JP7085847B2 - 駆動装置 - Google Patents
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Description
ここで、「歯車側凸部の前記クリアランス部側の下端位置」とは、該下端位置から前記クリアランス部に連なるU字形状の底部を含む意味で使われている。
「噛み合い部側の下端位置」とは、該下端位置がU字形状の底部に連なる構造である場合は該底部を含む意味で使われている。
尚、以下の説明では最初に図1から図4に基づいて本発明の実施形態に係る駆動装置1の全体構成について説明する。次に、図5から図9に基づいて駆動装置1の要部の構成とその変形例について具体的に説明する。
続いて、図5から図9に表す本発明の駆動装置1と図10に表す従来の駆動装置100とを比較して本発明の駆動装置1の作用、効果について説明する。最後に前記実施形態とは部分的構成を異にする本発明の他の実施形態について言及する。
本実施形態に係る駆動装置1Aは、図2及び図3に表したように、回転駆動源であるモータ2と、モータ2の回転力Fを伝達する複数枚の伝達歯車5、6、7、8、9を有する伝達歯車輪列3と、伝達歯車輪列3の終端の伝達歯車9から回転力Fが伝達される出力歯車11と、出力歯車11に設けられ、出力歯車11より小径であり、回転力Fを出力する出力軸13と、モータ2、伝達歯車5、6、7、8、9、出力歯車11及び出力軸13を収容するケース15と、を備えることによって一例として構成されている。
モータ2としては、直流式のサーボモータ等が一例として適用できる。モータ2の出力軸には小径のピニオンギヤ23が取り付けられている。
伝達歯車輪列3は、モータ2の出力軸に取り付けられているピニオンギヤ23と噛み合う第1伝達歯車5と、第1伝達歯車5と噛み合う大径歯車6A及び小径歯車6Bを一体に備えた第2伝達歯車6と、第2伝達歯車6の小径歯車6Bと噛み合うケースカバー16側の歯車7A及びプレート21側の歯車7Bを一体に備えた第3伝達歯車7と、第3伝達歯車7のプレート21側の歯車7Bと噛み合う第4伝達歯車8と、第4伝達歯車8と噛み合う大径歯車9A及び小径歯車9Bを一体に備えた第5伝達歯車9と、を備えることによって一例として構成されている。
また、図示の実施形態では、図2及び図4において、プレート21の下方、即ちケース本体17側にも伝達歯車輪列29が第3伝達歯車7から動力が分配される形で設けられている。そして、伝達歯車輪列29の終端に設けられる伝達歯車30からケース本体17側の出力歯車31に回転が伝達されてケース本体17側の出力軸33に回転力Fが出力されるように構成されている。
そして、開口35、37によって露出された出力軸13と出力軸33を利用して、所定の回転力Fを外部の駆動系統や他の装置に伝達できるように構成されている。
(2-1)駆動装置1A
図5に表したように、本実施形態では、ケースカバー16と出力軸13の間には、出力軸13の回転を許容するためのクリアランス部39が設けられている。伝達歯車輪列3の終端に設けられる第5伝達歯車9と出力歯車11との噛み合い部41からクリアランス部39にかけて、グリースGの移動経路となる流路43が形成されている。
そして、流路43を挟んで位置する出力歯車11のケースカバー16との対向部には、出力軸13の軸方向Zに突出する所定高さHの歯車側凸部45が設けられている。更に、ケースカバー16の歯車側凸部45と対応する位置に歯車側凸部45を受け入れるケース側凹部47が設けられている。
また、ケース本体17と出力軸33の間にも、同様の構成のクリアランス部39と、噛み合い部41と、流路43と、歯車側凸部45と、ケース側凹部47と、が設けられている。
また、本実施形態では流路43を挟んで位置する出力歯車11のケース側凸部49に対応する位置に、ケース側凸部49を受入れる歯車側凹部51が設けられている。
また、ケース本体17側の出力歯車31と、ケース本体17との対向面にも同様の構成のケース側凸部49と、歯車側凹部51と、が設けられている。
更に、流路43は、歯車側凸部45の頂部53から内方の出力軸13との間に形成される凹部55に歯車側凸部45の高さH分下った後に上方に延び、出力軸13とケースカバー16との間に形成されているクリアランス部39を通ってケースカバー16に形成されている開口35と連通する。
尚、ケース本体17側の出力軸33及び出力歯車31とケース本体17との間に形成されているグリースGの流路43も、基本的にケースカバー16側の流路43と同様に形成されている。
また、出力軸13の軸方向Zにおけるケースカバー16側への押さえ位置は、歯車側凸部45の頂部53がケースカバー16の対応する部位(図示の実施形態ではケース側凹部47の底面59)に当接することでケースカバー16から外部に突出する方向のそれ以上の移動が規制されることで出力軸13のスラスト方向(軸方向)Zにおけるケースカバー16側への押さえ位置が設定されている。
これにより、流路43の開口面積も、歯車側凸部45の頂部53とケース側凹部47の底面59との対向位置で狭くなるように構成されている。従って、グリースGの移動抵抗を高くなり、グリースGのそれ以上のクリアランス部39への移動が抑制されるようになっている。
(2-2)駆動装置1B
図6に表す駆動装置1Bは、図5に表す駆動装置1Aの構成からケース側凸部49と歯車側凹部51を省略した変形例である。この変形例の場合には、凸部と凹部によって構成される入り込み構造61が歯車側凸部45とケース側凹部47とによって構成される入り込み構造61Aの一組となり、駆動装置1Aよりも流路43の長さが幾分短くなる。
尚、本変形例の場合も図5に表す駆動装置1Aと同様、出力軸13のスラスト方向(軸方向)Zにおける押さえ位置は、出力軸13の基端部位57とプレート21の対応する部位との当接による規制と、歯車側凸部45の頂部53とケース側凹部47の底面59との当接による規制と、によって所定の押さえ位置になるように保たれている。
また、図7に表す駆動装置1Cは、図5に表す駆動装置1Aの構成から歯車側凸部45とケース側凹部47を省略した変形例である。
具体的には、第5伝達歯車9と出力歯車11との噛み合い部41からクリアランス部39に至る流路43におけるケースカバー16の出力歯車11との対向部に、出力歯車11側に向かって突出するケース側凸部49を設け、出力歯車11のケース側凸部49と対応する位置にケース側凸部49を受け入れる歯車側凹部51を設けることによって本変形例の駆動装置1Cは構成されている。
しかし、ケース側凸部49と歯車側凹部51によって構成される一組の入り込み構造61Bによっても、グリースGの外部への流出の虞は後述する従来構造(図10)より低く抑えることが可能であると共に、構造が駆動装置1Aよりもシンプルになり、組付け性が向上し、また製造コストを低減することができる。
また、図8に表す駆動装置1Dは、図5に表す駆動装置1Aの構成からケース側凹部47と歯車側凹部51を省略し、その形状を一部変更した変形例である。
具体的には、第5伝達歯車9と出力歯車11の噛み合い部41からクリアランス部39に至る流路43における出力歯車11のケースカバー16との対向部に出力軸13の軸方向Zに突出する歯車側凸部45を設け、ケースカバー16の出力歯車11との対向部に、歯車側凸部45と隣り合って噛み合い部41側に位置し、出力歯車11に向って突出するケース側凸部49を設けることによって本変形例の駆動装置1Dは構成されている。
駆動装置1Dは、別に言い方をすると、凸部と凹部によって構成される入り込み構造61が出力軸13側の入り込み構造61Aの出力軸13側の範囲を除く一部の範囲と、噛み合い部41側の入り込み構造61Bの噛み合い部41側の範囲を除く一部の範囲と、になる構造である。よって、駆動装置1Aよりも流路43の長さが幾分短くなる。
しかし、一部の範囲となった入り込み構造61A、61Bによっても、グリースGの外部への流出の虞は後述する従来構造(図10)より低く抑えることが可能であると共に、構造が駆動装置1Aよりもシンプルになり、組付け性が向上し、また製造コストを低減することができる。
また、図9に表す駆動装置1Eのように、歯車側凸部45のクリアランス部39側の下端位置67と噛み合い部41側の下端位置69とは軸方向Zにおける高さhがそれぞれh1とh2と、異なるように設定することが可能である。
そして、図9に表す変形例では、歯車側凸部45のクリアランス部39側の下端位置67の軸方向Zにおける高さh1が噛み合い部41側の下端位置69の軸方向Zにおける高さh2よりも低くなる(h1<h2)ように設定されている。
従って、この変形例の駆動装置1Eの場合には、グリースGの外部への流出の虞は更に低く抑えられるから、本発明の目的は更に良好に達成できるようになる。
このようにして構成される本実施形態による駆動装置1Aから1Eによれば、凸部と凹部によって構成される入り込み構造61等の採用によって、グリースGの流路43が、図10に表す従来の駆動装置100の流路143に比べて長くなる。これによりグリースGの移動距離が長くなり、グリースGの移動抵抗が高くなってグリースGの外部への流出の虞が低く抑えられるようになる。
また、グリースGの塗布量を多くしてもグリースGの外部への流出の虞は低いから、従来、採られていたグリースGの塗布量を少なくするといった消極的な対策を取る必要がなくなる。
尚、図10において、符号109は伝達歯車、符号111は出力歯車、符号113は出力軸、符号115はケース、符号116はケースカバー、符号121はプレート、符号143はグリースGの移動経路である流路をそれぞれ示している。
本発明に係る駆動装置1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
また、ケース本体17側の出力軸33と、出力歯車31と、伝達歯車30を有する伝達歯車輪列29を省略してケースカバー16側のみに出力軸13を設ける構成の駆動装置1とすることも可能である。
更に、流路43を形成している出力軸13、ケースカバー16、出力歯車11の壁面にグリースGの溜まり部となる溝や小さな凹部を設けることや、グリースGの移動抵抗となる小さな凸部等を設けることも可能である。
また、歯車側凸部45の高さHは、図5に表す高さに限らず、それよりも高くても低くても構わない。同様に、ケース側凸部49の高さも、図5に表す高さに限らず、それよりも高くても低くても構わない。
6…伝達歯車、7…伝達歯車、8…伝達歯車、9…伝達歯車、11…出力歯車、
13…出力軸、15…ケース、16…ケースカバー、17…ケース本体、
19…ボス部、21…プレート、23…ピニオンギヤ、26…天板、27…底板、
28…軸部、29…伝達歯車輪列、30…伝達歯車、31…出力歯車、
33…出力軸、35…開口、37…開口、39…クリアランス部、
41…噛み合い部、43…流路(移動経路)、45…歯車側凸部、
47…ケース側凹部、49…ケース側凸部、51…歯車側凹部、53…頂部、
55…凹部、57…基端部位、59…底面、61…入り込み構造、63…頂部、
65…底面、67…(クリアランス部側の)下端位置、
69…(噛み合い部側の)下端位置、100…駆動装置、109…伝達歯車、
111…出力歯車、113…出力軸、115…ケース、116…ケースカバー、
121…プレート、143…流路、F…回転力、Z…上下方向(軸方向)、
G…グリース、H…高さ、D…深さ、T…間隔、h…高さ
Claims (7)
- 回転駆動源の回転力を伝達する伝達歯車と、
前記伝達歯車から前記回転力が伝達される出力歯車と、
前記出力歯車に設けられ、前記回転力を出力する出力軸と、
前記伝達歯車、前記出力歯車及び前記出力軸を収容するケースと、を備え、
前記ケースは、前記出力軸の回転を許容するクリアランス部を介して該出力軸の出力側を外部に露出し、
前記伝達歯車と前記出力歯車との噛み合い部から前記クリアランス部に至る前記出力歯車の前記ケースとの対向部には、前記出力軸の軸方向に突出する歯車側凸部を備え、
前記ケースの前記歯車側凸部と対応する位置に前記歯車側凸部を受け入れるケース側凹部を備え、
前記歯車側凸部の前記クリアランス部側の下端位置と前記噛み合い部側の下端位置とは前記軸方向における高さが異なり、
前記歯車側凸部の前記クリアランス部側の下端位置は前記噛み合い部側の下端位置より前記軸方向における高さが低い、
ことを特徴とする駆動装置。 - 回転駆動源の回転力を伝達する伝達歯車と、
前記伝達歯車から前記回転力が伝達される出力歯車と、
前記出力歯車に設けられ、前記回転力を出力する出力軸と、
前記伝達歯車、前記出力歯車及び前記出力軸を収容するケースと、を備え、
前記ケースは、前記出力軸の回転を許容するクリアランス部を介して該出力軸の出力側を外部に露出し、
前記伝達歯車と前記出力歯車との噛み合い部から前記クリアランス部に至る前記出力歯車の前記ケースとの対向部には、前記出力軸の軸方向に突出する歯車側凸部を備え、
前記伝達歯車と前記出力歯車との噛み合い部から前記クリアランス部に至る前記ケースの前記出力歯車との対向部には、前記歯車側凸部と隣り合って前記噛み合い部側に位置し、前記出力歯車に向かって突出するケース側凸部を備え、
前記歯車側凸部の前記クリアランス部側の下端位置と前記噛み合い部側の下端位置とは前記軸方向における高さが異なり、
前記歯車側凸部の前記クリアランス部側の下端位置は前記噛み合い部側の下端位置より前記軸方向における高さが低い、
ことを特徴とする駆動装置。 - 回転駆動源の回転力を伝達する伝達歯車と、
前記伝達歯車から前記回転力が伝達される出力歯車と、
前記出力歯車に設けられ、前記回転力を出力する出力軸と、
前記伝達歯車、前記出力歯車及び前記出力軸を収容するケースと、を備え、
前記ケースは、前記出力軸の回転を許容するクリアランス部を介して該出力軸の出力側を外部に露出し、
前記伝達歯車と前記出力歯車との噛み合い部から前記クリアランス部に至る前記出力歯車の前記ケースとの対向部には、前記出力軸の軸方向に突出する歯車側凸部を備え、
前記ケースの前記歯車側凸部と対応する位置に前記歯車側凸部を受け入れるケース側凹部を備え、
前記出力軸のスラスト方向における押さえ位置は、
前記出力軸の前記出力側と反対側に位置する基端部位が前記ケース内に固定されているプレートの対応する部位に規制され、
前記歯車側凸部の頂部が前記ケースの対応する部位に規制される、
ことで構成されている、ことを特徴とする駆動装置。 - 回転駆動源の回転力を伝達する伝達歯車と、
前記伝達歯車から前記回転力が伝達される出力歯車と、
前記出力歯車に設けられ、前記回転力を出力する出力軸と、
前記伝達歯車、前記出力歯車及び前記出力軸を収容するケースと、を備え、
前記ケースは、前記出力軸の回転を許容するクリアランス部を介して該出力軸の出力側を外部に露出し、
前記伝達歯車と前記出力歯車との噛み合い部から前記クリアランス部に至る前記出力歯車の前記ケースとの対向部には、前記出力軸の軸方向に突出する歯車側凸部を備え、
前記伝達歯車と前記出力歯車との噛み合い部から前記クリアランス部に至る前記ケースの前記出力歯車との対向部には、前記歯車側凸部と隣り合って前記噛み合い部側に位置し、前記出力歯車に向かって突出するケース側凸部を備え、
前記出力軸のスラスト方向における押さえ位置は、
前記出力軸の前記出力側と反対側に位置する基端部位が前記ケース内に固定されているプレートの対応する部位に規制され、
前記歯車側凸部の頂部が前記ケースの対応する部位に規制される、
ことで構成されている、ことを特徴とする駆動装置。 - 回転駆動源の回転力を伝達する伝達歯車と、
前記伝達歯車から前記回転力が伝達される出力歯車と、
前記出力歯車に設けられ、前記回転力を出力する出力軸と、
前記伝達歯車、前記出力歯車及び前記出力軸を収容するケースと、を備え、
前記ケースは、前記出力軸の回転を許容するクリアランス部を介して該出力軸の出力側を外部に露出し、
前記伝達歯車と前記出力歯車との噛み合い部から前記クリアランス部に至る前記ケースの前記出力歯車との対向部には、前記出力歯車との前記対向部に向かって突出するケース側凸部を備え、
前記出力歯車の前記ケース側凸部と対応する位置に前記ケース側凸部を受け入れる歯車側凹部を備え、
前記出力軸のスラスト方向における押さえ位置は、
前記出力軸の前記出力側と反対側に位置する基端部位が前記ケース内に固定されているプレートの対応する部位に規制され、
前記ケース側凸部の頂部が前記出力歯車の対応する部位に規制される、
ことで構成されている、ことを特徴とする駆動装置。 - 回転駆動源の回転力を伝達する伝達歯車と、
前記伝達歯車から前記回転力が伝達される出力歯車と、
前記出力歯車に設けられ、前記回転力を出力する出力軸と、
前記伝達歯車、前記出力歯車及び前記出力軸を収容するケースと、を備え、
前記ケースは、前記出力軸の回転を許容するクリアランス部を介して該出力軸の出力側を外部に露出し、
前記伝達歯車と前記出力歯車との噛み合い部から前記クリアランス部に至る前記出力歯車の前記ケースとの対向部には、前記出力軸の軸方向に突出する歯車側凸部を備え、
前記伝達歯車と前記出力歯車との噛み合い部から前記クリアランス部に至る前記ケースの前記出力歯車との対向部には、前記歯車側凸部と隣り合って前記噛み合い部側に位置し、前記出力歯車に向かって突出するケース側凸部を備え、
前記出力軸のスラスト方向における押さえ位置は、
前記出力軸の前記出力側と反対側に位置する基端部位が前記ケース内に固定されているプレートの対応する部位に規制され、
前記ケース側凸部の頂部が前記出力歯車の対応する部位に規制される、
ことで構成されている、ことを特徴とする駆動装置。 - 請求項2又は4に記載の駆動装置において、
前記ケースの前記歯車側凸部に対応する位置に設けられ、該歯車側凸部を受け入れるケース側凹部と、
前記出力歯車の前記ケース側凸部に対応する位置に設けられ、該ケース側凸部を受け入れる歯車側凹部と、
を備える、ことを特徴とする駆動装置。
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