JP7082712B2 - マイクロニードル・シートおよびアプリケータ - Google Patents

マイクロニードル・シートおよびアプリケータ Download PDF

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Description

本開示の一側面はマイクロニードル・シートおよびアプリケータに関する。
皮膚を介して活性成分を投与するために用いられるマイクロニードル・シートが知られている。例えば特許文献1には、シートの主面に略沿って該シートに形成された複数のマイクロニードルを備えるマイクロニードル・シートが記載されている。このマイクロニードル・シートでは、シートが曲げられることでマイクロニードルが主面から立ち上がり、立ち上がった該マイクロニードルが皮膚に刺さる。
国際公開第2013/187392号
マイクロニードルの取扱時の安全性を確保することが望まれている。
本開示の一側面に係るマイクロニードル・シートは、主面を有するシート本体と、シート本体に形成され且つ主面に沿って寝た状態である少なくとも一つのマイクロニードルとを備える。少なくとも一つのマイクロニードルのそれぞれは、シート本体の第1側に位置する根元と、該第1側の反対側であるシート本体の第2側を向く先端とを有する。シート本体の第1部分が第1側から曲げられることで、該第1部分に位置するマイクロニードルが主面から立ち上がり、該立ち上がったマイクロニードルが皮膚に適用される。
このような側面においては、シート本体が曲げられるまではマイクロニードルがシート本体の主面に沿って寝た状態にある。このことは、マイクロニードルが皮膚に適用されるまでは、マイクロニードルの先端が該主面上から突き出ていないことを意味する。したがって、マイクロニードル・シートを皮膚に適用しない限り、マイクロニードルが他の物に当たったり引っ掛かったりする心配がない。その結果、マイクロニードルの取扱時の安全性を確保することができる。
本開示の一側面によれば、マイクロニードルの取扱時の安全性を確保することができる。
実施形態に係るマイクロニードル・シートの一例を示す平面図である。 実施形態に係るマイクロニードル・シートの2種類の状態を示す図である。 実施形態に係るマイクロニードル・シートの使用方法の一例を示す図である。 マイクロニードルの立ち上がりの一例を示す図である。 実施形態に係るマイクロニードル・シートに関するin vitro試験の結果を示す写真である。 実施形態に係るアプリケータの一例を下方から見た斜視図である。 実施形態に係るアプリケータの一例を上方から見た斜視図である。 実施形態に係るアプリケータの使用方法の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[マイクロニードル・シートの構造]
図1および図2を参照しながら、実施形態に係るマイクロニードル・シート10の構造について説明する。図1はマイクロニードル・シート10の一例を示す平面図である。図2はマイクロニードル・シート10の2種類の状態を示す図である。
マイクロニードル・シート10は、生体内に任意の活性成分(例えば薬剤)を経皮投与するための器具である。図1の例ではマイクロニードル・シート10は帯状(細長い矩形)を呈する。マイクロニードル・シート10は、薄板状のシート本体11と、このシート本体11に形成された少なくとも一つのマイクロニードル12とを備える。本実施形態では、長辺に沿った方向をマイクロニードル・シート10(またはシート本体11)の長手方向といい、短辺に沿った方向(長手方向と直交する方向)をマイクロニードル・シート10(またはシート本体11)の幅方向という。長手方向および幅方向の双方と直交する方向をマイクロニードル・シート10(またはシート本体11)の厚さ方向という。本実施形態では、長手方向におけるシート本体11の両端を第1端13および第2端14といい、第1端13の側を第1側91といい、第2端14の側を第2側92という。第2側92は第1側91の反対側である。シート本体11の長手方向は、第1端13(第1側91)から第2端14(第2側92)にわたって延びる方向であるともいえる。シート本体11は第1端13(第1側91)から第2端14(第2側92)にわたって延びる主面11aを有する。
一例では、マイクロニードル・シート10は複数のマイクロニードル12を備える。各マイクロニードル12の厚さ(厚さ方向に沿った長さ)はシート本体11の厚さと同じである。複数のマイクロニードル12は、シート本体11の長手方向および幅方向のそれぞれにおいて2以上のマイクロニードル12が一列に並ぶように形成される。それぞれのマイクロニードル12は、根元がシート本体11の第1側91に位置し先端がシート本体11の第2側92を向くように形成される。すなわち、マイクロニードル12の根元から先端にわたって延びるマイクロニードル12の側面は主面11aと平行またはほぼ平行である。なお、一部のマイクロニードル12の向きが他のマイクロニードル12の向きと異なってもよい。
本開示では、マイクロニードル12の先端が向く方向、すなわち、第1側と第2側とを結ぶ方向を、マイクロニードル・シート10(またはシート本体11)の第1方向ともいう。また、主面11a上において第1方向と直交する方向を、マイクロニードル・シート10(またはシート本体11)の第2方向ともいう。本実施形態では、第1方向は長手方向であり、第2方向は幅方向である。
マイクロニードル・シート10が提供される時点(すなわち、使用前の時点)では、マイクロニードル・シート10は曲げられていない真っ直ぐな状態である。本開示ではこの状態を「第1状態」ともいう。一方、マイクロニードル・シート10が使用される際には、マイクロニードル・シート10は、マイクロニードル12の先端の向きと交差する方向に曲面が形成されるようにシート本体11の少なくとも一部が曲げられた状態になる。本開示ではこの状態を「第2状態」ともいう。例えば、マイクロニードル12の先端の向きと直交またはほぼ直交する方向に沿って曲面が形成されるようにシート本体11が曲げられる。図2に示すように、マイクロニードル・シート10は第1状態S1から第2状態S2に移ることが可能であり、第2状態S2から第1状態S1に戻ることも可能である。図2に示す第2状態S2では、マイクロニードル12の先端の向きと直交する方向に沿って曲面が形成されるようにシート本体11が曲げられている。
第1状態S1では、各マイクロニードル12は、シート本体11の主面11aから立ち上がっておらず、主面11aに沿って寝た状態にある。言い換えると、複数のマイクロニードル12のそれぞれの先端は第2端14(第2側92)を向く。あるいは、各マイクロニードル12とシート本体11(主面11a)との成す角度が0°またはほぼ0°であるということもできる。
第2状態S2は、シート本体11の第1端13の移動によりシート本体11が曲げられることで生ずる。例えば、第2状態S2はシート本体11が鋭角に曲げられることで生ずる。この第2状態S2では、シート本体11の曲げられた部分に位置する少なくとも一つのマイクロニードル12が主面11aから立ち上がる。本開示では、その曲げられる部分を便宜的に「第1部分」という。マイクロニードル・シート10の第1部分に位置するマイクロニードル12と主面11aとの成す角度は、その第1部分が曲げられることで変化する。具体的には、その角度は0°またはほぼ0°から、より大きな値(例えば、10~90°の間の任意の値)に増加する。立ち上がったマイクロニードル12は皮膚に適用される。本開示において、「マイクロニードルが皮膚に適用される」との表現は、少なくとも、マイクロニードルの先端が皮膚の表面に接触することをいう。その表現は、そのマイクロニードルによって皮膚に微細な傷を付けることをさらに意味し得る。
曲げられていた第1部分が元の真っ直ぐな状態に戻ると、第1部分に位置するマイクロニードル12と主面11aとの成す角度は減少する。すなわち、マイクロニードル・シート10は第2状態S2から第1状態S1に戻る。その角度は再び0°またはほぼ0°まで減少してもよいし、0°またはほぼ0°まで戻らなくてもよい。
本実施形態ではマイクロニードル12が三角形状であるが、マイクロニードルの形状は何ら限定されない。図1の例では、マイクロニードル12の大きさおよび向きが均一であるが、その大きさおよび向きの少なくとも一方が均一でなくてもよい。マイクロニードル12が三角形である場合には、その先端の角度の下限は例えば10°または20°でもよいし、その角度の上限は例えば150°または120°でもよい。マイクロニードル・シート10におけるマイクロニードル12の分布は均一でもよいし均一でなくてもよい。例えば、マイクロニードル・シート10を長手方向に沿って見た場合に、1以上のマイクロニードル12を含む領域(ニードル領域)と、マイクロニードル12を含まない領域(クリアランス領域)とが交互に存在するように、シート本体11に複数のマイクロニードル12が形成されてもよい。
マイクロニードル・シート10の寸法は限定されない。具体的には、厚さの下限は5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、または50μmでもよく、厚さの上限は1000μm、500μm、300μm、200μm、150μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、または50μmでもよい。この厚さは、シート本体11の厚さでもあり、マイクロニードル12の厚さでもある。したがって、マイクロニードル・シート10の厚さの下限は、皮膚に適用されるマイクロニードル12の強度を考慮して定められてもよい。また、その厚さの上限はシート本体11の屈曲性などを考慮して定められてもよい。マイクロニードル・シート10の長さの下限は0.1cmでも1cmでもよく、長さの上限は50cmでも20cmでもよい。マイクロニードル・シート10の幅の下限は0.1cmでも1cmでもよく、幅の上限は60cmでも30cmでもよい。マイクロニードル・シート10の長さおよび幅の下限は活性成分の投与量を考慮して定められてもよい。その長さおよび幅の上限は生体の大きさを考慮して定められてもよい。
マイクロニードル12の高さの下限は10μm、100μm、または200μmでもよく、その高さの上限は10000μmでも1000μmでも500μmでもよい。マイクロニードルの高さとは根元から先端までの長さのことをいう。マイクロニードル12の密度の下限は0.05本/cmでも1本/cmでもよく、その密度の上限は10000本/cmでも5000本/cmでもよい。密度の下限は、1mgの活性成分を投与し得るマイクロニードル12の本数および面積から換算されてもよい。密度の上限は、マイクロニードル12の形状を考慮した上での限界値により設定されてもよい。
マイクロニードル・シート10およびマイクロニードル12の材料は限定されない。一例では、マイクロニードル・シート10を折り返したり皮膚の表面形状に追従させたりすることができるような柔軟性をマイクロニードル・シート10に持たせることができるように材料が選択される。例えば、ステンレス鋼、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ乳酸(PLA)、プルラン、水溶性高分子、他の金属、他の樹脂、生分解性素材、セラミック、または生体吸収性素材のいずれかによりマイクロニードル・シート10およびマイクロニードル12が作製されてもよい。あるいは、これらの材料を組み合わせてマイクロニードル・シート10およびマイクロニードル12が作製されてもよい。
本開示において、「マイクロニードル・シートおよびマイクロニードルの材料」とは、製作者が、マイクロニードル・シートおよびマイクロニードルを作製するために意図的に用いる物質のことをいう。マイクロニードル・シートおよびマイクロニードルの製造過程において、材料として選択されなかった物質(例えば、微量の不純物)が意図せず混入したり、そのような意図しない物質を完全に除去しきれなかったりすることがあり得る。本開示に係るマイクロニードル・シートおよびマイクロニードルは、製作者が意図する材料に加えて、その者が意図しない物質も最終的に含んでしまうマイクロニードル・シートおよびマイクロニードルも包含する。
マイクロニードル12はエッチングにより形成することができる。シートが金属であれば薬液でそのシートを部分的に溶かすことでマイクロニードル12を形成することができるし、シートが非金属であればレーザーでそのシートを部分的に切ることでマイクロニードル12を形成することができる。あるいは、金属または非金属のシートに第1の切れ込みを入れ、その次に、その第1の切れ込みとつながるように該シートに第2の切れ込みを入れるという2段階の工程により、マイクロニードル12の先端を形成してもよい。これらの場合には、マイクロニードル12の周囲に空隙が生ずる。もちろん、レーザー加工およびエッチング以外の手法によりマイクロニードル12を形成してもよい。いずれにしても、マイクロニードル12を予めシートの主面11aから立ち上げておく必要がないので、マイクロニードル・シート10を容易かつ安価に製造することができる。
皮膚に適用する活性成分の準備方法は限定されない。例えば、マイクロニードル・シート10自体に(より具体的には、マイクロニードル12自体に)予め活性成分を内包させておいてもよい。あるいは、マイクロニードル・シート10自体に予め活性成分をコーティングしておいてもよい。あるいは、マイクロニードル12を皮膚に適用する前にその皮膚上に活性成分を塗布しておいてもよい。あるいは、マイクロニードル12を皮膚に適用した後に、その皮膚上に活性成分を塗布してもよいし、活性成分を含んだ貼付剤を皮膚に貼ってもよい。マイクロニードル・シート10に予め活性成分をコーティングするのであれば、例えば、所定の粘度のコーティング液がなるべく均一な厚さでシート全体に塗布される。マイクロニードル12の先端がシート本体11の一端を向いているので(すなわち、マイクロニードル12が主面11aに沿って寝ているので)、その均一な塗布を容易に為し得る。コーティングはスクリーン印刷の原理を用いて実施してもよいし、他の方法により実施してもよい。マイクロニードル・シート10自体に活性成分を内包させることは、例えば、生分解性のシートまたは水溶性高分子を用いて作製されるシートを用いる場合に可能である。
マイクロニードル・シート10は、主面11aが剥離ライナーにより保護された形態で提供されてもよい。剥離ライナーの材料の例としてPET等のプラスチックが挙げられる。しかし、その材料は何ら限定されるものでなく、例えば金属や他の種類の樹脂などが用いられてもよい。マイクロニードル・シート10が剥離ライナーで保護される場合には、マイクロニードル・シート10はテープや粘着剤などにより剥離ライナーの片面に固定または仮着される。
各マイクロニードル12は、曲げられるまではシート本体11の主面11aに沿って寝た状態にある。したがって、マイクロニードル・シート10を実際に使用する前の段階で、マイクロニードル12が他の物(例えばユーザの皮膚や衣服など)に当たったり引っ掛かったりする心配がない。その結果、マイクロニードル12の取扱時の安全性を確保することができる。例えば、ユーザはマイクロニードル・シート10の保管、搬送、および、使用直前の準備を安全に行うことができる。
[マイクロニードル・シートの使用方法]
図3および図4を参照しながら、マイクロニードル・シート10の使用方法について説明する。図3はマイクロニードル・シート10の使用方法の一例を示す図である。図4はマイクロニードル12の立ち上がりの一例を示す図である。
一例では、まず、曲げられていないマイクロニードル・シート10が皮膚S上に置かれる。この段階では、それぞれのマイクロニードル12の側面が皮膚Sに接するが、マイクロニードル12の先端はまだ皮膚Sに接していない。続いて、シート本体11の第1端13が皮膚Sから離れる方向に引かれることで、シート本体11の第1部分が第1側91から曲げられる。「シート本体の第1部分が第1側から曲げられる」とは、マイクロニードル12の先端が位置する側(すなわち第2側)よりも先に、マイクロニードル12の根元が位置する側(すなわち第1側)から第1部分が曲げられることをいう。一例では、シート本体11の第1部分が第1側91から鋭角に曲げられる。「シート本体の第1部分が鋭角に曲げられる」とは、第1部分よりも第1端13の側に位置するシート本体の第1側部分と、第1部分よりも第2端14の側に位置するシート本体の第2側部分との成す角度が90°未満になるように該第1部分が曲げられることをいう。例えば、その角度が0°またはほぼ0°になるように、すなわちシート本体11を反転させるように(言い換えると、シート本体11を180°曲げるように)、第1部分が曲げられてもよい。
シート本体11の第1部分が曲げられることで、該第1部分に位置するマイクロニードル12が主面11aから立ち上がり、立ち上がったマイクロニードル12が皮膚Sに適用される。立ち上がったマイクロニードル12が皮膚Sに適用されることで、皮膚Sには穴のような微細な傷Hが付く。第1部分の曲がり具合を示す曲率半径は限定されず、シート本体11およびマイクロニードル12の厚さ、マイクロニードル12の高さなどの諸要素を考慮して任意の基準で設定されてよい。例えば、曲率半径は250μm~1000μmの間の任意の値でもよい。
図4を参照しながら、皮膚Sに対するマイクロニードル12の働きをより具体的に説明する。シート本体11の第1部分11bが曲げられる段階では、マイクロニードル12と主面11aとの成す角度が増加し、これは、マイクロニードル12が主面11aから立ち上がることを意味する。その段階では、立ち上がったマイクロニードル12の先端12aが主面11aから露出し、露出した先端12aが皮膚Sに接する。第1端13の移動に伴って、その先端12aは第2側92から第1側91に向かう方向93に沿って皮膚S上を進みながら皮膚Sを削る。第1端13がさらに移動して第1部分11bが再び真っすぐになる段階では、立ち上がったマイクロニードル12と主面11aとの成す角度が減少して、最終的にはその角度が0°またはほぼ0°になる。すなわち、そのマイクロニードル12は再び主面11aに沿って寝た状態になる。
第1部分11bにおいて複数のマイクロニードル12が幅方向(第2方向)に沿って一列に並んでいる場合には、第1部分11bがその幅方向(第2方向)に沿って曲げられることで、該一列の2以上のマイクロニードル12が一度に立ち上がる。これは、その列の複数のマイクロニードル12から選択される任意の第1マイクロニードルと該第1マイクロニードルの隣に位置する第2マイクロニードルとが一度に立ち上がることを意味する。
一例では、シート本体11の第1端がさらに引かれることで、シート本体11が徐々に皮膚Sから剥がされていく。この間も、シート本体11の個々の第1部分11bが曲げられることで、該第1部分11bに位置するマイクロニードル12が主面から立ち上がる。そして、その立ち上がったマイクロニードル12の先端が皮膚Sに接して方向93に沿って該皮膚S上を進むことで、該立ち上がったマイクロニードル12が皮膚Sに適用される。この結果、皮膚S上には複数のマイクロニードル12によって穴のような複数の微細な傷Hが付く。
図5は、マイクロニードル・マイクロニードル・シート10の適用を確かめるための、ヒト皮膚を用いたin vitro試験の結果を示す写真である。この試験では、PET製のマイクロニードル・シートを用い、マイクロニードルの長さおよび先端角度をそれぞれ500μm、45°に設定した。マイクロニードル・シートを曲げたときの曲率半径は300μmであった。この試験では、第1部分でシート本体を180°曲げることでマイクロニードルをシート本体の主面から立ち上げた。複数のマイクロニードルが適用されたヒト皮膚をローダミンによって染色し、そのヒト皮膚を撮影することで、形成された傷Hを確認した。図5から明らかなように、本開示に係るマイクロニードル・シートの使用方法によってマイクロニードルを効果的に皮膚に適用することができる。
[アプリケータの構造]
図6および図7を参照しながらアプリケータの一例を説明する。図6は実施形態に係るアプリケータ100を下方から見た斜視図であり、図7はそのアプリケータ100を上方から見た斜視図である。
アプリケータ100はマイクロニードル・シート10および貼付剤20を皮膚に適用するための補助器具である。より具体的には、アプリケータ100は、マイクロニードル・シート10により皮膚に微細な傷を付け、その場所に貼付剤20を適用する。この結果、貼付剤20に含まれていた活性成分が経皮投与される。
貼付剤20は、パップ剤、テープ剤、含浸剤(例えば絆創膏)、フィルム製剤などとして用いられる製剤である。一例では、貼付剤20はシート状の支持体の一方の面の少なくとも一部または略全体に粘着剤層を形成することで得られる。支持体は例えば、織布、編布、不織布、不織紙、またはフィルムによって形成されてもよく、伸縮性を有してもよい。一例では、貼付剤20を折り返したり皮膚の表面形状に追従させたりすることができるような柔軟性を貼付剤20に持たせることができるように材料が選択される。粘着剤層は任意の活性成分を含む。「粘着剤層が活性成分を含む」とは、粘着剤層がその中に活性成分を含有する態様と、活性成分が粘着剤層の作用面に付着した態様との双方を含む概念である。
アプリケータ100は、マイクロニードル・シート10が取り付けられた第1カートリッジ110と、貼付剤20が取り付けられた第2カートリッジ120とを備える。第2カートリッジ120は第1カートリッジ110の上に重ねられる。第1カートリッジ110と第2カートリッジ120とを結合させる手法は限定されず、任意の構造または手法が採用されてよい。本実施形態では、第1カートリッジ110が位置する側をアプリケータ100の下側と定義し、第2カートリッジ120が位置する側をアプリケータ100の上側と定義する。
第1カートリッジ110は、平板状の第1支持板111と、この第1支持板111に取り付けられた環状の第1フィルム112と、この第1フィルム112に固定されたマイクロニードル・シート10とを備える。第1フィルム112に覆われる第1支持板111の両端はいずれも丸められ、一方の端は、マイクロニードル・シート10を皮膚に適用するためにマイクロニードル・シート10を曲げる曲げ部113として機能する。第1フィルム112は第1支持板111の周りを回転することができる。マイクロニードル・シート10は、第1支持板111の下面側に位置する第1フィルム112の部分に、それぞれのマイクロニードル12の根元が曲げ部113の側を向くように、固定される。
第2カートリッジ120は、平板状の第2支持板121と、この第2支持板121に取り付けられた環状の第2フィルム122と、この第2フィルム122に取り付けられた貼付剤20とを備える。第2フィルム122に覆われる第2支持板121の両端はいずれも丸められ、一方の端は、マイクロニードル12が適用された皮膚に向けて貼付剤20を供給する供給端123として機能する。供給端123は曲げ部113の上に位置する。第2フィルム122は第2支持板121の周りを回転することができる。貼付剤20の一部は、第2支持板121の上面側に位置する第2フィルム122の部分に仮着され、貼付剤20の残りの部分は、第2フィルム122に貼られることなく供給端123から外側にはみ出る。
アプリケータ100を作製するための材料は限定されない。例えば、支持板の材料はアクリル等のプラスチックでもよいし、金属でもよいし、他の種類の樹脂などでもよいし、これらの組合せでもよい。フィルムの材料はPETでもよい。貼付剤20を第2フィルム122から剥離し易くするために、シリコーン、フッ素化ポリオレフィンなどによる離型処理が第2フィルム122に施されてもよい。
アプリケータ100の寸法は任意の基準で決めてよい。例えば、アプリケータ100の幅はマイクロニードル・シート10および貼付剤20の幅に応じて決められてもよい。アプリケータ100の高さおよび全長(長手方向に沿った長さ)は、アプリケータ100の操作性、皮膚へのマイクロニードル・シート10の適用範囲などの諸要素を考慮して決められてもよい。曲げ部113の形状または曲率半径は、皮膚へのマイクロニードル12の適用を考慮して任意の方針で設計されてよい。
[アプリケータの使用方法]
図8はアプリケータ100の使用方法の一例を示す図であり、より具体的には、アプリケータ100を用いてマイクロニードル・シート10および貼付剤20を皮膚に適用する方法の一例を示す図である。
ユーザは、第1カートリッジ110が第2カートリッジ120より下に位置するようにアプリケータ100を皮膚S上に置き、供給端123からはみ出た貼付剤20の端部を皮膚Sに貼る。この段階では、それぞれのマイクロニードル12の側面が皮膚Sに接するが、該マイクロニードル12の先端はまだ皮膚Sに接していない。
続いて、ユーザは、曲げ部113および供給端123が位置する側とは反対の方向である移動方向94に沿って、皮膚S上でアプリケータ100を動かす。この操作により、第1カートリッジ110では、第1フィルム112が曲げ部113において下から上に移動するように回転する(図8では、この回転は時計回りの動きとして表現される)。その回転によって曲げ部113がマイクロニードル・シート10へと近づく。一方、第2カートリッジ120では、第2フィルム122が供給端123において上から下に移動するように回転する(図8では、この回転は反時計回りの動きとして表現されている)。その回転によって、第2フィルム122上に仮着されていた貼付剤20の部分が供給端123に向かって進む。
シート本体11の第1部分が曲げ部113上に位置すると、その第1部分が鋭角に曲げられることで(より具体的には、シート本体11を反転させるように第1部分が曲げられることで)、該第1部分に位置するマイクロニードル12が主面11aから立ち上がる。立ち上がったマイクロニードル12は図4に示すように皮膚Sに適用される。ユーザがアプリケータ100を動かし続けると、マイクロニードル12が適用された領域Pに、供給端123から出てきた貼付剤20が貼られる。ユーザは、マイクロニードル・シート10の全体が第1支持板111の上側に移り且つ貼付剤20の全体が供給端123から皮膚Sに供給されるまで、アプリケータ100を移動方向94に沿って動かす。この結果、複数のマイクロニードル12によって複数の微細な傷が付けられた領域Pに貼付剤20が貼られる。
ユーザは、まずマイクロニードル・シート10を皮膚に適用して、その後に該皮膚に貼付剤20を適用するという一連の作業を、アプリケータ100を移動方向94に沿って動かすという一つの操作で行うことができる。ユーザはアプリケータ100を所望の距離だけ動かすことで、マイクロニードル・シート10および貼付剤20の適用面積を調整して所望の量の活性成分を投与することができる。アプリケータ100を用いることで、誰もが同じ方法でマイクロニードル・シート10および貼付剤20を皮膚に適用することができる。これは、マイクロニードル・シート10および貼付剤20の皮膚への適用におけるばらつきを低減できることを意味する。
[効果]
以上説明したように、本開示の一側面に係るマイクロニードル・シートは、主面を有するシート本体と、シート本体に形成され且つ主面に沿って寝た状態である少なくとも一つのマイクロニードルとを備える。少なくとも一つのマイクロニードルのそれぞれは、シート本体の第1側に位置する根元と、該第1側の反対側であるシート本体の第2側を向く先端とを有する。シート本体の第1部分が第1側から曲げられることで、該第1部分に位置するマイクロニードルが主面から立ち上がり、該立ち上がったマイクロニードルが皮膚に適用される。
このような側面においては、シート本体が曲げられるまではマイクロニードルがシート本体の主面に沿って寝た状態にある。このことは、マイクロニードルが皮膚に適用されるまでは、マイクロニードルの先端が該主面上から突き出ていないことを意味する。したがって、マイクロニードル・シートを皮膚に適用しない限り、マイクロニードルが他の物に当たったり引っ掛かったりする心配がない。その結果、マイクロニードルの取扱時の安全性を確保することができる。
加えて、マイクロニードルはシート本体の主面から立ち上げられて皮膚に適用されるので、マイクロニードル・シートに衝撃を加えることなくマイクロニードルを皮膚に適用することができる。これは、被投与者に恐怖感を与えずに活性成分を投与することを可能にする。
他の側面に係るマイクロニードル・シートでは、シート本体の第1部分が鋭角に曲げられてもよい。このようにシート本体を曲げることでマイクロニードルをより確実に該シート本体の主面から立ち上げることができる。
他の側面に係るマイクロニードル・シートでは、立ち上がったマイクロニードルの先端が皮膚に接し、該皮膚に接した該先端が、第2側から第1側に向かう方向に沿って該皮膚上を進むことで、該立ち上がったマイクロニードルが該皮膚に適用されてもよい。マイクロニードルがこのように動くことで皮膚に微細な傷が付くので、その傷口を介して活性成分をより効率的に生体内に投与することが可能になる。
他の側面に係るマイクロニードル・シートでは、立ち上がったマイクロニードルが皮膚に適用された後に、該マイクロニードルが再び主面に沿って寝た状態になってもよい。マイクロニードルは皮膚に適用される段階でのみシート本体の主面から立ち上がるので、マイクロニードル・シートの使用前だけでなくその使用後にも、マイクロニードルの取扱時の安全性を確保することができる。
他の側面に係るマイクロニードル・シートでは、第1部分が曲げられる前に、該第1部分に位置するマイクロニードルの側面が皮膚に接してもよい。このように第1部分を位置付けることで、第1部分を曲げた際にマイクロニードルをシート本体の主面からより確実に立ち上げることができる。
他の側面に係るマイクロニードル・シートでは、シート本体が帯状であり、少なくとも一つのマイクロニードルが複数のマイクロニードルであり、複数のマイクロニードルが、第1側から第2側にわたって延びるシート本体の第1方向と、該第1方向と直交する第2方向のそれぞれにおいて一列に並ぶように形成されてもよい。帯状のシート本体に複数のマイクロニードルをこのように規則的に配置することで、複数のマイクロニードルを効率的に皮膚に適用することができる。
他の側面に係るマイクロニードル・シートでは、第2方向に沿って第1部分が曲げられることで、第1部分に位置する列の2以上のマイクロニードルが一度に立ち上がってもよい。このように第1部分を曲げることで、複数のマイクロニードルを効率的に皮膚に適用することができる。
本開示の一側面に係るアプリケータは、マイクロニードル・シートと、マイクロニードル・シートを曲げるための曲げ部とを備える。マイクロニードル・シートは、主面を有するシート本体と、シート本体に形成され且つ主面に沿って寝た状態である少なくとも一つのマイクロニードルとを備える。少なくとも一つのマイクロニードルのそれぞれは、シート本体の第1側に位置する根元と、該第1側の反対側であるシート本体の第2側を向く先端とを有する。曲げ部がシート本体の第1部分を第1側から曲げることで、該第1部分に位置するマイクロニードルが主面から立ち上がり、該立ち上がったマイクロニードルが皮膚に適用される。
このような側面においては、シート本体が曲げられるまではマイクロニードルがシート本体の主面に沿って寝た状態にある。このことは、マイクロニードルが皮膚に適用されるまでは、マイクロニードルの先端が該主面上から突き出ていないことを意味する。したがって、マイクロニードル・シートを皮膚に適用しない限り、マイクロニードルが他の物に当たったり引っ掛かったり心配がない。その結果、マイクロニードルの取扱時の安全性を確保することができる。
加えて、マイクロニードルはシート本体の主面から立ち上げられて皮膚に適用されるので、マイクロニードル・シートに衝撃を加えることなくマイクロニードルを皮膚に適用することができる。これは、被投与者に恐怖感を与えずに活性成分を投与することを可能にする。
さらに、そのアプリケータの利用によって、誰もが同じ方法でマイクロニードル・シートを皮膚に適用することが可能になるので、皮膚へのマイクロニードル・シートの適用におけるばらつきを低減することができる。
他の側面に係るアプリケータでは、マイクロニードル・シートと曲げ部とを有する第1カートリッジと、マイクロニードルが適用された皮膚へと貼付剤を供給する第2カートリッジとを備えてもよい。この場合には、ユーザは、まずマイクロニードル・シートを皮膚に適用して、その後に該皮膚に貼付剤を適用するという一連の作業をアプリケータによって簡単に行うことができる。
[変形例]
以上、本開示をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
上記実施形態では帯状のマイクロニードル・シート10の長手方向が第1方向であり、幅方向が第2方向であるが、帯状のマイクロニードル・シートの形状と、第1および第2方向との関係はこれに限定されない。例えば、帯状のマイクロニードル・シートの幅方向が第1方向であり、長手方向が第2方向でもよい。マイクロニードル・シートの形状は帯状に限定されない。例えば、その形状は、長さおよび幅が略同じ矩形であってもよいし、円または楕円であってもよいし、八角形などの他の多角形でもよいし、より複雑な形状でもよい。
マイクロニードル・シートはアプリケータと共に用いられてもよいし、アプリケータを用いることなく皮膚に適用されてもよい。
マイクロニードル・シートは、電気(イオントフォレシス(iontophoresis))、圧力、磁場、超音波(ソノフォレシス(sonophoresis))のうちの少なくとも一つを含む他の経皮吸収促進技術と併用することができる。すなわち、他の側面に係るマイクロニードル・シートでは、マイクロニードル・シートが他の経皮吸収促進技術と併用可能であり、他の経皮吸収促進技術が、電気、圧力、磁場、および超音波のうちの少なくとも一つを含んでもよい。マイクロニードル・シートとこれらのような他の技術とを併用することで、活性成分の投与量をさらに増加させることができる。
上記実施形態では、シート本体11の第1部分が曲げられる前にマイクロニードル・シート10(シート本体11)が皮膚上に置かれる。すなわち、シート本体11の第1部分が曲げられる前にそれぞれのマイクロニードル12の側面が皮膚に接する。しかし、マイクロニードル・シートを曲げてマイクロニードルを立ち上げて、その立ち上がったマイクロニードルを皮膚に適用することができるのであれば、マイクロニードル・シート(シート本体)を予め皮膚上に置くことは必須ではない。
上記実施形態ではアプリケータ100が第1カートリッジ110および第2カートリッジ120を備える。しかし、アプリケータは、マイクロニードル・シート以外のシート部材を皮膚に適用するための構成を備えなくてもよい。例えば、上記のアプリケータ100に対して、第2カートリッジ120を省略する変形を施してもよい。
マイクロニードル・シートを曲げてマイクロニードルを立ち上げることができるのであれば、アプリケータの形状および構造は何ら限定されない。例えば、アプリケータは直線的な一本の棒のような形状を成していてもよい。あるいは、アプリケータは任意の機械的、電気的、または電子的な構造または制御手段を備えてもよい。
上記実施形態では、アプリケータ100の操作によって曲げ部113がマイクロニードル・シート10へと近づくことでシート本体11の第1部分が曲げ部113上に位置する。しかし、マイクロニードル・シートをアプリケータの曲げ部上に位置させるための仕組みはこれに限定されない。例えば、マイクロニードル・シートが曲げ部へと近づく構成が採用されてもよい。
上記実施形態では、アプリケータ100はマイクロニードル・シート10および貼付剤20を皮膚に適用する機能を有する。しかし、マイクロニードル・シートと共に用いられるシート部材は貼付剤に限定されず、他の任意の種類のシート部材がマイクロニードル・シートと共に用いられてもよい。
[マイクロニードル・デバイスの使用方法]
アプリケータを用いるか否かにかかわらず、マイクロニードル・シートの使用方法を上記の説明に基づいて以下のように規定することができる。
(項目1)
主面を有するシート本体と、該シート本体に形成され且つ該主面に沿って寝た状態である少なくとも一つのマイクロニードルとを備えるマイクロニードル・シートを準備するステップであって、該少なくとも一つのマイクロニードルのそれぞれが、該シート本体の第1側に位置する根元と、該第1側の反対側である該シート本体の第2側を向く先端とを有する、該ステップと、
前記シート本体の第1部分を前記第1側から曲げ、これにより、該第1部分に位置する前記マイクロニードルを前記主面から立ち上げるステップと、
前記立ち上がったマイクロニードルを皮膚に適用するステップと
を含む方法。
(項目2)
前記第1部分を曲げるステップが、前記第1部分を鋭角に曲げることを含む、
項目1に記載の方法。
(項目3)
前記立ち上がったマイクロニードルを適用するステップが、
前記立ち上がったマイクロニードルの前記先端を前記皮膚に当てるステップと、
前記皮膚に接した前記先端を、該皮膚上において前記第2側から前記第1側に向かう方向に沿って進ませるステップとを含む、
項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記立ち上がったマイクロニードルを前記皮膚に適用した後に、該マイクロニードルを再び前記主面に沿って寝た状態にさせるステップをさらに含む項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記第1部分を曲げる前に、該第1部分に位置する前記マイクロニードルの側面を前記皮膚に当てるステップをさらに含む項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記シート本体が帯状であり、
前記少なくとも一つのマイクロニードルが複数のマイクロニードルであり、
前記複数のマイクロニードルが、前記第1側から前記第2側にわたって延びる前記シート本体の第1方向と、該第1方向と直交する第2方向のそれぞれにおいて一列に並ぶように形成される、
項目1~5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記第1部分を曲げるステップが、前記第2方向に沿って前記第1部分を曲げることで、前記第1部分に位置する列の2以上のマイクロニードルを一度に立ち上げることを含む、
項目6に記載の方法。
(項目8)
電気、圧力、磁場、および超音波のうちの少なくとも一つを含む他の経皮吸収促進技術を使用するステップをさらに含む項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
10…マイクロニードル・シート、11…シート本体、11a…主面、11b…第1部分、12…マイクロニードル、12a…マイクロニードルの先端、13…第1端、14…第2端、20…貼付剤、91…第1側、92…第2側、100…アプリケータ、110…第1カートリッジ、111…第1支持板、112…第1フィルム、113…曲げ部、120…第2カートリッジ、121…第2支持板、122…第2フィルム、123…供給端、S…皮膚、H…傷。

Claims (9)

  1. 主面を有するシート本体と、
    前記シート本体に形成され且つ前記主面に沿って寝た状態である少なくとも一つのマイクロニードルと
    を備え、
    前記少なくとも一つのマイクロニードルのそれぞれが、前記シート本体の第1側に位置する根元と、該第1側の反対側である前記シート本体の第2側を向く先端とを有し、
    前記シート本体の第1部分が曲げられる前に、該第1部分に位置する前記マイクロニードルの側面が皮膚に接し、
    前記第1部分が前記第1側から曲げられることで、該第1部分に位置する前記マイクロニードルが前記主面から立ち上がり、該立ち上がったマイクロニードルが前記皮膚に適用される、
    マイクロニードル・シート。
  2. 前記シート本体の第1部分が鋭角に曲げられる、
    請求項1に記載のマイクロニードル・シート。
  3. 前記立ち上がったマイクロニードルの前記先端が前記皮膚に接し、該皮膚に接した該先端が、前記第2側から前記第1側に向かう方向に沿って該皮膚上を進むことで、該立ち上がったマイクロニードルが該皮膚に適用される、
    請求項1または2に記載のマイクロニードル・シート。
  4. 前記立ち上がったマイクロニードルが前記皮膚に適用された後に、該マイクロニードルが再び前記主面に沿って寝た状態になる、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のマイクロニードル・シート。
  5. 前記シート本体が帯状であり、
    前記少なくとも一つのマイクロニードルが複数のマイクロニードルであり、
    前記複数のマイクロニードルが、前記第1側から前記第2側にわたって延びる前記シート本体の第1方向と、該第1方向と直交する第2方向のそれぞれにおいて一列に並ぶように形成される、
    請求項1~のいずれか一項に記載のマイクロニードル・シート。
  6. 前記第2方向に沿って前記第1部分が曲げられることで、前記第1部分に位置する列の2以上のマイクロニードルが一度に立ち上がる、
    請求項に記載のマイクロニードル・シート。
  7. 前記マイクロニードル・シートが他の経皮吸収促進技術と併用可能であり、
    前記他の経皮吸収促進技術が、電気、圧力、磁場、および超音波のうちの少なくとも一つを含む、
    請求項1~のいずれか一項に記載のマイクロニードル・シート。
  8. マイクロニードル・シートと、
    前記マイクロニードル・シートを曲げるための曲げ部と
    を備え、
    前記マイクロニードル・シートが、主面を有するシート本体と、前記シート本体に形成され且つ前記主面に沿って寝た状態である少なくとも一つのマイクロニードルとを備え、
    前記少なくとも一つのマイクロニードルのそれぞれが、前記シート本体の第1側に位置する根元と、該第1側の反対側である前記シート本体の第2側を向く先端とを有し、
    前記シート本体の第1部分が曲げられる前に、該第1部分に位置する前記マイクロニードルの側面が皮膚に接し、
    前記曲げ部が前記第1部分を前記第1側から曲げることで、該第1部分に位置する前記マイクロニードルが前記主面から立ち上がり、該立ち上がったマイクロニードルが前記皮膚に適用される、
    アプリケータ。
  9. 前記マイクロニードル・シートと前記曲げ部とを有する第1カートリッジと、
    前記マイクロニードルが適用された前記皮膚へと貼付剤を供給する第2カートリッジと
    を備える請求項に記載のアプリケータ。
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