JP3276531B2 - クランクケース圧縮式2サイクル内燃機関 - Google Patents

クランクケース圧縮式2サイクル内燃機関

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JP3276531B2
JP3276531B2 JP09852795A JP9852795A JP3276531B2 JP 3276531 B2 JP3276531 B2 JP 3276531B2 JP 09852795 A JP09852795 A JP 09852795A JP 9852795 A JP9852795 A JP 9852795A JP 3276531 B2 JP3276531 B2 JP 3276531B2
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    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
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    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
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  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランクケース圧縮式
2サイクル内燃機関に関し、特にその掃気通路の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のクランクケース圧縮式2
サイクル内燃機関は、図6に示すように、シリンダ室1
内にピストン2が昇降自在に配置されているシリンダブ
ロック3と、ピストン2の昇降運動が連接棒4を介して
伝えられて回転力に変換するクランク5のクランクアー
ム5a及びクランクピン5bをクランク室6内に収容し
ているクランクケース7とを有する。クランク5のクラ
ンク軸5cは、軸受8で回転自在に支持されてクランク
ケース7の外に導出されている。
【0003】シリンダブロック3には、クランク室6と
シリンダ室1とを連通させる掃気通路9と、クランク室
6に給気を行う給気口(この図6では、図示せず)と、
シリンダ室1からの排気を行う排気口10と、シリンダ
室1の上部で点火を行う点火栓11が設けられている。
【0004】このような従来のクランクケース圧縮式2
サイクル内燃機関の動作を、図6と図7を参照して説明
する。
【0005】ピストン2の上昇行程でクランクケース7
内に給気口より吸入された混合気は、ピストン2の下降
行程で該クランクケース7内で圧縮され、ピストン2の
下降につれてその側壁によって塞がれていた掃気通路9
の上部開口部12が開き始めるとシリンダ室1内に圧送
され、該シリンダ室1内の燃焼ガスを排気口10から押
出しながら該シリンダ室1内に充填される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のクランクケース圧縮式2サイクル内燃機関で
は、次のような問題点がある。
【0007】(a)掃気通路9の上部開口部12がピス
トン2の下降により開き、混合気がシリンダ室1内に圧
送される際、掃気通路9に沿って流れる該混合気は図7
に示す流線の如くピストン2の側壁により一部が塞ぎ止
められるため、該混合気の流れに乱れが生じ、該混合気
の充填効率の低下を招くと共に該混合気により排気口1
0から押出すべき燃焼ガスの押出しも不十分になる。
【0008】(B)また、従来の構造では、図7に示す
ように掃気通路9の上部開口部12をピストン2の側壁
で一部塞いでいるときには、該混合気の流れが上向きに
なるので、掃気通路9の上部開口部12をピストン2の
側壁で塞いでいない完全開放状態の混合気の流れに比べ
て、図8に実線で示す流線のように排気口10に至る流
路長が短いため、該混合気自体の排気口10からの吹抜
けも多く、出力の低下を招くとともに、該混合気の流れ
が図7の流線の如くピストン頭部2aに沿って流れず、
ピストン2の冷却が不十分となるため稀薄燃焼が不可能
であり、燃費の悪化及び排気ガス中の環境汚染物質の排
出の増加もまねいていた。
【0009】本発明の目的は、掃気通路からシリンダ室
に対するガスの充填効率を向上させることができると共
に該ガスによる排気口からの燃焼ガスの押出しも十分に
行えるクランクケース圧縮式2サイクル内燃機関を提供
することにある。
【0010】本発明の他の目的は、出力向上,燃費の改
善及び排気ガス中の環境汚染物質の削減を図ることがで
きるクランクケース圧縮式2サイクル内燃機関を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダ室内
にピストンが昇降自在に配置されているシリンダブロッ
クと、ピストンの昇降運動が連接棒を介して伝えられて
回転力に変換するクランクのクランクアーム及びクラン
クピンをクランク室内に収容しているクランクケースと
を備え、シリンダブロックにはクランク室とシリンダ室
とを連通させる掃気通路と、シリンダ室からの排気を行
う排気口とが設けられているクランクケース圧縮式2サ
イクル内燃機関を改良の対象としている。
【0012】本発明に係るクランクケース圧縮式2サイ
クル内燃機関は、シリンダ室に開口する掃気通路の少な
くとも上部開口部側で該掃気通路内に該掃気通路内を上
下方向に複数の分割掃気通路部に分割する整流板が設け
られていることを特徴とする。
【0013】この場合、整流板はシリンダブロックのシ
リンダ内壁より後退して設けられていることが好まし
い。
【0014】本発明では、掃気通路からシリンダ室に供
給されるガスとしては、混合気の場合と、空気の場合と
がある。掃気通路からシリンダ室に供給されるガスが空
気の場合には、燃料はシリンダ室内に直接噴霧されるこ
とになる。
【0015】
【作用】このようにシリンダ室に開口する掃気通路の少
なくとも上部開口部側で該掃気通路内に該掃気通路内を
上下方向に複数の分割掃気通路部に分割する整流板を設
けると、ピストンの下降行程では該ピストンの側壁で塞
がれていた各分割掃気通路部がピストンの下降につれて
上側の分割掃気通路部から順次シリンダ室に開放される
ようになる。
【0016】このため上方の分割掃気通路部がシリンダ
室に開放されると、クランク室内の圧縮ガスはその開放
された分割掃気通路部を経てシリンダ室内に圧送され、
これにより該シリンダ室内の燃焼ガスを押出しながら該
シリンダ室内に充填され始める。
【0017】ピストンが下降を続け、ピストン頭部が整
流板付近に到達すると、ガスは上方の分割掃気通路部と
整流板によって整流化され、ピストン頭部に沿いながら
シリンダ室内に充填され。
【0018】更にピストンが下降してピストン頭部が該
整流板の下方の分割掃気通路部に通じる開口部の位置に
到達すると、該下方の分割掃気通路部からもシリンダ室
内にガスの充填が始まる。このときのガスの流れは、上
方の分割掃気通路部を流れる整流化されたガスにより方
向付けされてシリンダ室内に充填される。
【0019】このため、ピストン側壁により塞ぎ止めら
れるガスの影響を、掃気通路内を上下に分割する整流板
で阻止することができ、且つガスの整流を良好に行え
て、該ガスのシリンダ室に対する充填効率を向上させる
ことができると共に該ガスにより排気口から押出すべき
燃焼ガスの押出しも十分に行うことができる。
【0020】また、掃気行程におけるガスの流れを整流
板により上下に区画して良好に整流できることにより、
該ガスの排気口からの吹抜けを低減することができて、
該ガスのシリンダ室に対する充填効率が向上して内燃機
関の出力の向上を図ることができる。
【0021】かつまた、シリンダ室に吹き込まれるガス
の流れの整流により稀薄燃焼下におけるピストンの高温
化を抑制し、燃料消費量を削減することにより、排気ガ
ス中の環境汚染物質の排出を少なくすることができる。
【0022】更に、整流板がシリンダブロックのシリン
ダ内壁より後退して設けられていると、該整流板がピス
トンに接触せず、このため該整流板の肉厚が薄くても、
ピストンの昇降により損傷されるのを回避することがで
き、該整流板の信頼性を向上させることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図5を参照し
て詳細に説明する。なお、前述した図6〜図8と対応す
る部分には、同一符号を付けて示している。
【0024】本実施例のクランクケース圧縮式2サイク
ル内燃機関においては、前述した従来例と同様に、シリ
ンダ室1内にピストン2が昇降自在に配置されているシ
リンダブロック3と、ピストン2の昇降運動が連接棒4
を介して伝えられて回転力に変換するクランク5のクラ
ンクアーム5a及びクランクピン5bをクランク室6内
に収容しているクランクケース7とを有する。クランク
5のクランク軸5cは、軸受8で回転自在に支持されて
クランクケース7の外に導出されている。
【0025】シリンダブロック3には、クランク室6と
シリンダ室1とを連通させる掃気通路9と、クランク室
6に混合気の供給を行う給気口13と、シリンダ室1か
ら燃焼ガスの排気を行う排気口10と、シリンダ室1の
上部で点火を行う点火栓11が設けられている。
【0026】特に、本実施例のクランクケース圧縮式2
サイクル内燃機関においては、シリンダ室1に開口する
掃気通路9の上部開口部12側で該掃気通路9内に該掃
気通路9内を上下方向に複数の分割掃気通路部9a,9
bに分割する整流板14が設けられている。即ち、本実
施例では、整流板14により掃気通路9内が、水平方向
の分割でなく、上下方向の分割により、上下方向に並ぶ
分割掃気通路部9a,9bに分割されている点に特徴が
ある。本実施例の場合、該整流板14はシリンダブロッ
ク3と一体成形で設けられている。なお、該整流板14
の端部は、シリンダブロック3とは別体に形成して後か
ら組み付けることも可能である。該整流板14はシリン
ダブロック3のシリンダ内壁15の内表面に一致した位
置か、或いは図示のように該シリンダ内壁15より後退
して設けられる。
【0027】このようにシリンダ室1に開口する掃気通
路9の上部開口部12側で該掃気通路9内に該掃気通路
9内を上下方向に複数の分割掃気通路部9a,9bに分
割する整流板14を設けると、ピストン2の下降行程で
は該ピストン2の側壁で塞がれていた各分割掃気通路部
9a,9bがピストン2の下降につれて上側の分割掃気
通路部9aから順次シリンダ室1に開放されるようにな
る。
【0028】このため上方の分割掃気通路部9aがシリ
ンダ室1に開放されると、クランク室6内で圧縮されて
いる混合気は、その開放された分割掃気通路部9aを経
てシリンダ室1内に圧送され、これにより該シリンダ室
1内の燃焼ガスを押出しながら該シリンダ室1内に充填
され始める。
【0029】ピストン2が下降を続け、図3に示すよう
にピストン頭部2aが整流板14の付近に到達すると、
混合気は上方の分割掃気通路部9aと整流板14によっ
て整流化され、ピストン頭部2aに沿いながらシリンダ
室1内に充填される。従って、ピストン頭部2aは混合
気により冷却される。
【0030】更にピストン2が下降して、図4に示すよ
うにピストン頭部2aが該整流板14の下方の分割掃気
通路部9bに通じる開口部12bの位置に到達すると、
該下方の分割掃気通路部12bからもシリンダ室1内に
混合気の充填が始まる。このときの混合気の流れは、上
方の分割掃気通路部12aを流れる整流化された混合気
により方向付けされてシリンダ室1内に充填される。こ
の状態でも、ピストン頭部2aは混合気により冷却され
る。
【0031】このため、ピストン2の側壁により塞ぎ止
められる混合気の影響を、掃気通路9内を上下に分割す
る整流板14で阻止することができ、且つ混合気の整流
を良好に行えて、該混合気のシリンダ室1に対する充填
効率を向上させることができると共に該混合気により排
気口10から押出すべき燃焼ガスの押出しも十分に行う
ことができる。
【0032】また、掃気行程における混合気の流れを整
流板14により上下に区画して良好に整流できると、開
口部12a,12bからシリンダ室1内に吹き出される
混合気が従来のように上向きにならず、図5に示す流線
のように、従来より長いパスで流れて排出口10から排
出されるので、該混合気の排気口10からの吹抜けを低
減することができて、該混合気のシリンダ室1に対する
充填効率が向上して内燃機関の出力の向上を図ることが
できる。
【0033】かつまた、シリンダ室1に吹き込まれる混
合気の流れの整流により稀薄燃焼下におけるピストン2
の高温化を抑制し、燃料消費量を削減することにより、
排気ガス中の環境汚染物質の排出を少なくすることがで
きる。
【0034】本実施例のように、整流板14がシリンダ
ブロック3のシリンダ内壁15より後退して設けられて
いると、該整流板14がピストン2に接触せず、このた
め該整流板14の肉厚が薄くても、ピストン2の昇降に
より損傷されるのを回避することができ、該整流板14
の信頼性を向上させることができる。
【0035】上記実施例では、掃気通路9より混合気を
供給する例について説明したが、該掃気通路9からは混
合気の代りに空気を供給する場合もある。該掃気通路9
からシリンダ室1に空気を供給する場合には、燃料はシ
リンダ室1内に直接噴霧することになる。
【0036】また、給気口13はシリンダブロック3に
限らず、リードバルブを介してクランクケース7に設け
る場合もある。
【0037】更に、整流板14は上記のように掃気通路
9内の出口側に限らず、全長にわたって設けることもで
きる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るクラ
ンクケース圧縮式2サイクル内燃機関によれば、下記の
ような優れた効果を得ることができる。
【0039】本発明では、シリンダ室に開口する掃気通
路の少なくとも上部開口部側で該掃気通路内に該掃気通
路内を上下方向に複数の分割掃気通路部に分割する整流
板を設けたので、ピストン側壁により塞ぎ止められるガ
スの影響を、掃気通路内を上下に分割する整流板で阻止
することができ、且つガスの整流を良好に行えて、該ガ
スのシリンダ室に対する充填効率を向上させることがで
きると共に該ガスにより排気口から押出すべき燃焼ガス
の押出しも十分に行うことができる。
【0040】また、本発明によれば、掃気行程における
ガスの流れを整流板により上下に区画して良好に整流で
きるので、該ガスの排気口からの吹抜けを低減すること
ができて、該ガスのシリンダ室に対する充填効率が向上
して内燃機関の出力の向上を図ることができる。
【0041】かつまた、本発明によれば、シリンダ室に
吹き込まれるガスの流れの整流により、稀薄燃焼下にお
けるピストンの高温化を抑制し、燃料消費量を削減する
ことにより、排気ガス中の環境汚染物質の排出を少なく
することができる。
【0042】更に、整流板をシリンダブロックのシリン
ダ内壁より後退して設けることにより、該整流板がピス
トンに接触せず、このため該整流板の肉厚が薄くても、
ピストンの昇降により損傷されるのを回避することがで
き、該整流板の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクランクケース圧縮式2サイクル
内燃機関の一実施例の縦断面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1に示すクランクケース圧縮式2サイクル内
燃機関でピストンの頭部が整流板の位置まで下降した状
態での混合気の流れを示す説明図である。
【図4】図1に示すクランクケース圧縮式2サイクル内
燃機関でピストンの頭部が整流板の位置より下降した状
態での混合気の流れを示す説明図である。
【図5】本実施例でシリンダ室に吹き込まれたガスの流
路を示す説明図である。
【図6】従来のクランクケース圧縮式2サイクル内燃機
関の縦断面図である。
【図7】従来のクランクケース圧縮式2サイクル内燃機
関でピストンの頭部が掃気通路の上部開口部を下降して
いる状態での混合気の流れを示す説明図である。
【図8】従来のクランクケース圧縮式2サイクル内燃機
関でシリンダ室に吹き込まれたガスの流路を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 シリンダ室 2 ピストン 3 シリンダブロック 4 連接棒 5 クランク 5a クランクアーム 5b クランクピン 5c クランク軸 6 クランク室 7 クランクケース 8 軸受 9 掃気通路 9a,9b 分割掃気通路部 10 排気口 11 点火栓 12 上部開口部 12a,12b 分割上部開口部 13 給気口 14 整流板 15 シリンダ内壁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−257444(JP,A) 特公 平7−9177(JP,B2) 特公 平4−2776(JP,B2) 特公 昭55−46488(JP,B1) 実公 平2−16034(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 25/00 - 25/28 F02B 33/04 F02F 1/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ室内にピストンが昇降自在に配
    置されているシリンダブロックと、前記ピストンの昇降
    運動が連接棒を介して伝えられて回転力に変換するクラ
    ンクのクランクアーム及びクランクピンをクランク室内
    に収容しているクランクケースとを備え、前記シリンダ
    ブロックには前記クランク室と前記シリンダ室とを連通
    させる掃気通路と、前記シリンダ室からの排気を行う排
    気口とが設けられているクランクケース圧縮式2サイク
    ル内燃機関において、 前記シリンダ室に開口する前記掃気通路の少なくとも上
    部開口部側で該掃気通路内に該掃気通路内を上下方向に
    複数の分割掃気通路部に分割する整流板が設けられてい
    ることを特徴とするクランクケース圧縮式2サイクル内
    燃機関。
  2. 【請求項2】 前記整流板は前記シリンダブロックのシ
    リンダ内壁より後退して設けられていることを特徴とす
    る請求項1に記載のクランクケース圧縮式2サイクル内
    燃機関。
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