JP2019529386A5 - - Google Patents

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抗インフルエンザウイルスのピリミジニル誘導体 相関出願の引用
本願は、2016年09月05日に中華人民共和国国家知識産権局に提出された第201610804101.3号の中国発明特許出願、及び2016 年12 月28日に中華人民共和国国家知識産権局に提出された第201611238759.9号の中国発明特許出願が、ここでその内容全体を引用の形態で本明細書に合わせたことを要求する。
本発明は抗インフルエンザウイルス化合物、及びそのインフルエンザウイルスの治療に関連する薬物の調製における使用に関する。具体的に、式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
インフルエンザウイルス(influenza virus、IFV)は人類や動物がインフルエンザに罹ることを引き起こすセグメント化された一本鎖アンチセンスRNAウイルスである。インフルエンザが大流行することにより、無数の人がいなくなり、しかも社会的パニックと社会的不安定を引き起こす。
インフルエンザの大流行は、生産力と医療リソースを失う直接費、及び予防措置の間接費を発生させる。米国においては、延1年で100億ドルの損失をもたらす。未来、インフルエンザが大流行するのは数千億ドルの直接費と間接費を発生させるという見通しである。さらに、予防費用も非常に高いため、大流行する可能性のあるH5N1型鳥インフルエンザに対応するために、世界諸国の政府は数十億ドルをかけ、薬物やワクチンの購入、及び災害演習と国境管制の強化に用いられる。
現在、インフルエンザの治療経路はワクチン接種及び抗インフルエンザウイルスによる化学療法と化学予防を含む。抗インフルエンザウイルス剤もインフルエンザの治療に用いることができる。例えばオセルタミビル(タミフル)というノイラミニダーゼ阻害薬は、A型インフルエンザウイルスに対して顕著な治療効果を上げた。しかし、臨床観察によると、同種類のノイラミニダーゼ阻害薬への耐性ウイルス株が生じることを発見した。抗インフルエンザウイルス分野において、臨床上は新しいメカニズムがある抗インフルエンザウイルス薬を必要とする。それは独立して使用し、あるいは販売された他のメカニズムの抗インフルエンザウイルス薬と併用することにより、A型インフルエンザウイルスを予防して治療しなければならない。
下記の化合物はWO2010148197において報告されている。
Figure 2019529386
本発明は、式(I)に示される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 2019529386
式中、Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、1−6アルキルチオ基、5〜6員環のヘテロアリール基、C2−6アルキニル基、C3−6シクロアルキル基から選ばれる。
はN又はCHから選ばれる。
はN又はC(R)から選ばれる。
はH、F、Cl、Br、Iから選ばれる。
はH、ハロゲン、CN、NH、OHから選ばれ、又は、1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、1−6アルキル基から選ばれる。
Rはハロゲン、OH、NH、CN、COOH、
Figure 2019529386
から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、1−6アルキル基、C1−6ヘテロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−C(=O)−、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−(CH1−3−から選ばれる。
R’はF、Cl、Br、I、CN、OH、NH、COOH、Me、NHCH、N(CH
Figure 2019529386

Figure 2019529386
から選ばれる。
前記5〜6員環のヘテロアリール基、C1−6ヘテロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル基における「ヘテロ」はN、−S−、−O−、−NH−から選ばれる。
以上の何れの場合においても、ヘテロ原子又はヘテロ原子団の数はそれぞれ独立に1、2又は3から選ばれる。
本発明の一態様において、前記RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、COOH、
Figure 2019529386
から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、1−3アルキル基、C1−3ヘテロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−C(=O)−、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−CH−から選ばれる。
本発明の一態様において、前記RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、COOH、
Figure 2019529386
から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、Me、Et、C1−3アルキルチオ基、C3−6シクロアルキル基、アゼチジン基、ピロリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル−C(=O)−、モルホリニル−C(=O)−、ピロリジル−C(=O)−、ピペラジニル−CH−、モルホリニル−CH−、ピロリジル−CH−から選ばれる。
本発明の一態様において、前記RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、COOH、
Figure 2019529386
から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、Me、Et、
Figure 2019529386
から選ばれる。
本発明の一態様において、前記RはF、Cl、Br、I、OH、NH、Me、Et、CN、COOH、
Figure 2019529386
から選ばれる。
本発明の一態様において、前記Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、1−3アルキルチオ基、C2−4アルキニル基、C3−5シクロアルキル基から選ばれる。
本発明の一態様において、前記Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい
Figure 2019529386
から選ばれる。
本発明の一態様において、前記R
Figure 2019529386
から選ばれる。
本発明の一態様において、前記Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、ピリジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基から選ばれる。
本発明の一態様において、前記Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、
Figure 2019529386
から選ばれる。
本発明の一態様において、前記R
Figure 2019529386
から選ばれる。
本発明の一態様において、前記R
Figure 2019529386
から選ばれる。
本発明の一態様において、前記TはN、CH又はC(F)から選ばれる。
本発明の一態様において、前記RはH、ハロゲン、CN、NH、OHから選ばれ、又は、1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、1−3アルキル基から選ばれる。
本発明の一態様において、前記RはH、F、Cl、Br、I、CN、NH、OHから選ばれ、又は、1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、Me、Etから選ばれる。
本発明の一態様において、前記RはH、F、Cl、Br、I、CN、NH、OH、Me、Et、CFから選ばれる。
本発明の一態様において、前記構造単位
Figure 2019529386

Figure 2019529386
から選ばれる。
本発明の一態様において、前記RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、COOH、
Figure 2019529386
から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、1−3アルキル基、C1−3ヘテロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−C(=O)−、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−CH−から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、COOH、
Figure 2019529386
から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、Me、Et、C1−3アルキルチオ基、C3−6シクロアルキル基、アゼチジン基、ピロリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル−C(=O)−、モルホリニル−C(=O)−、ピロリジル−C(=O)−、ピペラジニル−CH−、モルホリニル−CH−、ピロリジル−CH−から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、COOH、
Figure 2019529386
から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、Me、Et、
Figure 2019529386
から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記RはF、Cl、Br、I、OH、NH、Me、Et、CN、COOH、
Figure 2019529386
から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、1−3アルキルチオ基、C2−4アルキニル基、C3−5シクロアルキル基から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、
Figure 2019529386
から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記R
Figure 2019529386
から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、ピリジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、
Figure 2019529386
から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記R
Figure 2019529386
から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記R
Figure 2019529386
から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記TはN、CH又はC(F)から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記RはH、ハロゲン、CN、NH、OHから選ばれ、又は、1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、1−3アルキル基から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記RはH、F、Cl、Br、I、CN、NH、OHから選ばれ、又は、1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、Me、Etから選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記RはH、F、Cl、Br、I、CN、NH、OH、Me、Et、CFから選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記構造単位
Figure 2019529386

Figure 2019529386
から選ばれ、他の変数は上述のように定義される。
本発明の一態様において、前記化合物又はその薬学的に許容される塩は、
Figure 2019529386
から選ばれる。
なかでも、R、Rは上述のように定義される。
本発明の別の実施の態様は、前記各変数が任意に組合せられたものである。
本発明は、以下のものから選ばれる下式で示される化合物又はその薬学的に許容される塩をさらに提供する。
Figure 2019529386
Figure 2019529386
Figure 2019529386
本発明は、以下のものから選ばれる下式で示される化合物又はその薬学的に許容される塩をさらに提供する。
Figure 2019529386
Figure 2019529386
Figure 2019529386
Figure 2019529386
本発明は、前記化合物又はその薬学的に許容される塩の、抗インフルエンザウイルス薬の調製における使用をさらに提供する。
本発明の化合物は主にA型インフルエンザウイルスによるインフルエンザ、及び高病原性鳥インフルエンザウイルスによるインフルエンザを予防し治療するために用いられ、従来の臨床上の薬物に比べ、安全性が高く、経口生体利用度に優れ、且つ従来の臨床上の薬物に対して耐性があるA型インフルエンザウイルス株に対して依然として顕著な抗ウイルス活性の潜在力を有する。
[相関定義]
特に断りのない限り、本明細書に用いられる以下の用語と句は以下の意味を有するものである。一つの特定の用語又は句は、特に定義されていない場合、不確定か不明であると考えられるものではなく、一般的な意味で理解すべきである。本明細書に商品名が現れる場合、その対応する商品又はその活性成分を表すことが意図される。ここで用いられる「薬学的に許容される」とは、信頼できる医学的判断の範囲内で、過大な毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触させるのに適している妥当な利益/リスク比と釣り合ったそれらの化合物、薬剤、材料、組成物、賦形剤、及び/又は剤型をいう。
「薬学的に許容される塩」とは、本発明において見出される特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒性の酸又は塩基から調製される本発明に係る化合物の塩を言う。本発明の化合物が相対的に酸性の官能基を含有する場合、純粋な溶液又は適切な不活性溶剤中で、このような化合物の中性形態を十分な量の塩基と接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アンモニア又はマグネシウム塩又は同様の塩を含む。本発明の化合物が相対的に塩基性の官能基を含有する場合、純粋な溶液又は適切な不活性溶剤中で、このような化合物の中性形態を十分な量の酸と接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸等のような無機酸から誘導される無機酸塩、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マイレン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸とメタンスルフォン酸等のような有機酸から誘導される有機酸塩が挙げられる。さらに、アルギニン等のようなアミノ酸の塩、及びクルクロン酸等のような有機酸の塩(Berge et al.,“Pharmaceutical Salts”、Journal of Pharmaceutical Science 66:1−19(1977)を参照)も挙げられる。本発明のある種の特定の化合物は、化合物を、塩基または酸の塩のどちらかに変換することを可能にする、塩基性および酸性双方の官能基を含有する。
好ましくは、従来のやり方で塩を塩基または酸と接触させ、親化合物を単離することにより化合物の中性形態を再度生成する。化合物の親形態は、極性溶媒中の溶解度などの一部の物理的特性において、種々の塩形態とは異なる。
本明細書に用いられる「薬学的に許容される塩」は本発明に係る化合物の誘導体に属する。なかでも、酸又は塩基と塩を生成することで前記親化合物を改質させることができる。薬学的に許容される塩の例には、塩基例えばアミンの無機酸塩又は有機酸塩、酸基例えばカルボン酸のアルカリ金属塩又は有機塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。薬学的に許容される塩は、通常の無毒性の塩又は親化合物の第4級アンモニウム塩、例えば無毒性の無機酸又は有機酸によって形成される塩を含む。通常の無毒性の塩は、無機酸と有機酸から誘導される塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記無機酸又は有機酸は、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、炭酸水素イオン、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマール酸、グルコヘプトース、グルコン酸、グルタミン酸、エタノール酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシ、ヒドロキシナフタレン、イセチオン酸、乳酸、乳糖、ドデシルスルホン酸、マイレン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、硝酸、蓚酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サルチル酸、ステアリン酸、ホリナートカルシウム、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、ガロタンニン酸、酒石酸とp−トルエンスルホン酸から選ばれる。
本発明の薬学的に許容される塩は、酸基又は塩基を含有する親化合物から通常の化学的方法で合成される。一般的に、このような塩の調製方法では、水、有機溶剤又は両者の混合物において、これらの遊離酸又は遊離塩基の形の化合物と化学量論的に適切な塩基又は酸との反応により調製される。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリル等の非水系媒体が好ましい。
塩の形態のほかに、本発明が提供する化合物はさらにプロドラッグの形態がある。本明細書に説明される化合物のプロドラッグは生理条件下で化学変化を起こしやすく本発明の化合物に転換される。なお、プロドラッグは生体内において化学的又は生化学的に本発明の化合物に変換されることが可能である。
本発明のある化合物は、非溶媒和された形態、又は水和形態を含む、溶媒和された形態で存在し得る。一般的に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と等価であり、全て本発明の範囲に含まれる。
本発明のある化合物は、不斉炭素(光学中心)または二重結合を有することができる。ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体及び個々の異性体は全て本発明の範囲に含まれる。
特に断りのない限り、ウェッジ結合と点線結合(
Figure 2019529386
)でステレオセンターの絶対配置を表し、
Figure 2019529386
でステレオセンターの相対配置を表す。本明細書に記載の化合物がエチレン性二重結合又は他の幾何非対称中心を含有する場合、特に断りのない限り、それらはE、Z幾何異性体を含む。同様に、全ての互変異性の形態は、何れも本発明の範囲に含まれる。
本発明の化合物は特定の幾何又は立体異性体の形態として存在し得る。本発明で想定されるこのような化合物の全ては、シス異性体とトランス異性体、(−)−と(+)−エナンチオマー、(R)−と(S)−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、及びそのラセミ混合物と他の混合物、例えばエナンチオマー又はジアステレオマーが多く含まれる混合物を含む。これらの混合物は全て本発明の範囲内に属する。アルキル基等の置換基に別の不斉炭素原子が存在し得る。全ての異性体及びそれらの混合物は、全て本発明の範囲に含まれる。
不斉合成もしくはキラル試薬又は他の従来技術で光学活性の(R)−異性体と(S)−異性体及びD異性体とL異性体を調製できる。本発明の化合物の特定のエナンチオマーを所望する場合、不斉合成により調製し、又は不斉補助基により誘導体化し、得られたジアステレオマー混合物を分離させ、補助基を開裂して純粋な所望のエナンチオマーを得る。あるいは、分子がアミノ基のような塩基性官能基を有する場合、またはカルボキシル基のような酸性官能基を有する場合には、適切な光学活性な酸または塩基とジアステレオマーの塩が形成され、続いて当分野でよく知られている常法によりジアステレオマーを分割した後、純粋なエナンチオマーが回収される。なお、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は通常クロマトグラフィーで完成される。前記クロマトグラフィーはキラル固定相により、任意に化学誘導法と組み合わせる(例えば、アミンからカルバメートが生成される)。
本発明の化合物は、このような化合物を構成する1つまたは複数の原子に、天然には存在しない比率の原子同位体を含んでもよい。例えば、化合物は、トリチウム(H),ヨウ素−125(125I)、炭素14(14C)などの放射性同位体で放射標識してもよい。放射性であるか否かにかかわらず、本発明の化合物の全ての同位体のバリエーションが全て本発明の範囲に含まれる。
「薬学的に許容される担体」とは、本発明の有効量の活性物質を送達でき、活性物質の生物活性を乱さず、宿主又は患者に毒副作用がない何れの制剤又は担体媒体をいう。代表的な担体は、水、油、野菜とミネラル、クリームベース、洗剤基質、軟膏基質等を含む。これらの基質は、懸濁剤、粘着付与剤、経皮吸収促進剤等を含む。それらの制剤は化粧品分野又は一部の薬物分野の技術者に周知である。担体の他の情報については、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、21st Ed.,Lippincott、Williams&Wilkins(2005)を参照でき、前記文献の内容は引用により本明細書に取り込まれる。
「賦形剤」は通常、効果的な薬物組成物の調製に要求される担体、希釈剤及び/又は媒体をいう。
薬物又は薬理活性剤について、「有効量」又は「治療上の有効量」とは、非毒性ではあるが、所望の治療効果を達成するのに十分な薬物又は薬剤の量をいう。本発明中の経口剤形について、組成物における活性物質の「有効量」とは、当該組成物における他の活性物質と併用される時に所期の効果を達成するために必要とされる使用量をいう。有効量の決定は、対象によって異なり、対象の年齢、一般的健康状態にも、具体的な活性物質にも依存する。個別のケースで適切な有効量は当業者によって通常試験に応じて決定される。
「活性成分」、「治療剤」、「活性物質」又は「活性剤」は化学的な実体に関し、目標の乱れ、疾患又は障害を効果的に治療することができる。
「任意」又は「任意に」とは、その後に説明される事件又は状況は可能であるが、必ずしも現れる必要がないことを意味する。それに、前記説明は、その中に記載される事件又は状況が発生する具合及び前記事件又は状況が発生しない具合を含む。
「置換された」とは特定の原子における何れか一つ又は複数の水素原子が置換基に置換されたことをいう。特定の原子の価数が正常であり置換された化合物が安定していれば、重水素と水素の改変体を含んでもよい。置換基がケトン基(即ち=O)である場合、二つの水素原子が置換されたことを意味する。ケトンの置換が芳香族基に発生することはない。「置換されていてもよい」とは、置換されても、置換されていなくてもよいことをいう。特に断りのない限り、置換基の種類と数は化学的に実現できれば適宜採用できる。
何れの変数、例えばRが化合物の組成又は構造に1回以上現れる場合、いずれの場合においてもその定義は全て独立している。このため、例えば、1つの基が0〜2個のRに置換された場合、前記基が任意に2つ以下のRに置換され、いずれの場合においてもRが全て独立に選択される。なお、置換基及び/又はその改変体の組合せは、このような組合せでなければ安定した化合物が生成しない場合のみに許容される。
連結基の数が0である場合、例えば−(CRR)−である場合、前記連結基が単結合であることを表す。
その中の一つの変数が単結合から選ばれる場合、それに接続される二つの基が直接接続されることを表す。例えばA−L−ZにおいてLが単結合を表す場合、前記構造が実際的にA−Zであることを表す。
置換基が一つ欠損する場合、前記置換基は存在しないことを表す。例えばA−XにおいてXが欠損する場合、前記構造は実際的にAであることを表す。一つの置換基が一つの環における二つの原子に交差接続できる場合、この置換基がこの環における任意の原子に接続できる。挙げられた置換基に、どの原子を介して化学式に含まれるが具体的に言及されない化合物に接続されるかを特定しない場合、こうした置換基はその任意の原子を介して結合されてもよい。置換基及び/又はその改変体の組合せは、このような組合せでなければ安定した化合物が生成しない場合のみに許容される。例えば構造単位
Figure 2019529386
又は
Figure 2019529386
は、それがシクロヘキシル基又はシクロヘキサジエンにおけるいずれかの位置に置換されてもよいことを表す。
特に断りのない限り、「ヘテロ」は、ヘテロ原子又はヘテロ原子団(即ちヘテロ原子を含有する原子団)を表し、炭素(C)と水素(H)以外の原子、及びこれらのヘテロ原子を含有する原子団を含む。例えば、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、−O−、−S−、=O、=S、−C(=O)O−、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)、−S(=O)−、及び置換されていてもよい、−C(=O)N(H)−、−N(H)−、−C(=NH)−、−S(=O)N(H)−又は−S(=O)N(H)−を含む。
特に断りのない限り、「環」は、置換又は無置換のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基、アリール基もしくはヘテロアリール基を表す。いわゆる環は、単環、架橋環、スピロ環、縮合環又は橋かけ環を含む。環における原子の数は通常環員数として定義される。例えば、「5〜7員環」とは取り囲んで配列される5〜7個の原子をいう。特に断りのない限り、前記環は、1〜3個のヘテロ原子を任意に含む。このため、「5〜7員環」とは、例えばフェニル基、ピリジル基及びピペリジニル基が挙げられる。別の態様において、「5〜7員のヘテロシクロアルキル環」は、ピリジニル基とピペリジニル基を含むが、フェニル基を含まない。「環」は少なくとも一つの環を含有する環系をさらに含み、そのうちのそれぞれの「環」は、全て独立して前記定義に該当する。
特に断りのない限り、「ヘテロ環」又は「ヘテロ環基」とは、ヘテロ原子又はヘテロ原子団を安定して含有する単環、ビシクロ環又はトリシクロ環を意味する。それらは飽和、一部不飽和又は不飽和(芳香族)のものであってもよく、炭素原子と、独立してN、O及びSから選ばれる1つ、2つ、3つ又は4つの環ヘテロ原子とを含む。なかでも、前記何れのヘテロ環は一つのベンゼン環に縮合されビシクロ環を形成してもよい。窒素と硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されてもよい(即ちNOとS(O)pであり、pは1又は2である。)。窒素原子は置換もしくは無置換であってもよい(即ちN又はNRであり、なかでも、RはH又は本明細書で定義された他の置換基である。)。前記ヘテロ環は、何れのヘテロ原子又は炭素原子のペンダント基に付着して安定した構造を形成することができる。生成した化合物が安定する場合、本明細書に記載のヘテロ環は炭素サイト又は窒素サイトに置換を行うことが可能である。ヘテロ環中の窒素原子が任意に4級化される。一つの好ましい実施形態では、ヘテロ環にS及びO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子が互いに隣接しない。別の好ましい実施形態では、ヘテロ環にS及びO原子の総数が1を超えない。本明細書に用いられるように、「芳香族ヘテロ環基」又は「ヘテロアリール基」とは、安定した5員、6員、7員の単環もしくはビシクロ環又は7員、8員、9員もしくは10員のビシクロヘテロ環基の芳香環を意味し、炭素原子と、独立してN、OとSから選ばれる1つ、2つ、3つ又は4つの環ヘテロ原子とを含む。窒素原子は置換もしくは無置換であってもよい(即ちN又はNRであり、なかでも、RはH又は本明細書で定義された他の置換基である。)。窒素と硫ヘテロ原子は任意に酸化されてもよい(即ちNOとS(O)pであり、pは1又は2である。)。なお、芳香族ヘテロ環におけるSとO原子の総数は1を超えない。橋かけ環もヘテロ環の定義に含まれる。一つ又は複数の原子(即ちC、O、N又はS)が隣接しない二つの炭素原子又は窒素原子に接続される時に、橋かけ環が形成される。好ましい橋かけ環は、一つの炭素原子、二つの炭素原子、一つの窒素原子、二つの窒素原子と一つの炭素−窒素結合が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、橋は常に単環をトリシクロ環に変換させる。橋かけ環において、環における置換基が橋に現れてもよい。
ヘテロ環化合物の例には、アクリジニル基、アゾシニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾテトラゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリニル基、カルバゾリル基、4aH−カルバゾリル基、カルボリニル基、クロマニル基、クロメニル基、シンノリニル基、デカヒドロキノリニル基、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル基、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラニル基、フラニル基、フラザニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリル基、1H−インダゾリル基、インドレニル基、インドリニル基、インドリジニル基、インドリル基、3H−インドリル基、イソベンゾフラニル基、イソインダゾリル基、イソインドリニル基、イソキノリニル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、モルホリニル基、ナフチリジニル基、オクタヒドロイソキノリニル基、オキサジアゾリル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,2,5−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、オキサゾリジニル基、オキサゾリル基、オキシインドリル基、ピリミジニル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル基、フェノキサジニル基、フタラジニル基、ピペラジニル基、ピペリジニル基、ピペリドニル基、4−ピペリドニル基、ピペロニル基、プテリジニル基、プリニル基、ピラニル基、ピラジニル基、ピラゾリジル基、ピラゾリニル基、ピラゾリル基、ピリダジニル基、ピリドオキサゾール基、ピリドイミダゾール基、ピリドチアゾール基、ピリジニル基、ピロリジル基、ピロリニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、キナゾリニル基、キノリニル基、4H−キノリジニル基、キノキサリル基、キヌクリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、テトラゾリル基、6H−1,2,5−チアジアジニル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,2,5−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、チアントレニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チエニル基、チエノオキサゾリル基、チエノチアゾリル基、チエノイミダゾリル基、チエニル基、トリアジニル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、1,2,5−トリアゾリル基、1,3,4−トリアゾリル基及びキサンテニル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。縮環とスピロ環化合物をさらに含む。
特に断りのない限り、「炭化水素基」又はその下位概念(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等)そのものは、又は別の置換基の一部として直鎖、分岐鎖もしくは環状の炭化水素原子団又はその組合せを表し、アルキル基のような完全飽和のものであってもよく、アルケニル、アルキニル、アリールのような一価又は多価不飽和のものであってもよく、一置換又は多置換のものであってもよく、メチルのような一価のもの、メチレンのような二価のもの、又はメチンのような多価のものであってもよく、二価又は多価の原子団を含み、所定の数の炭素原子を有してもよい(例えばC−C12は、1〜12の炭素を表し、C1−12は、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11とC12から選ばれる。C3−12は、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11とC12から選ばれる。)。「炭化水素基」は、脂肪炭化水素基と芳香炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記脂肪炭化水素基は、鎖状と環状を含み、具体的に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記芳香炭化水素基は、ベンゼン、ナフタレン等のような6〜12員の芳香炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、「炭化水素基」は、直鎖又は分岐鎖の原子団もしくはそれらの組合せを表し、完全飽和のものであってもよく、一価又は多価不飽和のものであってもよく、二価と多価の原子団を含んでもよい。飽和炭化水素原子団の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソプロピル、sec−ブチル、イソプロピル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、及びn−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等の原子団の同族体又は異性体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。不飽和炭化水素基は一つ又は複数の二重結合又は三重結合を有する。その例は、ビニル、2−プロぺニル、ブテニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエン)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−プロピニル、3−プロピニル、3−ブチニル、及びより高級の同族体と異性体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に断りのない限り、「ヘテロ炭化水素基」又はその下位概念(例えばヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、ヘテロアリール基等)そのものは、又は別の用語と組み合わせて安定した直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素原子団もしくはその組合せを表し、一定の数の炭素原子と少なくとも一つのヘテロ原子から構成される。一実施形態において、「ヘテロアルキル」そのものは、又は別の用語と組み合わせて安定した直鎖、分岐鎖の炭化水素原子団又はその組成物を表し、一定の数の炭素原子と少なくとも一つのヘテロ原子から構成される。一つの実施の形態において、ヘテロ原子は、B、O、N及びSから選ばれる。なかでも、窒素と硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に4級化される。ヘテロ原子又はヘテロ原子団は、前記炭化水素基が分子の他の部分に付着する位置を含むヘテロ炭化水素基の何れの内部位置に位置することができるが、「アルコキシ基」、「アルキルアミノ基」と「アルキルチオ基」(又はチオアルコキシ基)は常用の表現に属し、それぞれ1つの酸素原子、アミノ基又は硫黄原子を介して分子の他の部分に結合されるそれらのアルキル基を言う。例は−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH、−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−CH−CH=N−OCHと-CH=CH−N(CH)−CHが挙げられるが、これらに限定されるものではない。二つ以下のヘテロ原子は連続的なもの、例えば−CH−NH−OCHであってもよい。
特に断りのない限り、「シクロ炭化水素基」、「ヘテロ環炭化水素基」又はアリール、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基等のようなその下位概念そのものは、又は他の用語と組み合わせて環化される「炭化水素基」、「ヘテロ炭化水素基」をそれぞれ表示する。なお、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルのようなヘテロ炭化水素基又はヘテロ環炭化水素基から言えば、ヘテロ原子は前記ヘテロ環が分子の他の部分に付着する位置を占めることができる。シクロ炭化水素基の例には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヘテロ環基の非限定的な例には、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジニル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフランインドール−3−イル、テトラヒドロチオフェン−2−イル、テトラヒドロチオフェン−3−イル、1−ピペラジニルと2−ピペラジニルが挙げられる。
特に断りのない限り、「アルキル基」は、直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を表示するためのものであり、−CHFのような一置換のもの又は−CFのような多置換のものであってもよく、メチルのような一価のもの、メチレンのような二価のもの又はメチンのような多価のものであってもよい。アルキル基の例はメチル基(Me)、エチル基(Et)、n−プロピルとイソプロピルのようなプロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基のようなブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基のようなペンチル基等が挙げられる。
特に断りのない限り、「アルケニル基」は、鎖の何れのサイトに一つ又は複数の炭素−炭素二重結合を有するアルキル基を意味する。一置換又は多置換のものであってもよく、一価、二価又は多価のものであってもよい。アルケニル基の例はビニル、プロぺニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル等が挙げられる。
特に断りのない限り、「アルキニル基」は、鎖の何れのサイトに一つ又は複数の炭素−炭素三重結合を有するアルキル基を意味する。一置換又は多置換のものであってもよく、一価、二価又は多価のものであってもよい。アルキニル基の例は、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等が挙げられる。
特に断りのない限り、シクロアルキル基は、いかなる安定した環状又は多環式炭化水素基を含む。何れの炭素原子は飽和のものであり、一置換又は多置換のものであってもよく、一価、二価又は多価のものであってもよい。これらのシクロアルキル基の例には、シクロプロピル、ノルボルニル、[2.2.2]ビシクロオクタン、[4.4.0]ビシクロペンタン等挙げられるが、これらに限定されない。
特に断りのない限り、シクロアルケニル基は、いかなる安定した環状又は多環式炭化水素基を含む。前記炭化水素基は環の何れのサイトに一つ又は複数の不飽和の炭素−炭素二重結合を含有し、一置換又は多置換のものであってもよく、一価、二価又は多価のものであってもよい。これらのシクロアルケニル基の例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
特に断りのない限り、シクロアルキニル基は、いかなる安定した環状又は多環式炭化水素基を含む。前記炭化水素基は環の何れかのサイトに一つ又は複数の炭素−炭素三重結合を含有し、一置換又は多置換のものであってもよく、一価、二価又は多価のものであってもよい。
特に断りのない限り、「ハロゲン化物」又は「ハロゲン」そのものは、又は別の置換基の一部としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。なお、「ハロゲン化アルキル基」とは、モノハロゲン化アルキル基と多ハロゲン化アルキル基を含むことが意図される。例えば、「ハロゲン化(C−C)アルキル基」とは、トリフルオロメチル、2、2、2−トリフルオロエチル、4−クロロブチルと3−ブロモプロピル等を含むことが意図されるが、これらのみに限定されない。特に断りのない限り、ハロゲン化アルキル基の例には、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチルが挙げられるが、これらのみに限定されない。
「アルコキシ基」とは、酸素橋を介して接続される特定の数の炭素原子を有する前記アルキルを表す。特に断りのない限り、C1−6アルコキシは、Cアルコキシ、Cアルコキシ、Cアルコキシ、Cアルコキシ、Cアルコキシ及びCアルコキシを含む。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ及びS−ペンチルオキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に断りのない限り、「アリール基」は、高度不飽和の芳香族炭化水素置換基を表し、一置換又は多置換のものであってもよく、一価、二価又は多価のものであってもよく、単環又は多環(例えば1〜3つの環、そのうちの少なくとも一つの環は芳香族のものである)であってもよく、それらが縮合し、又は共有結合する。「ヘテロアリール基」」とは1〜4のヘテロ原子を含有するアリール基、又は環をいう。一実施の形態において、ヘテロ原子は、B、N、O及びSから選ばれ、なかでも、窒素と硫黄原子が任意に酸化され、窒素原子が任意に4級化される。ヘテロアリール基はヘテロ原子を介して分子の他の部分に結合されてもよい。アリール基又はヘテロアリール基の非限定的な例には、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピラジニル基、オキサゾリル基、フェニル−オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、フラニル基、チエニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソキノリニル基、キノキサリル基、キノリニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、3−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、ピラジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、2−フェニル−4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ベンゾチアゾリル基、プリニル基、2−ベンゾイミダゾリル基、5−インドリル基、1−イソキノリニル基、5−イソキノリニル基、2−キノキサリル基、5−キノキサリル基、3−キノリニル基及び6−キノリニル基が挙げられる。前記いずれかのアリールとヘテロアリール環系の置換基は以下に記載される許容できる置換基から選ばれる。
特に断りのない限り、アリール基がアリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基のような他の用語と併用される時に、以上のように定義されるアリール基とヘテロアリール環を含む。このため、「アラルキル基」とは、ベンジル基、フェネチル基、ピリジルメチル基等のようなアリール基に付着されるアルキル基のそれらの原子団を含むことが意図される。メチレンのような中の炭素原子が例えば、酸素原子によって置換されたそれらのアルキル基、例えばフェノキシメチル、2−ピリジロキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピル等を含む。
「離脱基」とは、他の官能基又は原子によって親核置換反応のような置換反応を介して置換されてもよい官能基又は原子をいう。例えば、代表的な離脱基は、トリフルオロメタンスルホネート基;塩素、臭素、ヨウ素;メタンスルホネート基、トルエンスルホネート基、p−ブロモベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基等のようなスルホネート基;アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基等のようなアシルオキシ基を含む。
「保護基」は、「アミノ基の保護基」、「ヒドロキシ基の保護基」又は「メルカプト基の保護基」が挙げられるが、これらに限定されるものではない。「アミノ基の保護基」とは、アミノ基の窒素サイトにおける副反応を阻止することに好適に利用できる保護基をいう。代表的なアミノ基の保護基は、ホルミル基;アルカノイル基(例えばアセチル、トリクロロアセチル又はトリフルオロアセチル)のようなアシル基;tert−ブトキシカルボニル基(Boc)のようなアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)と9−フルオレンメトキシカルボニル基(Fmoc)のようなアリールメトキシカルボニル基;ベンジル基(Bn)、トリチル基(Tr)、1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチル基のようなアリールメチル基;トリメチルシリル基(TMS)とt−ブチルジメチルシリル基(TBS)のようなシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。「ヒドロキシ基の保護基」とは、ヒドロキシ基の副反応を阻止することに好適に利用できる保護基をいう。代表的なヒドロキシ基の保護基は、メチル基、エチル基とt−ブチル基のようなアルキル基。アルカノイル基(例えばアセチル基)のようなアシル基;ベンジル基(Bn)、p−メトキシベンジル基(PMB)、9−フルオレンメチル基(Fm)及びジフェニルメチル基(ジフェニルメチル、DPM)のようなアリールメチル基;トリメチルシリル基(TMS)とt−ブチルジメチルシリル基(TBS)のようなシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、以下に挙げられる具体的な実施の態様、他の化学合成法と組み合わせて形成される実施の態様、及び当業者に周知である等価の置き換え方式を含む、当業者に周知である複数の合成方法により調製することができる。好ましい実施の態様は、本発明の実施例が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明に用いられる溶剤は市販品として入手できる。本発明は以下の略語を用いる。aqは水を表し、HATUはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェートを表し、EDCはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩を表し、m−CPBAは3−クロロ過安息香酸を表し、eqは当量、等量を表し、CDIはカルボニルジイミダゾールを表し、DCMはジクロロメタンを表し、PEは石油エーテルを表し、DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピルを表し、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを表し、DMSOはジメチルスルホキシドを表し、EtOAcは酢酸エチルを表し、EtOHはエタノールを表し、MeOHはメタノールを表し、CBzはアミノ基の保護基であるベンジルオキシカルボニル基を表し、BOCはアミノ基の保護基であるt−ブチルカルボニルを表し、HOAcは酢酸を表し、NaCNBHはシアノ水素化ホウ素ナトリウムを表し、r.t.は室温を表し、O/Nは一晩を表し、THFはテトラヒドロフランを表し、BocOはジ−t−ブチルジカーボネートを表し、TFAはトリフルオロ酢酸を表し、DIPEAはジイソプロピルエチルアミンを表し、SOClは塩化チオニルを表し、CSは二硫化炭素を表し、TsOHはp−トルエンスルホン酸を表し、NFSIはN−フルオロ−N−(ベンゼンスルホニル)ベンゼンスルホンアミドを表し、NCSは1−クロロピロリジン−2,5−ジオンを表し、n−BuNFはテトラブチルアンモニウムフルオライドを表し、iPrOHは2−プロパノールを表し、mpは融点を表し、LDAはリチウムジイソプロピルアミドを表す。
化合物は手動で名付けられ、又はChemDraw(R)ソフトウェアで名付けられ、市販化合物はベンダー名を用いる。
以下では実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明を限定することを意図しない。本明細書ではすでに本発明を詳細に説明し、さらにその具体的な実施例形態を開示している。当業者にとって、本発明の精神及び原則から逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に対して行われるいくつかの変更及び改良は明らかである。
対照例1:セグメントBB−1
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物BB−1−2の合成]
0°Cで化合物BB−1−1(100g、1mol)をクロロホルム(1L)に溶解し、1,4−シクロヘキサジエン(4.32g、134.7mmol)を滴下し、該反応液を室温で一晩撹拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、得られた固体をメタノール(300mL)で撹拌し、濾過した。濾過ケークをメタノールで(100mL)洗浄し、真空乾燥によって化合物BB−1−2(148g、0.83mol、収率83%)を得た。
[ステップ2:化合物BB−1−3の合成]
−20°Cで、化合物BB−1−2(20g、112.3mmol)及びキニーネ(43.7g、134.7mmol)をトルエン(300mL)に溶解し、無水メタノール(4.32g、134.7 mmol)のトルエン(10mL)溶液を滴下し、該混合物を−15Cで2時間撹拌した。その後、反応液を室温で一晩反応し、大量の白い固体を析出した。水(100 mL)を反応液に加え、酢酸エチル(150mL*3)で抽出し、併せた有機相をそれぞれ水(100mL*2)と飽和食塩水(100mL)で一回に洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物BB−1−3(24g)を得た。
[ステップ3:化合物BB−1−4の合成]
−15Cで、tert−アミルオキシカリウム(20.2g、34mmol)をトルエン(320mL)に溶解し、化合物BB−1−3(24g、159.8mmol)のトルエン(20mL)溶液に滴下し、反応液を−20Cで3時間撹拌する。反応液の中に硫酸水溶液(3M、80mL)を加え、酢酸エチル(300mL*3)で抽出し、有機相を併せ、それぞれ水(100mL*3)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、生成物をシリカゲルカラム(塩化メチレン:メタノール:酢酸=200:10:1)で精製し、BB−1−4(16g、76.11mmol、収率66.7%)を得た。
[ステップ4:化合物BB−1−5の合成]
室温で化合物BB−1−4(16g、76.11mmol)のトルエン(250.00mL)溶液の中にトリエチルアミン(11.55g、114.17mmol、15.82mL)及びジフェニルリン酸アジド(25.13g、91.3mmol、19.8mL)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。その後、90Cで1時間反応し、ベンジルアルコール(16.46g、152.22mmol、15.83 mL)を反応液の中に加え、90Cで2時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(500mL)で希釈し、それぞれ飽和炭酸ナトリウム水溶液(100mL*3)及び飽和食塩水(100mL)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。生成物をシリカゲルカラム(リグロイン:酢酸エチル10:1〜5:1)で精製した。生成物を調製分離し、ラセミ化合物(15g)を得た。(n−ヘキサン:塩化メチレン=15:1)で2回再結晶化し、化合物BB−1−5(4g)を得た。MS(ESI)m/z=316.1[M+1]。
[ステップ5:化合物BB−1の合成]
室温で化合物BB−1−5(2g、6.34mmol)のメタノール(20.00mL)及びテトラメチレンオキシド(20mL)溶液の中にパラジウム炭素(10%、0.2g)を加えた。水素(50psi)で、混合物を40Cで12時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を回転乾燥し、粗生成物の化合物BB−1(1.1g)を得た。H NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δ3.71(s、3H)、3.30−3.35(m、1H)、2.75−2.77(m、1H)、1.38−1.92(m、10H)。
対照例2:セグメントBB−2
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物BB−2−2の合成]
窒素雰囲気で、−16°C〜−12°Cで化合物BB−2−1(92.10g、516.89mmol)及びキニーネ(184.46g、568.58mmol)のトルエン(3.4L)溶液の中に無水エタノール(53mL)を滴下した。該混合物を−16°C〜−12°Cで12時間撹拌し、大量の白い固体を析出した。反応液を濾過し、濾過ケークを乾燥し、化合物BB−2−2(160.00g、291.61mmol、収率56.42%)を得た。
[ステップ2:化合物BB−2−3の合成]
室温で化合物BB−2−2(160.00g、291.61mmol)のトルエン(900.00mL)溶液の中に塩酸(97.2mL、6M)を加え、該混合物を室温で30分間撹拌した。反応液を静置分離し、水相をトルエン(550.00mL)で一回抽出し続け、有機相を併せた。−20°Cでtert−アミルオキシカリウム(42.3g)をトルエン(400mL)に溶解して該有機相に滴下したのは、30分間がかかった。第2ロットのtert−アミルオキシカリウム(9.8g)をトルエン(100mL)に溶解して該有機相に滴下した。窒素雰囲気で、該混合液を−20°Cで3時間撹拌した。温度を−20に保持するように反応し、塩酸(100mL、6M)で焼入れし且つ酢酸(8g)を加えた。−5°Cまで昇温するように反応し且つ塩酸(60mL、2M)を加えた。約−5°Cの程度で45分間撹拌した。その後、約20°Cの程度まで昇温するように15分間撹拌した。混合液を静置し、水相を除去し、有機相に水(35mL)を加えて15分間撹拌した後に15分間を静置し、水相を除去した。緩衝溶液(135mL)(22.05gオルトリン酸ナトリウム、3.6g第二リン酸ナトリウムを405mL水に溶解する)を該有機相中に加え、15分間撹拌し、15分間静置し、水相を除去し、三回洗浄した。有機相を回転乾燥し、n−ヘプタン(50mL)を加え且つ40°Cで30分間静置し、0−5°Cまで冷却するように1.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケークを乾燥し、三回繰り返して結晶し、化合物BB−2−3(28.00g、124.86mmol、収率43.08%)を得た。
[ステップ3:化合物BB−2−4の合成]
室温で化合物BB−2−3(25.00g、111.48mmol)のトルエン(300.00mL)溶液の中にトリエチルアミン(27.07g、267.55mmol、37.08mL)を加えた。反応液を95°Cまで加熱し且つジフェニルリン酸アジド(30.37g、110.37mmol、23.91mL)を加えた。混合物を95°Cで1時間撹拌した。ベンジルアルコール(12.06g、111.48mmol、11.60 mL)を反応液の中に加え、窒素雰囲気で、95Cで12時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、減圧濃縮し、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=6:1)で精製し、化合物BB−2−4(32.00g、72.08mmol、収率64.66%)を得た。MS(ESI)m/z=330.0[M+1]。H NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δ7.28−7.42(m、5H)、6.47(t、J=7.40Hz、1H)、6.19(t、J=7.15Hz、1H)、5.01−5.17(m、2H)、4.07−4.39(m、4H)、2.69−2.94(m、2H)、2.12(brs、1H)、1.46−1.78(m、2H)、0.99−1.35(m、7H)。
[ステップ4:化合物BB−2の合成]
窒素雰囲気で、室温で化合物BB−2−4(31.00g、94.11mmol)のエタノール(300.00mL)及びテトラメチレンオキシド(200mL)溶液の中にパラジウム炭素(10%、5g)を加えた。水素で3回置換した。その後、混合物を水素(50psi)で12時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を回転乾燥し、粗生成物の化合物BB−2(18.30g)を得た。
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.28−7.34(m、1H)、3.97−4.17(m、2H)、3.40−3.52(m、1H)、3.44(q、J=6.86Hz、1H)、2.09(brd、J=6.27Hz、1H)、1.75−1.87(m、2H)、1.24−1.61(m、8H)、1.18(t、J=7.15Hz、3H)、1.06(t、J=7.03Hz、1H)。
対照例3:セグメントBB−3
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物BB−3−2の合成]
化合物BB−3−1(18.00g、160.57mmol、1.00eq)の硫酸溶液(100.00mL、2mol)中にヨウ素酸カリウム(17.18g、80.29mmol、17.18mL)を加えた。該混合物を撹拌しながら100°Cまで加熱した。ヨウ化カリウム(14.66g、88.31mmol)を水(40.00mL)に溶解し、該混合液の中に滴下し且つ100°Cで1時間撹拌し続けた。反応液を室温まで冷却し且つ飽和炭酸ナトリウム溶液で中性まで調整し、酢酸エチル(200mL)で三回抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=20:1〜10:1)で精製し、化合物BB−3−2(18.00g、75.18mmol、収率46.82%)を得た。MS(ESI)m/z:239.0[M+1]。
[ステップ2:化合物BB−3−3の合成]
室温で化合物BB−3−2(18.00g、75.63mmol)及びトリメチルシリルアセチレン(14.86g、151.26mmol、20.93mL)のテトラメチレンオキシド(250.00mL)溶液の中にヨウ化第一銅(696.18mg、3.66mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.59g、2.27mmol)及びトリエチルアミン(22.96g、226.89mmol、31.45mL)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を回転乾燥し、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=20:1〜10:1)で精製し、粗生成物の化合物BB−3−3(17.00g、81.20mmol)を得た。MS(ESI)m/z:209.00[M+1]。
[ステップ3:化合物BB−3−4の合成]
室温で化合物BB−3−3(17.00g、81.61mmol)の1−メチル−2−ピロリドン(200.00mL)溶液の中に水素化ナトリウム(3.92g、97.93mmol、60%)をゆっくりして加えた。混合物を80°Cで1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(100mL)を該反応液の中にゆっくりして加えた。酢酸エチル(100mL)で三回抽出し、有機相を併せた。飽和食塩水(100mL)で三回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=10:1〜5:1)で精製し、化合物BB−3−4(9.30g、58.48mmol、収率71.66%)を得た。MS(ESI)m/z=136.8[M+1]。
[ステップ4:化合物BB−3−5の合成]
−10°Cで化合物BB−3−4(7.40g、54.36mmol)のDMF溶液(100.00mL)中にN−ブロモスクシンイミド(9.67g、54.36mmol)を加えた。混合物を−10°Cで1時間撹拌した。水(100mL)を該反応液の中に滴下した。混合物を濾過し、固体を回転乾燥し、化合物BB−3−5(11.50g、44.34mmol、収率81.56%)を得た。MS(ESI)m/z=217.0[M+1]。
[ステップ5:化合物BB−3−6の合成]
Cで化合物BB−3−5(9.80g、45.58mmol)のテトラメチレンオキシド(150.00mL)溶液の中に水素化ナトリウム(2.19g、54.69mmol、60%)を滴下した。反応液を15°Cで30分間撹拌した。トルエンスルフォクロリド(10.43g、54.69mmol)を該反応液の中に加え、反応液を15°Cで12時間撹拌した。水(100mL)を反応液の中に滴下し、酢酸エチル(150mL)で三回抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=50:1〜20:1)で精製し、化合物BB−3−6(15.00g、40.63mmol、収率89.13%)を得た。MS(ESI)m/z=370.7[M+1]。
[ステップ6:化合物BB−3の合成]
室温で化合物BB−3−6(15.00g、40.63mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(12.38g、48.75mmol)の1,4−ジオキサン(80.00mL)溶液の中に化合物酢酸カリウム(5.98g、60.94mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(1.32g、2.03mmol)を加えた。窒素雰囲気で、混合物を40°Cで12時間撹拌した。粗生成物を濾過し、濾液を酢酸エチル(150mL)で希釈し、有機相を塩水(50mL)で二回洗浄した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=1:0〜20:1)で精製し、化合物BB−3(4.80g、6.71mmol、収率16.52%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.42(d、J=1.2Hz、1H)、8.15(s、1H)、7.97-8.07(m、2H)、7.84-7.87(m、1H)、7.43(d、J=8.4Hz、1H)、2.35(s、1H)、1.32(s、1H).MS(ESI)m/z:417.0[M+1]。
対照例4:セグメントBB−4
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物BB−4−2の合成]
化合物BB−4−1(300mg、1.97mmol)のブロモホルム(5mL)溶液の中に亜硝酸tert−ブチル(406mg、3.94mmol)を加えた。混合物を60°Cで1時間撹拌した。その後、90°Cで1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後に濃縮し、粗生成物を得た。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5−20%酢酸エチル/リグロイン)で精製し、化合物BB−4−2(300.00mg、収率70.50%)を得た。H NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δ:11.25(brs、1H)、8.54(dd、J=1.88、2.64Hz、1H)、7.69(dd、J=2.51、7.28Hz、1H).MS(ESI)m/z:215.9(M+H)。
[ステップ2:化合物BB−4−3の合成]
化合物BB−4−2(300mg、1.39mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液の中にトリチルクロリド(426mg、1.53mmol)及び炭酸カリウム(576mg、4.17mmol)を加えた。混合物を25°Cで12時間撹拌した。反応液を酢酸エチル (50mL)で希釈し、その後、飽和食塩水(15mL*3)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗生成物を得た。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜10%酢酸エチル/リグロイン)で精製し、化合物BB−4−3(350mg、収率54.94%)を得た。H NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δ:8.16(dd、J=1.25、2.76Hz、1H)、7.53(dd、J=3.01、7.53Hz、1H)、7.25(s、15H).MS(ESI)m/z:458.2(M+H)。
[ステップ3:化合物BB−4の合成]
化合物BB−4−3(350mg、763.66umol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(291mg、1.15mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)溶液の中に酢酸カリウム(225mg、2.29mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(28mg、38.18umol)を加えた。窒素雰囲気で、混合物を100°Cで2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、その後、濾過した。濾液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和食塩水(20mL*3)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗生成物を得た。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜10%酢酸エチル/リグロイン)で精製し、BB−4(300mg、収率77.73%)を得た。MS(ESI)m/z:733.2(M+Na)。
対照例5:セグメントBB−5
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物BB−5の合成]
−70Cで化合物BB−5−2(201.06mg、1.02mmol)をテトラメチレンオキシド溶液(3.00mL)に溶解した。窒素雰囲気で、N−ブチルリチウム(2.5M、409.65uL)を加えた。窒素雰囲気で、反応液を15分間撹拌した。その後、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(100.00mg、598.91umol)の1,2−ジメトキシエタン(1.00mL)溶液を滴下し、3時間撹拌した。反応液を塩化アンモニウム水溶液で焼入れし、酢酸エチル(20mL*2)で抽出し、有機相を減圧濃縮した。粗生成物をテトラメチレンオキシド(2mL)に溶解し、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(149.55mg、658.80umol)のテトラメチレンオキシド(1mL)溶液を加え、20Cで5時間反応した。反応液を減圧濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラム(リグロイン:酢酸エチル=10:1)で精製し、BB−5(80.00mg、収率47.11%)を得た。H NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δ7.72(dd、J=1.38、4.14Hz、1H)、6.98(d、J=4.27Hz、1H)。
対照例6:セグメントBB−6
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物BB−6−2の合成]
室温で化合物2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(350.00mg、2.10mml)をアセトニトリル(5.00mL)及び水(5.00mL)に溶解した。それぞれ硝酸銀(713.45mg、4.20mmol)及び1−フルオロ−シクロプロパンカルボン酸(649.15mg、6.24mmol)を加えた。反応液を80°Cまで昇温させた。その後、過硫酸アンモニウム(958.44mg、4.20mmol)の水(1mL)溶液を滴下した。反応液を80°Cで一晩反応した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)及び食塩水(100mL)を加え、フロックを濾過した。有機層をそれぞれ水(30mL*3)及び食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(リグロイン:酢酸エチル1:0〜10:1)で精製し、化合物BB−6−2(260mg、収率55%)を得た。H NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δ1.48−1.60(m、4H)。
[ステップ2:化合物BB−6の合成]
室温で化合物BB−6−2(100.00mg、444.40umol)をテトラメチレンオキシド(5mL)に溶解した。それぞれBB−2(92.05mg、466.63umol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(172.30mg、1.33mmol)を加え、反応液を50°Cまで昇温させて一晩反応した。反応液を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(リグロイン:酢酸エチル10:1〜3:1)で精製し、化合物BB−6(149.00mg、収率79.08%)を得た。MS(ESI)m/z:386.0(M+1)。
対照例6におけるステップ1〜2の合成方法に示すとおり、下表における各対照実施例を合成する。
Figure 2019529386
実施例1:
Figure 2019529386
合成経路:

Figure 2019529386
[ステップ1:化合物1−2の合成]
化合物1−1(100mg、276umol)及び4−ピリジルボロン酸(41mg、331umol)のテトラメチレンオキシド(2mL)及び水(0.5mL)の溶液の中にリン酸三カリウム(117.20mg、552.14umol)及びPd(dtbpf)Cl(9mg、14umol)を加えた。混合物を25°Cで12時間撹拌した。その後、50°Cで2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、その後、濾過した。濾液の中に水(30mL)を加え、酢酸エチル(10mL)で三回抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、粗生成物を得た。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10−30%酢酸エチル/リグロイン)で精製し、化合物1−2(30.00mg、収率26.84%)を得た。MS(ESI)m/z:405.1(M+H)。
[ステップ2:化合物1−3の合成]
化合物1−2(30mg、74umol)と化合物BB−3(37mg、89umol)の2−メチルテトラヒドロフラン(2.00mL)及び水(0.2mL)の溶液の中にリン酸三カリウム(31.46mg、148umol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(3mg、4umol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(7mg、15umol)を加えた。窒素雰囲気で、混合物を80°Cで12時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後に濾過した。濾液の中に水(20mL)を加え、酢酸エチル(8mL*3)で抽出し、併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗生成物を得た。高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10−30%酢酸エチル/リグロイン)で精製し、黄色の固体化合物1−3(20mg、収率40.97%)を得た。MS(ESI)m/z:659.2(M+H)。
[ステップ3:化合物WX−230の合成]
化合物1−3(20.00mg、30.36umol)のテトラメチレンオキシド(1.00mL)及び水(0.25mL)の溶液の中にNaOH(6.07mg、151.80umol)を加えた。混合物を50°Cで12時間撹拌した。濃縮してテトラメチレンオキシドを除去し、1MHCl(0.5mL)を加えた。粗生成物を精製し、化合物WX−230(10mg、収率64.21%)を得た。H NMR(400MHz、METHANOL−d)δ9.04(brd、J=6.52Hz、2H)、8.77(brd、J=6.53Hz、3H)、8.48(s、1H)、8.31(brs、1H)、4.81(brs、1H)、2.84(brd、J=6.53Hz、1H)、2.14(brs、1H)、2.06(brs、1H)、1.81−2.00(m、3H)、1.64−1.80(m、3H)、1.56(brd、J=12.05Hz、3H).MS(ESI)m/z:477.1(M+H)。
実施例1におけるステップ1〜3の合成方法に示すとおり、下表における各実施例を合成する。
Figure 2019529386
Figure 2019529386
Figure 2019529386
Figure 2019529386
Figure 2019529386
Figure 2019529386
Figure 2019529386
実施例2:
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物2−2の合成]
室温で化合物2−1(500.00mg、2.48mmol)をテトラメチレンオキシド(8.00mL)に溶解した。−40Cでナトリウムメチルメルカプチド(173.82mg、2.48mmol、158.02uL)のメタノール(2mL)溶液を滴下した。反応液を−40Cで1時間撹拌した後に室温まで昇温するように一晩撹拌した。反応液を酢酸エチル(60mL)で希釈し、それぞれ水(15mL)、飽和食塩水(15mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、粗生成物の化合物2−2(490.00mg、2.30mmol)を得た。1H NMR(400MHz、CHLOFORM−d)δ2.65(s、3H)。
[ステップ2:化合物2−3の合成]
氷浴で化合物BB−1(400.00mg、2.18mmol)及び化合物2−2(464.47mg、2.18mmol、1.00eq)をテトラメチレンオキシド(6.00mL)に溶解した。N−エチルジイソプロピルアミン(1.41g、10.90mmol、1.91mL、5.00eq)を加え、反応液を55Cで72時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、それぞれ水(10mL)及び飽和食塩水(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、生成物を高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチルEthylacetate=100:1〜5:1)で精製し、化合物2−3(500.00mg、1.35mmol、収率61.93%)を得た。MS(ESI)m/z:359.9(M+H)。
[ステップ3:化合物2−4の合成]
化合物2−3(40.00mg、111.16umol、1.00eq)、BB−3(46.27mg、111.16umol、1.00eq)を2−メチルテトラヒドロフラン(3.00mL)及び水(800.00uL)に溶解した。トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(10.18mg、11.12umol、0.10eq)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(10.60mg、22.23umol、0.20eq)及びリン酸三カリウム(47.19mg、222.32umol、2.00eq)を加えた。窒素雰囲気で、混合物を80Cで10時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、それぞれ水(15mL)及び飽和食塩水(15mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、生成物を薄層クロマトグラフィー板(リグロイン:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物2−4(40.00mg、39.76umol、収率35.77%)を得た。
[ステップ4:化合物WX−139の合成]
化合物2−4(40.00mg、65.18umol)のメタノール(1.00mL)、テトラメチレンオキシド(1.00mL)及び水(0.5mL)の溶液の中に水酸化リチウム一水和物(13.67mg、325.90umol)を加えた。混合物を50°Cで12時間撹拌した。濃縮してテトラメチレンオキシドを除去し、HCl(1M)を加えることによってpH=5まで調整した。酢酸エチル(20mL)で抽出し、有機相を減圧濃縮し、生成物を精製し、化合物WX−139(16.00mg、28.17umol、収率43.22%)を得た。H NMR(400MHz、METHANOL−d)δ8.59−8.68(m、1H)、8.25(s、1H)、8.13−8.20(m、1H)、4.78−4.83(m、1H)、2.71−2.75(m、1H)、2.69(s、3H)、2.06−2.11(m、1H)、1.98-2.04(m、1H)、1.79−1.97(m、3H)、1.59−1.78(m、3H)、1.45−1.59(m、2H).MS(ESI)m/z:446.1[M+1]。
実施例2におけるステップ1〜4の合成方法に示すとおり、下表における各実施例を合成する。
Figure 2019529386
Figure 2019529386
実施例3:
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物3−2の合成]
室温で化合物3−1(300.00mg、828.20umol) 及び1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2− ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾール(206.78mg、993.84umol)をテトラメチレンオキシド(4.00mL)及び水(1.00mL)に溶解した。それぞれリン酸三カリウム(351.61mg、1.66mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(26.99mg、41.41umol)を加え、反応液を40°Cで一晩反応した。反応液を室温まで冷却し、水(30mL)を加え、その後、濾過した。濾液を酢酸エチル(10mL*3)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物を高速シリカゲルカラム(10〜30%酢酸エチル/リグロイン)で精製し、化合物3−2(150mg、収率44.4%)を得た。H NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δ8.05(d、J=2.01Hz、1H)、8.02(s、1H)、5.23(brd、J=5.02Hz、1H)、4.51(brt、J=5.52Hz、1H)、4.23(q、J=7.03Hz、2H)、3.97(s、3H)、2.39(brd、J=6.02Hz、1H)、2.02(brd、J=2.51Hz、1H)、1.90(brd、J=2.51Hz、1H)、1.77−1.87(m、1H)、1.52−1.76(m、11H)、1.44(brt、J=11.29Hz、1H)、1.27(t、J=7.28Hz、4H).MS(ESI)m/z:408.1(M+H)。
[ステップ2:化合物3−3の合成]
室温で化合物3−2(150.00mg、367.76umol)とBB−4(223.03mg、441.31umol)を2−メチルテトラヒドロフラン(4.00mL)及び水(1.00mL)に溶解した。それぞれリン酸三カリウム(156.13mg、735.52umol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(16.84mg、18.39umol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(35.06mg、73.55umol)を加え、反応液を80°Cで一晩反応した。反応液を室温まで冷却し、水(30mL)を加え、その後、濾過した。濾液を酢酸エチル(10mL*3)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物を高速シリカゲルカラム(15〜30%酢酸エチル/リグロイン)で精製し、化合物3−3(160.00mg、213.09umol、収率57.94%)を得た。MS(ESI)m/z:773.4(M+H)。
[ステップ3:化合物3−4の合成]
室温で化合物3−3(160.00mg、213.09umol)を塩化メチレン(3.00mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(485.93mg、4.26mmol)を加え、反応液を25°Cで一晩反応した。反応液を減圧濃縮し、残留物の中に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、酢酸エチル(8mL*3)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物を高速シリカゲルカラム(20〜90%酢酸エチル/リグロイン)で精製し、化合物3−4(60.00mg、収率55.4%)を得た。MS(ESI)m/z:509.3(M+H)。
[ステップ4:化合物WX−264の合成]
室温で化合物3−4(60.00mg、117.99umol)をテトラメチレンオキシド(2.00mL)及び水(500.00uL)に溶解した。加入水酸化ナトリウム(23.60mg、589.95umol)を加えた。反応液を60°Cで一晩反応した。反応液を減圧濃縮し、その後、1M HClを加えることによってpH=6まで調整し、化合物WX−264(50.00mg、収率88.20%)を得た。H NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δ8.65(dd、J=2.89、8.41Hz、1H)、8.54−8.58(m、1H)、8.42(s、1H)、8.23(s、1H)、5.01(brd、J=6.78Hz、1H)、4.00(s、3H)、2.85(d、J=6.78Hz、1H)、2.15(brs、1H)、2.04(brs、1H)、1.82−2.00(m、3H)、1.63−1.80(m、3H)、1.55(brd、J=12.80Hz、2H).MS(ESI)m/z:481.2(M+H)。
実施例3におけるステップ1〜3の合成方法に示すとおり、下表における各実施例を合成する。
Figure 2019529386
実施例4:
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物4−2の合成]
0°Cで化合物4−1(25.00g、149.73mmol)を1,2−ジメトキシエタン(80mL)に溶解した。シクロプロピルマグネシウムブロミド(0.5M、500.10mL)を滴下し、反応液を室温で一晩撹拌した。その後、反応液を0°Cまで冷却し、それぞれトリエチルアミン(15.15g、149.73mmol、20.75mL)のテトラメチレンオキシド(30mL)溶液及びヨウ素(38.00g、149.73mmol)のテトラメチレンオキシド(30mL)溶液を加え、反応液を室温で3時間撹拌した。反応液の中に酢酸エチル(1L)を加え、それぞれ水(300mL*3)及び飽和食塩水(300mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、得られた生成物をシリカゲルカラム(リグロイン)で精製し、化合物4−2(8g、収率25.8%)を得た。
[ステップ2:化合物4−3の合成]
化合物BB−2(450mg、2.28mmol)及び化合物4−2(450mg、2.17mmol)をテトラメチレンオキシド(5.00mL)に溶解し、N−エチルジイソプロピルアミン(841.35mg、6.51mmol)を加え、反応液を55Cで3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=10:1〜5:1)で精製し、化合物4−3(460.00mg、収率57.6%)を得た。
[ステップ3:化合物4−4の合成]
室温で化合物4−3(460.00mg、1.25mmol)及びBB−4(1.05g、1.25mmol)を2−メチルテトラヒドロフラン(8.00mL)及び水(2.00mL)に溶解し、それぞれリン酸三カリウム(796.34mg、3.75mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(114.51mg、125.05umol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(119mg、250umol)を加え、反応液を80°Cで一晩反応した。反応液を室温まで冷却し、水(30mL)を加え、その後に濾過した。濾液を酢酸エチル(10mL*3)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物を高速シリカゲルカラム(リグロイン:酢酸エチル=20:1〜3:1)で精製し、化合物4−4(600mg、収率61%)を得た。MS(ESI)m/z:773.4(M+H)。
[ステップ4:化合物4−5の合成]
室温で化合物4−4(600.00mg、844.11umol)を塩化メチレン(6.00mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(962.45mg、8.44mmol)及びトリエチルシラン(981.53mg、8.44mmol)を加え、反応液を室温で4時間反応した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を高速シリカゲルカラム(リグロイン:酢酸エチル=10:1〜2:1)で精製し、化合物4−5(350.00mg、収率87.6%)を得た。MS(ESI)m/z:469.2(M+H)。
[ステップ5:化合物WX−216の合成]
室温で化合物4−5(160.00mg、341.52umol)をジオキサン(3.00mL)及び水(500.00uL)に溶解し、水酸化ナトリウム(136.61mg、3.42mmol)を加え、反応液を80°Cで1時間反応した。反応液を減圧濃縮し、その後、1M HClを加えることによってpH=5まで調整し、固体を析出し、濾過し、濾過ケークを水(10mL)で洗浄し、乾燥し、WX−216(55.4mg、収率36.5%)を得た。H NMR(400MHz、METHANOL−d)δ8.49−8.58(m、2H)、4.92(brs、1H)、2.78(brd、J=6.78Hz、1H)、2.22−2.31(m、1H)、2.11(brs、1H)、1.80−2.02(m、4H)、1.61−1.77(m、3H)、1.44−1.59(m、2H)、1.25−1.34(m、3H)、1.03−1.11(m、2H)。MSm/z:441.1[M+1]+。
実施例4におけるステップ3〜5の合成方法に示すとおり、BB−6〜BB−10で下表における各実施例を合成する。
Figure 2019529386
Figure 2019529386
実施例5:
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物5−2の合成]
室温条件で5−1(10.30g、153.58mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(30g、118.14mmol)のテトラメチレンオキシド(150mL)懸濁液の中にジ−μ−メトキソビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)(3.13g、4.73mmol)及び2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン (984.14mg、4.73mmol)を加え、窒素雰囲気で、反応液を90℃まで昇温して12時間反応した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物5−2(4.8g、収率:21%)を得た。
[ステップ2:化合物5−3の合成]
室温条件で化合物1−1(1g、5.18mmol)及び化合物5−1(2.06g、5.7mmol)のテトラメチレンオキシド(20.00mL)及び水(1mL)中に[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン] パラジウム(II)(337.61mg、518.00μmol)及び無水リン酸三カリウム(3.3g、15.54mmol)を加えた。窒素雰囲気で、反応液を50℃まで昇温して12撹拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー板(リグロイン:酢酸エチル=5:1)で精製し、化合物5−3(380.00mg、収率17.18%)を得た。
[ステップ3:化合物5−4の合成]
室温条件で5−3(380.00mg、967.27umol)及びBB−4(977.70mg、1.16mmol)の2−メチルテトラヒドロフラン(5mL)及び水(0.5mL)の懸濁液の中に無水リン酸三カリウム(615.97mg、2.90mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(92.22mg、193.45μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(88.57mg、96.73umol)を加えた。窒素雰囲気で、反応液を80℃まで昇温して12時間撹拌した。反応液の中に水(20mL)を加え、酢酸エチル(30mL*3)で抽出し、有機相を併せ且つ飽和食塩水(20mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=5:1)で精製し、5−4(0.88g、収率60%)を得た。
[ステップ4:化合物5−5の合成]
室温条件で化合物5−4(880.00mg、1.20mmol)の塩化メチレン(10.00mL)溶液の中にトリエチルシラン(279.07mg、2.40mmol)及びトリフルオロ酢酸(136.83mg、1.20mmol)を加え、反応液を室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、飽和NaHCO3溶液でpHを8−9まで調整し、酢酸エチル(30mL*3)で抽出し、併せた有機相を飽和食塩水(20mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物5−5(360.00mg、収率57.14%)を得た。1H NMR(400MHz、CDOLOFORM-d1)δ8.39−8.55(m、2H)、4.85−4.88(m、1H)、4.10−4.20(m、2H)、2.95-2.97(m、1H)、1.16−2.45(m、17H)。
[ステップ5:WX−359、WX−360の合成]
室温条件で5−5(180.00mg、364.73μmol)をテトラメチレンオキシド(2.00mL)に溶解し、トリメチル(ポタシオオキシ)シラン(233.96mg、1.82mmol)を加えた。その後、反応液を40℃で12時間反応した。反応液を濃縮し、得られた粗生成物を1N塩酸溶液でpH5まで調整した。液体クロマトグラフィー(column:BostonGreenODS150*305u;mobilephase:[water(0.1%TFA)−ACN];B%:42%−52%、8min)で分離し、化合物WX−359(30.00mg、収率:14.19%、残し時間=0.808min)及び化合物WX−360(40.00mg、収率18.93%yield、残し時間=0.814min)を得た。
Figure 2019529386
実施例6:
Figure 2019529386
合成経路:
Figure 2019529386
[ステップ1:化合物6−2の合成]
室温で化合物2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(1g、5.99mml)をアセトニトリル(5.00mL)及び水(5.00mL)に溶解し、それぞれ硝酸銀(2.03g、11.98mmol)、2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボン酸(2.19g、17.93mmol)を加えた。反応液を80°Cまで昇温させた。その後、過硫酸アンモニウム(2.73g、11.98mmol)の水(1mL)溶液を滴下し、反応液を80°Cで一晩反応し、その後、100°Cまで加熱して12時間反応した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)を加え、有機層を水(30mL*3)及び食塩水(30mL)で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(リグロイン:酢酸エチル1:0至10:1)で精製し、化合物6−2(121mg、収率8.3%)を得た。H NMR(400MHz、CDOLOFORM−d)δ2.98−3.05(m、1H)、2.47−2.52(m、1H)、1.94−1.98(m、1H)。
[ステップ2:化合物6−3の合成]
化合物BB−2(147mg、0.75mmol)及び化合物6−2(121mg、0.49mmol)をテトラメチレンオキシド(3.00mL)に溶解し、N−エチルジイソプロピルアミン(193mg、1.49mmol)を加え、反応液を50Cで1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(50mL)を加え、有機層を食塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた粗生成物を高速シリカゲルカラムクロマトグラフィー(リグロイン:酢酸エチル=20:1〜10:1)で精製し、化合物6−3(132.00mg、収率65.6%)を得た。
[ステップ3:化合物6−4の合成]
室温で化合物6−3(130mg、0.32mmol)及びBB−4(195g、0.39mmol)を2−メチルテトラヒドロフラン(5.00mL)及び水(1.00mL)に溶解し、それぞれリン酸三カリウム(136.67mg、0.64mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(14.7mg、16umol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(30.69mg、64.38umol)を加え、反応液を80°Cで2時間反応した。反応液を室温まで冷却し、水(30mL)を加え、酢酸エチル(10mL*3)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、得られた粗生成物を高速シリカゲルカラム(酢酸エチル/リグロイン=5%−15%)で精製し、化合物6−4(150mg、収率62.4%)を得た。MS(ESI)m/z:769.4(M+23)。
[ステップ4:化合物6−5の合成]
室温で化合物6−4(150.00mg、200.86umol)を塩化メチレン(3.00mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(229.02mg、2.01mmol)及びトリエチルシラン(116.78mg、0.16mmol)を加え、反応液を室温で一晩反応した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を高速シリカゲルカラム(酢酸エチル/リグロイン=10%−30%)で精製し、化合物6−5(50.00mg、収率50%)を得た。MS(ESI)m/z:505.1(M+H)。
[ステップ5:化合物WX−297の合成]
室温で化合物6−5(50.00mg、99.11umol)をジオキサン(2.00mL)及び水(1mL)に溶解し、水酸化ナトリウム(19.82mg、0.49mmol)を加えた。反応液を80°Cで1時間反応した。反応液を減圧濃縮し、その後、1M HClを加えてpH=5まで調整し、酢酸エチル(10mL*3)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、WX−297(30mg、収率60.4%)を得た。H NMR(400MHz、METHANOL−d)δ8.57−8.67(m、1H)、8.53(d、J=1.76Hz、1H)、4.94(brd、J=6.78Hz、2H)、3.04−3.15(m、1H)、2.80(brd、J=6.78Hz、1H)、2.64−2.75(m、1H)、2.12(brs、1H)、1.78−2.06(m、7H)、1.60−1.78(m、4H)、1.49−1.60(m、2H).MSm/z:477.2[M+1]+。
[生物部分]
[インフルエンザウイルスの細胞変性効果(CPE)実験]
化合物の50パーセント有効濃度(EC50)値のテストは、化合物がインフルエンザウイルス(Influenza virus, IFV)に対する抗ウイルス活性を評価するためのものである。
細胞変性効果実験は、化合物がウイルス感染細胞への保護効果を測定することによって化合物の抗ウイルス活性を反映するためのものである。
インフルエンザウイルスCPE実験:
MDCK細胞(ATCC、番号CCL−34)を2,000−3,000細胞/ウェルの密度で黒い384ウェル細胞培養用プレート中に接種した。その後、37℃で5% COインキュベータの中に置いて一晩培養した。化合物をEcho555非接触型ナノリットル音波ピペットシステムで希釈し、且つ細胞ウェル内(3倍希釈、8個の濃度テストポイント)に加えた。その後、インフルエンザウイルスA/Weiss/43(H1N1)株(ATCC、番号VR−96)を一ウェルあたりの1−2 90%組織培養感染量(TCID90)で細胞培養ウェルの中に加えた。培地中のDMSO最終濃度が0.5%になった。ウイルス対照ウェル(DMSOとウイルスを加えるが化合物を加えない)及び細胞対照ウェル(DMSOを加えるが化合物とウイルスを加えない)を設定した。細胞板を37℃で5% COインキュベータの中に置いて5日間培養した。5日間培養した後、細胞生存率キットCCK8で細胞活性を検出した。素データは、化合物の抗ウイルス活性を算出するためのものである。
化合物抗ウイルス活性は、化合物がウイルスによる細胞変性効果への抑制率(%)で表す。下記の式から算出した。
Figure 2019529386
GraphPad Prismソフトウェアで化合物の抑制率に対して非線形フィット分析を行い、化合物のEC50値を得た。実験の結果を表1に示す。
Figure 2019529386
結論:インフルエンザウイルス複製の細胞レベル阻害試験において、本発明の化合物は、積極的な役割を果たす。
実験例2:インビボ薬効に関連する研究
化合物のA型インフルエンザウイルスH1N1マウス感染モデルにおける薬効の評価
点鼻によってマウスにA型インフルエンザウイルスH1N1(Virapur社、番号:F1003A)を感染させ、感染後の36時間に化合物で処理し始め、経口投薬し、7日間連続し、1日2回。マウスの体重変化及び活着率を観察することにより、化合物の該モデルにおける抗A型インフルエンザウイルスH1N1の作用を評価する。
実験について、6−7週齢、雌性、SPFレベルのBALB/cマウス(上海霊暢生物科技有限公司)を選んだ。マウスはBSL−2アニマルルームに届き、最低3日間適応した後に実験を行い始めた。当該感染日を実験の0日目に設定した。マウスにペントバルビタールナトリウム(75 mg/kg, 10 ml/kg)を腹腔内注射した。動物が深麻酔の状態にはいった後、点鼻によって体積が50ulであるH1N1 A/WSN/33ウイルスを感染させた。1日目〜7日目、一日あたり10 mg/kg (投薬体積10ml/kg)のテストすべき化合物を経口投与し、1日2回。一回目の投薬時間は感染後の36時間である。毎日マウスの状態を観察し、且つマウスの体重及び活着率を記録した。14日目、すべての生き残った動物に安楽死をした。
動物の活着率及び体重の降下率のテスト結果を、下表に示す。化合物WX−231は、9日目に動物の体重降下率が12.9%、活着率が100%に達するように保護することを実現できた。化合物WX−216は、9日目に動物の体重降下率が4.8%、活着率が100%に達するように保護することを実現できた。WX−279は9日目に動物の体重降下率が28.7%、活着率が100%に達するように保護することを実現できた。WX−290は、9日目に動物の体重降下率が27.6%、活着率が40%に達するように保護することを実現できた。WX−297は、9日目に動物の体重降下率が27.3%、活着率が100%に達するように保護することを実現できた。WX−351は、9日目に動物の体重降下率が35.3%、活着率が100%に達するように保護することを実現できた。実験の結果を表−2に示す。
Figure 2019529386

Claims (21)

  1. 式(I)に示される化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2019529386
    式中、Rは1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、C1−6アルキルチオ基、5〜6員環のヘテロアリール基、C2−6アルキニル基、C3−6シクロアルキル基から選ばれ、
    はN又はCHから選ばれ、
    はN又はC(R)から選ばれ、
    はH、F、Cl、Br、Iから選ばれ、
    はH、ハロゲン、CN、NH、OHから選ばれ、又は、1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、C1−6アルキル基から選ばれ、
    Rはハロゲン、OH、NH、CN、COOH、
    Figure 2019529386
    から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、C1−6アルキル基、C1−6ヘテロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−C(=O)−、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−(CH1−3−から選ばれ、
    R’はF、Cl、Br、I、CN、OH、NH、COOH、Me、NHCH、N(CH
    Figure 2019529386
    又は
    Figure 2019529386
    から選ばれ、
    前記5〜6員環のヘテロアリール基、C1−6ヘテロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル基における「ヘテロ」は−N=、−S−、−O−、又は−NH−から選ばれ、
    以上の何れの場合においても、ヘテロ原子又はヘテロ原子団の数はそれぞれ独立に1、2又は3から選ばれる、化合物又はその薬学的に許容される塩であり、
    ただし、式(I)に示される化合物は、
    Figure 2019529386
    からなる群から選択される何れのものでもない、化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、COOH、
    Figure 2019529386
    から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、C1−3アルキル基、C1−3ヘテロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル基、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−C(=O)−、3〜6員環のヘテロシクロアルキル−(CH)−から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、COOH、
    Figure 2019529386
    から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、Me、Et、C1−3アルキルチオ基、C3−6シクロアルキル基、アゼチジン基、ピロリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル−C(=O)−、モルホリニル−C(=O)−、ピロリジル−C(=O)−、ピペラジニル−(CH)−、モルホリニル−(CH)−、ピロリジル−(CH)−から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  4. RはF、Cl、Br、I、OH、NH、CN、COOH、
    Figure 2019529386
    から選ばれ、又は1つ、2つもしくは3つのR’に置換されていてもよい、Me、Et、
    Figure 2019529386
    から選ばれることを特徴とする、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  5. RはF、Cl、Br、I、OH、NH、Me、Et、CN、COOH、
    Figure 2019529386
    から選ばれることを特徴とする、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  6. は1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、C1−3アルキルチオ基、C2−4アルキニル基、C3−5シクロアルキル基から選ばれることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  7. は1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい
    Figure 2019529386
    から選ばれることを特徴とする、請求項6に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

  8. Figure 2019529386
    から選ばれることを特徴とする、請求項7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  9. は1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、ピリジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基から選ばれることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  10. は1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい
    Figure 2019529386
    から選ばれることを特徴とする、請求項9に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

  11. Figure 2019529386
    から選ばれることを特徴とする、請求項10に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

  12. Figure 2019529386
    から選ばれることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  13. はN、CH又はC(F)から選ばれることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  14. はH、ハロゲン、CN、NH、OHから選ばれ、又は、1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、C1−3アルキル基から選ばれることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  15. はH、F、Cl、Br、I、CN、NH、OHから選ばれ、又は、1つ、2つ又は3つのRもしくはR’に置換されていてもよい、Me、Etから選ばれることを特徴とする、請求項14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  16. はH、F、Cl、Br、I、CN、NH、OH、Me、Et、又はCFから選ばれることを特徴とする、請求項15に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  17. 構造単位
    Figure 2019529386

    Figure 2019529386
    から選ばれることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  18. Figure 2019529386
    から選ばれ、R、Rが請求項1〜17の何れか一項に定義されることを特徴とする、請求項1〜17の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  19. Figure 2019529386
    Figure 2019529386
    Figure 2019529386
    から選ばれる式で示される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  20. Figure 2019529386
    Figure 2019529386
    Figure 2019529386
    Figure 2019529386
    から選ばれる式で示される化合物又はその薬学的に許容される塩。
  21. 請求項1〜20の何れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、を含む、抗インフルエンザウイルスのための医薬。
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