JP7090773B1 - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】発生する振動と騒音を低減することができる回転電機を得る。【解決手段】外周側に向かって開くV字状に配置され、永久磁石が挿入された磁石スロットが半径方向に2層構造となるように形成された回転子において、各磁石スロットは中央に位置する中央ブリッジと、回転子の外面との間に位置する2個の外径ブリッジのそれぞれの外径ブリッジとの間に形成された1対のスロットで構成されており、各永久磁石から発生する磁束のうち、各ブリッジを磁気飽和させる磁束を除いた磁束を有効磁束としたとき、外径側の永久磁石から発生される有効磁束が内径側の永久磁石から発生する有効磁束の半分以下となるようにした。【選択図】図4

Description

本願は、回転電機に関するものである。
高トルクの回転電機として、永久磁石を回転子鉄心に埋め込んだ埋込永久磁石同期回転電機が一般的に知られている。埋込永久磁石同期回転電機においては、固定子の電機子巻線が生み出す磁束と、回転子の永久磁石が生み出す磁束の吸引反発による磁石トルクと、回転子の磁気突極性によるリラクタンストルクによってトルクを向上させる。回転子に永久磁石を埋め込む際に、磁石を多層に配置することで磁石トルクに加えてリラクタンストルクを大きくし、トルクを向上させる技術がある。
特許文献1には、回転子鉄心内に永久磁石を2層に配置し、リラクタンストルクを増加させる技術が開示されている。特許文献2には、回転子鉄心内に2層構造に配置した永久磁石について、磁極の内側に位置する磁石は磁極の外側に位置する磁石より幅を狭くし、厚さを厚くする技術が開示されている。
特開2011-223836号公報 特開2007-274798号公報
特許文献1および特許文献2に開示されている回転電機では、磁極間のブリッジにおける漏れ磁束量を考慮していないため、2層に配置した永久磁石の回転子起磁力が生み出す空隙磁束密度に高調波成分を多く含み、トルク脈動増加によって振動と騒音が増加する課題がある。
本願は、上記の課題を解決するものであり、トルク脈動を抑制することにより、振動と騒音を低減することを目的としている。
本願に開示される回転電機は、 円筒形状の内面側に複数のティースを有し、隣り合うティース間に設けられたコイルスロットにコイルが巻回された固定子と、前記固定子の内面と間隔を有するように外面が対向し、回転中心軸の周りに回転自在に配置された円柱形状の回転子とを備えた回転電機において、前記回転子には、回転中心軸側から外周側に向かって開くV字状に配置された磁石スロットが半径方向に2層構造となるように形成され、各層における前記磁石スロットは、中央に位置する中央ブリッジと、前記回転子の外面との間に位置する2個の外径ブリッジのそれぞれの外径ブリッジとの間に形成された1対のスロットで構成され、各スロット内にはそれぞれ永久磁石が挿入されており、外径側の前記磁石スロットである1層目磁石スロットに挿入された前記永久磁石である1層目永久磁石において、当該1層目磁石スロットに対応した前記中央ブリッジである1層目中央ブリッジを磁気飽和させる磁石幅と、当該1層目磁石スロットに対応した前記外径ブリッジである1層目外径ブリッジを磁気飽和させる磁石幅とを除いた磁石幅である1層目有効磁石幅から発生する磁束を1層目有効磁束とし、内径側の前記磁石スロットである2層目磁石スロットに挿入された前記永久磁石である2層目永久磁石において、当該2層目磁石スロットに対応した前記中央ブリッジである2層目中央ブリッジを磁気飽和させる磁石幅と、当該2層目磁石スロットに対応した前記外径ブリッジである2層目外径ブリッジを磁気飽和させる磁石幅とを除いた磁石幅である2層目有効磁石幅から発生する磁束を2層目有効磁束としたとき、前記1層目有効磁束が前記2層目有効磁束の半分以下となるよう構成されている。
本願に開示される回転電機によれば、回転子起磁力の高調波成分が低減され、トルク脈動が抑制されることにより、回転電機より発生する振動と騒音を低減することができる。
実施の形態1による回転電機の概略構成を示す外観図である。 実施の形態1による回転電機の概略構成を示す回転中心軸に垂直な断面図である。 実施の形態1による回転電機の1極分の回転子の構成を示す拡大断面図である。 実施の形態1による回転電機の回転子の永久磁石から発生される磁束の様子を示す拡大模式図である。 実施の形態1による回転電機の回転子の磁石スロットと永久磁石の寸法の詳細を示す拡大模式図である。 実施の形態1による回転電機の回転子の磁石極弧角を説明するための断面図である。 実施の形態1による回転電機の回転子の磁石極弧角を説明するための図6を補助する拡大断面図である。 実施の形態1による回転電機の回転子の有効磁束による回転子起磁力を説明するための模式図である。 実施の形態1による回転電機の回転子起磁力の高調波含有率THDが最小となる有効磁束を説明するための図である。 実施の形態1による回転電機の磁石極弧角と回転子起磁力の高調波含有率THDの関係を示す第1の図である。 実施の形態1による回転電機の磁石極弧角と回転子起磁力の高調波含有率THDの関係を示す第2の図である。 実施の形態1による回転電機の固定子のティース間の弧角の寸法を説明する図である。 実施の形態2による回転電機の1極分の回転子の構成を示す拡大断面図である。 実施の形態2による回転電機の回転子の永久磁石とブリッジの寸法の詳細を示す拡大模式図である。 実施の形態2による回転電機の1極分の回転子の別の構成を示す拡大断面図である。 実施の形態3による回転電機の1極分の回転子の構成を示す拡大断面図である。
実施の形態1.
図1は実施の形態1による回転電機の概略構成を示す外観図である。図2は実施の形態1による回転電機の概略構成を示す、回転中心軸に垂直な断面における断面図である。図1に示すように、回転電機は固定子1と回転子2で構成されている。円筒形状の固定子1は回転軸方向に積層された固定子鉄心10とコイル11で構成されている。回転子2は、固定子1の内面と間隔を有するように外面が対向した円柱形状に形成されており、回転中心軸の周りに回転自在に配置されている。回転子2は、回転軸方向に積層された回転子鉄心20と磁石スロット21に挿入された永久磁石22で構成される。図2に示すように、固定子鉄心10は環状のコアバック12と内面側に凸状に突出したティース13からなる。コイル11はティース間のコイルスロット14に巻回される。回転子2は1極につき、回転中心軸側から外周側に向かって開くV字状に配置された磁石スロット21を半径方向に2層有し、2層の磁石スロット21には永久磁石22が挿入される。
図3は実施の形態1による回転電機の1極分の回転子の構成を示す回転中心軸に垂直な断面における拡大断面図である。なお、図3以降の構成を示す各図も、いずれも回転中心軸に垂直な断面における断面図である。回転子はV字状に配置された磁石スロット2層を有する回転子鉄心と、2層の磁石スロットに挿入された永久磁石で構成される。2層の磁石スロットは、回転子外径側の1層目磁石スロット31と回転子内径側の2層目磁石スロット41で構成される。各層における磁石スロットは、中央に位置する中央ブリッジと、回転子2の外面との間に位置する2個の外径ブリッジのそれぞれの外径ブリッジとの間に形成された1対のスロットで構成され、各スロット内にはそれぞれ永久磁石が挿入されている。すなわち、1層目磁石スロット31は、中央に位置する1層目中央ブリッジ33と回転子の外面との間に位置する2個の1層目外径ブリッジ34の間に形成された1対のスロットで構成されている。2層目磁石スロット41は、中央に位置する2層目中央ブリッジ43と回転子の外面との間に位置する2個の2層目外径ブリッジ44の間に形成された1対のスロットで構成されている。1層目磁石スロット31には1層目永久磁石32が挿入され、2層目磁石スロット41には2層目永久磁石42が挿入される。
図4は、永久磁石から発生される磁束の様子を示す拡大模式図であり、磁石磁束を有効磁束と漏れ磁束に分けて示している。前述のように1層目および2層目の各磁石スロットはV字状に配置された対のスロットで構成されているが、図4では1層目磁石スロット、2層目磁石スロット共に、図4では対のスロットのうちの片側のスロットの部分のみを示している。回転子外径側の1層目永久磁石32は、発生する磁束により、1層目外径ブリッジ側磁石321と1層目有効磁石322と1層目中央ブリッジ側磁石323の3つの領域に分けられる。1層目外径ブリッジ側磁石321より発生する磁束は、1層目外径ブリッジ34に回り込み、1層目外径ブリッジ34を磁気飽和させるために使用される。そのため、1層目外径ブリッジ側磁石321より発生する磁束は固定子と回転子の空隙磁束に寄与しない漏れ磁束となる。1層目中央ブリッジ側磁石323より発生する磁束は、1層目中央ブリッジ33に回り込み、1層目中央ブリッジ33を磁気飽和させるために使用される。そのため、1層目中央ブリッジ側磁石323より発生する磁束は固定子と回転子の空隙磁束に寄与しない漏れ磁束となる。1層目有効磁石322より発生する磁束は、固定子1と回転子2の空隙に向かうため、固定子1と回転子2の空隙磁束に寄与する有効磁束となる。
回転子内径側の2層目永久磁石42は、発生する磁束により2層目外径ブリッジ側磁石421と2層目有効磁石422と2層目中央ブリッジ側磁石423の3つの領域に分けられる。2層目外径ブリッジ側磁石421より発生する磁束は、2層目外径ブリッジ44に回り込み、2層目外径ブリッジ44を磁気飽和させるために使用される。そのため、2層目外径ブリッジ側磁石421より発生する磁束は固定子と回転子の空隙磁束に寄与しない漏れ磁束となる。2層目中央ブリッジ側磁石423より発生する磁束は、2層目中央ブリッジ43に回り込み、2層目中央ブリッジ43を磁気飽和させるために使用される。そのため、2層目中央ブリッジ側磁石423より発生する磁束は固定子1と回転子2の空隙磁束に寄与しない漏れ磁束となる。2層目有効磁石422より発生する磁束は、1層目有効磁石322に向かう磁束と、1層目磁石スロット31と2層目磁石スロット41の間を通過して固定子1と回転子2の空隙に向かう磁束とに分かれる。このとき、2層目有効磁石422より発生する磁束は、1層目有効磁石322の幅と2層目有効磁石422の幅の比に応じて、1層目有効磁石322に向かう磁束と、1層目磁石スロット31と2層目磁石スロット41の間を通過して固定子1と回転子2の空隙に向かう磁束とに分かれる。
図5は磁石スロットと永久磁石の寸法の詳細を示す拡大模式図である。回転子外径側の1層目外径ブリッジ34の幅をa、1層目中央ブリッジ33の幅をb、回転子内径側の2層目外径ブリッジ44の幅をc、2層目中央ブリッジ43の幅をdとする。それぞれのブリッジの幅に関して、均一でない時はブリッジの幅が最も狭くなる箇所をそれぞれのブリッジの幅とする。回転子外径側の1層目永久磁石32の幅をW、回転子内径側の2層目永久磁石42の幅をWとし、1層目外径ブリッジを磁気飽和させるために使用される1層目外径ブリッジ側磁石321の幅をW1a、1層目中央ブリッジを磁気飽和させるために使用される1層目中央ブリッジ側磁石323の幅をW1b、2層目外径ブリッジを磁気飽和させるために使用される2層目外径ブリッジ側磁石421の幅をW2c、2層目中央ブリッジを磁気飽和させるために使用される2層目中央ブリッジ側磁石幅をW2dとする。ここで、磁石の幅は、図5に示すように、各永久磁石の外径ブリッジ側端部から中央ブリッジ側端部へ向かう方向の寸法である。回転子鉄心の飽和磁束密度をB、1層目の磁石磁束密度をBm1、2層目の磁石磁束密度をBm2としたときに、1層目外径ブリッジ側磁石321の幅W1a、1層目中央ブリッジ側磁石323の幅W1b、2層目外径ブリッジ側磁石421の幅W2c、2層目中央ブリッジ側磁石423の幅W2dは式(1)~式(4)で算出される。なお、上記磁石の幅はいずれも、1層目、2層目ともに、1対のスロットのうちの1個のスロットに挿入された永久磁石における幅を示している。
Figure 0007090773000002
Figure 0007090773000003
Figure 0007090773000004
Figure 0007090773000005
1層目中央ブリッジ33には図5に示す1層目永久磁石32からの漏れ磁束だけではなく、1層目中央ブリッジに33対して図5に示す1層目永久磁石32とは反対側に配置されている永久磁石の漏れ磁束も回り込む。したがって1層目中央ブリッジ側磁石323は1層目中央ブリッジ33の幅の半分を磁気飽和させるために使用される。同様に2層目中央ブリッジ43には、2層目中央ブリッジに43に対して図5に示す2層目永久磁石42とは反対側に配置されている永久磁石の漏れ磁束も回り込む。したがって2層目中央ブリッジ側磁石423は2層目中央ブリッジ43の幅の半分を磁気飽和させるために使用される。積層された電磁鋼板を用いたときの回転子鉄心の飽和磁束密度Bが2T、1層目磁石磁束密度Bm1と2層目磁石磁束密度Bm2が1Tの場合、1層目外径ブリッジ側磁石321の幅W1a、1層目中央ブリッジ側磁石323の幅W1b、2層目外径ブリッジ側磁石421の幅W2c、2層目中央ブリッジ側磁石423の幅W2dは式(5)~式(8)で算出される。
Figure 0007090773000006
Figure 0007090773000007
Figure 0007090773000008
Figure 0007090773000009
1層目有効磁石322の幅をW1e、2層目有効磁石422の幅をW2eとすると、1層目有効磁石322の幅W1eは1層目磁石の幅Wから1層目外径ブリッジ側磁石321の幅W1aと1層目中央ブリッジ側磁石323の幅W1bを差し引いた値であり、2層目有効磁石422の幅W2eは2層目磁石の幅Wから2層目外径ブリッジ側磁石421の幅W2cと2層目中央ブリッジ側磁石423の幅W2dを差し引いた値である。したがって、1層目有効磁石322の幅W1eと2層目有効磁石422の幅W2eは、式(1)から式(4)を用いて、式(9)~式(10)で算出される。
Figure 0007090773000010
Figure 0007090773000011
式(9)で算出された1層目有効磁石322の幅W1eと式(10)で算出された2層目有効磁石422の幅W2eが回転子起磁力に寄与する磁石幅である。式(9)で算出された1層目有効磁石322の幅W1eに1層目磁石磁束密度Bm1を掛けた値が1層目有効磁束φm1であり、式(10)で算出された2層目有効磁石422の幅W2eに2層目磁石磁束密度Bm2を掛けた値が2層目有効磁束φm2である。式(5)~式(10)では、積層された電磁鋼板を用いたときの回転子鉄心の飽和磁束密度Bを2T、1層目磁石磁束密度Bm1と2層目磁石磁束密度Bm2を1Tとしたが、回転子鉄心の飽和磁束密度Bは、電磁鋼板では1.5T~2.0T、磁石磁束密度Bはネオジム磁石では1.0T~1.4Tの範囲のものが通常使用される。1層目磁石と2層目磁石は、同じ磁石あるいは異なる磁石のどちらでもよい。
図5に示すように、1層目磁石スロット31と2層目磁石スロット41の最接近距離をLとする。1層目磁石スロット31と2層目磁石スロット41の間には、最大で2層目有効磁石422の幅W2eの半分による磁束と2層目外径ブリッジ側磁石421の幅W2cによる磁束が通過する。回転子鉄心20の飽和磁束密度をB、2層目磁石の磁束密度をBm2とすると、1層目磁石スロット31と2層目磁石スロット41の間で磁気飽和させないためには、式(11)の関係式が成立する必要がある。
Figure 0007090773000012
式(11)において左辺は、式(10)より式(12)として算出される。
Figure 0007090773000013
したがって、式(11)の関係式は、式(13)となる。
Figure 0007090773000014
1層目磁石スロット31と2層目磁石スロット41の間が磁気飽和すると、空隙磁束密度も低下してトルクが低下する。また、有効磁束が通過する箇所が磁気飽和するため、空隙磁束密度の高調波成分が増加して、振動と騒音が増加する。1層目磁石スロット31と2層目磁石スロット41の間で磁気飽和させないことで、空隙磁束密度の低下を抑えることができ、トルクの低下を抑えることができる。また、有効磁束が通過する箇所が磁気飽和しないようにすることで、空隙磁束密度の高調波成分を低減できるため、振動と騒音を減少させることができる。
図6は1層目と2層目の磁石極弧角の寸法を示す断面図である。回転子の回転中心軸をOとする。1層目磁石スロット31の外径ブリッジ34に接する辺の中でV字状内側の角となる点をそれぞれXm11、Xm12とする。1層目磁石極弧角θm1を、回転中心軸OとXm11を結んだ線と回転中心軸OとXm12を結んだ線とがなす角として定義する。2層目磁石スロット41の外径ブリッジ44に接する辺の中でV字状内側の角となる点をそれぞれXm21、Xm22とする。2層目磁石極弧角θm2を、回転中心軸OとXm21を結んだ線と回転中心軸OとXm22を結んだ線とがなす角として定義する。なお、図6におけるXm11、Xm21を、図7の拡大断面図にてより明確に示しておく。1層目磁石極弧角θm1は1層目有効磁石幅と2層目有効磁石幅の半分が生成する起磁力の範囲であり、2層目磁石極弧角θm2から1層目磁石極弧角θm1を除いた範囲は2層目有効磁石幅の半分が生成する起磁力の範囲となる。また、電気角相当の磁石極弧角は機械角相当の磁石極弧角に極対数を掛けた値として算出される。
図8は有効磁石幅における有効磁束による回転子起磁力を示す模式図である。1層目磁石極弧角θm1の範囲では1層目有効磁束と2層目有効磁束の半分が生成する起磁力の大きさとなり、2層目磁石極弧角θm2から1層目磁石極弧角θm1を除いた範囲では、2層目有効磁束の半分が生成する起磁力の大きさとなる。空隙磁束密度は回転子起磁力に回転子と固定子間のパーミアンスを掛けた値として算出されるため、空隙磁束密度の高調波成分を減少させるためには回転子起磁力の高調波成分を減少させることが有効となる。Fを回転子起磁力の電気角1周期の基本波成分の大きさとし、Fを回転子起磁力のn次成分の大きさとすると、回転子起磁力の高調波成分の含有率を示す指標として、高調波含有率THDを式(14)として定義する。
Figure 0007090773000015
THDが小さいほど回転子起磁力が正弦波に近付くため、空隙磁束密度も正弦波に近付き、振動と騒音を減少させることができる。
図9は回転子起磁力のTHDが最小となる有効磁束の関係を示す図である。1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2は電気角相当の大きさである。2層目磁石極弧角θm2として140deg、120deg、100degの3種類をプロットしており、2層目磁石極弧角θm2それぞれで1層目磁石極弧角θm1を変化させた際に、回転子起磁力のTHDが最小となるφm1m2を示している。本構成は2層目磁石スロットを有しているため、2層目磁石極弧角θm2の最大は140degまでとしている。1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2が各条件の場合において、回転子起磁力のTHDが最小となるのは、1層目有効磁束φm1を2層目有効磁束φm2で除したφm1m2が0.5以下の範囲となる時である。すなわち、1層目有効磁束φm1を2層目有効磁束φm2の半分以下となる構成にすることで、回転子起磁力のTHDを最小とすることが可能となる。また、高調波成分を増加させる余分な磁石幅を減少させることができるため、磁石量の低減も可能となる。
2層目有効磁石422の磁束の半分は1層目有効磁石322に向かい、残りの半分の磁束は1層目磁石スロットと2層目磁石スロットの間を通過して空隙に向かう。そのため、1層目有効磁石322から発生する1層目有効磁束を2層目有効磁石422から発生する2層目有効磁束の半分より大きくした場合には、回転子起磁力の1層目磁石極弧角θm1の範囲における起磁力が大きくなり、高調波成分が増加する。したがって、図9に示す通り、1層目有効磁束φm1を2層目有効磁束φm2の半分以下、すなわちφm1≦φm2/2とすることで、回転子起磁力のTHDを最小とすることができ、振動と騒音を低減することが可能となる。
前述のように、1層目有効磁束φm1は、式(9)で算出された1層目有効磁石322の幅W1eに1層目磁石磁束密度Bm1を掛けた値であり、2層目有効磁束φm2は、式(10)で算出された2層目有効磁石422の幅W2eに2層目磁石磁束密度Bm2を掛けた値である。したがって、
Figure 0007090773000016
を満足する構成とすればよい。
図10および図11は磁石極弧角と回転子起磁力のTHDの関係を示す図である。図10に示すように、2層目磁石極弧角θm2が140degでは、1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2の比θm1/θm2が80/140となる0.57で回転子起磁力のTHDが最小となる。1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2は、製造上の公差を有するためバラつきが生じる。4極対のモータにおいて機械角相当±1degの公差を有する場合には、電気角相当±4degのバラつきが発生する。このとき、1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2の比θm1/θm2は0.53から0.62の範囲に収まるため、2層目磁石極弧角θm2が140degでは、1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2の比θm1/θm2が0.53から0.62において、回転起磁力のTHDが最小となる。
図11に示すように、2層目磁石極弧角θm2が120degでは、1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2の比θm1/θm2が60/120となる0.50で回転子起磁力のTHDが最小となる。1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2は、製造上の公差を有するためバラつきが生じる。4極対のモータにおいて機械角相当±1degの公差を有する場合には、電気角相当±4degのバラつきが発生する。このとき、1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2の比θm1/θm2は0.45から0.55の範囲に収まるため、2層目磁石極弧角θm2が120degでは、1層目磁石極弧角θm1と2層目磁石極弧角θm2の比θm1/θm2が0.45から0.55において、回転起磁力のTHDが最小となる。図10および図11を参照すれば、2層目磁石極弧角θm2が120degから140degの範囲においては、θm1/θm2が0.45以上0.62以下で回転子起磁力のTHDがほぼ最小になるといえる。
図12は固定子において毎極毎相のスロット数が2の場合のティース間の弧角の寸法を示す断面図である。各ティースの先端において、ティースの幅が広くなる突起状のつばを有している。回転子の回転中心軸をOとする。V字状に配置された1層目磁石スロットの外径ブリッジに接する辺のV字状内側の角と回転中心軸を結んだ線の延長線上に固定子のティースが対向しているとする。このとき、V字状に配置された2層目磁石スロットの外径ブリッジに接する辺のV字状内側の角と回転中心軸を結んだ線の延長線上に固定子のティースが対向する。1層目磁石と2層目磁石から発生した有効磁束が対向する固定子のティースに鎖交するため、磁束が妨げられることなく、空隙磁束密度の高調波成分を低減することが可能である。
磁極中心軸に位置するティース130から反時計回りの隣に位置するティース131のつば151において、ティース130の側に位置する突起先端をXs11、ティース130から離れた側に位置する突起先端をXs21とする。磁極中心軸に位置するティース130から時計回りの隣に位置するティース133のつば153において、ティース130の側に位置する突起先端をXs12、ティース130から離れた側に位置する突起先端をXs22とする。磁極中心軸に位置するティース130を隔てた2個のティース131と133の内側弧角θs1を、回転中心軸OとXs11を結んだ線と回転中心軸OとXs12を結んだ線とがなす角とし、外側弧角θs2を、回転中心軸OとXs21を結んだ線と回転中心軸OとXs22を結んだ線とがなす角と定義する。磁極中心軸に位置するティース130から反時計回りに周方向3番目に位置するティース132のつば152において、ティース130の側に位置する突起先端をXs31、ティース130から離れた側に位置する突起先端をXs41とし、磁極中心軸に位置するティース130から時計回りに周方向3番目に位置するティース134のつば154において、ティース130の側に位置する突起先端をXs32、ティース130から離れた側に位置する突起先端をXs42とする。磁極中心軸から周方向3番目の2個のティース132と134、すなわち磁極中心軸に位置するティース130を中央とする3個のティース130、131、133を隔てた2個のティース132と134の内側弧角θs3を、回転中心軸OとXs31を結んだ線と回転中心軸OとXs32を結んだ線とがなす角とし、外側弧角θs4を、回転中心軸OとXs41を結んだ線と回転中心軸OとXs42を結んだ線とがなす角と定義する。1層目永久磁石が周方向2番目ティース131に対向する位置にあれば、1層目有効磁束が妨げられることなく固定子に鎖交することができる。すなわち、図6に示す1層目磁石極弧角θm1が、θs1≦θm1≦θs2を満足する構成とする。また、2層目永久磁石が周方向3番目ティース132に対向する位置にあれば、2層目有効磁束が妨げられることなく固定子に鎖交することができる。すなわち、図6に示す2層目磁石極弧角θm2が、θs3≦θm2≦θs4を満足する構成とする。本構成により、1層目永久磁石による有効磁束と2層目永久磁石による有効磁束が特定のティースに集中することなく鎖交するため、空隙磁束密度の高調波成分を減少させることができ、振動と騒音を低減することができる。また、特定のティースに磁束が集中するとティースに磁気飽和が発生し、空隙磁束密度が上昇せず、トルクも上昇しなくなる。本構成では、特定のティースに対する磁束集中を緩和し、トルクを上昇させることが可能となる。
実施の形態2.
図13は実施の形態2による回転電機の1極分の回転子の構成を示す拡大断面図である。実施の形態1と同様に、回転子はV字状に配置された磁石スロット2層を有する回転子鉄心と、2層の磁石スロットに挿入された永久磁石で構成される。2層の磁石スロットは、回転子外径側の1層目磁石スロット31と回転子内径側の2層目磁石スロット41で構成される。各層における磁石スロットは、中央に位置する中央ブリッジと、回転子2の外面との間に位置する2個の外径ブリッジのそれぞれの外径ブリッジとの間に形成された1対のスロットで構成され、各スロット内にはそれぞれ永久磁石が挿入されている。すなわち、1層目磁石スロット31は、中央に位置する1層目中央ブリッジ33と回転子外径側に位置する1層目外径ブリッジ34の間に形成された1対のスロットである。2層目磁石スロット41は、中央に位置する2層目中央ブリッジ43と回転子外径側に位置する2層目外径ブリッジ44の間に形成された1対のスロットである。1層目磁石スロット31には1層目永久磁石32が挿入され、2層目磁石スロット41には2層目永久磁石42が挿入される。1層目永久磁石32は1層目外径ブリッジ34側の1層目外側磁石35と1層目中央ブリッジ33側の1層目中央側磁石36に分割されており、2層目永久磁石42は2層目外径ブリッジ44側の2層目外側磁石45と2層目中央ブリッジ43側の2層目中央側磁石46に分割されている。すなわち、各層の永久磁石は、各磁石スロットの長手方向において物理的に分割された永久磁石である。
図14は実施の形態2による回転電機の回転子の永久磁石とブリッジの寸法の詳細を示す断面図である。回転子外径側の1層目外径ブリッジ34の幅をa、1層目中央ブリッジ33の幅をb、回転子内径側の2層目外径ブリッジ44の幅をc、2層目中央ブリッジ43の幅をdとする。それぞれのブリッジ幅に関して、均一でない時はブリッジ幅が最も狭くなる箇所をそれぞれのブリッジ幅とする。分割された回転子外径側の1層目外側磁石35の幅をW1L、1層目中央側磁石36の幅をW1M、回転子内径側の2層目外側磁石45の幅をW2L、2層目中央側磁石46の幅をW2Mとする。また、1層目外径ブリッジ34を磁気飽和させるために使用される1層目外径ブリッジ側磁石351の幅をW1a、1層目中央ブリッジを磁気飽和させるために使用される1層目中央ブリッジ側磁石361の幅をW1b、2層目外径ブリッジ44を磁気飽和させるために使用される2層目外径ブリッジ側磁石451の幅をW2c、2層目中央ブリッジ43を磁気飽和させるために使用される2層目中央ブリッジ側磁石461の幅をW2dとする。回転子鉄心の飽和磁束密度をB、1層目の磁石磁束密度をBm1、2層目の磁石磁束密度をBm2としたとき、1層目外径ブリッジ側磁石351の幅W1a、1層目中央ブリッジ側磁石361の幅W1b、2層目外径ブリッジ側磁石451の幅W2c、2層目中央ブリッジ側磁石461の幅W2dは実施の形態1と同様に式(1)~式(4)で算出される。
1層目外側有効磁石352の幅をW1Le、1層目内側有効磁石362の幅をW1Me、2層目外側有効磁石452の幅をW2Le、2層目内側有効磁石462の幅をW2Meとすると、1層目有効磁石の幅は1層目外側有効磁石352の幅W1Leと1層目内側有効磁石362の幅W1Meの和となり、2層目有効磁石の幅は2層目外側有効磁石452の幅W2Leと2層目内側有効磁石462の幅W2Meの和となる。1層目外側有効磁石352の幅は1層目外側磁石35の幅W1Lから1層目外径ブリッジ側磁石351の幅W1aを差し引いた値であり、1層目内側有効磁石362の幅W1Meは1層目内側磁石36の幅W1Mから1層目中央ブリッジ側磁石361の幅W1bを差し引いた値である。2層目外側有効磁石452の幅W2Leは2層目外側磁石45の幅W2Lから2層目外径ブリッジ側磁石451の幅W2cを差し引いた値であり、2層目内側有効磁石462の幅W2Meは2層目内側磁石46の幅W2Mから2層目中央ブリッジ側磁石461の幅W2dを差し引いた値である。1層目外側有効磁石352の幅W1Le、1層目内側有効磁石362の幅W1Me、2層目外側有効磁石452の幅W2Le、2層目内側有効磁石462の幅W2Meは式(16)~式(19)で算出される。
Figure 0007090773000017
Figure 0007090773000018
Figure 0007090773000019
Figure 0007090773000020
このとき、1層目外側有効磁石352の幅W1Le、1層目内側有効磁石362の幅W1Meの和が1層目有効磁石幅であり、2層目外側有効磁石452の幅W2Le、2層目内側有効磁石462の幅W2Meの和が2層目有効磁石幅であるため、1層目有効磁束φm1は(W1Le+W1Me)×Bm1、2層目有効磁束φm2は(W2Le+W2Me)×Bm2となる。このとき、1層目有効磁束φm1を2層目有効磁束φm2の半分以下となる構成にすることで、回転子起磁力の高調波成分を減少させることができる。さらに、磁石を分割することで、磁石に発生する渦電流を低減することが可能となり、磁石温度上昇を抑えて減磁を防ぐことも可能となる。また、磁石に発生する渦電流は高調波磁束となり、空隙磁束密度の高調波成分となるため、磁石を分割することは振動と騒音の低減にも寄与する。
図15は実施の形態2による回転電機の1極分の回転子の別の構成を示す断面図である。2層目磁石スロットに挿入された永久磁石42は、磁石間に空隙があるように離れて分割された磁石であってもよい。図15に示す構成の回転電機においても、1層目有効磁束が2層目有効磁束の半分以下となる構成にすることで、回転子起磁力の高調波成分を低減でき、振動と騒音を低減することができる。
実施の形態3.
図16は実施の形態3による回転電機の1極分の回転子を示す断面図である。実施の形態1と同様に、回転子はV字状に配置された磁石スロット2層を有する回転子鉄心と、2層の磁石スロットに挿入された永久磁石で構成される。2層の磁石スロットは、回転子外径側の1層目磁石スロット31と回転子内径側の2層目磁石スロット41で構成される。1層目磁石スロット31は、中央に位置する1層目中央ブリッジ33と回転子外径側に位置する1層目外径ブリッジ34で保持される。2層目磁石スロット41は、中央に位置する2層目中央ブリッジ43と回転子外径側に位置する2層目外径ブリッジ44で保持される。1層目磁石スロット31に挿入される1層目永久磁石32と2層目磁石スロット41に挿入される2層目永久磁石42の種類が異なる。図16は2層目磁石磁束密度Bm2が1層目磁石磁束密度をBm1よりも大きい場合を示している。
このときも、1層目有効磁石幅による1層目有効磁束が2層目有効磁石幅による2層目有効磁束の半分以下となる構成にすることで、回転子起磁力のTHDを最小とする効果が同様に得られる。2層目磁石磁束密度が1層目磁石磁束密度よりも大きい場合には、2層目外径ブリッジ44と2層目中央ブリッジ43を磁気飽和させるために使用される2層目外径ブリッジ側磁石幅と2層目中央ブリッジ側磁石幅が小さくなる。回転子外径側の1層目磁石32の幅をW、回転子内径側の2層目磁石42の幅をW、回転子鉄心の飽和磁束密度をB、回転子外径側の1層目外径ブリッジ34の幅をa、1層目中央ブリッジ33の幅をb、回転子内径側の2層目外径ブリッジ44の幅をc、2層目中央ブリッジ43の幅をdとしたときに、前述の式(15)の関係の構成とすることで、1層目有効磁石幅による1層目有効磁束が2層目有効磁石幅による2層目有効磁束の半分以下となる。
2層目磁石磁束密度が1層目磁石磁束密度より大きい磁石を用いることで、2層目磁石幅を小さくすることが可能となり、少ない磁石量で回転機起磁力のTHDを最小にすることが可能となり、振動と騒音を低減できる。
本願には、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 固定子、2 回転子、10 固定子鉄心、11 コイル、130、131、132、133、134 ティース、14 コイルスロット、151、152、153、154 つば、21 磁石スロット、22 永久磁石、31 1層目磁石スロット、32 1層目永久磁石、321 1層目外径ブリッジ側磁石、322 1層目有効磁石、323 1層目中央ブリッジ側磁石、33 1層目中央ブリッジ、34 1層目外径ブリッジ、35 1層目外側磁石、36 1層目内側磁石、41 2層目磁石スロット、42 2層目永久磁石、421 2層目外径ブリッジ側磁石、422 2層目有効磁石、423 2層目中央ブリッジ側磁石、43 2層目中央ブリッジ、44 2層目外径ブリッジ、45 2層目外側磁石、46 2層目内側磁石

Claims (8)

  1. 円筒形状の内面側に複数のティースを有し、隣り合うティース間に設けられたコイルスロットにコイルが巻回された固定子と、
    前記固定子の内面と間隔を有するように外面が対向し、回転中心軸の周りに回転自在に配置された円柱形状の回転子とを備えた回転電機において、
    前記回転子には、回転中心軸側から外周側に向かって開くV字状に配置された磁石スロットが半径方向に2層構造となるように形成され、
    各層における前記磁石スロットは、中央に位置する中央ブリッジと、前記回転子の外面との間に位置する2個の外径ブリッジのそれぞれの外径ブリッジとの間に形成された1対のスロットで構成され、各スロット内にはそれぞれ永久磁石が挿入されており、
    外径側の前記磁石スロットである1層目磁石スロットに挿入された前記永久磁石である1層目永久磁石において、当該1層目磁石スロットに対応した前記中央ブリッジである1層目中央ブリッジを磁気飽和させる磁石幅と、当該1層目磁石スロットに対応した前記外径ブリッジである1層目外径ブリッジを磁気飽和させる磁石幅とを除いた磁石幅である1層目有効磁石幅から発生する磁束を1層目有効磁束とし、
    内径側の前記磁石スロットである2層目磁石スロットに挿入された前記永久磁石である2層目永久磁石において、当該2層目磁石スロットに対応した前記中央ブリッジである2層目中央ブリッジを磁気飽和させる磁石幅と、当該2層目磁石スロットに対応した前記外径ブリッジである2層目外径ブリッジを磁気飽和させる磁石幅とを除いた磁石幅である2層目有効磁石幅から発生する磁束を2層目有効磁束としたとき、
    前記1層目有効磁束が前記2層目有効磁束の半分以下となるよう構成されている回転電機。
  2. 前記1層目磁石スロットを構成する1対のスロットのうちの1個のスロットに挿入された前記1層目永久磁石の磁石幅をW、前記1層目外径ブリッジの幅をa、前記1層目中央ブリッジの幅をb、前記2層目磁石スロットを構成する1対のスロットのうちの1個のスロットに挿入された前記2層目永久磁石の磁石幅をW、前記2層目外径ブリッジの幅をc、前記2層目中央ブリッジの幅をd、回転子を構成する回転子鉄心の飽和磁束密度をB、前記1層目永久磁石の磁束密度をBm1、前記2層目永久磁石の磁束密度をBm2としたとき、
    Figure 0007090773000021
    を満足する請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記1層目磁石スロットと前記2層目磁石スロットの最接近距離をLとしたとき
    Figure 0007090773000022
    を満足する請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記1層目磁石スロットの前記1層目外径ブリッジに接する辺のV字状内側の角と前記回転中心軸を結ぶ1対の線がなす角度を1層目磁石極弧角θm1とし、
    前記2層目磁石スロットの前記2層目外径ブリッジに接する辺のV字状内側の角と前記回転中心軸を結ぶ1対の線がなす角度を2層目磁石極弧角θm2としたとき、
    Figure 0007090773000023
    を満足する請求項2に記載の回転電機。
  5. 前記1層目磁石スロットの前記1層目外径ブリッジに接する辺のV字状内側の角と前記回転中心軸を結ぶ線の延長線上に前記固定子の1のティースが位置するとき、前記2層目磁石スロットの前記2層目外径ブリッジに接する辺のV字状内側の角と前記回転中心軸を結ぶ線の延長線上に前記固定子の別のティースが位置するように、前記固定子のティースの弧角が設定されている請求項2に記載の回転電機。
  6. 前記回転子における、前記1層目磁石スロットの前記外径ブリッジに接する辺のV字状内側の角と回転中心軸を結んだ一対の線がなす角度を1層目磁石極弧角θm1とし、前記2層目磁石スロットの外径ブリッジに接する辺のV字状内側の角と回転中心軸を結んだ一対の線がなす角度を2層目磁石極弧角θm2とし、
    前記固定子は毎極毎相のスロット数が2の固定子であって、それぞれのティースの先端においてティースの幅が広くなる突起状のつばを有し、
    1個のティースを隔てた2個のティースにおける、それぞれの前記つばの前記1個のティース側のそれぞれの突起先端と回転中心軸を結んだ線がなす角度をθs1、それぞれの前記つばの前記1個のティースから離れた側のそれぞれの突起先端と回転中心軸を結んだ線がなす角度をθs2とし、
    前記1個のティースを中央のティースとする3個のティースを隔てた2個のティースにおける、それぞれの前記つばの前記1個のティース側のそれぞれの突起先端と回転中心軸を結んだ線がなす角度をθs3、それぞれの前記つばの前記1個のティースから離れた側のそれぞれの突起先端と回転中心軸を結んだ線がなす角度をθs4としたときに、
    θs1≦θm1≦θs2およびθs3≦θm2≦θs4
    を満足する請求項5に記載の回転電機。
  7. 前記1層目永久磁石および前記2層目永久磁石は、各磁石スロットの長手方向において物理的に分割された永久磁石である請求項1から6のいずれか1項に記載の回転電機。
  8. 前記2層目永久磁石の磁束密度が、前記1層目永久磁石の磁束密度よりも大きい請求項1から7のいずれか1項に記載の回転電機。
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