JP7088639B2 - 半導体装置、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置、及びその製造方法に関する。
半導体装置における半導体パッケージ手法には、様々な方法がある。半導体パッケージ手法としては、例えば、半導体チップを封止材(モールド樹脂)で覆って素子封止材を形成し、更に、半導体チップと電気的に接続する再配線層を形成するというパッケージング手法がある。半導体パッケージ手法の中でも、近年、ファンナウト(Fan-Out)という半導体パッケージ手法が主流となっている。
ファンナウト型の半導体パッケージでは、半導体チップを封止材で覆うことにより半導体チップのチップサイズよりも大きいチップ封止体を形成する。更に、半導体チップ及び封止材の領域にまで及ぶ再配線層を形成する。再配線層は、薄い膜厚で形成される。また、再配線層は、封止材の領域まで形成できるため、外部接続端子の数を多くすることができる。
例えば、ファンナウト型の半導体装置としては、下記の特許文献1が知られている。
特開2011-129767号公報
ファンナウト型の半導体装置には、再配線層中の層間絶縁膜と封止材との間に高い密着性が求められる。しかし、従来のファンナウト型の半導体装置は、再配線層中の層間絶縁膜と封止材との間の密着性が十分ではなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、再配線層中の層間絶縁膜と封止材の密着性に優れる半導体装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置の一態様は、半導体チップと、前記半導体チップを覆う封止材と、平面視で前記半導体チップよりも面積が大きい再配線層と、を備え、前記封止材は、硬化したエポキシ樹脂を含み、前記再配線層の層間絶縁膜の波長1310nmにおける面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0150未満であることを特徴とする。
本発明の半導体装置の一態様において、前記封止材は、前記層間絶縁膜と直接接することが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記層間絶縁膜は、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、及び、フェノール性水酸基を有するポリマーから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記層間絶縁膜は、以下の一般式(1)の構造を含むポリイミドを含むことが好ましい。
Figure 0007088639000001
(一般式(1)中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、mは1以上の整数である。)
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(1)中のXが、芳香族環を含む4価の有機基であり、前記一般式(1)中のYが、芳香族環を含む2価の有機基であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(1)中のXは、下記一般式(2)~一般式(4)で表される少なくとも1つの構造を含むことが好ましい。
Figure 0007088639000002
Figure 0007088639000003
Figure 0007088639000004
(一般式(4)中、R9は酸素原子、硫黄原子、または2価の有機基である。)
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(1)中のXは、下記一般式(5)で表される構造を含むことが好ましい。
Figure 0007088639000005
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(1)中のYは、下記一般式(6)~一般式(8)で表される少なくとも1つの構造を含むことが好ましい。
Figure 0007088639000006
(R10、R11、R12及びR13は、水素原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基又は水酸基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0007088639000007
(R14~R21は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の有機基又は水酸基であり、互いに異なっていても、同一であってもよい。)
Figure 0007088639000008
(R22は2価の基であり、R23~R30は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基又は水酸基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(1)中のYは、下記一般式(9)で表される構造を含むことが好ましい。
Figure 0007088639000009
本発明の半導体装置の一態様において、前記ポリベンゾオキサゾールが、以下の一般式(10)の構造を含むポリベンゾオキサゾールを含むことが好ましい。
Figure 0007088639000010
(一般式(10)中、UとVは、2価の有機基である。)
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(10)のUは、炭素数1~30の2価の有機基であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(10)のUは、炭素数1~8で且つ水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された鎖状アルキレン基であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(10)のVは、芳香族基を含む2価の有機基であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(10)のVは、下記一般式(6)~(8)で表される少なくとも1つの構造を含むことが好ましい。
Figure 0007088639000011
(R10、R11、R12及びR13は、水素原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0007088639000012
(R14~R21は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の有機基であり、互いに異なっていても、同一であってもよい。)
Figure 0007088639000013
(R22は2価の基であり、R23~R30は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(10)のVは、下記一般式(9)で表される構造を含むことが好ましい。
Figure 0007088639000014
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(10)のVは、炭素数1~40の2価の有機基であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記一般式(10)のVは、炭素数1~20の2価の鎖状脂肪族基であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記フェノール性水酸基を有するポリマーが、ノボラック型フェノール樹脂を含むことが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記フェノール性水酸基を有するポリマーが、不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂と不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂を含むことが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記再配線層は、前記再配線層を断面視したときに、第1の層間絶縁膜層と、第2の層間絶縁膜層と、前記第1の層間絶縁膜層及び前記第2の層間絶縁膜層とは異なる層で前記第1の層間絶縁膜層と前記第2の層間絶縁膜層の間に設けられた中間層と、を含むことが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記第1の層間絶縁膜層は、前記封止材と接しており、前記第1の層間絶縁膜層の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0150未満であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記第2の層間絶縁膜層は、前記第1の層間絶縁膜層とは異なる組成であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記第2の層間絶縁膜層の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値は、前記第1の層間絶縁膜層の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値と異なることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記半導体装置が、ファンアウト型のウェハレベルチップサイズパッケージ型の半導体装置であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0145以下であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0140以下であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0135以下であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0130以下であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0120以下であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0005以上であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0010以上であることが好ましい。
本発明の半導体装置の一態様において、前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0015以上であることが好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法の一態様は、半導体チップを封止材で覆う工程と、平面視で前記半導体チップよりも面積が大きく、且つ、層間絶縁膜を含む再配線層を形成する工程を含み、前記封止材は、硬化させたエポキシ樹脂を含み、前記層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0150未満であることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法の一態様において、前記層間絶縁膜を、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、フェノール性水酸基を有するポリマーの少なくとも1つの化合物を形成可能な感光性樹脂組成物で形成する層間絶縁膜形成工程を含むことが好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法の一態様において、前記層間絶縁膜形成工程は、前記層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0150未満となるように添加剤で調整された前記感光性樹脂組成物で前記層間絶縁膜を形成する工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、再配線層中の層間絶縁膜と封止材の密着性に優れる半導体装置、及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態の半導体装置の断面模式図である。 本実施形態の半導体装置の平面模式図である。 本実施形態の半導体装置の製造工程の一例である。 フリップチップBGAと、ファンナウト(Fan-Out)型WLCSPとの比較図である。
以下、本発明の半導体装置の一実施形態(以下、「実施形態」と略記する。)について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(半導体装置)
図1は、本実施形態の半導体装置の断面模式図である。図1に示すように、半導体装置(半導体IC)1は、半導体チップ2と、半導体チップ2を覆う封止材(モールド樹脂)3と、半導体チップ2及び封止材3と密着する再配線層4と、を有して構成される。
図1に示すように、封止材3は、半導体チップ2の表面を覆うと共に、平面視(A矢視)にて、半導体チップ2の領域よりも大きい面積にて形成されている。
再配線層4は、半導体チップ2に設けられた複数の端子2aに電気的に接続される複数の配線5と、配線5の間を埋める層間絶縁膜6とを有して構成される。半導体チップ2に設けられた複数の端子2aと再配線層4内の配線5は電気的に接続されている。配線5の一端が端子2aに接続され、他端が外部接続端子7に接続される。端子2aと外部接続端子7の間の配線5は全面に渡って層間絶縁膜6に覆われている。
図1に示すように、平面視(A矢視)にて、再配線層4は、半導体チップ2よりも大きく形成されている。図1に示す半導体装置1は、ファンナウト(Fan-Out)型のウェハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)型の半導体装置である。ファンナウト型の半導体装置では、再配線層4中の層間絶縁膜6は、半導体チップ2のみならず封止材3とも密着する。半導体チップ2は、シリコン等などの半導体から構成されており、内部に回路が形成されている。
(再配線層)
再配線層4は、主に、配線5と配線5の周りを覆う層間絶縁膜6から構成される。層間絶縁膜6は、配線5との意図しない導通を防止するとの観点から、絶縁性が高い部材であることが好ましい。
ここで、本実施形態における「再配線層4」とは、上記したように、配線5と層間絶縁膜6とを有する薄膜の層であり、インターポーザーやプリント配線板を含まない。図4は、フリップチップBGAと、ファンナウト(Fan-Out)型WLCSPとの比較図である。半導体装置(半導体IC)1(図1参照)は再配線層4を使用しているため、図4に示す通り、フリップチップBGA等のインターポーザーが使用される半導体装置と比較して薄い。
本実施形態では、再配線層4の膜厚を、3~30μm程度とすることができる。再配線層4の膜厚は1μm以上でもよく、5μm以上でもよく、10μm以上でもよい。また、再配線層4の膜厚は40μm以下でもよく、30μm以下でもよく、20μm以下でもよい。
半導体装置1を平面視(A矢視)した場合、以下の図2のようになる。図2は、本実施形態の半導体装置の平面模式図である。なお、封止材3は、省略されている。
図2に示す半導体装置1(図1参照)は、再配線層4の面積S1が、半導体チップ2の面積S2よりも大きくなるように構成されている。再配線層4の面積S1に特に限定は無いが、外部接続端子の数を多くするとの観点から、再配線層4の面積S1は、半導体チップ2の面積S2の1.05倍以上であることが好ましく、1.1倍以上であることが好ましく、1.2倍以上であることがより好ましく、1.3倍以上であることが特に好ましい。上限については特に限定は無いが、再配線層4の面積S1は、半導体チップ2の面積S2の50倍以下であってもよく、25倍以下であってもよく、10倍以下であってもよく、5倍以下であってもよい。なお、図2において、半導体チップ2に覆われている再配線層4の部分の面積も再配線層4の面積S1に含まれる。
また、半導体チップ2及び再配線層4の外形は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。図2では、半導体チップ2及び再配線層4の外形が、共に矩形の相似形状であるが、形状は、矩形以外であってもよい。
再配線層4は1層でもよく、2層以上の多層でもよい。再配線層4は、配線5と、配線5の間を埋める層間絶縁膜6とを含むが、再配線層4中に層間絶縁膜6のみから構成される層や配線5のみから構成される層が含まれていてもよい。
配線5は、導電性が高い部材であれば特に限定は無いが、一般に銅が使用される。
(封止材)
封止材3の材料には特に限定は無いが、エポキシ樹脂が、耐熱性、層間絶縁膜との密着性の観点から好ましい。
図1に示すように、封止材3は、半導体チップ2、及び、再配線層4に直接接していることが好ましい。これにより、半導体チップ2の表面から再配線層4の表面に至る封止性を効果的に向上させることができる。
封止材3は、単層であってもよいし、複数の層が積層された構成でもよい。封止材3が積層構造の場合、同種の材料の積層構造でも、異なる材料の積層構造でもよい。
(層間絶縁膜)
本実施形態では、層間絶縁膜6の面内屈折率と面外屈折率の差が0.0150未満であることを特徴としている。ここで面内屈折率とは、厚みz、幅x、長さyの層間絶縁膜6のx方向とy方向の波長1310nmにおける屈折率の平均値である。面外屈折率とはz方向の波長1310nmにおける屈折率である。以下、波長1310nmにおける面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値を屈折率差とする。
なお、層間絶縁膜6の幅x方向とは図2における層間絶縁膜6の平面方向であり、長さy方向とは図2における層間絶縁膜6の平面方向で且つ幅x方向に垂直な方向であり、厚みz方向とは、幅x方向及び長さy方向に垂直な方向とする。
屈折率差が0.0150未満であると層間絶縁膜6と封止材3の高温処理時の密着性に優れる。その理由は定かではないが、本発明者らは、以下のように推測する。
ファンナウト型の半導体装置1(図1参照)の製造過程で、再配線層4を形成するために、半導体チップ2及び封止材3から構成されるチップ封止体上に、感光性樹脂組成物を塗布する。続いて、感光性樹脂組成物を、i線を含む光で露光する。その後、感光性樹脂組成物を現像、硬化することで、感光性樹脂組成物の硬化物がある部分と無い部分を選択的に形成する。感光性樹脂組成物の硬化物は、層間絶縁膜6となる。また、感光性樹脂組成物の硬化物が無い部分には、配線5が形成される。通常、再配線層4は多層になることが多い。即ち、層間絶縁膜6と配線5の上に更に感光性樹脂組成物が塗布、露光、現像、及び硬化される。
ところで、層間絶縁膜6と配線5を形成する工程では、製造方法によっては、リフロー工程が含まれる場合がある。リフロー工程では、長い時間封止材に熱をかけると、封止材からガスが発生する可能性がある。層間絶縁膜6が面内方向に分子鎖がきちんと並んでおり、パッキングされている場合、即ち、屈折率差が大きい場合、封止材から発生したガスが層間絶縁膜6を通過できず、外に逃げにくい。そのため、封止材3と層間絶縁膜6との界面にガスがたまり、封止材3と層間絶縁膜6が剥離しやすくなる。特に、エポキシ樹脂は、高温熱履歴によりガスが発生しやすい。したがって、封止材3にエポキシ樹脂を用いた場合、層間絶縁膜6と封止材3の密着性の低下が促進すると考えられる。
本実施形態の層間絶縁膜6は、屈折率差が0.0150未満と小さく、層間絶縁膜6の分子鎖のランダム性が高い。このため、本実施形態では、層間絶縁膜6からガスが抜けやすく、封止材3からガスが発生しやすい条件下であっても、層間絶縁膜6と封止材3の剥離が少なく、密着性が高いと推測する。
層間絶縁膜6の屈折率差は層間絶縁膜6と封止材3の高温処理後の密着性の観点から、0.0150未満であることが好ましく、0.0145以下であることが好ましく、0.0140以下であることが好ましく、0.0135以下であることが好ましく、0.0130以下であることが好ましく、0.0125以下であることが好ましく、0.0120以下であることが好ましく、0.0115以下であることが好ましく、0.0110以下であることが好ましく、0.0095以下であることが好ましく、0.0090以下であることが好ましく、0.0085以下であることが好ましく、0.0080以下であることが好ましく、0.0075以下であることが好ましく、0.0070以下であることが好ましく、0.0065以下であることが好ましく、0.0060以下であることが好ましく、0.0055以下であることが好ましく、0.0050以下であることが好ましく、0.0045以下であることが好ましく、0.0040以下であることが好ましく、0.0035以下であることが好ましく、0.0030以下であることが好ましく、0.0025以下であることが好ましく、0.0020以下であることが好ましく、0.0010以下であることが好ましい。
また、層間絶縁膜6の屈折率差の下限については特に限定は無いが、0.0000以上でもよく、0.0005以上であってもよく、0.0010以上であってもよく、0.0015以上であってもよい。
また、再配線層4中の層間絶縁膜6は多層であってもよい。即ち、再配線層4は、再配線層4を断面視した際に、第1の層間絶縁膜層と、第2の層間絶縁膜層と、第1の層間絶縁膜層及び前記第2の層間絶縁膜層とは異なる層で第1の層間絶縁膜層と第2の層間絶縁膜層の間に設けられた中間層を含んでいてもよい。中間層とは例えば配線5である。
第1の層間絶縁膜層と第2の層間絶縁膜層は同じ組成であってもよく異なる組成であってもよい。第1の層間絶縁膜層と第2の層間絶縁膜層は同じ屈折率差であってもよく異なる屈折率差であってもよい。第1の層間絶縁膜層と第2の層間絶縁膜層は同じ膜厚であってもよく、異なる膜厚であってもよい。第1の層間絶縁膜層と第2の層間絶縁膜層が異なる組成や異なる屈折率差や異なる膜厚であると、各層間絶縁膜層に異なる性質を持たせることが可能となり、好ましい。
層間絶縁膜6が多層の場合、複数ある層のうち、少なくとも1層の層間絶縁膜6の屈折率差が0.0150未満であればよいが、封止材3と層間絶縁膜層の間がガスにより剥離しやすいため、封止材3と接する層間絶縁膜層の層間絶縁膜6の屈折率差が0.0150未満であることが好ましい。封止材3に接する層間絶縁膜層の層間絶縁膜6の屈折率差が0.0150未満であると、封止材3で発生したガスを効率よく抜くことが可能となる。
各層間絶縁膜層の好ましい屈折率差は、層間絶縁膜6の好ましい屈折率差と同じである。
(層間絶縁膜の組成)
層間絶縁膜6の組成には特に限定はないが、例えば、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、又は、フェノール性水酸基を有するポリマーから選択される少なくとも1つの化合物を含む膜であることが好ましい。
(層間絶縁膜を形成する樹脂組成物)
層間絶縁膜6の形成に用いる樹脂組成物は、感光性の樹脂組成物であれば特に限定はないが、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、又は、フェノール性水酸基を有するポリマーから選択される少なくとも1つの化合物を含む感光性樹脂組成物であることが好ましい。層間絶縁膜6の形成に用いる樹脂組成物は、液体状でもフィルム状でもよい。また、層間絶縁膜6の形成に用いる樹脂組成物は、ネガ型の感光性樹脂組成物でも、ポジ型の感光性樹脂組成物でもよい。
本実施形態では、感光性樹脂組成物を露光、及び、現像した後のパターンをレリーフパターンといい、レリーフパターンを加熱硬化したものを硬化レリーフパターンという。この硬化レリーフパターンが、層間絶縁膜6となる。
<ポリイミド前駆体組成物>
(A)感光性樹脂
ポリイミド前駆体組成物に用いる感光性樹脂としては、ポリアミド、ポリアミド酸エステル等を挙げることができる。例えば、ポリアミド酸エステルとしては、下記一般式(11)で表される繰り返し単位を含むポリアミド酸エステルを用いることができる。
Figure 0007088639000015
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~30の飽和脂肪族基、芳香族基、炭素炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基、又は、炭素炭素不飽和二重結合を有する一価のイオンである。Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、mは1以上の整数である。mは2以上が好ましく、5以上がより好ましい。
上記一般式(11)の、R及びRが一価の陽イオンとして存在するとき、Oは、負の電荷を帯びる(-Oとして存在する)。また、XとYは、水酸基を含んでいてもよい。
一般式(11)中のR及びRは、より好ましくは、下記一般式(12)で表される1価の有機基、又は、下記一般式(13)で表される1価の有機基の末端にアンモニウムイオンを有する構造である。
Figure 0007088639000016
(一般式(12)中、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~5の有機基であり、そしてm1は、1~20の整数である。)
Figure 0007088639000017
(一般式(13)中、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~5の有機基であり、そしてm2は、1~20の整数である。)
一般式(11)で表されるポリアミド酸エステルを複数混合してもよい。また、一般式(11)で表されるポリアミド酸エステル同士を共重合させたポリアミド酸エステルを用いてもよい。
に特に限定は無いが、層間絶縁膜6と封止材3との密着性の観点から、Xは芳香族基を含む4価の有機基であることが好ましい。具体的には、Xは、下記一般式(2)~一般式(4)で表される少なくとも1つの構造を含む4価の有機基であることが好ましい。
Figure 0007088639000018
Figure 0007088639000019
Figure 0007088639000020
(一般式(4)中、R9は酸素原子、硫黄原子、2価の有機基のいずれかである。)
一般式(4)中のR9は、例えば、炭素数1~40の2価の有機基やハロゲン原子である。R9は水酸基を含んでもよい。
層間絶縁膜6と封止材3との密着性の観点から、Xは下記一般式(5)で表される構造を含む4価の有機基が特に好ましい。
Figure 0007088639000021
に特に限定は無いが、層間絶縁膜6と封止材3との密着性の観点から、Yは芳香族基を含む2価の有機基であることが好ましい。具体的には、Yは、下記一般式(6)~一般式(8)で表される少なくとも1つの構造を含む2価の有機基であることが好ましい。
Figure 0007088639000022
(R10、R11、R12及びR13は、水素原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0007088639000023
(R14~R21は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の有機基であり、互いに異なっていても、同一であってもよい。)
Figure 0007088639000024
(R22は2価の基であり、R23~R30は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(8)中のR22は、例えば、炭素数1~40の2価の有機基やハロゲン原子である。
層間絶縁膜6と封止材3との密着性の観点から、Yは、下記一般式(9)で表される構造を含む2価の有機基が特に好ましい。
Figure 0007088639000025
上記ポリアミド酸エステルにおいて、その繰り返し単位中のXは、原料として用いるテトラカルボン酸二無水物に由来し、Yは原料として用いるジアミンに由来する。
原料として用いるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、ジフェニルエーテル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)プロパン、2,2-ビス(3,4-無水フタル酸)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
原料として用いるジアミンとしては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノビフェニル、3,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、9,10-ビス(4-アミノフェニル)アントラセン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(3-アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト-トリジンスルホン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン等が挙げられる。また、これらのベンゼン環上の水素原子の一部が置換されたものであってもよい。また、これらは単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリアミド酸エステル(A)の合成においては、通常、後述するテトラカルボン酸二無水物のエステル化反応を行って得られたテトラカルボン酸ジエステルを、そのままジアミンとの縮合反応に付す方法が好ましく使用できる。
上記のテトラカルボン酸二無水物のエステル化反応に用いるアルコール類は、オレフィン性二重結合を有するアルコールである。具体的には、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-メタクリロイルオキシエチルアルコール、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのアルコール類は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態に用いるポリアミド酸エステル(A)の具体的な合成方法に関しては、従来公知の方法を採用することができる。合成方法については、例えば、国際公開第00/43439号パンフレットに示されている方法を挙げることができる。すなわち、テトラカルボン酸ジエステルを、一度テトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物に変換し、該テトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物とジアミンを塩基性化合物の存在下で縮合反応に付し、ポリアミド酸エステル(A)を製造する方法を挙げることができる。また、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを有機脱水剤の存在下で縮合反応に付す方法によってポリアミド酸エステル(A)を製造する方法を挙げることができる。
有機脱水剤の例としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジエチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、エチルシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1-シクロヘキシル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などが挙げられる。
本実施形態に用いるポリアミド酸エステル(A)の重量平均分子量は、6000~150000であることが好ましく、7000~50000であることがより好ましく、7000~20000であることがより好ましい。
(B1)光開始剤
層間絶縁膜6の形成に用いる樹脂組成物がネガ型の感光性樹脂の場合、光開始剤を添加する。光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、及びフルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、及び2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン等のアセトフェノン誘導体、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、及びジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール及び、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、2,6-ジ(4’-ジアジドベンザル)-4-メチルシクロヘキサノン、及び2,6’-ジ(4’-ジアジドベンザル)シクロヘキサノン等のアジド類、1-フェニル-1,2-ブタンジオン-2-(O-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニルプロパンジオン-2-(O-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニルプロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニルプロパンジオン-2-(O-ベンゾイル)オキシム、1,3-ジフェニルプロパ
ントリオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-3-エトキシプロパントリオン-2-(O-ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N-フェニルグリシンなどのN-アリールグリシン類、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸化物類、芳香族ビイミダゾール類、並びにチタノセン類などが用いられる。これらのうち、光感度の点で上記オキシム類が好ましい。
これらの光開始剤の添加量は、ポリアミド酸エステル(A)100質量部に対し、1~40質量部が好ましく、2~20質量部がより好ましい。光開始剤をポリアミド酸エステル(A)100質量部に対し1質量部以上添加することで、光感度に優れる。また、40質量部以下添加することで厚膜硬化性に優れる。
(B2)光酸発生剤
層間絶縁膜6の形成に用いる樹脂組成物がポジ型の感光性樹脂の場合、光酸発生剤を添加する。光酸発生剤を含有することにより、紫外線露光部に酸が発生し、露光部のアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する。これにより、ポジ型感光性樹脂組成物として用いることができる。
光酸発生剤としては、キノンジアジド化合物、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩などが挙げられる。この中でも優れた溶解抑止効果を発現し、高感度のポジ型感光性樹脂組成物を得られるという点から、キノンジアジド化合物が好ましく用いられる。また、光酸発生剤を2種以上含有してもよい。
(C)添加剤
層間絶縁膜6の面内屈折率と面外屈折率の差は、添加剤の種類や量で調節することができる。嵩高い構造を有する添加剤を用いると、ポリマー分子鎖間に添加剤が入り込み、ポリマー分子鎖の並びが乱れる。ポリマー分子鎖の並びが乱れることにより、ポリマー分子鎖間の分子間力が低下し、分子鎖が面内方向、面外方向にランダム状に並びやすくなり、面内屈折率と面外屈折率の差を小さくすることができる。嵩高い構造を有する添加剤としては、例えばビシクロ構造を有する添加剤などが挙げられる。屈折率差を小さくする添加剤としては、例えば、ビシクロオクタン、アダマンタンなどが使用できる。また、添加剤の量については目標とする面内屈折率と面外屈折率の差に応じて適宜調整すればよい。この他、レリーフパターンの熱硬化時の温度を低くすることで面内屈折率と面外屈折率の差を小さくすることもできる。
(D)溶媒
各成分が溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。例えば、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、(A)感光性樹脂100質量部に対し、30~1500質量部の範囲で用いることができる。
(E)その他
ポリイミド前駆体組成物には架橋剤を含有させてもよい。架橋剤としては、ポリイミド前駆体組成物を露光、現像した後、加熱硬化する際に、(A)感光性樹脂を架橋し得るか、又は架橋剤自身が架橋ネットワークを形成し得る架橋剤を用いることができる。架橋剤を用いることで、硬化膜(層間絶縁膜)の耐熱性及び耐薬品性を更に強化することができる。
その他、光感度を向上させるための増感剤、基材との接着性向上のための接着助剤等を含んでいてもよい。
(現像)
ポリイミド前駆体組成物を露光した後、不要部分を現像液で洗い流す。使用する現像液としては、特に制限はないが、溶剤で現像を行うポリイミド前駆体組成物の場合には、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、シクロペンタノン、γ-ブチロラクトン、酢酸エステル類等の良溶媒、これら良溶媒と低級アルコール、水、芳香族炭化水素等の貧溶媒との混合溶媒等が用いられる。現像後は必要に応じて貧溶媒等でリンス洗浄を行う。
アルカリ性水溶液で現像を行うポリイミド前駆体組成物の場合には、水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。
(熱硬化)
現像後、露光後のポリイミド前駆体組成物を加熱することにより、ポリイミド前駆体を閉環し、ポリイミドを形成する。このポリイミドが硬化レリーフパターン、即ち、層間絶縁膜6となる。
ポリイミド前駆体組成物の熱硬化のための加熱温度に特に限定は無いが、一般的に加熱硬化温度が低いほど、屈折率差が小さくなる傾向にある。本実施形態の屈折率差である0.0150未満を発現する観点から、当該加熱温度は、200℃以下が好ましく、180℃以下が好ましく、160℃以下が好ましい。
<ポリイミド>
上記ポリイミド前駆体組成物から形成される硬化レリーフパターンの構造は、下記一般式(1)となる。
Figure 0007088639000026
一般式(1)中のX、Y、mは、一般式(11)中のX、Y、mと同じく、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、mは1以上の整数である。一般式(11)中の好ましいX、Y、mは、同じ理由により、一般式(1)のポリイミドにおいても好ましい。
アルカリ可溶性ポリイミドの場合は、ポリイミドの末端を水酸基にしてもよい。
<ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物>
(A)感光性樹脂
ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物に用いる感光性樹脂としては、下記一般式(14)で表される繰り返し単位を含むポリ(o-ヒドロキシアミド)を用いることができる。
Figure 0007088639000027
(一般式(14)中、UとVは2価の有機基である。)
層間絶縁膜6と封止材3との密着性の観点から、Uは、炭素数1~30の2価の有機基であることが好ましく、炭素数1~15の鎖状アルキレン基(但し、鎖状アルキレンの水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい)がより好ましく、炭素数1~8で且つ水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された鎖状アルキレン基が特に好ましい。
また、層間絶縁膜6と封止材3との密着性の観点から、Vは、芳香族基を含む2価の有機基であることが好ましく、より好ましくは下記一般式(6)~一般式(8)で表される少なくとも1つの構造を含む2価の有機基であることが好ましい。
Figure 0007088639000028
(R10、R11、R12及びR13は、水素原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0007088639000029
(R14~R21は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の有機基であり、互いに異なっていても、同一であってもよい。)
Figure 0007088639000030

(R22は2価の基であり、R23~R30は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(8)中のR22は、例えば、炭素数1~40の2価の有機基やハロゲン原子である。
層間絶縁膜6と封止材3との密着性の観点から、Vは、下記一般式(9)で表される構造を含む2価の有機基が特に好ましい。
Figure 0007088639000031
層間絶縁膜6と封止材3との密着性の観点から、Vは、炭素数1~40の2価の有機基が好ましく、炭素数1~40の2価の鎖状脂肪族基がより好ましく、炭素数1~20の2価の鎖状脂肪族基が特に好ましい。
ポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般的にジカルボン酸誘導体とヒドロキシ基含有ジアミン類とから合成できる。具体的には、ジカルボン酸誘導体をジハライド誘導体に変換後、ジアミン類との反応を行うことにより合成できる。ジハライド誘導体としては、ジクロリド誘導体が好ましい。
ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸誘導体にハロゲン化剤を作用させて合成することができる。ハロゲン化剤としては、通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
ジクロリド誘導体を合成する方法としては、ジカルボン酸誘導体と上記ハロゲン化剤を溶媒中で反応させる方法、過剰のハロゲン化剤中で反応を行った後、過剰分を留去する方法等で合成できる。
ジカルボン酸誘導体に使用するジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ジカルボキシビフェニル、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(p-カルボキシフェニル)プロパン、5-tert-ブチルイソフタル酸、5-ブロモイソフタル酸、5-フルオロイソフタル酸、5-クロロイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマロン酸、ジ-n-ブチルマロン酸、スクシン酸、テトラフルオロスクシン酸、メチルスクシン酸、2,2-ジメチルスクシン酸、2,3-ジメチルスクシン酸、ジメチルメチルスクシン酸、グルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、3,3-ジメチルグルタル酸、3-エチル-3-メチルグルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、3-メチルアジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、ピメリン酸、2,2,6,6-テトラメチルピメリン酸、スベリン酸、ドデカフルオロスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、1,9-ノナン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタン二酸、ヘントリアコンタン二酸、ドトリアコンタン二酸、ジグリコール酸等が挙げられる。これらを混合して使用してもよい。
ヒドロキシ基含有ジアミンとしては、例えば、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシビフェニル、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらを混合して使用してもよい。
(B2)光酸発生剤
光酸発生剤は、光照射部のアルカリ水溶液可溶性を増大させる機能を有するものである。光酸発生剤としては、ジアゾナフトキノン化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。このうち、ジアゾナフトキノン化合物は、感度が高く好ましい。
(C)添加剤
好ましい添加剤の種類や量は、ポリイミド前駆体組成物の項目で記載した内容と同じである。
(D)溶媒
各成分を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
(E)その他
ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物は、架橋剤、増感剤、接着助剤、熱酸発生剤等を含むことができる。
(現像)
ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物を露光した後、不要部分を現像液で洗い流す。使用する現像液としては特に制限はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液が好ましいものとして挙げられる。
上記では、ポジ型のポリベンゾオキサゾール前駆体組成物を中心に説明したが、ネガ型
のポリベンゾオキサゾール前駆体組成物であってもよい。
(熱硬化)
現像後、ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物を加熱することによりポリベンゾオキサゾール前駆体を閉環し、ポリベンゾオキサゾールを形成する。このポリベンゾオキサゾールが硬化レリーフパターン、即ち、層間絶縁膜6となる。
ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物の熱硬化のための加熱温度に、特に限定は無いが、他部材への影響の観点から、加熱温度は低い温度であることが好ましい。当該加熱温度は、250℃以下が好ましく、230℃以下がより好ましく、200℃以下がより好ましく、180℃以下が特に好ましい。
<ポリベンゾオキサゾール>
上記ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物から形成される硬化レリーフパターンの構造は、下記一般式(10)となる。
Figure 0007088639000032
一般式(10)中のU、Vは、一般式(14)中のU、Vと同じである。一般式(14)中の好ましいU、Vは、同じ理由により、一般式(10)のポリベンゾオキサゾールにおいても好ましい。
<フェノール性水酸基を有するポリマー>
(A)感光性樹脂
分子中にフェノール性水酸基を有する樹脂であり、アルカリに対して可溶である。その具体例としては、ポリ(ヒドロキシスチレン)等のフェノール性水酸基を有するモノマー単位を含むビニル重合体、フェノール樹脂、ポリ(ヒドロキシアミド)、ポリ(ヒドロキシフェニレン)エーテル、ポリナフトールが挙げられる。
これらの中で、コストが安いことや硬化時の体積収縮が小さいことから、フェノール樹脂が好ましく、ノボラック型フェノール樹脂が特に好ましい。
フェノール樹脂は、フェノール又はその誘導体とアルデヒド類との重縮合生成物である。重縮合は、酸又は塩基等の触媒存在下で行われる。酸触媒を用いた場合に得られるフェノール樹脂を特にノボラック型フェノール樹脂という。
フェノール誘導体としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、アミルフェノール、ベンジルフェノール、アダマンタンフェノール、ベンジルオキシフェノール、キシレノール、カテコール、レゾルシノール、エチルレゾルシノール、ヘキシルレゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、パラロゾール酸、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,4-ビス(3-ヒドロキシフェノキシベンゼン)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2-ヒドロキシ-5-ビフェニルイル)プロパン、ジヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。
アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ピバルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、トリオキサン、グリオキザール、シクロヘキシルアルデヒド、ジフェニルアセトアルデヒド、エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキシル酸、5-ノルボルネン-2-カルボキシアルデヒド、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ナフトアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどが挙げられる。
(A)成分は、(a)不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂と、(b)不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂とを、含むものであることが好ましい。前記(b)成分は、フェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応によって更に変性されているものであることがより好ましい。
また、(b)成分としては、機械特性(破断伸び、弾性率及び残留応力)をより向上できる観点から、炭素数4~100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂を用いることが好ましい。
(b)不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂は、一般に、フェノール又はその誘導体と不飽和炭化水素基を有する化合物(好ましくは炭素数が4~100のもの)(以下、場合により単に「不飽和炭化水素基含有化合物」という。)との反応生成物(以下「不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体」という。)と、アルデヒド類との縮重合生成物、又は、フェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応生成物である。
ここでいうフェノール誘導体は、(A)成分としてのフェノール樹脂の原料として上述したフェノール誘導体と同様のものを用いることができる。
不飽和炭化水素基含有化合物の不飽和炭化水素基は、レジストパターンの密着性及び耐熱衝撃性の観点から、2以上の不飽和基を含むことが好ましい。また、樹脂組成物としたときの相溶性及び硬化膜の可とう性の観点からは、不飽和炭化水素基含有化合物は炭素数8~80のものが好ましく、炭素数10~60のものがより好ましい。
不飽和炭化水素基含有化合物としては、例えば、炭素数4~100の不飽和炭化水素、カルボキシル基を有するポリブタジエン、エポキシ化ポリブタジエン、リノリルアルコール、オレイルアルコール、不飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸エステルである。好適な不飽和脂肪酸としては、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸及びドコサヘキサエン酸が挙げられる。これらの中でも特に、炭素数8~30の不飽和脂肪酸と、炭素数1~10の1価から3価のアルコールとのエステルがより好ましく、炭素数8~30の不飽和脂肪酸と3価のアルコールであるグリセリンとのエステルが特に好ましい。
炭素数8~30の不飽和脂肪酸とグリセリンとのエステルは、植物油として商業的に入手可能である。植物油は、ヨウ素価が100以下の不乾性油、100を超えて130未満の半乾性油又は130以上の乾性油がある。不乾性油として、例えば、オリーブ油、あさがお種子油、カシュウ実油、さざんか油、つばき油、ひまし油及び落花生油が挙げられる。半乾性油として、例えば、コーン油、綿実油及びごま油が挙げられる。乾性油としては、例えば、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油、サフラワー油、ひまわり油、荏の油及び芥子油が挙げられる。また、これらの植物油を加工して得られる加工植物油を用いてもよい。
上記植物油の中で、フェノール若しくはその誘導体又はフェノール樹脂と植物油との反応において、過度の反応の進行に伴うゲル化を防ぎ、歩留まりが向上する観点から、不乾性油を用いることが好ましい。一方、レジストパターンの密着性、機械特性及び耐熱衝撃性が向上する観点では乾性油を用いることが好ましい。乾性油の中でも、本発明による効果をより有効かつ確実に発揮できることから、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油及びサフラワー油が好ましく、桐油及び亜麻仁油がより好ましい。
これらの不飽和炭化水素基含有化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(b)成分を調製するにあたり、まず、上記フェノール誘導体と上記不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させ、不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体を作製する。前記反応は、50~130℃で行うことが好ましい。フェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物との反応割合は、硬化膜(レジストパターン)の可とう性を向上させる観点から、フェノール誘導体100質量部に対し、不飽和炭化水素基含有化合物1~100質量部であることが好ましく、5~50質量部であることがより好ましい。不飽和炭化水素基含有化合物が1質量部未満では、硬化膜の可とう性が低下する傾向があり、100質量部を超えると、硬化膜の耐熱性が低下する傾向がある。上記反応においては、必要に応じて、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。
上記反応により生成する不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体と、アルデヒド類とを重縮合させることにより、不飽和炭化水素基含有化合物によって変性されたフェノール樹脂が生成する。アルデヒド類は、フェノール樹脂を得るために用いられるアルデヒド類として上述したものと同様のものを用いることができる。
上記アルデヒド類と上記不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体との反応は、重縮合反応であり、従来公知のフェノール樹脂の合成条件を用いることができる。反応は、酸又は塩基等の触媒の存在下で行うことが好ましく、酸触媒を用いることがより好ましい。酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、ぎ酸、酢酸、p-トルエンスルホン酸及びシュウ酸が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記反応は、通常反応温度100~120℃で行うことが好ましい。また、反応時間は使用する触媒の種類や量により異なるが、通常1~50時間である。反応終了後、反応生成物を200℃以下の温度で減圧脱水することで不飽和炭化水素基含有化合物によって変性されたフェノール樹脂が得られる。なお、反応には、トルエン、キシレン、メタノール等の溶媒を用いることができる。
不飽和炭化水素基含有化合物によって変性されたフェノール樹脂は、上述の不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体を、m-キシレンのようなフェノール以外の化合物とともにアルデヒド類と重縮合することにより得ることもできる。この場合、フェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる化合物に対するフェノール以外の化合物のモル比は、0.5未満であると好ましい。
(b)成分は、前記(a)成分のフェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得ることもできる。
フェノール樹脂と反応させる不飽和炭化水素基含有化合物は、上述した不飽和炭化水素基含有化合物と同様のものを使用することができる。
フェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応は、通常、50~130℃で行うことが好ましい。また、フェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応割合は、硬化膜(レジストパターン)の可とう性を向上させる観点から、フェノール樹脂100質量部に対し、不飽和炭化水素基含有化合物1~100質量部であることが好ましく、2~70質量部であることがより好ましく、5~50質量部であることがさらに好ましい。不飽和炭化水素基含有化合物が1質量部未満では、硬化膜の可とう性が低下する傾向にあり、100質量部を超えると、反応中にゲル化する可能性が高くなる傾向、及び、硬化膜の耐熱性が低下する傾向がある。このとき、必要に応じて、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。なお、反応にはトルエン、キシレン、メタノール、テトラヒドロフランなどの溶媒を用いることができる。
以上のような方法により生成する不飽和炭化水素基含有化合物によって変性されたフェノール樹脂中に残ったフェノール性水酸基に、更に多塩基酸無水物を反応させる。これにより、酸変性したフェノール樹脂を(b)成分として用いることもできる。多塩基酸無水物で酸変性することにより、カルボキシ基が導入され、(b)成分のアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性がより一層向上する。
多塩基酸無水物は、複数のカルボキシ基を有する多塩基酸のカルボキシ基が脱水縮合して形成された酸無水物基を有していれば、特に限定されない。多塩基酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6-エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸及び無水トリメリット酸等の二塩基酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸及びベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族四塩基酸二無水物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、多塩基酸無水物は、二塩基酸無水物であることが好ましく、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸及びヘキサヒドロ無水フタル酸からなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましい。この場合、さらに良好な形状を有するレジストパターンを形成できるという利点がある。
また、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は、更に多塩基酸無水物を反応させて酸変性したフェノール樹脂を含有することができる。(A)成分が多塩基酸無水物で酸変性したフェノール樹脂を含有することにより、(A)成分のアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性がより一層向上する。
前記多塩基酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6-エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水トリメリット酸等の二塩基酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族、芳香族四塩基酸二無水物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、多塩基酸無水物は、二塩基酸無水物であることが好ましく、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸及びヘキサヒドロ無水フタル酸からなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましい。
(B2)光酸発生剤
光酸発生剤としては、ジアゾナフトキノン化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。このうち、ジアゾナフトキノン化合物は、感度が高く好ましい。
(C)添加剤
好ましい添加剤の種類や量は、ポリイミド前駆体組成物の項目で記載した内容と同じである。
(D)溶媒
各成分を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
(E)その他
熱架橋剤、増感剤、接着助剤、染料、界面活性剤、溶解促進剤、架橋促進剤等を含むことができる。このうち、熱架橋剤を含有することにより、パターン形成後の感光性樹脂膜を加熱して硬化する際に、熱架橋剤成分が(A)成分と反応して橋架け構造が形成される。これにより、低温での硬化が可能となり、膜の脆さや膜の溶融を防ぐことができる。熱架橋剤成分として、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物を好ましいものとして用いることができる。
(現像)
フェノール性水酸基を有するポリマーを露光した後、不要部分を現像液で洗い流す。使用する現像液としては特に制限はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液が好適に用いられる。
(熱硬化)
現像後、フェノール性水酸基を有するポリマーを加熱することによりフェノール性水酸基を有するポリマーどうしを熱架橋する。この架橋後のポリマーが硬化レリーフパターン、即ち、層間絶縁膜6となる。
フェノール性水酸基を有するポリマーの熱硬化のための加熱温度に、特に限定は無いが、他部材への影響の観点から、加熱温度は低い温度であることが好ましい。当該加熱温度は、250℃以下が好ましく、230℃以下がより好ましく、200℃以下がより好ましく、180℃以下が特に好ましい。
(半導体装置の製造方法)
本実施形態における半導体装置の製造方法について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態の半導体装置の製造工程の一例である。図3Aでは、前工程済みウェハ10を用意する。そして、図3Bにて、前工程済みウェハ10をダイシングして複数の半導体チップ2を形成する。半導体チップ2は購入品であってもよい。このようにして準備された半導体チップ2を、図3Cに示すように、支持体11上に所定間隔にて貼り付ける。
続いて、半導体チップ2上から支持体11上にかけてモールド樹脂12を塗布し、図3Dに示すようにモールド封止する。続いて、支持体11を剥離し、モールド樹脂12を反転させる(図3E参照)。図3Eに示すように、半導体チップ2とモールド樹脂12とは、略同一平面で現れる。続いて、図3Fに示す工程では、感光性樹脂組成物13を、半導体チップ2上及びモールド樹脂12上に塗布する。そして、塗布された感光性樹脂組成物13を露光現像して、レリーフパターンを形成する(レリーフパターン形成工程)。なお、感光性樹脂組成物13は、ポジ型でもネガ型でもどちらでもよい。更に、レリーフパターンを加熱して硬化レリーフパターンを形成する(層間絶縁膜形成工程)。更に、硬化レリーフパターンを形成しない箇所に配線を形成する(配線形成工程)。
なお、本実施形態では、上記のレリーフパターン形成工程と層間絶縁膜形成工程と配線形成工程を合わせて、半導体チップ2に接続する再配線層を形成する再配線層形成工程とする。
再配線層中の層間絶縁膜は多層であってもよい。従って、再配線層形成工程は複数回のレリーフパターン形成工程と複数回の層間絶縁膜形成工程と複数回の配線形成工程を含んでいてもよい。
そして、図3Gでは、各半導体チップ2に対応する複数の外部接続端子7を形成し(バンプ形成)、各半導体チップ2間をダイシングする。これにより、図3Hに示すように、半導体装置(半導体IC)1を得ることができる。本実施形態では、図3に示す製造方法により、ファンナウト型の半導体装置1を複数得ることができる。
本実施形態では、上記工程を経て形成された硬化レリーフパターン(層間絶縁膜)の屈折率差は0.0150未満とすることができる。ここで、層間絶縁膜のi線透過率は、添加剤の量で調節することができる。
本実施形態では、上記した層間絶縁膜形成工程では、層間絶縁膜を、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、フェノール性水酸基を有するポリマーの少なくとも1つの化合物を形成可能な感光性樹脂組成物で形成することが好ましい。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。実施例においては、以下の材料及び測定方法を用いた。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(ポリマーA-1:ポリイミド前駆体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)を2リットル容量のセパラブルフラスコに入れた。更に、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とγ-ブチロラクトンを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジンを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)をγ-ブチロラクトンに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加えた。続いてジアミンとして4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)をγ-ブチロラクトンに懸濁したものを攪拌しながら60分かけて加えた。更に、室温で2時間攪拌した後、エチルアルコールを加えて1時間攪拌し、次に、γ-ブチロラクトンを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を、エチルアルコールに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフランに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリイミド前駆体(ポリマーA-1))を得た。成分A-1で使用した化合物の質量については、下記に示す表1の通りである。
(ポリマーA-2~A-4の合成)
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを下記表1のように変更した以外は前述のポリマーA-1に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリイミド前駆体(ポリマーA-2~A-4)を得た。
(ポリマーB-1:ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、ジカルボン酸として4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g、N-メチルピロリドンを仕込んだ。フラスコを、5℃に冷却した後、塩化チオニルを滴下し、30分間反応させて、ジカルボン酸クロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N-メチルピロリドンを仕込んだ。ビスアミノフェノールとしてビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.30gと、m-アミノフェノール2.18gを攪拌溶解した後、ピリジンを添加した。そして、温度を0~5℃に保ちながら、ジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥してポリマー(ポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリマーB-1))を得た。ポリマーB-1で使用した化合物の質量については下記の表1の通りである。
(ポリマーB-2~B-3の合成)
ジカルボン酸とビスアミノフェノールを下記に示す表1のように変更した以外は前述のポリマーB-1に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリマーB-2~B-3)を得た。
(ポリマーC-1:フェノール樹脂の合成)
下記に示すC1樹脂を85gと、下記に示すC2樹脂を15g含むフェノール樹脂をポリマーC-1として用意した。
C1:クレゾールノボラック樹脂(クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、m-クレゾール/p-クレゾール(モル比)=60/40、ポリスチレン換算重量平均分子量=12,000、旭有機材工業社製、商品名「EP4020G」)
C2:C2は以下のようにして合成した。
<C2:炭素数4~100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂の合成>
フェノール100質量部、亜麻仁油43質量部及びトリフロオロメタンスルホン酸0.1質量部を混合し、120℃で2時間撹拌し、植物油変性フェノール誘導体(a)を得た。次いで、植物油変性フェノール誘導体(a)130g、パラホルムアルデヒド16.3g及びシュウ酸1.0gを混合し、90℃で3時間撹拌した。次いで、120℃に昇温して減圧下で3時間撹拌した後、反応液に無水コハク酸29g及びトリエチルアミン0.3gを加え、大気圧下、100℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応生成物である炭素数4~100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂(以下、「C2樹脂」という。)を得た(酸価120mgKOH/g)。
(ポリマーC-2の合成)
下記C1樹脂100gをポリマーC-2として用意した。
Figure 0007088639000033
[実施例1~11、比較例1~2]
下記に示す表2の通りに配合し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。なお、表2の単位は質量部である。
表2に記載の化合物を用いて、表3及び表4に記載の配合量で、実施例1~11、及び、比較例1~2の各感光性樹脂組成物を作製した。
作成した感光性樹脂組成物について(1)屈折率差測定試験、(2)封止材のリフロー耐性試験、(3)封止材との密着性試験を行った。各試験の結果は、下記の表3に示されている。
(1)屈折率差測定試験
実施例及び比較例で作成した感光性樹脂組成物を用いてファンナウト型のウェハレベルチップサイズパッケージ型の半導体装置を作製した。作製した半導体装置から厚み10μmの層間絶縁膜を可能な限りきれいに取り出した。取り出した層間絶縁膜をMETRICON社製のプリズムカプラー装置(PC-2010)を用いて、測定波長1310nmの面内屈折率と面外屈折率の差を測定した。
(2)封止材のリフロー耐性試験
エポキシ系封止材として長瀬ケムテックス社製のR4000シリーズを用意した。次いで、アルミスパッタしたシリコーンウェハ上に封止材を厚みが約150μmになるようにスピンコートし、130℃で熱硬化させてエポキシ系封止材を硬化させた。
上記エポキシ系硬化膜上に実施例及び比較例で作成した感光性樹脂組成物を最終膜厚が10μmになるように塗布した。塗布した感光性樹脂組成物を実施例1~4、10、比較例1は200mJ/cm、実施例5~7、11、比較例2は500mJ/cm、の露光条件で全面を露光した後、150℃、4時間熱硬化させて、厚み10μmの1層目の硬化膜を作成した。
上記1層目の硬化膜上に1層目の硬化膜形成で使用した感光性樹脂組成物を塗布し、1層目の硬化膜作成時と同じ条件で全面を露光した後、熱硬化させて、厚み10μmの2層目の硬化膜を作成した。
2層目の硬化膜形成後の試験片をメッシュベルト式連続焼成炉(光洋サーモシステム社製、型式名6841-20AMC-36)を用いた模擬的な半田リフロー条件で、窒素雰囲気下、ピーク温度260℃まで加熱した。模擬的なリフロー条件とは、半導体装置の評価方法に関する米国半導体業界団体の標準規格であるIPC/JEDEC J-STD-020Aの7.6項記載の半田リフロー条件に準拠する形で、半田融点を高温の220℃と仮定し、規格化した。
上記模擬的なリフロー条件による処理後の硬化膜をFIB装置(日本電子社製、JIB-4000)で断面を切断した後に、エポキシ部分のボイドの有無を確認することにより、劣化の程度を評価した。ボイドが見られないものを○、ボイドが1つでも見られたものを×とした。
(3)封止材との密着性試験
(2)の試験で作成したサンプルの感光性樹脂硬化膜上にピンを立て、引取試験機(クワッドグループ社製、セバスチャン5型)を用いて密着性試験を行った。
評価:接着強度70MPa以上・・・・・・・・・・・密着力◎
50MPa以上-70MPa未満・・・密着力○
30MPa以上-50MPa未満・・・密着力△
30MPa未満・・・・・・・・・・・密着力×
Figure 0007088639000034
Figure 0007088639000035
Figure 0007088639000036
表3、4から明らかなように、実施例1~11の感光性樹脂組成物について行った(1)~(3)の試験の結果から、屈折率差が0.0150未満である場合、封止材のリフロー耐性試験においてエポキシ部分にボイドが見られず、また、封止材との密着性試験において密着力の評価が◎、○、△のいずれかであることが確認された。
一方、表3、4から明らかなように、比較例1、2の感光性樹脂組成物について行った(1)~(3)の試験の結果から、屈折率差が0.0150を超える場合、封止材のリフロー耐性試験においてエポキシ部分にボイドが見られ、また、封止材との密着性試験において密着力の評価が×であることが確認された。
また、実施例1~11の感光性樹脂組成物を用いて、モールド樹脂にエポキシ樹脂を含むファンアウト型のウェハレベルチップサイズパッケージ型の半導体装置を作製したところ、問題無く動作した。
本発明は、半導体チップと、半導体チップに接続される再配線層とを有する半導体装置、特に、ファンナウト(Fan-Out)型のウェハレベルチップサイズパッケージ型の半導体装置に好ましく適用される。
1 半導体装置
2 半導体チップ
3 封止材
4 再配線層
5 配線
6 層間絶縁膜
7 外部接続端子
10 ウェハ
11 支持体
12 モールド樹脂
13 感光性樹脂組成物

Claims (35)

  1. 半導体チップと、
    前記半導体チップを覆う封止材と、
    平面視で前記半導体チップよりも面積が大きい再配線層と、を備え、
    前記封止材は、硬化したエポキシ樹脂を含み、
    前記再配線層の層間絶縁膜の波長1310nmにおける面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0150未満であること
    を特徴とする半導体装置。
  2. 前記封止材は、前記層間絶縁膜と直接接することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記層間絶縁膜は、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、及び、フェノール性水酸基を有するポリマーから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または請求項に記載の半導体装置。
  4. 前記層間絶縁膜は、以下の一般式(1)の構造を含むポリイミドを含むことを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
    Figure 0007088639000037
    (一般式(1)中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、mは1以上の整数である。)
  5. 前記一般式(1)中のXが、芳香族環を含む4価の有機基であり、
    前記一般式(1)中のYが、芳香族環を含む2価の有機基であることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  6. 前記一般式(1)中のXは、下記一般式(2)~一般式(4)で表される少なくとも1つの構造を含むことを特徴とする請求項又は請求項に記載の半導体装置。
    Figure 0007088639000038
    Figure 0007088639000039
    Figure 0007088639000040
    (一般式(4)中、R9は酸素原子、硫黄原子、または2価の有機基である。)
  7. 前記一般式(1)中のXは、下記一般式(5)で表される構造を含むことを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
    Figure 0007088639000041
  8. 前記一般式(1)中のYは、下記一般式(6)~一般式(8)で表される少なくとも1つの構造を含むことを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の半導体装置。
    Figure 0007088639000042
    (R10、R11、R12及びR13は、水素原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基又は水酸基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0007088639000043
    (R14~R21は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の有機基又は水酸基であり、互いに異なっていても、同一であってもよい。)
    Figure 0007088639000044
    (R22は2価の基であり、R23~R30は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基又は水酸基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
  9. 前記一般式(1)中のYは、下記一般式(9)で表される構造を含むことを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
    Figure 0007088639000045
  10. 前記ポリベンゾオキサゾールが、以下の一般式(10)の構造を含むポリベンゾオキサゾールを含むことを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
    Figure 0007088639000046
    (一般式(10)中、UとVは、2価の有機基である。)
  11. 前記一般式(10)のUは、炭素数1~30の2価の有機基であることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記一般式(10)のUは、炭素数1~8で且つ水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された鎖状アルキレン基であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
  13. 前記一般式(10)のVは、芳香族基を含む2価の有機基であることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれかに記載の半導体装置。
  14. 前記一般式(10)のVは、下記一般式(6)~(8)で表される少なくとも1つの構造を含むことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
    Figure 0007088639000047
    (R10、R11、R12及びR13は、水素原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0007088639000048
    (R14~R21は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の有機基であり、互いに異なっていても、同一であってもよい。)
    Figure 0007088639000049
    (R22は2価の基であり、R23~R30は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1~5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
  15. 前記一般式(10)のVは、下記一般式(9)で表される構造を含むことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
    Figure 0007088639000050
  16. 前記一般式(10)のVは、炭素数1~40の2価の有機基であることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれかに記載の半導体装置。
  17. 前記一般式(10)のVは、炭素数1~20の2価の鎖状脂肪族基であることを特徴とする請求項16に記載の半導体装置。
  18. 前記フェノール性水酸基を有するポリマーが、ノボラック型フェノール樹脂を含むことを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  19. 前記フェノール性水酸基を有するポリマーが、不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂と不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂を含むことを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  20. 前記再配線層は、前記再配線層を断面視したときに、第1の層間絶縁膜層と、第2の層間絶縁膜層と、前記第1の層間絶縁膜層及び前記第2の層間絶縁膜層とは異なる層で前記第1の層間絶縁膜層と前記第2の層間絶縁膜層の間に設けられた中間層と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項19のいずれかに記載の半導体装置。
  21. 前記第1の層間絶縁膜層は、前記封止材と接しており、前記第1の層間絶縁膜層の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0150未満であることを特徴とする請求項20に記載の半導体装置。
  22. 前記第2の層間絶縁膜層は、前記第1の層間絶縁膜層とは異なる組成であることを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の半導体装置。
  23. 前記第2の層間絶縁膜層の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値は、前記第1の層間絶縁膜層の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値と異なることを特徴とする請求項20から請求項22のいずれかに記載の半導体装置。
  24. 前記半導体装置が、ファンアウト型のウェハレベルチップサイズパッケージ型の半導体装置であることを特徴とする請求項1から請求項23のいずれかに記載の半導体装置。
  25. 前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0145以下であることを特徴とする請求項1から請求項24のいずれかに記載の半導体装置。
  26. 前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0140以下であることを特徴とする請求項25に記載の半導体装置。
  27. 前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0135以下であることを特徴とする請求項25に記載の半導体装置。
  28. 前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0130以下であることを特徴とする請求項25に記載の半導体装置。
  29. 前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0120以下であることを特徴とする請求項25に記載の半導体装置。
  30. 前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0005以上であることを特徴とする請求項1から請求項29のいずれかに記載の半導体装置。
  31. 前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0010以上であることを特徴とする請求項30に記載の半導体装置。
  32. 前記再配線層の層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0015以上であることを特徴とする請求項30に記載の半導体装置。
  33. 半導体チップを封止材で覆う工程と、
    平面視で前記半導体チップよりも面積が大きく、且つ、層間絶縁膜を含む再配線層を形成する工程を含み、
    前記封止材は、硬化させたエポキシ樹脂を含み、
    前記層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0150未満であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  34. 前記層間絶縁膜を、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、フェノール性水酸基を有するポリマーの少なくとも1つの化合物を形成可能な感光性樹脂組成物で形成する層間絶縁膜形成工程を含むことを特徴とする請求項33に記載の半導体装置の製造方法。
  35. 前記層間絶縁膜形成工程は、前記層間絶縁膜の面内屈折率と面外屈折率の差の絶対値が0.0150未満となるように添加剤で調整された前記感光性樹脂組成物で前記層間絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項34に記載の半導体装置の製造方法。
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