JP7085855B2 - ナッツ様風味組成物の製造方法及び食品の製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕赤唐辛子を、最高到達品温が135℃~170℃で、加熱価が8分~30分となるように加熱する工程を含み、
前記加熱価が、前記赤唐辛子の品温(A)[℃]に対して10^{(A-150)/30}で求められる値を加熱時間[分]で積分した値で定義されることを特徴とする、ナッツ様風味組成物の製造方法。
〔2〕前記〔1〕に記載の方法により製造されたナッツ様風味組成物を用いることを特徴とする、食品の製造方法。
〔3〕加熱価が8分未満の赤唐辛子をさらに用いることを特徴とする、前記〔2〕に記載の食品の製造方法。
本明細書に記載の「赤唐辛子」とは、香辛料の1種であり、ナス科の多年草(温帯では一年草)であるトウガラシ(学名:Capsicum annuum)の果実を乾燥させたものである。
本発明の製造方法により製造される食品は、特に限定されないが、例えば、カレールウ、カレーソース、カレーフィリング、麻婆豆腐、一味、七味、又はシーズニング等であってもよい。ナッツ様風味組成物を食品に添加することで、食品に特有のナッツ様の風味を加えることができる。
また、本発明の製造方法により製造される食品は、ナッツ様風味組成物と従来からある加熱価8未満の赤唐辛子及び/又は焙煎した赤唐辛子(焙煎唐辛子)を併用してもよい。併用することで、赤唐辛子本来の柑橘風味と、ゴマ、アーモンド、カシューナッツ等のもつ風味と異なる、鋭く広がりのある特有のナッツ様の風味が一体となった風味豊かな食品を得ることができる。
〔実施例1〕
赤唐辛子約100gを粉砕して赤唐辛子パウダーを得た。赤唐辛子パウダーを焙煎機に投入し、蓋をして閉鎖された状態で、赤唐辛子パウダーの品温が150℃に達温するまで100分間かけて加熱した後に焙煎機から取り出してナッツ様風味組成物を得た。なお、加熱価は12分であった。
赤唐辛子約100gを粉砕して赤唐辛子パウダーを得た。赤唐辛子パウダーを2枚のステンレスバットで挟み込み、閉鎖された状態で、オーブン内で150℃、60分間かけて加熱した後にオーブンから取り出してナッツ様風味組成物を得た。なお、加熱価は12分であった。
赤唐辛子約100gを粉砕して赤唐辛子パウダーを得た。赤唐辛子パウダーを閉鎖された状態で、ゲージ圧で1kg/cm2の蒸気圧で、過熱水蒸気渦流混合システム(G-Labo製)を用いて150℃に調整した過熱水蒸気を用いて、150℃、12分間かけて加熱した後に過熱水蒸気渦流混合システムから取り出してナッツ様風味組成物を得た。なお、加熱価は12分であった。
70分間加熱したこと以外は、実施例2と同様にしてナッツ様風味組成物を得た。なお、加熱価は22分であった。
78分間加熱したこと以外は、実施例2と同様にしてナッツ様風味組成物を得た。なお、加熱価は28分であった。
閉鎖された状態の代わりに開放された状態で加熱したこと以外は実施例3と同様にしてナッツ様風味組成物を得た。なお、加熱価は12分であった。
赤唐辛子パウダーの代わりに赤唐辛子を砕かずに果実の状態で加熱したこと以外は実施例3と同様にしてナッツ様風味組成物を得た。なお、加熱価は12分であった。
赤唐辛子パウダーの代わりに目開き20mmの篩を全通するように粗挽きした赤唐辛子を加熱したこと以外は実施例3と同様にしてナッツ様風味組成物を得た。なお、加熱価は12分であった。
赤唐辛子パウダーの品温が100℃に達温するまで50分間加熱し、その後品温を維持するようにして10分間加熱したこと以外は、実施例1と同様にして組成物を得た。なお、加熱価は0.1分であった。
赤唐辛子パウダーの品温が130℃に達温するまで90分間加熱したこと以外は、実施例1と同様にして組成物を得た。なお、加熱価は5分であった。
赤唐辛子約100gを粉砕して赤唐辛子パウダーを得た。赤唐辛子パウダーをステンレスバットに挟み込み、閉鎖された状態で、145℃のオーブンに投入し、120分間加熱した後にオーブンから取り出して組成物を得た。なお、加熱価は40分であった。
[評価基準(柑橘風味)]
柑橘風味を強い順から、「◎」、「○」、「△」、「×」と規定した。
◎:赤唐辛子本来の柑橘風味が強い
○:赤唐辛子本来の柑橘風味がある
△:赤唐辛子本来の柑橘風味が弱い
×:赤唐辛子本来の柑橘風味がない
[評価基準(特有のナッツ様の風味)]
ナッツ様の風味を強い順から、「◎」、「○」、「△」、「×」と規定した。
◎:従来の赤唐辛子にはなかった特有のナッツ様の風味が強い
○:従来の赤唐辛子にはなかった特有のナッツ様の風味がある
△:従来の赤唐辛子にはなかった特有のナッツ様の風味が弱い
×:従来の赤唐辛子にはなかった特有のナッツ様の風味がない
[評価基準(焦げ臭さ)]
焦げ臭さを弱い順から、「◎」、「○」、「△」、「×」と規定した。
◎:焦げ臭さを全く感じない
○:かすかに焦げ臭さを感じる
△:焦げ臭さを感じるが弱い
×:焦げ臭さを感じる
〔実施例9〕
ラード34.5質量部と小麦粉37質量部を120℃になるまで炒めた。そこにターメリック2質量部、コリアンダー2質量部、実施例1のナッツ様風味組成物0.1質量部、比較例1の組成物(焙煎唐辛子)0.9質量部、及びクミン2質量部を加え、3分間炒めた。次に、グラニュー糖6.5質量部、食塩7.5質量部、グルタミン酸ナトリウム6.5質量部、核酸調味料0.7質量部、カラメル色素0.3質量部を入れ、混合した後、60℃まで冷却し、これをトレイに充填した。次に、これを-10℃、40分間の条件で冷却処理を施して固化し、固形カレールウを得た。
〔実施例10〕
上記<2>で調製したカレールウ1質量部を25℃の水5質量部に撹拌混合しながら混合物の温度が95℃に達するまで加熱調理してカレーソースを得た。
このカレーソースは、赤唐辛子本来の柑橘風味と、ゴマ、アーモンド、カシューナッツ等のもつ風味と異なる、鋭く広がりのある特有のナッツ様が一体となり風味豊かなものであった。
〔実施例11〕
ラード9質量部でにんにく2質量部と豆板醤6質量部を80℃で3分間炒めた。そこに甜麺醤6質量部、酒5質量部、醤油6質量部、鶏がらスープ53.9質量部を加え95℃達温まで加熱した。その後、予め水7質量部と片栗粉4質量部とを溶いて調整した水溶き片栗粉11質量部を入れて再度95℃達温まで加熱し、花椒パウダー1質量部、実施例1のナッツ様風味組成物0.1質量部を加え、混合して麻婆豆腐ソースを得た。
麻婆豆腐ソースは、従来の赤唐辛子にはなく、ゴマ、アーモンド、カシューナッツ等のもつ風味とも異なる、鋭く広がりのある特有のナッツ様の風味を有するものであった。
〔実施例12〕
ラード9質量部でにんにく2質量部と豆板醤6質量部を80℃で3分間炒めた。そこに甜麺醤6質量部、酒5質量部、醤油6質量部、鶏がらスープ53質量部を加え95℃達温まで加熱した。その後、予め水7質量部と片栗粉4質量部とを溶いて調整した水溶き片栗粉11質量部を入れて再度95℃達温まで加熱し、花椒パウダー1質量部、実施例1のナッツ様風味組成物0.1質量部、比較例1の組成物(焙煎唐辛子)0.9質量部を加え、混合して麻婆豆腐ソースを得た。
麻婆豆腐ソースは、赤唐辛子本来の柑橘風味と、ゴマ、アーモンド、カシューナッツ等のもつ風味と異なる、鋭く広がりのある特有のナッツ様の風味が一体となり風味豊かなものであった。
Claims (3)
- 赤唐辛子を、
最高到達品温が140℃~160℃で、加熱価が8分~30分となるように加熱する工程を含み、
前記加熱価が、前記赤唐辛子の品温(A)[℃]に対して10^{(A-150)/30}で求められる値を加熱時間[分]で積分した値で定義されることを特徴とする、
ナッツ様風味組成物の製造方法。 - 請求項1に記載の方法により製造されたナッツ様風味組成物を用いることを特徴とする、食品の製造方法。
- 加熱価が8分未満の赤唐辛子をさらに用いることを特徴とする、請求項2に記載の食品の製造方法。
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JP2018025583A JP7085855B2 (ja) | 2018-02-16 | 2018-02-16 | ナッツ様風味組成物の製造方法及び食品の製造方法 |
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JP2007061015A (ja) | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Ikeda Shokken Kk | 香辛料及びその加工方法 |
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