JP7084998B2 - 上昇及び下降することができる乗物のサイドウィンドウのための保持要素 - Google Patents

上昇及び下降することができる乗物のサイドウィンドウのための保持要素 Download PDF

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Description

本発明は、乗物のサイドウィンドウのための保持要素、この保持要素を備え付けたサイドウィンドウ、並びにこのサイドウィンドウの製造方法及び使用に関する。
動力乗物は、典型的には、開閉式のサイドウィンドウを有している。このようなサイドウィンドウは、実質的に鉛直変位(すなわち、上昇及び下降)によって動かすことができるサイドペインを具備しており、それによって、サイドウィンドウを開けたり閉めたりすることができるようになっている。ウィンドウを動かすことができるようにするために、これを乗物本体の内部の機構に接続する。
上昇及び下降機構にサイドウィンドウを接続するために、サイドウィンドウは、一つ又は複数の孔を、その下縁の領域に具備することができる。あるいは、下縁の領域で、一つ又は複数の保持要素をサイドウィンドウに取り付けることもでき、特に接着することもできる。このような保持要素は、通常は、サイドウィンドウの2つの面に接着する2つの接触部分を有する実質的にY字型の断面を有し、かつ共通の固定部分が、これらの接触部分に段を介してそれぞれ連結している。固定部分は、サイドウィンドウの下縁に接続され、かつ上昇及び下降機構に接続するための孔を備えている。このようなY字型の保持要素は、例えば、欧州特許出願公開第1 936 088 A1号公報、欧州特許出願公開第1 936 087 A1号公報、欧州特許出願公開第1 935 557 A1号公報、欧州特許出願公開第1 935 558 A1号公報、欧州特許出願公開第1 745 190 A1号公報、欧州特許出願公開第1 299 611 A2号公報、及び独国特許出願公開第4 340 363 A1号公報の活動から公知である。
典型的には、従来技術のY字型保持要素は、サイドウィンドウの下縁に配置されている。そのため、特に、接触部分における注入口を通じて、接着剤を適用する。接触部分とペイン表面との間の中間領域から接着剤が漏れ出ることを防止するために、接触部分の側端部に寄り掛かる密封装置を使って、この中間領域を密封する必要がある。あるいは、流出した接着剤を後続の工程で取り除くことができる。密封要素の使用及び流出した接着剤の後続での除去は両方とも、保持要素の取り付けを複雑にする。
米国特許第4,762,904号明細書は、保持要素を開示しており、この保持要素の接触面には、それぞれ、接着剤の側方注入のためのチャネルが備え付けられている。
独国特許出願公開第3 320 157 A1号公報は、保持要素を開示しており、この保持要素の接触面は、接着剤のための接触面積を大きくするために、くぼみ、切り込み、又は穿孔を有して実施されている。
本発明の目的は、密封装置を使用することすらなく取り付けることができる改善した保持要素を提供することにあり、ここで、この保持要素とペイン面との間の中間領域からの接着剤の漏れを防止するか、又は少なくとも低減する。
本発明の目的は、請求項1に従う保持要素によって本発明に基づき達成される。有利な実施形態は、従属請求項から明らかである。
本発明による乗物のサイドウィンドウのための保持要素は、少なくとも一つの接触部分と、これに連結した、特に、しっかりと連結した固定部分とを含む。接触部分は、サイドウィンドウの第一の面に固定することを目的としており、かつこれに適している。接触部分は、サイドウィンドウの第一の面に向かい合うか又はそれに向けられ、かつ接着剤を介してこの第一の面と接合することを目的とする接触面を有する。固定部分は、意図的にサイドウィンドウの下縁を越えて突出しており、かつ乗物に固定することを目的としており、かつこれに適している。このために、固定部分は、乗物本体内のサイドウィンドウの上昇及び下降機構に接続されている。
本発明によれば、接触部分の接触面はチャネルを有している。本発明の意味するところにおいて、「チャネル」は、接触面に作製した細長いくぼみを指し、これは、さもなければ平らな又は湾曲した面にまたがり、特に平面である。本発明によれば、チャネルは、接触部分とサイドウィンドウとの間の中間領域に注入する接着剤の流動作用、特に流れ方向に影響を与えるために設けられており、したがって、流路と呼ぶこともできる。チャネルは、特に、接触面上の接着剤の分布を改善することを目的とする。接触面と、これに向かい合うペイン面の部分との十分なぬれを保証するために、従来技術の保持要素では、接触面とペイン面との間の中間領域を密封しなければならないか、又は中間領域からの接着剤の少なからぬ漏出を許容せざるを得ず、かつその後に除去しなければならないかのいずれかが必要である。本発明による流路を有する接触面の設計は、接触面上の接着剤の改善した分布をもたらし、それによって、接着剤が流出せずに、又は少なくとも接着剤の漏出を大幅に低減しながら、十分なぬれを達成するようになっている。したがって、接触部分とサイドウィンドウとの間の中間領域の密封、又は過剰な接着剤を除去するための後続の処理を省略することが可能であり、このことは、製造プロセスを決定的に簡素化し、かつ加速させる。これは、本発明の利点である。
典型的には、少なくとも一つの接触部分は、段部分を介して固定部分に連結している。段部分は、特に、接触面に面した方向で、接触部分に対して固定部分をオフセットさせる。オフセットを作り出すために、段部分と接触部分との間の角度、及び段部分と固定部分との間の角度は、0°を超え、かつ180°未満であり、典型的には45°又はこれを超え、かつ180°未満である。接触部分と固定部分との間の側方オフセットは、設置位置で、サイドウィンドウの面におけるサイドウィンドウの下縁を越えて突出する固定部分を配置することを可能にする。言い換えれば、固定部分は、サイドウィンドウの下縁の方向を向いている。これは、重心の位置及び乗物本体に必要とされるスペースの観点から有利である。
保持要素は、少なくとも一つの注入口を有する。これは、この保持要素を通じて、サイドウィンドウの反対側に面した保持要素の側から、接触部分とペイン面との間の中間領域に接着剤を注入することを目的とし、かつこれに適している保持要素を通じた通路を意味する。このような注入口は、従来技術の保持要素でも一般的である。注入口の面積は、典型的には0.5mm~25mm、好ましくは2mm~12mmである。チャネルは、接触面に配置されており、それによって、チャネルのない従来の接触面を有する保持要素と比較して、注入口を通じて中間領域へ注入する接着剤が、接触面により均一に分布するようになっている。特に、接触面及びそれに向かい合うペイン面の領域の少なくとも95%は、接着剤が中間領域から漏れ出す前に、又は接触面を越えて流出する前に、接着剤でぬれていなければならない。チャネルの正確な配置は、様々な方法で実施することができる。
注入口は、接触部分にあっても、若しくは段部分にあってもよく、又はこの2つの領域の間の境界にまたがっていてもよい。
当業者は、個々の場合の必要条件に応じて、適切な様式でチャネルの幾何学的配置を選択することができ、それによって、接触面上の接着剤の可能な限り均一な分布という本発明の目的を達成するようになっている。チャネルは、注入口の方を向いており、それによって、この注入口から出発して接触面の上に接着剤が分布するようになっている。言い換えれば、チャネルは、注入口の方を向いている。チャネルは、注入口までずっと延在することができ、あるいは、注入口に面したチャネルの端は、注入口から離れていてもよい。基本的には、単一のチャネル、例えばカタツムリの殻のように注入口の周りに延在する単一のチャネルであっても十分なものであり得る。
接触面は、複数のチャネルを有する。チャネルは、注入口の方を向いており、かつ接触面又は接触面領域上に扇状の様式で分布している。これは、個々のチャネルが、注入口と接触面の側端部との間に放射状に延在することを意味する。言い換えれば、チャネルは、いわば、注入口から放射状に広がっており、それによって、隣り合うチャネル間の距離は、注入口からの距離が増加するにつれて増大するようになっている。チャネルは、側端部までずっと延在することができ、又は側端部前で終わることができる。好ましくは、チャネルは、側端部までずっと延在せず、代わりに側端部前で終わっており、それによって、接触面を越えた接着剤の漏出を最小限にするようになっている。接触面の側端部からのチャネル終端までの距離は、好ましくは2mm~15mm、特に好ましくは3mm~8mmである。チャネルは、注入口までずっと延在することができ、又は注入口からある一定の距離を有していてもよく、このうち前者が好ましい。
接触面は、典型的には多角形であり、特に矩形の形状を有する。有利な実施形態では、一つのチャネルは接触面の少なくとも一つの隅に対応し、このチャネルは、この接触面の隅の方を向いている。好ましくは、注入口から最も遠くにある接触面の一つの隅又は複数の隅が、それぞれ、これらの隅の方を向いたチャネルに対応している。注入口は、典型的には、固定部分に面した接触領域の縁の近くに配置されているので、この隅は、典型的には、固定部分の反対側に面した接触面の隅である。したがって、接着剤の分布の均一性を著しく向上させながら、接着剤は、有利には、注入口から離れたこれらの隅の領域へ運ばれる。
チャネルの幅及び深さは、個々の場合の必要条件に基づき、当業者が適切に選択することができる。適切な幅及び深さは、特に接着剤の粘度に依存し、より高い粘度の場合は、より幅広くかつより深いチャネルが必要になる。チャネルの幅は、典型的には0.5mm~3mm、好ましくは1mm~2mmである。チャネルの深さは、典型的には0.5mm~2m、好ましくは1mm~1.5mmである。特に、1Pa×s~150Pa×sの粘度を有する通常の接着剤を使用しながら、これらの値で良好な結果が得られる。個々のチャネルの幅及び/又は深さを変えることもできる。例えば、チャネルの幅及び/又は深さを、注入口からの距離が増加するにつれて減少させることが有利であり、それによって、接触面の外側領域へ運ばれる接着剤の量を減らすことを考慮に入れるようにしている。
固定部分は、典型的には、乗物に固定することを目的とし、かつこれに適している通路(組立孔)を有している。この通路は、乗物に、特にサイドウィンドウの上昇及び下降機構に保持要素を固定するために設けられる。通路は、通常は実質的に円形であり、ほとんどの従来技術の固定システムは、これについて設計されている。しかしながら、個々の場合の必要条件に応じて、通路は、任意のその他の形状を有することもでき、例えば、楕円形状でも、又は不規則な形状であってもよい。通路の大きさは、通常、少なくとも20mm、特に20mm~2000mm、好ましくは80mm~700mmである。通路は、理想的にはおおよそ円形であり、その直径は、5mm~50mm、好ましくは10mm~30mmである。
本発明の一実施形態では、保持要素は、サイドウィンドウの片側に固定する保持要素である。このような保持要素は、サイドウィンドウの単一の面だけに接合することを目的とし、かつこれに適している。このために、保持要素は、典型的には正確に1つの単一の接触部分を有しており、この接触部分が、好ましくは段部分を介して、固定部分にしっかりと連結している。
本発明の別の実施態様では、保持要素は、サイドウィンドウの両側に固定する保持要素である。このような保持要素は、サイドウィンドウの2つの対向している面に接合することを目的としている。このために、保持要素は第一の接触部分と、第二の接触部分とを有し、これらが共通の固定部分にしっかりと連結している。第一の接触部分は、サイドウィンドウの第一の面に固定することを目的としている。第二の接触部分は、第一の面の反対側にある、サイドウィンドウの第二の面に固定することを目的としている。2つの接触部分は、互いの反対側に配置され、それによって、それぞれの接触面が互いに向き合うようになっている。この保持要素は、実質的にY字型断面を有する。接触部分の両方の接触面は、好ましくは本発明によるチャネルを有して形成されており、かつ特に好ましくは、それぞれ、チャネルの方を向いた注入口を有する。
両側に固定する保持要素の場合には、第一の接触部分は、好ましくは、第一の段部分を介して共通の固定部分にしっかりと連結しており、かつ第二の接触部分は、第二の段部分を介して共通の固定部分にしっかりと連結している。特に好ましくは、この2つの部分は同一の形状を有し、特に隣り合う部分に対する長さ及び角度が同一である。このことは、設置位置において、接触部分間で及びサイドウィンドウの面で、固定部分が中心に配置されるという利点を有し、これは、重心の位置及び乗物本体に必要とされるスペースの観点から有利である。
保持要素は、好ましくは、金属、金属合金、又はプラスチックでできており、特に好ましくは、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、あるいは、ガラス繊維、ガラスビーズ、若しくは類似の補強材を有するか又は有さない熱可塑性プラスチック、及び追加のプラスチックを有するそれらのブレンドでできている。適切な熱可塑性プラスチックは、例えば、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、又はポリエチレンテレフタレート(PET)である。保持要素は、最も特に好ましくは、アルミニウム、PET、又はポリアミド66でできている。適切な材料は、例えば、Technyl、Zytel、Ultramid、Schulamid、Ultradur、Arnite、Duranex、Crastin、Bergadur、Pocan、又はGrivorという商品名の下で入手することができる。上述した材料の組み合わせも想定することができる。しかしながら、好ましくは、保持要素の全体が、ワンピースでできており、かつ同じ材料でできている。保持材料がプラスチックでできている場合、このプラスチックは、好ましくは、ガラス繊維で強化されているか、又は炭素繊維で強化されている。フレームのないサイドウィンドウについては、金属又は金属合金でできた保持要素が、その大きな安定性の理由から好ましい。フレームを含むサイドウィンドウについては、プラスチックでできた保持要素が、その重量が軽い理由から好ましく、ここでは、金属の保持要素に比較したプラスチックの保持要素の低い安定性を、ウィンドウを閉めた状態でフレームの安定化効果によって補償する。
接触部分及び固定部分は、典型的には板状であり、その他の形状も想定可能であるが、実質的に矩形である。固定部分及び接触部分、並びに任意に段部分の材料厚さは、好ましくは1mm~10mm、特に好ましくは2mm~5mm、例えば3.5mmである。これは、過剰なスペース及び過剰な材料を必要とせずに良好な安定性をもたらす。好ましくは、接触部分、固定部分、及び任意に段部分は、同一の材料厚さを有する。
接触部分、固定部分、及び任意に段部分の幅は、好ましくは1cm~100cm、特に好ましくは2cm~15cm、例えば10cmである。これは、良好な安定性をもたらし、特に、接触部分は、サイドウィンドウへの接合のために、十分に大きな接着表面を与える。
接触部分の長さ(又は高さ)は、好ましくは、1cm~6cm、特に好ましくは2cm~4cm、例えば3cmである。これは、良好な安定性をもたらし、特に、接触部分は、サイドウィンドウへの接合のために、十分に大きな接着表面を与える。接触部分の面積は、好ましくは5cm~500cm、特に好ましくは10cm~50cm、例えば30cmである。
固定部分の長さ(又は高さ)は、好ましくは、2cm~15cm、特に好ましくは4cm~10cm、例えば8cmである。この範囲で、固定部分は、サイドウィンドウを上昇しかつ下降するための通常の機構に接続するために、特に有利に適している。段部分の長さは、例えば、2mm~10mmである。
本発明の意味するところにおいて、「幅」とは、設置位置でサイドウィンドウの下縁に沿った寸法を指す。「長さ」(又は高さ)は、それに垂直な寸法であり、設置位置でサイドウィンドウの面に実質的に平行に配置される寸法を意味する。サイドウィンドウに接触する接触部分の接触面積は、例えば、接触部分の長さと幅の積である。材料厚さは、設置位置におけるサイドウィンドウの面に垂直な寸法である。
固定部分と接触部分とは平面であってよい。したがって、サイドウィンドウの湾曲は、接着剤の層によって補償される。しかしながら、あるいは、接触部分及び/又は固定部分は湾曲していてもよく、したがって、例えば、サイドウィンドウの湾曲に適合し、かつそれを再現することもでき、かつ固定部分の場合は、その湾曲に続いていてもよい。
本発明はまた、保持要素を有するサイドウィンドウを含む。サイドウィンドウは、乗物のサイドウィンドウとして、乗物内部を外部環境から隔てることを目的としている。サイドウィンドウは、上縁、下縁、前端、及び後端を有する。サイドウィンドウは、第一の面(主面)と、第一の面と反対側の第二の面(主面)とを有し、これらの間に上述した縁が延在している。本発明による少なくとも一つ保持要素が、下縁の領域でサイドウィンドウに取り付けられている。これは、下縁に隣接する領域が保持要素によって覆われており、かつ保持要素が、そこから下縁を越えて延在しているということを意味する。接着剤によってなされる接着結合によって、保持要素の接触部分は、サイドウィンドウの第一の面に接着して固定される。典型的には、サイドウィンドウの下縁は、2つの保持要素を具備する。
「上縁」とは、設置位置で上方を指すサイドウィンドウの側端部である。「下縁」とは、設置位置で地面に向かう下方を指す側端部である。「前端」とは、進行方向の前方を向いた側端部である。「後端」とは、進行方向の後方を向いた側端部である。
本発明によるサイドウィンドウは、好ましくは開閉式であり、特に、動力乗物の、特に乗用車の、上昇させることができかつ下降させることができるサイドウィンドウである。これは、自動車本体へのサイドウィンドウの実質的な鉛直変位によって、開けることができかつ再び閉めることができるサンドウィンドウのペインを意味する。典型的には、このようなウィンドウは、下縁の領域に取り付けられた複数の、特に2つの保持要素を有し、ここで、これらの保持要素は、ウィンドウを開けた状態で、また、閉めた状態でも、乗物本体の中に隠れている。各保持要素は、乗物本体、典型的には乗物のドアに配置された上昇機構に接続するために設けられた通路を有し、それによって、特に、上昇機構の固定部分、例えば固定ピンを、この通路に挿入することによってペインを固定するようになっている。サイドウィンドウは、フレームなしでもフレーム付きでもよい。フレーム付きのサイドウィンドウは、ウィンドウの開口部の周りに完全な本体フレームを有し、それによって、閉めた状態で、サイドウィンドウのすべての側端部が、乗物本体内で重なり合い、すなわち、上昇したときに、サイドウィンドウは、いわば本体フレームの中に案内される。フレームなしのサイドウィンドウの場合は、そのような本体フレームは存在しない。その代わりに、サイドウィンドウの上縁、前端、及び後端が、閉めた状態で露出する。
少なくとも一つの接触部分を、接着剤層を介してサイドウィンドウの第一の面に固定する。保持要素が2つの接触部分で両側に取り付けられる保持要素であるときは、第一の接触部分を、第一の接着剤層を介してサイドウィンドウの第一の面に固定し、第二の接触部分を、第二の接着剤層を介してサイドウィンドウの第二の面に固定する。各接着剤層の厚さは、好ましくは0.5mm~5mmであり、特に好ましくは1mm~4mmである。従来技術の保持要素は、典型的には、それぞれ約1mmの厚さの接着剤層を介してサイドウィンドウに固定されている。有利な実施形態では、より厚い接着剤層を使用し、好ましくは、2mm~4mmの厚さの接着剤層を使用する。これは、サイドウィンドウの縁の湾曲に関して、連続する製造の範囲内で生じる変化を、より厚い接着剤層でより良く補償することができるという利点を有する。保持要素を慣例的に取り付けながら、固定部分がペインの下縁からレバー状に延在する結果として、上昇及び下降機構に接続する位置も変化を受け、かつこの位置は、しばしば、意図した位置から著しく外れることがある。対照的に、より厚い接着剤層を使用する結果として、保持要素の精密な位置付けをより自由に選択することができ、それによって、サイドウィンドウの縁部の湾曲とは関係なく、所望した位置により正確に固定部分を配置することができるようになっている。したがって、上昇機構に固定するための通路の位置決めの観点から、連続する製造の範囲内での変動を低減することができる。両側に取り付けられる保持要素の場合には、接着剤層の厚さは、接触部分の互いからの距離(典型的には段部分の設計によって定まる距離)、及びサイドウィンドウの厚さによって定まり、これは、特定のタイプのサイドウィンドウについての保持要素の設計時に、それに応じて考慮する必要がある。
好ましい実施形態では、接着剤は高弾性接着剤である。接着剤の弾性率は、好ましくは、少なくとも20MPaであり、特に好ましくは少なくとも150MPa、特に少なくとも300MPaであり、最も特に好ましくは400MPa~600MPaである。これは、保持要素へのサイドウィンドウの接続について特別な安定性を保証する。この利点は、フレームなしのサイドウィンドウの場合に特に意味があり、フレームなしのサイドウィンドウの場合は、サイドウィンドウと要素との間の接続が特に応力を受け、例えば、風によって引き起こされる後端の方向に作用する力によって応力を受ける。適切な高弾性接着剤は、例えば、ポリウレタン、アクリレート、又はエポキシの接着剤である。
有利な実施態様では、接着剤は速硬化性接着剤であり、それによって、さらなる安定化手段なしで直接型から取り出すことができるようになっている。速硬化性は、2つの成分を混合することによって達成することができる。別の方法は、外部からのエネルギー、例えば熱又は光を導入することによって硬化させることである。二成分型接着剤のいわゆる「オープンタイム」は、0.5分~10分、好ましくは1分~5分である。十分な内部強度に達するまでの接着剤の硬化時間又は凝結時間は、10分未満であり、好ましくは1分~5分である。これは、サイドウィンドウに対する保持要素の位置を素早く確定し、それによって、保持要素の取り付け後の安定化(固定化)手段を省略することができるという利点を有する。しかしながら、接着剤を遅硬化性接着剤にすることもできる。
サイドウィンドウは、乗物のウィンドウについて一般的であるように、好ましくは湾曲しており、それによって、内部側の面が凹面であり、外部側の面が凸面であるようになっている。「外部側の面」は、設置位置で外部環境に面した表面を指す。「内部側の面」は、設置位置で内部に面した表面を指す。本発明の意味するところにおいて、第一の面は、内部側であっても、又は外部側であってもよく、好ましくは内部側の面である。
一実施形態では、サイドウィンドウは、単層ペイン安全ガラス(ESG)である。この場合に、サイドウィンドウは、熱的に又は化学的に強化した(テンパリングした)単層ガラスペインでできている。ガラスペインの厚さは、好ましくは2mm~5mmである。
別の実施形態では、サイドウィンドウは、積層ペイン(VSG:積層安全ガラス)である。積層ペインは、互いに熱可塑性中間層を介して接合した第一のガラスペインと第二のガラスペインとを含む。これらのペインは、外部ペイン及び内部ペインとも呼ばれており、内部ペインは、設置位置で内部に面し、かつ外部ペインは、設置位置で外部環境に面している。保持要素を接合するサイドウィンドウの露出した面は、中間層とは反対側の個々のペインの表面であり、すなわち、外部ペインの外部側の面と、内部ペインの内部側の面である。外部ペイン及び内部ペインは、好ましくは、1mm~5mmの厚さを有し、ここで、2つのペインの厚さは、同じであっても(対称ペイン)、異なっていてもよい(非対称ペイン)。中間層の厚さは、好ましくは、0.3mm~2mm、特に好ましくは0.5mm~1mmである。中間層は、典型的にはポリマーフィルムでできており、好ましくは、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレンビニルアセテート(EVA)、若しくはポリウレタン(PU)でできているか、又はこれらをベースとするものである。乗物における熱的快適性を向上させるために、中間層は、典型的には少なくとも3つの層を含むノイズ低減ポリマーフィルムでできていてよく、ここで、このフィルムの中間の層は、例えば、可塑剤含量が異なる結果として、それを囲む外側の層よりも高い可塑性又は弾性を有する。
一つの又は複数のガラスペインは、ウィンドウペインに通常であるように、好ましくは、ソーダ石灰ガラスでできている。ガラスペインは、透明かつ無色であってよいが、薄く着色していても、曇っていても、あるいは着色していてもよい。
本発明は、また、車体内に配置した開閉式のサイドウィンドウのための上昇機構と、本発明によるサイドウィンドウとを有する乗物を含み、ここで、この上昇機構は、好ましくは、固定部分を通じた通路内のホルダーを介して、一つ又は複数の保持要素の固定部分に取り付けられている。
本発明は、乗物用の保持要素を有するサイドウィンドウを製造する方法も含む。本発明による少なくとも一つの保持要素、並びに第一の面、その反対側の第二の面、及び下縁を有するサイドウィンドウを提供する。少なくとも一つの接触部分の接触面を、サイドウィンドウの第一の面の方に向けながら、保持要素をサイドウィンドウに対して所望する位置に配置する。ここで、「所望する位置」とは、完全に組み立てられた保持要素が占拠することを意図した、サイドウィンドウに対する保持要素の目的とする配置を指す。したがって、接触面とサイドウィンドウの第一の面との間の中間領域に、このために設けられた注入口を通じて、接着剤を注入する。接触面のチャネルが、この接着剤の均一な分布を生じさせる。したがって、接触面とペイン面との間の中間領域から臨界量の接着剤が漏出することなく、接着面を十分にぬらすことができる。このため、本発明の方法は、中間領域を密封することなく、有利に実施することができる。
本発明の方法の好ましい実施形態では、サイドウィンドウを、工具の特定の位置に、例えば、ペインの基準点によって定義される位置に配置し、かつ固定する。例えば、組立補助具又はロボットを使って、保持要素を所望する位置にもっていく。完全に組み立てた保持要素の固定部分をペインに対して所望する位置に配置するようにして、保持要素の位置を選択する。
本発明の方法の有利な実施形態では、接着剤は速硬化性接着剤である。その結果、サイドウィンドウに対する保持要素の位置を十分に素早く固定し、それによって、接着剤の硬化の間の一時的な位置の安定化手段を省略することができるようになっている。したがって、製造プロセスが、簡略化され、かつ加速する。しかしながら、遅硬化性接着剤も使用することができる。したがって、一時的な位置の安定化(固定化)手段、例えば、クランプや保持による手段、又は第二の接着剤による、例えばホットメルト接着剤による手段をとる必要がある場合もある。
保持要素それ自体は、技術的に慣例となっている方法で製造する。プラスチックでできた保持要素は、好ましくは、射出成形で作製し、金属又は金属合金でできた保持要素は、例えば、連続鋳造、ダイキャスティング、フライス加工、パンチング、圧延加工、及び/又は溶着によって作製する。チャネルは、例えば、射出成形によって直接形成することができ、又は後続の加工によって導入することもできる。
本発明は、さらに、動力乗物の、好ましくは乗用車の、開閉式サイドウィンドウとしての、本発明によるサイドウィンドウの使用を含み、ここで、保持要素は、乗り物本体の上昇機構に固定するために使用される。
以下に、図面及び例示的な実施形態を参照しながら、本発明を詳細に説明する。図面は、概略的な配置図であり、原寸に比例した縮尺ではない。図面は、本発明を何ら限定するものではない。
2つの一般的な保持要素を有するサイドウィンドウの平面図である。 保持要素1の異なる実施形態を有する2つのサイドウィンドウの断面図である。 サイドウィンドウIに面した保持要素1の実施形態の面の平面図である。 図3の保持要素1のA-A’断面である。 保持要素1を有するサイドウィンドウの別の実施形態の断面図である。 本発明による方法の実施形態のフローチャートである。
図1は、乗用車のフロントサイドウィンドウのための、開閉式のサイドウィンドウとして意図された一般的なサイドウィンドウIの平面図を示したものである。乗物のドア内の上昇機構に接続することを意図した2つの保持要素1がサイドウィンドウの下縁Uの領域に取り付けられている。このために、保持要素1は、上昇機構を固定することができる通路8を有している。
図2は、保持要素1を有するサイドウィンドウIの2つの異なる実施形態の断面図である。図2aは、片側に取り付けられた保持要素1を示している。保持要素1は、単一の接触部分2から構成されており、この接触部分はサイドウィンドウIの第一の面Iaに固定されている。このために、サイドウィンドウIの側に面した接触部分2の接触面2aが、面Iaと接着している。通路8を有する固定部分3は、段部分5を介して接触部分2に連結している。保持要素1は、下縁Uの領域及びそれに隣接する面Iaの領域を覆っている。サイドウィンドウIの下縁Uを越えて突出する固定部分3は、接触部分2に対し、側方にオフセットしており、それによって、この固定部分がサイドウィンドウIの面におおよそ配置され、かつ下縁Uの方を向くようになっている。図2bは、実質的にY字型の断面を有し、両側に取り付けられた保持要素1を示す。この保持要素1は、互いに向かい合う2つの接触部分2.1、2.2を含み、これらの接触部分が、サイドウィンドウIの下縁Uの領域で、この2つの接触面Ia、Ibに固定されている。このために、サイドウィンドウIに面した接触部分2.1の接触面2.1aが面Iaに接着し、かつサイドウィンドウIに面した接触部分2.2の接触面2.2aが面Ibに接着する。したがって、保持要素1は、下縁Uの領域及び面Ia、Ibの隣接する領域を取り囲む。それぞれ、対応する段部分5.1、5.2を介して、サイドウィンドウIの下に位置し、かつ下縁Uの方を向いている固定部分3に、接触部分2.1、2.2が隣接している。固定部分3は、ここでも同様に、上昇機構に接続するための通路8を有している。
保持要素1は、ガラス繊維で強化したポリアミド66から、ワンピースで作製されている。接触部分2、2.1、2.2、固定部分3、及び段部分5、5.1、5.2は、3mmの厚さD(材料厚さ)を有する。保持要素1の幅Bは、例えば80mmである。接触部分2、2.1、2.2の長さLは、例えば30mmである。固定部分3の長さLは、例えば50mmである。
簡素化のために、接触面2a、2.1a、2.2aと、サイドウィンドウIとの間の接着剤層は示していない。接着剤は、例えば、400MPaの弾性率、80%の破断点伸び、15MPaの引張強度、及び6分のポットライフを有するDOW Betaforce 9050Sである。接着剤層の厚さは、例えば3mmである。
サイドウィンドウIは、例えば、3.85mmの厚さのソーダ石灰ガラスでできた単層ペイン安全ガラス(ESG)として実施される。簡素化のために、図中でサイドウィンドウIを平面に描いているが、実際には、乗用車のウィンドウに通常であるように、サイドウィンドウは湾曲を有する。
図3は、通路8と一緒になった固定部分3、段部分5、及び接触部分2を有する図2aによる片側に取り付けられる保持要素1の、サイドウィンドウIに面した側の平面図を示したものである。この平面図では、サイドウィンドウIに接合する接触部分2の接触面2aをみることができる。接触面は、段部分5に面した縁の近くに注入口6を有し、この注入口を通じて、保持要素1の組立ての間に、サイドウィンドウIと接触部分2との間の中間領域に接着剤を注入する。複数のチャネル4が接触面2aに導入されている。チャネル4は、注入口6を通じて注入した接着剤を接触面2aにできるだけ均一に分布させるために設けられている。したがって、従来技術の保持要素1で、密封装置によって防止するか、又は後処理によって修復しなければならなかった、中間領域からの過剰な接着剤の漏出という危険性なしに、接触面2aと、その反対側の面Iaの領域との良好なぬれを成し遂げることができる。チャネル4は直線であり、かつ一方では注入口6の方を向いていて、他方では接触面2aの側端部の方を向いている。チャネル4は、注入口6の周りに扇状の様式で分布しており、かつ注入口6と接触面2aの側端部との間に放射状に延在して、接着剤を分布させる。
図2bの保持要素1の接触面2.1a、2.2aは、同様に、注入口6の周りに本発明によるチャネル4を有して実施される。
図3中、矢印は、本発明の意味するところの幅B及び長さLの寸法を示す。
図4は、図3の保持要素1のA-A’に沿った断面図を示したものである。加えて、矢印は、本発明の意味するところの厚さD(材料厚さ)の寸法を示している。接触面2aに導入したチャネル4をみることができる。これらのチャネルは、例えば、1.5mmの幅及び1mmの深さを有する。
図5は、保持要素1の別の実施形態を有する本発明によるサイドウィンドウIの断面図を示したものである。この保持要素は、単一の接触部分2と、段部分5を介してそれに連結する固定部分3を有し、片側に取り付けられている。ここで、接着剤9を注入するための注入口6が、段部分5に配置されている。この場合、チャネル4が、接触部分2を越えて段部分5に続いていることが、接着剤9の分布ために有利となり得る。
図6は、保持要素を有する本発明によるサイドウィンドウを製造するための、本発明による方法の例示的な実施形態のフローチャートを示す。チャネル4によって接着剤9の均一な分布が保証されるので、保持要素1とサイドウィンドウIとの間の中間領域の密封を、接着剤9の注入時に省略することができる。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む:
[1]以下を含む、乗物のサイドウィンドウ(I)のための保持要素(1)であって:
- 前記サイドウィンドウ(I)の第一の面(Ia)に固定するための少なくとも一つの接触部分(2)であって、接着剤(9)を介して前記第一の面(Ia)に接合するために設けられた接触面(2a)を有する接触部分(2)、
- 前記接触部分(2)に接合し、かつ前記乗物に固定するための固定部分(3)、及び
- 前記接触部分(2)と前記サイドウィンドウ(I)の前記第一の面(Ia)との間の中間領域へ前記接着剤(9)を注入するための注入口(6)、
ここで、前記接触面(2a)は、前記注入口(6)の方へ向かっており、かつ扇状の様式で前記接触面(2a)に分布する複数のチャネル(4)を有している、
乗物のサイドウィンドウ(I)のための保持要素(1)。
[2]前記チャネル(4)が、前記接着剤(9)の流れる方向に影響を与えるために適している、上記[1]に記載の保持要素(1)。
[3]前記チャネル(4)が配置されており、それによって、前記チャネル(4)がない場合に比べて、前記接触面(2a)により均一に前記接着剤(9)が分布するようになっている、上記[2]に記載の保持要素(1)。
[4]前記チャネル(4)は、前記接触面(2a)の少なくとも一つの隅に対応しており、この隅の方を向いている、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の保持要素(1)。
[5]前記チャネル(4)は、0.5mm~1.5mmの深さ、及び1mm~2mmの幅を有している、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の保持要素(1)。
[6]段部分(5)を介して前記固定部分(3)に連結する正確に1つの接触部分(2)を有している、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の保持要素(1)。
[7]前記サイドウィンドウ(I)の前記第一の面(Ia)に固定するための第一の接触部分(2.1)、及び前記サイドウィンドウ(I)の反対側の第二の面(Ib)に固定するための第二の接触部分(2.2)を有し、ここで、前記第一の接触部分(2.1)が、第一の段部分(5.1)を介して前記固定部分(3)に連結し、かつ前記第二の接触部分(2.2)が、第二の段部分(5.2)を介して前記固定部分(3)に連結している、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の保持要素(1)。
[8]第一の面(Ia)、その反対側の第二の面(Ib)、及び下縁(U)を有し、かつ前記下縁(U)の領域に取り付けられた請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも一つの保持要素(1)を有する乗物用のサイドウィンドウであって、
接着剤(9)によって、少なくとも一つの前記接触部分(2)が前記第一の面(Ia)に固定されている、
乗物用のサイドウィンドウ。
[9]前記接着剤(9)の厚さが、0.5mm~5mm、好ましくは1mm~4mm、特に好ましくは2mm~4mmである、上記[8]に記載のサイドウィンドウ。
[10]前記接着剤(9)が、少なくとも20MPa、好ましくは少なくとも150MPa、最も特に好ましくは400MPa~600MPaの弾性率を有する、上記[8]又は[9]に記載のサイドウィンドウ。
[11](a)上記[1]~[7]のいずれか一つに記載の保持要素(1)、並びに第一の面(Ia)、その反対側の第二の面(Ib)、及び下縁(U)を有するサイドウィンドウ(I)を提供し、
(b)前記保持要素(1)を前記サイドウィンドウ(I)に対して所望する位置に配置し、ここで、前記接触面(2a)が、前記第一の面(Ia)の方を向いており、かつ
(c)前記接触面(2a)と前記第一の面(Ia)との間の前記中間領域に、前記注入口(6)を通じて前記接着剤(9)を注入する、
乗物用の保持要素を有するサイドウィンドウを製造するための方法。
[12]前記接触面(2a)と前記第一の面(Ia)との間の前記中間領域を密封することなしに行う、上記[11]に記載の方法。
[13]前記接着剤(9)が前記接触面(2a)を越えて流れる前に、前記接触面(2a)の少なくとも95%が前記接着剤(9)でぬれている、上記[11]又は[12]に記載の方法。
[14]動力乗物、好ましくは乗用車の開閉式のサイドウィンドウとしての、上記[8]~[10]のいずれか一つに記載のサイドウィンドウの使用
1 乗物のサイドウィンドウのための保持要素
2 保持要素1の接触部分
2.1 保持要素1の第一の接触部分
2.2 保持要素1の第二の接触部分
2a 接触部分2の接触面
2.1a 接触部分2.1の接触面
2.2a 接触部分2.2の接触面
3 保持要素1の固定部分
4 チャネル
5 保持要素1の第一の段部分
5.1 保持要素1の第一の段部分
5.2 保持要素1の第二の段部分
6 注入口
8 固定部分3を通じた通路
9 接着剤
I 乗物のサイドウィンドウ
Ia サイドウィンドウIの第一の面
Ib サイドウィンドウIの第二の面
O サイドウィンドウIの上縁
U サイドウィンドウIの下縁
V サイドウィンドウIの前端
H サイドウィンドウIの後端
L 長さ/高さ
B 幅
D 厚さ/材料厚さ
A-A’ 切断線

Claims (14)

  1. 以下を含む、乗物のサイドウィンドウ(I)のための保持要素(1)であって:
    - 前記サイドウィンドウ(I)の第一の面(Ia)に固定するための少なくとも一つの接触部分(2)であって、接着剤(9)を介して前記第一の面(Ia)に接合するために設けられた接触面(2a)を有する接触部分(2)、
    - 前記接触部分(2)に接合し、かつ前記乗物に固定するための固定部分(3)、及び
    - 前記接触部分(2)と前記サイドウィンドウ(I)の前記第一の面(Ia)との間の中間領域へ前記接着剤(9)を注入するための注入口(6)、
    ここで、前記接触面(2a)は、前記注入口(6)の方へ向かっており、かつ扇状の様式で前記接触面(2a)に分布する複数のチャネル(4)を有しており、かつ
    前記接触部分(2)が段部分(5)を介して前記固定部分(3)に連結しており、かつ前記段部分(5)が前記接触面(2a)に面した方向で前記接触部分(2)に対して前記固定部分(3)をオフセットさせており、それによって、設置位置で、前記サイドウィンドウ(I)の面に前記サイドウィンドウ(I)の下縁(U)を越えて突出する前記固定部分(3)を配置するようになっている、
    乗物のサイドウィンドウ(I)のための保持要素(1)。
  2. 前記チャネル(4)が、前記接着剤(9)の流れる方向に影響を与えるために適している、請求項1に記載の保持要素(1)。
  3. 前記チャネル(4)が配置されており、それによって、前記チャネル(4)がない場合に比べて、前記接触面(2a)により均一に前記接着剤(9)が分布するようになっている、請求項2に記載の保持要素(1)。
  4. 前記チャネル(4)は、前記接触面(2a)の少なくとも一つの隅に対応しており、この隅の方を向いている、請求項1~3のいずれか一項に記載の保持要素(1)。
  5. 前記チャネル(4)は、0.5mm~1.5mmの深さ、及び1mm~2mmの幅を有している、請求項1~4のいずれか一項に記載の保持要素(1)。
  6. 段部分(5)を介して前記固定部分(3)に連結する正確に1つの接触部分(2)を有している、請求項1~5のいずれか一項に記載の保持要素(1)。
  7. 前記サイドウィンドウ(I)の前記第一の面(Ia)に固定するための第一の接触部分(2.1)、及び前記サイドウィンドウ(I)の反対側の第二の面(Ib)に固定するための第二の接触部分(2.2)を有し、ここで、前記第一の接触部分(2.1)が、第一の段部分(5.1)を介して前記固定部分(3)に連結し、かつ前記第二の接触部分(2.2)が、第二の段部分(5.2)を介して前記固定部分(3)に連結している、請求項1~5のいずれか一項に記載の保持要素(1)。
  8. 第一の面(Ia)、その反対側の第二の面(Ib)、及び下縁(U)を有し、かつ前記下縁(U)の領域に取り付けられた請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも一つの保持要素(1)を有する乗物用のサイドウィンドウであって、
    接着剤(9)によって、少なくとも一つの前記接触部分(2)が前記第一の面(Ia)に固定されている、
    乗物用のサイドウィンドウ。
  9. 前記接着剤(9)の厚さが、0.5mm~5mmである、請求項8に記載のサイドウィンドウ。
  10. 前記接着剤(9)が、少なくとも20MPaの弾性率を有する、請求項8又は9に記載のサイドウィンドウ。
  11. (a)請求項1~7のいずれか一項に記載の保持要素(1)、並びに第一の面(Ia)、その反対側の第二の面(Ib)、及び下縁(U)を有するサイドウィンドウ(I)を提供し、
    (b)前記保持要素(1)を前記サイドウィンドウ(I)に対して所望する位置に配置し、ここで、前記接触面(2a)が、前記第一の面(Ia)の方を向いており、かつ
    (c)前記接触面(2a)と前記第一の面(Ia)との間の前記中間領域に、前記注入口(6)を通じて前記接着剤(9)を注入する、
    乗物用の保持要素を有するサイドウィンドウを製造するための方法。
  12. 前記接触面(2a)と前記第一の面(Ia)との間の前記中間領域を密封することなしに行う、請求項11に記載の方法。
  13. 前記接着剤(9)が前記接触面(2a)を越えて流れる前に、前記接触面(2a)の少なくとも95%が前記接着剤(9)でぬれている、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 動力乗物の開閉式のサイドウィンドウとしての、請求項8~10のいずれか一項に記載のサイドウィンドウの使用。
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