JP2002543438A - 腕時計バンドのための交換具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば、衣服の色に合わせるためにバンドを容易に取り替えることができるように、信頼性と目障りのなさと操作の容易さといった要求を満たす交換具が望まれている。 【解決手段】 本発明の交換具によれば、バンドは腕時計の底部に形成された凹部に挿入されるバックルをその一端に含む。バンドを凹部内に固定するために、凹部を閉じるためのフラップが用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は腕時計製作法の分野に関し、より詳細には腕時計にバンドを固定する
ための交換具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

主として審美的な理由から、例えばある人の服装または装身具その他に釣り合
う色彩を用いることができるようにするために、腕時計バンドを交換可能にする
試みが長年にわたり行われて来た。腕時計バンドは皮革、金属あるいはプラスチ
ックですら作ることができるが、腕時計の現代的使用に応じて、腕時計バンドを
選べるようにするためにも、この要求は存在する。 この要求に対して、バンドを腕時計に取り付ける手段を備えたバンドを用いる
、様々な解決策が提案されて来た。これらの提案に共通する特徴は、それらの全
てが装着に信頼性があり、かつ、取扱いが簡便であるという２つの重要な基準を
満たそうとしていることである。

【０００３】 スイス特許第１９８，７６８号には、端部がＴ字形をした腕時計バンドのため
の交換具が記載されている。Ｔ字形の２つのアームが腕時計の角部の下方に位置
する溝の中に嵌め込まれ、次いでプレートによって固定される。 この解決策は角部を有する腕時計に適用され、広義的には小さなバーによる従
来のバンド固定方法に基づいている。この小さなバーはバンドと一体に組み込ま
れており、このバーが、スプリング作用により腕時計の角部の溝に入りこみ塞ぐ
ことによって再配置される。

【０００４】 別の文献スイス特許第２５０，７０１号には、上記文献と極めて密接に関連し
た交換具が記載されており、すなわち該交換具は同様に、バンド端部を形成する
Ｔ字形の２つのアームを捕捉するために、腕時計の角部に一体に組み込まれた固
定手段を備えている。

【０００５】 文献英国特許第２，２６４，２２２号には、腕時計の角部に取り付けられた留
め金が記載されている。この留め金は、腕時計の角部の間で回転可能である第１
の部分と、第１の部分の末端で回転可能である第２の部分との２つの部分からな
っており、第２の部分が第１の部分の上を閉じると、バンドが収まる空隙が両者
間に形成される。 この交換具においては、留め金が腕時計の一部を形成するから、審美的な個性
化を望む場合には使用できない。

【０００６】 バンド交換手段に似ている別の解決手段が、文献スイス特許第６４９，６２５
号に記載されている。この文献においては、「バゲット型」の腕時計は、腕時計
の端部の１つ（６時の位置において）に連接され小プレートを含み、この小プレ
ートは、それが腕時計に対して閉じられた時、バンドの両端部においてバックル
を捕捉するようになっている。 ここに記載された腕時計は二重の底部を持っているから、底部は分厚くなり、
目に見える結合部の存在が望ましい場合にのみ適している。いずれにしても、腕
時計バンドを容易に交換するという目的を考えると、この解決策が普遍的なもの
であるとは見なし得ない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】

本発明の目的は、腕時計ケースとバンドの間に連続した接続部を得ることがで
きて、その使用法が容易で、しかも信頼性のある腕時計バンドのための締結具を
提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本発明のこの目的は、バンドの対応する部分がその中に嵌り込む少なくとも１
つの凹部をその底部上に備える腕時計ケースと、腕時計ケースに堅固に取り付け
られ、凹部を閉じる固定手段とによって達成される。 腕時計ケースの底部をバンド取り付け位置として使用することにより、交換機
能を完全に隠す非常に小型の交換具が得られる。

【０００９】 本発明においては、凹部の好ましい表面形状はＵ字形（Ｕ字形の枝分かれした
２つの分枝部がケースの外側にくる）であるが、この表面は、例えばＴ字形（Ｔ
字形の縦棒がケースの端縁部にくる）のような別の形状とすることもできる。腕
時計の底部上に保持部を形成する部分と、この部分とバンドの間を接続するため
の１つ又は２つのアームをバンドに設けることが重要である。本発明の好ましい
形態によれば、バンドの端部はバックルの形態になっている。

【００１０】 この接続を完成させるためには、バンド端部が外れるのを防ぐために、この凹
部を閉じる必要がある。本発明の好ましい形態においては、そのスピンドルが腕
時計ケースの端縁部に位置するフラップによって、凹部は確実に閉じられる。一
旦閉じられると、このフラップは腕時計の底部に対して押し付けられ、これによ
って腕時計の底部の厚みがたとえ増すとしても、それは極く僅かに過ぎない。バ
ンドの張力はフラップには加わらず、凹部の縁部に加わる。このフラップはクリ
ップ手段を有し、このクリップ手段はスピンドル上もしくは捕捉部分に沿って設
けることが可能で、フラップが閉じた位置において確実に保持されるようにする
。

【００１１】 凹部を閉ざすためには、例えば摺動プルのようなその他の手段もある。凹部を
閉ざすために２つの摺動路によって案内されるこの摺動プルは、摺動されて凹部
上に被さる。閉じ位置を固定する突起によって、摺動プルはその位置で保持され
る。 本発明は添付図面の詳細な説明によって一層よく理解されるであろう。ただし
、これらの図面の説明は本発明を限定するためのものではない。

【００１２】

【発明の実施の形態】

図１において、バンド２（本例においては皮製バンド）は、端部にバックル２
０、２１を備える。このバックルは、腕時計１の底部内に直接形成された凹部１
１内に嵌め込まれる。このバックルは、フラップ３によって固定される。フラッ
プ３は、腕時計に堅固に固定され、またバンドのバックルが定位置に在る時、フ
ラップのスピンドル１２はバックル内に位置する。フラップ３を閉じると、バッ
クル２１の外側部分は凹部１１内に包み込まれる。閉じ領域１３が、フラップ３
が手指の爪にかかるのを容易にし、フラップを容易に開けることができるように
する。

【００１３】 図２は図１の線Ａ−Ａに沿った断面図である。この図は、バンド２と腕時計１
の間の接続を詳細に示す。バンド２の皮革部２３はバックルの第１の部分２４に
取り付けられ、例えば、スピンドル２２の周りに折り返されて縫い着けられるな
どの、通常の方法で保持される。バックル２０、２１の第１の部分２４は、その
両端部において２つのアーム２０によって延長され、次いでバー２１によって閉
ざされる。バー２１は、腕時計１の底部の凹部１１内に収められ、この凹部の外
側面１０上に着座する。従って、バンドの張力は、腕時計の底部に完全に分散さ
れる。

【００１４】 この凹部１１を閉じるために、スピンドル１２の周りで回動するフラップ３が
設けられる。開いた位置において、バンドのバックル２０、２１が離れた状態か
ら、バンド２をフラップ３の周りにスライドさせると、凹部１１内の定位置に落
ち込む。一旦この位置になったら、バンドのバックル２０、２１を固定するため
に、腕時計の底部に対してフラップ３を引き下げるだけでよい。

【００１５】 フラップ３を留める手段の１例では、凹部の内面１４の縁部とフラップ３の対
応する突起（図示せず）の間で達成することができるであろう。フラップはかか
るクリップにより固定されるが、腕時計の裏側におけるフラップ３の位置は、自
然にフラップを閉じられた状態で保持し続け、交換機構を操作するためにはユー
ザは腕時計を裏返す必要がある。 図１、図２は皮製バンドを示しているが、別の型のバンドでも同様に適用可能
である。金属バンドを使用する場合には、バンドのバックル２０、２１の部分２
４を装飾部材で補って、見た目に美しく腕時計ケースに接続することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 腕時計と皮製バンドの間の接続具をそれが閉じられた位置で下方から見た図で
ある。

【図２】 図１の接続具の断面図である。

【符号の説明】

１ 腕時計ケース ２ バンド ３ フラップ １１ 凹部 １２ スピンドル １３ 閉じ領域 １４ 凹部の内側面 ２０ バックルのアーム ２１ バックルのバー ２２ スピンドル ２３ バンドの皮革部 ２４ バックルの第１の部分

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ， ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ， ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，Ｓ Ｌ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 腕時計ケースとバンドの端部とを含む腕時計バンドのための
   交換具であって、前記腕時計ケース（１）の底部は、前記バンドの対応する部分
   （２１）がその中に嵌り込む少なくとも１つの凹部（１１）を含み、前記腕時計
   ケース（１）の底部は、前記腕時計ケースに堅固に取り付けられ、前記凹部（１
   １）を閉じる固定手段（３）をさらに含むことを特徴とする交換具。
2. 【請求項２】 前記バンド（２）は、前記腕時計の底部の前記凹部（１１）
   内に係合可能なバックル（２０、２１）をその端部に有することを特徴とする請
   求項１に記載の交換具。
3. 【請求項３】 前記固定手段（３）はフラップ（３）を含み、前記バンド（
   ２）の前記バックル（２０、２１）は、前記フラップ（３）のピボット軸（１２
   ）の周りに置かれることを特徴とする請求項２に記載の交換具。
4. 【請求項４】 前記固定手段（３）は、摺動させることにより前記凹部（１
   １）の上方に位置させることが可能な摺動プルを含むことを特徴とする請求項１
   または請求項２のいずれかに記載の交換具。
5. 【請求項５】 請求項１から請求項４までのうちのいずれか１項によるバン
   ド交換具を含む腕時計。