JP7087149B2 - カラーフィルタ用着色樹脂組成物、顔料分散液、カラーフィルタ、及び表示装置 - Google Patents
カラーフィルタ用着色樹脂組成物、顔料分散液、カラーフィルタ、及び表示装置 Download PDFInfo
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Description
赤:x=0.64;y=0.34
緑:x=0.21;y=0.71
青:x=0.15;y=0.06
このような着色層の形成方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法などが知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が最も広範に採用されている。
赤色顔料としては、耐熱性や耐光性に優れているジケトピロロピロール顔料が広く用いられている(例えば、特許文献1~3等)。
このような視野角依存性の問題を改善するため、従来、位相差フィルムを液晶表示装置に組み込む方法が広く用いられてきた。しかしながら、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタは、着色層の各色の着色パターンによって異なる位相差を有するため、上記の位相差フィルムを用いた場合、各色の着色パターンが有する位相差の差異は補償することができないという問題があり、視野角依存性の問題点を完全に解決することは困難であった。
前記顔料誘導体が、ジケトピロロピロール骨格を有する顔料誘導体、及びアゾレーキ骨格を有する顔料誘導体から選ばれる1種以上を含み、
当該着色樹脂組成物の着色層を形成したときに、当該着色層のC光源で測定した色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.326≦y≦0.335を満たし、且つ、光の着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)が-30nm以上120nm以下であることを特徴とする。
xは1~18の整数、yは1~5の整数、zは1~18の整数を示す。)
前記顔料誘導体が、ジケトピロロピロール骨格を有する顔料誘導体、及びアゾレーキ骨格を有する顔料誘導体から選ばれる1種以上を含み、
前記顔料が、更に、前記一般式(1)で表される赤色顔料とは異なる赤色顔料、オレンジ色顔料、及び、黄色顔料より選択される1種以上の顔料を含み、
当該着色樹脂組成物の着色層を形成したときに、前記着色層のC光源で測定した色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.295≦y≦0.360を満たし、且つ、光の着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)が-30nm以上120nm以下であることを特徴とする。
上記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
xは1~18の整数、yは1~5の整数、zは1~18の整数を示す。)
前記顔料誘導体が、ジケトピロロピロール骨格を有する顔料誘導体、及びアゾレーキ骨格を有する顔料誘導体から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記カラーフィルタを有することを特徴とする表示装置を提供する。
なお、本発明において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことをいう。
本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表す。
本発明に係る第一のカラーフィルタ用着色樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される赤色顔料を含む顔料と、下記一般式(2)で表される構成単位を有する共重合体を含む分散剤と、顔料誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、モノマーと、開始剤と、溶剤とを含有する着色樹脂組成物であって、
前記顔料誘導体が、ジケトピロロピロール骨格を有する顔料誘導体、及びアゾレーキ骨格を有する顔料誘導体から選ばれる1種以上を含み、
当該着色樹脂組成物の着色層を形成したときに、当該着色層のC光源で測定した色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.326≦y≦0.335を満たし、且つ、光の着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)が-30nm以上120nm以下であることを特徴とする。
xは1~18の整数、yは1~5の整数、zは1~18の整数を示す。)
前記顔料誘導体が、ジケトピロロピロール骨格を有する顔料誘導体、及びアゾレーキ骨格を有する顔料誘導体から選ばれる1種以上を含み、
前記顔料が、更に、前記一般式(1)で表される赤色顔料とは異なる赤色顔料、オレンジ色顔料、及び、黄色顔料より選択される1種以上の顔料を含み、
当該着色樹脂組成物の着色層を形成したときに、前記着色層のC光源で測定した色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.295≦y≦0.360を満たし、且つ、光の着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)が-30nm以上120nm以下であることを特徴とする。
本発明において顔料は、少なくとも下記一般式(1)で表される赤色顔料を含むものである。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(1)で表される赤色顔料とは異なる、その他の顔料を組み合わせて用いてもよい。中でも、その他の赤色顔料、オレンジ色顔料、及び、黄色顔料より選択される1種以上の顔料を含むことが好ましい。
黄色顔料としては、中でも、C.I.ピグメントイエロー185を含むことが、所望の色味と位相差とを満たし、位相差の絶対値を低減し易い点から好ましい。また、C.I.ピグメントイエロー185を含む場合には、着色力が高いので、顔料濃度を低くしやすく、製版性が向上する利点もある。
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90:1、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、147、149、150、151、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、184、185、187、188、190、193、194、202、206、207、208、209、215、216、220、221、224、226、242、243、245、255、264、265、269、272等を挙げることができる。
また、オレンジ色顔料として、例えば、C.I.ピグメントオレンジ1、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、61、63、64、71、73等を挙げることができる。
顔料の平均分散粒径を上記範囲内で小さくすればするほどコントラストは向上するが、位相差の絶対値は大きくなる傾向がある。そのため、所望の位相差とコントラストを考慮し、平均分散粒径を選択することが好ましい。特に、一般式(1-1)で表される赤色顔料については、粒径を小さくし過ぎても位相差の絶対値が大きくなる傾向があり、中でも、平均分散粒径が40nm~60nmであることが、位相差の絶対値を低減する点から好ましい。
また、本発明のカラーフィルタ用着色樹脂組成物においては、位相差及び輝度を特定の範囲に調整しながら、顔料分散性及び分散安定性にも優れる点から、更に、ジケトピロロピロール骨格を有する顔料誘導体及びアゾレーキ骨格を有する顔料誘導体から選択される1種以上の顔料誘導体を含有する。顔料誘導体を適宜選択することにより、位相差の絶対値を低減することができる。
なお、ジケトピロロピロール骨格としては、例えば、C.I.ピグメントレッド254、255、264、272、これらのハロゲン置換顔料等が挙げられ、中でもC.I.ピグメントレッド254、272が好ましい。また、アゾレーキ顔料骨格としては、例えば、C.I.ピグメントレッド48等が挙げられる。
R4における炭素原子数が1~5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。
また、Xにおける{-SO2NH-(CH2)n-NR’R”}で表されるスルホンアミド基において、導入されるアミン成分(-(CH2)m-NR’R”)の具体例としては、ピペリジノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノプロピル、ジブチルアミノプロピル、ピペリジノエチル、ピペコリノエチル、モルホリノエチル、ピペリジノプロピル、ピペコリノプロピル、ジエチルアミノヘキシル、ジエチルアミノエトキシプロピル、ジエチルアミノブチル、ジメチルアミノアミル、N-N-メチル-ラウリル-アミノプロピル、2-エチルヘキシルアミノエチル、ステアリルアミノエチル、オレイルアミノエチル等が挙げられる。
R5における炭素原子数1~4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。R5における炭素原子数6~12のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。R5におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、中でも塩素原子又は臭素原子が好ましい。
一般式Bにおいて、置換基{-CONH-(CH2)n-NR’R”}の導入されるアミン成分(-(CH2)m-NR’R”)は、前記一般式Aにおいて例示されたものと同様のものが挙げられる。一般式Bにおいて、置換基{-CONH-(CH2)n-NR’R”}の置換位置は特に限定されず、分子内に少なくとも1個有していればよく、R5を有する芳香環のいずれの水素原子が置換されていてもよく、R5が置換されていてもよい。更に、R5がアリール基の場合、当該アリール基を構成する芳香環の水素原子が置換されていてもよい。
一般式Cにおいて、置換基Xは、一般式Aにおけるものと同様のものとすることができる。一般式Cにおいて、置換基Xの置換位置は特に限定されず、分子内に少なくとも1個有していればよく、R6を有する芳香環のいずれの水素原子が置換されていてもよく、R6が置換されていてもよい。更に、R6がアリール基の場合、当該アリール基を構成する芳香環の水素原子が置換されていてもよい。
本発明においては、分散剤として、前記一般式(2)で表される構成単位を有する重合体を用いる。前記一般式(2)で表される構成単位は塩基性を有し、顔料に対する吸着部位として機能する。
本発明のカラーフィルタ用着色樹脂組成物及び顔料分散液は、分散剤として一般式(2)で表される構成単位を有する重合体を用いることにより、顔料への吸着性能が向上し、顔料の分散性及び分散安定性が向上する。
xは1~18の整数、yは1~5の整数、zは1~18の整数を示す。)
中でも、分散性の点から、一般式(2)におけるQは、-CONH-基、又は、-COO-基を含む2価の連結基であることが好ましい。
R15及びR16は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
上記R12としては、分散性の点から、炭素数1~8のアルキレン基が好ましく、中でも、R12がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。
また、Ra、Rc、Rd、及びReにおいて、置換基を有してもよいフェニル基又はベンジル基の置換基としては、例えば、炭素原子数が1~5のアルキル基、アシル基、アシルオキシ基等が挙げられる。
また、Rb、Rb’、Rb”、及びRfにおいて、置換基を有してもよい炭素数1~20の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、或いはビニル基の置換基としては、酸性基又はそのエステル基、フェニル基、アシル基、アシルオキシ基等が挙げられる。
Rb、Rb’、Rb”、及びRfにおいて酸性基とは、水中でプロトンを放出し酸性を示す基のことをいう。酸性基の具体例としては、カルボキシ基(-COOH)、スルホ基(-SO3H)、ホスホノ基(-P(=O)(OH)2)、ホスフィニコ基(>P(=O)(OH))、ボロン酸基(-B(OH)2)、ボリン酸基(>BOH)等が挙げられ、カルボキシラト基(-COO-)等のように水素原子が解離したアニオンであってもよく、更に、ナトリウムイオンやカリウムイオン等のアルカリ金属イオンと塩形成した酸性塩であってもよい。
また、酸性基のエステル基としては、カルボン酸エステル(-COOR)、スルホン酸エステル(-SO3R)、リン酸エステル(-P(=O)(OR)2)、(>P(=O)(OR))、ボロン酸エステル(-B(OR)2)、ボリン酸エステル(>BOR)等が挙げられる。中でも、酸性基のエステル基としては、カルボン酸エステル(-COOR)であることが分散性及び分散安定性の点から好ましい。なお、ここでのRは炭化水素基であり、特に限定されないが、分散性及び分散安定性の点から、中でも炭素原子数1~5のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。
前記一般式(II)の化合物が酸性基及びそのエステル基(以下、酸性基等という)を有する場合、当該化合物が有する酸性基等側、及び、ハロゲン原子側炭化水素のいずれもが末端の窒素部位と塩形成し得るが、末端の窒素部位と酸性基等とが塩形成した場合に比べて、末端の窒素部位とハロゲン原子側炭化水素とが安定して塩形成するものと推定される。そして、安定して存在する塩形成部位に顔料が吸着することにより分散性及び分散安定性が向上するものと推定される。
前記一般式(I)~(III)よりなる群の中でも分散安定性が特に優れる点から、フェニルホスフィン酸、フェニルホスホン酸、ジメタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジブチルリン酸、ベンジルクロライド、ベンジルブロミド、ビニルスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸一水和物よりなる群から選択される1種以上が好ましく、中でも、フェニルホスフィン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルクロライド、ベンジルブロミド、及びp-トルエンスルホン酸一水和物よりなる群から選択される1種以上を用いることが好ましい。
また、分散安定性に優れ、且つ、後述する酸価を有するブロック共重合体との組み合わせにより現像残渣の抑制効果が向上する点から、酸性基及びそのエステル基を有する一般式(II)で表される化合物も好適に用いられ、中でも、α-クロロフェニル酢酸、α-ブロモフェニル酢酸、α-ヨードフェニル酢酸、4-クロロメチル安息香酸、4-ブロモメチル安息香酸、及び4-ヨードフェニル安息香酸よりなる群から選択される1種以上も好適に用いられる。
なお、前記一般式(I)~(III)よりなる群から選択される1種以上の化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。2種以上を組み合わせる場合は、その合計の含有量が上記範囲内であることが好ましい。
本発明において用いられる重合体としては、顔料の分散性及び分散安定性及び樹脂組成物の耐熱性を向上し、高輝度且つ高コントラストな着色層を形成できる点から、中でも、ブロック共重合体又はグラフト共重合体が好ましく、ブロック共重合体が特に好ましい。以下、特に好ましいブロック共重合体について詳細に説明する。
前記一般式(2)で表される構成単位を含むブロックをAブロックとすると、当該Aブロックは、前記一般式(2)で表される構成単位が塩基性を有し、顔料に対する吸着部位として機能する。また、当該一般式(2)で表される構成単位が有する末端の窒素部位の少なくとも一部と前記一般式(I)~(III)よりなる群から選択される1種以上の化合物とが塩を形成した場合においては、当該塩形成部が顔料に対してより強い吸着部位として機能する。一方、前記一般式(2)で表される構成単位を含まないBブロックは、溶剤親和性を有するブロックとして機能するようにする。そのため、本発明に用いられるブロック共重合体は、顔料と吸着するAブロックと溶剤親和性を有するBブロックとで機能を分担して、顔料分散剤として機能する。
Aブロックは、前記一般式(2)で表される構成単位を含むブロックであるが、前記一般式(2)で表される構成単位は上述の通りなので、ここでの説明は省略する。
一般式(2)で表される構成単位を含むAブロック中、一般式(2)で表される構成単位は、3個以上含まれることが好ましい。中でも、分散性、及び分散安定性を向上する点から、3~100個含むことが好ましく、3~50個含むことがより好ましく、更に3~30個含むことがより好ましい。
一般式(2)で表される構成単位は、顔料吸着部位として機能すれば良く、1種からなるものであっても良いし、2種以上の構成単位を含んでいてもよい。
塩形成前のブロック共重合体におけるAブロック中、一般式(2)で表される構成単位の含有割合は、Aブロックの全構成単位の合計質量に対して、50~100質量%であることが好ましく、80~100質量%であることがより好ましく、100質量%であることが最も好ましい。一般式(2)で表される構成単位の割合が高いほど、顔料への吸着力が向上し、ブロック共重合体の分散性、及び分散安定性が良好となるからである。なお、上記構成単位の含有割合は、一般式(2)で表される構成単位を有するAブロックを合成する際の仕込み質量から算出される。
なお、一般式(2)で表される構成単位は、顔料との親和性を有すればよく、1種からなるものであっても良いし、2種以上の構成単位を含んでいてもよい。
Bブロックは、前記一般式(2)で表される構成単位を含まないブロックである。Bブロックとしては、一般式(2)で表される構成単位を誘導するモノマーと共重合可能な、不飽和二重結合を有するモノマーの中から、親溶剤性を有するように溶剤に応じて適宜選択して用いられることが好ましい。目安として、組み合わせて用いられる溶剤に対して、共重合体の23℃における溶解度が20(g/100g溶剤)以上となるように、Bブロックを導入することが好ましい。
上記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
xは1~18の整数、yは1~5の整数、zは1~18の整数を示す。)
R22における炭化水素基としては、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数2~18のアルケニル基、アラルキル基、又はアリール基であることが好ましい。
上記炭素原子数1~18のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
上記炭素原子数2~18のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このようなアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基などを挙げることができる。アルケニル基の二重結合の位置には限定はないが、得られたポリマーの反応性の点からは、アルケニル基の末端に二重結合があることが好ましい。
アルキル基やアルケニル基等の脂肪族炭化水素の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
また、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。アラルキル基の炭素原子数は、7~20が好ましく、更に7~14が好ましい。
アリール基やアラルキル基等の芳香環の置換基としては、炭素原子数1~4の直鎖状、分岐状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
なお、上記好ましい炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
R26は水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基であって、直鎖状、分岐状、又は環状のいずれであってもよい。
また、上記一般式(3)で表される構成単位中のR22は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
より好ましい。
ここで、重量平均分子量は(Mw)、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求める。
なお、本発明においてブロック共重合体の重量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算値として求める。測定は、東ソー(株)製のHLC-8120GPCを用い、溶出溶剤を0.01モル/リットルの臭化リチウムを添加したN-メチルピロリドンとし、校正曲線用ポリスチレンスタンダードをMw377400、210500、96000、50400、20650、10850、5460、2930、1300、580(以上、Polymer Laboratories社製 Easi PS-2シリーズ)及びMw1090000(東ソー(株)製)とし、測定カラムをTSK-GEL ALPHA-M×2本(東ソー(株)製)として行われたものである。
なお、前記一般式(I)で表される構成単位を有する重合体の当該一般式(2)で表される構成単位が有する末端の窒素部位と、前記一般式(I)~(III)よりなる群から選択される1種以上の化合物とが塩を形成していること、及びその割合は、例えばNMR等、公知の手法により確認することができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は酸性基を有するものであり、バインダー樹脂として作用し、かつパターン形成する際に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に可溶性であるものの中から、適宜選択して使用することができる。
本発明においてアルカリ可溶性樹脂の酸価は、特に限定されない。分散安定性等の経時安定性を向上し、当該樹脂組成物より得られる着色層の耐熱性を向上する点からは、アルカリ可溶性樹脂として酸価が30mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の樹脂を用いることが好ましい。
なお、本発明において酸価は固形分1gを中和するのに要するKOHの質量(mg)を表し、JIS K 0070:1992に準じ、電位差滴定法によって求めた値をいう。
これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシ基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和結合基等の光重合性官能基を有するものである。光重合性官能基を含有することにより形成される硬化膜の膜強度が向上するからである。上記のカルボキシ基を有する樹脂に、例えばグリシジル基、水酸基等の反応性官能基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させるなどして、側鎖にエチレン性不飽和結合基を導入したアルカリ可溶性樹脂を得ることができる。
また、これらカルボキシ基を有するアクリル系共重合体、カルボキシ基を有するエポキシアクリレート樹脂、及びカルボキシ基を有するポリアミドイミド樹脂からなる群から選択されるアルカリ可溶性樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
このような炭化水素環としては、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、及びこれらの組み合わせが挙げられ、炭化水素環がアルキル基、カルボニル基、カルボキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
炭化水素環は、1価の基として含まれていても良いし、2価以上の基として含まれていても良い。
架橋環式炭化水素環の具体例としては、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセン、トリシクロペンテン、トリシクロペンタン、トリシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン;これらの基の一部が置換基によって置換された基が挙げられる。
上記置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、水酸基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
カルボキシ基含有共重合体の好ましい重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000~50,000の範囲であり、さらに好ましくは3,000~20,000である。1,000未満では硬化後のバインダー機能が著しく低下する場合があり、50,000を超えるとアルカリ現像液による現像時に、パターン形成が困難となる場合がある。
なお、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてショウデックスGPCシステム-21H(Shodex GPC System-21H)により測定することができる。
前記カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価としては、30mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましく、50mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であることが更に好ましく、60mgKOH/g以上120mgmgKOH/g以下であることがより更に好ましい。
カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を調製するエポキシ化合物、不飽和基含有モノカルボン酸、及び酸無水物は、公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
また、炭素数6~20の置換基を有しても良い芳香族若しくは脂肪族テトラカルボン酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、酸価が50mgKOH/g以上のアクリル系共重合体と、前記カルボキシ基を有するポリアミドイミド樹脂とを含有することが、位相差の絶対値を低減しながら、輝度及びコントラストが向上した着色層を形成可能で、更に着色樹脂組成物の経時安定性と溶剤再溶解性が向上する点から好ましい。
カラーフィルタ用着色脂組成物において用いられるモノマーは、後述する光開始剤によって重合可能なものであればよく、特に限定されず、通常、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物が用いられ、特にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有することが好ましい。また、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものの中から適宜選択して用いればよい。具体例としては、例えば、特開2013-029832号公報に記載のもの等が挙げられる。
なお、「EO変性」とはエチレンオキシドユニット(-CH2-CH2-O-)のブロック構造を有することを意味し、「PO変性」とはプロピレンオキシドユニット(-CH2-CH(CH3)-O-)のブロック構造を有することを意味する。
上記アルキレンオキシド変性モノマーの添加量は、適宜調整可能であるが、モノマー全量に対して5~100質量%の範囲で添加することが現像溶解性と硬化性のバランスの面から好ましい。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物において用いられる光開始剤としては、特に制限はなく、従来知られている各種光開始剤の中から、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。具体例としては、例えば、特開2013-029832号公報に記載のもの等が挙げられる。
光開始剤としては、1種のみ用いてもよいが、2種以上の化合物を併用してもよい。光開始剤としては、中でも、パターンの欠け発生の抑制効果、及び水染み発生抑制効果が高い点から、オキシムエステル系光開始剤を含むことが好ましい。酸価を有する分散剤を用いると、特に水染みが発生し易い傾向があるが、オキシムエステル系光開始剤を組み合わせると水染み発生を抑制できる点から好適に用いられる。なお、水染みとは、アルカリ現像後、純水でリンスした後に、水が染みたような跡が発生するこの現象をいう。このような水染みは、ポストベーク後に消えるので製品としては問題がないが、現像後にパターニング面の外観検査において、ムラ異常として検出されてしまい、正常品と異常品の区別がつかないという問題が生じる。そのため、外観検査において検査装置の検査感度を下げると、結果として最終的なカラーフィルタ製品の歩留まり低下を引き起こし、問題となる。
オキシムエステル系光開始剤としては、1,2-オクタジオン-1-[4-(フェニルチオ)-、2-(o-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)、特開2000-80068号公報、特開2001-233842号公報、特表2010-527339、特表2010-527338、特開2013-041153等に記載のオキシムエステル系光開始剤の中から適宜選択できる。市販品として、カルバゾール骨格を有するイルガキュアOXE-01、イルガキュアOXE-02、イルガキュアOXE-03(以上、BASF社製)、アデカアークルズN-1919、アデカアークルズNCI-831(以上、ADEKA社製)、TR-PBG-304、TR-PBG-326(以上、常州強力電子新材料社製)、ジフェニルスルフィド骨格を有するアデカアークルズNCI-930(ADEKA社製)、TR-PBG-345、TR-PBG-3057(以上、常州強力電子新材料社製)、フルオレン骨格を有するTR-PBG-365(常州強力電子新材料社製)などを用いても良い。
またオキシムエステル系光開始剤を2種類以上併用することは、現像耐性が向上しやすく、水染み発生抑制効果が高い点で好ましい。特にジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光開始剤2種類の併用又は、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光開始剤とフルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤を併用することは輝度が高くなりやすく、耐熱性が高い点から好ましい。また、カルバゾール骨格を有するオキシムエステル系光開始剤と、フルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤又はジフェニルスルフィドを有するオキシムエステル系光開始剤を併用することは感度、輝度に優れる点で好ましい。
本発明に用いられる溶剤としては、着色樹脂組成物中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶剤であればよく、特に限定されない。溶剤は単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
溶剤の具体例としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのアルコール系溶剤;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、ヒドロキシプロピオン酸メチル、ヒドロキシプロピオン酸エチル、n-ブチルアセテート、イソブチルアセテート、酪酸イソブチル、酪酸n-ブチル、乳酸エチル、シクロヘキサノールアセテートなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン系溶剤;メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶剤;プロピレングリコールジアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート等のジアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶剤;γ-ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;テトラヒドロフランなどの環状エーテル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶剤;N-ヘプタン、N-ヘキサン、N-オクタンなどの飽和炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中ではグリコールエーテルアセテート系溶剤、カルビトールアセテート系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、エステル系溶剤が他の成分の溶解性の点で好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、及び、3-メトキシブチルアセテートよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
本発明においては、中でも沸点が150℃~200℃の高沸点溶剤として3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸-3-メトキシ-3-メチルブチルなどを好適に用いることができ、顔料濃度30%以上の際には、上記高沸点溶剤を溶剤全体の0~40質量%含有することが好ましく、0~30質量%含有することがより好ましい。高沸点溶剤の含有量が上記範囲であると再溶解性が向上することで、顔料が高濃度でも現像性や再溶解性が良好になる効果がある。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤を含むものであってもよい。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤の他、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、染料等の色材を含有してもよい。
また、染料としては、公知の染料の中から適宜選択して用いることができ、具体例として、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、フタロシアニン染料、インジゴ染料等が挙げられる。
顔料の合計の含有量は、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の固形分全量に対して、3~65質量%、より好ましくは4~60質量%の割合で配合することが好ましい。
上記下限値以上であれば、カラーフィルタ用着色樹脂組成物を所定の膜厚(通常は1.0~5.0μm)に塗布した際の着色層が充分な色濃度を有する。また、上記上限値以下であれば、保存安定性に優れると共に、充分な硬度や、基板との密着性を有する着色層を得ることができる。特に顔料濃度が高い着色層を形成する場合には、顔料の含有量は、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の固形分全量に対して、15~65質量%、より好ましくは25~60質量%の割合で配合することが好ましい。
また、分散剤の含有量としては、顔料を均一に分散することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の固形分全量に対して1~40質量%用いることができる。更に、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の固形分全量に対して2~30質量%の割合で配合するのが好ましく、特に3~25質量%の割合で配合するのが好ましい。上記下限値以上であれば、顔料の分散性及び分散安定性に優れ、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の保存安定性により優れている。また、上記上限値以下であれば、現像性が良好なものとなる。特に顔料濃度が高い着色層を形成する場合には、分散剤の含有量は、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の固形分全量に対して、2~25質量%、より好ましくは3~20質量%の割合で配合することが好ましい。なお、分散剤の質量は、塩型ブロック共重合体の場合、塩形成前の前記ブロック共重合体と、上記一般式(I)~(III)よりなる群から選択される1種以上の化合物との合計の質量である。
また、溶剤の含有量は、着色層を精度良く形成することができる範囲で適宜設定すればよい。該溶剤を含むカラーフィルタ用着色樹脂組成物の全量に対して、通常、55~95質量%の範囲内であることが好ましく、中でも、65~88質量%の範囲内であることがより好ましい。上記溶剤の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
本発明において第一のカラーフィルタ用着色樹脂組成物は、当該着色樹脂組成物の着色層を形成したときに、C光源を使用して測色したJIS Z8701:1999のXYZ表色系における色度座標が、x=0.630~0.665、y=0.326~0.335の範囲にあり、且つ、着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)が-30nm以上120nm以下である。
中でも、色再現性を向上する点から、x=0.640~0.665、y=0.326~0.335の範囲にある硬化膜を形成可能であることが好ましく、x=0.650~0.665、y=0.326~0.335の範囲にある硬化膜を形成可能であることが更に好ましい。
中でも、着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)は-30nm以上60nm以下であることが好ましく、-20nm以上45nm以下であることが更に好ましく、-10nm以上20nm以下であることがより更に好ましい。
また、当該着色層のコントラストは、4000以上が好ましく、5000以上がより好ましく、6000以上が更により好ましい。前記化学式(1-1)で表される赤色顔料を用いることにより、色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.326≦y≦0.335の範囲にて位相差の増加が少なく、輝度やコントラストを高くすることができる。
中でも、色再現性を向上する点から、x=0.630~0.665、y=0.315~0.340の範囲にある硬化膜を形成可能であることが好ましく、x=0.640~0.665、y=0.315~0.335の範囲にある硬化膜を形成可能であることが更に好ましい。
中でも、着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)は-30nm以上60nm以下であることが好ましく、-20nm以上45nm以下であることが更に好ましく、0nm以上10nm以下であることがより更に好ましい。
また、当該着色層のコントラストは、4000以上が好ましく、5000以上がより好ましく、6000以上が更により好ましい。前記化学式(1-1)で表される赤色顔料を用いることにより、色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.295≦y≦0.360の範囲にて位相差の増加が少なく、輝度やコントラストを高くすることができる。
Rth=((Nx+Ny)/2-Nz)d
Nx:面内遅相軸方向の屈折率
Ny:面内進相軸方向の屈折率
Nz:厚み方向の屈折率
d:膜厚(nm)
着色層の厚みは特に限定されないが、1~3μmとして測定するのが好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、前記一般式(1)で表される赤色顔料を含む顔料と、前記一般式(2)で表される構成単位を有する共重合体を含む分散剤と、溶剤とを含有する顔料分散液に、アルカリ可溶性樹脂と、モノマーと、光開始剤と、必要に応じてその他の成分を添加し、公知の混合手段を用いて混合することにより得ることができる。或いは、前記分散剤を用いて、一般式(1)で表される赤色顔料の分散液と、更に必要に応じて他の顔料の顔料分散液とを各々準備し、各分散液と、アルカリ可溶性樹脂と、モノマーと、光開始剤と、必要に応じてその他の成分を、公知の混合手段を用いて混合することにより得ることができる。
分散液の調製において顔料は、従来公知の分散機を用いて分散することができる。
分散機の具体例としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03~3.0mmが好ましく、より好ましくは0.05~2.0mmである。
具体的には、ビーズ径が比較的大きめな2.0mmジルコニアビーズで予備分散を行い、更にビーズ径が比較的小さめな0.1mmジルコニアビーズで本分散することが挙げられる。また、分散後、0.5~2μmのフィルターで濾過することが好ましい。
本発明に係るカラーフィルタは、基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが、前記本発明に係るカラーフィルタ用着色樹脂組成物の硬化物である着色層を有する。
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、少なくとも1つが、前記本発明に係るカラーフィルタ用着色樹脂組成物の硬化物、すなわち前記着色樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層である。
着色層は、通常、後述する基板上の遮光部の開口部に形成され、通常3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1~5μmの範囲であることが好ましい。
まず、前述した本発明のカラーフィルタ用着色樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、ダイコート法などの塗布手段を用いて後述する基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。なかでもスピンコート法、ダイコート法を好ましく用いることができる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及びモノマー等を光重合反応させて硬化塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水
銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用するカラーフィルタ用着色樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、カラーフィルタ用感光性着色樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
本発明のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。遮光部は、スパッタリング法、真空蒸着法等によるクロム等の金属薄膜であっても良い。或いは、遮光部は、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた樹脂層であってもよい。遮光性粒子を含有させた樹脂層の場合には、感光性レジストを用いて現像によりパターニングする方法、遮光性粒子を含有するインクジェットインクを用いてパターニングする方法、感光性レジストを熱転写する方法等がある。
基板としては、後述する透明基板やシリコン基板、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、TFT等のトランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm~1mm程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や配向突起、柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
本発明に係る表示装置は、前記本発明に係るカラーフィルタを有することを特徴とする。本発明において表示装置の構成は特に限定されず、従来公知の表示装置の中から適宜選択することができ、例えば、液晶表示装置や、有機発光表示装置などが挙げられる。本発明では、横電界方式の液晶表示装置においても、緑色画素の電気的特性に起因する液晶の配向乱れ、スイッチングの閾値ずれによる焼き付き現象など、様々な表示不良が抑制されることから、液晶表示装置が好適に選択される。
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明に係るカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の表示装置の一例を示す概略図であり、液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
本発明に係る有機発光表示装置は、前述した本発明に係るカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする。
このような本発明の有機発光表示装置について、図を参照しながら説明する。図3は、本発明の表示装置の他の一例を示す概略図であり、有機発光表示装置の一例を示す概略図である。図3に例示するように本発明の有機発光表示装置100は、カラーフィルタ10と、有機発光体80とを有している。カラーフィルタ10と、有機発光体80との間に、有機保護層50や無機酸化膜60を有していても良い。
なお、本発明の有機発光表示装置は、この図3に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた有機発光表示装置として公知の構成とすることができる。
なお、以下実施例1~54、56、59~62については、参考例とする。
(1)ブロック共重合体Iの合成
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた500mL丸底4口セパラブルフラスコにTHF250質量部、塩化リチウム0.6質量部を加え、充分に窒素置換を行った。反応フラスコを-60℃まで冷却した後、ブチルリチウム4.9質量部(15質量%ヘキサン溶液)、ジイソプロピルアミン1.1質量部、イソ酪酸メチル1.0質量部をシリンジを用いて注入した。Bブロック用モノマーのメタクリル酸1-エトキシエチル(EEMA)2.22質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)18.7質量部、メタクリル酸2-エチルヘキシル(EHMA)12.8質量部、メタクリル酸n-ブチル(BMA)13.7質量部、メタクリル酸ベンジル(BzMA)9.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)17.5質量部を、添加用ロートを用いて60分かけて滴下した。30分後、Aブロック用モノマーであるメタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMMA)26.6質量部を20分かけて滴下した。30分間反応させた後、メタノール1.5質量部を加えて反応を停止させた。得られた前駆体ブロック共重合体THF溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行い、PGMEAで希釈し固形分30質量%溶液とした。水を32.5質量部加え、100℃に昇温し7時間反応させ、EEMA由来の構成単位を脱保護しメタクリル酸(MAA)由来の構成単位とした。得られたブロック共重合体PGMEA溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行い、一般式(2)で表される構成単位を含むAブロックとカルボキシ基含有モノマー由来の構成単位を含み親溶剤性を有するBブロックとを含むブロック共重合体Iを得た。このようにして得られたブロック共重合体Iを、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて確認したところ、重量平均分子量Mwは7730であった。
100mL丸底フラスコ中でPGMEA42.12質量部に、ブロック共重合体Iを10.0質量部溶解し、前記一般式(III)で表される化合物であるフェニルホスホン酸(東京化成製)0.53質量部(前記一般式(III)で表される化合物がブロック共重合体IのDMMAユニット1モルに対し、0.20モル)加え、反応温度30℃で20時間攪拌することにより、固形分20質量%の塩型ブロック共重合体I(分散剤I)溶液を得た。
製造例1において、モノマーの量を下表1のように変更した以外は、製造例1と同様にして、塩型ブロック共重合体II(分散剤II)を得た。
製造例1において、ブロック共重合体Iを合成する代わりに、Disperbyk LPN6919(ビックケミー社製、アクリル分散剤、固形分60%)(アミン価120mgKOH/g,固形分60質量%)を準備した。次いで、製造例1の(2)において、ブロック共重合体Iの代わりに前記LPN6919を用いた以外は、製造例1の(2)と同様にして、塩型ブロック共重合体III(分散剤III)を得た。
製造例1の(1)において、モノマーの種類及び量を下表1のように変更した以外は、製造例1の(1)と同様にして、ブロック共重合体IVを得た。次いで、100mL丸底フラスコ中で、PGMEA 42.56 質量部にブロック共重合体IV 10.0 質量部を溶解させ、塩形成成分である塩化ベンジル(関東化学(株)社製)を 0.64 質量部(ブロック共重合体のDMMAユニットに対し、 0.3 当量)加え、反応温度80℃で12時間攪拌することにより、固形分20質量%の塩型ブロック共重合体溶液IVを調製した。
MAA メタクリル酸
HEMA 2-ヒドロキシエチルメタクリレート
EHMA メタクリル酸2-エチルヘキシル
BMA メタクリル酸n-ブチル
BzMA メタクリル酸ベンジル
MMA メタクリル酸メチル
DMMA メタクリル酸ジメチルアミノエチル
BzMA 40質量部、MMA 15質量部、MAA 25質量部、及びアゾイソブチロニトリル(AIBN) 3質量部の混合液を、PGMEA 150質量部を入れた重合槽中に、窒素気流下、100℃で、3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に100℃で、3時間加熱し、重合体溶液を得た。この重合体溶液の重量平均分子量は、7000であった。
次に、得られた重合体溶液に、グリシジルメタクリレート(GMA) 20質量部、トリエチルアミン0.2質量部、及びp-メトキシフェノール0.05質量部を添加し、110℃で10時間加熱することにより、主鎖メタクリル酸のカルボン酸基と、グリシジルメタクリレートのエポキシ基との反応を行ない、アルカリ可溶性樹脂A溶液を得た。反応中は、グリシジルメタクリレートの重合を防ぐために、反応溶液中に、空気をバブリングさせた。尚、反応は溶液の酸価を測定することで追跡した。得られたアルカリ可溶性樹脂A溶液は、BzMA、MMA、MAAの共重合により形成された主鎖にGMAを用いてエチレン性二重結合を有する側鎖を導入した樹脂であり、固形分40質量%、酸価74mgKOH/g、重量平均分子量12000であった。
スチレン(St)15質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA) 5質量部、MMA 23.9質量部、MAA 26.9質量部、及びアゾイソブチロニトリル(AIBN) 3質量部の混合液を、PGMEA 150質量部を入れた重合槽中に、窒素気流下、100℃で、3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に100℃で、3時間加熱し、重合体溶液を得た。
次に、得られた重合体溶液に、グリシジルメタクリレート(GMA)29.2質量部、トリエチルアミン0.2質量部、及びp-メトキシフェノール0.05質量部を添加し、110℃で10時間加熱することにより、主鎖メタクリル酸のカルボン酸基と、グリシジルメタクリレートのエポキシ基との反応を行ない、アルカリ可溶性樹脂B溶液を得た。反応中は、グリシジルメタクリレートの重合を防ぐために、反応溶液中に、空気をバブリングさせた。尚、反応は溶液の酸価を測定することで追跡した。得られたアルカリ可溶性樹脂B溶液は、St、CHMA、MMA、MAAの共重合により形成された主鎖にGMAを用いてエチレン性二重結合を有する側鎖を導入した樹脂であり、固形分40質量%、酸価77mgKOH/g、重量平均分子量17600であった。
撹拌装置、温度計、コンデンサーを付けたフラスコにPGMEA1086質量部、IPDI3N(イソホロンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート:NCO%=17.2)を587.3質量部(0.80モル部)およびシクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物499.1質量部(2.52モル部)を加え、140℃まで昇温した。反応は、発泡とともに進行した。この温度で8時間反応させた。系内は淡黄色の液体となり、赤外スペクトルにて特性吸収を測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm-1が完全に消滅し、1780cm-1、1720cm-1にイミド基の吸収が確認された。
110℃まで降温した後、p-メトキシフェノール1.2質量部、メタクリル酸グリシジル(GMA)153.5質量部(1.08モル部)、トリエチルアミン9.6質量部を加え110℃で15時間付加反応させた。赤外スペクトルにて特性吸収を測定した結果、酸無水物基の特性吸収である1860cm-1の吸収が完全に消失した。酸価は、固形分換算で、148mgKOH/gで、分子量はポリスチレン換算で数平均分子量5000であった。また、樹脂分の濃度は51.3質量%であった。これをアルカリ可溶性樹脂C溶液とした。得られたアルカリ可溶性樹脂C溶液は、カルボキシ基を有するポリアミドイミド樹脂であってGMAを用いてエチレン性二重結合を有する側鎖を導入した樹脂である。
下記表2に示す組成となるように、それぞれ顔料と、分散剤と、顔料誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、顔料分散剤と、溶剤と、粒径2.0mmジルコニアビーズ100質量部をマヨネーズビンに入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)にて1時間振とうし、次いで粒径2.0mmジルコニアビーズを取り出し、粒径0.1mmのジルコニアビーズ200質量部を加えて、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて6時間分散を行い、実施例1~16の顔料分散液を得た。
下記表2に示す組成となるように、それぞれ顔料と、分散剤と、溶剤等とを混合し、比較顔料分散液を得た。
下記の各成分を混合して、着色樹脂組成物を調製した。
・実施例1の顔料分散液 (固形分 21.5質量%):48.3質量部
・アルカリ可溶性樹脂 A (BzMA/MMA/MAA/GMA=40/15/25/20質量%、重量平均分子量12,000、PGMEA溶液、固形分40質量%):6.0質量部
・光硬化性多官能モノマー(東亞合成製、アロニックスM-305):5.6質量部
・光重合開始剤(BASF製、イルガキュア907):1.07質量部
・光重合開始剤(BASF製、イルガキュア369):1.34重量部
・光増感剤(4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン):0.27重量部
・界面活性剤(DIC(株)製、メガファックR-08MH):0.9質量部
・PGMEA:36.5質量部
前記着色樹脂組成物の調製において、各成分の配合量を下記表3及び表4のとおり変更した以外は、実施例17と同様にして、実施例18~39の着色樹脂組成物を調製した。
なお、下記表3及び4に記載の成分のうち、初出のものは以下のとおりである。
・光硬化性多官能モノマー(EO変性)(東亞合成製、アロニックスM-350)
・オキシム系光重合開始剤(ADEKA製、アデカアークルズN-1919)
前記実施例18において、実施例1の顔料分散液の代わりに、比較例2の顔料分散液を用い、各成分の配合量を下記表3のとおり変更した以外は、実施例18と同様にして、比較例3の着色樹脂組成物を調製した。
<顔料分散液の分散安定性評価>
実施例及び比較例の顔料分散液を、それぞれ室温(25℃)で保管し、調製から1日後及び1か月保管後に、それぞれ粘度を測定した。粘度は振動式粘度計(セコニック製VM-200T2)を用いて、25.0±1.0℃において測定し、測定開始から30秒後の値を採用した。
分散1日後の粘度と、1ヶ月保存後の粘度とを比較して、粘度変化が2%以内のものをAA、粘度変化が5%以内のものをA、粘度変化が5%以上10%未満B、10%を超過したものをCとした。結果を表2に示す。粘度変化が10%以内であれば、分散安定性に優れ、実用範囲であると評価される。
各実施例及び各比較例で得られた着色樹脂組成物を、ガラス基板(NHテクノグラス(株)製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて、ポストベーク後に所望の色(赤色着色層:C光源でのx=0.630)になるように塗布した。80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った後、超高圧水銀灯を用いて60mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、230℃のクリーンオーブンで25分間ポストベークし、得られた着色膜のコントラスト、色度(x、y)、輝度(Y)を測定した。コントラストは壺坂電気(株)社製「コントラスト測定装置CT-1B」を用い、色度及び輝度はオリンパス(株)社製「顕微分光測定装置OSP-SP200」を用いて測定した。
着色層の位相差は、以下の式で計算される厚み方向のリタデーション(Rth)を指標とした。リタデーション(Rth)は、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用い、測定した。赤色着色層の測定波長は620nmで測定した。
Rth=((Nx+Ny)/2-Nz)d
Nx:面内遅相軸方向の屈折率
Ny:面内進相軸方向の屈折率
Nz:厚み方向の屈折率
d:膜厚(nm)
実施例及び比較例で得られた着色樹脂組成物を、それぞれ厚み0.7mmで100mm×100mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)社製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートを用いて80℃で3分間乾燥することにより、厚さ2.5μmの着色層を形成した。この着色層に2~80μmのマスク開口幅をもつフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用いて60mJ/cm2の紫外線を照射した。上記着色層が形成されたガラス板を、アルカリ現像液として0.05質量%水酸化カリウム水溶液を用いてシャワー現像した。このとき現像が完了した時間を現像性の指標とした。
A:現像時間~20秒
B:現像時間20~40秒
C:現像時間1分以上
実施例及び各比較例で得られた着色樹脂組成物を、それぞれ厚み0.7mmで100mm×100mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)社製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートを用いて60℃で3分間乾燥することにより、ポストベーク後に表に記載の膜厚になるように回転数を調整し、着色層を形成した。この着色層に80μmのマスク開口幅、160μmのマスク遮光幅をもつフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用いて60mJ/cm2の紫外線を照射した。上記着色層が形成されたガラス板を、アルカリ現像液として0.05質量%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒間シャワー現像した。次に、当該着色基板を230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークした基板を投光機下で目視により着色層のムラを観察し、更に光学顕微鏡により50mm×50mmの範囲の着色層のエッジ部の空隙の個数を測定した。
(ムラ評価基準)
AA:ムラ無し、エッジ部の空隙無し
A:ムラ無し、エッジ部の空隙が20個未満
B:一部でムラが観察された
C:全体でムラが観察された
ムラ評価基準がAA、A又はBであれば、実用上使用できるが、評価結果がA、更にAAであればより効果が優れている。
下記表5に示す組成となるように、それぞれ顔料と、分散剤と、顔料誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、顔料分散剤と、溶剤とを混合し、実施例1と同様にして、実施例40~43の顔料分散液を得た。
前記着色樹脂組成物の調製において、各成分の配合量を下記表6のとおり変更した以外は、実施例17と同様にして、実施例51~58の着色樹脂組成物を調製した。
なお、下記表6に記載の成分のうち、初出のものは以下のとおりである。
・オキシム系光重合開始剤(ADEKA製、アデカアークルズNCI-930)
・オキシム系光重合開始剤(常州強力電子新材料社製、TR-PBG-3057)
・酸化防止剤(BASF製、IRGANOX1010)
実施例2と同じ組成となるように、それぞれ顔料と、分散剤と、顔料誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、顔料分散剤と、溶剤とを混合し、実施例59では本解砕としてペイントシェーカーにて24時間分散を行い、実施例60では本解砕としてペイントシェーカーにて3時間分散を行った以外は、実施例2と同様にして、各々顔料分散液を得た。
実施例59及び60の顔料分散液を用いた以外は、実施例18と同様にして、実施例59及び60の着色樹脂組成物を調製した。実施例59及び60の着色樹脂組成物について、実施例18と同様に位相差及びコントラストの評価を行った。評価結果を表7に示す。
実施例1と同じ組成となるように、それぞれ顔料と、分散剤と、顔料誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、顔料分散剤と、溶剤とを混合し、実施例61では本解砕としてペイントシェーカーにて24時間分散を行い、実施例62では本解砕としてペイントシェーカーにて3時間分散を行った以外は、実施例1と同様にして、各々顔料分散液を得た。
実施例61及び62の顔料分散液を用いた以外は、実施例17と同様にして、実施例61及び62の着色樹脂組成物を調製した。実施例61及び62の着色樹脂組成物について、実施例17と同様に位相差及びコントラストの評価を行った。
また、各実施例の着色樹脂組成物について、PGMEAで1000倍に希釈し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA-EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて、平均分散粒径を測定した。
各評価結果を表7に示す。
表3及び表4の結果から、一般式(1)で表される赤色顔料を含む顔料と、一般式(2)で表される構成単位を有する共重合体を含む分散剤と、ジケトピロロピロール骨格を有する顔料誘導体、及びアゾレーキ骨格を有する顔料誘導体から選ばれる1種以上を含む顔料誘導体とを組み合わせて用いた実施例1~16の顔料分散液は、経時安定性に優れていることが明らかとなった。スルホン化ジケトピロロピロール誘導体とスルホン化キナクリドン誘導体とを組み合わせて用いた、実施例10および11の顔料分散液は特に経時安定性に優れていた。
一般式(1)で表される赤色顔料を含む顔料と、一般式(2)で表される構成単位を有する共重合体を含む分散剤と、ジケトピロロピロール骨格を有する顔料誘導体、及びアゾレーキ骨格を有する顔料誘導体から選ばれる1種以上を含む顔料誘導体とを組み合わせた実施例17~28及び実施例32~39の着色樹脂組成物を用いて形成された着色層は、色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.326≦y≦0.335を満たし、且つ、光の着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)が-30nm以上120nm以下を達成した。
また、一般式(1)で表される赤色顔料を含む顔料と、当該一般式(1)で表される赤色顔料とは異なる赤色顔料、オレンジ色顔料、及び、黄色顔料より選択される1種以上の顔料を含む実施例27~31の着色樹脂組成物を用いて形成された着色層は、色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.295≦y≦0.360を満たし、且つ、光の着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)が-30nm以上120nm以下を達成した。
また、実施例54と実施例55、実施例32と実施例57、実施例33と実施例58とをそれぞれ比較すると、アルカリ可溶性樹脂としてポリアミドイミド樹脂を含有すると、位相差の絶対値を低減できることが明らかにされた。
また、実施例32と実施例57、実施例33と実施例58とを比較すると、アルカリ可溶性樹脂としてポリアミドイミド樹脂を含有し、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシム系開始剤を少なくとも2種を含有すると、輝度が向上する傾向が明らかにされた。
また、オキシム系開始剤を少なくとも2種含み、更に、酸化防止剤を含有する場合、顔料濃度が高くても、エッジ部に発生するムラが抑制され易いことが明らかにされた。
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
50 有機保護層
60 無機酸化膜
71 透明陽極
72 正孔注入層
73 正孔輸送層
74 発光層
75 電子注入層
76 陰極
80 有機発光体
100 有機発光表示装置
Claims (11)
- 下記一般式(1)で表される赤色顔料を含む顔料と、下記一般式(2)で表される構成単位を有する共重合体を含む分散剤と、顔料誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、モノマーと、開始剤と、溶剤とを含有する着色樹脂組成物であって、
前記顔料誘導体が、下記一般式Aで表されるイミドアルキル化ジケトピロロピロール誘導体、及び下記一般式Bで表されるアミド化ジケトピロロピロール誘導体から選ばれる1種以上を含み、
前記アルカリ可溶性樹脂として、酸価が90mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のカルボキシ基を有するポリアミドイミド樹脂を含有し、
当該着色樹脂組成物の着色層を形成したときに、当該着色層のC光源で測定した色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.326≦y≦0.335を満たし、且つ、光の着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)が-30nm以上120nm以下である、カラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 前記共重合体が、前記一般式(2)で表される構成単位を有するブロック部と、下記一般式(3)で表される構成単位を有するブロック部とを有し、前記一般式(3)で表される構成単位が、メタクリル酸、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、及び、ベンジルメタクリレートよりなる群よる選択される1種以上の構成単位を含む、請求項1に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
上記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
xは1~18の整数、yは1~5の整数、zは1~18の整数を示す。) - 前記開始剤が、オキシム系開始剤を少なくとも2種含み、更に、酸化防止剤を含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 前記開始剤が、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシム系開始剤を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 下記一般式(1)で表される赤色顔料を含む顔料と、下記一般式(2)で表される構成単位を有する共重合体を含む分散剤と、顔料誘導体と、アルカリ可溶性樹脂と、モノマーと、開始剤と、溶剤とを含有する着色樹脂組成物であって、
前記顔料誘導体が、下記一般式Aで表されるイミドアルキル化ジケトピロロピロール誘導体、及び下記一般式Bで表されるアミド化ジケトピロロピロール誘導体から選ばれる1種以上を含み、
前記アルカリ可溶性樹脂として、酸価が90mgKOH/g以上300mgKOH/g以下のカルボキシ基を有するポリアミドイミド樹脂を含有し、
前記顔料が、更に、前記一般式(1)で表される赤色顔料とは異なる赤色顔料、オレンジ色顔料、及び、黄色顔料より選択される1種以上の顔料を含み、
当該着色樹脂組成物の着色層を形成したときに、前記着色層のC光源で測定した色度(x,y)が、0.630≦x≦0.665、0.295≦y≦0.360を満たし、且つ、光の着色層の厚み方向における波長620nmの光の位相差(Rth)が-30nm以上120nm以下である、カラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 前記顔料が、C.I.ピグメントイエロー185を含む、請求項6に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 前記開始剤が、オキシム系開始剤を少なくとも2種含み、更に、酸化防止剤を含有する、請求項6又は7に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 前記開始剤が、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシム系開始剤を含む、請求項6乃至8のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが請求項1乃至9のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物の硬化物であることを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項10に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする表示装置。
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