JP2018082964A - 衣服ベルト用バックル - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトに歯型を残さず、かつ装着時の緩みを防止すると共に、バックル本体の厚みを薄くし、従来よりも強い摩擦力でベルトを固定するバックルを提供する。【解決手段】バックル100は、開口部50が形成された背面板部10a、10bと、背面板部の対向する2辺に連結する第1と第2の側面板部12aと、それぞれが背面板部の板面と隙間を空けて第1と第2の側面板部間を連結する第1と第2の連結部14、16と、を有する本体と、第1と第2の側面板部間に配置され、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に第1と第2の側面板部に支持される軸20と、軸を支点に回転可能に軸に支持され、凸部34を有するように形成され、凸部を背面板部の開口部に向けて回転させた状態で軸を第1の連結部側にスライドさせることによって、軸に支持された側とは反対側の自己の開放端部が第1の連結部と背面板部との間に配置可能なベルト留め具30とを備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、衣服ベルト用のバックルに関する。例えば、装着時にベルトの長さを固定する位置を無段階に調節可能な衣服ベルト用のバックルに関する。
従来、装着時にベルトの長さを固定する位置を無段階に調節可能な衣服ベルトのバックルについては、様々なものが市販されている。例えば、バックルの中に取り付けられた歯により皮革製ベルトを噛み込むタイプや、バックルに設けられた2か所のスリットにベルトを通して、ベルトが受ける張力によりベルトとバックルとの間に摩擦力を発生させて固定するタイプなどが挙げられる。しかしベルトを噛み込むタイプでは、ベルトに歯型が残ってしまうといった問題があった。歯型が残ると、ベルト装着時の美観を損ねるだけでなく、ベルトの寿命も短くしてしまう原因にもなる。また、ベルトが受ける張力によりベルトとバックルとの間に摩擦力を発生させて固定する構造では、バックルに外力を受けた場合などにおいてベルトが緩みやすいといった問題があった。
かかる問題に対して、出願人は、バックル内にベルトを水平に重ねるように通した後、一端側がバックル本体に支持された回転可能な留め具で、重ねられた2段のベルトを人体側に向かってバックル裏面から飛び出すように押圧し、押圧後に、かかる留め具をスライドさせて留め具の他端側をバックル本体に差し込み、かかる他端側のフック部分を差し込んだ先のバックル本体に引っ掛けることで留め具を固定するタイプのバックルについて以前に特許出願を行った(特許文献1参照)。かかるバックルにより、歯型が残る問題および外力などによるベルトの緩みの問題等の解決を図った。
しかしながら、かかるタイプでは、留め具の他端側のフック部分をバックル本体に差し込む構造が有るために、フック部分の厚み分を考慮した隙間が、重ねられた2段のベルトとバックル本体上部との間に必要となる。そのため、バックル本体の厚みを薄くする事に限界があった。また留め具他端部に設けられたフック部を通すために留め具自体の厚さ以上の隙間をベルトとバックル本体の間に設ける必要が有り、留め具の裏面にベルトを密着させて摩擦力を発生させることができない。
特開2014−128529号公報
そこで、本発明は、ベルトに歯型を残さず、かつ装着時でのベルトの緩みを防止すると共に、バックル本体の厚みを薄くし、さらに従来のバックルよりも強い摩擦力でベルトを固定することが可能なバックルを提供する。
見方を変えると、従来型と同じ厚さのバックル本体では従来型よりも厚いベルトを強力に固定することが可能なバックルを提供する。
本発明の一態様の衣服ベルト用バックルは、
開口部が形成された背面板部と、背面板部の対向する2辺に連結する第1と第2の側面板部と、それぞれが背面板部の板面と隙間を空けて第1と第2の側面板部間を連結する第1と第2の連結部と、を有する本体と、第1と第2の側面板部間に配置され、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に第1と第2の側面板部に支持される軸と、
軸を支点に回転可能に前記軸に支持され、凸部を有するように形成され、凸部を背面板部の開口部に向けて回転させた状態で軸を第1の連結部側にスライドさせることによって、軸に支持された側とは反対側の自己の開放端部が第1の連結部と背面板部との間に配置可能な回転部材とを備え、
衣服ベルトが2重に重なった状態で前記本体内を通過させるように配置し、回転部材の回転によって凸部により2重になった衣服ベルトを開口部から押し出すように屈曲させた状態で軸を第1の連結部側にスライドさせることによって、回転部材の開放端部が第1の連結部と衣服ベルトとの間に差し込まれ、
回転部材の開放端部を第1の連結部と衣服ベルトとの間からスライドさせて抜き出す場合に、屈曲させられながら圧縮された衣服ベルトにより回転部材の凸部が第1の連結部側に押し戻されるように、凸部と背面板部の位置関係が形成されることを特徴とする。
また、衣服ベルトが開口部を跨ぐように本体内に配置された状態で衣服ベルトの一端側が背面板部に固定され、
衣服ベルトの他端を第1の連結部と背面板部との間から差し込み本体内を通過させることにより本体内で衣服ベルトが2重に重なった状態で、回転部材の凸部により衣服ベルトの2重に重なった部分を開口部から外側に押し出しながら、第1の連結部側に軸をスライドさせることによって第1の回転部材の開放端部を第1の連結部と背面板部との間に移動させ、
第1の回転部材の開放端部が第1の連結部と背面板部との間に位置する状態を維持するように、屈曲させられたベルトにより回転部材の凸部が第1の連結部側に押し戻される位置関係に、凸部と背面板部の開口部の辺とが配置されることで、衣服ベルトを固定すると好適である。
本発明の他の態様の衣服ベルト用バックルは、
開口部が形成された背面板部と、背面板部の対向する2辺に連結する第1と第2の側面板部と、それぞれが背面板部の板面と隙間を空けて第1と第2の側面板部間を連結する第1と第2の連結部と、を有する本体と、
第1と第2の側面板部間に配置され、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に第1と第2の側面板部に支持される軸と、
軸を支点に回転可能に軸に支持され、凸部を有するように形成され、凸部を背面板部の開口部に向けて回転させた状態で軸を第1の連結部側にスライドさせることによって、支持された側とは反対側の自己の開放端部が第1の連結部と背面板部との間に配置可能な第1の回転部材と、
軸を支点に回転可能に、第1の回転部材とは独立して軸に支持され、第1の回転部材の開放端部が第1の連結部と背面板部との間に位置する状態で、回転させて軸と第2の連結部との間に自己を挟み込むことによって、第2の連結部側への第1の回転部材の移動を拘束する第2の回転部材と、
を備えたことを特徴とする。
また、衣服ベルトが開口部を跨ぐように本体内に配置された状態で衣服ベルトの一端側が背面板部に固定され、
衣服ベルトの他端を第1の連結部と背面板部との間から差し込み本体内を通過させることにより本体内で衣服ベルトが2重に重なった状態で、第1の回転部材の凸部により衣服ベルトの2重に重なった部分を開口部から外側に押し出しながら、第1の連結部側に軸をスライドさせることによって第1の回転部材の開放端部を第1の連結部と背面板部との間に移動させ、
第1の回転部材の開放端部が第1の連結部と背面板部との間に位置する状態で、第2の回転部材を回転させて軸と第2の連結部との間に第2の回転部材を挟み込むことで、衣服ベルトを固定すると好適である。
また、第1と第2の回転部材は、それぞれ軸を通す軸通し穴を有し、
軸を第1と第2の回転部材の軸通し穴に通過させる場合に、第1と第2の回転部材の軸通し穴を拡げて弾性変形させる事により軸表面を外周方向より締付けて第1と第2の回転部材の回転の抵抗を増やすと好適である。
或いは、第1と第2の回転部材は、それぞれ軸を通す軸通し穴を有し、
軸を第1と第2の回転部材の軸通し穴に通過させる場合に、第1と第2の回転部材の一方を軸に固定するようにしても好適である。
また、第1の回転部材は、弾性体を有し、
第2の回転部材を軸と第2の連結部との間に挟み込んだ状態で、第1の回転部材の弾性体の部位を、第2の回転部材に押付け、第1の回転部材と第2の回転部材とが成す角度を調整可能に配置すると好適である。
また、第2の回転部材は、水平な強磁性体の板材部を有し、
第2の連結部には永久磁石が配置され、
板材部と永久磁石との間での吸引力により第2の回転部材と第2の連結部が、くっ付くことで第2の回転部材の回転を拘束すると好適である。
本発明の一態様によれば、ベルトに歯型を残さず、装着時のベルトの緩みを防止すると共に、バックル本体の厚みを薄くコンパクトにすることができる。さらに、ベルトに広い面積で摩擦を発生させる事により、強い摩擦力でベルトを固定することも可能となる。
実施の形態1における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す正面方向から見た斜視図である。 実施の形態1と比較例1とにおける衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。 実施の形態1と比較例2における衣服ベルト用バックルのベルト固定動作中の一場面での底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。 実施の形態2における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。 実施の形態2における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す正面方向から見た斜視図である。 実施の形態2における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す背面図である。 実施の形態2におけるベルト留め具を外して回転させた状態の一例を示す図である。 実施の形態3における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。 実施の形態4における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。
以下、実施の形態では、例えば、一般にベルトの自由端が左前側にくるユーザが胴にベルトを装着した状態でかかるユーザに向かって正面から見えるバックルの状態を正面図として説明する。同様に、例えばユーザが胴にベルトを装着した状態で底面側から見えるバックルの状態を底面図として説明する。同様に、正面図が示す状態を裏返した状態を背面図として説明する。
また、以下に説明するバックルを構成する各部品の材料は、金属材、或いはFRPやエンジニアリングプラスチック材を用いると好適である。より望ましくは金属材が好適である。例えば、金属を用いる場合、鉄、ステンレス鋼、チタニウム、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、錫、マグネシウム或いはこれらの合金等が好適である。また、以下、金属材を用いる場合を想定して説明するが、プラスチック材などを用いる場合、「溶接」は「接着」と読み替えてもよい。同様に、プラスチック材などを用いる場合、「折り曲げて製作」は「折り曲げた形状になるように製作」と読み替えればよい。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す正面方向から見た斜視図である。
図2は、実施の形態1と比較例1とにおける衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。図1において、衣服ベルト用バックル100(以下、バックル100という。)は、背面板部10(10a,10b)、側面板部12a,12b、及び正面連結部14,16を有するバックル本体17と、軸20と、ベルト留め具30と、を備えている。背面板部10には、背面板部10a,10b間にスリット50(開口部)が形成されている。スリット50は、衣服ベルト62(以下、ベルト62という。)の幅よりも大きな幅で開口される。またスリット50は、ベルト62の長手方法に、例えば、25〜40mmの長さで開口する。
側面板部12a,12bは、ベルト62の幅方向の背面板部10端に沿った、背面板部10の対向する2辺に連結する。図1の例では、側面板部12a(第1の側面板部)は、ベルト62の幅方向の背面板部10の上方端(図1では上面側)に連結する。側面板部12b(第2の側面板部)は、ベルト62の幅方向の背面板部10の下方端(図1では下面側)に連結する。側面板部12a,12bと背面板部10は、同一板材を折り曲げて製作しても良いが、鋳造などにより製造することもできる。
或いは、それぞれ別体として製作し、溶接等で接続してもよい。側面板部12a,12b間にはベルト62を通すので、側面板部12a,12b間の隙間がベルト62の幅より若干大きいサイズになるように形成される。例えば、側面板部12a,12b間の隙間がベルト62の幅より約1mm大きいサイズになるように形成されると好適である。
また、側面板部12a,12b間には、軸20が配置される。軸20は、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に側面板部12a,12bに支持される。そのため、側面板部12a,12bには、ベルト62の長手方向にスリット13a,13bが形成される。スリット13a,13bの幅は、軸20の直径よりも若干大きい程度に形成されると良い。例えば、軸20の直径が2〜4mm程度が望ましい。そして、スリット13a,13bの幅は、かかる軸20の直径に0.1mm程度加算したサイズにすると好適である。
側面板部12a,12bの一方の端部(図1の例では左端部)には、正面連結部14(第1の連結部)が側面板部12a,12b間を連結するように配置される。正面連結部14は、背面板部10の板面と隙間を空けて配置される。側面板部12a,12bの他方の端部(図1の例では右端部)には、正面連結部16(第2の連結部)が側面板部12a,12b間を連結するように配置される。正面連結部16は、背面板部10の板面と隙間を空けて配置される。正面連結部14,16は、それぞれ、側面板部12a,12bと溶接等で接続されても良いが、鋳造などにより一体で製造してもよい。
また、軸20を支点に回転可能にベルト留め具30(第1の回転部材)が軸20に支持される。ベルト留め具30は、側面板部12a,12b間で軸20に支持される。また、ベルト留め具30は、ベルト留め具30を正面連結部14側に回転させる場合に、背面板部10側(背面側)に凸となる凸部34を有するように形成される。
図2(a)では実施の形態1における衣服ベルト用バックルの断面が示されている。図2(b)では衣服ベルト用バックルの図2(a)に対応する留め具の他端側をバックル本体に差し込み、かかる他端側のフック部分を差し込んだ先のバックル本体に引っ掛けることで留め具を固定する比較例1の断面が示されている。図1及び図2(a)に示すように、ベルト62がバックル本体17内を通るように、ベルト62の一端60bを背面板部10aにネジ11で固定し、ベルト62の他端部60aを正面連結部14と背面板部10との間から差し込み、正面連結部16と背面板部10との間を抜けてバックル本体17内を通過させることによりバックル本体17内でベルト62を2重(背面側ベルト部分60b,正面側ベルト部分60a)に重なり合わせる。ただしネジ11はリベットなど他の固定方法に替えても構わない。かかる段階でベルトの長さをユーザの胴囲に合うように調整する。そして、ベルト62が2重に重なった状態で、軸20を側面板部12(ここでは断面なので側面板部12a)のスリット13(ここでは断面なのでスリット13aを示す)内で正面連結部16側にスライドさせ、凸部34によりベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出しながら、正面連結部14側に軸20を側面板部12(ここでは断面なので側面板部12a)のスリット13(ここでは断面なのでスリット13aを示す)内でスライドさせる。言い換えれば、ベルト留め具30は、一対の側面板部12a,12bと垂直をなす軸20回りに起倒可能に配置される。ベルト留め具30は、倒した時に重ね合わせたベルト62を背面板部10aと10bとの間に形成されるスリット50に向かって例えば3mm〜10mm凸になるように凸部34を構成し、正面連結部14側に軸20をスライドさせることによってベルト留め具30の開放端部32を正面連結部14と背面板部10aとの間に移動させる。つまり、ベルト留め具30の開放端部32を正面連結部14とベルト60aとの間に配置可能に移動させる。ベルト留め具30を倒し開放端部32を正面連結部14の背面側まで押込む時に、この凸部34と背面板部10bとの間に形成される隙間において重ね合わせたベルト62が背面板部の厚さ程に局部的な範囲で、密着した状態で圧縮され背面板部10bの正面側の表面に対して成す角度が35〜55度の範囲に入るように屈曲させられる事で、重ね合わせたベルト62において凸部を正面連結部14側に押す反発力が効果的に発生する。発生する反発力がベルト留め具30を押込む時に、指に大きな負担とならない程度に凸部34と背面板部10bとの隙間を形成すると、留め具30が外力を受け正面連結部16側に移動させられた際に、ベルト62の反発力によりベルト留め具30が正面連結部14側に押し戻されて、不用意に外れる事を防ぐことができる。言い換えれば、ベルト留め具30(回転部材)の開放端部32を正面連結部14(第1の連結部)とベルト62(衣服ベルト)との間からスライドさせて抜き出す場合に、屈曲させられながら圧縮されたベルト62によりベルト留め具30の凸部34が正面連結部14側に押し戻されるように、凸部34が形成される。さらに言えば、屈曲させられたベルト62によりベルト留め具30の凸部34が正面連結部14側に押し戻される位置関係に凸部34と背面板部10bの開口部50辺とが配置される。
図3は、実施の形態1と比較例2における衣服ベルト用バックルのベルト固定動作中の一場面での断面構成の一例を示す図である。図3(a)では実施の形態1における衣服ベルト用バックルの断面が示されている。図3(b)では衣服ベルト用バックルの図3(a)に対応する比較例2の断面が示されている。
図3(a)の状態において凸部34のベルトに接触する面は、図3(b)と比較して正面連結部16側に有るため重ね合わされたベルトが、強く屈曲された上に、凸部34と背面板部10bにより挟まれるため、密着した状態でさらに圧縮されるため反発力が大きくなる。
また図3(a)においてベルト留め具30をベルト62に押込む時に開放端部32と凸部34のベルトに接触する部分との距離は、軸20がスリット13aの右端まで移動した最大の状態で描かれているが、例えば図3(a)よりも1mmでも短くなると、ベルト62を屈曲させる角度が小さくなり、さらに十分に密着させたベルトを圧縮できないため、反発力が小さくなる。
一方、図2(b)に示す比較例1では、以下のようにベルトを固定する。図2(b)に示すように、ベルト362がバックル300内を通るように、ベルト362の一端を背面板部310aにネジ311で固定し、ベルト362の他端を正面連結部314と背面板部310aとの間から差し込み、正面連結部316と背面板部310bとの間を抜けてバックル300内を通過させることによりバックル300内でベルト362を2重(背面側ベルト部分360b,正面側ベルト部分360aに重なり合わせる。かかる段階でベルトの長さをユーザの胴囲に合うように調整する。そして、ベルト362が2重に重なった状態で、ベルト留め具330を正面連結部316側に寄せた後に、凸部334によりベルト362の2重に重なった部分をスリット350から外側に押し出しながら、正面連結部314側に軸320をスライドさせる。正面連結部314側に軸320を側面板部312(ここでは断面なので側面板部312aを示す)のスリット313(ここでは断面なのでスリット313aを示す)内でスライドさせることによってベルト留め具330の開放端部332を正面連結部314と背面板部310との間を通して正面連結部314の端部まで移動させる。実際には、ベルト留め具330の開放端部332を正面連結部314とベルト360aとの間に差し込む。その際、ベルト留め具330の開放端部332に形成された上向き(正面側向き)に爪が延びるフック336が正面連結部314と背面板部310aとの間を貫通するまで軸320をスライドさせる。フック336が正面連結部314に引っ掛かることで、軸320が正面連結部316側へとスライドできないように軸320を拘束する。これにより、ベルト留め具330が正面連結部316側へとスライドできないように拘束されることになる。これにより、ベルト留め具330の開放端部332が正面連結部314とベルト360aとの間から抜けることを防止できる。ベルト留め具330の開放端部332が正面連結部314とベルト360aとの間から抜けなければ、凸部334によって、ベルト362の2重に重なった部分をスリット350から外側に押し出した状態が維持されるので、押圧により発生する摩擦力でベルト362を固定できる。以上のようにして、比較例におけるバックル300では、ベルト362が固定される。
比較例1では、フック336を正面連結部314とベルト360aとの間を通過させる必要があるので、正面連結部314とベルト360aとの間の隙間h2をベルト留め具330の開放端部332の厚さにフック336の張り出し高さを加算した分まで広げる必要がある。これに対して、実施の形態1では、凸部34と背面板部10bの間に形成される隙間により重ね合わせたベルト62が屈曲されて発生する反発力によりベルト留め具30が正面連結部16側へとスライドできないように拘束されるため、比較例1に示したフック336が不要である。よって、実施の形態1では、正面連結部14とベルト60aとの間の隙間h1をベルト留め具30の開放端部32の厚さがスムーズに差込める程度に確保されれば良い。すなわち、実施の形態1の隙間h1では、比較例1の隙間h2よりも小さくできる。その結果、実施の形態1では、バックル100の厚さH1を比較例1のバックル300の厚さH2よりも薄くでき、更により広い面積において発生する摩擦力により確実にベルトを固定できる。
また、比較例1では、正面連結部の強度等を考慮するとフック336が正面連結部314とベルト360aとの間を抜けるまで軸320を、例えば6mm以上スライドさせる必要があるので、側面板部312(ここでは断面なので側面板部312aを示す)のスリット313(ここでは断面なのでスリット313aを示す)の開口長さがフック336の分以上に多く必要となる。これに対して、実施の形態1では、正面連結部14とベルト60aとの間にベルト留め具30の開放端部32を例えば3mm以上差し込めばよく、正面連結部14とベルト60aとの間を抜けるまで例えば6mm以上移動させる必要はない。よって、側面板部12(ここでは断面なので側面板部12aを示す)のスリット13(ここでは断面なのでスリット13aを示す)のスライド方向の開口長さを比較例1よりも例えば3mm短くできる。例えば、ベルト留め具30の開放端部32を3mmくらいでも差し込む分の長さが正面連結部14とベルト60aとの間に開口されていればよい。これによりスリット13の長手方向のサイズを小さくできるので、正面連結部14,16の端部間の距離によって定まるバックル本体の長さも小さくなる。さらに軸20が斜めに傾いてスリット13から脱落する危険性を小さくできる。
以上のように、実施の形態1によれば、ベルトに歯型を残さず、かつ装着時でのベルトの緩みを防止すると共に、バックル本体の厚みを薄くしつつ、より確実にベルトを固定することが可能なバックルを提供する。同時に、スライドさせる移動距離を小さくすることによりバックルの小型化と軸20の脱落防止も可能となる。
さらに、実施の形態1では、バックル本体の厚みを薄くできるので、装着時の正面側の美観を美しく保つことができる。
以上のように、実施の形態1におけるバックル100は、胴に巻付けて使用する例えば洋装用のベルトのバックルであり、締結位置を無段階に調節するため摩擦力を利用している。特に、使用時にベルト62の受ける張力(設計最大荷重)により、ベルト62の先端部がバックル100より引き抜かれないために、ベルト62の先端部と基端部を重ね合わせたうえで、倒し込んだベルト留め具30の凸部34によりスリット状の空隙(スリット50)の中に押し込み、あえて人体側に向かって凸となるよう屈曲させることにより使用時に発生する摩擦力が効果的にベルト62を固定するようにさせている。かかるベルト留め具30の凸部34の高さは、低すぎるとベルト62があまり屈曲せず十分な摩擦力を発生させられないが、高すぎると操作が困難になる。そのため、ベルト留め具30の開放端部32面(背面側の面)から3mm〜15mmの範囲とすると好適であり、さらに好ましくは3mm〜10mmの範囲にすると良い。また、ベルト62を屈曲させる場合には、厚いベルト、剛性が高いベルトの場合にはあまり下(背面側)まで押し込む必要が無く、逆に、薄いベルト、剛性が低いベルトの場合には下(背面側)まで押し込む必要がある。よって、より望ましくは、ベルト留め具30の凸部34の高さは、上述した範囲で、使用するベルトの厚さや剛性に応じて形成すると良い。ベルト留め具30の凸部34の高さをかかる範囲に設定すると、ベルト62を二重にした上で曲げて同時に張力の方向も曲げることで、背面板部10aの端部を面取りして形成された主に摩擦力を発生させる面側に向かって張力によりベルト60bにベルト60aが押し付けられる。その結果、ベルト60bとベルト60aの間に摩擦力が発生することで張力と比例して発生する摩擦力により効果的にベルトが滑り出すことを止めることができる。
また、実施の形態1では、あえて人体側に向かって凸となるようにベルトを屈曲させている。これにより、バックル100が人体から引き離される方向の外力を受けた時にも、摩擦面がベルト62の受ける張力の方向と平行にならずベルト62の先端部が滑り出さない。つまり、このような人体から引き離される方向の外力を受けた時にも、外力によりベルト62が形成させられる2次曲線形状とは逆向きの2次曲線の形状を、バックル100によってベルトに強制できる。そのために、実施の形態1では、あえてバックル100により人体に向かって凸となるようにベルト62を屈曲させている。さらに、このように人体に向かって屈曲させることにより、張力に比例して摩擦力も強化させることができるので、より強力にベルトを固定できる。
以上のように実施の形態1によれば、ベルトに歯型を残さず、装着時のベルトの緩みを防止すると共に、バックル本体の厚みを薄くコンパクトにすることができる。さらに、ベルトに広い面積で摩擦を発生させる事により、強い摩擦力でベルトを固定することも可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1の構成よりもさらにベルト留め具30が外れる危険性を無くす或いは低減する構成について説明する。
図4は、実施の形態2における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。
図5は、実施の形態2における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す正面方向から見た斜視図である。
図6は、実施の形態2における衣服ベルト用バックルの構成の一例を示す背面図である。ベルト留め具30が外れる危険性を無くすため、図4に示すように、ベルト留め具30の開放端部32が正面連結部14とベルト60aとの間に位置する状態で、軸20に回転可能に支持された留め具固定具40を回転させて軸20と正面連結部16との間に留め具固定具40の自由端部42を挟み込む。また、この留め具固定具40の自由端部42を正面連結部16から外す際には凸部44の背面側に指を差込み操作する。
軸20をベルト留め具30の軸通し穴と留め具固定具40の軸通し穴に入れる際に、ベルト留め具30の軸通し穴と留め具固定具40の軸通し穴とを広げて差し込むことで弾性変形させる事により軸表面を外周方向より締付けて発生させる摩擦力で軸と前記両回転部材との間での回転に抵抗を増やす。またはベルト留め具30と留め具固定具40、一方の回転部材を溶接などにより軸に固定し、他方の回転部材については上述したように軸通し穴を広げて軸20を差し込むことで弾性変形させて軸20との間で回転の抵抗を増やすことでも、各々の回転部材が成す角度を操作により任意に変更でき、かつ不用意に角度が変わらないように維持できる。
このように留め具固定具40が容易に回転しなくなるので、留め具40も容易に外れることがなくなる。軸20と正面連結部16との間に留め具固定具40を挟み込むことで、軸20が正面連結部16側へとスライドできないように軸20を拘束する。これにより、ベルト留め具30が正面連結部16側へとスライドできないように拘束されることになる。これにより、ベルト留め具30の開放端部32が正面連結部14とベルト60aとの間から抜けることを防止できる。ベルト留め具30の開放端部32が正面連結部14とベルト60aとの間から抜けなければ、凸部34によって、ベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出した状態が維持されるので、留め具30と背面板部10aとの間でベルト60a,60bを挟み込むことで留め具30とベルト60a、及びベルト60aとベルト60bとの接触面全体に発生する摩擦力により強力にベルトを固定できる。以上のようにして、実施の形態2におけるバックル100では、ベルト62が固定される。実施の形態1と実施の形態2では、ベルト留め具30の凸部34によりベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出すようにベルトを押圧して摩擦力を利用するので、ベルトに歯型を残さずに固定できる。さらに、実施の形態2では軸20と正面連結部16との間に留め具固定具40を挟み込むことでベルト留め具30の外れを防止できるので、留め具30が外れるような外力が加わっても留め具30が外れることなくベルトの緩みを防止できる。
図5、図6において、衣服ベルト用バックル100(以下、バックル100という。)は、背面板部10(10a,10b)、側面板部12a,12b、及び正面連結部14,16を有するバックル本体17と、軸20と、ベルト留め具30と、留め具固定具40と、を備えている。背面板部10には、背面板部10a,10b間にスリット50(開口部)が形成されている。スリット50は、衣服ベルト62(以下、ベルト62という。)の幅よりも大きな幅で開口される。またスリット50は、図6における水平方向に、例えば、25〜40mmの長さで開口する。また、背面板部10aには、図6に示すように、ベルト62がスリット50を跨ぐようにバックル本体17内に配置された状態、言い換えればベルト62を正面側に配置した状態で、ベルト62の一端側が背面板部10aの背面側からネジ11で固定可能に形成されている。ただしネジ11はリベットなど他の固定方法に替えても構わない。
図6に示すように側面板部12a,12bは、ベルト62の幅方向の背面板部10端に沿った、背面板部10の対向する2辺に連結する。図5の例では、側面板部12a(第1の側面板部)は、ベルト62の幅方向の背面板部10の上方端(図5では上面側)に連結する。側面板部12b(第2の側面板部)は、ベルト62の幅方向の背面板部10の下方端(図5では下面側)に連結する。側面板部12a,12bと背面板部10は、同一板材を折り曲げて製作しても良いが、鋳造などにより製造することもできる。
或いは、それぞれ別体として製作し、溶接等で接続してもよい。側面板部12a,12b間にはベルト62を通すので、側面板部12a,12b間の隙間がベルト62の幅より若干大きいサイズになるように形成される。例えば、側面板部12a,12b間の隙間がベルト62の幅より約1mm大きいサイズになるように形成されると好適である。
また、側面板部12a,12b間には、図5に示すように、軸20が配置される。軸20は、軸方向(図5の例では上下方向)と直交する方向に向かってスライド可能に側面板部12a,12bに支持される。そのため、側面板部12a,12bには、図5に示すように、ベルト62の長手方向(水平方向)にスリット13a,13bが形成される。スリット13a,13bの幅は、軸20の直径よりも若干大きい程度に形成されると良い。例えば、軸20の直径が2〜4mm程度が望ましい。そして、スリット13a,13bの幅は、かかる軸20の直径に0.1mm程度加算したサイズにすると好適である。
側面板部12a,12bの一方の端部(図5の例では左端部)には、正面連結部14(第1の連結部)が側面板部12a,12b間を連結するように配置される。正面連結部14は、背面板部10の板面と隙間を空けて配置される。側面板部12a,12bの他方の端部(図5の例では右端部)には、正面連結部16(第2の連結部)が側面板部12a,12b間を連結するように配置される。正面連結部16は、背面板部10の板面と隙間を空けて配置される。正面連結部14,16は、それぞれ、側面板部12a,12bと溶接等で接続されても良いが、鋳造などにより一体で製造してもよい。
また、軸20を支点に回転可能にベルト留め具30(第1の回転部材)が軸20に支持される。ベルト留め具30は、図5の例では、側面板部12a,12b間で留め具固定具40と共に軸20に支持される。
図7は、実施の形態2におけるベルト留め具を回転させて外した状態の一例を示す図である。図7に示すように、ベルト留め具30は、軸20を支点に回転させることができる。また、ベルト留め具30は、例えば、板材を曲げて形成される。そして、ベルト留め具30は、図2(a)に示す実施の形態1のベルト留め具30と同様、ベルト留め具30を正面連結部14側に回転させる場合に、背面板部10側(背面側)に凸となる凸部34を有するように形成される。例えば凸部34は、ベルト留め具30となる板材を曲げることによって形成される。ベルト留め具30は、凸部34を背面板部10のスリット50に向けて回転させた状態で軸20を正面連結部14側にスライドさせることによって、軸20に支持された側とは反対側のベルト留め具30(自己)の開放端部が正面連結部14と背面板部10との間に配置可能に形成される。
また、軸20を支点に回転可能に留め具固定具40(第2の回転部材)が、ベルト留め具30とは独立して軸20に支持される。留め具固定具40は、図5の実施例2では側面板部12a側にあるが、側面板部12b側や、側面板部12aと側面板部12bの中間など操作性などにより任意の位置に付けても良い。
そして、上述したように、留め具固定具40は、ベルト留め具30の開放端部32が正面連結部14と背面板部10aとの間に位置する状態で、回転させて軸20と正面連結部16との間に自己を挟み込むことによって、正面連結部16側へのベルト留め具30の移動を拘束する。
ベルト62を外す場合には、留め具固定具40の凸部44の裏面に指を差し込み、指で凸部44を正面側に引くことで、留め具固定具40が回転し、軸20と正面連結部16との間から留め具固定具40の自由端部42が外れる。これにより、軸20が正面連結部16側へとスライド可能になる。そして、軸20を正面連結部16側へとスライドさせることで、ベルト留め具30の開放端部32を正面連結部14とベルト60aとの間から抜くことができる。ベルト留め具30の開放端部32が正面連結部14とベルト60aとの間から抜ければ、ベルト留め具30を回転させることができる。ベルト留め具30を回転させることにより、ベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出す押圧力と摩擦力が無くなり、正面側ベルト部分60aをバックル100から抜くことができる。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、ベルト留め具30の凸部34によりベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出すようにベルトを押圧するので、ベルトに歯型を残さずに固定できる。さらに、軸20と正面連結部16との間に留め具固定具40を挟み込むことでベルト留め具30の抜けを防止できるので、ベルト留め具30が外力を受けても抜けることがなくベルトの緩みを防止できる。
実施の形態3.
実施の形態2では、軸20をベルト留め具30と留め具固定具40に入れる際に、ベルト留め具30と留め具固定具40の孔部を拡げて弾性変形させる事により、軸表面を外周方向より締付けて発生させる摩擦力で軸と前記両回転部材との間の回転に抵抗を増やす。またはベルト留め具30と留め具固定具40のどちらか一方を溶接などにより軸に固定することで留め具固定具40が容易に回転して外れないようにしているが、実施の形態3では、留め具の一部に形成した弾性体部位35を留め具固定具40に押し付ける事により、留め具固定具40を軸20と第1の連結部16の間で保持する場合を説明する。
図8は、実施の形態3における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。留め具固定具40の軸通し穴付近に位置するベルト留め具30の一部にバネ状(弾性体)突起部35が配置された点以外は、図4と同様である。ベルト62の固定方法は、以下の通りである。図8に示すように、ベルト62がバックル本体内17内を通るように、ベルト62の一端を背面板部10aにネジ11で固定し、ベルト62の他端を正面連結部14と背面板部10との間から差し込み、正面連結部16と背面板部10との間を抜けてバックル本体17内を通過させることによりバックル本体17内でベルト62を2重(背面側ベルト部分60a,正面側ベルト部分60b)に重なり合わせる。かかる段階でベルトの長さをユーザの胴囲に合うように調整する。そして、ベルト62が2重に重なった状態で、ベルト留め具30を正面連結部316側に寄せてから、ベルト留め具30の凸部34によりベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出しながら、正面連結部14側に軸20を側面板部12(ここでは断面なので側面板部12aを示す)のスリット13(ここではスリット13aは留め具固定具の陰に隠れて見えていない)内でスライドさせる。言い換えれば、ベルト留め具30は、一対の側面板部12a,12bと垂直をなす軸20回りに起倒可能に配置される。正面連結部14側に軸20をスライドさせることによってベルト留め具30の開放端部32を正面連結部14と背面板部10との間に移動させる。実際には、ベルト留め具30の開放端部32を正面連結部14とベルト60aとの間に差し込む。次に、ベルト留め具30の開放端部32が正面連結部14とベルト60aとの間に位置する状態で、軸20に固定された留め具固定具40を回転させて軸20と正面連結部16との間に留め具固定具40の自由端部42を挟み込む。このように自由端部42と正面連結部16が接近する角度の時、ベルト留め具30に設けたバネ状(弾性体)突起部35に留め具固定具40の端部が接触してバネ状(弾性体)突起部35を少しだけ大きく弾性変形させることで弾性体の反発力によりバネ状突起部35と留め具固定具40との間に摩擦力も大きくなり、留め具固定具40とベルト留め具30とが成す角度が維持される。これにより留め具固定具40の自由端部42を正面連結部16と接触する位置に固定する。言い換えれば、実施の形態3におけるバックル100は、ベルト留め具30(第1の回転部材)と留め具固定具40(第2の回転部材)とが成す角度をバネ状(弾性体)突起部35によって維持可能に配置した。このようにして、軸20と正面連結部16との間に留め具固定具40を挟み込むことで、軸20が正面連結部16側へとスライドできないように軸20を拘束する。これにより、ベルト留め具30が正面連結部16側へとスライドできないように拘束されることになる。
これにより、ベルト留め具30の開放端部32が正面連結部14とベルト60aとの間から抜けることを防止できる。ベルト留め具30の開放端部32が正面連結部14とベルト60aとの間から抜けなければ、凸部34によって、ベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出した状態が維持されるので、摩擦によりベルト62を固定できる。以上のようにして、実施の形態3におけるバックル100では、ベルト62が固定される。
以上のように、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様、ベルト留め具30の凸部34によりベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出すようにベルトを押圧するので、ベルトに歯型を残さずに固定できる。さらに、軸20と正面連結部16との間に留め具固定具40を挟み込むことでベルト留め具30の抜けを防止できるので、ベルト留め具30が外力を受けても抜けることがなくベルトの緩みを防止できる。
実施の形態4.
図9は、実施の形態4における衣服ベルト用バックルの底面方向から見た断面構成の一例を示す図である。実施の形態4では、上述した留め具固定具40の代わりに、背面側部材45に貼り合わせた正面側板材43(板材部分)の長さを背面側部材45よりも若干長くした留め具固定具41を配置する。例えば、4〜7mm長くする。これにより、図9に示すように、留め具固定具41の背面側部材45を軸20と正面連結部16との間に挟み込んだ際に正面側板材43の開放端部が正面連結部16の上(正面側)に載ることになる。これにより、留め具固定具41の回転を拘束し、留め具固定具41がバックル本体内部に入り込み過ぎないようにすることができる。なお、正面側板材43もしくはその先端部を強磁性体(例えばフェライト系やマルテンサイト系ステンレス鋼など)とし、正面側板材43が正面連結部16に当接する位置の例えば正面連結部16側に強力な永久磁石70を配置することで、正面側板材43を正面連結部16の表面から離れないようにして、留め具固定具41の回転を拘束することで留め具固定具41の外れを防止しても好適である。言い換えれば、正面側板材43(板材部)と永久磁石との間での吸引力により留め具固定具41と正面連結部16(第2の連結部)が、引き付け合うようにして留め具固定具41を拘束する。
実施の形態2〜4において、ベルト62を外す場合には、留め具固定具40(または留め具固定具41)の凸部44(または表面板材43)の背面に指を差し込み、指で凸部44(または表面板材43)を正面側に引くことで、留め具固定具40(留め具固定具41)が回転し、軸20と正面連結部16との間から留め具固定具40(または留め具固定具41)が外れる。これにより、軸20が正面連結部16側へとスライド可能にできる。そして、軸20を正面連結部16側へとスライドさせることで、ベルト留め具30の開放端部32を正面連結部14とベルト60aとの間から抜くことができる。ベルト留め具30の開放端部32が正面連結部14とベルト60aとの間から抜ければ、ベルト留め具30を回転させることができる。ベルト留め具30を回転させることにより、ベルト62の2重に重なった部分をスリット50から外側に押し出す押圧力が無くなり、正面側ベルト部分60bをバックル本体17から抜くことができる。
以上のように、実施の形態1〜4によれば、ベルトに歯型を残さず、かつ装着時でのベルトの緩みを防止すると共に、バックル本体の厚みを薄くしつつ、より確実にベルトを固定することが可能なバックルを提供する。同時に、スライドさせる移動距離を小さくすることによりバックルの小型化も可能となる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての衣服ベルト用バックルは、本発明の範囲に包含される。
10 背面板部
11 ネジ
12 側面板部
13 スリット
14,16 正面連結部
17 バックル本体
20 軸
30 ベルト留め具
32 開放端部
34 凸部
40,41 留め具固定具
42 自由端部
43 正面側板材
44 凸部
45 背面側部材
50 スリット
60 ベルト部分
62 ベルト
70 永久磁石
100 バックル
300 バックル
310 背面板部
311 ネジ
312 側面板部
313 スリット
314,316 正面連結部
320 軸
330 ベルト留め具
332 開放端部
334 凸部
336 フック
350 スリット
360 ベルト部分
362 ベルト

Claims (8)

  1. 開口部が形成された背面板部と、前記背面板部の対向する2辺に連結する第1と第2の側面板部と、それぞれが前記背面板部の板面と隙間を空けて前記第1と第2の側面板部間を連結する第1と第2の連結部と、を有する本体と、前記第1と第2の側面板部間に配置され、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に前記第1と第2の側面板部に支持される軸と、
    前記軸を支点に回転可能に前記軸に支持され、凸部を有するように形成され、前記凸部を前記背面板部の前記開口部に向けて回転させた状態で前記軸を前記第1の連結部側にスライドさせることによって、前記軸に支持された側とは反対側の自己の開放端部が前記第1の連結部と前記背面板部との間に配置可能な回転部材と、
    を備え、
    衣服ベルトが2重に重なった状態で前記本体内を通過させるように配置し、
    前記回転部材の回転によって前記凸部により前記2重になった前記衣服ベルトを前記開口部から押し出すように屈曲させた状態で前記軸を前記第1の連結部側にスライドさせることによって、前記回転部材の前記開放端部が前記第1の連結部と前記衣服ベルトとの間に差し込まれ、
    前記回転部材の開放端部を前記第1の連結部と前記衣服ベルトとの間からスライドさせて抜き出す場合に、屈曲させられながら圧縮された前記衣服ベルトにより前記回転部材の凸部が前記第1の連結部側に押し戻されるように、凸部と背面板部の位置関係が形成されることを特徴とする衣服ベルト用バックル。
  2. 前記衣服ベルトが前記開口部を跨ぐように前記本体内に配置された状態で前記衣服ベルトの一端側が前記背面板部に固定され、
    前記衣服ベルトの他端を前記第1の連結部と前記背面板部との間から差し込み前記本体内を通過させることにより前記本体内で前記衣服ベルトが2重に重なった状態で、前記回転部材の前記凸部により前記衣服ベルトの2重に重なった部分を前記開口部から外側に押し出しながら、前記第1の連結部側に前記軸をスライドさせることによって前記第1の回転部材の開放端部を前記第1の連結部と前記背面板部との間に移動させ、
    前記第1の回転部材の開放端部が前記第1の連結部と前記背面板部との間に位置する状態を維持するように、屈曲させられたベルトにより前記回転部材の凸部が前記第1の連結部側に押し戻される位置関係に、前記凸部と前記背面板部の前記開口部の辺とが配置されることで、前記衣服ベルトを固定することを特徴とする請求項1記載の衣服ベルト用バックル。
  3. 開口部が形成された背面板部と、前記背面板部の対向する2辺に連結する第1と第2の側面板部と、それぞれが前記背面板部の板面と隙間を空けて前記第1と第2の側面板部間を連結する第1と第2の連結部と、を有する本体と、
    前記第1と第2の側面板部間に配置され、軸方向と直交する方向に向かってスライド可能に前記第1と第2の側面板部に支持される軸と、
    前記軸を支点に回転可能に前記軸に支持され、凸部を有するように形成され、前記凸部を前記背面板部の前記開口部に向けて回転させた状態で前記軸を前記第1の連結部側にスライドさせることによって、支持された側とは反対側の自己の開放端部が前記第1の連結部と前記背面板部との間に配置可能な第1の回転部材と、
    前記軸を支点に回転可能に、前記第1の回転部材とは独立して前記軸に支持され、前記第1の回転部材の開放端部が前記第1の連結部と前記背面板部との間に位置する状態で、回転させて前記軸と前記第2の連結部との間に自己を挟み込むことによって、前記第2の連結部側への前記第1の回転部材の移動を拘束する第2の回転部材と、
    を備えたことを特徴とする衣服ベルト用バックル。
  4. 衣服ベルトが前記開口部を跨ぐように前記本体内に配置された状態で前記衣服ベルトの一端側が前記背面板部に固定され、
    前記衣服ベルトの他端を前記第1の連結部と前記背面板部との間から差し込み前記本体内を通過させることにより前記本体内で前記衣服ベルトが2重に重なった状態で、前記第1の回転部材の前記凸部により前記衣服ベルトの2重に重なった部分を前記開口部から外側に押し出しながら、前記第1の連結部側に前記軸をスライドさせることによって前記第1の回転部材の開放端部を前記第1の連結部と前記背面板部との間に移動させ、
    前記第1の回転部材の開放端部が前記第1の連結部と前記背面板部との間に位置する状態で、前記第2の回転部材を回転させて前記軸と前記第2の連結部との間に前記第2の回転部材を挟み込むことで、前記衣服ベルトを固定することを特徴とする請求項3記載の衣服ベルト用バックル。
  5. 前記第1と第2の回転部材は、それぞれ前記軸を通す軸通し穴を有し、
    前記軸を前記第1と第2の回転部材の軸通し穴に通過させる場合に、前記第1と第2の回転部材の軸通し穴を拡げて弾性変形させる事により軸表面を外周方向より締付けて前記第1と第2の回転部材の回転の抵抗を増やすことを特徴とする請求項3又は4記載の衣服ベルト用バックル。
  6. 前記第1と第2の回転部材は、それぞれ前記軸を通す軸通し穴を有し、
    前記軸を前記第1と第2の回転部材の軸通し穴に通過させる場合に、前記第1と第2の回転部材の一方を前記軸に固定することを特徴とする請求項3又は4記載の衣服ベルト用バックル。
  7. 前記第1の回転部材は、弾性体を有し、
    前記第2の回転部材を前記軸と前記第2の連結部との間に挟み込んだ状態で、前記第1の回転部材の弾性体の部位を、前記第2の回転部材に押付け、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが成す角度を調整可能に配置したことを特徴とする請求項3又は4記載の衣服ベルト用バックル。
  8. 前記第2の回転部材は、水平な強磁性体の板材部を有し、
    前記第2の連結部には永久磁石が配置され、
    前記板材部と前記永久磁石との間での吸引力により前記第2の回転部材と前記第2の連結部が、くっ付くことで前記第2の回転部材の回転を拘束することを特徴とする請求項3又は4記載の衣服ベルト用バックル。
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