JP2004275578A - 装身具用バンド及びそれを用いた装身具 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、バンド駒の取り外しによる長さ調整を行うことなく、バンド長さ調整を簡単かつ確実に行うことができるアジャスト構造を提供することを目的とする。
【解決手段】のこぎり歯状の係止面が複数形成されたスライダ2と、スライダ2を伸縮自在に移動可能とするための支持を行う下板7と、前記スライダの係止面2aと係合しスライダ2の伸長移動を止めて縮小移動のみを可能とする係止部材5と、開回動によりスライダの係止面2aとかみ合い縮小移動させるための刃先面20が形成された上蓋3を備えた構造とするようにしたことを特徴とする装身具用バンド。
【選択図】 図2
【解決手段】のこぎり歯状の係止面が複数形成されたスライダ2と、スライダ2を伸縮自在に移動可能とするための支持を行う下板7と、前記スライダの係止面2aと係合しスライダ2の伸長移動を止めて縮小移動のみを可能とする係止部材5と、開回動によりスライダの係止面2aとかみ合い縮小移動させるための刃先面20が形成された上蓋3を備えた構造とするようにしたことを特徴とする装身具用バンド。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計を含む装身具用バンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から腕時計などの装身具用バンドは、装着する身体の部位に合う長さに調整するため、特に次のことが要求される。
長さ調整の操作が容易であること。
時計等の装身具を装着する部位の太さ等に迅速かつ的確に調整できること。
衝撃等によって身体から不用意に外れないこと。
【0003】
上記の要求条件を満たすため今日では様々な長さ調整方式があるが、中留で長さ調整を行うものとしては、特開平7−289316号公報のダイバーバンド用バックルが挙げられる。
【0004】
上記ダイバーバンド用バックルは、使用者が潜水する際にウエットスーツの上から、中留の三つ折れを開き中留に収納されているスライダを十分引き伸ばした状態で腕を通し、三つ折れを折り畳んだ後スライダを押し込んで長さ調整を行うものである。
【0005】
一方のバンドに連結されるスライダを一端に伸縮自在に備えた下板と、該下板の他端に一端を2つ折れ軸で下板の上に折畳自在に連結された中板と、該中板の他端に一端を連結軸で中板の上に折畳自在に連結され、他端を他方のバンドに連結される上蓋と、上記下板の一端に取付軸で回動自在の取り付けられ、折畳状態の上蓋の上に回動させられて上蓋の開回動を阻止する安全蓋と、該安全蓋の開動で作動し、それまで下板に少なくとも伸長移動を止めて固定していたスライダの伸縮移動を自由にするラッチ機構とを具備したダイバーバンド用バックルにおいて、上記ラッチ機構を、スライダにその長さ方向に沿って複数形成された係止孔を係止するラッチ爪を有するとともに上記取付軸に回動自在に取り付けられ、上記安全蓋の開回動によって回動させられてラッチ爪を係止孔から外すラッチと、安全蓋によって回動させられた上記ラッチを逆方向に回動させてラッチ爪を係止孔に係止させるラッチばねとを備えた構成となっていた。
【0006】
この手段では、ラッチ機構の構成部品は、ラッチとラッチばねの2部品だけであるので、製作が容易である。また、スライダに形成される係止孔は、形状が単純であり加工が容易である。ラッチ爪によってスライダの伸長移動のみならず、縮小移動までも止める構成とすることができる。場合によっては、固定機構を持たないバックルにも適用することもできる。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−289316号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記ダイバーバンド用バックルに関わらず、一般的に複数の駒で構成されるバンドの長さ調整は、駒の取り外しによって行われるが、微調整を行うための駒は、通常駒と異なる形状をしているためコスト高となってしまう。もしくは駒の大きさによっては腕時計使用者のちょうどよい位置に微調整できない場合がある。
腕時計と装着する部位との間の隙間について、隙間のあった方がよい人から、隙間が無くきつめに装着したい人まで千差万別である。また、腕に直接装着するだけでなく時には袖の上から装着することがあるという人、季節別に夏はゆるく冬はきつめに装着したいという人もいるかもしれない。この点においてバンド長さ調整が手軽かつ簡単に行え、バンド長さの微調整が可能な構造のものが必要である。
【0009】
しかしながら、上記のダイバーバンド用バックルは、スライダを縮小移動時、軽い押込み力でもいくつかの係止孔を通過してしまうため微調整を行いにくいことがある。
【0010】
本発明は、バンド駒の取り外しによる長さ調整を行うことなく、バンド長さ調整を簡単かつ確実に行うことができるアジャスト構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明では、のこぎり歯状の係止面が複数形成されたスライダを伸縮自在に備えた下板と、スライダの伸長移動を止めて固定するための係止部材と、開回動によりスライダの係止面とかみ合い縮小移動させる上蓋と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明では、係止部材5とねじりコイルばね10bは共に取付軸Bで下板7へ取付けられる構造であり、スライダ2を伸長移動させる場合において、上面に穴を設けた上蓋より指などを入れ係止部材5の一端を押込むことで係止部材5の押圧面5aを持ち上げ、スライダ2の係止を解き伸長移動を可能にすることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、以下のような効果がある。
【0014】
上蓋に刃先面を形成しスライダを送る構造とすることによって駒の取り外しを行うことがなく長さ調節を簡単に行うことができ、さらに上蓋の刃先面でスライダ係止面を1つずつ送ることができるため、使用者が腕等に携帯する場合において、きつ過ぎずゆる過ぎず、適度な長さで確実調節できる。
スライダ上面の係止面は、間隔を小さくして形成することでさらに細かい微調整が可能である。
スライダの係止を解き伸長移動させる場合は、従来では安全蓋に爪や指を引っ掛けて持ち上げ、これを開回動させて押込むという動作が必要であったが、本発明では上蓋上面から指で係止部材を押込むだけで良い。
【0015】
また、前記装身具用バンドは、装身具として携帯時計に適用することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
【0017】
図1〜2は本発明に関わる装身具用アジャスト中留の外観図と断面図、図3(a)(b)はスライダの平面図と断面図、図4(a)〜(c)は係止部材の断面図・底面の斜視図・外観図、図5(a)(b)は下板の側面図と外観図、図6(a)は上蓋の側面図、図6(b)はねじりコイルばね1と上蓋内側の外観図、図7は係止部材と下板及びねじりコイルばね2の外観図、図8は弟2の実施形態を示す外観図、図9と図10は従来の実施形態を示す外観図、折り畳み状態の断面図を示す。
【0018】
図1に示すように、本実施例の装身具用アジャスト構造は、装身具用バンド1、スライダ2、上蓋3、係止部材5、下板7などから構成される。
【0019】
下板7に対するスライダ2の伸長移動を阻止する係止部は、係止部材5とねじりコイルばね10b、取付軸B9から構成される。図7のように係止部材5は、取付軸9によってねじりコイルばね10bと共に下板7に取り付けられ、ねじりコイルばね10bの弾性力により押圧部5aをスライダ上面にその長さ方向に沿って複数形成された係止面2aに押し当てて係止している。
【0020】
ねじりコイルばね10bの一端は下板7側面の小穴16を通過させ、もう一端は係止部材5の底面に形成された溝19へ入れる(図4b参照)。
【0021】
こうすることで係止部材5を開回動させて押圧部5aをスライダ2の係止面2aから上に浮かせることで係止を解き、開回動しない時にはねじりコイルばね10bの弾性力により押圧部5aがスライダ2の係止面2aに押しつけられて係止する。なお、スライダ2の係止面2aは、係止部材5の押圧部5aに対してスライダ2の伸長移動のみを阻止し、縮小移動は自由になるよう傾斜して設けられている。
【0022】
上蓋3は、ねじりコイルばね10aと共に下板7の取付軸4に取り付けられる(図6b参照)。ねじりコイルばね10aの両端は、それぞれ下板側面に形成された引っ掛け部17へ掛かり、上蓋3を開回動させるとねじりコイルばね10aへ弾性力が発生し、上蓋3を閉じる方向へ力が働く。
【0023】
上蓋3の先端は、軸を中心に開回動することでスライダ上面の係止面2aとかみ合うように刃先面20が設けられており、スライダを一段ずつ送り縮小移動させることでバンド長さ調整を行うことができる。また、上蓋3の上面は、上蓋を閉じた状態でも指などで係止部材5の一端を開回動させて押圧面5aを浮かせ、スライダ2の係止を解き伸長移動の操作ができるように穴が設けられている。
【0024】
腕時計用バンドとしては、通常身に付けている状態で短期間に腐食しないことが求められる。そのためバンド駒や中留の材質にはステンレス材、あるいは腐食しにくくかつ軽量化を求めるためチタン材を用いている。本発明の各部品についても、ステンレス材あるいはチタン材を用いることが望ましい。
【0025】
上記の構成とされた装身具用アジャスト構造の操作について説明する。スライダ2を下板7から引き出してバンドの長さを長くする場合は、上蓋上面の穴から係止部材5の先端を回動させると係止部材の押圧面5aが持ち上がり、スライダ係止面2aへの係止を解くので、スライダ2の伸長移動が自由になる。
【0026】
スライダ2を十分に引き出した後、腕などの部位を通し、スライダ2を押し込んで縮小移動させる、あるいは上蓋を複数回回動させることで上蓋先端の刃先面20がスライダ係止面2aを一段ずつ送り、希望の長さに調整する。この際、係止部材5の押圧面5aは、スライダ2を押し込むことで係止面2aの傾斜部分に沿って上に持ち上げられていきスライダ2の縮小移動を許す。
また、本構造を用いた装身具を身体に装着する場合は、上記のようにスライダ2を伸長移動させる、あるいは一般に用いられている三つ折れタイプの中留を併用もしくは一体化してこれを開いておく等の状態で、腕等を通した後中留を閉じ、スライダ2による長さ調整を行い、上蓋3を折り畳み状態にする。上蓋3を折り畳む際、下板側面の外側に形成された突起6が上蓋側面の内側に形成された孔18へ入り、上蓋3を折り畳み状態で固定し、装身具の装着を完了する。
以上のように、本実施例では装身具用の中留に対して、係止面2aを形成したスライダ2、スライダ2を送るための刃先面20を設けた上蓋3の構成にすることにより、使用者が簡単にバンド長さの微調整をすることができる。スライダ係止面の形状は、スライダ底面に対して垂直もしくは任意の角度で形成されてもよい。
【0027】
また、本実施例ではバンドとは別にスライダ2へ係止面を形成し引っ掛けているが、図8のようにスライダ2ではなくウレタンなどの材質を用いたバンドの上面に係止面2aを形成し、バンド自体をスライドさせて長さ調整をするという構造でもよい。
【0028】
ここで、上述のような装身具は腕時計や懐中時計等の携帯時計に用いることが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、以下のような効果がある。
蓋に刃先面を形成しスライダを送る構造とすることによって、駒の取り外しを行うことがなく長さ調節を簡単に行うことができ、さらに上蓋の刃先面でスライダ係止面を1つずつ送ることができるため、使用者が適度な長さをもって調節できる。
【0030】
スライダ上面の係止面は、間隔を小さくして形成することでさらに細かい微調整が可能である。
スライダの係止を解き伸長移動させる場合は、従来では安全蓋に爪や指を引っ掛けて持ち上げ、これを開回動させて押込むという動作が必要であったが、本発明では上蓋上面から指で係止部材を押込むだけで良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる装身具用アジャスト中留の実施の形態を示す外観図。
【図2】装身具用アジャスト中留の断面図。
【図3】(a)スライダの平面図、(b)スライダの断面図。
【図4】(a)係止部材の断面図、(b)係止部材の底面の斜視図、(c)係止部材の外観図。
【図5】(a)下板の側面図、(b)下板の外観図。
【図6】(a)上蓋の側面図、(b)上蓋内側とねじりコイルばね及び取付軸の構造を示す外観図。
【図7】係止部材とねじりコイルばね及び下板の構造を示す斜視図。
【図8】本発明に関わる弟2の実施形態を示す外観図。
【図9】従来のダイバーバンド用バックルの実施形態を示す外観図。
【図10】従来のダイバーバンド用バックルの折り畳み状態の断面図。
【符号の説明】
1,8 バンド
2 スライダ
2a 係止面
3 上蓋
4 取付軸A
5 係止部
5a 押圧部
6 クリック部
7 下板
9 取付軸B
10a ねじりコイルばね1
10b ねじりコイルばね2
11 安全蓋
12 係止孔
13 ラッチ爪
14 ラッチばね
15 連結軸
16 小穴
17 引っ掛け部
18 孔
19 溝
20 刃先面
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計を含む装身具用バンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から腕時計などの装身具用バンドは、装着する身体の部位に合う長さに調整するため、特に次のことが要求される。
長さ調整の操作が容易であること。
時計等の装身具を装着する部位の太さ等に迅速かつ的確に調整できること。
衝撃等によって身体から不用意に外れないこと。
【0003】
上記の要求条件を満たすため今日では様々な長さ調整方式があるが、中留で長さ調整を行うものとしては、特開平7−289316号公報のダイバーバンド用バックルが挙げられる。
【0004】
上記ダイバーバンド用バックルは、使用者が潜水する際にウエットスーツの上から、中留の三つ折れを開き中留に収納されているスライダを十分引き伸ばした状態で腕を通し、三つ折れを折り畳んだ後スライダを押し込んで長さ調整を行うものである。
【0005】
一方のバンドに連結されるスライダを一端に伸縮自在に備えた下板と、該下板の他端に一端を2つ折れ軸で下板の上に折畳自在に連結された中板と、該中板の他端に一端を連結軸で中板の上に折畳自在に連結され、他端を他方のバンドに連結される上蓋と、上記下板の一端に取付軸で回動自在の取り付けられ、折畳状態の上蓋の上に回動させられて上蓋の開回動を阻止する安全蓋と、該安全蓋の開動で作動し、それまで下板に少なくとも伸長移動を止めて固定していたスライダの伸縮移動を自由にするラッチ機構とを具備したダイバーバンド用バックルにおいて、上記ラッチ機構を、スライダにその長さ方向に沿って複数形成された係止孔を係止するラッチ爪を有するとともに上記取付軸に回動自在に取り付けられ、上記安全蓋の開回動によって回動させられてラッチ爪を係止孔から外すラッチと、安全蓋によって回動させられた上記ラッチを逆方向に回動させてラッチ爪を係止孔に係止させるラッチばねとを備えた構成となっていた。
【0006】
この手段では、ラッチ機構の構成部品は、ラッチとラッチばねの2部品だけであるので、製作が容易である。また、スライダに形成される係止孔は、形状が単純であり加工が容易である。ラッチ爪によってスライダの伸長移動のみならず、縮小移動までも止める構成とすることができる。場合によっては、固定機構を持たないバックルにも適用することもできる。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−289316号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記ダイバーバンド用バックルに関わらず、一般的に複数の駒で構成されるバンドの長さ調整は、駒の取り外しによって行われるが、微調整を行うための駒は、通常駒と異なる形状をしているためコスト高となってしまう。もしくは駒の大きさによっては腕時計使用者のちょうどよい位置に微調整できない場合がある。
腕時計と装着する部位との間の隙間について、隙間のあった方がよい人から、隙間が無くきつめに装着したい人まで千差万別である。また、腕に直接装着するだけでなく時には袖の上から装着することがあるという人、季節別に夏はゆるく冬はきつめに装着したいという人もいるかもしれない。この点においてバンド長さ調整が手軽かつ簡単に行え、バンド長さの微調整が可能な構造のものが必要である。
【0009】
しかしながら、上記のダイバーバンド用バックルは、スライダを縮小移動時、軽い押込み力でもいくつかの係止孔を通過してしまうため微調整を行いにくいことがある。
【0010】
本発明は、バンド駒の取り外しによる長さ調整を行うことなく、バンド長さ調整を簡単かつ確実に行うことができるアジャスト構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明では、のこぎり歯状の係止面が複数形成されたスライダを伸縮自在に備えた下板と、スライダの伸長移動を止めて固定するための係止部材と、開回動によりスライダの係止面とかみ合い縮小移動させる上蓋と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明では、係止部材5とねじりコイルばね10bは共に取付軸Bで下板7へ取付けられる構造であり、スライダ2を伸長移動させる場合において、上面に穴を設けた上蓋より指などを入れ係止部材5の一端を押込むことで係止部材5の押圧面5aを持ち上げ、スライダ2の係止を解き伸長移動を可能にすることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、以下のような効果がある。
【0014】
上蓋に刃先面を形成しスライダを送る構造とすることによって駒の取り外しを行うことがなく長さ調節を簡単に行うことができ、さらに上蓋の刃先面でスライダ係止面を1つずつ送ることができるため、使用者が腕等に携帯する場合において、きつ過ぎずゆる過ぎず、適度な長さで確実調節できる。
スライダ上面の係止面は、間隔を小さくして形成することでさらに細かい微調整が可能である。
スライダの係止を解き伸長移動させる場合は、従来では安全蓋に爪や指を引っ掛けて持ち上げ、これを開回動させて押込むという動作が必要であったが、本発明では上蓋上面から指で係止部材を押込むだけで良い。
【0015】
また、前記装身具用バンドは、装身具として携帯時計に適用することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
【0017】
図1〜2は本発明に関わる装身具用アジャスト中留の外観図と断面図、図3(a)(b)はスライダの平面図と断面図、図4(a)〜(c)は係止部材の断面図・底面の斜視図・外観図、図5(a)(b)は下板の側面図と外観図、図6(a)は上蓋の側面図、図6(b)はねじりコイルばね1と上蓋内側の外観図、図7は係止部材と下板及びねじりコイルばね2の外観図、図8は弟2の実施形態を示す外観図、図9と図10は従来の実施形態を示す外観図、折り畳み状態の断面図を示す。
【0018】
図1に示すように、本実施例の装身具用アジャスト構造は、装身具用バンド1、スライダ2、上蓋3、係止部材5、下板7などから構成される。
【0019】
下板7に対するスライダ2の伸長移動を阻止する係止部は、係止部材5とねじりコイルばね10b、取付軸B9から構成される。図7のように係止部材5は、取付軸9によってねじりコイルばね10bと共に下板7に取り付けられ、ねじりコイルばね10bの弾性力により押圧部5aをスライダ上面にその長さ方向に沿って複数形成された係止面2aに押し当てて係止している。
【0020】
ねじりコイルばね10bの一端は下板7側面の小穴16を通過させ、もう一端は係止部材5の底面に形成された溝19へ入れる(図4b参照)。
【0021】
こうすることで係止部材5を開回動させて押圧部5aをスライダ2の係止面2aから上に浮かせることで係止を解き、開回動しない時にはねじりコイルばね10bの弾性力により押圧部5aがスライダ2の係止面2aに押しつけられて係止する。なお、スライダ2の係止面2aは、係止部材5の押圧部5aに対してスライダ2の伸長移動のみを阻止し、縮小移動は自由になるよう傾斜して設けられている。
【0022】
上蓋3は、ねじりコイルばね10aと共に下板7の取付軸4に取り付けられる(図6b参照)。ねじりコイルばね10aの両端は、それぞれ下板側面に形成された引っ掛け部17へ掛かり、上蓋3を開回動させるとねじりコイルばね10aへ弾性力が発生し、上蓋3を閉じる方向へ力が働く。
【0023】
上蓋3の先端は、軸を中心に開回動することでスライダ上面の係止面2aとかみ合うように刃先面20が設けられており、スライダを一段ずつ送り縮小移動させることでバンド長さ調整を行うことができる。また、上蓋3の上面は、上蓋を閉じた状態でも指などで係止部材5の一端を開回動させて押圧面5aを浮かせ、スライダ2の係止を解き伸長移動の操作ができるように穴が設けられている。
【0024】
腕時計用バンドとしては、通常身に付けている状態で短期間に腐食しないことが求められる。そのためバンド駒や中留の材質にはステンレス材、あるいは腐食しにくくかつ軽量化を求めるためチタン材を用いている。本発明の各部品についても、ステンレス材あるいはチタン材を用いることが望ましい。
【0025】
上記の構成とされた装身具用アジャスト構造の操作について説明する。スライダ2を下板7から引き出してバンドの長さを長くする場合は、上蓋上面の穴から係止部材5の先端を回動させると係止部材の押圧面5aが持ち上がり、スライダ係止面2aへの係止を解くので、スライダ2の伸長移動が自由になる。
【0026】
スライダ2を十分に引き出した後、腕などの部位を通し、スライダ2を押し込んで縮小移動させる、あるいは上蓋を複数回回動させることで上蓋先端の刃先面20がスライダ係止面2aを一段ずつ送り、希望の長さに調整する。この際、係止部材5の押圧面5aは、スライダ2を押し込むことで係止面2aの傾斜部分に沿って上に持ち上げられていきスライダ2の縮小移動を許す。
また、本構造を用いた装身具を身体に装着する場合は、上記のようにスライダ2を伸長移動させる、あるいは一般に用いられている三つ折れタイプの中留を併用もしくは一体化してこれを開いておく等の状態で、腕等を通した後中留を閉じ、スライダ2による長さ調整を行い、上蓋3を折り畳み状態にする。上蓋3を折り畳む際、下板側面の外側に形成された突起6が上蓋側面の内側に形成された孔18へ入り、上蓋3を折り畳み状態で固定し、装身具の装着を完了する。
以上のように、本実施例では装身具用の中留に対して、係止面2aを形成したスライダ2、スライダ2を送るための刃先面20を設けた上蓋3の構成にすることにより、使用者が簡単にバンド長さの微調整をすることができる。スライダ係止面の形状は、スライダ底面に対して垂直もしくは任意の角度で形成されてもよい。
【0027】
また、本実施例ではバンドとは別にスライダ2へ係止面を形成し引っ掛けているが、図8のようにスライダ2ではなくウレタンなどの材質を用いたバンドの上面に係止面2aを形成し、バンド自体をスライドさせて長さ調整をするという構造でもよい。
【0028】
ここで、上述のような装身具は腕時計や懐中時計等の携帯時計に用いることが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、以下のような効果がある。
蓋に刃先面を形成しスライダを送る構造とすることによって、駒の取り外しを行うことがなく長さ調節を簡単に行うことができ、さらに上蓋の刃先面でスライダ係止面を1つずつ送ることができるため、使用者が適度な長さをもって調節できる。
【0030】
スライダ上面の係止面は、間隔を小さくして形成することでさらに細かい微調整が可能である。
スライダの係止を解き伸長移動させる場合は、従来では安全蓋に爪や指を引っ掛けて持ち上げ、これを開回動させて押込むという動作が必要であったが、本発明では上蓋上面から指で係止部材を押込むだけで良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる装身具用アジャスト中留の実施の形態を示す外観図。
【図2】装身具用アジャスト中留の断面図。
【図3】(a)スライダの平面図、(b)スライダの断面図。
【図4】(a)係止部材の断面図、(b)係止部材の底面の斜視図、(c)係止部材の外観図。
【図5】(a)下板の側面図、(b)下板の外観図。
【図6】(a)上蓋の側面図、(b)上蓋内側とねじりコイルばね及び取付軸の構造を示す外観図。
【図7】係止部材とねじりコイルばね及び下板の構造を示す斜視図。
【図8】本発明に関わる弟2の実施形態を示す外観図。
【図9】従来のダイバーバンド用バックルの実施形態を示す外観図。
【図10】従来のダイバーバンド用バックルの折り畳み状態の断面図。
【符号の説明】
1,8 バンド
2 スライダ
2a 係止面
3 上蓋
4 取付軸A
5 係止部
5a 押圧部
6 クリック部
7 下板
9 取付軸B
10a ねじりコイルばね1
10b ねじりコイルばね2
11 安全蓋
12 係止孔
13 ラッチ爪
14 ラッチばね
15 連結軸
16 小穴
17 引っ掛け部
18 孔
19 溝
20 刃先面
Claims (3)
- のこぎり歯状の係止面が複数形成されたスライダ2と、
スライダ2を伸縮自在に移動可能とするための支持を行う下板7と、
前記スライダの係止面2aと係合しスライダ2の伸長移動を止めて縮小移動のみを可能とする係止部材5と、
開回動によりスライダの係止面2aとかみ合い縮小移動させるための刃先面20が形成された上蓋3と、を備えたことを特徴とする装身具用バンド。 - 係止部材5とねじりコイルばね10bは共に取付軸Bで下板7へ取付けられる構造であり、スライダ2を伸長移動させる場合において、上面に穴を設けた上蓋より指などを入れ係止部材5の一端を押込むことで係止部材5の押圧面5aを持ち上げ、スライダ2の係止を解き伸長移動を可能にすることを特徴とする装身具用バンド。
- 請求項1または2において、前記装身具用バンドを用いたことを特徴とする装身具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003073597A JP2004275578A (ja) | 2003-03-18 | 2003-03-18 | 装身具用バンド及びそれを用いた装身具 |
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