JP7090433B2 - 舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造 - Google Patents

舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造 Download PDF

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Description

本発明は、船舶に搭載される舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造に関するものである。
一般に、舶用ディーゼルエンジンでは、シリンダ内に新たな燃焼用気体を導入することによって当該シリンダ内の残留ガスを排出すること(すなわちシリンダの掃気)が行われている。例えば、舶用ディーゼルエンジンのシリンダは、円筒形状のシリンダライナと、このシリンダライナの上部に固定されるシリンダカバーとによって構成される。シリンダライナの内部には、ピストンが往復運動し得るように設けられる。シリンダライナの下部には、ピストンが下死点に位置した際に開状態となる掃気ポートが形成されている。また、シリンダライナは、シリンダジャケットによって支持される。シリンダジャケットは、掃気トランクに通じる開口部を有し、且つ、シリンダライナの掃気ポートが臨む内部空間(以下、掃気室と適宜いう)を形成する。シリンダの掃気では、過給機等によって圧縮された燃焼用気体が掃気トランクからシリンダジャケットの掃気室に流入し、この流入した燃焼用気体が、掃気室から掃気ポートを通じてシリンダライナの内部に流入する。
舶用ディーゼルエンジンの分野においては、従来、このような掃気時の燃焼用気体(圧縮気体)の流れを整流する掃気整流構造が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1、2には、掃気トランクと掃気室とを連通するシリンダジャケットの開口部の近傍に制御板が設けられ、掃気トランクから掃気室に流入する燃焼用気体の流れが当該制御板によって制御される掃気整流構造が開示されている。
特許第3029946号公報 特許第3029937号公報
しかしながら、上述した従来技術では、掃気トランクからシリンダジャケットの開口部を通じて掃気室に流入した燃焼用気体が、掃気ポートを通じてシリンダライナの内部に流入する前に掃気室内で意図せず滞留してしまう場合がある。この場合、滞留に伴って燃焼用気体の圧力損失が増大し、この結果、シリンダの掃気効率が低下する恐れがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、掃気ポートを通じてシリンダの内部に燃焼用気体を円滑に流入させることができる舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造は、ピストンの往復運動が行われるシリンダの筒部を構成し、下死点に位置する前記ピストンよりも上側に掃気ポートを有するシリンダライナと、圧縮された燃焼用気体が送り込まれる掃気トランクと前記掃気ポートとを連通させる開口部を有し、前記シリンダライナを支持するシリンダジャケットと、前記掃気ポートよりも上側および下側の少なくとも一方の位置で前記シリンダライナと前記シリンダジャケットとの間に介在し、前記掃気トランクから前記開口部を通じて前記シリンダジャケットの内部空間に流入した前記燃焼用気体の流れを、前記掃気ポートに向かう方向の流れに整流する整流板と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造は、上記の発明において、前記整流板は、前記シリンダライナの径方向に延在することを特徴とする。
また、本発明に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造は、上記の発明において、前記整流板は、前記開口部の上端部側から前記掃気ポートの上端部側に向かって傾斜し、または、前記開口部の下端部側から前記掃気ポートの下端部側に向かって傾斜することを特徴とする。
また、本発明に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造は、上記の発明において、前記整流板は、弧状に形成されることを特徴とする。
本発明によれば、掃気ポートを通じてシリンダの内部に燃焼用気体を円滑に流入させることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態1に係る掃気整流構造が適用された舶用ディーゼルエンジンの一構成例を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態1に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。 図3は、本発明の実施形態1に係る掃気整流構造での圧縮気体の流れをシミュレーションした結果の一例を示す図である。 図4は、本発明に対する比較例の掃気整流構造での圧縮気体の流れをシミュレーションした結果の一例を示す図である。 図5は、本発明の実施形態2に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。 図6は、本発明の実施形態3に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。 図7は、本発明の実施形態4に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。 図8は、本発明の実施形態5に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。 図9は、本発明の実施形態6に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る掃気整流構造が適用された舶用ディーゼルエンジンの一構成例を示す模式図である。この舶用ディーゼルエンジン10は、プロペラ軸を介して船舶の推進用プロペラ(いずれも図示せず)を回転運動させる推進用の機関(主機関)である。例えば、舶用ディーゼルエンジン10は、ユニフロー掃排気式のクロスヘッド式ディーゼルエンジン等の2ストロークディーゼルエンジンである。
本実施形態1において、図1に示すように、舶用ディーゼルエンジン10は、下方に位置する台板1と、台板1上に設けられる架構5と、架構5上に設けられるシリンダジャケット11とを備える。これらの台板1と架構5とシリンダジャケット11とは、上下方向に延在する複数のタイボルト(連結部材)24およびナット25により、一体に締結されて固定されている。また、舶用ディーゼルエンジン10は、シリンダジャケット11に設けられるシリンダ12と、シリンダ12内に設けられるピストン15と、ピストン15の往復運動に連動して回転する出力軸(例えばクランクシャフト2)とを備える。
台板1は、舶用ディーゼルエンジン10のクランクケースを構成するものである。図1に示すように、台板1内には、クランク4を有するクランクシャフト2と軸受3とが設けられる。クランクシャフト2は、船舶の推進力を出力する出力軸の一例であり、軸受3によって回転自在に支持されている。このクランクシャフト2には、クランク4を介して連接棒6の下端部が回動自在に連結されている。
架構5には、図1に示すように、連接棒6と、ガイド板7と、クロスヘッド8とが設けられる。本実施形態1において、架構5は、ピストン軸方向に沿って設けられるガイド板7が幅方向に間隔を空けて一対をなすように配置されている。連接棒6は、その下端部がクランクシャフト2に連接された態様で、一対のガイド板7の間に配置されている。クロスヘッド8には、ピストン棒16の下端部に接続されるクロスヘッドピン9と、連接棒6の上端部に接続されるクロスヘッド軸受(図示せず)とが、クロスヘッドピン9の下半部においてそれぞれ回動自在に連結される。このクロスヘッド8は、図1に示すように一対のガイド板7の間に配置され、この一対のガイド板7に沿って移動自在に支持されている。
シリンダジャケット11は、図1に示すように、架構5の上部に設けられ、シリンダ12を支持する。本実施形態1において、シリンダ12は、シリンダライナ13とシリンダカバー14とによって構成される筒状の構造体(気筒)であり、燃料を燃焼させるための燃焼室17を有する。シリンダライナ13は、例えば円筒形状の構造体であり、シリンダジャケット11内に配置される。シリンダライナ13の上部にはシリンダカバー14が固定され、これにより、シリンダライナ13内の空間部(燃焼室17等)が区画される。このシリンダライナ13の空間部内には、ピストン15がピストン軸方向(図1では上下方向)に往復運動自在に設けられる。このピストン15の下端部には、図1に示すように、ピストン棒16の上端部が連結されている。図1には図示しないが、シリンダライナ13の下部には掃気ポートが形成されている。シリンダライナ13とシリンダジャケット11との間には整流板が設けられている。これらのシリンダライナ13、シリンダジャケット11および整流板は、舶用ディーゼルエンジン10の掃気整流構造を構成する。
また、シリンダカバー14には、図1に示すように、排気弁18と動弁装置19とが設けられている。排気弁18は、シリンダ12内の燃焼室17に通じる排気管21の排気口(排気ポート)を開閉可能に閉止する弁である。動弁装置19は、排気弁18を開閉駆動させる装置である。燃焼室17は、このような排気弁18と、上述したシリンダライナ13、シリンダカバー14およびピストン15とによって囲まれた空間である。また、舶用ディーゼルエンジン10は、シリンダ12の近傍に、排気マニホールド20を備える。排気マニホールド20は、シリンダ12の燃焼室17から排気管21を通じて排ガスを受け入れ、受け入れた排ガスを一時貯留して、この排ガスの動圧を静圧に変える。
また、舶用ディーゼルエンジン10は、空気等の燃焼用気体を過給する過給機22と、過給機22によって圧縮された燃焼用気体を一時貯留する掃気トランク23とを備える。過給機22は、排ガスの圧力を利用してタービンとともに圧縮機(いずれも図示せず)を回転させ、これにより、燃焼用気体を圧縮する。掃気トランク23は、シリンダジャケット11の内部空間と連通するように設けられる。過給機22によって圧縮された燃焼用気体(以下、圧縮気体と適宜いう)は、掃気トランク23からシリンダジャケット11の内部空間に流入し、この内部空間から掃気ポートを通じてシリンダライナ13の内部空間(例えばシリンダ12内の燃焼室17)に送給される。
特に図示しないが、舶用ディーゼルエンジン10は、燃料噴射弁および燃料噴射ポンプを備える。舶用ディーゼルエンジン10において、燃料噴射ポンプは、配管等を通じて燃料噴射弁に燃料を圧送する。
上述したような構成を有する舶用ディーゼルエンジン10において、シリンダ12内の燃焼室17には、燃料噴射弁から燃料が供給され、且つ、掃気トランク23から掃気ポート等を通じて圧縮気体が供給される。これにより、燃焼室17内においては、供給された燃料が圧縮気体によって燃焼する。そして、燃焼室17での燃料の燃焼によって発生したエネルギーにより、ピストン15は、シリンダライナ13内をピストン軸方向に往復運動する。このとき、動弁装置19によって排気弁18が作動してシリンダ12の排気ポートが開放されると、燃料の燃焼後にシリンダライナ13内に残留する残留ガスが排ガスとして排気管21に排出される。これとともに、シリンダライナ13の内部空間には、掃気トランク23から掃気ポート等を通じて新たに圧縮気体が導入される。このようにして、シリンダ12の掃気が行われる。
また、ピストン15が上述したようにピストン軸方向に往復運動すると、ピストン15とともにピストン棒16がピストン軸方向に往復運動する。これに伴い、クロスヘッド8は、ガイド板7に沿ってピストン軸方向に往復運動する。これにより、クロスヘッド8のクロスヘッドピン9は、クロスヘッド軸受を介して連接棒6に回転駆動力を加える。この回転駆動力により、連接棒6の下端部に接続されるクランク4がクランク運動し、この結果、クランクシャフト2が回転する。クランクシャフト2は、このようにピストン15の往復運動を回転運動に変換してプロペラ軸とともに船舶の推進用プロペラを回転させ、これにより、船舶の推進力を出力する。
図2は、本発明の実施形態1に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。図2には、図1に示した舶用ディーゼルエンジン10のシリンダジャケット11およびシリンダライナ13等の内部構造が拡大して図示されている。なお、図2中の一点鎖線矢印は、圧縮気体の流れを示している。図2に示すように、この掃気整流構造100は、シリンダジャケット11と、シリンダライナ13と、整流板101とを備える。
シリンダジャケット11は、シリンダライナ13を支持する構造体である。具体的には、図2に示すように、シリンダジャケット11は、掃気トランク23側に開口する開口部11aと、掃気トランク23から送給された圧縮気体を受け入れる掃気室11bとを有する。開口部11aは、過給機22(図1参照)または補助ブロワ(図示せず)等によって圧縮された燃焼用気体(圧縮気体)が送り込まれる掃気トランク23とシリンダライナ13の掃気ポート13aとを連通させる。掃気室11bは、開口部11aと掃気ポート13aとを連通させる内部空間である。図2に示すように、掃気室11bには、シリンダジャケット11によるシリンダライナ13の支持部分から下側の部分が収容されている。このような掃気室11bは、例えば、シリンダジャケット11の締結や熱等による応力を緩和するという観点から、図2に示すように上側から下側に向かって空間寸法が増加する形状(逆コップ型の形状)に形成されることが好ましい。
シリンダライナ13は、ピストン15の往復運動が行われるシリンダ12(図1参照)の筒部を構成する。シリンダライナ13は、図2に示すように下死点に位置するピストン15よりも上側の位置に掃気ポート13aを有する。掃気ポート13aは、掃気室11bからシリンダライナ13の内部空間への圧縮気体の流入口である。例えば、掃気ポート13aは、シリンダライナ13の周方向に複数並ぶように(好ましくはシリンダライナ13の全周に亘って)形成される。本実施形態1において、掃気ポート13aは、図2に示すように、掃気室11bを介して開口部11aを臨むように形成されている。すなわち、掃気ポート13aの上端部から下端部までの領域は、開口部11aの上端部から下端部までの領域内に収まっている。掃気ポート13aは、ピストン15が下死点に位置した際に開状態となり、掃気室11bとシリンダライナ13の内部空間とを連通させる。
整流板101は、掃気ポート13aよりも上側および下側の少なくとも一方の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に介在し、掃気トランク23から掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを整流する整流板の一例である。本実施形態1において、図2に示すように、整流板101は、掃気ポート13aよりも上側の位置において、シリンダライナ13の外壁面とシリンダジャケット11の内壁面との間に介在する。整流板101は、例えば、シリンダライナ13の径方向(図2の紙面横方向)に延在するように形成される。図2では、シリンダジャケット11からシリンダライナ13に向かって延出する態様の整流板101が例示されている。
このような整流板101は、図2に示すように、シリンダジャケット11内の上側空間11cへ圧縮気体が流入することを抑制しながら、この圧縮気体を掃気ポート13a側へ導く。なお、上側空間11cは、掃気室11bのうち、掃気ポート13aの上端部よりも上側の位置でシリンダライナ13の外壁面とシリンダジャケット11の内壁面とに囲まれる内部空間である。このようにして、整流板101は、掃気トランク23から開口部11aを通じてシリンダジャケット11の内部空間(掃気室11b)に流入した圧縮気体の流れを、掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流する。整流板101による圧縮気体の整流能力を高めるという観点から、整流板101は、シリンダライナ13の周方向の全域に亘って連続的に形成されることが好ましい。
ここで、本実施形態1におけるシリンダ12の掃気では、図2に示すように、圧縮気体が掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入する。流入した圧縮気体は、シリンダライナ13の外周面等に沿って掃気室11b内を流れながら、掃気ポート13aに向かう。この際、整流板101は、上側空間11cに向かう圧縮気体の流れを抑制しながら、この圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに変える。掃気室11b内の圧縮気体は、このように整流板101によって整流されつつ、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に順次流入する。これにより、圧縮気体は、シリンダライナ13内の残留ガスを排気ポートから排気管21(図1参照)へ押し出しながら、シリンダライナ13内に充填される。
図3は、本発明の実施形態1に係る掃気整流構造での圧縮気体の流れをシミュレーションした結果の一例を示す図である。図4は、本発明に対する比較例の掃気整流構造での圧縮気体の流れをシミュレーションした結果の一例を示す図である。図3、4において、実線矢印は、シリンダ12の掃気時における圧縮気体の流れを示している。また、図4に示すように、比較例の掃気整流構造100Aは、整流板101を備えていないこと以外、本実施形態1に係る掃気整流構造100と同様に構成される。
図3、4に示される各シミュレーション結果を比較して分かるように、掃気整流構造100では、シリンダジャケット11の開口部11aから掃気室11bに流入した圧縮気体は、整流板101によって上側空間11cへの流入が抑制されている。このため、掃気整流構造100での圧縮気体は、図4に示す比較例の掃気整流構造100Aの場合に比べて円滑に掃気ポート13aからシリンダライナ13内へ流入している。
これに対し、比較例の掃気整流構造100Aでは、図3に示す掃気整流構造100の場合に比べて多くの圧縮気体が、シリンダジャケット11の開口部11aから掃気室11bに流入した後、上側空間11cへ流入して滞留している。このため、比較例の掃気整流構造100Aでの圧縮気体は、多くの場合、上側空間11cで滞留してから掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に流入している。すなわち、比較例の掃気整流構造100Aでは、圧縮気体が上側空間11cで滞留する分、掃気室11bから掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内へ流入する圧縮気体の流れが円滑になっていない。この結果、比較例の掃気整流構造100Aでは、図4に示すように、圧縮気体の圧力の損失が著しく大きい圧力損失領域A1、A2が、シリンダライナ13内に発生した。この圧縮気体の著しい圧力損失は、シリンダ12の掃気効率の低下を招来する。
以上、説明したように、本発明の実施形態1に係る掃気整流構造100では、シリンダライナ13の掃気ポート13aよりも上側の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に整流板101を介在させ、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを、整流板101によって掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流している。このため、掃気トランク23から掃気室11bに流入した圧縮気体が掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に流入する前に掃気室11bの上側空間11cで意図せず滞留する事態を抑制することができる。これにより、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に圧縮気体(圧縮された燃焼用気体)を円滑に流入させることができ、この結果、シリンダ12の掃気時における圧縮気体の圧力損失を低減できることから、シリンダ12の掃気効率を向上させることができる。
また、本発明の実施形態1に係る掃気整流構造100では、整流板101をシリンダライナ13の径方向(ピストン軸方向に対して垂直な方向)に延在するように形成している。このため、上側空間11cに向かって流れてくる圧縮気体を整流板101によって掃気ポート13a側へ円滑に流すことができる。
(実施形態2)
つぎに、本発明の実施形態2について説明する。上述した実施形態1では、シリンダライナ13の径方向に延在するように形成した整流板101を例示したが、本実施形態2では、シリンダジャケット11の開口部11aの上端部側から掃気ポート13aの上端側に向かって傾斜する整流板を形成している。
図5は、本発明の実施形態2に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。図5に示すように、この掃気整流構造110は、上述した実施形態1に係る掃気整流構造100の整流板101に代えて整流板111を備える。その他の構成は実施形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。また、この掃気整流構造110が適用される本実施形態2の舶用ディーゼルエンジン(図示せず)は、整流板101に代えて整流板111を備えること以外、上述した実施形態1の舶用ディーゼルエンジン10(図1参照)と同様に構成される。
整流板111は、掃気ポート13aよりも上側および下側の少なくとも一方の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に介在し、掃気トランク23から掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを整流する整流板の一例である。本実施形態2において、図5に示すように、整流板111は、掃気ポート13aよりも上側の位置において、シリンダライナ13の外壁面とシリンダジャケット11の内壁面との間に介在する。例えば、整流板111は、シリンダジャケット11の開口部11aの上端部側からシリンダライナ13の掃気ポート13aの上端部側に向かって傾斜するように形成される。図5では、シリンダジャケット11からシリンダライナ13に向かって下降傾斜するように延出する態様の整流板111が例示されている。
このような整流板111は、図5に示すように、シリンダジャケット11内の上側空間11cへ圧縮気体が流入することを抑制しながら、この圧縮気体を掃気ポート13a側へ導く。また、整流板111は、掃気ポート13aよりも上側の掃気室11bの領域に流入した圧縮気体を、掃気ポート13aに向けて下降させながら導く。このようにして、整流板111は、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを、掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流する。整流板111による圧縮気体の整流能力を高めるという観点から、整流板111は、シリンダライナ13の周方向の全域に亘って連続的に形成されることが好ましい。
ここで、本実施形態2におけるシリンダ12の掃気では、図5に示すように、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体は、シリンダライナ13の外周面等に沿って掃気室11b内を流れながら、掃気ポート13aに向かう。この際、整流板111は、上側空間11cに向かう圧縮気体の流れを抑制しながら、この圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向(図5では下降する方向)の流れに変える。掃気室11b内の圧縮気体は、このように整流板111によって整流されつつ、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に順次流入する。これにより、圧縮気体は、シリンダライナ13内の残留ガスを排気ポートから排気管21へ押し出しながら、シリンダライナ13内に充填される。
以上、説明したように、本発明の実施形態2に係る掃気整流構造110では、シリンダジャケット11の開口部11aの上端部側からシリンダライナ13の掃気ポート13aの上端部側に向かって傾斜する態様の整流板111を、掃気ポート13aよりも上側の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に介在させ、この整流板111によって圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流するようにし、その他を実施形態1と同様に構成している。このため、上述した実施形態1と同様の作用効果を享受するとともに、掃気室11b内の圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向に集中させることができ、この結果、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に圧縮気体をより円滑に流入させることができる。
(実施形態3)
つぎに、本発明の実施形態3について説明する。上述した実施形態1では、シリンダライナ13の径方向に延在するように形成した整流板101を例示したが、本実施形態3では、弧状の整流板を形成している。
図6は、本発明の実施形態3に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。図6に示すように、この掃気整流構造120は、上述した実施形態1に係る掃気整流構造100の整流板101に代えて整流板121を備える。その他の構成は実施形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。また、この掃気整流構造120が適用される本実施形態3の舶用ディーゼルエンジン(図示せず)は、整流板101に代えて整流板121を備えること以外、上述した実施形態1の舶用ディーゼルエンジン10(図1参照)と同様に構成される。
整流板121は、掃気ポート13aよりも上側および下側の少なくとも一方の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に介在し、掃気トランク23から掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを整流する整流板の一例である。本実施形態3において、図6に示すように、整流板121は、掃気ポート13aよりも上側の位置において、シリンダライナ13の外壁面とシリンダジャケット11の内壁面との間に介在する。例えば、整流板121は、上側空間11cに向かって凸の弧状をなすように形成される。図6では、シリンダジャケット11からシリンダライナ13に向かって延出するように弧状に形成された整流板121が例示されている。
このような整流板121は、図6に示すように、シリンダジャケット11内の上側空間11cへ圧縮気体が流入することを抑制するとともに、この圧縮気体を弧状に旋回させながら掃気ポート13a側へ導く。このようにして、整流板121は、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを、掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流する。整流板121による圧縮気体の整流能力を高めるという観点から、整流板121は、シリンダライナ13の周方向の全域に亘って連続的に形成されることが好ましい。
ここで、本実施形態3におけるシリンダ12の掃気では、図6に示すように、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体は、シリンダライナ13の外周面等に沿って掃気室11b内を流れながら、掃気ポート13aに向かう。この際、整流板121は、上側空間11cに向かう圧縮気体の流れを抑制するとともに、この圧縮気体を弧状に旋回させることにより、この圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに変える。掃気室11b内の圧縮気体は、このように整流板121によって整流されつつ、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に順次流入する。これにより、圧縮気体は、シリンダライナ13内の残留ガスを排気ポートから排気管21へ押し出しながら、シリンダライナ13内に充填される。
以上、説明したように、本発明の実施形態3に係る掃気整流構造120では、掃気ポート13aよりも上側の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に弧状の整流板121を介在させ、この整流板121によって圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流するようにし、その他を実施形態1と同様に構成している。このため、上述した実施形態1と同様の作用効果を享受するとともに、整流板121によって受けた圧縮気体を掃気ポート13aに向けて円滑に流すことができ、この結果、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に圧縮気体をより円滑に流入させることができる。
(実施形態4)
つぎに、本発明の実施形態4について説明する。上述した実施形態1では、掃気ポート13aよりも上側の位置に設けた整流板101を例示したが、本実施形態4では、掃気ポート13aよりも下側に整流板を設けている。
図7は、本発明の実施形態4に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。図7に示すように、この掃気整流構造130は、上述した実施形態1に係る掃気整流構造100の整流板101に代えて整流板131を備える。その他の構成は実施形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。また、この掃気整流構造130が適用される本実施形態4の舶用ディーゼルエンジン(図示せず)は、整流板101に代えて整流板131を備えること以外、上述した実施形態1の舶用ディーゼルエンジン10(図1参照)と同様に構成される。
整流板131は、掃気ポート13aよりも上側および下側の少なくとも一方の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に介在し、掃気トランク23から掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを整流する整流板の一例である。本実施形態4において、図7に示すように、整流板131は、掃気ポート13aよりも下側の位置において、シリンダライナ13の外壁面とシリンダジャケット11の内壁面との間に介在する。例えば、整流板131は、シリンダジャケット11の開口部11aの下端部側からシリンダライナ13の掃気ポート13aの下端部側に向かって傾斜するように形成される。図7では、シリンダジャケット11からシリンダライナ13に向かって上昇傾斜するように延出する態様の整流板131が例示されている。
このような整流板131は、図7に示すように、シリンダジャケット11内の下側空間11dへ圧縮気体が流入することを抑制しながら、この圧縮気体を掃気ポート13a側へ導く。また、整流板131は、掃気ポート13aよりも下側の掃気室11bの領域に流入した圧縮気体を、掃気ポート13aに向けて上昇させながら導く。なお、下側空間11dは、掃気室11bのうち、掃気ポート13aの上端部よりも下側の位置でシリンダジャケット11の内壁面に囲まれる内部空間である。このようにして、整流板131は、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを、掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流する。整流板131による圧縮気体の整流能力を高めるという観点から、整流板131は、シリンダライナ13の周方向の全域に亘って連続的に形成されることが好ましい。
ここで、本実施形態4におけるシリンダ12の掃気では、図7に示すように、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体は、シリンダライナ13の外周面等に沿って掃気室11b内を流れながら、掃気ポート13aに向かう。この際、整流板131は、下側空間11dに向かう圧縮気体の流れを抑制しながら、この圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向(図7では上昇する方向)の流れに変える。掃気室11b内の圧縮気体は、このように整流板131によって整流されつつ、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に順次流入する。これにより、圧縮気体は、シリンダライナ13内の残留ガスを排気ポートから排気管21へ押し出しながら、シリンダライナ13内に充填される。
以上、説明したように、本発明の実施形態4に係る掃気整流構造130では、シリンダジャケット11の開口部11aの下端部側からシリンダライナ13の掃気ポート13aの下端部側に向かって傾斜する態様の整流板131を、掃気ポート13aよりも下側の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に介在させ、この整流板131によって圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流するようにし、その他を実施形態1と同様に構成している。このため、上述した実施形態1と同様の作用効果を享受するとともに、掃気室11b内の圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向に集中させることができ、この結果、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に圧縮気体をより円滑に流入させることができる。
(実施形態5)
つぎに、本発明の実施形態5について説明する。上述した実施形態1では、掃気ポート13aよりも上側の位置にシリンダライナ13の径方向に延在する整流板101を形成していたが、本実施形態3では、掃気ポート13aよりも下側の位置に弧状の整流板を形成している。
図8は、本発明の実施形態5に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。図8に示すように、この掃気整流構造140は、上述した実施形態1に係る掃気整流構造100の整流板101に代えて整流板141を備える。その他の構成は実施形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。また、この掃気整流構造140が適用される本実施形態5の舶用ディーゼルエンジン(図示せず)は、整流板101に代えて整流板141を備えること以外、上述した実施形態1の舶用ディーゼルエンジン10(図1参照)と同様に構成される。
整流板141は、掃気ポート13aよりも上側および下側の少なくとも一方の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に介在し、掃気トランク23から掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを整流する整流板の一例である。本実施形態5において、図8に示すように、整流板141は、掃気ポート13aよりも下側の位置において、シリンダライナ13の外壁面とシリンダジャケット11の内壁面との間に介在する。例えば、整流板141は、下側空間11dに向かって凹の弧状をなすように形成される。図8では、シリンダジャケット11からシリンダライナ13に向かって延出するように弧状に形成された整流板141が例示されている。
このような整流板141は、図8に示すように、シリンダジャケット11内の下側空間11dへ圧縮気体が流入することを抑制するとともに、この圧縮気体を整流板141の弧状の凸面(上面)に沿って流しながら掃気ポート13a側へ導く。このようにして、整流板141は、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを、掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流する。整流板141による圧縮気体の整流能力を高めるという観点から、整流板141は、シリンダライナ13の周方向の全域に亘って連続的に形成されることが好ましい。
ここで、本実施形態5におけるシリンダ12の掃気では、図8に示すように、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体は、シリンダライナ13の外周面等に沿って掃気室11b内を流れながら、掃気ポート13aに向かう。この際、整流板141は、下側空間11dに向かう圧縮気体の流れを抑制するとともに、この圧縮気体を弧状の凸面に沿って旋回させることにより、この圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに変える。掃気室11b内の圧縮気体は、このように整流板141によって整流されつつ、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に順次流入する。これにより、圧縮気体は、シリンダライナ13内の残留ガスを排気ポートから排気管21へ押し出しながら、シリンダライナ13内に充填される。
以上、説明したように、本発明の実施形態5に係る掃気整流構造140では、掃気ポート13aよりも下側の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に弧状の整流板141を介在させ、この整流板141によって圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流するようにし、その他を実施形態1と同様に構成している。このため、上述した実施形態1と同様の作用効果を享受するとともに、整流板141によって受けた圧縮気体を掃気ポート13aに向けて円滑に流すことができ、この結果、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に圧縮気体をより円滑に流入させることができる。
(実施形態6)
つぎに、本発明の実施形態6について説明する。上述した実施形態1では、掃気ポート13aよりも上側の位置に整流板101を設けた場合を例示したが、本実施形態6では、掃気ポート13aよりも上側および下側の双方に整流板を設けている。
図9は、本発明の実施形態6に係る舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造の一構成例を示す模式図である。図9に示すように、この掃気整流構造150は、実施形態1に係る掃気整流構造100と同様の整流板101と、実施形態4に係る掃気整流構造130と同様の整流板131とを備える。その他の構成は実施形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。また、この掃気整流構造150が適用される本実施形態6の舶用ディーゼルエンジン(図示せず)は、これら2種類の整流板101、131を備えること以外、実施形態1の舶用ディーゼルエンジン10(図1参照)と同様に構成される。
整流板101、131は、掃気ポート13aよりも上側および下側の少なくとも一方の位置でシリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に介在し、掃気トランク23から掃気室11bに流入した圧縮気体の流れを整流する整流板の一例である。本実施形態6において、図9に示すように、一方の整流板101は、上述した実施形態1の場合と同様に、掃気ポート13aよりも上側の位置でシリンダライナ13の外壁面とシリンダジャケット11の内壁面との間に介在するように形成される。他方の整流板131は、上述した実施形態4の場合と同様に、掃気ポート13aよりも下側の位置でシリンダライナ13の外壁面とシリンダジャケット11の内壁面との間に介在するように形成される。
ここで、本実施形態6におけるシリンダ12の掃気では、図9に示すように、掃気トランク23からシリンダジャケット11の開口部11aを通じて掃気室11bに流入した圧縮気体は、シリンダライナ13の外周面等に沿って掃気室11b内を流れながら、掃気ポート13aに向かう。この際、上側の整流板101は、上側空間11cに向かう圧縮気体の流れを抑制しながら、この圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに変える。これに並行して、下側の整流板131は、下側空間11dに向かう圧縮気体の流れを抑制しながら、この圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに変える。掃気室11b内の圧縮気体は、これらの整流板101、131によって上下両側から整流されつつ、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に順次流入する。これにより、圧縮気体は、シリンダライナ13内の残留ガスを排気ポートから排気管21へ押し出しながら、シリンダライナ13内に充填される。
以上、説明したように、本発明の実施形態6に係る掃気整流構造150では、掃気ポート13aよりも上側および下側の各位置に整流板101、131を各々設け、これらの整流板101、131によって圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向の流れに整流するようにし、その他を実施形態1と同様に構成している。このため、上述した実施形態1と同様の作用効果を享受するとともに、上側の整流板101の整流作用と下側の整流板131の整流作用との相乗作用により、掃気室11b内の圧縮気体の流れを掃気ポート13aに向かう方向に効率よく集中させることができ、この結果、掃気ポート13aを通じてシリンダライナ13内に圧縮気体をより一層円滑に流入させることができる。
なお、上述した実施形態1~6では、シリンダライナ13とシリンダジャケット11との間に介在する整流板として、シリンダジャケット11からシリンダライナ13に向かって延出する整流板を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、本発明における整流板は、シリンダライナ13からシリンダジャケット11に向かって延出するものであってもよい。
また、上述した実施形態2では、シリンダジャケット11の開口部11aの上端部側からシリンダライナ13の掃気ポート13aの上端部側に向かって下降傾斜する態様の整流板111を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、整流板111は、これら開口部11aおよび掃気ポート13aの各上端部の相対位置関係に応じ、開口部11aの上端部側から掃気ポート13aの上端部側に向かって上昇傾斜する態様のものであってもよい。
また、上述した実施形態3では、上側空間11cに向かって凸の弧状をなす整流板121を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、整流板121は、上側空間11cに向かって凹の弧状をなすものであってもよい。
また、上述した実施形態4では、シリンダジャケット11の開口部11aの下端部側からシリンダライナ13の掃気ポート13aの下端部側に向かって上昇傾斜する態様の整流板131を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、整流板131は、これら開口部11aおよび掃気ポート13aの各下端部の相対位置関係に応じ、開口部11aの下端部側から掃気ポート13aの下端部側に向かって下降傾斜する態様のものであってもよい。
また、上述した実施形態5では、下側空間11dに向かって凹(すなわち上に凸)の弧状をなす整流板141が例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、整流板141は、下側空間11dに向かって凸の弧状をなすものであってもよい。
また、上述した実施形態4、5では、傾斜状または弧状の整流板を掃気ポート13aよりも下側の位置に設けた場合を例示したが、本発明は、これに限定されない。例えば、掃気ポート13aよりも下側の位置には、シリンダジャケット11の開口部11aおよび掃気ポート13aの各下端部の相対位置関係に応じ、シリンダライナ13の径方向に延在する直線的な形状の整流板を設けてもよい。
また、上述した実施形態6では、シリンダライナ13の径方向に延在する整流板101(実施形態1の整流板101)を上側の整流板として備え、シリンダジャケット11の開口部11aの下端部側からシリンダライナ13の掃気ポート13aの下端部側に向かって上昇傾斜する態様の整流板131(実施形態4の整流板131)を下側の整流板として備える場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。実施形態6において、上側の整流板は実施形態1~3のいずれの整流板であってもよいし、下側の整流板は実施形態4、5のいずれの整流板であってもよい。
また、上述した実施形態1~6により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施形態1~6に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 台板
2 クランクシャフト
3 軸受
4 クランク
5 架構
6 連接棒
7 ガイド板
8 クロスヘッド
9 クロスヘッドピン
10 舶用ディーゼルエンジン
11 シリンダジャケット
11a 開口部
11b 掃気室
11c 上側空間
11d 下側空間
12 シリンダ
13 シリンダライナ
13a 掃気ポート
14 シリンダカバー
15 ピストン
16 ピストン棒
17 燃焼室
18 排気弁
19 動弁装置
20 排気マニホールド
21 排気管
22 過給機
23 掃気トランク
24 タイボルト
25 ナット
100、110、120、130、140、150 掃気整流構造
100A 比較例の掃気整流構造
101、111、121、131、141 整流板
A1、A2 圧力損失領域

Claims (4)

  1. ピストンの往復運動が行われるシリンダの筒部を構成し、下死点に位置する前記ピストンよりも上側に掃気ポートを有するシリンダライナと、
    圧縮された燃焼用気体が送り込まれる掃気トランクと前記掃気ポートとを連通させる開口部を有し、前記シリンダライナを支持するシリンダジャケットと、
    前記掃気ポートよりも上側の位置、前記シリンダジャケットの内部空間のうち前記掃気ポートよりも上側である上側空間に向かって凸の弧状に形成された状態で前記シリンダライナと前記シリンダジャケットとの間に介在し、前記掃気トランクから前記開口部を通じて前記シリンダジャケットの内部空間に流入した前記燃焼用気体の流れを、前記掃気ポートに向かう方向の流れに整流する上側の整流板と、
    を備えることを特徴とする舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造。
  2. 前記掃気ポートよりも下側の位置で前記シリンダライナと前記シリンダジャケットとの間に介在し、前記掃気トランクから前記開口部を通じて前記シリンダジャケットの内部空間に流入した前記燃焼用気体の流れを、前記掃気ポートに向かう方向の流れに整流する下側の整流板をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造。
  3. 前記下側の整流板は、前記シリンダライナの径方向に延在し、または、前記開口部の下端部側から前記掃気ポートの下端部側に向かって傾斜することを特徴とする請求項に記載の舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造。
  4. 前記下側の整流板は、弧状に形成されることを特徴とする請求項に記載の舶用ディーゼルエンジンの掃気整流構造。
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