JP7092219B1 - 移動体用化粧材及び電気自動車 - Google Patents

移動体用化粧材及び電気自動車 Download PDF

Info

Publication number
JP7092219B1
JP7092219B1 JP2021006360A JP2021006360A JP7092219B1 JP 7092219 B1 JP7092219 B1 JP 7092219B1 JP 2021006360 A JP2021006360 A JP 2021006360A JP 2021006360 A JP2021006360 A JP 2021006360A JP 7092219 B1 JP7092219 B1 JP 7092219B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
decorative
decorative material
mobile
design
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021006360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022110754A (ja
Inventor
康治 犬束
晋也 與田
豪 千葉
安広 飯泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2021006360A priority Critical patent/JP7092219B1/ja
Priority to JP2022094702A priority patent/JP2022120114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7092219B1 publication Critical patent/JP7092219B1/ja
Publication of JP2022110754A publication Critical patent/JP2022110754A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Vehicle Waterproofing, Decoration, And Sanitation Devices (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】移動体に新しい美観を付与するための移動体用化粧材を提供すること。【解決手段】移動体用化粧材は、第1面及び第1面に対向する第2面を有する加飾シートと、加飾シートの第2面に対面して配置されたカバー部材と、を備えている。加飾シートは、第1面及び第2面の間に位置し、又は、第1面及び第2面の少なくとも一方を形成する意匠層26を含む。意匠層26は、凸面鏡又は凹面鏡として機能する単位要素34を含む。単位要素は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部35を含む。【選択図】図5

Description

本開示の実施形態は、移動体用化粧材に関する。
従来、特許文献1に記載されているような、フロントグリルを備えた自動車が知られている。フロントグリルの後方には、エンジンを冷却するための冷却液が流れるラジエータが配置されている。外気を取り込んでラジエータを冷却することができるよう、フロントグリルには開口部が設けられている。フロントグリルは車体の前方部分において広い面積を占めるため、自動車の意匠性に大きな影響を与えている。
特開2016-078664号公報
ところで、近年、電気自動車等、従来とは異なる構造の移動体が開発されている。例えば、電気自動車は、ラジエータを備えていない。このため、電気自動車は、車体の前方部分にフロントグリルを設ける必要がない。このような移動体の構造の変化に伴って、移動体に求められる意匠が大きく変化している。
本開示の実施形態は、このような点を考慮してなされたものであり、移動体に新しい美観を付与するための移動体用化粧材を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、
第1面及び前記第1面に対向する第2面を有する加飾シートと、
前記加飾シートの前記第2面に対面して配置されたカバー部材と、を備え、
前記加飾シートは、前記第1面及び前記第2面の間に位置し、又は、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方を形成する意匠層を含み、
前記意匠層は、凸面鏡又は凹面鏡として機能する単位要素を含む。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記単位要素は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、外装材であり、
前記単位要素は、凸面鏡として機能し、
前記凸面鏡の焦点距離は、+0.5mm以上+350mm以下であってよく、好ましくは+2mm以上+250mm以下であってよく、さらに好ましくは+5mm以上150mm以下であってよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、外装材であり、
前記単位要素は、凹面鏡として機能し、
前記凹面鏡の焦点距離は、-350mm以上-0.5mm以下であってよく、好ましくは-250mm以上-2mm以下であってよく、さらに好ましくは-150mm以上-5mm以下であってよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、内装材であり、
前記単位要素は、凸面鏡として機能し、
前記凸面鏡の焦点距離は、+0.5mm以上+350mm以下であってよく、好ましくは+2mm以上+250mm以下であってよく、さらに好ましくは+5mm以上+150mm以下であってよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、内装材であり、
前記単位要素は、凹面鏡として機能し、
前記凹面鏡の焦点距離は、-350mm以上-0.5mm以下であってよく、好ましくは-250mm以上-2mm以下であってよく、さらに好ましくは-150mm以上-5mm以下であってよい。
あるいは、本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、
第1面及び前記第1面に対向する第2面を有する加飾シートと、
前記加飾シートの前記第2面に対面して配置されたカバー部材と、を備え、
前記加飾シートは、前記第1面及び前記第2面の間に位置し、又は、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方を形成する意匠層を含み、
前記意匠層は、平面視において平行直線群又は平行曲線群を成す凹凸が形成された単位要素を含む。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記意匠層は複数の単位要素を含み、
互いに隣接する単位要素は、平面視において前記平行直線群又は前記平行曲線群の延びる方向が異なっていてもよい。
あるいは、本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、
第1面及び前記第1面に対向する第2面を有する加飾シートと、
前記加飾シートの前記第2面に対面して配置されたカバー部材と、を備え、
前記加飾シートは、前記第1面及び前記第2面の間に位置し、又は、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方を形成する意匠層を含み、
前記意匠層は、エンボス型ホログラムを構成する凹凸が形成された単位要素を含む。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、外装材であり、
前記単位要素の寸法は、3mm以上200mm以下であってよく、好ましくは10mm以上200mm以下であってよく、さらに好ましくは20mm以上100mm以下であってよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、内装材であり、
前記単位要素の寸法は、3mm以上200mm以下であってよく、好ましくは3mm以上40mm以下であってよく、さらに好ましくは6mm以上20mm以下であってよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記単位要素は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部を含み、
前記加飾シートは、さらに、前記フレネルレンズ部を覆う金属層を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記加飾シートは、さらに、前記凹凸を覆う金属層を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記金属層は、可視光よりも長波長の電磁波を透過可能であってもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記金属層は可視光を反射可能な複数の金属粒部を含み、複数の金属粒部の間に前記電磁波が透過可能なすき間が設けられていてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記単位要素は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部を含み、
前記加飾シートは、さらに、前記フレネルレンズ構造を覆う屈折率変調層を含み、
前記意匠層の屈折率と前記屈折率変調層の屈折率とが異なっていてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記加飾シートは、さらに、前記凹凸を覆う屈折率変調層を含み、
前記意匠層の屈折率と前記屈折率変調層の屈折率とが異なっていてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記加飾シートは、前記意匠層と前記第2面との間に位置し、又は、前記第2面を形成する拡散層を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記カバー部材は、カバー基材と前記カバー基材に対向して配置されたハードコート層とを含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記ハードコート層の表面に凹凸が形成されていてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記カバー基材の前記ハードコート層に対向する面に凹凸が形成されていてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記カバー部材は、前記カバー基材と前記ハードコート層との間に配置された紫外線吸収層を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記カバー部材は、カバー基材と前記カバー基材に対向して配置されたハードコート層とを含み、
前記カバー基材及び/又は前記ハードコート層は、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材において、
前記カバー部材は、カバー基材と、前記カバー基材に対向して配置されたハードコート層と、前記カバー基材と前記ハードコート層との間に配置された密着改善層と、を含み、
前記密着改善層は紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による移動体用化粧材は、可視光よりも長波長の電磁波を用いたセンサに対面して配置される外装材であって、前記センサに対面して配置される第1表面と、前記第1表面に対向する第2表面と、を備え、
少なくとも一部分における前記第1表面及び前記第2表面の間の厚みは、前記電磁波の半波長の整数倍であってもよい。
本開示の実施形態によれば、移動体に新しい美観を付与することができる。
図1は、第1の実施形態による移動体用化粧材が適用された移動体の斜視図である。 図2は、図1の移動体用化粧材の断面を示す図である。 図3は、図2の移動体用化粧材のカバー部材の断面を示す図である。 図4は、図2の移動体用化粧材の加飾シートの断面を示す図である。 図5は、図4に示す加飾シートの意匠層の平面図である。 図6は、図5に示す意匠層のA-A線に沿った断面を示す図である。 図7Aは、図5に示す意匠層の単位要素の他の配置例を示す平面図である。 図7Bは、図5に示す意匠層の単位要素のさらに他の配置例を示す平面図である。 図8は、図2に示す加飾シートの金属層の一例を示す平面図である。 図9は、カバー部材作製用の転写フィルムの断面を示す図である。 図10は、加飾シートの変形例を示す断面図である。 図11は、第2の実施形態による移動体用化粧材の意匠層の平面図である。 図12は、図11に示す意匠層の単位要素を拡大して示す図である。 図13は、図12に示す単位要素のB-B線に沿った断面を示す図である。 図14は、図12に示す単位要素のC-C線に沿った断面を示す図である。 図15は、図12に対応する図であって、意匠層の変形例を示す図である。 図16は、図12に対応する図であって、意匠層の他の変形例を示す図である。 図17は、図12に対応する図であって、意匠層の更に他の変形例を示す図である。 図18は、図12に対応する図であって、意匠層の更に他の変形例を示す図である。 図19は、図12に対応する図であって、意匠層の更に他の変形例を示す図である。 図20は、図12に対応する図であって、意匠層の更に他の変形例を示す図である。 図21は、第3の実施形態による移動体用化粧材の断面を示す図である。 図22は、図21に示す移動体用化粧材のカバー部材の作製方法の一例を説明するための図である。 図23は、図21に示す移動体用化粧材のカバー部材の作製方法の他の一例を説明するための図である。 図24は、図21に示す移動体用化粧材のカバー部材の作製方法の更に他の一例を説明するための図である。 図25は、図24に示すカバー部材の作製方法を説明するための図である。 図26は、図21に示す移動体用化粧材のカバー部材の変形例を示す断面図である。 図27は、加飾部材の電磁波への作用を説明するための図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「垂直」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本明細書において、「シート」、「フィルム」及び「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて互いから区別されるものではない。例えば「加飾シート」は、加飾フィルム又は加飾板と呼ばれる部材等と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面には、共通する符号を付した矢印により共通する方向を示している。矢印の先端側が、各方向の一側である。また、図面の紙面に垂直な方向に沿って手前に向かう矢印を、例えば図5に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、例えば図2に示すように、円の中に×を設けた記号により示した。
<<<第1の実施形態>>>
図1~図9は第1の実施形態を説明する図である。このうち図1は、移動体用化粧材の適用例を示す図であり、図2は、移動体用化粧材の構成を示す断面図である。また、図3は、移動体用化粧材に用いられるカバー部材の構成を示す断面図である。また、図4は、移動体用化粧材に用いられる加飾シートの構成を示す断面図である。移動体用化粧材は、意匠を表示し、移動体用化粧材が適用された移動体に意匠性を付与する。以下に説明する第1の実施形態による移動体用化粧材は、立体感を表現して移動体に新しい美観を付与するための工夫がなされている。
なお、図1~図9に示された例において、移動体用化粧材10は、外装材として、移動体1のフロントパネルに適用されている。図1に示された移動体1は自動車である。以下、図面に示された具体的な適用例を参照しながら、一実施の形態を説明していく。
ただし、移動体用化粧材10が適用される移動体1は自動車に限られない。移動体用化粧材10は、移動可能な装置としてのその他の移動体1にも適用可能である。自動車以外の移動体1として、鉄道車両、台車、船、飛行機、ヘリコプター、ドローン、ロボットが例示される。またそもそも、移動体用化粧材10は外装材としての適用に限定されない。後述するように、移動体用化粧材10は、移動体の内装材としても適用可能である。
ところで、図1及び図2に示すように、移動体用化粧材10は、可視光よりも長波長の電磁波を用いたセンサ2に対面して配置される。センサ2は、一例として、移動体1の周囲の状況を監視する。センサ2の検出結果は、移動体1の制御装置3に送信される。制御装置3は、センサ2の検出結果に基づき、警報を発する又は移動体1の移動を制御する。例えば、センサ2は、移動体1の前方の障害物等を検出する。このセンサ2は、電磁波を発信可能かつ電磁波を受信可能である。センサ2が、障害物等で反射した反射波を受信することによって、障害物の有無や障害物までの距離を検出できる。センサ2は、ミリ波レーダ装置としてもよい。ミリ波レーダ装置は、波長が1mm以上10mm以下のミリ波を電磁波として用いてもよい。
図2に示すように、移動体用化粧材10は、第1表面11及び第2表面12を有している。第1表面11は移動体用化粧材10の裏面となる。第2表面12は移動体用化粧材10の表面となる。センサ2は、移動体用化粧材10の第1表面11に対面している。センサ2で用いられる電磁波は、第1表面11及び第2表面12が対向する第3方向D3に、移動体用化粧材10を透過する。第1表面11及び第2表面12は、電磁波の出射面及び入射面となる。第1表面11及び第2表面12は、少なくとも第3方向D3にセンサ2と対面する領域において、平坦面となっている。平坦面とすることによって、電磁波の拡散によるセンサ2の感度低下を抑制している。
第1表面11及び第2表面12の間となる移動体用化粧材10の第3方向D3に沿った厚みT10(mm)は、少なくとも第3方向D3にセンサ5と対面する領域において、センサ5で用いられる電磁波の移動体用化粧材10中における波長をλ(mm)として、次の関係式(1)条件を満たすように調整されている。
(λ/2)×k-λ/12<T10<(λ/2)×k+λ/12 ・・・(1)
このように厚みT10(mm)を調整しておくことによって、電磁波が高透過率で移動体用化粧材10を透過できる。なお、移動体用化粧材10中における電磁波の波長λ(mm)とは、媒質中における電磁波の波長を意味している。したがって、当該電磁波の真空中での波長をλ(mm)とし、移動体用化粧材10の屈折率をnとすると、次の関係式(2)が成り立つ。
λ=λ/n ・・・(2)
また、式中の「k」は、正の整数、すなわち自然数である。
図27は、厚みT10(mm)を有した移動体用化粧材10の第3方向D3に沿った断面を示している。この図27には、入射波LI、第1反射波LR1、第2反射波LR2及び合成反射波LRについて、或る瞬間での振動状態が示されている。入射波LIは、移動体用化粧材10の第2面12へ入射する電磁波である。第1反射波LR1は、移動体用化粧材10の第2面12で固定端反射した電磁波である。第2反射光LR2は、移動体用化粧材10の第1面11で自由端反射した電磁波である。合成反射波LRは、第1反射波LR1及び第2反射波LR2を合成した電磁波である。図27では、x軸が第3方向D3に延び且つy軸が第3方向D3に直交する方向に延びるように、xy座標が定義されている。この座標を用いると、各光LI,LR1,LR2,LRの波形は、それぞれ、次の式(3)~(6)にて表される。式(3)~(6)において、「λ」は移動体用化粧材中における電磁波の波長(mm)であり、「λ」は電磁波の真空中における波長(mm)であり、「n」は空気の屈折率であり、「n」は移動体用化粧材の屈折率である。空気の屈性率nは1と考えることができる。
YI=sin((x×nA/λV)×2π) ・・・式(3)
YR1=sin((x×nA/λV)×2π) ・・・式(4)
YR2=-sin(((x×nA/λV)+(2×T10×n/λV))×2π) ・・・式(5)
YR=-2×sin(2×T10×nD×π/λV) ×cos(((x×nA/λV)+(T10×nD/λV))×2π) ・・・式(6)
合成反射波LRの強度が弱い程、電磁波の透過率は高くなる。移動体用化粧材10からの合成反射波LRの強度は、当該反射波の波形の振幅を示す「2×sin(2×T10×nD×π/λV)」によって表される。上述した関係式(1)が満たされる場合、合成反射波LRの振幅が最大値である「2」の半分未満「1」未満となる。すなわち、関係式(1)が満たされる場合に、合成反射波LRの強度を低下させる観点から優位な状況となる。以上のことから、関係式(1)が満たされる場合に、電磁波の移動体用化粧材10での反射を効果的に抑制できる。結果として、電磁波は、移動体用化粧材10を高透過率で透過できる。
電磁波の移動体用化粧材10の透過率を向上させる観点から、関係式(1)に代えて、関係式(1A)が満たされることが好ましく、関係式(1B)が満たされることがより好ましく、関係式(1C)が満たされることが更に好ましい。
(λ/2)×k-λ/18<T10<(λ/2)×k+λ/18 ・・・(1A)
(λ/2)×k-λ/24<T10<(λ/2)×k+λ/24 ・・・(1B)
(λ/2)×k-λ/30<T10<(λ/2)×k+λ/30 ・・・(1C)
なお、第1反射波LR1の振幅および第2反射波LR2の振幅は、入射波LIの振幅より小さくなる。また、入射波LIの振幅は、第1反射波LR1および第2反射波LR2の生成によって小さく変化する。しかしながら、図27においては、第1反射波LR1および第2反射波LR2の位相と合成反射波LRの振幅との関係についての理解の便宜から、入射波LI、第1反射波LR1および第2反射波LR2の振幅を同一として図示している。
図2に示すように、移動体用化粧材10は、加飾シート20とカバー部材40とを備えている。加飾シート20は、第1面21及び第1面21に対向する第2面22を有している。図示された例では、加飾シート20の第1面21は、移動体用化粧材10の第1表面11を成す。カバー部材40は、加飾シート20の第2面22に対面して配置されている。より詳しくは、カバー部材40は、加飾シート20に対面する第1面41と、第1面41に対向する第2面42を有している。カバー部材40の第2面42は、移動体用化粧材10の第2表面12を成す。
なお、図2に示された移動体用化粧材10は、平板状に示されている。しかしながら、移動体用化粧材10は、湾曲していてもよい。
以下、カバー部材40及び加飾シート20の構成について、図3及び図4を参照して詳述する。
<<カバー部材>>
まず、図3を参照して、カバー部材40について説明する。図3は、図2に示すカバー部材40の断面図である。図3に示すように、カバー部材40は、カバー基体45と、カバー基体45の一側面を被覆するハードコートフィルム50とを有する。カバー基体45は、カバー基材46とカバー基材46の一側面を被覆する紫外線吸収層48とを有する。カバー基材46は、カバー部材40の第1面41を形成する。
<カバー基材>
カバー基材46は、紫外線吸収層48及びハードコートフィルム50を支持する層である。カバー基材46は、フィルム状の部材である。カバー基材46を形成する材料としては、可視光を透過し、且つ、紫外線吸収層48及びハードコートフィルム50を支持可能な強度を有していれば特に限定されないが、例えば有機ガラスを採用可能である。有機ガラスとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン共重合体)等が挙げられる。これらの有機ガラスの中でも、ポリカーボネートは、耐衝撃性や透明性に優れており、カバー基材46を形成する材料として好適である。
<紫外線吸収層>
紫外線吸収層48は、紫外線吸収剤を含有する層である。紫外線吸収層48は、カバー基材46よりも第2表面12側に配置される。これにより、第2表面12に入射した紫外線によってカバー基材46が変色してしまうことを抑制することができる。図示された例では、紫外線吸収層48は、カバー基材46とハードコートフィルム50との間に配置されている。紫外線吸収層48は、可視光を透過させる。紫外線吸収層48を形成する材料としては、公知の材料を採用可能である。紫外線吸収層48は、例えば、紫外線吸収剤とバインダー樹脂とから形成することができる。紫外線吸収層48に含まれる紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤やベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化チタンなどを採用可能である。また、紫外線吸収層48を形成するバインダー樹脂としては、汎用の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化性樹脂等を採用可能である。
紫外線吸収層48は、上述した紫外線吸収層形成用の材料を紫外線吸収層48に隣接する層(図示された例ではカバー基材48)の上に塗布又は転写することにより形成することができる。紫外線吸収層形成用の材料を塗布する方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバードコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の公知の塗布方法を採用可能である。また、紫外線吸収層48は、押出成形法により形成されてもよい。この場合、紫外線吸収層48は、紫外線吸収層48に隣接する層(図示された例ではカバー基材46)と共に二色成形されてもよい。
なお、紫外線吸収層48は、ハードコートフィルム50に設けられていてもよい。例えば、紫外線吸収層48は、後述するハードコートフィルム50を構成する層の間(ハードコート層52と密着改善層54との間、或いは、密着改善層54と接着層56との間)に設けられていてもよい。また、カバー基材46又は後述するハードコートフィルム50を構成する層のいずれかが紫外線吸収剤を含んでいてもよい。これらの場合、カバー基体45やハードコートフィルム50は、紫外線吸収層48を含まなくてもよい。
さらに、紫外線吸収層48は、酸化防止剤やHALS(hindered amine light stabilizer ヒンダードアミン系光安定剤)等の安定剤を含んでいてもよい。これにより、カバー基材46中にラジカルが発生することを抑制することができ、ラジカルによってカバー基材46に含まれる樹脂が分解してカバー基材46が劣化する、ということを抑制することができる。
紫外線吸収層48に含まれる酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、低揮発性のフェノール系酸化防止剤、過酸化物分解剤であるジラウリル・チオジプロピオネート(DLTP)、ジステアリル・チオジプロピオネート(DSTP)等を採用可能である。また、HALSとしては、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等を採用可能である。
なお、カバー基材46又は後述するハードコートフィルム50を構成する層のいずれかが、上記酸化防止剤や上記安定剤を含んでいてもよい。例えば、カバー基材46又は後述するハードコートフィルム50を構成する層のいずれかが、紫外線吸収剤と上記酸化防止剤又は上記安定剤とを含んでいてもよい。この場合、カバー基体45やハードコートフィルム50は、紫外線吸収層48を含まなくてもよい。
<ハードコートフィルム>
ハードコートフィルム50は、ハードコート層52と密着改善層54と接着層56とを含む。ハードコート層52は、カバー部材40の第2面42(したがって、カバー部材40を用いた移動体用化粧材10の第2表面12)を形成する層であり、耐傷性を有する。接着層56は、接着機能を有する層である。接着層56は、カバー基体45の一側面に対面して配置されて、ハードコートフィルム50をカバー基体45に接着させる。密着改善層54は、いわゆるプライマー層である。密着改善層54は、ハードコート層52と接着層56との間に配置されて、ハードコート層52と接着層56との密着性を向上させる。ハードコート層52、密着改善層54及び接着層56は、それぞれ可視光を透過させる。
ハードコート層52を構成する材料としては、樹脂硬化物を採用可能である。樹脂硬化物は、特に限定されず、一般的なハードコート層52に含まれる樹脂の硬化物を採用可能である。このような樹脂硬化物としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタンアクリレート樹脂、アクリルアクリレート樹脂、アクリルアクリレートとポリジメチルシロキサンの混合物などの硬化物が挙げられる。樹脂硬化物は、熱可塑性樹脂を加熱硬化させた硬化物であってもよく、電離放射線硬化性樹脂を光照射により硬化させた硬化物であってもよい。
ハードコート層52は、柔軟性やその他の物性を付与するために、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。また、ハードコート層は、その性能を阻害しない範囲で、各種添加剤を含んでいてもよい。各種添加剤としては、例えば、耐傷粒子、紫外線吸収剤、光安定剤、光重合用開始剤、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤などが挙げられる。
ハードコート層52は、上述したハードコート層形成用の材料を、後述する転写用基材62上、又は転写用基材62上に形成された離型層64上に塗工又は印刷して硬化させることにより形成することができる。ハードコート層形成用の材料を塗工する方法としては、特に限定されず、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコート法、スリットリバース法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、オフセット法、バーコード法等、公知の塗工方法を採用することができる。また、ハードコート層形成用の材料を印刷する方法としては、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーン印刷等、公知の印刷方法を採用可能である。
ハードコート層52の厚みは、特に限定されず、ハードコート層52としての機能を発揮可能な厚みとなるように適宜設定することができる。ハードコート層52の厚みは、例えば1μm以上100μm以下であり、好ましくは2μm以上50μm以下であり、さらに好ましくは3μm以上30μm以下である。
密着改善層54を構成する材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等を採用可能であるが、これらに限られない。また、密着改善層54は、紫外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。
密着改善層54は、上述した密着改善層形成用の材料をハードコート層52上に塗工し、必要に応じて硬化させることにより、形成される。密着改善層形成用の材料を塗工する方法としては、特に限定されず、上述した公知の塗工方法を採用することができる。
密着改善層54の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.1μm以上10μm以下であり、好ましくは0.2μm以上5μm以下である。
接着層56を構成する材料としては、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂などの熱融着樹脂等を採用可能である。これらの樹脂は、カバー基材46や紫外線吸収層48の材質等に応じて、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。透明性に優れ、透明性と耐候性向上の点から、上記熱融着樹脂としては、アクリル樹脂を単体で用いることが特に好ましい。
接着層56は、上述した接着層形成用の材料を密着改善層54上に塗工することにより、形成される。接着層形成用の材料を塗工する方法としては、特に限定されず、上述した公知の塗工方法を採用することができる。
接着層56の厚みは、特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下であり、好ましくは3μm以上50μm以下である。なお、密着改善層54が接着機能を有している場合には、ハードコートフィルム50は接着層56を含まなくてもよい。
<<加飾シート>>
次に、図4を参照して、加飾シート20について説明する。図4は、加飾シート20の構成を示す断面図である。加飾シート20は、意匠を表示して、移動体用化粧材10に意匠性を付与する。図4に示す例では、加飾シート20は、シート基材24と、シート基材24上に設けられた意匠層26及び金属層28と、意匠層26及び金属層28の凹凸を埋める埋込層30と、埋込層30上に設けられた拡散層32とを有している。図4に示す例では、シート基材24と意匠層26と金属層28と埋込層30と拡散層32とが、この順で積層されている。シート基材24は、加飾シート20の第1面21(移動体用化粧材10の第1表面11)を形成している。拡散層32は、加飾シート20の第2面22を形成している。
<シート基材>
シート基材24は、加飾シート20の他の層(意匠層26、金属層28、埋込層30及び拡散層32)を支持する層である。シート基材24は、フィルム状の部材である。シート基材24を構成する材料としては、可視光を透過し、適切な支持性を有するものであればいかなる材料でもよいが、例えば、アクリル酸エステル、ABS、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、環状ポリオレフィンなどを採用可能である。移動体用化粧材10を三次元曲面に適合するよう成形する場合、シート基材24を構成する材料としては、アクリル酸エステルやABS、ポリ塩化ビニルが好ましい。アクリル酸エステルやABS、ポリ塩化ビニルは熱を加えて延伸させることができるため、TOM(three dimension overlay method)成形や圧空成形が可能だからである。
シート基材24の厚みは、加飾シート20の他の層26,28,30,32を適切に支持することができる厚みであれば特に限定されないが、例えば5μm以上であることが好ましい。なお、移動体用化粧材10を三次元曲面に適合するように成形する場合、シート基材24の厚みは500μm以下であることが好ましい。
<意匠層>
意匠層26は、加飾シート20が表示する意匠を形成する。意匠層26は、加飾シート20の第1面21及び第2面22の間に位置している。図5に、意匠層26の平面図を示す。また、図6に、図5に示す意匠層26のA-A線に沿った断面を示す。図5に示すように、意匠層26は、凸面鏡として機能する単位要素34を含む。図示された例では、意匠層26は、凸面鏡として機能する単位要素34を複数含む。この意匠層26によれば、単位要素34に映り込む範囲が、鏡面反射面よりも広範囲となる。このため、観察者は、凸面鏡として機能する単位要素34が実際の意匠層26の位置よりも奥深くに位置しているように感じる。すなわち、意匠層26は、意匠層26の厚みよりも深い奥行き感のある意匠を表示できる。したがって、意匠層26の厚みを薄くしながら、意匠層26の厚み以上の立体感を表現することができる。これにより、高級感をともなった豊かな意匠表現を実現することができる。
図示された例では、単位要素34は、フレネルレンズ構造を有してフレネルレンズとして機能するフレネルレンズ部35を含む。これにより、意匠層26の厚みを薄くすることができ、移動体用化粧材10の厚みを薄くすることができる。この結果、センサ2から発せられる電磁波が移動体用化粧材10を高透過率で透過することができる。図6に示すように、フレネルレンズ部35には、フレネルレンズ構造を成す凹凸36が形成されている。センサ2から発せられる電磁波が移動体用化粧材10を高透過率で透過することができるよう、凹凸36の高さT36や間隔P36は200μm以下であることが好ましい。また、フレネルレンズ構造を形成する凹凸36の高さT36は、意匠層26の面内において一定であることが好ましい。これにより、後述する金属層28を、意匠層26の面内において均一に形成することができる。
なお、図5及び図6に示す例では、フレネルレンズ構造は、サーキュラーフレネルレンズ構造として構成されているが、これに限られない。フレネルレンズ構造は、リニアフレネルレンズ構造として構成されてもよい。
図示された例では、移動体用化粧材10は外装材として使用される。ここで、通常、展示場等で移動体1の外装を観察する際、観察者は外装から1m~5m程度離れて観察する。これに対応して、移動体用化粧材10が外装材として使用される場合、各単位要素34の凸面鏡の焦点距離は、加飾シート20の第2面22から第1面21に向かう方向を正方向として、+0.5mm以上+350mm以下であることが好ましく、+2mm以上+250mm以下であることがさらに好ましく、+5mm以上+150mm以下であることが最も好ましい。これにより、意匠層26は、観察者に対して、奥行き感を効果的に示すことができる。
一方で、通常、移動体1の内部から移動体1の内装を観察する場合、観察者は内装から0.3m~1m程度離れて観察する。これに対応して、移動体用化粧材10が内装用材として用いられる場合、各単位要素34の凸面鏡の焦点距離は、加飾シート20の第2面22から第1面21に向かう方向を正方向として、+0.5mm以上+350mm以下であることが好ましく、+2mm以上+250mm以下であることがさらに好ましく、+5mm以上+150mm以下であることが最も好ましい。これにより、意匠層26は、観察者に対して、奥行き感を効果的に表現することができる。
なお、単位要素34の平面形状としては、図5に示す四角形形状に限られない。単位要素34の平面形状としては、三角形形状、五角形形状、六角形形状、八角形形状等の他の多角形形状や、多角形形状の角を面取りした形状、円形状、楕円形状等の曲線輪郭を含んだ形状等を採用可能である。
また、意匠層26の面内における複数の単位要素34の配置方法は、図5に示す例に限られない。例えば、各単位要素34が四角形形状である場合、複数の単位要素34を図7Aに示すように配置してもよい。また、各単位要素34が六角形形状である場合、複数の単位要素34を図7Bに示すように配置してもよい。
また、意匠層26の平面視における単位要素34の寸法(意匠層26の平面視における単位要素34の外接円の直径)は、特に限定されず、意匠層26が表現する意匠に応じて適宜設定可能である。なお、複数の単位要素34が、図5、図7A及び図7Bに示すように、意匠層26の平面視において隙間なく配置される場合、上記単位要素34の寸法は3mm以上200mm以下であることが好ましい。これは次の理由による。すなわち、上記単位要素34の寸法が3mm未満であると、肉眼で各単位要素34を識別することが困難になる。このため、複数の単位要素34を組み合わせても、複数の単位要素34の組み合わせによる意匠を効果的に表示することができない。また、上記単位要素34の寸法が200mmよりも大きいと、平面視における意匠層26の寸法に対する上記単位要素34の寸法が大きすぎて、意匠層26内における単位要素34の配置の自由度が低下する虞がある。このため、複数の単位要素34を所望のように配置して所望の意匠を表示する、ということが困難になる虞がある。図示された例では移動体用化粧材10は外装材として用いられるが、移動体用化粧材10が内装材として用いられる場合も、同様の理由により、上記単位要素34の寸法は3mm以上200mm以下であることが好ましい。
なお、移動体用化粧材10が外装材として用いられる場合、上記単位要素34の寸法は、さらに好ましくは10mm以上200mm以下であり、最も好ましくは20mm以上100mm以下である。また、移動体用化粧材10が内装材として用いられる場合、上記単位要素34の寸法は、さらに好ましくは3mm以上40mm以下であり、最も好ましくは6mm以上20mm以下である。
意匠層26を構成する材料としては、シート基材24と同一の材料や、紫外線硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂等を採用可能である。電離放射線硬化性樹脂は、例えば、電子線硬化性樹脂である。とりわけ、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂は延伸性がある。このため、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂で構成された意匠層26は、賦形してフレネルレンズ構造の凹凸36を形成することが容易である、また、意匠層26を紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂で形成すれば、加飾シート20にカバー部材40を張り付ける際に、意匠層26の凹凸36が潰れる虞が抑制される。また、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂で作製された意匠層26は、移動体用化粧材10を三次元曲面へ適用するよう成形する場合、移動体用化粧材10の成形を阻害する虞が少ない。
図示された例では、意匠層26は、シート基材24と別体として形成されているが、これに限られない。意匠層26は、シート基材24と一体に形成されてもよい。
意匠層26がシート基材24と別体として形成される場合、意匠層26は例えば次のようにして形成される。すなわち、意匠層26の形状に対応する金型を準備し、金型に液状の紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂を塗布し、基材24に押し当てる。次に、紫外線や電子線を照射して金型内の樹脂を硬化させ、硬化した樹脂から金型を外す。これにより、シート基材24上に意匠層26が形成される。
一方、意匠層26がシート基材24と一体に形成される場合、シート機材24及び意匠層26は、例えば熱エンボス加工法や射出成形法により形成することができる。熱エンボス加工では、加熱されて柔らかくなった基材の一方の面に、意匠層26の形状に対応する金型を押し当てて、当該基材の一方の側に意匠層26を形成する。そして、当該基材の他方の側をシート基材24として用いる。また、射出成形では、熱可塑性樹脂を加熱して溶融し、溶融した樹脂をシート基材24及び意匠層26の形状に対応する金型内に充填して冷却することで、シート基材24と意匠層26とが一体になった部材を形成する。
<金属層>
金属層28は、意匠層26のフレネルレンズ構造の凹凸36が形成された面において、反射率を向上させるための層である。金属層28は、アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の1種以上を原料として、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等により形成することができる。
図示された例では、移動体用化粧材10はセンサ2に対面して配置されるため、金属層28は、センサ2から発せられる電磁波を透過可能な材料で形成されていることが好ましい。あるいは、図8に示すように、金属層28は可視光を反射可能な複数の金属粒部28aを含み、複数の金属粒部の間に電磁波が透過可能な隙間28bが設けられていてもよい。言い換えると、金属層28は、いわゆる海島構造を有していてもよい。なお、図8は、海島構造を有する金属層28の電子顕微鏡写真である。また、後述するように、加飾シート20が絵柄層や着色層等の金属層28を介して観察される層を含む場合、金属層28は可視光を透過可能な材料で形成されることが好ましい。
また、図示された例では、金属層28は意匠層26の凹凸36が形成された面に沿って形成されているが、これに限られない。金属層28は、意匠層26の凹凸36を埋めるように形成されてもよい。
金属層28の厚みとしては、可視光の反射率を向上させることが可能な厚みであれば、特に限定されないが、例えば0.01μm以上10μm以下である。
<埋込層>
埋込層30は、意匠層26及び金属層28の凹凸を埋めるための層である。意匠層26及び金属層28の凹凸が埋込層30によって埋められることで、加飾シート20にカバー部材40を張り付ける際等に意匠層26の凹凸36が潰れてしまう、という虞が抑制される。埋込層30を形成する材料としては、可視光を透過可能な材料であれば特に限定されず、例えば紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂、常温硬化性樹脂等を採用可能である。また、埋込層30は、金属層28と拡散層32とを粘着させる粘着剤によっても形成可能である。金属層28が意匠層26の凹凸36を埋めるように形成される場合、加飾シート20は埋込層30を含まなくてもよい。
<拡散層>
拡散層32は、金属層28で反射された可視光を拡散させる層である。拡散層32は、加飾シート20の平面視において、意匠層26の単位要素34と重なって配置されている。金属層28で反射された光が拡散層32で拡散されることにより、移動体用化粧材10の第2表面12から意匠層26を視認可能な視野角を広げることができる。また、拡散層32によって光が拡散されることにより、均一化された光が移動体用化粧材10の第2表面12から出射される。したがって、移動体用化粧材10に強い光が照射されても、強い光がそのまま金属層28で反射されて第2表面12から出射される、という虞が抑制される。
拡散層32は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂中に分散した光拡散材とを含有する。拡散層32は、バインダー樹脂と光拡散材との間の屈折率差を利用して、又は、光拡散材が有する反射性を利用して、光を等方的に拡散することができる。
拡散層32に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、塩素系樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等、公知の材料を採用可能である。
拡散層32に含有される光拡散材は、拡散層32に求められる光拡散性等に応じて適宜選択されてよい。光拡散材としては、例えば、プラスチックビーズ等の有機粒子、シリカなどの無機粒子等が挙げられる。プラスチックビーズとしては、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリル-スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、塩化ビニルビーズ等が挙げられるが、これらのうちアクリルビーズが好ましい。光拡散材は、気泡であってもよい。
拡散層32は、光拡散材が分散した液状のバインダー樹脂を埋込層30上に塗布することにより形成することができる。拡散層32は、光拡散材が分散したバインダー樹脂を押出成形することにより、形成することもできる。押出成形された拡散層32と埋込層30とは、接着剤や粘着剤を介して、或いは拡散層32と埋込層30とを熱融着させることにより、接合され得る。
<その他の層>
加飾シート20は、上述した層24,26,28,30,32の他、絵柄層を含んでいてもよい。絵柄層は、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン等の絵柄を表示する層である。絵柄層は、バインダー樹脂や溶剤に染料や顔料等の着色剤を混合して作製されたインキを用いて、加飾シートの他の層(例えば拡散層32やシート基材24)に絵柄を印刷することにより形成される。絵柄層を印刷する印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷方式を採用可能である。なお、絵柄層は、カバー部材40に含まれていてもよい。
また、加飾シート20は、着色層を含んでいてもよい。加飾シート20が着色層を含むことにより、移動体用化粧材10を所望の色を付すことができる。着色層は、加飾シート20の他の層(例えばシート基材24)に、絵柄層形成用のインキと同様のインキを塗布することにより、形成される。着色層形成用のインキを塗布する方法としては、上述した公知の印刷方式を採用可能である。なお、加飾シート20が着色層を含む代わりに、シート基材24や意匠層26、埋込層30、拡散層32が着色剤を含んでいてもよい。あるいは、カバー部材40のいずれかの層(例えばカバー基材46)が着色剤を含んでいてもよい。
<<移動体用化粧材の作製方法>>
以上に説明した移動体用化粧材10は、次のようにして作製することができる。まず、カバー部材40の作製方法の一例について説明する。
まず、図9に示すように、カバー部材作製用の転写フィルム60を作製する。具体的には、平板な転写用基材62上に、離型層64、ハードコート層52、密着改善層54及び接着層56をこの順で積層する。転写用基材62は、ハードコートフィルム50をカバー基体45に転写する際に、離型層64と共に剥離される部材である。転写用基材62としては、例えばポリエステル樹脂フィルムやポリオレフィン樹脂フィルム等、一般的な転写フィルムの剥離層として用いられるものを採用可能である。離型層64は、シリコーン樹脂等を用いて形成される。転写用基材62とハードコートフィルム50との間に離型層64が配置されることにより、転写用基材62をハードコートフィルム50から容易に剥離することができる。なお、転写用基材62上に離型層64を形成する代わりに、転写用基材62の表面に公知の離型処理を施してもよい。この場合も、転写用基材62をハードコートフィルム50から容易に剥離することができる。
また、カバー基体45を準備する。カバー基体45は、カバー基材46の一側面に、紫外線吸収層48を形成することにより作製される。
次に、カバー部材作製用の転写フィルム60からハードコートフィルム50をカバー基体45に転写する。これにより、カバー部材40が完成する。具体的には、まず、転写フィルム60の接着層56をカバー基体45の紫外線吸収層48に接着させる。その後、転写フィルム60の転写用基材62及び離型層64を、ハードコートフィルム50から剥離する。なお、カバー基体45が紫外線吸収層48を含まない場合は、転写フィルム60の接着層56をカバー基材46の一側面に接着させた後、転写フィルム60の転写用基材62及び離型層64をハードコートフィルム50から剥離する。
次に、加飾シート20の作製方法の一例について説明する。まず、シート基材24を用意する。図4に示すように、シート基材24の一側面に、意匠層26を形成する。その後、意匠層26の一側の凹凸36が形成された面上に金属層28を形成する。その後、意匠層26及び金属層28の凹凸を埋めるように、金属層28の一側面上に埋込層30を形成する。その後、埋込層30の一側面上に拡散層32を形成する。
次に、得られたカバー部材40の第1面41と加飾シート20の第2面22とを接着させる。図示された例では、カバー部材40のカバー基材46を加飾シート20の拡散層32に接着させる。これにより、移動体用化粧材10が完成する
<<<第1の実施形態の変形例>>>
上述した例では、意匠層26は、凸面鏡として機能する単位要素34を含むが、これに限られない。意匠層26は、凹面鏡として機能する単位要素34を含んでもよい、このような意匠層26によれば、単位要素34に映り込む外光の反射面の位置が実際の意匠層26位置と異なるように感じる。したがって、意匠層26の厚みを薄くしながら、意匠層の厚み以上の立体感を表現することができる。これにより、高級感をともなった豊かな意匠表現を実現することができる。
意匠層26が凹面鏡として機能する単位要素34を含む場合であって、移動体用化粧材10が外装材として使用される場合、単位要素34の凹面鏡の焦点距離は、加飾シート20の第2面22から第1面21に向かう方向を正方向として、-350mm以上-0.5mm以下であることが好ましく、-250mm以上-2mm以下であることがさらに好ましく、-150mm以上-5mm以下であることが最も好ましい。これにより、意匠層26は、観察者に対して、立体感を効果的に示すことができる。なお、単位要素34の寸法は、特に限定されず、意匠層26が表現する意匠に応じて適宜設定可能である。
一方で、意匠層26が凹面鏡として機能する単位要素34を含む場合であって、移動体用化粧材10が内装材として使用される場合、単位要素34の凹面鏡の焦点距離は、-350mm以上-0.5mm以下であることが好ましく、-250mm以上-2mm以下であることがさらに好ましく、-150mm以上-5mm以下であることが最も好ましい。これにより、意匠層26は、観察者に対して、立体感を効果的に示すことができる。この場合も、単位要素34の寸法は、特に限定されず、意匠層26が表現する意匠に応じて適宜設定可能である。
また、上述した例では、意匠層26のフレネルレンズ構造が形成された面(凹凸36が形成された面)は、加飾シート20の第2面22の側を向いているが、これに限られない。図9に示すように、意匠層26のフレネルレンズ構造が形成された面は、加飾シート20の第1面21の側を向いていてもよい。この場合、図9に示すように、シート基材24の一側面上に拡散層32が配置され、シート基材24の他側面上に意匠層26、金属層28及び埋込層30がこの順で形成されてもよい。この場合、埋込層30が加飾シート20の第1面21を形成する。
<<<第2の実施形態>>>
次に、図11乃至図20を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。図11乃至図20に示す移動体用化粧材は、図1乃至図9に示す移動体用化粧材10と比較して、意匠層126がフレネルレンズ構造を有していない点で異なっている。その他の構成は、図1乃至図9に示す移動体用化粧材10と略同一である。図11乃至図18に示す第2の実施形態において、図1乃至図9に示す移動体用化粧材10と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
<意匠層>
以下、図11乃至図20を参照して、第2の実施形態の意匠層126について説明する。図11は、第2の実施形態による移動体用化粧材の意匠層126の平面図である。また、図12は、図11に示す意匠層126の単位要素134を拡大して示す図である。図13及び図14は、それぞれ、図12に示す意匠層のB-B線及びC-C線に沿った断面図である。図15乃至図20は、図12に対応する図であって、図11に示す意匠層126の変形例を示す図である。
図11乃至図14から理解されるように、意匠層126は、平面視において平行直線群を成す凹凸136が形成された単位要素134を含む。このような意匠層126は、平行直線群の延びる方向に応じて光を反射させることができ、平行直線群の延びる方向に応じた意匠を表現することができる。また、意匠層126は、移動体用化粧材10を観察する方向によって異なる意匠を表現することができる。図示された例では、意匠層126は、複数の単位要素134を含む。そして、互いに隣接する単位要素134は、平面視において平行直線群の延びる方向が異なる。このような意匠層126は、隣り合う単位要素134が異なる態様で光を反射させるため、複雑な意匠を表現することができる。
平行直線群における凹部137及び凸部138の幅W137,W138は、意匠層126が表現する意匠に応じて適宜設定可能である。また、平行直線群における凹部137の幅W137は、その単位要素134の面内において互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。同様に、平行直線群における凸部138の幅W138は、その単位要素134の面内において互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。ただし、移動体用化粧材10の表面に虹光が発生するのを防止する観点から、凹部137及び凸部138の幅W137,W138は、10μm以上であることが好ましい。また、移動体用化粧材10をセンサ2に対面して配置する場合、センサ2から発せられる電磁波が移動体用化粧材10を高等化率で透過するよう、凹部137及び凸部138の幅W137,W138は、200μm以下であることが好ましい。さらに、平行直線群の凹凸136が肉眼で視認されることを抑制する観点から、凹部137及び凸部138の幅W137,W138は、80μm以下であることが好ましい。
また、センサ2から発せられる電磁波が移動体用化粧材10を高透過率で透過するよう、平行直線群を形成する凹凸136の高さT136は、200μm以下であることが好ましい。また、平行直線群を形成する凹凸136の高さは意匠層126の面内において一定であることが好ましい。これにより、金属層28を、意匠層126の面内において均一に形成することができる。
意匠層126の平面視における単位要素134の寸法(意匠層126の平面視における単位要素134の外接円の直径)は、特に限定されず、意匠層126が表現する意匠に応じて適宜設定可能である。ただし、複数の単位要素134が、図11に示すように意匠層126の平面視において隙間なく配置される場合、上記単位要素134の寸法は3mm以上200mm以下であることが好ましい。これは次の理由による。すなわち、上記単位要素134の寸法が3mm未満であると、肉眼で各単位要素134を識別することが困難になる。このため、複数の単位要素134を組み合わせても、複数の単位要素134の組み合わせによる意匠を効果的に表示することができない。また、上記単位要素134の寸法が200mmよりも大きいと、平面視における意匠層126の寸法に対する上記単位要素134の寸法が大きすぎて、意匠層126内における単位要素134の配置の自由度が低下する虞がある。このため、複数の単位要素134を所望のように配置して所望の意匠を表示する、ということが困難になる虞がある。図示された例では移動体用化粧材10は外装材として用いられるが、移動体用化粧材10が内装材として用いられる場合も、同様の理由により、上記単位要素134の寸法は3mm以上200mm以下であることが好ましい。
なお、移動体用化粧材10が外装材として用いられる場合、上記単位要素134の寸法は、さらに好ましくは10mm以上200mm以下であり、最も好ましくは20mm以上100mm以下である。また、移動体用化粧材10が内装材として用いられる場合、上記単位要素134の寸法は、さらに好ましくは3mm以上40mm以下であり、最も好ましくは6mm以上20mm以下である。
なお、図11に示す例では、意匠層126の平面視において、各単位要素134の形状は四角形であり、平行直線群の延びる方向は単位要素134のいずれかの辺に沿った方向であるが、これに限られない。図15及び図16に示すように、意匠層126の平面視において、平行直線群の延びる方向は単位要素134の各辺と交差する方向であってもよい。また、単位要素134の平面形状としては、図11乃至図16に示す四角形形状に限られない。単位要素134の平面形状としては、三角形形状、五角形形状、六角形形状、八角形形状等の他の多角形形状や、多角形形状の角を面取りした形状、円形状、楕円形状等の曲線輪郭を含んだ形状等を採用可能である。
また、図17に示すように、複数の単位要素134の形状は、互いに異なっていてもよい。更に、図18乃至図19に示すように、単位要素134には、平面視において平行曲線群を成す凹凸が形成されていてもよい。とりわけ、図19に示すように、単位要素134に形成された凹凸が平面視において同心円群を形成する場合、意匠層126は、図5に示す意匠層26と同様の意匠を表示することができる。また、意匠層126は、図20に示すように、平面視において平行直線群を成す凹凸が形成された単位要素134と、平面視において平行曲線群を成す凹凸が形成された単位要素134とを含んでいてもよい。
このような意匠層126は、図5に示す意匠層26と同様の材料を用いて同様の方法により作製することができる。また、意匠層126は、シート基材24と一体に形成されてもよい。
<<<第3の実施形態>>>
次に、図21乃至図25を参照して、本開示の第3の実施形態について説明する。図21に示す移動体用化粧材210は、図1乃至図9に示す移動体用化粧材10と比較して、加飾シート220が拡散層を含んでいず、カバー部材240のハードコート層252の表面に凹凸253が形成されている点で異なっている。その他の構成は、図1乃至図9に示す移動体用化粧材10と略同一である。図21乃至図25に示す第3の実施形態において、図1乃至図9に示す移動体用化粧材10及びカバー部材作製用の転写フィルム60と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図21は、第3の実施形態の移動体用化粧材210の構成を示す断面図である。図21に示す例では、加飾シート220は拡散層を含んでいない。その代わり、カバー部材240のハードコート層252の表面(移動体用化粧材210の第2表面12を成す面)に凹凸253が形成されている。表面に凹凸253が形成されたハードコート層252は、拡散層32と同様の機能を有する。すなわち、このようなハードコート層252は、金属層28で反射された光を拡散させて、移動体用化粧材210の第2表面12から意匠層26を視認可能な視野角を広げることができる。また、ハードコート層252によって光が拡散されることにより、均一化された光が移動体用化粧材210の第2表面12から出射される。さらに、ハードコート層252の表面に凹凸253が形成されていることにより、移動体用化粧材210の艶を抑制することができる。言い換えると、凹凸253により、移動体用化粧材210はマットな質感を表現することができる。
凹凸253が形成されたハードコート層252は、上述したハードコート層形成用材料に凝集フィラーを加えることにより、作製することができる。
あるいは、図22に示すように、カバー部材作製用の転写フィルム260の離型層264の他側面に凹凸265を形成することにより、凹凸253を有するハードコート層252を形成することができる。具体的には、転写用基材62上に、上述した離型層形成用材料を塗工し、塗工された離型層形成用材料の表面にエンボス加工等の公知の方法で凹凸265を形成する。次に、このようにして形成された離型層264の凹凸265が形成された面上にハードコート層252を形成する。その後、ハードコート層252の上に密着改善層54を形成し、密着改善層54の上に接着層56を形成する。このようにして得られた転写フィルム260からハードコートフィルム250をカバー基体45に転写することにより、ハードコート層252の表面に凹凸253が形成されたカバー部材240を得ることができる。なお、凹凸265を有する離型層264は、上述した離型層形成用材料に凝集フィラーを加えることによっても、作製することができる。
あるいは、図23に示すように、カバー部材作製用の転写フィルム360の転写用基材62上に凹凸367を有する賦形層366を形成し、その凹凸367が形成された面上に離型層64及びハードコートフィルム250を形成してもよい。この場合、ハードコート層252の表面に、賦形層366の凹凸367に対応する凹凸253を形成することができる。
あるいは、図24に示すように、カバー部材作製用の転写フィルム460の転写用基材462の、ハードコート層252に対向する面とは反対側の面に凹凸463を形成することにより、凹凸253を有するハードコート層252を作製することができる。具体的には、凹凸463を有する転写用基材462を用意し、転写用基材462の凹凸463が形成された面とは反対側の面に、離型層64及びハードコートフィルム50を積層して、転写フィルム460を作製する。その後、転写用基材462の凹凸463がハードコートフィルム50に対面するように、転写用基材462を巻き取る。これにより、転写用基材462の凹凸463がハードコートフィルム50に押しつけられ、図24に示すように、ハードコートフィルム50に転写用基材462の凹凸463に対応する凹凸が形成される。この結果、ハードコート層252に凹凸253が形成される。なお、転写用基材462の上記面に凹凸463を形成する代わりに、転写基材462の上記面に凹凸が形成された賦形層を設けてもよい。賦形層は、例えば、凝集フィラーを含むブロッキング防止剤を用いて作製することができる。
<<<第3の実施形態の変形例>>>
次に、図26を参照して、本開示の第3の実施形態の変形例について説明する。図26に示すカバー部材540は、図21に示すカバー部材240と比較して、ハードコート層52が凹凸を有さず、カバー基材546が凹凸545を有している点で異なっている。その他の構成は、図21に示すカバー部材240と略同一である。図26に示す変形例において、図21に示すカバー部材240と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図26は、第3の実施形態の変形例によるカバー部材540の断面を示す図である。図26に示すカバー部材540では、ハードコート層52に凹凸253が形成されていない代わりに、カバー基材546のハードコートフィルム50側の面に凹凸547が形成されている。このようなカバー部材540も、凹凸253を有するハードコート層252を含むカバー部材240と同様の機能を有する。すなわち、このようなカバー基材546は、加飾シート220の金属層28で反射された光を拡散させて、移動体用化粧材210の第2表面12から意匠層26を視認可能な視野角を広げることができる。また、カバー基材546によって光が拡散されることにより、均一化された光が移動体用化粧材210の第2表面12から出射される。
カバー基材546に凹凸547を形成する方法としては、例えばサンドブラスト法等、公知の方法を採用可能である。なお、図26に示すように、カバー基材546に凹凸547を形成する場合、カバー基材546の凹凸547が形成された面に紫外線吸収層を設けるのではなく、カバー部材540の他の層52,54,56に紫外線吸収剤を含ませることが好ましい。
<<<その他の変形例>>>
上述した例では、意匠層26が凸面鏡又は凹面鏡として機能する単位要素34を含む場合、並びに、意匠層126が平面視において平行直線群又は平行曲線群を成す凹凸136が形成された単位要素134を含む場合について説明したが、これに限られない。例えば、意匠層26,126は、エンボス型ホログラムを構成する凹凸が形成された単位要素を含んでもよい。この場合、移動体用化粧材10,210は、意匠層26,126のエンボス型ホログラムが表現する意匠に対応した意匠を表現することができる。
また、上述した例では、加飾シート20,220が金属層28を含む例について説明したが、これに限られない。加飾シート20,220は、金属層28の代わりに、意匠層26,126の凹凸36,136を覆う屈折率変調層を含んでいてもよい。屈折率変調層は、その屈折率が意匠層26,126の屈折率とは異なる層である。意匠層26,126の凹凸36,136が屈折率変調層によって覆われている場合、意匠層26,126と屈折率変調層との間に反射界面が形成され、意匠層26,126の表面における光の反射率を向上させることができる。
以上のように、上述した実施形態の移動体用化粧材10は、第1面21及び第1面21に対向する第2面22を有する加飾シート20と、加飾シート20の第2面22に対面して配置されたカバー部材40と、を備えている。加飾シート20は、第1面21及び第2面22の間に位置し、又は、第1面21及び第2面22の少なくとも一方を形成する意匠層26を含む。意匠層26は、凸面鏡又は凹面鏡として機能する単位要素34を含む。
このような移動体用化粧材10によれば、意匠層26の厚み以上の立体感を表現することができ、高級感をともなった豊かな意匠表現を実現することができる。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10において、単位要素34は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部35を含む。この場合、意匠層26の厚みを薄くすることができ、移動体用化粧材10の厚みを薄くすることができる。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10は、外装材である。単位要素34は、凸面鏡として機能し、凸面鏡の焦点距離は、+0.5mm以上+350mm以下であり、好ましくは+2mm以上+250mm以下であり、さらに好ましくは+5mm以上150mm以下である。この場合、意匠層26は、観察者に対して、立体感を効果的に示すことができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10は、外装材である。単位要素34は、凹面鏡として機能し、凹面鏡の焦点距離は、-350mm以上-0.5mm以下であり、好ましくは-250mm以上-2mm以下であり、さらに好ましくは-150mm以上-5mm以下である。この場合、意匠層26は、観察者に対して、立体感を効果的に示すことができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10は、内装材である。単位要素34は、凸面鏡として機能し、凸面鏡の焦点距離は、+0.5mm以上+350mm以下であり、好ましくは+2mm以上+250mm以下であり、さらに好ましくは+5mm以上+150mm以下である。この場合、意匠層26は、観察者に対して、立体感を効果的に示すことができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10は、内装材である。単位要素34は、凹面鏡として機能し、凹面鏡の焦点距離は、-350mm以上-0.5mm以下であり、好ましくは-250mm以上-2mm以下であり、さらに好ましくは-150mm以上-5mm以下である。この場合、意匠層26は、観察者に対して、立体感を効果的に示すことができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10は、第1面21及び第1面21に対向する第2面22を有する加飾シート20と、加飾シート20の第2面22に対面して配置されたカバー部材40と、を備えている。加飾シート20は、第1面21及び第2面22の間に位置し、又は、第1面21及び第2面22の少なくとも一方を形成する意匠層126を含む。意匠層126は、平面視において平行直線群又は平行曲線群を成す凹凸136が形成された単位要素134を含む。
このような移動体用化粧材10によれば、意匠層126は、平行直線群又は平行曲線群の延びる方向に応じて光を反射させることができ、平行直線群又は平行曲線群の延びる方向に応じた意匠を表現することができる。また、意匠層126は、移動体用化粧材10を観察する方向によって異なる意匠を表現することができる。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10において、意匠層126は複数の単位要素134を含む。互いに隣接する単位要素134は、平面視において平行直線群又は平行曲線群の延びる方向が異なる。この場合、意匠層126は、隣り合う単位要素134が異なる態様で光を反射させるため、複雑な意匠を表現することができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210は、第1面21及び第1面21に対向する第2面22を有する加飾シート20,220と、加飾シート20,220の第2面22に対面して配置されたカバー部材40,240,540と、を備えている。加飾シート20,220は、第1面21及び第2面22の間に位置し、又は、第1面21及び第2面22の少なくとも一方を形成する意匠層26,126を含む。意匠層26,126は、エンボス型ホログラムを構成する凹凸が形成された単位要素34を含む。
このような移動体用化粧材10,210によれば、意匠層26,126は、エンボス型ホログラムが表現する意匠に対応した意匠を表現することができる。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210は、外装材であり、単位要素34,134の寸法は、3mm以上200mm以下であり、好ましくは10mm以上200mm以下であり、さらに好ましくは20mm以上100mm以下である。この場合、複数の単位要素34,134の組み合わせによる意匠を効果的に表示することができる。また、複数の単位要素34,134を所望のように配置して所望の意匠を表示する、ということが容易である。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210は、内装材であり、単位要素34,134の寸法は、3mm以上200mm以下であり、好ましくは3mm以上40mm以下であり、さらに好ましくは6mm以上20mm以下である。この場合、複数の単位要素34,134の組み合わせによる意匠を効果的に表示することができる。また、複数の単位要素34,134を所望のように配置して所望の意匠を表示する、ということが容易である。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10において、単位要素34は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部35を含む。加飾シート20は、さらに、フレネルレンズ部35を覆う金属層28を含む。この場合、意匠層26のフレネルレンズ構造の凹凸36が形成された面における光の反射率を向上させることができる。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材210において、加飾シート20は、さらに、上記凹凸136を覆う金属層28を含む。この場合、意匠層26の平行直線群又は平行曲線群を形成する凹凸136が形成された面における光の反射率を向上させることができる。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210において、金属層28は、可視光よりも長波長の電磁波を透過可能である。この場合、移動体用化粧材10,210が電磁波を発するセンサ2に対面して配置された際に、電磁波が移動体用化粧材10,210を高透過率で透過することができる。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210において、金属層28は可視光を反射可能な複数の金属粒部28aを含み、複数の金属粒部28aの間に上記電磁波が透過可能な隙間28bが設けられている。この場合、移動体用化粧材10,210が電磁波を発するセンサ2に対面して配置された際に、電磁波が移動体用化粧材10,210を高透過率で透過することができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10において、単位要素34は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部35を含む。加飾シート20は、さらに、フレネルレンズ構造を覆う屈折率変調層を含む。意匠層26の屈折率と屈折率変調層の屈折率とが異なる。この場合、意匠層26と屈折率変調層との間に反射界面が形成され、意匠層26の表面における光の反射率を向上させることができる。したがって、加飾シート20は金属層28を含まなくてよい。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10において、加飾シート20は、さらに、上記凹凸136を覆う屈折率変調層を含む。意匠層126の屈折率と屈折率変調層の屈折率とが異なる。この場合、意匠層126と屈折率変調層との間に反射界面が形成され、意匠層126の表面における光の反射率を向上させることができる。したがって、加飾シート20は金属層28を含まなくてよい。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10において、加飾シート20は、意匠層26,126と第2面22との間に位置し、又は、第2面22を形成する拡散層32を含む。この場合、拡散層32を通過する光が拡散層32で拡散されることにより、移動体用化粧材10の第2表面12から意匠層26,126を視認可能な視野角を広げることができる。また、拡散層32によって光が拡散されることにより、均一化された光が移動体用化粧材10の第2表面12から出射される。したがって、移動体用化粧材10に強い光が照射されても、強い光がそのまま第2表面12から出射される、という虞が抑制される。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210において、カバー部材40,240,540は、カバー基材46,546とカバー基材46,546に対向して配置されたハードコート層52,252とを含む。この場合、移動体用化粧材10,210の質感を所望のように変更することが容易である。例えば、移動体用化粧材10,210は、ハードコート層252の表面の凹凸253の有無により、マットな質感や艶感の際立った質感を表現することができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材210において、カバー部材240は、カバー基材46とカバー基材に対向して配置されたハードコート層252とを含み、ハードコート層252の表面に凹凸253が形成されている。この場合、ハードコート層252は、拡散層32と同様の機能を有する。すなわち、このようなハードコート層252は、ハードコート層252を透過する光を拡散させて、移動体用化粧材210の第2表面12から意匠層26を視認可能な視野角を広げることができる。また、ハードコート層252によって光が拡散されることにより、均一化された光が移動体用化粧材210の第2表面12から出射される。さらに、ハードコート層252の表面に凹凸253が形成されていることにより、移動体用化粧材210の艶を抑制することができる。言い換えると、凹凸253により、移動体用化粧材210はマットな質感を表現することができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材210において、カバー部材540は、カバー基材546とカバー基材546に対向して配置されたハードコート層52とを含み、カバー基材546のハードコート層52に対向する面に凹凸547が形成されている。この場合、カバー基材546は、拡散層32と同様の機能を有する。すなわち、このようなカバー基材546は、カバー基材546を透過する光を拡散させて、移動体用化粧材210の第2表面12から意匠層26を視認可能な視野角を広げることができる。また、カバー基材546によって光が拡散されることにより、均一化された光が移動体用化粧材210の第2表面12から出射される。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210において、カバー部材40,240は、カバー基材46と、カバー基材46に対向して配置されたハードコート層52,252と、カバー基材46とハードコート層52,252との間に配置された紫外線吸収層48と、を含む。この場合、紫外線によってカバー基材46が変色する虞を抑制することができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210において、カバー部材40,240,540は、カバー基材46,546とカバー基材46,546に対向して配置されたハードコート層52,252とを含む。カバー基材46及び/又はハードコート層52,252は、紫外線吸収剤を含む。この場合、紫外線によってカバー基材46,546が変色する虞を抑制することができる。
あるいは、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210において、カバー部材40,240,540は、カバー基材46,546と、カバー基材46,546に対向して配置されたハードコート層52,252と、カバー基材46,546とハードコート層52,252との間に配置された密着改善層54と、を含む。密着改善層54は紫外線吸収剤を含む。この場合、紫外線によってカバー基材46,546が変色する虞を抑制することができる。
また、上述した実施形態の移動体用化粧材10,210は、可視光よりも長波長の電磁波を用いたセンサ2に対面して配置される外装材であって、センサ2に対面して配置される第1表面11と、第1表面11に対向する第2表面12と、を備えている。少なくとも一部分における第1表面11及び第2表面12の間の厚みは、上記電磁波の半波長の整数倍である。この場合、電磁波が高透過率で移動体用化粧材10,210を透過できる。
本開示の実施形態の態様は、上述した個々の実施の形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の実施形態の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本開示の実施形態の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
1 移動体
10,210 移動体用化粧材
20 加飾シート
24 シート基材
26,126 意匠層
28 金属層
30 埋込層
32 拡散層
35 フレネルレンズ部
40,240,540 カバー部材
46 カバー基材
48 紫外線吸収層
52,252 ハードコート層
54 密着改善層
56 接着層

Claims (22)

  1. 第1面及び前記第1面に対向する第2面を有する加飾シートと、
    前記加飾シートの前記第2面に対面して配置されたカバー部材と、を備え、
    前記加飾シートは、前記第1面及び前記第2面の間に位置し、又は、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方を形成する意匠層を含み、
    前記意匠層は、凸面鏡又は凹面鏡として機能する単位要素を複数含み、
    複数の前記単位要素は、前記意匠層の平面視において隙間なく配置され、
    前記意匠層の平面視における各単位要素の寸法が3mm以上であ
    前記カバー部材は、カバー基材と前記カバー基材に対向して配置されたハードコート層とを含む、移動体用化粧材。
  2. 各単位要素は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部を含み、
    前記フレネルレンズ部には、前記フレネルレンズ構造を成す凹凸が形成されており、
    複数の前記単位要素の前記凹凸は、前記意匠層の前記第1面の側を向く面及び前記第2面の側を向く面のいずれか一方に形成されている、請求項1に記載の移動体用化粧材。
  3. 前記凹凸の高さが200μm以下である、請求項2に記載の移動体用化粧材。
  4. 前記凹凸の間隔が200μm以下である、請求項2又は3に記載の移動体用化粧材。
  5. 前記移動体用化粧材は、外装材であり、
    前記単位要素は、凸面鏡として機能し、
    前記凸面鏡の焦点距離は、+0.5mm以上+350mm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  6. 前記移動体用化粧材は、外装材であり、
    前記単位要素は、凹面鏡として機能し、
    前記凹面鏡の焦点距離は、-350mm以上-0.5mm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  7. 前記移動体用化粧材は、内装材であり、
    前記単位要素は、凸面鏡として機能し、
    前記凸面鏡の焦点距離は、+0.5mm以上+350mm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  8. 前記移動体用化粧材は、内装材であり、
    前記単位要素は、凹面鏡として機能し、
    前記凹面鏡の焦点距離は、-350mm以上-0.5mm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  9. 前記移動体用化粧材は、外装材であり、
    前記意匠層の平面視における各単位要素の寸法は、200mm以下である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  10. 前記移動体用化粧材は、内装材であり、
    前記意匠層の平面視における各単位要素の寸法は、200mm以下である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  11. 各単位要素は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部を含み、
    前記加飾シートは、さらに、前記フレネルレンズ部を覆う金属層を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  12. 前記金属層は、可視光よりも長波長の電磁波を透過可能である、請求項11に記載の移動体用化粧材。
  13. 前記金属層は可視光を反射可能な複数の金属粒部を含み、複数の金属粒部の間に磁波が透過可能な隙間が設けられている、請求項11又は12に記載の移動体用化粧材。
  14. 各単位要素は、フレネルレンズ構造を有するフレネルレンズ部を含み、
    前記加飾シートは、さらに、前記フレネルレンズ構造を覆う屈折率変調層を含み、
    前記意匠層の屈折率と前記屈折率変調層の屈折率とが異なる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  15. 前記加飾シートは、前記意匠層と前記第2面との間に位置し、又は、前記第2面を形成する拡散層を含む、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  16. 前記ハードコート層の表面に凹凸が形成されている、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  17. 前記カバー基材の前記ハードコート層に対向する面に凹凸が形成されている、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  18. 前記カバー部材は、前記カバー基材と前記ハードコート層との間に配置された紫外線吸収層を含む、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  19. 記カバー基材及び/又は前記ハードコート層は、紫外線吸収剤を含む、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  20. 前記カバー部材は、記カバー基材と前記ハードコート層との間に配置された密着改善層を更に含み、
    前記密着改善層は紫外線吸収剤を含む、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  21. 前記移動体用化粧材は、可視光よりも長波長の電磁波を用いたセンサに対面して配置される外装材であって、前記センサに対面して配置される第1表面と、前記第1表面に対向する第2表面と、を備え、
    少なくとも一部分における前記第1表面及び前記第2表面の間の厚みは、前記電磁波の半波長の整数倍である、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の移動体用化粧材。
  22. 請求項1乃至21のいずれか一項に記載の移動体用化粧材と、
    前記移動体用化粧材に対面して配置されたセンサと、を備えた電気自動車であって、
    前記意匠層の単位要素は、凹凸が形成されて凸面鏡又は凹面鏡として機能し、
    前記凹凸の高さが200μm以下であり、
    前記凹凸の間隔が200μm以下であり、
    前記移動体用化粧材は、前記電気自動車のフロントパネルに適用され、
    前記センサは、前記第1面に対面して配置されている、電気自動車。
JP2021006360A 2021-01-19 2021-01-19 移動体用化粧材及び電気自動車 Active JP7092219B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021006360A JP7092219B1 (ja) 2021-01-19 2021-01-19 移動体用化粧材及び電気自動車
JP2022094702A JP2022120114A (ja) 2021-01-19 2022-06-10 移動体用化粧材及び電気自動車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021006360A JP7092219B1 (ja) 2021-01-19 2021-01-19 移動体用化粧材及び電気自動車

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022094702A Division JP2022120114A (ja) 2021-01-19 2022-06-10 移動体用化粧材及び電気自動車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7092219B1 true JP7092219B1 (ja) 2022-06-28
JP2022110754A JP2022110754A (ja) 2022-07-29

Family

ID=82196201

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021006360A Active JP7092219B1 (ja) 2021-01-19 2021-01-19 移動体用化粧材及び電気自動車
JP2022094702A Pending JP2022120114A (ja) 2021-01-19 2022-06-10 移動体用化粧材及び電気自動車

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022094702A Pending JP2022120114A (ja) 2021-01-19 2022-06-10 移動体用化粧材及び電気自動車

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7092219B1 (ja)

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005509896A (ja) 2001-11-13 2005-04-14 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フレネル型光学構造
JP2006159667A (ja) 2004-12-08 2006-06-22 Toppan Printing Co Ltd 装飾体
JP2007311176A (ja) 2006-05-18 2007-11-29 Puratekku:Kk 照明器具及び照明カバー
JP2013154670A (ja) 2012-01-27 2013-08-15 Toyoda Gosei Co Ltd 装飾部材
US20140009836A1 (en) 2012-07-03 2014-01-09 3M Innovative Properties Company Wood-like films and other decorative films utilizing fresnel mirrors
JP2014213578A (ja) 2013-04-29 2014-11-17 リケンテクノス株式会社 高鮮鋭性加飾シート
JP2015080951A (ja) 2013-10-21 2015-04-27 豊田合成株式会社 装飾部材
US20170075125A1 (en) 2015-09-11 2017-03-16 Hyundai Motor Company Radio-wave transparent cover for vehicle
JP2018511506A (ja) 2014-12-18 2018-04-26 サン−ゴバン グラス フランスSaint−Gobain Glass France プラスチック製の車両付設部材を製造する方法
JP2018071984A (ja) 2016-10-24 2018-05-10 豊田合成株式会社 電波透過性カバー及び電波透過性カバーの板厚設定方法
JP2018149715A (ja) 2017-03-10 2018-09-27 テイ・エス テック株式会社 加飾フィルム
JP2019117260A (ja) 2017-12-27 2019-07-18 サカエ理研工業株式会社 樹脂成形体、それを用いた透過カバー、ラジエータグリルおよびドアモール
JP2020190504A (ja) 2019-05-23 2020-11-26 豊田合成株式会社 車両用装飾部品

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005509896A (ja) 2001-11-13 2005-04-14 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フレネル型光学構造
JP2006159667A (ja) 2004-12-08 2006-06-22 Toppan Printing Co Ltd 装飾体
JP2007311176A (ja) 2006-05-18 2007-11-29 Puratekku:Kk 照明器具及び照明カバー
JP2013154670A (ja) 2012-01-27 2013-08-15 Toyoda Gosei Co Ltd 装飾部材
US20140009836A1 (en) 2012-07-03 2014-01-09 3M Innovative Properties Company Wood-like films and other decorative films utilizing fresnel mirrors
JP2014213578A (ja) 2013-04-29 2014-11-17 リケンテクノス株式会社 高鮮鋭性加飾シート
JP2015080951A (ja) 2013-10-21 2015-04-27 豊田合成株式会社 装飾部材
JP2018511506A (ja) 2014-12-18 2018-04-26 サン−ゴバン グラス フランスSaint−Gobain Glass France プラスチック製の車両付設部材を製造する方法
US20170075125A1 (en) 2015-09-11 2017-03-16 Hyundai Motor Company Radio-wave transparent cover for vehicle
JP2018071984A (ja) 2016-10-24 2018-05-10 豊田合成株式会社 電波透過性カバー及び電波透過性カバーの板厚設定方法
JP2018149715A (ja) 2017-03-10 2018-09-27 テイ・エス テック株式会社 加飾フィルム
JP2019117260A (ja) 2017-12-27 2019-07-18 サカエ理研工業株式会社 樹脂成形体、それを用いた透過カバー、ラジエータグリルおよびドアモール
JP2020190504A (ja) 2019-05-23 2020-11-26 豊田合成株式会社 車両用装飾部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022120114A (ja) 2022-08-17
JP2022110754A (ja) 2022-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018173556A (ja) 加飾シート並びに該加飾シートを使用した加飾成形品及び背面投射型表示装置
KR101441272B1 (ko) 반사 방지 물품 제조용 부형판의 제조 방법 및 반사 방지 물품의 제조 방법
JP2019073408A (ja) 車両用合わせガラス、映像表示システム及びウィンドシールド
JP7092219B1 (ja) 移動体用化粧材及び電気自動車
JP2007187912A (ja) 装飾体及び発光表示装置
JP7074436B2 (ja) 装飾シート、装飾シートを含む構造体及び装飾シートの製造方法
WO2020138101A1 (ja) 成形用加飾シートおよびその製造方法、並びに加飾成形体
JP2010158826A (ja) 装飾用シート材
CN111684034B (zh) 用于光投影的可热拉伸的装饰性膜和其所粘结的制品
JP6963742B2 (ja) 加飾シート並びに該加飾シートを使用した加飾成形品及び背面投射型表示装置
JP6935227B2 (ja) グラデーションフィルム、加飾成形品及びグラデーションフィルムの製造方法
JP2019084821A (ja) 光透過性加飾フィルム、光透過性加飾フィルムを含む成形品及びその製造方法並びに照明表示装置
WO2021085084A1 (ja) 凹凸構造体および積層体
WO2023238918A1 (ja) 加飾積層体、転写シート、加飾部材、及び移動体
JP6880906B2 (ja) 透過型スクリーンおよび背面投射型表示装置
WO2024080378A1 (ja) 光学積層体、転写シート、光学部材、及び移動体
JP2024052691A (ja) 加飾積層体、転写シート、加飾部材、及び移動体
JP2024030137A (ja) 外装加飾シート
JP2016038432A (ja) 光制御シート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置
JP6805902B2 (ja) 加飾成形品及びその製造方法、並びに転写シート
JP2018171801A (ja) 加飾シート並びに該加飾シートを使用した加飾成形品及び背面投射型表示装置
JP7056770B1 (ja) 加飾フィルム
WO2024101436A1 (ja) 加飾表皮材、加飾部材、表示システム、加飾表皮材の製造方法及び加飾部材の製造方法
JP5929202B2 (ja) 透過型スクリーン、背面投射型表示装置
WO2023033150A1 (ja) 加飾シート、加飾部材および表示システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210622

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210827

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7092219

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150