JP7083836B2 - アゼチジン誘導体 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年2月28日および2017年9月8日に、それぞれ中華人民共和国知的財産局に提出された出願番号201710112350.0、および201710805883.7である中国発明特許出願の権利や利益を主張し、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、多発性骨髄腫を治療するための化合物またはその薬学的に許容される塩、および多発性骨髄腫に関連する疾患の治療のための医薬品の製造におけるその使用に関する。
多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)は形質細胞の悪性増殖性疾患であり、それは骨髄におけるクローン形質細胞の異常な増殖、造血機能の破壊、骨への刺激による溶骨性骨病変の発生、血清および/または尿にモノクローナル免疫グロブリンまたはその断片(フラグメント)(Mタンパク質)の存在検出を特徴とし、その臨床症状は骨痛、貧血、高カルシウム血症、腎機能障害、感染症、出血などである。ボルテゾミブ(Bortezomib)は、骨髄腫細胞のアポトーシスを促進することにより多発性骨髄腫の治療目標を達成する可逆的なプロテアソーム阻害剤である。しかし、長期の治療プロセスでは、多発性骨髄腫の一部の患者はボルテゾミブに耐性を示した。
したがって、多発性骨髄腫の治療のための新しい安全な医薬品が依然として必要である。
一態様によれば、本発明は、次の式(I):
Figure 0007083836000001
[式中、
環Aは、C3-6シクロアルキル、フェニル、および5~10員のヘテロアリールからなる群より選ばれ、
nは、0、1、2、および3からなる群より選ばれ、
は、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3ヘテロアルキル、およびフェニルからなる群よりそれぞれ独立して選ばれ、ここで前記C1-3アルキル、C1-3ヘテロアルキルまたはフェニルは、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
およびRは、それぞれH、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-(CH1-3-、およびフェニル-(CH1-3-からなる群より独立して選ばれ、ここで前記C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-(CH1-3-またはフェニル-(CH1-3-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
あるいは、RおよびRは、それらに結合している炭素原子と一緒になって3~6員環を形成し、
は、C1-6アルキルおよびC3-6シクロアルキル-(CH1-3-からなる群より選ばれ、C1-6アルキルまたはC3-6シクロアルキル-(CH1-3-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
は、H、および1、2または3個のRで任意に置換されているC1-3アルキルからなる群より選ばれ、
各Rは、F、Cl、Br、I、OH、Me、NH、NH(CH)およびN(CHからなる群より独立して選ばれ、
ここで、C1-3ヘテロアルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび5~10員のヘテロアリールにおける接頭辞「ヘテロ」は、それぞれ-O-、-S-、-NH-、およびNからなる群より独立して選ばれ、上記場合のいずれかにおいてヘテロ原子またはヘテロ原子を含む基の数は、それぞれ1、2または3から独立して選ばれる。]で表される化合物(以下、式(I)の化合物ともいう)、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体を提供する。
別の態様によれば、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、および薬学的に許容される担体(キャリア)、賦形剤または補助剤(アジュバント)を含む医薬組成物を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、またはその医薬組成物を、それを必要とする対象(個体)に投与することを含む、多発性骨髄腫を予防または治療する方法を提供する。
さらなる態様によれば、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、またはその医薬組成物の、多発性骨髄腫を治療または予防するための医薬の製造における使用を提供する。
また、さらなる態様によれば、本発明は、多発性骨髄腫を予防または治療するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、またはその医薬組成物を提供する。
さらに別の態様によれば、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、またはその医薬組成物の、多発性骨髄腫を治療または予防するための使用を提供する。
本発明は、次の式(I):
Figure 0007083836000002
[式中、
環Aは、C3-6シクロアルキル、フェニル、および5~10員のヘテロアリールからなる群より選ばれ、
nは、0、1、2、および3からなる群より選ばれ、
は、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3ヘテロアルキル、およびフェニルからなる群よりそれぞれ独立して選ばれ、ここで前記C1-3アルキル、C1-3ヘテロアルキルまたはフェニルは、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
およびRは、それぞれH、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-(CH1-3-、およびフェニル-(CH1-3-からなる群より独立して選ばれ、ここで前記C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-(CH1-3-またはフェニル-(CH1-3-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
あるいは、RおよびRは、それらに結合している炭素原子と一緒になって3~6員環を形成し、
は、C1-6アルキルおよびC3-6シクロアルキル-(CH1-3-からなる群より選ばれ、C1-6アルキルまたはC3-6シクロアルキル-(CH1-3-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
は、H、および1、2または3個のRで任意に置換されているC1-3アルキルからなる群より選ばれ、
各Rは、F、Cl、Br、I、OH、Me、NH、NH(CH)およびN(CHからなる群より独立して選ばれ、
ここで、C1-3ヘテロアルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび5~10員のヘテロアリールにおける接頭辞「ヘテロ」は、それぞれ-O-、-S-、-NH-、およびNからなる群より独立して選ばれ、上記場合のいずれかにおいてヘテロ原子またはヘテロ原子を含む基の数は、それぞれ1、2または3から独立して選ばれる。]で表される化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、nは0、1または2から選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、前記C1-3ヘテロアルキルおよびC1-6ヘテロアルキルにおける接頭辞「ヘテロ」は、それぞれ独立して、-O-、-S-および-NH-からなる群より選ばれ、また、5~10員のヘテロアリールにおける接頭辞「ヘテロ」は、N、-O-、および-S-からなる群より選ばれる。本発明のいくつかの実施形態において、前記C1-3ヘテロアルキルおよびC1-6ヘテロアルキルにおける接頭辞「ヘテロ」は、-O-であり、また、5~10員のヘテロアリールにおける接頭辞「ヘテロ」は、Nおよび-S-からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、それぞれハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、およびフェニルからなる群より独立して選ばれ、ここで前記C1-3アルキル、C1-3アルコキシまたはフェニルは、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、好ましくは、Rは、それぞれハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルコキシ、フェニル、ならびにF、Cl、BrおよびIからなる群より独立して選ばれる1、2または3個の置換基で任意に置換されたC1-3アルキルからなる群より独立して選ばれ、より好ましくは、Rは、それぞれハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルコキシ、フェニル、および1、2、または3個のFで任意に置換されたC1-3アルキルからなる群より独立して選ばれ、さらに好ましくは、Rは、それぞれハロゲン、CN、フェニル、および3個のFで任意に置換されたC1-3アルキルからなる群より独立して選ばれ、最も好ましくは、Rは、それぞれF、Cl、CN、フェニル、および3個のFで任意に置換されたメチルからなる群より独立して選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、
Figure 0007083836000003
からなる群より独立して選ばれ、ここで前記Me、
Figure 0007083836000004
は、1、2または3個のRで任意に置換されている。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、Rは、それぞれF、Cl、Br、I、CN、Me、および
Figure 0007083836000005
からなる群より独立して選ばれ、ここで前記Meまたは
Figure 0007083836000006
はF、Cl、BrおよびIからなる群より独立して選ばれる1、2または3個の置換基で任意に置換されており、好ましくは、Rは、それぞれF、Cl、Br、I、CN、
Figure 0007083836000007
、およびF、Cl、BrおよびIからなる群より独立して選ばれる1、2または3個の置換基で任意に置換されているMeからなる群より独立して選ばれ、より好ましくは、Rは、それぞれF、Cl、Br、I、CN、
Figure 0007083836000008
、および1、2または3個のFで任意に置換されているMeからなる群より独立して選ばれ、最も好ましくは、RはそれぞれF、Cl、Br、I、CN、
Figure 0007083836000009
、および3個のFで任意に置換されているMeからなる群より独立して選ばれている。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、Rは、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、CF
Figure 0007083836000010
からなる群より独立して選ばれ、好ましくは、Rは、それぞれF、Cl、CN、
Figure 0007083836000011
、およびCFからなる群より独立して選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、環Aは、フェニル、および5~10員のヘテロアリールからなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、環Aは、シクロプロピル、フェニル、5員のヘテロアリール、6員のヘテロアリール、7員のヘテロアリール、8員のヘテロアリール、9員のヘテロアリール、および10員のヘテロアリールからなる群より選ばれ、好ましくは、環Aは、シクロプロピル、フェニル、5員のヘテロアリール、6員のヘテロアリール、および9員のヘテロアリールからなる群より選ばれ、より好ましくは、環Aは、シクロプロピル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、1,3,4-オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、および1H-インダゾリルからなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、環Aは、シクロプロピル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、およびピリダジニルからなる群より選ばれ、より好ましくは、環Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、およびピリダジニルからなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、環Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,4-オキサジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、および1H-インダゾリルからなる群より選ばれ、環Aは、フェニル、ピリジル、およびピリミジニルからなる群より選ばれ、より好ましくは、環Aはフェニルから選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、式(I)の化合物における構造単位
Figure 0007083836000012
からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000013
からなる群より選ばれ、より好ましくは、構造単位

Figure 0007083836000014
からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000015
からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000016
より選ばれる。
本発明のいくつかのより好ましい実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000017
からなる群より選ばれ、より好ましくは、構造単位
Figure 0007083836000018
からなる群より選ばれ、最も好ましくは、構造単位
Figure 0007083836000019
からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000020
からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの具体的な実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000021
からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000022
からなる群より選ばれ、より好ましくは、構造単位
Figure 0007083836000023
からなる群より選ばれ、さらに好ましくは、構造単位
Figure 0007083836000024
からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000025
からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、RおよびRは、それぞれH、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-、およびフェニル-CH-からなる群より独立して選ばれ、ここで前記C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-またはフェニル-CH-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、あるいは、RおよびRは、それらに結合している炭素原子と一緒になって3~6員のシクロアルキルを形成し、好ましくは、RおよびRは、それぞれH、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-、およびフェニル-CH-からなる群より独立して選ばれ、ここで前記C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-またはフェニル-CH-は、それぞれF、Cl、Br、I、およびヒドロキシから独立して選ばれる1、2または3個の置換基で任意に置換されており、より好ましくは、RおよびRはそれぞれH、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C3-6シクロアルキル-CH-、およびフェニル-CH-からなる群より独立して選ばれ、さらに好ましくは、RおよびRは、それぞれH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル-CH-、およびフェニル-CH-からなる群より独立して選ばれ、最も好ましくはRおよびRは、それぞれH、Me、
Figure 0007083836000026
からなる群より独立して選ばれる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、RはHであり、RはH、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-、およびフェニル-CH-からなる群より選ばれ、
ここでC1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-、またはフェニル-CH-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
好ましくは、RはHであり、RはH、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-、およびフェニル-CH-からなる群より選ばれ、
ここで、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-またはフェニル-CH-は、それぞれF、Cl、Br、Iおよびヒドロキシからなる群より独立して選ばれる1、2または3個の置換基で任意に置換されており、より好ましくは、上記のRはHであり、RはH、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C3-6シクロアルキル-CH-、およびフェニル-CH-からなる群より選ばれ、さらに好ましくは、RはHであり、RはH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル-CH-、およびフェニル-CH-からなる群より選ばれ、
最も好ましくは、RはHであり、RはH、Me、
Figure 0007083836000027
からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、RおよびRは、それぞれH、F、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、Et、
Figure 0007083836000028
からなる群より独立して選ばれ、ここで、Me、Et、
Figure 0007083836000029
は、1、2または3個のRで任意に置換されている。
本発明のいくつかの実施形態において、RおよびRは、それぞれH、Me、
Figure 0007083836000030
からなる群より独立して選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、H、Me、
Figure 0007083836000031
からなる群より選ばれ、かつRはHである。
本発明のいくつかの実施形態において、R、Rは、それらに結合している炭素原子と一緒になって3~6員のシクロアルキルを形成する。
本発明のいくつかの実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000032
より選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、C1-6アルキルおよびC3-6シクロアルキル-CH-からなる群より選ばれ、ここで、C1-6アルキルまたはC3-6シクロアルキル-CH-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、好ましくは、RはC1-6アルキルおよびC3-6シクロアルキル-CH-からなる群より選ばれ、より好ましくは、RはC1-4アルキルおよびC3-6シクロアルキル-CH-からなる群より選ばれ、さらに好ましくは、RはC3-4アルキルおよびC3-4シクロアルキル-CH-からなる群より選ばれ、最も好ましくは、RはCアルキルおよびCシクロアルキル-CH-からなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、
Figure 0007083836000033
からなる群より選ばれ、ここで、
Figure 0007083836000034
は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換され、好ましくは、Rは、
Figure 0007083836000035
からなる群より選ばれ、より好ましくは、R
Figure 0007083836000036
である。
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、HおよびC1-3アルキルからなる群より選ばれ、
好ましくは、Rは、H、MeおよびEtからなる群より選ばれ、
より好ましくは、Rは、HおよびMeからなる群より選ばれ、
最も好ましくは、RはHである。
本発明のいくつかの実施形態において、各Rは、F、Cl、Br、I、OH、Me、およびNHからなる群より独立して選ばれ、好ましくは、各Rは、F、Cl、Br、OH、およびMeからなる群より独立して選ばれ、より好ましくは、各Rは、FおよびOHからなる群より独立して選ばれる。
なお、本発明における上記変数n、R、R、R、R、R、R、および環Aは、任意の方式で組み合わせて複数の実施形態を形成してもよく、上記変数R、R、R、R、Rおよび構造単位
Figure 0007083836000037
は、任意の方式で組み合わせて複数の実施形態を形成してもよいことを理解すべきである。
本発明のいくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、
Figure 0007083836000038
Figure 0007083836000039
[式中、R、R、R、R、およびRは上記で定義されたとおりである。]、またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体からなる群より選ばれる。
また、本発明は、次の式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくは幾何異性体を提供する。
Figure 0007083836000040
[式中、環A、n、R、R、およびRは上記で定義されたとおりである。]
いくつかの実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000041
は上記で定義されたとおりである。
本発明は、次の式(III)の化合物または次の式(IV)の化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体を提供する。
Figure 0007083836000042
[式中、n、R、RおよびRは上記で定義されたとおりであり、環Cはシクロプロピル、5員のヘテロアリール、および6員のヘテロアリールからなる群より選ばれる。]
本発明は、次の式(V)の化合物または式(VI)の化合物、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体を提供する。
Figure 0007083836000043
[式中、n、R、R、および環Cは上記で定義されたとおりである。]
本発明のいくつかの実施形態において、式(IV)の化合物または式(VI)の化合物において、環Cは、シクロプロピル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、1,3,4-オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、ピラゾリル、およびイミダゾリルからなる群より選ばれ、好ましくは、環Cはシクロプロピル、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、およびピリダジニルからなる群より選ばれ、より好ましくは、環Cは、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリル、およびピリダジニルからなる群より選ばれる。
本発明のいくつかの実施形態において、式(IV)の化合物または式(VI)の化合物において、構造単位
Figure 0007083836000044
からなる群より選ばれ、好ましくは、構造単位
Figure 0007083836000045
からなる群より選ばれ、より好ましくは、構造単位は、
Figure 0007083836000046
からなる群より選ばれ、最も好ましくは、構造単位は、
Figure 0007083836000047
からなる群より選ばれる。
本発明は、次の式(I-a)または式(I-b)の化合物、その薬学的に許容される塩、その立体異性体もしくはその幾何異性体を提供する。
Figure 0007083836000048
[式中、環A、n、R、R、R、RまたはRは、上記で定義されたとおりである。]
いくつかの実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000049
は上記で定義されたとおりである。
本発明は、次の式(II-a)または式(II-b)の化合物、その薬学的に許容される塩、その立体異性体もしくはその幾何異性体を提供する。
Figure 0007083836000050
[式中、環A、n、R、R、およびRは上記で定義されたとおりである。]
いくつかの実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000051
は上記で定義されたとおりである。
本発明は、次の式(III-a)、式(III-b)、式(IV-a)または(IV-b)の化合物、その薬学的に許容される塩、その立体異性体もしくはその幾何異性体を提供する。
Figure 0007083836000052
[式中、n、R、R、R、および環Cは上記で定義されたとおりである。]
いくつかの実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000053
は上記で定義されたとおりである。
本発明は、次の式(V-a)、式(V-b)、式(VI-a)または(VI-b)の化合物、その薬学的に許容される塩、その立体異性体もしくはその幾何異性体を提供する。
Figure 0007083836000054
[式中、n、R、R、および環Cは上記で定義されたとおりである。]
いくつかの実施形態において、構造単位
Figure 0007083836000055
は上記で定義されたとおりである。
また、本発明は、下記構造式:
Figure 0007083836000056
Figure 0007083836000057
Figure 0007083836000058
Figure 0007083836000059
の化合物、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、
Figure 0007083836000060
Figure 0007083836000061
Figure 0007083836000062
Figure 0007083836000063
Figure 0007083836000064
またはその薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる。
別の態様によれば、本発明は、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体を含む医薬組成物をさらに提供する。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される補助剤、担体または希釈剤をさらに含む。
別の態様によれば、本発明は、治療有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、またはその医薬組成物を、それを必要とする哺乳類(好ましくはヒト)にを投与することを含む哺乳類の多発性骨髄腫を治療する方法をさらに提供する。
別の態様によれば、本発明は、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、またはその医薬組成物の、多発性骨髄腫を治療または予防するための医薬の製造における使用をさらに提供する。
別の態様によれば、本発明は、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、またはその医薬組成物の、多発性骨髄腫を治療または予防するための使用をさらに提供する。
また、別の態様によれば、本発明は、多発性骨髄腫を予防または治療するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、またはその医薬組成物をさらに提供する。
また、さらなる態様によれば、本発明の式(I)の化合物は、下記一般的なスキームを通じて当該技術分野における標準的な方法を使用して、当業者によって調製することができる。
Figure 0007083836000065
Figure 0007083836000066
Figure 0007083836000067
本発明の化合物は、多発性骨髄腫に対する良好な抗腫瘍効果を有し、良好な経口バイオアベイラビリティを有し、かつボルテゾミブに耐性の多発性骨髄腫に対する治療可能性を有する。
定義
特に断りのない限り、本明細書に記載の下記の用語およびフレーズは、次の意味を有する。
ある1つの特定の用語やフレーズは、特に定義されない場合、不確定または不明確とが認定されておらず、一般的な意味とが理解されるべきである。本明細書に記載の商品名は、それに対応する製品または有効成分を指すように意味する。
用語「薬学的に許容される」とは、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形に対し、信頼性を有する医学的判断の範囲においてヒトおよび動物の組織とを接触して使用することに適用するが、過剰な毒性、刺激性、アレルギー性の反応、または他の問題や合併症がなく、合理的な利益/リスクの比率とをバランスすることを意味する。
本発明に係る構造単位または基における破線(----)は、共有結合を表す。
本発明のいくつかの構造単位または基における共有結合(例えば、
Figure 0007083836000068
における破線(----))は、特定の原子に接続されていない場合、該共有結合は、原子価結合理論に違反しない限り、構造単位または基における任意の原子に接続されてもよいことを意味する。したがって、例えば、構造単位
Figure 0007083836000069
を含む。
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩を意味し、本発明に発見された、特定の置換基を有する化合物と相対的に無毒の酸またはアルカリとによって調製されるものである。本発明における化合物に、比較的酸性官能基を含む場合、十分な塩基量でこれらの化合物とを接触する方式で塩基付加塩を取得する。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アンモニア塩もしくはマグネシウム塩、または類似の塩を含む。比較的塩基性官能基を含む場合、十分な酸量でこれらの化合物とを接触する方式で酸付加塩を取得する。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、無機酸塩および有機酸塩を含み、前記無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素(bicarbonate)、リン酸、リン酸水素(hydrogen phosphate)、リン酸二水素(dihydrogen phosphate)、硫酸、硫酸水素(hydrogen sulfate)、ヨウ化水素酸、亜リン酸等が挙げられ、前記有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソブタン酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、琥珀酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の類似の酸が挙げられ、更にアミノ酸(例えば、アルギニン等)の塩、およびクルクロン酸等の有機酸の塩を含む(Berge et al.、「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science 66:1-19(1977)を参照する)。本発明における幾つか特定の化合物は、塩基性の官能基と酸性の官能基を含むため、任意の塩基付加塩または酸付加塩に変換されることができる。
好ましくは、通常な方式で塩と塩基または酸とを接触させ、さらに親化合物を分離することにより、化合物の親形態を再生する。化合物の親形態とその各塩の形態との相違点は、例えば、極性溶媒への溶解度が異なることなど幾つかの物理的性質にある。
本明細書に記載の「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の誘導体に属し、ただし、酸と塩化したり、塩基と塩化したりする方式により前記親化合物を修飾する。薬学的に許容される塩の例としては、塩基(例えば、アミン)の無機酸塩または有機酸塩、酸基(例えば、カルボン酸)のアルカリ金属塩または有機塩等を含むが、これらに限定されるものではない。薬学的に許容される塩は、通常の無毒性の塩または親化合物の第4級アンモニウム塩、例えば無毒の無機酸または有機酸とで形成された塩を含む。通常の無毒性の塩は、無機酸および有機酸から誘導された塩を含むが、これに限定されるものではない。前記無機酸または有機酸は、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸(炭酸水素)、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフタレン、イセチオン酸、乳酸、ドデシルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、スバセチン酸(subacetic acid)、琥珀酸、スルファミン酸、p-アミノベンゼンスルホン酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、およびp-トルエンスルホン酸からなる群より選ばれる。
薬学的に許容される塩は、酸基または塩基含有親化合物から通常の化学方法により合成される可能性がある。一般的には、このような塩の調製方法は、水や有機溶媒または両者の混合物に、遊離酸または遊離塩基の形態のこれらの化合物と適当の化学量論の塩基または酸とを反応させて調製することである。通常、好ましくは、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリル等の非水媒体である。
塩形態の以外、本発明により提供された化合物には、プロドラッグ形態も存在する。本明細書に記載されている化合物のプロドラッグは、生理的条件下で化学変化を発生し、本発明の化合物に変換しやすい。また、プロドラッグは、体内環境に化学方法または生化学方法で本発明の化合物として変換されることができる。
本発明における幾つかの化合物は、水和物形態を含む、非溶媒和形態または溶媒和形態で存在することができる。一般的に言えば、溶媒和形態と非溶媒和形態とが相当し、本発明の範囲に含まれている。
本発明における幾つかの化合物は、不斉炭素原子(立体中心)または二重結合を有することができる。したがって、ラセミ体、ジアステレオマーまたはエナンチオマー、幾何異性体、および単一異性体のいずれも本発明の範囲に含まれている。
特に断りのない限り、ウェッジ結合および破線結合
Figure 0007083836000070
で立体中心の絶対配置を表し、波線
Figure 0007083836000071
で立体中心の絶対配置の1つ(例えば、
Figure 0007083836000072
のうちの1つ)を表し、
Figure 0007083836000073
で立体中心の相対配置を表す。本発明に係る化合物にオレフィン二重結合または他の幾不斉中心を含む場合、特に断りのない限り、それらはEおよびZ幾何異性体を含む。同様的に、全ての互変異性形態は、いずれも本発明の範囲に含まれている。
本発明の化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体の形態で存在する可能である。本発明に想定された全ての化合物は、シスおよびトランス異性体、(-)-および(+)-鏡像異性体、(R)-および(S)-鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体と、それらのラセミ体混合物および他の混合物とを含み、例えば、鏡像異性体またはジアステレオマーに富む混合物である。これらのいずれも本発明の範囲に含まれている。他の不斉炭素原子は、アルキルなどの置換基に存在してもよい。これらの異性体の全ておよびそれらの混合物は、いずれも本発明の範囲に含まれている。
キラル合成またはキラル試薬、あるいは他の通常の技術により、光学活性の(R)-および(S)-異性体、ならびにDおよびL異性体を調製することができる。本発明に係るある化合物の1種の鏡像異性体を取得しようとする場合、不斉合成、またはキラル補助剤を有する誘導作用により調製することができ、取得されたジアステレオマー混合物を分離し、補助基を切断させて所望の純粋な鏡像異性体を提供する。あるいは、分子に塩基性官能基(例えば、アミノ基)または酸性官能基(例えば、カルボキシル)を含む場合、適当な光学活性の酸または塩基によりジアステレオマー塩を形成し、次に本分野に周知の通常法によりジアステレオマーを分割し、その後、回収して純粋な鏡像異性体を得る。なお、鏡像異性体とジアステレオマーとの分離は、通常、クロマトグラフィーにより完成され、前記クロマトグラフィーは、キラル固定相を採用し、且つ必要に応じて化学誘導体化とを組み合わせる(例えば、アミンによりカルバミン酸塩を生成する)。
本発明に係る化合物は、当該化合物を構成する1つ以上の原子の上に、不自然な割合の原子同位体を含むことができる。例えば、放射性同位体で化合物を標識することができ、例えば三重水素(H)、ヨウ素-125(125I)またはC-14(14C)が挙げられる。本発明に係る化合物の全ての同位体構成の変更は、放射性であるか否やかを問わず、いずれも本発明の範囲に含まれている。
用語「医薬組成物」とは、1つ以上の本発明に係る化合物またはその塩と、薬学的に許容される補助剤との混合物を指す。医薬組成物の目的は、本発明に係る化合物を容易に生体に投与することである。
用語「薬学的に許容される担体」、「薬学的に許容される賦形剤」または「薬学的に許容される補助剤」とは、生体に顕著な刺激を引き起こさず、活性化合物の生物活性および特性を損なわない担体、賦形剤または補助剤を指す。適切な担体、賦形剤または補助剤は、例えば、炭水化物、ワックス、水溶性および/または水膨潤性ポリマー、親水性または疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などの当業者に知られているものである。
用語用語「含む/構成する(comprise)」およびそのような英語の変形であるcomprisesまたはcomprisingなどは、開放で非排他的な意味、すなわち「を含むがこれらに限定されない」の意味を含むものとして理解されるべきである。
本発明に係る医薬組成物は、本発明に係る化合物を適切な薬学的に許容される補助剤と組み合わせて調製することができ、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、トローチ剤、軟膏、シロップ、乳剤、懸濁液、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、ミクロスフェア、およびエアロゾルなどの固体、半固体、液体または気体製剤に製剤化することができる。
本発明の化合物、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、またはその医薬組成物の典型的な投与経路には、経口、直腸、経粘膜、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、膣内、鼻腔内、眼内、腹腔内、筋肉内、皮下および静脈内投与を含むがこれらに限定されない。好ましい投与経路は、経口投与および注射投与である。
本発明に係る医薬組成物は、従来の混合法、溶解法、造粒法、糖衣錠製造法、粉砕法、乳化法、凍結乾燥法などの当技術分野で公知の方法を用いて製造することができる。
いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組成物は経口形態である。経口投与の場合、医薬組成物は、活性化合物を当技術分野で周知の薬学的に許容される補助剤または賦形剤と混合することにより製剤化することができる。これらの補助剤または賦形剤は、本発明に係る化合物を、錠剤、丸剤、トローチ剤、糖衣錠、カプセル剤、粉剤、顆粒、液剤、シロップ剤、乳剤、ゲル剤、スラリー、懸濁液などとして製剤化することができ、そして患者への経口投与に用いられる。
経口投与に適した固体医薬組成物は、従来の混合法、充填法または錠剤化方法により製造することができる。例え例えば、固体形態の経口組成物は、活性化合物を固体補助剤または賦形剤と混合し、得られた混合物を必要に応じて粉砕し、他の適切な補助剤または賦形剤を必要に応じて加え、次いで混合物を顆粒に加工して錠剤または糖衣錠のコア(芯)を得るという方法で得られる。適切な補助剤または賦形剤には、充填剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、甘味剤、香味剤などを含むが、これらに限定されない。
本発明に係る医薬組成物はまた、適切な単位剤形の無菌溶液、懸濁液、乳剤または凍結乾燥製品などの非経口投与にも適している場合がある。充填剤、緩衝剤または界面活性剤などの適切な賦形剤を使用することができる。
本発明に係る式(I)の化合物は、単回用量または分割用量で0.01mg/kg体重から200mg/kg体重の用量で毎日投与することができる。
用語「薬学的に許容される担体」は、本発明の有効量の活性物質を配送でき、活性物質の生物活性を干渉せず、且つ宿主(ホスト)または患者に対する毒性・副作用を持たない任意の薬剤または担体またはビヒクルを意味する。代表的担体には、水、オイル、ミネラル、クリームベース、ローションマトリックス、軟膏マトリックスなどが挙げられる。これらのマトリックスは、懸濁剤、沈殿防止剤、粘着付与剤、経皮吸収促進剤等を含む。これらの薬剤は、化粧品の分野または一部の医薬品分野の当業者にとって周知である。担体の他の情報は、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott, Williams & WilkinS(2005)」を参考することができ、当該文献の内容は、援用により本明細書に組み込まれる。
用語「賦形剤」または「補助剤」は、有効な薬物組成物の調製に必要な担体、希釈剤、および/またはビヒクルを意味する。
薬物または薬理学的活性剤の場合、用語「有効量」または「治療有効量」は、毒性のないが所望の効果を達成できる薬物または製剤の十分な量を指す。本発明に係る経口剤形について、組成物における1種の活性物質の「有効量」とは、当該組成物におけるその他の活性物質と併用する際に望ましい効果を達成するために必要な投与量を意味する。有効量の決定は、個人差があり、受験者の年齢および一般的な状況に依存し、具体的な活性物質にも依存して変化し、個別のケースに適合な有効量は、当業者により通常の実験に基づいて決定される。
用語「活性成分」、「治療剤/治療薬」、「活性物質」または「活性剤」は、標的障害、疾患または状態を効果的に治療することができる化学物質を指す。
用語「治療」とは、本発明に記載の化合物または製剤を投与して疾患又は前記疾患関連の1つ以上の症状を予防、緩和したり、解消したりすることを意味し、且つ
(i)哺乳類において疾患または疾患状態の発生を予防し、特に、当該哺乳類が該疾患または疾患状態に罹りやすいが、そのような疾患または疾患状態にすでに罹患していることがまだ診断されていない場合、予防することと、
(ii)疾患または疾患状態を阻害し、すなわちその発生・進行を阻害することと、
(iii)疾患または疾患状態を緩和し、すなわち疾患または疾患状態を減退させることと、を含む。
用語「治療有効量」とは、(i)特定の疾患、疾患状態、または障害を治療または予防し、(ii)特定の疾患、疾患状態、または障害の1つまたは複数の症状を軽減、改善、または解消し、あるいは(iii)本明細書に記載の特定の疾患、疾患状態、または障害の1つまたは複数の症状の発症を予防しまたは遅らせる、本発明の化合物の投与量を意味する。「治療有効量」となる本発明に係る化合物の量は、化合物、疾患、疾患状態、または障害とその重症度、投与方式および治療しようとする哺乳類の年齢によって変わるが、当業者は、その自身の持つ知識および本発明に開示された内容により通常的に決めることができる。
用語「任意の」または「任意に/必要に応じて」などは、後述する事情や状況が発生する可能性も、発生していない可能性もあることを意味し、該記載は、前記の事情や状況が発生した場合も、発生していない場合も含む。
用語「置換された」とは、特定原子の電子価状態が正常であり且つ置換された化合物が安定的なものであれば、特定原子における任意の1つ以上の、重水素および水素の変異体を含む水素原子が置換基に置換されたことを意味する。置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。オキソの置換は、芳香族基に発生しない。用語「任意に置換された」または「必要に応じて置換された」とは、置換されたとしてもよく、置換されていなくてもよく、特に断りのない限り、化学的に達成できるという前提の下で、置換基の種類や数が任意であってもよいことを意味する。
任意の変数(例えば、RまたはR)は、化合物の組成や構造に1回以上現れる場合、その各状況における定義がそれぞれ独立している。そのため、例えば、1個の基は0~2個のRで置換される場合、前記基は、必要に応じて多くとも2個のRで置換されてもよく、且つ各状況におけるRは、いずれも独立して選択肢を持っており、さらに、例えば、構造単位
Figure 0007083836000074
における各Rは独立しており、それらは同一でも異なっていてもよい。また、置換基および/またはその変異体の組み合わせは、このような組合せが安定な化合物をもたらす場合のみ許可される。
ある連結基の数が0であり、例えば-(CRR)-である場合、該連結基は単結合であることを意味する。
特に断りのない限り、C3-6シクロアルキル-(CH1-3-は、C3-6シクロアルキル-CH-、C3-6シクロアルキル-(CH-、およびC3-6シクロアルキル-(CH-が挙げられ、同様に、フェニル-(CH1-3-は、フェニル-CH-、フェニル-(CH-、およびフェニル-(CH-が挙げられる。
その中の1つの変数が単結合であれば、接続された2つの基が直接に接続することを示しており、例えば、A-L-Zにおいて、Lが単結合を表す場合、当該構成は、実際にA-Zである。
ある置換基が存在しない場合、例えば、A-XのXが存在しない場合は、その置換基が存在しなく、前記例の構造が実際にAであることを意味する。ある置換基1つの環における1個以上の原子に接続できる場合、当該置換基とこの環における任意の原子とを結合することができる。例えば、構成単位
Figure 0007083836000075
は、置換基Rがシクロヘキシル、シクロヘキサジエンにおける任意の位置で置換してもよいことを示す。例示された置換基についてどの原子を介して、置換された基に接続されているかを指定していない場合、このような置換基がその任意の原子を介して結合してもよい。例えば、置換基としてのピリジルは、ピリジン環上の任意の炭素原子を介して、置換された基に結合してもよい。列挙された連結基が連結方向を指定していない場合、連結方向は任意の方向であり、例えば、
Figure 0007083836000076
における連結基Lが-M-W-である場合、-M-W-は環Aと環Bを、左から右への読み取り順序と同じ方向に連結して
Figure 0007083836000077
に形成してもよく、左から右への読み取り順序とは逆の方向に連結して
Figure 0007083836000078
に形成してもよい。前記連結基、置換基および/またはその変異体の組み合わせは、このような組合せが安定な化合物をもたらす場合のみ許可される。
特に断りのない限り、「ヘテロ」は、ヘテロ原子、またはヘテロ原子団(すなわち、ヘテロ原子を含む基である)を示し、炭素(C)および水素(H)以外の原子ならびにそれらのヘテロ原子を含む基、例えば、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、-O-、-S-、=O、=S、-C(=O)O-、-C(=O)-、-C(=S)-、-S(=O)、-S(=O)-、および任意に置換された-C(=O)N(H)-、-N(H)-、-C(=NH)-、-S(=O)N(H)-または-S(=O)N(H)-を含む。
特に断りのない限り、「環(ring)」は、置換もしくは無置換のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールを示す。前記環は、単環(monocycle)、二環(bicycle、dicycle)、スピロ環(spiro ring)、縮合環(fused ring)、または架橋環(bridged ring)を含む。環における原子の数は、通常、環を構成するメンバーの数として定義され、例えば、「5~7員環」は、5~7個の原子からなる環を意味する。特に断りのない限り、当該環は、必要に応じて1~3個のヘテロ原子を含む。そのため、「5~7員の環」には、例えばフェニル、ピリジニルおよびピぺリジニルを含む。一方、用語「5~7員のヘテロシクリル」には、ピリジニルおよびピぺリジニルを含むが、フェニルを含まない。用語「環」にも、少なくとも1つの環を有する環系を含み、その中の「環」のいずれも独立して上記定義に合致する。
特に断りのない限り、用語「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル(ヘテロ環基)」とは、安定的なヘテロ原子またはヘテロ原子団を有する単環、二環または三環を意味する。それらは、飽和、部分不飽和または不飽和(芳香族)のものである。それらは、炭素原子と、独立してN、OおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子1、2、3および4個とを含む。ただし、前記任意のヘテロ環は、1つのベンゼン環に縮合されて二環を形成してもよい。窒素原子および硫黄原子は、任意に酸化されてもよい(すなわち、NOおよびS(O)pであり、pは1または2である)。窒素原子は、置換もしくは無置換のもの(すなわち、NおよびNR、ここで、RはH、または本明細書に既に定義された他の置換基である)であってもよい。当該ヘテロ環は、ヘテロ原子または炭素原子の側基に付着されて安定的な構成になってもよい。このように産生した化合物が安定的なものであれば、本明細書におけるヘテロ環は、炭素サイトまたは窒素サイトでの置換を発生することができる。ヘテロ環における窒素原子は、必要に応じて4級化される。1つの好ましい形態において、ヘテロ環におけるSおよびO原子の合計数が1を超える場合、これらのヘテロ原子同士が隣接していない。また、もう1つの好ましい形態において、ヘテロ環におけるSおよびO原子の合計数が1を超えない。本明細書に記載のように、用語「芳香族ヘテロ環基/芳香族ヘテロシクリル」または「ヘテロ芳香族基」とは、安定的な5、6、7員の単環基や二環基、または7、8、9もしくは10員のビシクロヘテロ環基含有芳香環を意味し、ここで、炭素原子と、1、2、3および4個の独立してN、OおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子とを含む。窒素原子は、置換もしくは無置換のもの(すなわち、NおよびNR、ここで、RはH、または本明細書に既に定義された他の置換基である)であってもよい。窒素原子および硫黄原子は、任意に酸化されてもよい(すなわち、NOおよびS(O)pであり、pは1または2である)。芳香族ヘテロ環におけるS原子とO原子との合計数が1以下であることは注意すべきである。架橋環もヘテロ環の定義に含まれている。1つ以上の原子(すなわち、C、O、NまたはS)が2つの隣接していない炭素原子または窒素原子とを接続する際に、架橋環を形成する。架橋が常に単環を三環に変換することは注目に値する。架橋環において、環における置換基も架橋上に位置してもよい。
ヘテロシクリル(heterocyclyl)の例としては、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾメルカプトフラニル、ベンゾメルカプトフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、ベンゾピラニル(benzopyranyl)、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル(インドールアルケニル)、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル(phenazinyl)、フェノチアジニル (phenothiazinyl)、ベンゾキサンチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピぺリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル (pyridoimidazolyl)、ピリドイミダゾリル (pyridothiazolyl)、ピリジニル、ピロリニル、ピラゾリニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チエノオキサゾリル、チエノチアゾリル、チエノイミダゾリル、チエニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、およびキサンテニルを含むが、これらに限定されるものではない。さらに、縮合環化合物およびスピロ化合物を含む。
特に断りのない限り、用語「ヒドロカルビル/炭化水素基」またはそれらの下位概念(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール等)自体、または他の置換基の一部として表される直鎖状、分岐鎖状または環状の炭化水素原子団またはその組み合わせは、完全飽和のもの(例えばアルキル)であっても、一価または多価不飽和のもの(例えば、アルケニル、アルキニル、アリール)であってもよく、一置換または多置換のものであってもよく、一価(例えばメチル)または二価(例えば、メチレン)または多価(メチン)のものであってもよく、二価または多価の原子団を含んでもよく、特定の数の炭素原子を持っている(例えば、C-C12は1~12個の炭素を表し、C1-12は、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11およびC12からなる群より選ばれ、C3-12はC、C、C、C、C、C、C、C10、C11およびC12からなる群より選ばれる)。「炭素水素基(ヒドロカルビル)」は、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基を含むが、これらに限定されるものではない。前記脂肪族炭化水素基は、鎖状および環状を含み、具体的には、アルキル、アルケニル、アルキニルを含むが、これらに限定されるものではない。前記芳香族炭化水素基は、6~12員の芳香族炭化水素基、例えばフェニル、ナフチル等を含むが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施例において、用語「炭素水素基(ヒドロカルビル)」は、直鎖や分岐鎖の原子団、またはそれらの組み合わせを示し、完全飽和のものであっても、一価または多価不飽和のものでもよく、二価および多価の原子団を含んでもよい。飽和炭化水素の原子団の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、およびn-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等の原子団の同族体や異性体を含むが、これらに限定されるものではない。不飽和炭素水素基(不飽和ヒドロカルビル)は、1つ以上の二重結合または三重結合を有し、その例として、ビニル、2-プロペニル、ブテニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-ブタジエニル、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-プロピニルおよび3-プロピニル、3-ブチニルなど、ならびに、より高次の同族体および異性体を含むが、これらに限定されるものではない。
特に断りのない限り、用語「ヘテロ炭化水素基」またはその下位概念(例えば、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロフェニル等)自体、あるいは他の用語と併用して表される安定的な直鎖、分岐鎖または環状の炭化水素の原子団その組み合わせは、一定数の炭素原子と、少なくとも1つのヘテロ原子から構成される。いくつかの実施例において、用語「ヘテロアルキル基」その自体、あるいは他の用語と併用して表される安定的な直鎖、分岐鎖の炭化水素の原子団その組成物は、一定数の炭素原子と、少なくとも1つのヘテロ原子から構成される。1つの典型的な実施例において、ヘテロ原子は、B、O、NおよびSからなる群より選ばれ、ここで、窒素原子および硫黄原子は、必要に応じて酸化され、窒素原子は、必要に応じて4級化される。ヘテロ原子またはヘテロ原子団は、ヘテロ炭化水素基における任意位置(当該炭化水素基が分子の他の部分に付着する位置を含む位置)にあってもいが、用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)は、慣用表現に属し、それぞれ1つの酸素原子、アミノ基または硫黄原子を介して分子の他の部分に接続されるそれらのアルキル基であることを意味する。例としては、-CH-CH-O-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH、-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、-CH-CH=N-OCH、および-CH=CH-N(CH)-CHを含むが、これらに限定されるものではない。多くとも2つのヘテロ原子は、例えば、-CH-NH-OCHのように、連続的な(隣接している)ものであってもよい。
特に断りのない限り、用語「シクロヒドロカルビル/シクロ炭化水素基」、「ヘテロシクロヒドロカルビル/ヘテロシクロ炭化水素基」またはその下位概念(例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキニル等)自体、あるいは他の用語と併用してそれぞれ環状の「炭化水素基」、「ヘテロ炭化水素基」を示す。また、ヘテロ炭化水素基またはヘテロシクロ炭化水素基(例えば、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル)について、ヘテロ原子は、当該ヘテロ環(ヘテロシクロ)が分子の残り部分に付着する位置を占めることができる。シクロヒドロカルビル(シクロ炭化水素基)の例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチル基等を含むが、これらに限定されるものではない。ヘテロシクロ炭化水素基(ヘテロシクロヒドロカルビル)の非制限的例としては、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジニル)、1-ピぺリジニル、2-ピぺリジニル、3-ピぺリジニル、4-モルホリニル、3-モルホリニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラニルインドール-3-イル、テトラヒドロチオフェン-2-イル、テトラヒドロチオフェン-3-イル、1-ピペラジニル、および2-ピペラジニルを含む。
特に断りのない限り、用語「アルキル」とは、直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を表し、一置換(例えば-CHF)または多置換(例えば-CF)であってもよく、一価(例えば、メチル)、二価(例えば、メチレン)または多価(例えば、メチン)であってもよい。アルキル基の例には、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル)、ペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などを含み、例えば、用語「C1-3アルキル」とは、1~3個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル)を意味し、例えば、用語「C1-6アルキル」とは、1~6個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-メチルペンチルなど)を意味する。
特に断りのない限り、シクロアルキル基は、任意の安定な単環式または多環式炭化水素基を含み、任意の炭素原子が飽和しており、一置換または多置換のいずれかであってもよく、一価、二価または多価であってもよい。そのようなシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、ノルボルナニル、[2.2.2]ビシクロオクタン、[4.4.0]ビシクロデカンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
特に断りのない限り、シクロアルケニルは、任意の安定な環式または多環式炭化水素基を含み、該炭化水素基は環上の任意の位置に1つ以上の不飽和炭素-炭素二重結合を有し、一置換または多置換のいずれかであってもよく、一価、二価または多価であってもよい。シクロアルケニルの例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどを含むが、これらに限定されるものではない。
特に断りのない限り、シクロアルキニルは、任意の安定な環式または多環式炭化水素基を含み、該炭化水素基は環上の任意の位置に1つ以上の炭素-炭素三重結合を有し、一置換または多置換のいずれかであってもよく、一価、二価または多価であってもよい。
特に断りのない限り、用語「ハロ」(「ハロゲン化」)または「ハロゲン」とは、それらの自体またはその他の1つの置換基の一部として、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)原子を意味する。また、用語「ハロアルキル基」とは、モノハロアルキル基およびポリハロアルキル基を含むことを意味する。例えば、用語「ハロ(C1-C4)アルキル基」とは、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、および3-ブロモプロピル等を含むが、これらに限定されるものではないことを意味する。特に断りのない限り、ハロアルキル基の例としては、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、およびペンタクロロエチルを含むが、これらに限定されるものではない。
用語「ヘテロアルキル」は、好ましくは鎖中に1~14個の炭素原子、より好ましくは1~10個の炭素原子、さらに好ましくは1~6個の炭素原子、最も好ましくは1~3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキルであり、ここで1つ以上の炭素原子がS、OおよびNからなる群より選ばれるヘテロ原子で置換されている。例示的なヘテロアルキルには、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノを含んでいる、アルキルエーテル、二級アルキルアミンおよび三級アルキルアミン、アミド、アルキルスルフィドなどが挙げられ、特に断りのない限り、C1-6ヘテロアルキルにはC、C、C、C、CおよびCのヘテロアルキル、例えばC1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルアミノが挙げられる。
用語「アルコキシ」は、酸素橋を介して結合した特定の数の炭素原子を有する上記アルキルを指し、特に断りのない限り、C1-6アルコキシはC、C、C、C、C、およびCアルコキシを含む。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブチルオキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシとS-ペントキシを含むが、これらに限定されるものではない。
特に断りのない限り、用語「アリール」は、多価不飽和芳香族炭化水素置換基を表し、これは一置換または多置換のものであってもよく、一価、二価または多価であってもよく、単環または多環(例えば、1~3個の環であり、そのうち少なくとも1個の環は芳香族のものである)であってもよく、それらは一緒に縮環されたり共有結合されたりする。アリール基は、好ましくは6~15個の炭素原子を有し、より好ましくは6~12個の炭素原子を有する。
用語「ヘテロアリール」は、1~4個のヘテロ原子のアリール基を意味する。一実施形態において、ヘテロ原子はB、N、OおよびSからなる群より選ばれ、ここで、必要に応じて、窒素原子および硫黄原子は酸化され、窒素原子は4級化される。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残り部分に接続されてもよい。
アリールまたはヘテロアリールの非制限的な実施例は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、オキサゾリル、フェニル-オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ベンゾチアゾリル、プリニル、ベンズイミダゾリル、インドリル、インドリル、イソキノリニル、キノキサリニル、キノリニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-ピラゾリル、4-ピラゾリル、ピラジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フラニル、3-フラニル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル、2-ベンゾチアゾリル、5-インドリル、1-イソキノリニル、5-イソキノリニル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリニル、および6-キノリニルを含む。上記のいずれの1つのアリールおよびヘテロアリールの環系の置換基は、後述の許容される置換基から選ばれる。
特に断りのない限り、アリールと他の用語と一緒に使われる(例えば、アリールオキシ、アリールチオ、アラルキル)際に、上記に定義されたアリールおよびヘテロアリールの環(アリール環およびヘテロアリール環)を含む。そのため、用語「アラルキル」は、アリールをアルキルに付着してなる原子団(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等)を含むことを意味し、その中の炭素原子(例えば、メチレン基)が例えば酸素原子に替えられたアルキルを含み、例えば、フェノキシメチル、ピリジルオキシメチル3-(1-ナフトキシ)プロピルである。
用語「脱離基」は、置換反応(例えば、求核置換反応)によって他の種類の官能基または原子に置換され得る官能基または原子を意味する。例えば、典型的な脱離基は、トリフルオロメタンスルホン酸エステルと、塩素、臭素、ヨウ素と、メタンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル、p-ブロモベンゼンスルホン酸エステル、p-トルエンスルホン酸エステル等のようなスルホン酸エステル基と、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基等のようなアシルオキシ基などの基を含む。
用語「保護基」は、「アミノ保護基」、「カルボキシル保護基」、「ヒドロキシル保護基」、「チオール保護基」を含むが、これらに限定されるものではない。用語「アミノ基保護基」は、アミノ基の窒素位置での副反応の発生を阻止することに好適に用いられる保護基を意味する。典型的なアミノ保護基は、ホルミルと、アルカノイル(例えば、アセチル、トリクロロアセチル、またはトリフルオロアセチル)のようなアシル基と、t-ブトキシカルボニル(Boc)のようなアルコキシカルボニルと、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)のようなアリールメトキシカルボニルと、ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)、1,1-ジ-(4’-メトキシフェニル)メチルのようなアリールメチルと、トリメチルシリル(TMS)およびt-ブチルジメチルシリル(TBS)のようなシリル等とを含むが、これらに限定されるものではない。用語「ヒドロキシル保護基」は、ヒドロキシル基の副反応の発生を阻止することに好適に用いられる保護基を意味する。典型的な「ヒドロキシル保護基」は、ヒドロキシルの副反応の発生を阻止することに好適に用いられる保護基を意味する。典型的なヒドロキシル保護基は、メチル、エチルおよびt-ブチルのようなアルキルと、アルカノイル(例えば、アセチル)のようなアシルと、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル(PMB)、9-フルオレニルメチル(Fm)およびジフェニルメチル(diphenylmethyl:DPM)のようなアリールメチルと、トリメチルシリル(TMS)およびt-ブチルジメチルシリル(TBS)のようなシリル等とを含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、下記に記載の具体的な実施形態およびその他の化学合成方法との組合せてなった実施形態、ならびに当業者にとってよく知られた均等な形態を含む、当業者にとってよく知られている多種類の合成方法により調製することができる。好ましい実施形態には本発明の実施例を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用される溶媒は、市販により入手することができる。本発明では、下記の略語が用いられており、すなわち、水をaqで示し、Oー(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートをHATUで示し、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩をEDCで示し、3-クロロ過安息香酸をm-CPBAで示し、当量、等量をeqで示し、カルボニルジイミダゾールをCDIで示し、ジクロロメタンをDCMで示し、石油エーテルをPEで示し、アゾジカルボン酸ジイソプロピルをDIADで示し、N,N-ジメチルホルムアミドをDMFで示し、ジメチルスルホキシドをDMSOとし、酢酸エチルをEtOAcとし、エタノールをEtOHで示し、メタノールをMeOHで示し、アミノ保護基の一種であるベンジルオキシカルボニルをCBzで示し、アミノ保護基の一種であるt-ブトキシカルボニルをBOCで示し、酢酸をHOAc/AcOHで示し、シアノ水素化ホウ素ナトリウムをNaCNBHで示し、室温をr.t.で示し、一晩放置することをO/Nで示し、テトラヒドロフランをTHFで示し、二炭酸ジ-t-ブチルをBocOで示し、トリフルオロ酢酸をTFAで示し、ギ酸をFAで示し、アセトニトリルをACNで示し、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニルエタンスルホン酸をHepesで示し、ハンクの平衡塩溶液をHBSSで示し、ジイソプロピルエチルアミンをDIPEA/DIEAで示し、チオニルクロリドをSOClで示し、二硫化炭素をCSで示し、p-トルエンスルホン酸をTsOHで示し、N-フルオロ-N-(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミドをNFSIで示し、1-クロロピロリジン-2,5-ジオンをNCSで示し、フッ化テトラブチルアンモニウムをn-BuNFで示し、2-プロパノールをiPrOHで示し、融点をmpで示し、リチウムジイソプロピルアミドをLDAで示し、イソプロパノールをIPAで示し、ジエチルアミンをDEAで示し、ジクロロエタンをDCEで示し、トリメチルクロロシランをTMSClで示し、O-ベンゾトリアゾール-N、N、N’、N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートをTBTUで示し、トリエチルアミンをTEAで示している。
市販の化合物は、販売元のカタログ名称が用いられる。
実施例
以下、実施例により本発明を詳細に説明し、本発明に対していかなる限定を意味するものではない。本明細書で本発明を詳細に説明し、具体な実施形態をも開示したが、当業者にとって本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明の具体的な実施形態に対する様々な変更や修正は、明らかであろう。
参考例1:断片BB-1
Figure 0007083836000079
合成ルート:
Figure 0007083836000080
ステップ1: 化合物BB-1-2の合成
氷浴で、化合物BB-1-1(50.00g、344.59mmol、45.05 mL、1.00eq)のDCM(300.00mL)溶液に、シクロヘキシルアミン(68.35g、689.18mmol、78.56L、2.00eq)および塩化カルシウム(38.24g、344.59mmol、1.00eq)を加えた。反応混合物を昇温し、室温で12時間撹拌し、次いでろ過した。濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、そしてメタノール(50mL)を用いて再結晶させて、化合物BB-1-2を得た。
ステップ2: 化合物BB-1-3の合成
N、N、N’、N’-テトラメチルジアミン(2.55g、24.96mmol、3.40mL、1.10eq)のDCE(50.00mL)溶液に、塩化アセチル(1.23g、24.96mmol、1.10eq)を滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、化合物BB-1-2(5.00g、22.69mmol、1.00eq)を反応混合物に加えた。得られた反応混合物を室温まで昇温して12時間連続して撹拌し、次いで減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン:メタノール=50:1~20:1)により精製して化合物BB-1-3を得た。
ステップ3: 化合物BB-1-6の合成
室温で、化合物BB-1-4(25.00g、290.26mmol、31.65mL、1.20eq)のDCM(600.00mL)溶液に、無水硫酸マグネシウム(145.58g、1.21mol、5.00eq)およびp-トルエンスルホン酸(6.08g、24.19mmol、0.10eq)を加えた。反応混合物を40℃に加熱し、12時間連続して撹拌し、その後ろ過した。濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル:酢酸エチル=100:1~20:1)により精製して化合物BB-1-6を得た。
ステップ4: 化合物BB-1-7の合成
室温で、化合物BB-1-6(38.00g、200.72mmol、1.00eq)のトルエン(300.00mL)溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(56.07g、220.79mmol、1.10eq)、化合物BB-1-3(2.70g、10.04mmol、0.05eq)、およびナトリウムtert-ブトキシド(5.79g、60.22mmol、0.30eq)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下で、室温で96時間撹拌し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル:酢酸エチル=100:1~20:1)により精製して化合物BB-1-7を得た。
ステップ5: 化合物BB-1の合成
室温で、化合物BB-1-7(46.00g、144.97mmol、1.00eq)のジオキサン(120.00mL)溶液に、塩酸のジオキサン(4M、80.00mL、2.21eq)溶液を加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物に石油エーテルと酢酸エチルの混合溶媒(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、100mL)を加え、15分間撹拌してからろ過し、フィルターケーキをメチルtert-ブチルエーテル(100mL)で洗浄して化合物BB-1を得た。H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 7.97 (s, 3H), 2.62-2.66 (m, 1H), 1.51-1.72 (m., 1H), 1.43-1.50 (m., 2H), 1.23 (s, 12H), 0.85 (d, J=6.4 Hz, 6H)。
実施例1
Figure 0007083836000081
合成ルート:
Figure 0007083836000082
ステップ1:化合物1-2の合成:
0℃で、化合物1-1(15.00g、74.55mmol、1.00eq)とメタノール(150.00mL)との混合溶液に、TMSCl(40.49g、372.75mmol、47.08 mL、5.00eq)を加えた後、反応混合物を窒素雰囲気下で室温で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物としての化合物1-2を得た。HNMR: (400 MHz, METHANOL-d) δ 5.18 (t, J=9.03 Hz, 1H), 4.15 (q, J=9.29 Hz, 1H), 3.88-4.00 (m, 1H), 3.79-3.86 (m, 3H), 2.60-2.87 (m, 1H), 2.60-2.87 (m, 1H)。
ステップ2:化合物1-3の合成:
室温で、p-フルオロフェニルボロン酸(2.21g、15.83mmol、1.20eq)のアセトニトリル(35.00mL)溶液に、化合物1-2(2.00g、13.19mmol、1.00eq、塩酸塩)、4Aモレキュラーシーブ(1.00 g)、Cu(OAc)(2.64g、14.51mmol、1.10eq)、およびTEA(5.34g、52.76mmol、7.32 mL、4.00eq)を加えた。反応混合物を80℃に加熱し、12時間連続して撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル: 酢酸エチル=10:1)により精製して化合物1-3を得た。HNMR:(400 MHz, CHLOROFORM-d) δ 6.87-6.97 (m, 2H), 6.44-6.52 (m, 2H), 4.45 (dd, J=7.65, 8.66 Hz, 1H), 4.00 (ddd, J=3.76, 6.78, 8.53 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.62-3.71 (m, 1H), 2.49-2.69 (m, 2H)。MS(ESI) m/z: 210.0 [M+1]。
ステップ3:化合物1-4の合成:
氷浴で、化合物1-3(400.00mg、1.91mmol、1.00eq)のメタノール(2.00mL)、テトラヒドロフラン(2.00mL)、および水(1.00mL)の混合溶液に、LiOH.HO(401.11mg、9.56mmol、5.00eq)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、1N希塩酸でpH=3に調整した。次に、混合溶液を濃縮し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて濃縮し、化合物1-4の粗生成物を得て次のステップに直接使用した。MS(ESI) m/z: 195.9 [M+1]。
ステップ4:化合物1-5の合成:
-10℃で、化合物1-4(370.00mg、1.90mmol、1.00eq)のDMF(5.00mL)溶液に、フェニルアラニンメチル塩酸塩(methyl phenylalaninate hydrochloride)(491.75mg、2.28mmol、1.20eq)、TBTU(732.06mg、2.28mmol、1.20eq)、およびDIEA(982.22mg、7.60mmol、1.33 mL、4.00eq)を加えた。反応混合物を-10℃~0℃で1時間撹拌した後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過してから濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して化合物1-5を得た。
HNMR: (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ 7.21-7.33 (m, 4H), 7.13-7.19 (m, 2H), 6.87-6.95 (m, 2H), 6.38-6.46 (m, 2H), 4.88-4.96 (m, 1H), 4.20 (dd, J=7.78, 9.03 Hz, 1H), 3.82 (ddd, J=3.39, 6.96, 8.47 Hz, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.60-3.67 (m, 1H), 3.29 (dd, J=5.65, 13.93 Hz, 1H), 3.07 (dd, J=7.78, 14.05 Hz, 1H), 2.45-2.56 (m, 1H), 2.03-2.17 (m, 1H)。MS(ESI) m/z: 357.1 [M+1]
ステップ5:化合物1-6の合成
室温で、化合物1-5(500.00mg、1.40mmol、1.00eq)のTHF(2.00mL)、MeOH(2.00mL)およびHO(1.00mL)との混合溶液に、LiOH.HO(293.72mg、7.00mmol、5.00eq)を加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌し、1N希塩酸でpH=3に調整した。次に、混合溶液を濃縮し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて濃縮し、化合物1-6の粗生成物を得て次のステップに直接使用した。MS(ESI) m/z: 343.1 [M+1]。
ステップ6:化合物1-7の合成
-10℃で、化合物1-6(250.00mg、730.23μmol、1.00eq)のDMF(5.00mL)溶液に、化合物BB-1(218.70mg、876.27μmol、1.20eq、HCl)、TBTU(304.80mg、949.29μmol、1.30eq)、およびDIEA(377.50mg、2.92mmol、510.13μL、4.00eq)を加えた。反応混合物を-10℃~0℃で1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過してから濃縮し、化合物1-7の粗生成物を得た。MS(ESI) m/z: 538.3 [M+1]。
ステップ7: 化合物WX-193の合成
氷浴で、化合物1-7(390.00mg、725.62μmol、1.00eq)のメタノール(5.00mL)溶液に、イソブチルボロン酸(517.79mg、5.08mmol、7.00eq)、およびHCl(1M、51.87μL、2.00eq)水溶液を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、4時間続けて撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得、そして分取HPLC(0.225%FA)により分離・精製し、次いでSFCにより分離・精製して化合物WX-193を得た。
HNMR: (400MHz, METHANOL-d) δ 7.33 - 7.14 (m, 5H), 6.86 (br t, J=8.7 Hz, 2H), 6.63 - 6.45 (m, 2H), 4.77 (br t, J=8.0 Hz, 1H), 4.66 - 4.58 (m, 1H), 4.52 - 4.41 (m, 1H), 3.17 - 2.97 (m, 4H), 2.65 (br t, J=7.5 Hz, 1H), 2.24 - 1.98 (m, 2H), 1.34 (dt, J=6.7, 13.2 Hz, 1H), 1.13 (br t, J=7.4 Hz, 2H), 0.83 (br t, J=6.7 Hz, 6H)。MS(ESI) m/z: (M-17)438.2。
SFC分離方法:
カラム:AD 250mm×30mm、5μm
移動相:A:二酸化炭素、B:エタノール(0.1%アンモニアを含む)、溶出勾配B%:15%~15%
流速:50mL/min
カラム温度:40℃
化合物WX-193は、高速キラル液体カラムクロマトグラフィーにおける2番目のピークであった。
化合物WX-268、WX-301、WX-351、WX-355、WX-365、WX-373、WX-381、およびWX-385は、いずれも同じ方法で合成され、分離条件は次の通りである。
Figure 0007083836000083
Figure 0007083836000084
Figure 0007083836000085
Figure 0007083836000086
実施例2
Figure 0007083836000087
合成ルート:
Figure 0007083836000088
ステップ1:化合物2-2の合成
室温で、化合物1-2(1.00g、6.60mmol、1.00eq)および2-クロロ-4-フェニル-ピリミジン(1.26g、6.60mmol、1.00eq)のEtOH(20.00mL)溶液に、DIPEA(2.56g、19.80mmol、3.46mL、3.00eq)、およびNaCO(2.10g、19.80mmol、3.00eq)を加えた。反応混合物を40℃に加熱し、12時間撹拌した。次に、溶媒を減圧下で回転蒸発により除去し、残渣を水(20mL)で希釈し、次いで酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮させた。残渣を分取クロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により分離して化合物2-2を得た。MS(ESI) m/z: 269.9 [M+1]。
ステップ2:化合物2-3の合成
室温で、化合物2-2(150.00mg、0.56mmol、1.00eq)のMeOH(3.00mL)およびHO(0.50mL)との混合溶液に、LiOH.HO(23.37mg、0.57mmol、1.00eq)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いで1N希塩酸でpHを6~7に調整し、混合物を濃縮して得られた化合物2-3の粗生成物を、次の反応に直接使用した。MS(ESI) m/z: 255.9 [M+1]。
ステップ3:化合物2-4の合成
-20℃で、化合物2-3(150.00mg、0.59mmol、1.00eq)のDMF(2.00mL)溶液に、フェニルアラニンメチル塩酸塩(methyl phenylalaninate hydrochloride)(126.37mg、0.71mmol、1.20eq)、TBTU(377.34mg、1.18mmol、2.00eq)、およびDIPEA(303.77mg、2.35mmol、0.41mL、4.00eq)を加えた。反応混合物を-20℃~0℃で2時間撹拌した後、反応混合物に水(10mL)を加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過してから濃縮し、得られた粗生成物を分取クロマトグラフィー(移動相:石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により分離・精製して化合物2-4を得た。
ステップ4:化合物2-5の合成
室温で、化合物2-4(250.00mg、600.28μmol、1.00eq)の水(1.00mL)およびMeOH(2.00mL)との混合溶液に、LiOH.HO(75.56mg、1.80mmol、3.00eq)を加えた。室温で反応混合物を12時間撹拌した後、1N希塩酸でpH=3程度に調整した。次に、混合溶液を濃縮し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて濃縮し、化合物2-5の粗生成物を得て次のステップに直接使用した。MS(ESI) m/z: 403.5 [M+1]。
ステップ5:化合物2-6の合成
-10℃で、化合物2-5(260.00mg、646.06μmol、1.00eq)のDMF(5.00mL)溶液に、化合物BB-1(193.49mg、775.27μmol、1.20eq)、TTBTU(311.15mg、969.09μmol、1.50eq)、およびDIPEA(333.99mg、2.58mmol、451.33μL、4.00eq)を加えた。反応混合物を-10℃~0℃で1時間撹拌した後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加え、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過してから濃縮し、化合物2-6の粗生成物を得た。MS(ESI) m/z:599.2 [M+1]。
ステップ6:化合物WX-174の合成
0℃で、化合物2-6(380.00mg、634.88μmol、1.00eq)のメタノール(3.00mL)溶液に、イソブチルボロン酸(478.92mg、4.70mmol、7.40eq)、およびHCl(1M、1.27mL、2.00eq)水溶液を加えた。反応混合物を0℃~20℃で1時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して粗生成物を得、そして分取HPLC(0.225%FA)により分離して化合物WX-174を得た。
HNMR (400MHz, METHANOL-d4) δ 8.38 (br d, J=5.3 Hz, 1H), 8.21 - 8.03 (m, 2H), 7.59 - 7.45 (m, 3H), 7.36 - 7.05 (m, 6H), 4.20 - 3.95 (m, 2H), 3.23 - 2.93 (m, 2H), 2.67 - 2.44 (m, 2H), 2.23 (br s, 1H), 1.49 - 1.07 (m, 3H), 0.83 (br t, J=6.0 Hz, 6H)。MS(ESI) m/z: 497.9 [M-17]。
WX-174のSFC分析方法:
カラム:AS 150mm×4.6mm、5μm
移動相:A:二酸化炭素、B:エタノール(0.05%ジエタノールアミンを含む)、溶出勾配B%:5%~40%
流速:3mL/min
カラム温度:40℃
化合物WX-174は、高速キラル液体カラムクロマトグラフィーにおける保持時間が2.592分間であった。
化合物WX-260、WX-306、WX-308、WX-311、WX-313、WX-317、WX-319、WX-327、WX-329、WX-367、WX-379、WX-387、およびWX-393は、いずれも同じ方法で合成され、分離条件は次の通りである。
Figure 0007083836000089
Figure 0007083836000090
Figure 0007083836000091
Figure 0007083836000092
Figure 0007083836000093
Figure 0007083836000094
Figure 0007083836000095
Figure 0007083836000096
実施例3
Figure 0007083836000097
合成ルート:
Figure 0007083836000098
ステップ1:化合物3-3の合成
室温で、N、N-ジイソプロピルエチルアミン(22.02g、170.40mmol、2.20eq)を、化合物3-1(10g、77.46mmol、1.00eq)および化合物3-2(20.13g、77.46mmol、1.00eq)を含有するアセトニトリル(200mL)溶液に加えた。反応混合物を100℃で16時間撹拌した後、室温まで冷却し、酢酸エチルに加えた。有機層をそれぞれ水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過した。ろ液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して化合物3-3を得た。MS(ESI) m/z: 227.9 [M+1]。
ステップ2:化合物3-4の合成
0℃で、化合物3-3(7.2g、31.69mmol、1.00eq)のメタノール(20mL)、テトラヒドロフラン(20mL)、および水(10mL)との混合溶液に、LiOH.HO(6.65g、158.45mmol、5.00eq)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮し、水および酢酸エチルで希釈し、層状にした。水層を1N塩酸でpH=6に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過した。濾液を濃縮して化合物3-4を得て、これを次の反応に直接使用した。MS(ESI) m/z: 213.9 [M+1]。
ステップ3: 化合物3-5の合成
-10℃で、化合物3-4(1.5g、7.04mmol、1.00eq)のジクロロメタン(50mL)溶液に、グリシンメチルエステル塩酸塩(glycine methyl ester hydrochloride)(1.06g、8.44mmol、1.20eq、塩酸塩)、TBTU(2.71g、8.44mmol、1.20eq)、およびN、N-ジイソプロピルエチルアミン(3.64g、28.15mmol、4.90mL、4.00eq)を加えた。-10℃~0℃で、反応混合物を3時間撹拌した後、水(40mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過した。ろ液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製して化合物3-5を得た。MS(ESI) m/z: 284.9 [M+1]
ステップ4: 化合物3-6の合成
0℃で、化合物3-5(0.5g、1.76mmol、1.00eq)のテトラヒドロフラン(2mL)、メタノール(2mL)、および水(1mL)との混合溶液に、LiOH.HO(369.03mg、8.79mmol、5.00eq)を加えた。反応混合物を0℃~20℃で2時間撹拌した後、濃縮し、水(3mL)で希釈し、層状にした。水層を1N塩酸でpH=6に調整し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過した。濾液を濃縮して化合物3-6を得て、これを次の反応に直接使用した。MS(ESI) m/z: 270.9 [M+1]
ステップ5: 化合物3-8の合成
-10℃で、化合物3-6(0.26g、962.14μmol、1.00eq)、化合物3-7(437.84mg、1.15mmol、1.20eq)、およびTBTU(370.71mg、1.15mmol、1.20eq)のジクロロメタン(10mL)溶液に、N、N-ジイソプロピルエチルアミン(273.56mg、2.12mmol、2.20eq)を加えた。反応混合物を室温まで徐々に昇温し、2時間続けて撹拌した後、反応混合物を水(10mL)に入れて希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過した。ろ液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して化合物3-8を得た。MS(ESI) m/z: 518.2 [M+1]
ステップ6:化合物WX-333の合成
0℃で、化合物3-8(0.17g、328.56μmol、1.00eq)のメタノール(4mL)およびn-ヘキサン(6mL)の混合溶液に、イソブチルボロン酸(234.45mg、2.30mmol、7.00eq)、および1M HCl(1.31mL、4.00eq)を加えた。反応混合物を室温まで徐々に昇温し、12時間連続して撹拌した後、減圧下で濃縮して残渣を得た。残渣を分取HPLCにより精製し、さらにSFCにより分離して化合物WX-333を得た。
H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δ 6.83 (br s, 2H), 6.61 (br s, 1H), 4.49 (br s, 1H), 4.10 (br s, 3H), 3.84 (br s, 1H), 2.75 (br s, 1H), 2.59 (br s, 1H), 2.48 (br s, 1H), 1.62 (br s, 1H), 1.30 (br s, 2H), 0.92 (br s, 6H)。MS(ESI) m/z: 366.1 [M-17].
WX-333の分取HPLCの分離方法:
カラム:Xtimate C18 150×25mm、5μm、
移動相:水(0.225%FA)-MeOH
保持時間:9.5分間
WX-333の分取SFC分離方法:
カラム:C2 250mm×30mm、10μm
移動相:A:二酸化炭素、B:メタノール、溶出勾配B%:30%~30%
流速:60mL/min
化合物WX-333のピーク位置は、高速キラル液体クロマトグラフィーに現れる2番目のピークである。
化合物WX-39は同じ方法で合成され、分離条件は次の通りである。
Figure 0007083836000099
実施例4
Figure 0007083836000100
合成ルート:
Figure 0007083836000101
ステップ1:化合物4-3の合成:
化合物4-2(4.37g、24.68mmol、2.84mL、1.00eq)のDMSO(40mL)溶液に、化合物1-2(5g、32.98mmol、1.34eq)、およびDIEA(9.57g、74.03mmol、3.00eq)。反応混合物を110℃まで加熱し、3時間連続して撹拌した後、反応混合物に水(20mL)を加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過してから濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル:酢酸エチル=1:0-5:1)により精製して化合物4-3を得た。MS(ESI) m/z: 272.9 [M+1]。
ステップ2:化合物4-4の合成
室温で化合物4-3(5.2g、19.10mmol、1.00eq)のTHF(50mL)溶液に、10%Pd/C(1g、9.55mmol、0.5eq)を加えた。反応混合物をH(15 psi)で12時間反応させた後、ろ過した。ろ液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル:酢酸エチル=1:0-1:1)により精製して化合物4-4を得た。MS(ESI) m/z: 242.9 [M+1]。
ステップ3:化合物4-5の合成
0℃で、化合物4-4(3.2g、13.21mmol、1.00eq)のエタノール(30.00mL)溶液に、フルオロホウ酸(7.73g、42.28mmol、含有量48%、3.20eq)および亜硝酸イソアミル(1.70g、14.53mmol、1.10eq)を加えた。反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した後、水(20mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過して濃縮させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル: 酢酸エチル=1:0-3:1)により精製して化合物4-5を得た。MS(ESI) m/z: 228.3 [M+1]。
ステップ4:化合物4-6の合成
0で、化合物4-5 (1.1g、4.84mmol、1.00eq)のTHF(4.00mL)、MeOH(4.00mL)およびHO(2.00mL)との混合溶液に、LiOH.HO(1.02g、24.21mmol、5.00eq)を加えた。反応混合物を室温に徐々に昇温し、1時間連続して撹拌した後、1N希塩酸でpH=5程度に調整した。得られた混合溶液を濃縮し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて濃縮し、化合物4-6の粗生成物を得て次のステップに直接使用した。MS(ESI) m/z: 214.0 [M+1]
ステップ5:化合物4-7の合成
-10℃で、化合物4-6 (0.68g、3.19mmol、1.00eq)のDCM(10.00mL)溶液に、化合物グリシンメチルエステル塩酸塩(glycine methyl ester hydrochloride)(480.59mg、3.83mmol、1.20eq)、TBTU(1.23g、3.83mmol、1.20eq)、およびDIEA(1.65g、12.76mmol、4.00eq)を加えた。-10℃~0℃で反応混合物を0.5時間撹拌した後、水15mLを加え、ジクロロメタンで抽出し、有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル: 酢酸エチル=1:0-3:1)により精製して化合物4-7を得た。MS(ESI) m/z: 284.9 [M+1]。
ステップ6:化合物4-8の合成
0℃で、化合物4-7(0.5g、1.76mmol、1.00eq)のTHF(2.00mL)、MeOH(2.00mL)およびHO(1.00mL)との混合溶液に、LiOH.HO(369.03mg、8.79mmol、5.00eq)を加えた。反応混合物を室温に徐々に昇温し、1時間連続して撹拌した後、1N希塩酸でpH=5程度に調整した。得られた混合溶液を濃縮し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて濃縮し、化合物4-8の粗生成物を得て次のステップに直接使用した。MS(ESI) m/z: 270.9 [M+1]。
ステップ7:化合物4-9の合成
-10℃で、化合物4-8(0.5g、1.85mmol、1.00eq)のDMF(8.00mL)溶液に、化合物3-7(841.99mg、2.22mmol、1.20eq)、TBTU (712.90mg、2.22mmol、1.20eq)、およびDIEA(526.08mg、4.07mmol、2.20eq)を加えた。反応混合物を-10℃~0℃で0.5時間撹拌した後、水10mLを加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過し、濃縮させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物4-9を得た。MS(ESI) m/z: 518.2 [M+1]。
ステップ8: 化合物WX-407の合成
0℃で、化合物4-9(0.42g、811.73μmol、1.00eq)のメタノール(3.00mL)およびn-ヘキサン(3.00mL)の混合溶液に、イソブチルボロン酸(579.23mg、5.68mmol、7.00eq)、およびHCl(1M、1.62mL、2.00eq)を加えた。反応混合物を室温まで徐々に昇温し、12時間連続して撹拌した後、n-ヘキサン5.00mLを加えた。得られた混合溶液をメタノール(10mL)で抽出し、メタノール層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpH5~6に調整し、次に酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させてろ過し、濃縮させた。粗生成物を分取HPLCにより精製し、化合物WX-407を得た。MS(ESI) m/z: 366.1 [M-17]。
H NMR (400 MHz, METHANOL-d) δ 6.96 (ddd, J=5.02, 8.91, 12.17 Hz, 1H), 6.40-6.58 (m, 1H), 6.34 (ddd, J=3.14, 7.15, 10.04 Hz, 1H), 4.49-4.70 (m, 2H), 4.12 (s, 3H), 3.78-4.00 (m, 1H), 2.57-2.79 (m, 2H), 2.40-2.53 (m, 1H), 1.57-1.76 (m, 1H), 1.25-1.46 (m, 2H), 0.81-1.01 (m, 6H)。
WX-407の分取HPLCの分離方法:
カラム:Xtimate C18 150*25mm*5μm
移動相:A:水(0.225%FA)、B:MeOH、溶出勾配B%:59%~89%
高速液体クロマトグラフィーでは、化合物WX-407の保持時間が9.5分間であった。
実験例1: MM1.S細胞のin vitro抗増殖試験
この実験では、化合物が腫瘍細胞株MM1.Sの細胞生存率に及ぼす影響をin vitroで測定することにより、細胞増殖に対する化合物の阻害効果を調べることを目的とした。
MM1.S細胞を黒色96ウェル細胞培養プレートに1ウェルあたり7,000個の細胞の密度で播種し、その後、プレートを37℃、5%COおよび相対湿度100%のインキュベーターで一晩インキュベートした。試験化合物のDMSO溶液を細胞培養ウェルに特定の濃度(0.3~2000nM)で加えた後、培養プレートをインキュベーターに戻し、ビヒクル対照(DMSOを含むが化合物を含まない)およびブランク対照を提供した。培養プレートを37℃、5%COおよび相対湿度100%のインキュベーターで2日間インキュベートした。Promega CellTiter-Glo Luminescence Cell Viability Assay Kit(Promega-G7571)標準方法を使用してサンプルを処理し、Molecular DevicesプレートリーダーのSpectraMax i3xで発光シグナルを検出した。試験化合物の阻害率は、元のデータを使用して次の式で計算された。
Figure 0007083836000102
RLUは相対発光強度を表す。
MM1.S細胞に対する試験化合物のin vitro抗増殖試験結果を表1に示した。
Figure 0007083836000103
実験例2: 化合物の肝ミクロソーム安定性試験
試験化合物を、それぞれCD-1マウス肝ミクロソーム、SDラット肝ミクロソーム、およびヒト肝ミクロソームとインキュベートして試験化合物の安定性を評価した。
試験化合物の溶液サンプルの調製:実施例で調製された化合物10mMのDMSO(5μL)を、DMSO(45μL)とメタノールおよび水との混合溶媒(450μL、メタノールと水との体積比が1:1である)に加え、試験化合物溶液100μMを調製した。100μMの試験化合物溶液50μLを100mMリン酸カリウム緩衝液450μLに加え、10μMの試験化合物溶液を得た。
10μMの試験化合物溶液を上記の3種のミクロソームとそれぞれ10分間プレインキュベートし、その後、還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)再生システムの使用液を、インキュベーションプレートに各時点で加えて反応を開始させ、最後に0、5、10、20、30、および60分の時に、停止溶液(100%ACN)を反応プレートに加えて反応を終了した。試験化合物は、LC-MS/MS方法で分析された。試験化合物の肝ミクロソーム安定性試験結果を表2に示した。
Figure 0007083836000104
実験例3: 化合物の細胞膜透過性試験
試験化合物を、MDR1-MDCK II細胞の細胞膜透過性について評価した。
試験化合物(10mM化合物のDMSO溶液)をトランスファーバッファー(10mM Hepesを含むHBSS、pH=7.4)で希釈し、最終濃度2μMのサンプルを調製し、続いて双方向(A-BおよびB-A)に投与した。投与後、細胞プレートを、5%CO含有および飽和湿度のインキュベーターに入れて37℃で150分間インキュベートした。150分間のインキュベーション終了後、サンプルを収集し、LC/MS/MS方法によりトランスファーサンプル中の試験化合物の濃度を半定量的に測定した。試験化合物の細胞膜透過性試験結果を表3に示した。
Figure 0007083836000105

Claims (21)

  1. 次の式(I):
    Figure 0007083836000106
    [式中、
    環Aは、C3-6シクロアルキル、フェニル、および5~10員のヘテロアリールからなる群より選ばれ、
    nは、0、1、2、および3からなる群より選ばれ、
    は、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3ヘテロアルキル、およびフェニルからなる群よりそれぞれ独立して選ばれ、ここで前記C1-3アルキル、C1-3ヘテロアルキルまたはフェニルは、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
    およびRは、それぞれH、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-(CH1-3-、およびフェニル-(CH1-3-からなる群より独立して選ばれ、ここで前記C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル-(CH1-3-またはフェニル-(CH1-3-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
    あるいは、RおよびRは、それらに結合している炭素原子と一緒になって3~6員のシクロアルキルを形成し、
    は、C1-6アルキルおよびC3-6シクロアルキル-(CH1-3-からなる群より選ばれ、前記C1-6アルキルまたはC3-6シクロアルキル-(CH1-3-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、
    は、H、および1、2または3個のRで任意に置換されているC1-3アルキルからなる群より選ばれ、
    各Rは、F、Cl、Br、I、OH、Me、NH、NH(CH)およびN(CHからなる群より独立して選ばれ、
    ここで、C1-3ヘテロアルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび5~10員のヘテロアリールにおける接頭辞「ヘテロ」は、それぞれ-O-、-S-、-NH-、およびNからなる群より独立して選ばれ、上記場合のいずれかにおいてヘテロ原子またはヘテロ原子を含む基の数は、それぞれ1、2または3から独立して選ばれる。]
    で表される化合物、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体。
  2. nが0、1または2から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
  3. は、それぞれハロゲン、OH、NH、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、およびフェニルからなる群より独立して選ばれ、ここで前記C1-3アルキル、C1-3アルコキシまたはフェニルは、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されている、
    請求項1または2に記載の化合物。
  4. は、それぞれF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、Me、CF
    下式で表される基
    Figure 0007083836000107
    からなる群より独立して選ばれる、
    請求項1または2に記載の化合物。
  5. 環Aは、シクロプロピル、フェニル、5員のヘテロアリール、6員のヘテロアリール、および9員のヘテロアリールからなる群より選ばれる、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 環Aはフェニルから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 前記式(I)の化合物における下式で表される構造単位
    Figure 0007083836000108
    は、
    下式で表される基
    Figure 0007083836000109
    からなる群より選ばれる、
    請求項1に記載の化合物。
  8. 前記式(I)の化合物における下式で表される構造単位
    Figure 0007083836000110
    は、
    下式で表される基
    Figure 0007083836000111
    からなる群より選ばれる、
    請求項1に記載の化合物。
  9. 前記式(I)の化合物における下式で表される構造単位
    Figure 0007083836000112
    は、
    下式で表される基
    Figure 0007083836000113
    からなる群より選ばれる、
    請求項1に記載の化合物。
  10. およびRは、それぞれH、ハロゲン、OH、NH、CN、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-、およびフェニル-CH-からなる群より独立して選ばれ、ここで、C1-6アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキル-O-C1-3アルキル-、C3-6シクロアルキル-CH-、またはフェニル-CH-は、それぞれ1、2または3個のRで任意に置換されており、あるいは、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって3~6員のシクロアルキルを形成する、
    請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. およびRは、それぞれ独立して、H、Me、
    下式で表される基
    Figure 0007083836000114
    からなる群から選ばれる;
    或いは、下式で表される前記構造単位
    Figure 0007083836000115
    は、下式で表される基
    Figure 0007083836000116
    である、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
  12. はHであり、RはH、Me、
    下式で表される基
    Figure 0007083836000117
    からなる群より選ばれる、
    請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
  13. は、
    下式で表される基
    Figure 0007083836000118
    からなる群より選ばれる、
    請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. は、H、MeおよびEtからなる群より選ばれる、
    請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
  15. 各Rは、F、Cl、Br、I、OH、Me、およびNHからなる群より独立して選ばれる、
    請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  16. 前記式(I)の化合物は、次の式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(I-a)、式(I-b)、式(II-a)、式(II-b)、式(III-a)、式(III-b)、式(IV-a)、式(IV-b)、式(V-a)、式(V-b)、式(VI-a)、および式(VI-b)
    Figure 0007083836000119
    Figure 0007083836000120
    [上記各式中のR1、n、環A、R2、R3、R4及びR5の定義は、請求項1の定義と同じである]
    で表される化合物からなる群より選ばれ
    (IV)、式(VI)、式(IV-a)、式(IV-b)、式(VI-a)、および式(VI-b)における環Cは、シクロプロピル、5員のヘテロアリール、および6員のヘテロアリールからなる群より選ばれる、
    請求項1に記載の化合物。
  17. 前記式(IV)、式(VI)、式(IV-a)、式(IV-b)、式(VI-a)または(VI-b)の下式で表される構造単位
    Figure 0007083836000121
    は、下式で表される構造単位
    Figure 0007083836000122
    からなる群より選ばれる、
    請求項16に記載の化合物。
  18. 前記式(I)の化合物は、下式で表される
    Figure 0007083836000123
    Figure 0007083836000124
    Figure 0007083836000125
    化合物、または、その薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体からなる群より選ばれる、
    請求項1に記載の化合物。
  19. 前記式(I)の化合物は、下式で表される
    Figure 0007083836000126
    Figure 0007083836000127
    Figure 0007083836000128
    Figure 0007083836000129
    Figure 0007083836000130
    Figure 0007083836000131
    化合物、またはその薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる、
    請求項1に記載の化合物。
  20. 請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体、および薬学的に許容される担体、賦形剤または補助剤を含む、医薬組成物。
  21. 多発性骨髄腫の予防または治療に使用するための、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、その互変異性体、その立体異性体もしくはその幾何異性体。
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