JP7090322B2 - 衣服ベルト用バックル - Google Patents

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Description

本発明は、衣服ベルト用のバックルに関する。装着時にベルトの長さを固定する位置を無段階に調節可能な衣服ベルト用のバックルに関する。
従来、装着時にベルトの長さを固定する位置を無段階に調節可能な衣服ベルトのバックルについては、様々なものが市販されている。特に純粋に革だけで製造されたベルトを使う方式では、バックルに設けられた2か所のスリットにベルトを通して、ベルトが受ける張力によりベルトとバックルとの間に摩擦力を発生させて固定するタイプなどが挙げられる。しかし、ベルトが受ける張力によりベルトとバックルとの間に摩擦力を発生させてベルトを固定する構造では、バックルに張力以外の外力を受けた場合にベルトが緩みやすいといった問題があった。
かかる問題に対して出願人は、バックル内部で底板に端部を固定されたベルトの反対側となる先端部を、バックルより引き出された反対側よりバックル内に差込み、固定された端部の上に重ねるよう水平に通した後、一端側がバックル本体に支持された回転可能な留め具で、重ねられた2段のベルトを人体側に向かってバックル裏面から飛び出すように押圧し、押圧後に、かかる留め具をスライドさせて留め具の他端側をバックル本体に差し込み、かかる他端側のフック部分を差し込んだ先のバックル本体に引っ掛けることで留め具を固定するタイプのバックルについて以前に特許出願を行った(特許文献1参照)。かかるバックルにより、張力以外の外力によりベルトが緩む問題の解決を図った。
しかしながら、先に特許出願したタイプでは、留め具の他端側のフック部分をバックル本体に差し込む必要が有るため、フック部分の厚み分を考慮した隙間が、重ねられた2段のベルトとバックル本体との間に必要となる。そのため、留め具他端部に設けられたフック部を通すために留め具自体の厚さ以上の隙間をベルトとバックル本体の間に設ける必要が有り、留め具にベルトを密着させて摩擦力を効果的に発生させることができなかった。しかし、仮にフック部を無くした場合には、留め具が不本意にずれてベルトが緩む危険性が有った。
また、出願人が先にした特許出願において、回転する留め具を有するバックル全体の構造が、デザインに与える従来には無い異質な影響が強いため、ビジネス用の衣装や式典用の正装に似合わないといった問題が有った。
特開2014-128529号公報
そこで、本発明は、出願人が先に特許出願したバックルよりも強い摩擦力でベルトを固定することが可能な上に、留め具が不本意にずれてベルトが緩むことの無いバックルを提供する。
本発明の一態様の衣服ベルト用バックルは、
開口部が形成された背面板部と、背面板部の対向する2辺に連結する第1と第2の側面板部と、背面板部の板面と隙間を空けて、開口部から離れた位置で第1と第2の側面板部の一方から他方側に延びる棒状部材とを有する本体と、
第1と第2の側面板部間に配置され、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に第1と第2の側面板部に支持される第1の軸と、
第1の軸を支点に回転可能に第1の軸に支持され、第1の凸部を有するように形成され、第1の凸部を背面板部の開口部に向けて回転させた状態で第1の軸を棒状部材側にスライドさせることによって、第1の軸に支持された側とは反対側の自己の開放端部が棒状部材と背面板部との間に配置可能な第1の回転部材と、
第1と第2の側面板部間に配置され、第1と第2の側面板部に支持される第2の軸と、
第2の軸を支点に回転可能に前記第2の軸に支持され、第2の凸部を有するように形成され、第2の凸部を背面板部の開口部に向けて押し込むように回転させた状態で、第1の回転部材の棒状部材側とは反対方向への移動を第2の凸部により阻害可能な第2の回転部材と、
を備え、
開口部を跨ぐようにして衣服ベルトの端部が棒状部材側の背面板部に固定され、2重に重なった状態で本体内を通過させるように配置し、
第1の回転部材の回転によって第1の凸部により2重になった衣服ベルトを開口部から押し出すように屈曲させた状態で、第1の軸を前記棒状部材側にスライドさせることによって、第1の回転部材の開放端部を棒状部材と衣服ベルトとの間に移動させ、衣服ベルトの表面に第1の凸部と第1の回転部材の開放端部とを密着させた状態で、第2の回転部材の第2の凸部が第1の軸のスライドに伴う第1の回転部材の軸側端部の移動経路上に位置するまで第2の回転部材を回転させた状態で、前記第2の回転部材の回転に抵抗する力を作用させ、第1の回転部材の棒状部材側とは反対方向への移動を拘束することによって衣服ベルトを固定し、
第2の回転部材を逆側に回転させて、第1の回転部材の棒状部材側とは反対方向への移動の拘束を解除し、第1の軸を棒状部材とは反対側にスライドさせることによって、第1の回転部材の開放端部を棒状部材と衣服ベルトとの間から抜き出し、第1の凸部により2重になった衣服ベルトを開口部から押し出す方向とは逆方向に第1の回転部材を回転させることによって、衣服ベルトの固定を解除することを特徴とする。
本発明の他の態様の衣服ベルト用バックルは、
開口部が形成された背面板部と、背面板部の対向する2辺に連結する第1と第2の側面板部と、を有する本体と、
第1と第2の側面板部間に配置され、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に第1と第2の側面板部に支持される第1の軸と、
第1と第2の側面板部間に配置され、背面板部の板面と隙間を空けて、開口部から離れた位置で第1と第2の側面板部に支持される第2の軸と、
第1の軸を支点に回転可能に第1の軸に支持され、第1の凸部を有するように形成され、第1の凸部を背面板部の開口部に向けて回転させた状態で第1の軸を第2の軸側にスライドさせることによって、第1の軸に支持された側とは反対側の自己の開放端部が第2の軸と背面板部との間に配置可能な第1の回転部材と、
第2の軸を支点に回転可能に第2の軸に支持され、第2の凸部を有するように形成され、第2の凸部を背面板部の開口部に向けて押し込むように回転させた状態で、第1の回転部材の第2の軸側とは反対方向への移動を第2の凸部により阻害可能な第2の回転部材と、
を備え、
開口部を跨ぐようにして衣服ベルトの端部が第2の軸側の背面板部に固定され、2重に重なった状態で本体内を通過させるように配置し、
第1の回転部材の回転によって第1の凸部により2重になった衣服ベルトを開口部から押し出すように屈曲させた状態で、第1の軸を第2の軸側にスライドさせることによって、第1の回転部材の開放端部を第2の軸と衣服ベルトとの間に移動させ、衣服ベルトの表面に第1の凸部と第1の回転部材の開放端部とを密着させた状態で、第2の回転部材の第2の凸部が第1の軸のスライドに伴う第1の回転部材の軸側端部の移動経路上に位置するまで第2の回転部材を回転させた状態で、前記第2の回転部材の回転に抵抗する力を作用させ、第1の回転部材の第2の軸側とは反対方向への移動を拘束することによって衣服ベルトを固定し、
第2の回転部材を逆側に回転させて、第1の回転部材の第2の軸側とは反対方向への移動の拘束を解除し、第1の軸を第2の軸とは反対側にスライドさせることによって、第1の回転部材の開放端部を第2の軸と衣服ベルトとの間から抜き出し、第1の凸部により2重になった衣服ベルトを開口部から押し出す方向とは逆方向に第1の回転部材を回転させることによって、衣服ベルトの固定を解除することを特徴とする。
また、第2の回転部材の第2の凸部を、第1の軸のスライドに伴う第1の回転部材の軸側端部に当接させながら、さらに押し込むように第2の回転部材を回転させることによって、前記第2の回転部材の逆側への回転に抵抗する力を作用させることで、第1の回転部材の前記棒状部材側とは反対方向への移動を拘束することによって衣服ベルトを固定すると好適である。
或いは、棒状部材は強磁性体を有し、第2の回転部材には永久磁石が配置され、棒状部材の強磁性体と永久磁石との間での吸引力により第2の回転部材と本体とがくっ付くことで前記第2の回転部材の回転に抵抗する力を作用させるように構成しても好適である。
或いは、第2の回転部材は強磁性体を有し、棒状部材には永久磁石が配置され、第2の回転部材の強磁性体と永久磁石との間での吸引力により第2の回転部材と本体とがくっ付くことで前記第2の回転部材の回転に抵抗する力を作用させるように構成しても好適である。
本発明の一態様によれば、摩擦力により無段階にベルトを固定できる上、バックルが受ける張力以外の外力によって不本意にベルトが緩むことを防止することができる。さらに、ベルトに広い面積で摩擦を発生させる事により、より強い摩擦力でベルトを固定することも可能となり、さらに留め具を固定具にて固定する事で、留め具に外力を受けて不本意にベルトが緩むことも防止できる。
実施の形態1における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す正面方向から見た斜視図である。 実施の形態1と比較例1とにおける衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。 実施の形態2における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。 実施の形態3における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。 実施の形態4における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。
以下、実施の形態では、例えば、一般にベルトの自由端が左前側にくるユーザが胴にベルトを装着した状態でかかるユーザに向かって正面から見えるバックルの状態を正面図として説明する。同様に、例えばユーザが胴にベルトを装着した状態で底面側から見えるバックルの状態を底面図として説明する。同様に、正面図が示す状態を裏返した状態を背面図として説明する。
また、以下に説明するバックルを構成する各部品の材料は、金属材、或いはFRPやエンジニアリングプラスチック材を用いると好適である。より望ましくは金属材が好適である。例えば、金属を用いる場合、鉄、ステンレス鋼、チタニウム、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、錫、マグネシウム或いはこれらの合金等が好適である。また、以下、金属材を用いる場合を想定して説明するが、プラスチック材などを用いる場合、「溶接」は「接着」と読み替えてもよい。同様に、プラスチック材などを用いる場合、「折り曲げて製作」は「折り曲げた形状になるように製作」と読み替えればよい。
また軸は、軸が本体に固定された場合には回転部材が軸の周りを回り、軸が回転部材に固定された場合には軸が本体の中で回転するものとする。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す正面方向から見た斜視図である。また軸が本体に固定された場合には回転部材が軸の周りを回り、軸が回転部材に固定された場合には軸が本体の中で回転するものとする。
図2は、実施の形態1と比較例1とにおける衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。図2(a)では実施の形態1における衣服ベルト用バックルの断面が示されている。図2(b)では衣服ベルト用バックルの図2(a)に対応する留め具の他端側をバックル本体に差し込み、かかる他端側のフック部分を差し込んだ先のバックル本体に引っ掛けることで留め具を固定する比較例1の断面が示されている。
図1及び図2(a)において、衣服ベルト用バックル100(以下、バックル100という。)は、背面板部10(10a,10b)、側面板部12a,12b、及び棒状部材14を有するバックル本体17と、軸20(第1の軸)とベルト留め具30、および軸21(第2の軸)と留め具固定具40とを備えている。背面板部10には、背面板部10a,10b間にスリット50(開口部)が形成されている。スリット50は、衣服ベルト62(以下、ベルト62という。)の幅よりも大きな幅で開口される。またスリット50は、ベルト62の長手方法に、例えば、25~40mmの長さで開口する。
側面板部12a,12bは、ベルト62の幅方向の背面板部10端に沿った、背面板部10の対向する2辺に連結する。図1の例では、側面板部12a(第1の側面板部)は、ベルト62の幅方向の背面板部10の上方端(図1では上面側)に連結する。側面板部12b(第2の側面板部)は、ベルト62の幅方向の背面板部10の下方端(図1では下面側)に連結する。側面板部12a,12bと背面板部10は、同一板材を折り曲げて製作しても良いが、鋳造などにより製造することもできる。
或いは、それぞれ別体として製作し、溶接等で接続してもよい。側面板部12a,12b間にはベルト62を通すので、側面板部12a,12b間の隙間がベルト62の幅より若干大きいサイズになるように形成される。例えば、側面板部12a,12b間の隙間がベルト62の幅より約1mm大きいサイズになるように形成されると好適である。
また、側面板部12a,12b間には、軸20が配置される。軸20は、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に側面板部12a,12bに支持される。そのため、側面板部12a,12bには、ベルト62の長手方向にスリット13a,13bが形成される。スリット13a,13bの幅は、軸20の直径よりも若干大きい程度に形成されると良い。例えば、軸20の直径が2~4mm程度が望ましい。そして、スリット13a,13bの幅は、かかる軸20の直径に0.1mm程度加算したサイズにすると好適である。
側面板部12a,12bの一方の端部(図1の例では左端部)には、棒状部材14が側面板部12a,12bの一方から他方側に延びるように配置される。棒状部材14は、側面板部12a,12b間を繋いでも良いし、側面板部12aから側面板部12bに向けた途中まで突き出す形状でも良いし、逆に側面板部12bから側面板部12aに向けた途中まで突き出す形状でも良いし、側面板部12aから側面板部12bに向けた途中まで突き出すと共に側面板部12bから側面板部12aに向けた途中まで突き出すといった複数の突起形状でも良い。図1及び図2(a)の例では、棒状部材14は、側面板部12aから側面板部12bに向けた途中まで突き出すと共に側面板部12bから側面板部12aに向けた途中まで突き出すといった複数の突起形状が示されている。棒状部材14は、背面板部10の板面と隙間を空けて配置される。棒状部材14は、側面板部12a,12bと溶接等で接続されても良いが、鋳造などにより一体で製造してもよい。棒状部材14は、背面板部10の板面と隙間を空けて、スリット50から離れた位置で側面板部12a,12bの一方から他方側に延びる。
また、軸20を支点に回転可能にベルト留め具30(第1の回転部材)が軸20に支持される。ベルト留め具30は、側面板部12a,12b間で軸20に支持される。また、ベルト留め具30は、ベルト留め具30を棒状部材14側に回転させる場合に、背面板部10側(背面側)に凸となる凸部34(第1の凸部)を有するように形成される。ベルト留め具30は、凸部34を背面板部10のスリット50に向けて回転させた状態で軸20を棒状部材14側にスライドさせることによって、軸20に支持された側とは反対側の自己の開放端部32が棒状部材14と背面板部10(10a)との間に配置可能に構成される。
また、軸21は、側面板部12a,12b間に配置される。軸21は、側面板部12a,12bに支持される。軸21は、軸20とは異なりスライドはしない。図2(a)の例では、軸21は、スリット50に対して棒状部材14とは反対側の位置で側面板部12a,12bに支持される。軸21の直径は、例えば、2~4mm程度が望ましい。
また、軸21を支点に回転可能に留め具固定具40(第2の回転部材)が軸21に支持される。留め具固定具40は、側面板部12a,12b間で軸21に支持される。また、留め具固定具40は正面棒状部材14側に回転させる場合に、背面板部10側(背面側)に凸となる凸部42(第2の凸部)を有するように形成される。留め具固定具40は、凸部42を背面板部10のスリット50に向けて押し込むように回転させた状態で、ベルト留め具30の棒状部材14側とは反対方向への移動を凸部42により阻害可能に構成される。
図1及び図2(a)に示すように、ベルト62がバックル本体17内を通るように、ベルト62の一端60bをスリット50に対して棒状部材14側の背面板部10aに組ネジ11で固定し、ベルト62の他端部60aを棒状部材14と背面板部10との間から差し込み、背面板部10の上を抜けてバックル本体17内を通過させることによりバックル本体17内でベルト62を2重(背面側ベルト部分60b,正面側ベルト部分60a)に重なり合わせる。ただし組ネジ11はリベットなど他の固定方法に替えても構わない。
かかる段階でベルトの長さをユーザの胴囲に合うように調整する。そして、ベルト62が2重に重なった状態で、ベルト留め具30を倒しスリット50に向かって凸部34を押し込んだ後、軸20を側面板部12(ここでは断面なので側面板部12a)のスリット13(ここでは断面なのでスリット13aを示す)内で一旦棒状部材14側とは反対方向にスライドさせた後、開放端部34を棒状部材14より下に押し込み、凸部34によりベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出したまま、次に棒状部材14側に軸20を側面板部12(ここでは断面なので側面板部12a)のスリット13(ここでは断面なのでスリット13aを示す)内でスライドさせる。言い換えれば、ベルト留め具30の回転によって凸部34により2重になったベルト62をスリット50から押し出すように屈曲させた状態で、軸20を棒状部材14側にスライドさせることによって、ベルト留め具30の開放端部32を棒状部材14とベルト62との間に移動させる。さらに言い換えれば、ベルト留め具30は、一対の側面板部12a,12bと垂直をなす軸20回りに起倒可能に配置される。ベルト留め具30は、倒した時に重ね合わせたベルト62を背面板部10aと10bとの間に形成されるスリット50に向かって例えば3mm~10mm凸になるように凸部34を構成し、棒状部材14側に軸20をスライドさせることによってベルト留め具30の開放端部32を棒状部材14と背面板部10aとの間に移動させる。つまり、ベルト留め具30の開放端部32を棒状部材14とベルト60aとの間に配置可能に移動させる。
次に、ベルト62の表面にベルト留め具30の凸部34とベルト留め具30の開放端部32とを密着させた状態で、留め具固定具40の凸部42が軸20のスライドに伴うベルト留め具30の軸側端部の移動経路上に位置するまで留め具固定具40を回転させた状態で、留め具固定具40の回転に抵抗する力を作用させ、ベルト留め具30の棒状部材14側とは反対方向への移動を拘束することによってベルト62を固定する。図1及び図2(a)の例では、留め具固定具40の凸部42を、軸20のスライドに伴うベルト留め具30の軸側端部に当接させながら、さらに押し込むように留め具固定具40を回転させることによって、弾性変形で固定(係合)され、留め具固定具40の逆側への回転に抵抗する力を作用させる。これにより、ベルト留め具30の棒状部材14側とは反対方向への移動を拘束することによってベルト62を固定する。言い換えれば、軸21に回転可能に支持された留め具固定具40をベルト留め具の上に被せるように回転させて、留め具の脇に弾性体で形成されたベルト留め具固定具40の凸部42を差し込み凸部42をベルト留め具の軸側端部に押し込み係合させる。
ここで、図1及び図2(a)の例では、留め具固定具40は、軸21とは反対側の端部とベルト60aとの間にユーザの指が入る程度の隙間を設けて、バックル本体17を覆うように蓋をする。これにより、回転可能な留め具でベルトを固定する方式のバックルにおいても独特の外観を持つ留め具の上から蓋を被せる事で、ビジネス用の衣装や式典用の正装にも似合う外観とする事や逆に全く独創的な外観のデザインとする事もできる。図1及び図2(a)の例では、中央付近に窓部を設けたり、側面板部12a,12bの内側部分を大部分覆っているが、これに限るものではない。例えば側面板部12a,12bを含めて覆うように構成しても構わない。また、図1及び図2(a)の例では、スライドしない軸21を支点に回転する留め具固定具40で蓋をすることで、覆う位置を固定できる。
また、ベルト62を外す際には、以下のように動作する。留め具固定具40を逆側に回転させて、ベルト留め具30の棒状部材14側とは反対方向への移動の拘束を解除する。そして、軸20を棒状部材14とは反対側にスライドさせることによって、ベルト留め具30の開放端部32を棒状部材14とベルト62との間から抜き出し、凸部34により2重になったベルト62をスリット50から押し出す方向とは逆方向にベルト留め具30を回転させることによって、ベルト62の固定を解除する。言い換えれば、この留め具固定具40の凸部42をベルト留め具30から外す際には留め具固定具40の軸21とは反対側の端部とベルト60aとの間に指を差込み引き起こすように操作する。
一方、図2(b)に示す比較例1では、以下のようにベルトを固定する。図2(b)に示すように、ベルト362がバックル300内を通るように、ベルト362の一端を背面板部310aに組ネジ311で固定し、ベルト362の他端を正面棒状部材314と背面板部310aとの間から差し込み、正面棒状部材316と背面板部310bとの間を抜けてバックル300内を通過させることによりバックル300内でベルト362を(背面側ベルト部分360b、正面側ベルト部分360a)重なり合わせる。かかる段階でベルトの長さをユーザの胴囲に合うように調整する。そして、ベルト362が2重に重なった状態で、ベルト留め具330を正面棒状部材316側に一旦寄せた後に、凸部334によりベルト362の2重に重なった部分をスリット350から外側に押し出しながら、ベルト留め具330の開放端部332を正面棒状部材314よりも背面側に押し下げた後に、正面棒状部材314側に軸320をスライドさせる。正面棒状部材314側に軸320を側面板部312(ここでは断面なので側面板部312aを示す)のスリット313(ここでは断面なのでスリット313aを示す)内でスライドさせることによってベルト留め具330の開放端部332を正面棒状部材314と背面板部310との間を通して正面棒状部材314の端部まで移動させる。実際には、ベルト留め具330の開放端部332を正面棒状部材314とベルト360aとの間に差し込む。その際、ベルト留め具330の開放端部332に形成された上向き(正面側向き)に爪が延びるフック336が正面棒状部材314と背面板部310aとの間を貫通するまで軸320をスライドさせる。フック336が正面棒状部材314に引っ掛かることで、軸320が正面棒状部材316側へとスライドできないように軸320を拘束する。これにより、ベルト留め具330が正面棒状部材316側へとスライドできないように拘束されることになる。これにより、ベルト留め具330の開放端部332が正面棒状部材314とベルト360aとの間から抜けることを防止できる。ベルト留め具330の開放端部332が正面棒状部材314とベルト360aとの間から抜けなければ、凸部334によって、ベルト362の2重に重なった部分をスリット350から外側に押し出した状態が維持されるので、押圧により発生する摩擦力でベルト362を固定できる。以上のようにして、比較例におけるバックル300では、ベルト362が固定される。
比較例1では、フック336を正面棒状部材314とベルト360aとの間を通過させる必要があるので、正面棒状部材314とベルト360aとの間の隙間h2をベルト留め具330の開放端部332の厚さにフック336の張り出し高さを加算した分まで広げる必要がある。これに対して、実施の形態1では、留め具固定具40によりベルト留め具30が拘束されるため、比較例1に示したフック336が不要である。よって、実施の形態1では、正面棒状部材14とベルト60aとの間の隙間h1をベルト留め具30の開放端部32の厚さがスムーズに差込める程度に確保されれば良い。すなわち、実施の形態1の隙間h1では、比較例1の隙間h2よりも小さくできる。その結果、実施の形態1では、バックル100の厚さH1を比較例1のバックル300の厚さH2よりも薄くでき、更により広い面積でベルト留め具30を密着させることで発生する摩擦力により強力にベルトを固定できる。
また、比較例1では、正面棒状部材の強度等を考慮するとフック336が正面棒状部材314とベルト360aとの間を抜けるまで軸320を、例えば5mm以上スライドさせる必要があるので、側面板部312(ここでは断面なので側面板部312aを示す)のスリット313(ここでは断面なのでスリット313aを示す)の開口長さがフック336の分以上に多く必要となる。これに対して、実施の形態1では、正面棒状部材14とベルト60aとの間にベルト留め具30の開放端部32を例えば3mm以上差し込めばよく、正面棒状部材14とベルト60aとの間を抜けるまで例えば5mm以上移動させる必要はない。よって、側面板部12(ここでは断面なので側面板部12aを示す)のスリット13(ここでは断面なのでスリット13aを示す)のスライド方向の開口長さを比較例1よりも例えば2mm短くできる。例えば、ベルト留め具30の開放端部32を3mmくらいでも差し込む分の長さが正面棒状部材14とベルト60aとの間に開口されていればよい。これによりスリット13の長手方向のサイズを小さくできるので、正面棒状部材14,16の端部間の距離によって定まるバックル本体の長さもまた小さくなる。
以上のように実施の形態1によれば、より強力にベルトを固定することが可能な上に、ベルト留め具に外力を受けて不本意にベルトが緩むことがないバックルを提供する。
以上のように、実施の形態1におけるバックル100は、胴に巻付けて使用する例えば洋装用のベルトのバックルであり、締結位置を無段階に調節するため摩擦力を利用している。特に、使用時にベルト62の受ける張力(設計最大荷重)により、ベルト62の先端部がバックル100より引き抜かれないために、ベルト62の先端部と基端部を重ね合わせたうえで、倒し込んだベルト留め具30の凸部34によりスリット状の空隙(スリット50)の中に押し込み、あえて人体側に向かって凸となるよう屈曲させることにより使用時に発生する摩擦力が効果的にベルト62を固定するように設計している。かかるベルト留め具30の凸部34の高さは、低すぎるとベルト62があまり屈曲せず十分な摩擦力を発生させられないが、高すぎると操作が困難になる。そのため、ベルト留め具30の開放端部32の面(背面側の面)から3mm~15mmの範囲とすると好適であり、さらに好ましくは3mm~10mmの範囲にすると良い。また、ベルト62を屈曲させる場合には、厚いベルト、剛性が高いベルトの場合にはあまり下(背面側)まで押し込む必要が無く、逆に、薄いベルト、剛性が低いベルトの場合には下(背面側)まで押し込む必要がある。よって、より望ましくは、ベルト留め具30の凸部34の高さは、上述した範囲で、使用するベルトの厚さや剛性に応じて設計すると良い。ベルト留め具30の凸部34の高さをかかる範囲に設定すると、ベルト62を二重にした上で曲げて同時に張力の方向も曲げることで、背面板部10aの端部を面取りして形成された主に摩擦力を発生させる面側に向かって張力によりベルト60bにベルト60aが押し付けられる。その結果、ベルト60bとベルト60aの間に摩擦力が発生することで張力と比例して増加する摩擦力により効果的にベルトが滑り出すことを止めることができる。
また、実施の形態1では、あえて人体側に向かって凸となるようにベルトを屈曲させて、バックル100が人体から引き離される方向の外力を受けた時にも、摩擦面がベルト62の受ける張力の方向と平行にならずベルト62の先端部が滑り出さない。つまり、このような人体から引き離される方向の外力を受けた時に、外力によりベルト62が形成させられる2次曲線形状とは逆向きの2次曲線の形状を、バックル100によってベルトに強制できる。そのために、実施の形態1では、あえてバックル100により人体に向かって凸となるようにベルト62を屈曲させている。さらに、このように人体に向かって屈曲させることにより、張力に比例して摩擦力も強化させることができるので、より強力にベルトを固定できる。
以上のようにして、実施の形態1におけるバックル100では、ベルト留め具固定具40によりベルト留め具30の移動を阻止しベルト留め具30の外れを防止できるので、比較例1に示したバックルよりもベルトに広い面積で摩擦を発生させる事で、より強い摩擦力でベルトを固定することも可能となり、さらにベルト留め具を留め具固定具により不本意に外れないように固定するため、より確実にベルトを固定できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、留め具固定具40の凸部42を、軸20のスライドに伴うベルト留め具30の軸側端部に当接させながら、さらに押し込むように留め具固定具40を回転させることによって、留め具固定具40の逆側への回転に抵抗する力を作用させる構成について説明した。しかし、留め具固定具40の逆側への回転に抵抗する力を作用させる構成はこれに限るものではない。
図3は、実施の形態2における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。実施の形態1における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す正面方向から見た斜視図は、棒状部材14を除いて図1とほぼ同様である。図3(a)では、留め具固定具40側に永久磁石を配置する場合を示す。図3(b)では、棒状部材14側に永久磁石を配置する場合を示す。図3(a)に示すように、棒状部材14の全部或いは一部を強磁性体の材料とする。そして、留め具固定具40の蓋部分の先端部、具体的には、棒状部材14と当接する部分に永久磁石を配置する。そして、棒状部材14の強磁性体と留め具固定具40の蓋部分の永久磁石との間での吸引力により、留め具固定具40とバックル本体17(棒状部材14)とがくっ付くことで留め具固定具40の回転に抵抗する力を作用させる。よって、図3(a)の例では、図2(a)に示したように、留め具固定具40の凸部42を、ベルト留め具30の軸側端部に当接させなくても良い。なお、当接させても構わない。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
或いは、図3(b)に示すように、留め具固定具40の蓋部分の先端部或いは全部を強磁性体の材料とする。そして、棒状部材14上に永久磁石を配置する。そして、棒状部材14の強磁性体と留め具固定具40の蓋部分の永久磁石との間での吸引力により、留め具固定具40とバックル本体17(棒状部材14)とがくっ付くことで留め具固定具40の回転に抵抗する力を作用させる。よって、図3(a)の例では、図2(a)に示したように、留め具固定具40の凸部42を、ベルト留め具30の軸側端部に当接させなくても良い。なお、当接させても構わない。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
実施の形態3.
図4は、実施の形態3における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。実施の形態1における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す正面方向から見た斜視図は、軸21の位置を除いて図1とほぼ同様である。図4の例では、軸21を棒状部材14として兼用する。
図1及び図4において、衣服ベルト用バックル100(以下、バックル100という。)は、背面板部10(10a,10b)、及び側面板部12a,12bを有するバックル本体17と、軸20(第1の軸)とベルト留め具30、および軸21(第2の軸)と留め具固定具40とを備えている。背面板部10には、背面板部10a,10b間にスリット50(開口部)が形成されている。スリット50は、衣服ベルト62(以下、ベルト62という。)の幅よりも大きな幅で開口される。
側面板部12a,12bは、ベルト62の幅方向の背面板部10端に沿った、背面板部10の対向する2辺に連結する。また、側面板部12a,12b間には、軸20が配置される。軸20は、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に側面板部12a,12bに支持される。
実施の形態3では、軸21が、側面板部12a,12b間に配置され、背面板部10の板面と隙間を空けて、スリット50から離れた位置で側面板部12a,12bに支持される。軸21は、スリット50とオーバーラップしない位置で支持される。ここでは、例えば、軸21は回転可能に支持される。なお、軸21は、軸20と異なりスライドしない。
また、軸20を支点に回転可能にベルト留め具30(第1の回転部材)が軸20に支持される。ベルト留め具30は、側面板部12a,12b間で軸20に支持される。また、ベルト留め具30は、ベルト留め具30を軸21側に回転させる場合に、背面板部10側(背面側)に凸となる凸部34(第1の凸部)を有するように形成される。ベルト留め具30は、凸部34を背面板部10のスリット50に向けて回転させた状態で軸20を軸21側にスライドさせることによって、軸20に支持された側とは反対側の自己の開放端部32が軸21と背面板部10(10a)との間に配置可能に構成される。
また、軸21を支点に回転可能に留め具固定具40(第2の回転部材)が軸21に支持される。図4の例では、図2(a)と、留め具固定具40の回転軸の位置が逆になる。留め具固定具40は、側面板部12a,12b間で軸21に支持される。また、留め具固定具40は正面軸20側に回転させる場合に、背面板部10側(背面側)に凸となる凸部42(第2の凸部)を有するように形成される。留め具固定具40は、凸部42を背面板部10のスリット50に向けて押し込むように回転させた状態で、ベルト留め具30の軸21側とは反対方向への移動を凸部42により阻害可能に構成される。
図1及び図4に示すように、ベルト62がバックル本体17内を通るように、ベルト62の一端60bをスリット50に対して軸21側の背面板部10aに組ネジ11で固定し、ベルト62の他端部60aを軸21と背面板部10との間から差し込み、背面板部10の上を抜けてバックル本体17内を通過させることによりバックル本体17内でベルト62を2重(背面側ベルト部分60b,正面側ベルト部分60a)に重なり合わせる。ただし組ネジ11はリベットなど他の固定方法に替えても構わない。
かかる段階でベルトの長さをユーザの胴囲に合うように調整する。そして、ベルト62が2重に重なった状態で、ベルト留め具30を倒しスリット50に向かって凸部34を押し込んだ後、軸20を側面板部12(ここでは断面なので側面板部12a)のスリット13(ここでは断面なのでスリット13aを示す)内で一旦軸21側とは反対方向にスライドさせた後、さらに開放端部34を軸21より下に押し込み、凸部34によりベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出したまま、次に軸21側に軸20を側面板部12(ここでは断面なので側面板部12a)のスリット13(ここでは断面なのでスリット13aを示す)内でスライドさせる。言い換えれば、ベルト留め具30の回転によって凸部34により2重になったベルト62をスリット50から押し出すように屈曲させた状態で、軸20を軸21側にスライドさせることによって、ベルト留め具30の開放端部32を軸21とベルト62との間に移動させる。さらに言い換えれば、ベルト留め具30は、一対の側面板部12a,12bと垂直をなす軸20回りに起倒可能に配置される。ベルト留め具30は、倒した時に重ね合わせたベルト62を背面板部10aと10bとの間に形成されるスリット50に向かって例えば3mm~10mm凸になるように凸部34を構成し、軸21側に軸20をスライドさせることによってベルト留め具30の開放端部32を軸21と背面板部10aとの間に移動させる。つまり、ベルト留め具30の開放端部32を軸21とベルト60aとの間に配置可能に移動させる。
次に、ベルト62の表面にベルト留め具30の凸部34とベルト留め具30の開放端部32とを密着させた状態で、留め具固定具40の凸部42が軸20のスライドに伴うベルト留め具30の軸側端部の移動経路上に位置するまで留め具固定具40を回転させた状態で、留め具固定具40の回転に抵抗する力を作用させ、ベルト留め具30の軸21側とは反対方向への移動を拘束することによってベルト62を固定する。図1及び図4の例では、留め具固定具40の凸部42を、軸20のスライドに伴うベルト留め具30の軸側端部に当接させながら、さらに押し込むように留め具固定具40を回転させることによって、留め具固定具40の逆側への回転に抵抗する力を作用させる。これにより、ベルト留め具30の軸21側とは反対方向への移動を拘束することによってベルト62を固定する。言い換えれば、軸21に回転可能に支持された留め具固定具40をベルト留め具の上に被せるように回転させて、留め具の脇に弾性体で形成されたベルト留め具固定具40の凸部42を差し込み凸部42をベルト留め具の軸側端部に係合させる。
図4の例においても、留め具固定具40は、軸21とは反対側の端部とベルト60aとの間にユーザの指が入る程度の隙間を設けて、バックル本体17を覆うように蓋をする。これにより、回転可能な留め具でベルトを固定する方式のバックルにおいても独特の外観を持つ留め具の上から蓋を被せる事で、ビジネス用の衣装や式典用の正装にも似合う外観とする事や逆に全く独創的な外観のデザインとする事もできる。
また、ベルト62を外す際には、以下のように動作する。留め具固定具40を逆側に回転させて、ベルト留め具30の軸21側とは反対方向への移動の拘束を解除する。そして、軸20を軸21とは反対側にスライドさせることによって、ベルト留め具30の開放端部32を軸21とベルト62との間から抜き出し、凸部34により2重になったベルト62をスリット50から押し出す方向とは逆方向にベルト留め具30を回転させることによって、ベルト62の固定を解除する。言い換えれば、この留め具固定具40の凸部42をベルト留め具30から外す際には留め具固定具40の背面側の開口部から指を差込み引き起こすように操作する。かかる場合、実施の形態3では、図2(a)の例とは、留め具固定具40の回転軸の位置が反対になる。
実施の形態4.
図5は、実施の形態4における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。実施の形態1における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す正面方向から見た斜視図は軸21の位置を除いて図1とほぼ同様である。図5の例では、軸21の位置が棒状部材14よりも外側になる場合を示している。よって、図5の例では、図2(a)と、留め具固定具40の回転軸の位置が逆になる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての衣服ベルト用バックルは、本発明の範囲に包含される。
10 背面板部
11 組ネジ
12 側面板部
13 スリット
14 棒状部材
17 バックル本体
20,21 軸
30 ベルト留め具
32 開放端部
34 凸部
40 留め具固定具
42 凸部
50 スリット
60 ベルト部分
62 ベルト
100 バックル
300 バックル
310 背面板部
311 組ネジ
312 側面板部
313 スリット
314,316 正面棒状部材
320 軸
330 ベルト留め具
332 開放端部
334 凸部
336 フック
350 スリット
360 ベルト部分
362 ベルト

Claims (5)

  1. 開口部が形成された背面板部と、前記背面板部の対向する2辺に連結する第1と第2の側面板部と、前記背面板部の板面と隙間を空けて、前記開口部から離れた位置で前記第1と第2の側面板部の一方から他方側に延びる棒状部材とを有する本体と、
    前記第1と第2の側面板部間に配置され、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に前記第1と第2の側面板部に支持される第1の軸と、
    前記第1の軸を支点に回転可能に前記第1の軸に支持され、第1の凸部を有するように形成され、前記第1の凸部を前記背面板部の前記開口部に向けて回転させた状態で前記第1の軸を前記棒状部材側にスライドさせることによって、前記第1の軸に支持された側とは反対側の自己の開放端部が前記棒状部材と前記背面板部との間に配置可能な第1の回転部材と、
    前記第1と第2の側面板部間に配置され、前記第1と第2の側面板部に支持される第2の軸と、
    前記第2の軸を支点に回転可能に前記第2の軸に支持され、第2の凸部を有するように形成され、前記第2の凸部を背面板部の開口部に向けて押し込むように回転させた状態で、前記第1の回転部材の前記棒状部材側とは反対方向への移動を前記第2の凸部により阻害可能な第2の回転部材と、
    を備え、
    前記開口部を跨ぐようにして衣服ベルトの端部が前記棒状部材側の背面板部に固定され、2重に重なった状態で前記本体内を通過させるように配置し、
    前記第1の回転部材の回転によって前記第1の凸部により2重になった前記衣服ベルトを前記開口部から押し出すように屈曲させた状態で、前記第1の軸を前記棒状部材側にスライドさせることによって、前記第1の回転部材の前記開放端部を前記棒状部材と前記衣服ベルトとの間に移動させ、前記衣服ベルトの表面に前記第1の凸部と前記第1の回転部材の開放端部とを密着させた状態で、前記第2の回転部材の前記第2の凸部が前記第1の軸のスライドに伴う前記第1の回転部材の軸側端部の移動経路上に位置するまで前記第2の回転部材を回転させた状態で、前記第2の回転部材の回転に抵抗する力を作用させ、前記第1の回転部材の前記棒状部材側とは反対方向への移動を拘束することによって前記衣服ベルトを固定し、
    前記第2の回転部材を前記逆側に回転させて、前記第1の回転部材の前記棒状部材側とは反対方向への移動の拘束を解除し、前記第1の軸を前記棒状部材とは反対側にスライドさせることによって、前記第1の回転部材の前記開放端部を前記棒状部材と前記衣服ベルトとの間から抜き出し、前記第1の凸部により前記2重になった前記衣服ベルトを前記開口部から押し出す方向とは逆方向に前記第1の回転部材を回転させることによって、前記衣服ベルトの固定を解除することを特徴とする衣服ベルト用バックル。
  2. 開口部が形成された背面板部と、前記背面板部の対向する2辺に連結する第1と第2の側面板部と、を有する本体と、
    前記第1と第2の側面板部間に配置され、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に前記第1と第2の側面板部に支持される第1の軸と、
    前記第1と第2の側面板部間に配置され、前記背面板部の板面と隙間を空けて、前記開口部から離れた位置で前記第1と第2の側面板部に支持される第2の軸と、
    前記第1の軸を支点に回転可能に前記第1の軸に支持され、第1の凸部を有するように形成され、前記第1の凸部を前記背面板部の前記開口部に向けて回転させた状態で前記第1の軸を前記第2の軸側にスライドさせることによって、前記第1の軸に支持された側とは反対側の自己の開放端部が前記第2の軸と前記背面板部との間に配置可能な第1の回転部材と、
    前記第2の軸を支点に回転可能に前記第2の軸に支持され、第2の凸部を有するように形成され、前記第2の凸部を背面板部の開口部に向けて押し込むように回転させた状態で、前記第1の回転部材の前記第2の軸側とは反対方向への移動を前記第2の凸部により阻害可能な第2の回転部材と、
    を備え、
    前記開口部を跨ぐようにして衣服ベルトの端部が前記第2の軸側の背面板部に固定され、2重に重なった状態で前記本体内を通過させるように配置し、
    前記第1の回転部材の回転によって前記第1の凸部により2重になった前記衣服ベルトを前記開口部から押し出すように屈曲させた状態で、前記第1の軸を前記第2の軸側にスライドさせることによって、前記第1の回転部材の前記開放端部を前記第2の軸と前記衣服ベルトとの間に移動させ、前記衣服ベルトの表面に前記第1の凸部と前記第1の回転部材の開放端部とを密着させた状態で、前記第2の回転部材の前記第2の凸部が前記第1の軸のスライドに伴う前記第1の回転部材の軸側端部の移動経路上に位置するまで前記第2の回転部材を回転させた状態で、前記第2の回転部材の回転に抵抗する力を作用させ、前記第1の回転部材の前記第2の軸側とは反対方向への移動を拘束することによって前記衣服ベルトを固定し、
    前記第2の回転部材を前記逆側に回転させて、前記第1の回転部材の前記第2の軸側とは反対方向への移動の拘束を解除し、前記第1の軸を前記第2の軸とは反対側にスライドさせることによって、前記第1の回転部材の前記開放端部を前記第2の軸と前記衣服ベルトとの間から抜き出し、前記第1の凸部により前記2重になった前記衣服ベルトを前記開口部から押し出す方向とは逆方向に前記第1の回転部材を回転させることによって、前記衣服ベルトの固定を解除することを特徴とする衣服ベルト用バックル。
  3. 前記第2の回転部材の前記第2の凸部を、前記第1の軸のスライドに伴う前記第1の回転部材の軸側端部に当接させながら、さらに押し込むように前記第2の回転部材を回転させることによって、前記第2の回転部材の逆側への回転に抵抗する力を作用させ、前記第1の回転部材の前記棒状部材側とは反対方向への移動を拘束することによって前記衣服ベルトを固定することを特徴とする請求項記載の衣服ベルト用バックル。
  4. 前記棒状部材は強磁性体を有し、前記第2の回転部材には永久磁石が配置され、前記棒状部材の前記強磁性体と前記永久磁石との間での吸引力により前記第2の回転部材と前記本体とがくっ付くことで前記第2の回転部材の回転に抵抗する力を作用させることを特徴とする請求項1記載の衣服ベルト用バックル。
  5. 前記第2の回転部材は強磁性体を有し、前記第棒状部材には永久磁石が配置され、前記第2の回転部材の前記強磁性体と前記永久磁石との間での吸引力により前記第2の回転部材と前記本体とがくっ付くことで前記第2の回転部材の回転に抵抗する力を作用させることを特徴とする請求項1記載の衣服ベルト用バックル。
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