JP2023159570A - 光学積層体の屈曲耐久性の評価方法および光学積層体 - Google Patents

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柱烈 張
Ju-Yeul Jang
▲眠▼浩 林
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Abstract

Figure 2023159570000001
【課題】スライド式画面拡張ディスプレイに用いる光学積層体の屈曲耐久性を評価する方法を提供すること。
【解決手段】光学積層体を第1屈曲状態とする屈曲工程、光学積層体を第2屈曲状態とする第1移動工程、光学積層体を第2屈曲状態から第1屈曲状態とする第2移動工程、第1移動工程および第2移動工程を繰り返し行った後、第1屈曲状態とした時の光学積層体に生じる水平方向の応力Fh(gf)と鉛直方向の応力Fv(gf)とを測定する測定工程、式:A=(Fh+Fv1/2/aに従って得られるA値に基づいて光学積層体の屈曲耐久性を評価する評価工程を含む方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体の屈曲耐久性の評価方法に関し、さらには光学積層体に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に代表される表示装置において、可撓性を有する材料を用いて屈曲等を可能にした表示装置が用いられる場合がある。屈曲可能な表示装置として、屈曲軸が固定されないスライド式画面拡張ディスプレイが知られている。
米国特許出願公開第2018-14417号明細書
本発明の目的は、スライド式画面拡張ディスプレイに用いる光学積層体の屈曲耐久性を評価する方法、およびスライド式画面拡張ディスプレイに好適な光学積層体を提供することである。
本発明は、以下の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法および光学積層体を提供する。
[1] 光学積層体の屈曲耐久性の評価方法であって、
光学積層体を主面が水平となるように第1治具上に設置する設置工程、
前記光学積層体の第1端部側を前記第1治具に固定する固定工程、
前記光学積層体の前記第1端部に対向する第2端部を持ち上げて前記光学積層体を屈曲半径a(mm)で屈曲させ、前記光学積層体の第2端部側を第2治具に固定し、第1屈曲状態とする屈曲工程、
前記第1治具を水平に移動させて前記光学積層体を第2屈曲状態とする第1移動工程、
前記第1治具を前記第1移動工程とは逆方向に水平に移動させて前記光学積層体を前記第2屈曲状態から前記第1屈曲状態とする第2移動工程、
前記第1移動工程および前記第2移動工程を繰り返し行った後、前記第1屈曲状態とした時の前記光学積層体に生じる水平方向の応力と鉛直方向の応力とを測定する測定工程、
前記水平方向の応力をFh(gf)、前記鉛直方向の応力をFv(gf)としたとき、下記式(1):
A=(Fh+Fv1/2/a (1)
に従って算出されるA値(gf/mm)に基づいて光学積層体の屈曲耐久性を評価する評価工程
を含む方法。
[2] 前記屈曲半径aは1.5mm以上5mm以下である、[1]に記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
[3] 前記第1移動工程および前記第2移動工程を繰り返し行う回数は100回以下である、[1]または[2]に記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
[4] 前記光学積層体の厚みは50μm以上300μm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
[5] 前記第1治具を水平に移動させる速度は1mm/秒以上10mm/秒以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
[6] 前記光学積層体は前面板、粘着剤層および光学部材をこの順に備える、[1]~[5]のいずれかに記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
[7] [1]に記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法において算出される前記A値が70gf/mm以下である、光学積層体。
本発明によれば、スライド式画面拡張ディスプレイに用いる光学積層体の屈曲耐久性を評価する方法、およびスライド式画面拡張ディスプレイ好適な光学積層体を提供することができる。
光学積層体の屈曲耐久性の評価方法を説明する概略図である。 光学積層体の屈曲耐久性の評価方法を説明する概略図である。 光学積層体の屈曲耐久性の評価方法を説明する概略図である。 光学積層体の屈曲耐久性の評価方法を説明する概略図である。 光学積層体の屈曲耐久性の評価方法を説明する概略図である。 水平方向の応力を説明する概略図である。 鉛直方向の応力を説明する概略図である。 A値を説明する概略図である。 光学積層体の層構成を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
<光学積層体の屈曲耐久性の評価方法>
本発明の一態様に係る光学積層体の屈曲耐久性の評価方法(以下、評価方法ともいう)は、光学積層体を主面が水平となるように第1治具上に設置する設置工程、光学積層体の第1端部を第1治具に固定する固定工程、光学積層体の第1端部に対向する第2端部を持ち上げて光学積層体を屈曲半径a(mm)で屈曲させ、光学積層体の第2端部側を第2治具に固定し、第1屈曲状態とする屈曲工程、第1治具を水平に移動させて光学積層体を第2屈曲状態とする第1移動工程、第1治具を第1移動工程とは逆方向に水平に移動させて光学積層体を第2屈曲状態から第1屈曲状態とする第2移動工程、第1移動工程および第2移動工程を繰り返し行った後、第1屈曲状態とした時の光学積層体に生じる水平方向の応力と鉛直方向の応力とを測定する測定工程を含み、水平方向の応力をFh(gf)、鉛直方向の応力をFv(gf)としたとき、下記式(1):
A=(Fh+Fv1/2/a (1)
に従って算出されるA値(gf/mm)に基づいて光学積層体の屈曲耐久性を評価する評価工程を含む方法である。評価方法について図面を参照しながら説明する。
(設置工程)
評価方法に用いる装置を図1に示す。装置10は、第1治具11および第2治具12を備える。設置工程において、光学積層体1は主面が水平となるように第1治具11上に設置する。本明細書において、主面は、光学積層体1の厚み方向(積層方向)から見たときの面をいう。第1治具11および第2治具12は光学積層体1を設置するための水平な平面を有し得る。第1治具11および第2治具12の平面は厚み方向から見た形状が例えば方形状であってよい。第1治具11および第2治具12の平面は厚み方向から見た形状が方形状である場合、方形状の1辺の寸法は例えば25mm以上200mm以下であってよい。光学積層体1については後述される。
第1治具11は、水平(矢印Aの方向)に移動することができる。第2治具12は、鉛直(矢印Bの方向)に移動することができる。
(固定工程)
光学積層体1は、例えば両面テープなどを用いて、光学積層体1の第1端部側を第1治具11に固定する。光学積層体1が長辺と短辺とを有する方形状である場合、第1端部は一方の短辺側の端部であることができる。第1端部および第1治具11の端部の位置が同一となるように固定することができる。図2に示すように、光学積層体1の第1端部13を第1治具11の端部の位置に合わせて両面テープ14により貼合することができる。
(屈曲工程)
光学積層体1の第2端部は第1端部に対向する側の端部である。光学積層体1が長辺と短辺とを有する方形状であり、第1端部が短辺側の端部である場合、第2端部は第1端部の短辺側とは別の短辺側の端部である。第2端部を持ち上げて光学積層体1を屈曲させる。屈曲させる向きは、光学積層体1の厚み方向において下向きの面が外側になるように屈曲させる。次いで屈曲させた光学積層体1の屈曲外側面上に第2治具を配置した後、光学積層体1の第2端部側を第2治具に固定する。第2端部の第2治具への固定は、例えば両面テープなどを用いることができる。図3に示すように、光学積層体1を屈曲させて第2端部15を第2治具12の端部の位置に合わせて両面テープ16により貼合することができる。第2治具の端部は、光学積層体1の第1端部を固定する側において第1治具11の端部と鉛直方向から見て同一の位置となるように配置することができる。第1屈曲状態は、図3に示すように、第1端部と第2端部とが鉛直方向から見て同一の位置となるように配置することが好ましい。
光学積層体1の屈曲半径aの調節は、例えば第2治具12の鉛直方向の高さを調節することにより行うことができる。光学積層体1の屈曲半径aは、例えば1.5mm以上5mm以下であってよい。
(第1移動工程)
第1治具11は、水平に移動可能である。第1治具11を水平に移動させることにより光学積層体1を第2屈曲状態とすることができる。第1治具11を水平方向に移動させるとき、光学積層体1の屈曲半径aを変化させないようにすることが好ましい。第1移動工程において光学積層体1の屈曲半径aは変化させないようにするため第2治具12の鉛直方向の高さが変わらないようにすることができる。図4に示すように、第1治具11を水平に特定の距離(移動距離X)移動させて光学積層体1を第2屈曲状態とする。光学積層体1を第2屈曲状態とした後、第1治具11は停止させる。
第1移動工程において、第1治具11の移動距離Xは、例えば5mm以上100mm以下であることができる。
第1移動工程において、第1治具11を水平に移動させる速度は、例えば1mm/秒以上60mm/秒以下であってよい。
(第2移動工程)
第1治具11を第1移動工程とは逆方向に水平に移動距離X移動させて光学積層体1を第2屈曲状態から第1屈曲状態とする。第1治具11を第1移動工程とは逆方向に水平に移動させるとき、光学積層体1の屈曲半径a(mm)は変化させないようにすることが好ましい。第2移動工程において、光学積層体1の屈曲半径a(mm)は変化させないようにするため、通常、第2治具の鉛直方向の高さが変わらないようにする。図5に示すように、第2移動工程により光学積層体1を第1屈曲状態とした後、第1治具11を短時間停止させてもよい。
第1移動工程において第1治具11が停止して第2屈曲状態となった後、第1治具11の移動方向が第1移動工程とは逆方向に動き始めるまでの時間(遅延時間)は例えば0秒以上1秒以下であってよい。第2移動工程を行った後、第1移動工程を行う場合、第2移動工程において第1治具11が停止して第1屈曲状態となった後、第1治具11の移動方向が第2移動工程とは逆方向に動き始めるまでの時間(遅延時間)は例えば0.01秒以上1秒以下であってよい。
第2移動工程において、第1治具11の移動距離Xは、例えば5mm以上100mm以下であってよく、好ましくは第1移動工程における第1治具11の移動距離Xと同一である。
第2移動工程において、第1治具11を水平に移動させる速度は、例えば1mm/秒以上60mm/秒以下であってよく、好ましくは第1移動工程における第1治具11を水平に移動させる速度と同一である。
(測定工程)
通常、第1移動工程および第2移動工程は交互に繰り返し行う。第1移動工程および第2移動工程を繰り返し行う回数は、第1移動工程および第2移動工程をそれぞれ1回としてカウントするとき(例えば第1移動工程を行った後、引き続き第2移動工程を行った場合は2回としてカウントされる)、例えば10回以上200回以下であってよく、好ましくは20回以上100回以下である。第1治具が往復するのにかかる時間(周期ともいう)は、例えば1秒以上60秒以下であってよい。
第1移動工程または第2移動工程を所定の回数繰り返し行った後、光学積層体1が第1屈曲状態となった時の光学積層体に生じる水平方向の応力と鉛直方向の応力とを測定する。例えば第1移動工程および第2移動工程を交互に繰り返し100回行う場合、測定工程において求める水平方向の応力および鉛直方向の応力はそれぞれ、最後の第1屈曲状態にあるとき(第1移動工程および第2移動工程を合計100回行ったとき)の水平方向の応力および鉛直方向の応力である。
水平方向の応力は、例えば第1治具11に取り付けられた水平ロードセルに掛かる力を測定することにより求められる。鉛直方向の応力は、例えば第2治具12に取り付けられた垂直ロードセルに掛かる力を測定することにより求められる。
上記応力は、例えば、SurTA(CHEMILAB社製)を用いて測定することができる。
図6は、第1移動工程および第2移動工程を交互に繰り返し100回行ったときの水平方向の応力を連続的に測定した結果を示す。図6の水平方向の応力-時間グラフにおいて、測定工程において求める水平方向の応力は、矢印Fhで示される点における応力である。図6に示されるとおり水平方向の応力は第1屈曲状態にあるときは負(-)方向の応力、第2屈曲状態にあるときは正(+)方向の応力として測定されることができる。水平方向の応力がゼロになるときは、光学積層体1が第1屈曲状態および第2屈曲状態の中間の状態(第1治具が第1屈曲状態および第2屈曲状態の中間の位置)にあるときである。
図7は、第1移動工程および第2移動工程を交互に繰り返し100回行ったときの鉛直方向の応力を連続的に測定した結果を示す。図7の鉛直方向の応力-時間グラフにおいて、測定工程において求める鉛直方向の応力は、矢印Fvで示される点における応力である。図7に示されるとおり鉛直方向の応力は、鉛直方向上向きの応力は正(+)方向の応力、鉛直方向下向きの応力は負(-)方向の応力として測定されることができる。鉛直方向の応力がゼロになるときは、光学積層体1が屈曲していない(第2治具に応力が働かない)状態にあるときである。
(評価工程)
測定工程において求めた水平方向の応力をFh(gf)、鉛直方向の応力をFv(gf)としたとき、式(1)に従って算出されるA値(gf/mm)に基づいて光学積層体1の屈曲耐久性を評価する。
評価工程ではまず、測定工程において求めた最後の第1屈曲状態にあるときの水平方向の応力と鉛直方向の応力とから式(1)に従ってA値を算出する。
図8は、第1移動工程および第2移動工程を交互に繰り返し100回行った場合の1~2回目、9~10回目、29~30回目、49~50回目、99~100回目の間での水平方向の応力と鉛直方向の応力とをそれぞれプロットしたグラフである。第1移動工程および第2移動工程を交互に繰り返し100回行った場合、最後の第1屈曲状態にあるとき(100回目)の水平方向の応力と鉛直方向の応力とからA値を求める。図8において、A値は図中矢印の長さとして示される。
次いで算出したA値に基づいて屈曲耐久性の評価を行う。通常、光学積層体1はA値が小さくなるにつれて屈曲耐久性は向上し易くなる傾向にある。屈曲耐久性の評価は、例えばA値と基準値との大小関係の比較により行うことができる。基準値は、例えば70gf/mmであることができる。A値が70gf/mm以下である場合、光学積層体1はスライド式画面拡張ディスプレイに好適である。
(光学積層体)
光学積層体1は、スライド式画面拡張ディスプレイに用いることができる。光学積層体1の主面は、例えば方形状であってよく、好ましくは長辺と短辺とを有する方形状であり、より好ましくは長方形である。光学積層体1の主面が長方形である場合、長辺の長さは、例えば5mm以上800mm以下であってよく、短辺の長さは、例えば5mm以上500mm以下であってよい。
光学積層体1の厚みは、例えば50μm以上300μm以下であることができる。
光学積層体1は、光学積層体1は屈曲半径が3~5.5mmで繰返し移動を行ったとき、上述のA値が例えば70gf/mm以下であることができる。特に、屈曲半径が3~5mmで繰返しの屈曲を行ったとき、A値が70gf/mm以下、好ましくは55gf/mm以下である光学積層体1は、スライド式画面拡張ディスプレイに好適である。
光学積層体1は、例えば画像表示装置用光学積層体であってよく、フレキシブルディスプレイ用(スライド式画面拡張ディスプレイを含む)光学積層体であることもできる。光学積層体1は、例えばタッチセンサパネル、有機ELパネル等の光学部材であってよい。光学部材は、例えば直線偏光板、円偏光板、位相差層等を含んでいてもよい。光学積層体1は、例えば前面板、粘着剤層および上記光学部材をこの順に備えていてよい。
(前面板)
前面板は、画像表示装置の視認側の最表面を構成することができる。前面板は、画像表示装置の前面を保護する機能を有することができる。前面板は、タッチセンサとしての機能、ブルーライトカット機能、視野角調整機能等を有するものであってもよい。
前面板は、光を透過可能な板状体であれば、材料および厚みは限定されず、また単層構造であっても多層構造であってもよく、ガラス製の板状体(例えば、ガラス板、ガラスフィルム等)、樹脂製の板状体(例えば、樹脂板、樹脂シート、樹脂フィルム等)、樹脂製の板状体とガラス製の板状体との積層体が例示される。前面板は、耐衝撃性を高めるために粘着剤層を介して樹脂フィルムが積層された構造を有していてもよい。前面板は、例えば光を透過可能な板状体と、粘着剤層と、耐衝撃性を高める樹脂フィルム(以下、耐衝撃性フィルムともいう)とがこの順に積層されたものであってよい。また、前面板は、ハードコート層や耐摩耗層を有してもよい。
ガラス板としては、ディスプレイ用強化ガラスが好ましく用いられる。ガラス板の厚みは、例えば10μm以上1000μm以下であり、好ましくは20μm以上500μm以下である。ガラス板を用いることにより、優れた機械的強度および表面硬度を有する光学積層体を構成することができる。
樹脂フィルムとしては、光を透過可能な樹脂フィルムであれば限定されない。例えば、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリ(メタ)アクリル、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミドイミド等の高分子で形成された樹脂フィルムが挙げられる。これらの高分子は、単独でまたは2種以上混合して用いることができる。積層体10をフレキシブルディスプレイに用いる場合には、優れた可撓性を有し、高い強度および高い透明性を有するように構成可能な、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の高分子で形成された樹脂フィルムが好適に用いられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルまたはメタクリルのいずれでもよいことを意味する。(メタ)アクリレート等の「(メタ)」も同様の意味である。
前面板が樹脂フィルムである場合、樹脂フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面にハードコート層を設けて硬度をより向上させたフィルムであってもよい。ハードコート層は、基材フィルムの一方の面に形成されていてもよいし、両方の面に形成されていてもよい。後述する画像表示装置がタッチパネル方式の画像表示装置である場合には、前面板11の表面がタッチ面となるため、ハードコート層を有する樹脂フィルムが好適に用いられる。ハードコート層を設けることにより、硬度および耐スクラッチ性を向上させた樹脂フィルムとすることができる。ハードコート層は、例えば、紫外線硬化型樹脂の硬化層である。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。ハードコート層は、硬度を向上させるために、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は限定されることはなく、無機系微粒子、有機系微粒子、またはこれらの混合物が挙げられる。樹脂フィルムの厚みは、例えば10μm以上500μm以下であり、好ましくは20μm以上100μm以下である。
ハードコート層の視認側には、耐摩耗性を向上させたり、皮脂などによる汚染を防止したりするために、耐摩耗層が形成されていることも好ましい。前面板は、耐摩耗層を有することができ、耐摩耗層は、前面板の視認側表面を構成する層であることができる。耐摩耗層はフッ素化合物由来の構造を含むことができる。フッ素化合物としてはケイ素原子を有し、ケイ素原子にアルコキシ基やハロゲンのような加水分解性の基を有する化合物が好ましい。加水分解性基が脱水縮合反応することにより塗膜を形成することができ、また基材表面の活性水素と反応することにより耐摩耗層の密着性を向上させることができる。さらにフッ素化合物は、パーフルオロアルキル基やパーフルオロポリエーテル構造を有すると撥水性を付与することができるので好ましい。特に好ましいのはパーフルオロポリエーテル構造と炭素数4以上の長鎖のアルキル基とを有する含フッ素ポリオルガノシロキサン化合物である。フッ素化合物としては2種類以上の化合物を用いることも好ましい。さらに含むことが好ましいフッ素化合物としては、炭素数2以上のアルキレン基、およびパーフルオロアルキレン基を含む含フッ素オルガノシロキサン化合物である。
耐摩耗層の厚さは、例えば1~20nmである。また、耐摩耗層は撥水性を有しており、水接触角が例えば110~125°程度である。滑落法で測定した接触角ヒステリシスおよび滑落角は、それぞれ3~20°程度、2~55°程度である。更に、耐摩耗層は、本発明の効果を阻害しない範囲で、シラノール縮合触媒、酸化防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防カビ剤、抗菌剤、生物付着防止剤、消臭剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤等、各種の添加剤を含有していてもよい。
耐摩耗層とハードコート層との間にはプライマー層を設けてもよい。プライマー剤として、例えば紫外線硬化型、熱硬化型、湿気硬化型、あるいは2液硬化型のエポキシ系化合物等のプライマー剤がある。また、プライマー剤として、ポリアミック酸を用いてもよく、シランカップリング剤を用いることも好ましい。プライマー層の厚さは、例えば0.001~2μmである。
耐摩耗層とハードコート層とを含む積層体を得る方法としては、ハードコート層の上に、必要に応じてプライマー剤を塗布、乾燥、硬化させてプライマー層を形成させた後、フッ素化合物を含む組成物(耐摩耗層コーティング用組成物)を塗布、乾燥することで形成できる。塗布する方法としては、例えばディップコート法、ロールコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビアコーター法などが挙げられる。また、プライマー剤、または、耐摩耗層コーティング用組成物を塗布する前に、塗布面をプラズマ処理、コロナ処理、または紫外線処理等の親水化処理を施すことも好ましい。この積層体は前面板に直接積層することもできるし、別の透明基材の上に積層したものを接着剤や粘着剤を用いて前面板に貼合することもできる。
(粘着剤層)
粘着剤層は、各層を接合するための機能を有することができる。本明細書において「粘着剤」とは、硬化反応後の状態が高粘度液体またはゲル状固体であり、常温(例えば温度23℃~25℃、相対湿度55~60%)で短時間、僅かな圧力を加えるだけで接着できるもの、例えば感圧式接着剤とも呼ばれるものである。一方、本明細書において「接着剤」とは、粘着剤(感圧式接着剤)以外の接着剤をいい、硬化反応後の状態が固体状であり、硬化後の25℃における弾性率の範囲が100MPa以上のものをいう。粘着剤層12は、1層からなるものであってもよく、または2層以上からなるものであってもよいが、好ましくは1層からなるものである。
粘着剤層は、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型であってもよいし、熱硬化型であってもよい。(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば100万以上であってもよいし、120万以上であってもよいし、200万以下であってもよい。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種または2種以上をモノマーとする重合体または共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物とは、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有しており、活性エネルギー線照射前においても粘着性を有してフィルム等の被着体に密着させることができ、活性エネルギー線の照射によって硬化して密着力の調整ができる性質を有する粘着剤組成物である。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、紫外線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物は、ベースポリマー、架橋剤に加えて、活性エネルギー線重合性化合物をさらに含有する。さらに必要に応じて、光重合開始剤や光増感剤等を含有させることもある。
粘着剤組成物は、光散乱性を付与するための微粒子、ビーズ(樹脂ビーズ、ガラスビーズ等)、ガラス繊維、ベースポリマー以外の樹脂、粘着性付与剤、充填剤(金属粉やその他の無機粉末等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、着色剤、消泡剤、腐食防止剤、光重合開始剤等の添加剤を含むことができる。
粘着剤層は、上記粘着剤組成物の有機溶剤希釈液を基材上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を用いた場合は、形成された粘着剤層に、活性エネルギー線を照射することにより所望の硬化度を有する硬化物とすることができる。
(円偏光板)
円偏光板は、重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層を含む。円偏光板は、直線偏光板と位相差板とを備えることができる。円偏光板は入射する光(外光)を円偏光に変換することができる。直線偏光板の吸収軸と位相差板の遅相軸とが所定の角度となるように直線偏光板と位相差板とが配置された円偏光板は、画像表示装置中の表示素子で反射した外光を吸収することができるため、反射防止フィルムとしての機能を付与することができる。
(直線偏光板)
直線偏光板は、偏光子層として、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略すこともある。)系樹脂フィルムを含むものであってもよく、二色性色素および重合性化合物を含む組成物を配向させ、重合性液晶化合物を重合させた硬化膜であってもよい。二色性色素および重合性化合物を含む組成物を塗布し硬化させてなる偏光子層は、延伸工程を含むPVA系樹脂フィルムの偏光子層に比べて、屈曲方向に制限がないため好ましい。
直線偏光板は、偏光子層のみを含むものであってもよいし、偏光子層に加えて熱可塑性樹脂フィルム、保護層、基材、オーバーコート層および配向膜のいずれか1以上をさらに含んでいてもよい。熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのような樹脂からなる酢酸セルロース系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのような樹脂からなるポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、(メタ)アクリル系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム等が挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、薄型化の観点から、通常300μm以下であり、200μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、また、通常5μm以上であり、20μm以上であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂フィルムは位相差を有していてもよいし、位相差を有していなくてもよい。
直線偏光板の厚みは、例えば1μm以上500μm以下であってよく、好ましくは5μm以上250μm以下、より好ましくは5μm以上100μm以下、さらに好ましくは5μm以上50μm以下である。
偏光子層としては、例えば、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略すこともある。)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理、および延伸処理が施されたもの等が挙げられる。光学特性に優れることから、PVA系樹脂フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子層を用いることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより製造できる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体との共重合体であることもできる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85~100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も使用可能である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常1,000~10,000程度であり、好ましくは1,500~5,000程度である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が1000未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超ではフィルム加工性に劣ることがある。
その他のPVA系樹脂フィルムを含む偏光子層の製造方法としては、まず基材フィルムを用意し、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂等の樹脂の溶液を塗布し、溶媒を除去する乾燥等を行って基材フィルム上に樹脂層を形成する工程を含むものを挙げることができる。なお、基材フィルムの樹脂層が形成される面には、予めプライマー層を形成することができる。基材フィルムとしては、上述の熱可塑性樹脂フィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等を使用できる。プライマー層の材料としては、偏光子層に用いられる親水性樹脂を架橋した樹脂等を挙げることができる。
次いで、必要に応じて樹脂層の水分等の溶媒量を調整し、その後、基材フィルムおよび樹脂層を一軸延伸し、続いて、樹脂層をヨウ素等の二色性色素で染色して二色性色素を樹脂層に吸着配向させる。続いて、必要に応じて二色性色素が吸着配向した樹脂層をホウ酸水溶液で処理し、ホウ酸水溶液を洗い落とす洗浄工程を行う。これにより、二色性色素が吸着配向された樹脂層、すなわち、偏光子層が製造される。各工程には公知の方法を採用できる。
基材フィルムおよび樹脂層の一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色中に行ってもよいし、染色後のホウ酸処理中に行ってもよく、これら複数の段階においてそれぞれ一軸延伸を行ってもよい。基材フィルムおよび樹脂層は、MD方向(フィルム搬送方向)に一軸延伸してもよく、この場合、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、基材フィルムおよび樹脂層は、TD方向(フィルム搬送方向に垂直な方向)に一軸延伸してもよく、この場合、いわゆるテンター法を使用することができる。また、基材フィルムおよび樹脂層の延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤にて樹脂層を膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。偏光子層の性能を発現するためには延伸倍率は4倍以上であり、5倍以上であることが好ましく、特に5.5倍以上が好ましい。延伸倍率の上限は特にないが、破断等を抑制する観点から8倍以下が好ましい。
PVA系樹脂フィルムを含む偏光子層の厚さは、例えば2μm以上40μm以下である。偏光子層の厚さは5μm以上であってもよく、20μm以下、15μm以下、さらには10μm以下であってもよい。
二色性色素および重合性化合物を含む組成物を配向させ、重合性液晶化合物を重合させた硬化膜である偏光子層の製造方法としては、基材フィルムの上に配向膜を介して重合性液晶化合物および二色性色素を含む偏光子層形成用組成物を塗布して偏光子層を形成する方法、或いは、基材フィルム上に形成した保護層上に、配向膜を介して重合性液晶化合物および二色性色素を含む偏光子層形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を液晶状態を保持したまま重合して硬化させて偏光子層を形成する方法を挙げることができる。このようにして得られた偏光子層は、基材フィルムの保護層上に積層された状態にあり、基材フィルム付き直線偏光板として用いてもよい。基材フィルムとしては、上述の熱可塑性樹脂フィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等を使用することができる。
二色性色素および重合性化合物を含む組成物を塗布し硬化させてなる偏光子層の厚さは、通常10μm以下であり、好ましくは0.5μm以上8μm以下であり、より好ましくは1μm以上5μm以下であり、4μm以下であってもよい。
上記方法で作製した偏光子層は、基材フィルムを剥離して、または基材フィルムとともに直線偏光板として用いてもよい。上記方法によれば、基材フィルムを剥離することができるため、偏光子層の更なる薄膜化が可能となる。
(位相差板)
位相差板は、重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層を含む。位相差板は、1層または2層以上の位相差層を含むことができる。位相差板が2層の位相差層を含む場合、偏光子層側から順に第1位相差層と第2位相差層ということがある。位相差層は、1層であってもよく2層以上であってもよい。位相差層は、その表面を保護するオーバーコート層、および位相差層を支持する基材フィルム等を有していてもよい。位相差層としては、例えばλ/4の位相差を与える位相差層(λ/4層)、λ/2の位相差を与える位相差層(λ/2層)およびポジティブC層等が挙げられる。位相差板は、好ましくはλ/4層を含み、さらに好ましくはλ/4層とλ/2層またはポジティブC層の少なくともいずれかとを含む。位相差板がλ/2層を含む場合、直線偏光板側から順にλ/2層およびλ/4層を積層する。位相差板がポジティブC層を含む場合、直線偏光板側から順にλ/4層およびポジティブC層を積層してもよく、直線偏光板側から順にポジティブC層およびλ/4層を積層してもよい。位相差板の厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは0.5μm以上8μm以下である。
位相差板は、上述した熱可塑性樹脂フィルムの材料として例示した樹脂フィルムから形成した位相差層を含んでもよい。位相差層は、さらに配向膜および基材フィルムを含んでいてもよく、λ/4層と、λ/2層およびポジティブC層とは、接着剤層により接合されていてもよい。
重合性液晶化合物の硬化物からなる位相差層は、重合性液晶化合物を含む組成物を、基材フィルムに塗布し硬化させることにより形成することができる。基材フィルムと塗布層との間に配向膜を形成してもよい。基材フィルムの材料および厚みは、上記熱可塑性樹脂フィルムの材料および厚みと同じであってよい。位相差層は、重合性液晶化合物を硬化してなる層から形成する場合、配向膜および基材フィルムを有する形態または有さない形態で積層体に組み込まれてもよい。
直線偏光板の吸収軸と位相差層の遅相軸とが所定の角度となるように、直線偏光板と位相差板とが配置された偏光板は、反射防止機能を有することができる。位相差板がλ/4層を含む場合、直線偏光板の吸収軸とλ/4層の遅相軸とのなす角度は、45°±10°であることができる。位相差層は正波長分散性を有していてもよく、逆波長分散性を有していてもよい。λ/4層は、好ましくは逆波長分散性を有する。直線偏光板と位相差板とは粘着剤層または接着剤層により接合されていてよい。
(タッチセンサパネル)
タッチセンサパネルとしては、タッチされた位置を検出可能なセンサであれば、検出方式は限定されることはなく、抵抗膜方式、静電容量結合方式、光センサ方式、超音波方式、電磁誘導結合方式、表面弾性波方式等のタッチセンサパネルが例示される。低コストであることから、抵抗膜方式、静電容量結合方式のタッチセンサパネルが好適に用いられる。タッチセンサパネルは、積層体の視認側とは反対側に配置されることができる。
抵抗膜方式のタッチセンサパネルの一例は、互いに対向配置された一対の基板と、それら一対の基板の間に挟持された絶縁性スペーサーと、各基板の内側の前面に抵抗膜として設けられた透明導電膜と、タッチ位置検知回路とにより構成されている。抵抗膜方式のタッチセンサパネルを設けた画像表示装置においては、前面板の表面がタッチされると、対向する抵抗膜が短絡して、抵抗膜に電流が流れる。タッチ位置検知回路が、このときの電圧の変化を検知し、タッチされた位置が検出される。
静電容量結合方式のタッチセンサパネルの一例は、基板と、基板の全面に設けられた位置検出用透明電極と、タッチ位置検知回路とにより構成されている。静電容量結合方式のタッチセンサパネルを設けた画像表示装置においては、前面板の表面がタッチされると、タッチされた点で人体の静電容量を介して透明電極が接地される。タッチ位置検知回路が、透明電極の接地を検知し、タッチされた位置が検出される。
(有機ELパネル)
有機ELパネルは、公知の有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)パネルであってよい。有機ELパネルは例えば円偏光板、直線偏光板および位相差板からなる群から選択される少なくとも1種を備えていてもよい。
(光学積層体の層構成)
図9に、光学積層体1の層構成を示す。図9に示す光学積層体1は、ハードコート層2および樹脂フィルム3から構成される前面板4、粘着剤層5および光学部材6をこの順に備える。
(光学積層体の製造方法)
光学積層体1が前面板、粘着剤層および上述の光学部材(偏光板等)をこの順に備える場合、光学積層体1は、例えば前面板と上記光学部材とを粘着剤層を用いて貼合することにより製造することができる。粘着剤層は粘着シートとして準備することができる。粘着シートは、例えば離型処理が施された剥離フィルム(以下、セパレータともいう)上に粘着剤からなる層をシート状に形成しておき、その粘着剤層上にさらに別の剥離フィルムを貼合する方式等により作製することができる。一方の剥離フィルムを剥離した粘着シートを一方の層に貼合し、次いで他方の剥離フィルムを剥離し、他方の層を貼合する方法により各層を貼合することができる。
(画像表示装置)
画像表示装置は、上述の光学積層体を含むことができる。画像表示装置は特に限定されず、例えば有機EL表示装置、無機EL表示装置、液晶表示装置、電界発光表示装置等の画像表示装置が挙げられる。画像表示装置は、屈曲または折り曲げ等が可能な可撓性を有するフレキシブルディスプレイ(スライド式画面拡張ディスプレイを含む)であってよい。
画像表示装置は、スマートフォン、タブレット等のモバイル機器、テレビ、デジタルフォトフレーム、電子看板、測定器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器等として用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」および「部」は、特記のない限り、質量%および質量部である。
[粘着剤層の温度25℃における貯蔵弾性率の測定]
粘弾性測定装置[Anton Paar社製「MCR-301」(商品名)]を用いた。粘着剤層を幅20mm×長さ20mmに裁断し、厚さが150μmとなるように複数枚積層した。積層された粘着剤層をガラス板に接合した。粘着剤層と測定チップとが接着した状態において、-20℃から100℃の温度領域で、周波数1.0Hz、変形量1%、昇温速度5℃/分の条件下で測定を行い、25℃における貯蔵弾性率値を測定した。
[粘着剤組成物の調製]
表1に示す各成分の割合にて粘着剤層1を形成する粘着剤組成物1を調製した。この粘着剤組成物1を離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)の離型処理面に、アプリケータを利用して乾燥後の厚みが25μmになるように塗布した。塗布層を100℃で1分間乾燥して、粘着剤層1を備えるフィルムを得た。その後、粘着剤層1上に、離型処理された別のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)を貼合した。その後、温度23℃、相対湿度50%RHの条件で7日間養生させた。同様の操作を行い、表1に示す各成分の割合にて調製した粘着剤組成物2および3をそれぞれ用いて粘着剤層2および3を備えるフィルムを作製した。粘着剤層1~3について25℃における貯蔵弾性率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2023159570000002
BA:アクリル酸ブチル
MMA:アクリル酸メチル
EHA:アクリル酸2-エチルヘキシル
AA:アクリル酸
架橋剤:コロネートL(東ソー株式会社製)
シランカップリング剤:KBM-403(信越化学工業株式会社製)
<実施例1>
[前面板の準備]
ポリアミドイミドフィルム(PAI)(厚み50μm)の一方の面に、下記HC層形成用組成物を硬化後の厚みが6μmになるように塗工した。得られた塗膜を温度80℃で5分間乾燥し、UV照射装置(SPOT CURE SP-7、ウシオ電機株式会社製)を用いて、露光量500mJ/cm(365nm基準)のUV光を照射してHC層を形成した。以上のようにして、ハードコート(HC)層(厚み6μm)/ポリアミドイミドフィルム(厚み50μm)の層構成を有する前面板(HC-PAI)を得た。
[ハードコート層形成用組成物]
HC層形成用組成物は、多官能アクリレート(Miramer M340、Miwon Specialty Chemical製)30質量部と、ナノシリカゾルのプロピレングリコールモノメチルエーテル分散体(12nm、固形分40%)50質量部と、エチルアセテート17質量部と、光重合開始剤(Irgacure-184、Ciba Corporation製)2.7質量部と、フッ素系添加剤(KY1203、信越化学工業株式会社製)0.3質量部とを含む。
[光学積層体の作製]
基材フィルムとしてのポリアミドイミドフィルム(厚み50μm)を、前面板のポリアミドイミドフィルム側に粘着剤層1(厚み25μm)により貼合し、フィルム積層体1を得た。次いで、フィルム積層体1の基材フィルム側に、有色ポリイミド系樹脂フィルム(厚み35μm)を粘着剤層1(厚み25μm)により貼合し、実施例1の光学積層体1を得た。
[屈曲耐久性の評価]
得られた光学積層体1を短辺40mm、長辺165mmにカットした。カットした光学積層体1について以下の手順により屈曲耐久性の評価を行った。
(1)試験装置の垂直ロードセルおよび水平ロードセルのゼロ点設定を行った。
(2)試験装置の第1治具(主面における寸法:100mm×100mm)および第2治具(主面における寸法:100mm×100mm)の末端を一致させた。
(3)第1治具上に光学積層体を前面板側を下にして水平に設置した(設置工程)。
(4)光学積層体の第1端部を両面テープを用いて第1治具に固定した(固定工程)。
(5)光学積層体の第2端部を持ち上げて、光学積層体を前面板を外側にして屈曲し、第2端部を第2治具に固定し、第1端部と第2端部とが図3記載の第1屈曲状態になるよう設定した。なお、屈曲半径は5mmに設定した(屈曲工程)。
(6)第1治具を水平に移動距離18.8mmで移動させ、光学積層体を図4記載の第2屈曲状態とした(第1移動工程)。更に、第1移動工程とは逆方向に水平に第1治具を移動させ、光学積層体を第1屈曲状態にした(第2移動工程)。
上記第1移動工程及び第2移動工程を、以下の条件で繰り返し行った。
移動速度:5mm/秒
移動距離:18.8mm(第1移動工程、第2移動工程とも共通)
遅延時間:0.2秒
繰り返し回数:100回(往復回数50回)
(7)100回目の第1屈曲状態で垂直ロードセルおよび水平ロードセルに掛かる水平方向の応力Fh(gf)と鉛直方向の応力Fv(gf)とを測定した(測定工程)。応力Fh(gf)及び応力Fv(gf)は、SurTA(CHEMILAB社製)により測定した値である。
(8)式(1)に従いA値を求めた(評価工程)。
式(1): A=(Fh+Fv1/2/a (1)
(式中、Fh(gf)は、水平方向の応力であり、Fv(gf)は鉛直方向の応力である。)
(9)各光学積層体について、別途、下記手順で屈曲試験を行い、屈曲耐久性を確認した。
屈曲試験:
光学積層体を、ダンベルカッターを用いて10mm幅の大きさにカットした。カットした光学積層体を、前面板を内側にして曲げられるように面状態無負荷U字伸縮試験機(ユアサシステム機器(株)製「DMLHB-FS」(商品名))の治具にセットして、対向する前面板間の距離が表2に記載の屈曲半径の2倍の長さ(例えば、実施例1の場合10.0mm)となるように、180°屈曲させては伸ばす操作を繰り返し行った。屈曲速度は30rpmとした。光学積層体が破断したときの屈曲回数(耐屈曲回数)で屈曲耐久性を確認した。なお、屈曲回数が20万回の時点で光学積層体が破断しなかった場合、その時点で試験を終了した。
<実施例2~5、参考例1~4>
実施例1において用いた粘着剤層1に代えて表2に示す粘着剤層を用いたこと、および表2に示す屈曲半径としたこと以外は実施例1と同等にして光学積層体を作製し、屈曲耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2023159570000003
1 光学積層体、2 ハードコート層、3 樹脂フィルム、4 前面板、5 粘着剤層、6 光学部材、10 装置、11 第1治具、12 第2治具、13 第1端部、14,16 両面テープ、15 第2端部、a 屈曲半径、X 移動距離。

Claims (7)

  1. 光学積層体の屈曲耐久性の評価方法であって、
    光学積層体を主面が水平となるように第1治具上に設置する設置工程、
    前記光学積層体の第1端部側を前記第1治具に固定する固定工程、
    前記光学積層体の前記第1端部に対向する第2端部を持ち上げて前記光学積層体を屈曲半径a(mm)で屈曲させ、前記光学積層体の第2端部側を第2治具に固定し、第1屈曲状態とする屈曲工程、
    前記第1治具を水平に移動させて前記光学積層体を第2屈曲状態とする第1移動工程、
    前記第1治具を前記第1移動工程とは逆方向に水平に移動させて前記光学積層体を前記第2屈曲状態から前記第1屈曲状態とする第2移動工程、
    前記第1移動工程および前記第2移動工程を繰り返し行った後、前記第1屈曲状態とした時の前記光学積層体に生じる水平方向の応力と鉛直方向の応力とを測定する測定工程、
    前記水平方向の応力をFh(gf)、前記鉛直方向の応力をFv(gf)としたとき、下記式(1):
    A=(Fh+Fv1/2/a (1)
    に従って算出されるA値(gf/mm)に基づいて光学積層体の屈曲耐久性を評価する評価工程
    を含む方法。
  2. 前記屈曲半径aは1.5mm以上5mm以下である、請求項1に記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
  3. 前記第1移動工程および前記第2移動工程を繰り返し行う回数は100回以下である、請求項1に記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
  4. 前記光学積層体の厚みは50μm以上300μm以下である、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
  5. 前記第1治具を水平に移動させる速度は1mm/秒以上10mm/秒以下である、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
  6. 前記光学積層体は前面板、粘着剤層および光学部材をこの順に備える、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法。
  7. 請求項1に記載の光学積層体の屈曲耐久性の評価方法において算出される前記A値が70gf/mm以下である、光学積層体。
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