルセルロース(TAC)フィルムの一方の表面に配向膜を形成した。配向膜上に、重合性液晶化合物および二色性色素を有する組成物を塗布した。塗膜を配向、硬化させて偏光子を得た。偏光子上に、紫外線硬化性樹脂を塗布した。塗膜を硬化させてオーバーコート層を形成した。このようにして、直線偏光板を得た。TACフィルムの厚みは25μmであり、偏光子の厚みは2.5μmであり、オーバーコート層の厚みは1.0μmであった。偏光子は、重合性液晶化合物が硬化した層中に二色性色素が分散し、配向したものであった。
トリアセチルセルロース(TAC)フィルムの一方の表面に配向膜を形成した。配向膜上に、重合性液晶化合物および二色性色素を有する組成物を塗布した。塗膜を配向、硬化させて偏光子を得た。偏光子上に、紫外線硬化性樹脂を塗布した。塗膜を硬化させてオーバーコート層を形成した。このようにして、直線偏光板を得た。TACフィルムの厚みは25μmであり、偏光子の厚みは2.5μmであり、オーバーコート層の厚みは1.0μmであった。偏光子は、重合性液晶化合物が硬化した層中に二色性色素が分散し、配向したものであった。
位相差層として、重合性液晶化合物が硬化した層を有するλ/4層、および重合性液晶化合物が硬化した層を有するポジティブC層を用意した。両者を、紫外線硬化型接着剤により貼合し、位相差フィルムを作製した。
直線偏光板と位相差フィルムとを、アクリル系粘着剤層により貼合し、円偏光板を得た。位相差フィルムは、直線偏光板のオーバーコート層側に積層した。偏光子の吸収軸と、λ/4層の遅相軸とのなす角度は45°であった。
[実施例1〜4、比較例2]
前面板、および円偏光板を、アクリル系粘着剤層を介して、互いに積層した。このアクリル系粘着剤層の厚みは25μmであった。前面板は、円偏光板のTACフィルム側に積層した。円偏光板が備える位相差フィルムに、アクリル系粘着剤層を積層し、さらに第3樹脂フィルムを積層した。
前面板、および円偏光板を、アクリル系粘着剤層を介して、互いに積層した。このアクリル系粘着剤層の厚みは25μmであった。前面板は、円偏光板のTACフィルム側に積層した。円偏光板が備える位相差フィルムに、アクリル系粘着剤層を積層し、さらに第3樹脂フィルムを積層した。
第1保護フィルムが備える粘着剤層を介して、前面板に第1保護フィルムを積層した。第2保護フィルムが備える粘着剤層を介して、第1保護フィルムに第2保護フィルムを積層した。このようにして、第2保護フィルム、第1保護フィルム、前面板、円偏光板、第3粘着剤層、および第3樹脂フィルムがこの順に積層された積層体を作製した。第1保護フィルムは、前面板から剥離可能であり、第2保護フィルムは、前記第1保護フィルムから剥離可能であった。
表1に示す条件でレーザー光を積層体に照射することによって、積層体を所定の形状(縦20mm×横100mm)に裁断し、積層シートを得た。第2保護フィルムを剥離し、第1保護フィルムの外周縁部において、バリの高さを測定した。結果を表1に示す。
[実施例5〜6]
円偏光板が備える位相差フィルムに、アクリル系粘着剤層を積層し、さらに第3樹脂フィルムを積層した。第1保護フィルムが備える粘着剤層を介して、円偏光板に第1保護フィルムを積層した。なお、第1保護フィルムが備える粘着剤層は、円偏光板のTACフィルム側に積層した。第2保護フィルムが備える粘着剤層を介して、第1保護フィルムに第2保護フィルムを積層した。このようにして、第2保護フィルム、第1保護フィルム、円偏光板、第3粘着剤層、および第3樹脂フィルムがこの順に積層された積層体を作製した。第1保護フィルムは、円偏光板から剥離可能であり、第2保護フィルムは、前記第1保護フィルムから剥離可能であった。
円偏光板が備える位相差フィルムに、アクリル系粘着剤層を積層し、さらに第3樹脂フィルムを積層した。第1保護フィルムが備える粘着剤層を介して、円偏光板に第1保護フィルムを積層した。なお、第1保護フィルムが備える粘着剤層は、円偏光板のTACフィルム側に積層した。第2保護フィルムが備える粘着剤層を介して、第1保護フィルムに第2保護フィルムを積層した。このようにして、第2保護フィルム、第1保護フィルム、円偏光板、第3粘着剤層、および第3樹脂フィルムがこの順に積層された積層体を作製した。第1保護フィルムは、円偏光板から剥離可能であり、第2保護フィルムは、前記第1保護フィルムから剥離可能であった。
表2に示す条件でレーザー光を積層体に照射することによって、積層体を所定の形状(縦20mm×横100mm)に裁断し、積層シートを得た。第2保護フィルムを剥離し、第1保護フィルムの外周縁部において、バリの高さを測定した。結果を表2に示す。
[比較例1、3〜4]
前面板、および円偏光板を、アクリル系粘着剤層を介して、互いに積層した。このアクリル系粘着剤層の厚みは25μmであった。前面板は、円偏光板のTACフィルム側に積層した。円偏光板が備える位相差フィルムに、アクリル系粘着剤層を積層し、さらに第3樹脂フィルムを積層した。第1保護フィルムが備える粘着剤層を介して、前面板に第1保護フィルムを積層した。このようにして、第1保護フィルム、前面板、円偏光板、第3粘着剤層、および第3樹脂フィルムがこの順に積層された積層体を作製した。第1保護フィルムは、前面板から剥離可能であった。
前面板、および円偏光板を、アクリル系粘着剤層を介して、互いに積層した。このアクリル系粘着剤層の厚みは25μmであった。前面板は、円偏光板のTACフィルム側に積層した。円偏光板が備える位相差フィルムに、アクリル系粘着剤層を積層し、さらに第3樹脂フィルムを積層した。第1保護フィルムが備える粘着剤層を介して、前面板に第1保護フィルムを積層した。このようにして、第1保護フィルム、前面板、円偏光板、第3粘着剤層、および第3樹脂フィルムがこの順に積層された積層体を作製した。第1保護フィルムは、前面板から剥離可能であった。
表1に示す条件でレーザー光を積層体に照射することによって、積層体を所定の形状(縦20mm×横100mm)に裁断し、積層シートを得た。第1保護フィルムの外周縁部において、バリの高さを測定した。結果を表1に示す。
[比較例5〜6]
円偏光板が備える位相差フィルムに、アクリル系粘着剤層を積層し、さらに第3樹脂フィルムを積層した。第1保護フィルムが備える粘着剤層を介して、円偏光板に第1保護フィルムを積層した。なお、第1保護フィルムが備える粘着剤層は、円偏光板のTACフィルム側に積層した。このようにして、第1保護フィルム、円偏光板、第3粘着剤層、および第3樹脂フィルムがこの順に積層された積層体を作製した。第1保護フィルムは、円偏光板から剥離可能であった。
円偏光板が備える位相差フィルムに、アクリル系粘着剤層を積層し、さらに第3樹脂フィルムを積層した。第1保護フィルムが備える粘着剤層を介して、円偏光板に第1保護フィルムを積層した。なお、第1保護フィルムが備える粘着剤層は、円偏光板のTACフィルム側に積層した。このようにして、第1保護フィルム、円偏光板、第3粘着剤層、および第3樹脂フィルムがこの順に積層された積層体を作製した。第1保護フィルムは、円偏光板から剥離可能であった。
表2に示す条件でレーザー光を積層体に照射することによって、積層体を所定の形状(縦20mm×横100mm)に裁断し、積層シートを得た。第1保護フィルムの外周縁部において、バリの高さを測定した。結果を表2に示す。
表中で、レーザー光の照射回数1回は、フルカットで積層体を裁断したことを意味し、レーザー光の照射回数10回は、10回目の照射で積層方向にわたる全ての層を完全に裁断したことを意味する。表中で「視認側から」は、例えば図3において第2保護フィルム200から偏光層2に向かう方向にレーザーを照射することを意味し、「反視認側から」は、例えば図3において偏光層2から第2保護フィルム200に向かう方向にレーザーを照射することを意味する。
本発明の積層シートは、第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下であり、積層シートを表示パネルに貼合する際に、吸着力が低下しにくい。
1…前面板、2…偏光層、3…貼合層、20…直線偏光板、22…位相差フィルム、40…バリ、41…バリの高さ、50…第3粘着剤層、51…第3樹脂フィルム、100…第1保護フィルム、101…第1樹脂フィルム、102…第1粘着剤層、200…第2保護フィルム、201…第2樹脂フィルム、202…第2粘着剤層、300…積層シート、301…積層シート、302…積層シート、303…積層シート、400…積層体
Claims (10)
- 第1保護フィルム、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記偏光層に積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記偏光層から剥離可能であり、
前記第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下である、積層シート。 - 第1保護フィルム、前面板、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記前面板に積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記前面板から剥離可能であり、
前記第1保護フィルムの外周縁部におけるバリの高さが6.0μm以下である、積層シート。 - 前記バリの高さが0.1μm以上である、請求項1または2に記載の積層シート。
- 前記偏光層は、重合性液晶化合物が硬化した層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
- 第2保護フィルム、第1保護フィルム、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記偏光層に積層されており、
前記第2保護フィルムは、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有し、
前記第2保護フィルムは、当該第2粘着剤層を介して、前記第1保護フィルムに積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記偏光層から剥離可能であり、
前記第2保護フィルムは、前記第1保護フィルムから剥離可能である、積層体を準備する準備工程と、
レーザー光を前記偏光層側から積層体に照射することによって、前記積層体を所定の形状に裁断し、積層シートを得る裁断工程とを含む、積層シートの製造方法。 - 第2保護フィルム、第1保護フィルム、前面板、および偏光層がこの順に積層され、
前記第1保護フィルムは、第1樹脂フィルムの一方の面に第1粘着剤層を有し、
前記第1保護フィルムは、当該第1粘着剤層を介して、前記前面板に積層されており、
前記第2保護フィルムは、第2樹脂フィルムの一方の面に第2粘着剤層を有し、
前記第2保護フィルムは、当該第2粘着剤層を介して、前記第1保護フィルムに積層されており、
前記第1保護フィルムは、前記前面板から剥離可能であり、
前記第2保護フィルムは、前記第1保護フィルムから剥離可能である、積層体を準備する準備工程と、
レーザー光を前記偏光層側から積層体に照射することによって、前記積層体を所定の形状に裁断し、積層シートを得る裁断工程とを含む、積層シートの製造方法。 - 前記裁断工程において、レーザー光の出力は50W以上200W以下である、請求項5または6に記載の積層シートの製造方法。
- 前記裁断工程において、フルカットで前記積層体を所定の形状に裁断する、請求項5〜7のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
- 前記第2樹脂フィルムの厚みは、40μm以上である、請求項5〜8のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
- 前記偏光層は、重合性液晶化合物が硬化した層を有する、請求項5〜9のいずれかに記載の積層シートの製造方法。
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WO2023210647A1 (ja) * | 2022-04-26 | 2023-11-02 | 大日本印刷株式会社 | 光学樹脂、並びに、前記光学樹脂を用いた、光学フィルム、偏光板、表面板、画像表示パネル、画像表示装置、及び光学用の成形品 |
WO2024071386A1 (ja) * | 2022-09-30 | 2024-04-04 | 富士フイルム株式会社 | 積層体、光学素子含有積層体 |
-
2020
- 2020-11-19 JP JP2020192295A patent/JP2021144208A/ja active Pending
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