JP6943059B2 - 経皮投与デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、微小な突起部を有する凹凸構造体を投与部として備える経皮投与デバイスに関する。
薬剤の投与対象に対して薬剤を皮膚から投与する方法として、経皮投与デバイスを用いる方法が知られている。経皮投与デバイスは、皮膚を穿孔するための微小な突起部と、複数の突起部を支持する部分である基体とを有する凹凸構造体である投与部を備えている。例えば、投与部の一例であるマイクロニードルは、先端に向けて尖る針形状を有した突起部を基体の表面に有している。さらに、経皮投与デバイスは、こうした投与部とともに、投与部を皮膚に固定するための粘着シートを備えている。粘着シートは、粘着面の一部が基体の外側にはみ出すように、基体の裏面に貼り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
経皮投与デバイスを用いて薬剤を投与するとき、経皮投与デバイスの使用者は、薬剤の投与部位の皮膚にマイクロニードルの基体を押し付けるとともに、基体の周囲にはみ出ている粘着シートを皮膚に貼り付けて経皮投与デバイスを皮膚に固定する。これによって、突起部が皮膚を穿孔し、突起部によって形成された孔から、薬剤が投与対象の体内に送り込まれる。
特開2016−189844号公報
ところで、薬剤の的確な投与のためには、複数の突起部の各々が皮膚に十分に刺さり、上述の孔が薬剤の投与に適した所望の深さに形成されることが好ましい。そのためには、複数の突起部が、曲面である皮膚の表面に沿うように配置されることが望ましい。
例えば、基体が、皮膚の表面の形状に合わせて変形が可能な程度の柔軟性を有する構成であれば、複数の突起部を皮膚の表面に沿わせて配置することが可能である。一方で、基体を構成する材料は、突起部とともに1つの構造体を構成するように基体を形成可能な材料に限られ、また、基体には、離型等の製造工程に耐え得る強度も必要である。それゆえ、上述の柔軟性の条件を満たすように基体を構成することは、必ずしも容易ではない。
したがって、基体の有する特性に依らずに、複数の突起部を皮膚の表面に沿わせて配置することのできる経皮投与デバイスが求められている。
本発明は、複数の突起部を皮膚に沿って容易に配置できる経皮投与デバイスを提供することを目的とする。
上記課題を解決する経皮投与デバイスは、粘着面を有する粘着シートと、第1面を有する基体、および、前記第1面から突き出た突起部を各々が有する複数の投与部であって、前記粘着シート上において前記粘着面に対して前記突起部が突き出している前記複数の投与部と、を備え、前記第1面と対向する方向から見て、前記複数の投与部は間隔をあけて並び、前記粘着シートが位置する領域のなかで前記投与部の位置しない領域が非配置領域であり、前記非配置領域には、前記複数の投与部の間を通って直線状に延びる間隙領域であって、前記間隙領域におけるその延びる方向の両端部が前記粘着シートの外縁に位置する前記間隙領域が含まれる。
上記構成によれば、間隙領域における経皮投与デバイスの柔軟性は、投与部が位置する領域における経皮投与デバイスの柔軟性と比較して高くなる。したがって、経皮投与デバイスが有するすべての突起部が共通する1つの基体上に位置する構成と比較して、経皮投与デバイスの柔軟性が部分的に高められる。それゆえ、上記経皮投与デバイスによれば、複数の突起部を皮膚に沿って容易に配置することができる。
上記構成において、前記第1面と対向する方向から見て、前記基体は、帯状を有してもよい。
上記構成によれば、直線状に延びる間隙領域が形成されるように複数の投与部を配置することが容易である。また、投与部の配置によって、経皮投与デバイスの曲がりやすい方向を制御しやすい。したがって、複数の投与部の配置の設計に要する負荷が軽減できる。
上記構成において、前記第1面と対向する方向から見て、各投与部の前記基体は、同一の方向に沿って延び、前記複数の投与部は、前記基体の延びる方向と直交する方向に沿って並んでもよい。
上記構成によれば、基体の延びる方向に沿って延びる間隙領域が形成される。さらに、複数の間隙領域が形成される場合には、これらの間隙領域は、複数の投与部が並ぶ方向に沿って並ぶ。こうした構成によれば、経皮投与デバイスを薬剤の投与部位に巻き付ける場合等、経皮投与デバイスを1つの方向に湾曲させるように用いる場合に適した経皮投与デバイスが実現される。
上記構成において、患部を保護するためのパッド部をさらに備え、前記第1面と対向する方向から見て、前記パッド部は前記複数の投与部の間に位置してもよい。
上記構成によれば、経皮投与デバイスを用いることによって、患部を保護しつつ、患部の付近に薬剤を投与することができる。
上記構成において、前記経皮投与デバイスは、ロール状に巻かれてロール体を構成していてもよい。
上記構成によれば、経皮投与デバイスの保管や運搬が容易である。そして、経皮投与デバイスの柔軟性が高められていることにより、経皮投与デバイスは曲がりやすいため、経皮投与デバイスによってロール体を容易に構成することができる。
上記構成において、前記粘着シートは、基材シートと、前記基材シートの表面を覆う粘着層とを有し、前記粘着層における前記基材シートに接する面とは反対側の面が前記粘着面であり、前記粘着面に、前記基体における前記第1面とは反対側の面である第2面が接してもよい。
上記構成によれば、粘着シート上に複数の投与部を並べることによって経皮投与デバイスを形成可能であるため、経皮投与デバイスの形成が容易である。また、突起部が、その基部まで皮膚に刺さる部分として機能可能であるため、薬剤の投与に際して突起部の長さを有効に利用できる。
上記構成において、前記粘着シートは、基材シートと、前記基材シートの表面を覆う粘着層とを有し、前記粘着層における前記基材シートに接する面とは反対側の面が前記粘着面であり、前記基体は前記基材シートと前記粘着層とに挟まれ、前記突起部は、前記粘着層を貫通して前記粘着層よりも突き出していてもよい。
上記構成によれば、粘着面において、投与対象の皮膚に貼り付けられる領域を広く確保可能であるため、投与対象に対する経皮投与デバイスの位置のずれや、経皮投与デバイスが皮膚から剥がれることがより抑えられる。また、基体が投与対象に直接接触しないため、基体の端部に形成される段差が投与対象に違和感を与えることも抑えられる。
本発明によれば、複数の突起部を皮膚に沿って容易に配置することができる。
経皮投与デバイスの第1実施形態について、経皮投与デバイスの斜視構造を示す斜視図。 第1実施形態における経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図。 第1実施形態における経皮投与デバイスの断面構造を示す断面図。 第1実施形態の経皮投与デバイスの使用の過程を示す図。 皮膚に固定された第1実施形態の経皮投与デバイスを示す図。 第1実施形態の変形例における経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図。 第1実施形態の変形例における経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図。 第1実施形態の変形例の経皮投与デバイスの使用の過程を示す図。 皮膚に固定された第1実施形態の変形例の経皮投与デバイスを示す図。 皮膚に固定された第1実施形態の変形例の経皮投与デバイスを示す図。 第1実施形態の変形例における経皮投与デバイスの斜視構造を示す平面図。 第1実施形態の変形例における経皮投与デバイスの斜視構造を示す平面図。 第1実施形態の変形例における経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図。 第1実施形態の変形例における経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図。 第1実施形態の変形例における経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図。 経皮投与デバイスの第2実施形態について、経皮投与デバイスの斜視構造を示す斜視図。 第2実施形態における経皮投与デバイスの平面構造を示す平面図。 第2実施形態における経皮投与デバイスの断面構造を示す断面図。
(第1実施形態)
図1〜図15を参照して、経皮投与デバイスの第1実施形態について説明する。
[経皮投与デバイスの構成]
図1〜図3を参照して、経皮投与デバイスの構成について説明する。
図1が示すように、経皮投与デバイス10は、複数の投与部20と、粘着シート30とを備えている。投与部20は、凹凸構造体の一例であって、例えば、針形状の突起部を有するマイクロニードルに具体化される。
投与部20は、板状を有する基体21と、基体21から突き出た突起部22とを備えている。基体21は、突起部22の配置された面である第1面21Sと、第1面21Sとは反対側の面である第2面21Tとを有し、第1面21Sは突起部22の基端を支持している。
突起部22の形状は、特に限定されないが、錐体形状であることが好ましい。錐体とは、平面上の閉じた領域と、この平面外の一つの点である規定点とを規定して、上記閉じた領域を、平面から規定点に向けて移動させつつ、相似形状を保ったまま拡大せずに規定点に一致する形状になるまで変形させたときに、当該領域が通過する部分から構成される立体である。錐体は、三角錐や四角錐等の、いわゆる数学的な意味での錐体を含む。この場合、平面上の閉じた領域が底面であり、規定点が頂点である。ここでの頂点とは、数学的な意味での点ではなく、一定の広がりをもった範囲を指す。平面で囲まれた錐体形状には、例えば、三角錐や四角錐等の、底面が多角形である錐体形状が含まれる。また、曲面で囲まれた錐体形状には、例えば、円錐等の、底面が円である錐体形状が含まれる。
なお、突起部22は、例えば、円柱形状や角柱形状のように、先端が尖っていない形状を有していてもよい。また、突起部22は、例えば、円柱に円錐が積層された形状のように、2以上の立体が結合した形状を有していてもよい。要は、突起部22は皮膚を刺すことが可能な形状であればよい。また、突起部22の側壁には、括れや段差が形成されていてもよいし、溝や孔が形成されていてもよい。投与部20が複数の突起部22を有する場合、複数の突起部22には、互いに異なる形状の突起部22が含まれてもよい。
粘着シート30は、基材シート31と、基材シート31が有する2つの面のうちの一方である表面を覆う粘着層32とを備えている。粘着層32における基材シート31と接する面とは反対側の面が、粘着シート30の粘着面30Sである。粘着面30Sに基体21の第2面21Tが貼り付けられ、これによって、粘着シート30は複数の投与部20を支持し、突起部22は、粘着面30Sに対して突き出ている。
図2が示すように、第1面21Sと対向する方向、すなわち、粘着面30Sと対向する方向から見て、各投与部20の基体21は、1つの方向に延びる帯状を有する。複数の投与部20において、基体21の延びる方向は一致しており、この基体21の延びる方向が第1方向D1である。第1面21Sと対向する方向から見た基体21の形状は、第1方向D1に沿って延びる帯状であれば、矩形状であってもよく、楕円形状であってもよく、長円形状であってもよい。また、複数の投与部20において、各投与部20の基体21の形状はすべて同一であってもよいし、複数の投与部20が備える基体21には、互いに異なる形状を有する基体21が含まれていてもよい。
第1面21Sと対向する方向から見て、複数の投与部20は、粘着シート30の粘着面30S上において、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿って間隔をあけて並んでいる。
第1面21Sと対向する方向から見て、粘着シート30の外形は、複数の投与部20の集合が配置されている領域よりも大きく、当該領域の外周の全域にわたって、当該領域の外側に粘着層32がはみ出している。第1面21Sと対向する方向から見た粘着シート30の形状は特に限定されず、粘着シート30の外形は、矩形状であってもよいし、円形状や楕円形状であってもよい。
ここで、第1面21Sと対向する方向から見て、粘着シート30が位置する領域のなかで投与部20の位置しない領域が非配置領域Snである。非配置領域Snは、互いに隣り合う投与部20の間の領域を含む。さらに、非配置領域Snは、上記複数の投与部20の集合が配置されている領域の外側の領域、すなわち、第1方向D1における投与部20の端部の外側の領域および第2方向D2にて端部に位置する投与部20の外側の領域を含む。そして、非配置領域Snに、粘着シート30の粘着面30Sが露出している。
第1面21Sと対向する方向から見て、粘着シート30が有する2つの端部を複数の投与部20の間を通って直線状に結ぶ領域が間隙領域Siである。間隙領域Siは、非配置領域Snに含まれる。すなわち、経皮投与デバイス10の間隙領域Siにおける断面には、投与部20は存在しない。第1実施形態の経皮投与デバイス10においては、間隙領域Siは、互いに隣り合う2つの投与部20の間を通り、第1方向D1に沿って延びる。そして、複数の間隙領域Siは、第2方向D2に沿って並ぶ。
各投与部20において、突起部22の数は1以上であれば特に限定されない。投与部20が複数の突起部22を有する場合、第1面21Sと対向する方向から見て、複数の突起部22は、規則的に並んでいてもよいし、不規則に並んでいてもよい。例えば、複数の突起部22は、第1方向D1に沿って並ぶ。図1および図2においては、各投与部20において、複数の突起部22が1列に並ぶ構成を例示しているが、複数の突起部22は2列以上に並んでいてもよい。また、複数の投与部20において、投与部20ごとの突起部22の数や配列は、すべて同一であってもよいし、異なっていてもよい。
図3が示すように、突起部22の高さHtは、基体21の厚さ方向、すなわち第1面21Sと直交する方向における、第1面21Sから突起部22の先端までの長さである。突起部22の高さHtは、投与される薬剤の種類等に応じて、突起部22の穿孔によって形成する必要のある孔の深さに基づいて決定される。突起部22の高さHtは、20μm以上1000μm以下であることが好ましい。
突起部22の幅Wtは、基体21の広がる方向、すなわち第1面21Sと平行な方向における突起部22の最大の長さである。例えば、突起部22が正四角錐形状を有するとき、第1面21S内に区画された突起部22の底面である正方形の対角線が、突起部22の幅Wtである。突起部22の幅Wtは、必要とされる突起部22のアスペクト比や突起部22の穿孔によって形成する必要のある孔の容積等に応じて決定される。突起部22の幅Wtは、1μm以上300μm以下であることが好ましい。
突起部22の先端が尖った形状に形成される場合、突起部22の先端角θは5°以上45°以下であることが好ましい。突起部22の先端角θは、基体21の厚さ方向に沿った断面において、突起部22の先端が形成する角度の最大値である。例えば、突起部22が正四角錐形状を有するとき、突起部22の先端角θは、突起部22の底面の正方形の対角線を底辺とし、正四角錐の頂点を頂点とする三角形の頂角である。
基体21の厚さTtは、経皮投与デバイス10の使用に際して突起部22が皮膚を刺す際に突起部22を支持可能な強度を基体21が有する範囲内において、小さいほど好ましい。基体21の厚さTtが小さいほど、基体21と粘着シート30とが形成する段差が使用者に違和感を与えることが抑えられる。こうした観点から、基体21の厚さTtは、1μm以上1000μm以下であることが好ましい。
経皮投与デバイス10における皮膚への沿いやすさが高められることから、第2方向D2において、互いに隣り合う投与部20の間の距離Ptは、第2方向D2に沿った基体21の長さLt以上であることが好ましい。なお、複数の投与部20において、距離Ptは一定でなくてもよく、基体21の長さLtも一定でなくてもよい。距離Ptや基体の長さLtが一定ではない場合、互いに隣り合う2つの投与部20の間の距離Ptが、これら2つの投与部20の各々の基体21の長さLt以上であればよい。
なお、経皮投与デバイス10の製造に際して投与部20が取り扱いやすくなることから、基体21の長さLtは500μm以上であることが好ましい。また、経皮投与デバイス10における皮膚への沿いやすさが高められることから、基体21の長さLtは5000μm以下であることが好ましい。
粘着シート30の厚さTnは、特に限定されず、例えば、500μm以上2000μm以下である。基材シート31の厚さTnaは、粘着シート30の強度が高められること、および、粘着シート30が取り扱いやすくなること等の観点において、300μm以上であることが好ましい。また、基材シート31の厚さTnaは、経皮投与デバイス10が皮膚に貼り付けられている状態での使用者の快適さが高められること、および、粘着シート30が取り扱いやすくなること等の観点において、1800μm以下であることが好ましい。
基材シート31の透湿度は、10,000g/m・24hrs以下であることが好ましい。基材シート31の透湿度が上記範囲内であれば、外部から液体が粘着シート30を透過して投与部20の付近に進入することが好適に抑えられる。そのため、経皮投与デバイス10を皮膚に貼り付けた状態で使用者が水を扱う作業や屋外での作業を行う場合にも、投与部20の付近の衛生が好適に保たれ、また、経皮投与デバイス10が皮膚から剥がれることが抑えられる。さらに、こうした経皮投与デバイス10は、医療現場での使用にも適している。上記透湿度は、JIS Z 0208(1976)「防湿包装材料の等湿度試験方法(カップ法)」に従って算出される。
また、経皮投与デバイス10を皮膚に貼り付けるときに粘着シート30が取り扱いやすくなることから、基材シート31の伸び率は、150%以上であることが好ましい。上記伸び率は、JIS K 7127(1999)「プラスチック−引張特性の試験方法」に従って算出される。
粘着シート30の剥離接着強さは、1N/12mm以上50N/12mm以下であることが好ましい。粘着シート30の剥離接着強さが上記下限値以上であれば、粘着シート30が皮膚に貼り付いた状態を維持するために十分な接着力が得られる。一方、粘着シート30の剥離接着強さが上記上限値以下であれば、粘着シート30を皮膚から剥がすために要する力が過大になることが抑えられ、また、粘着層32が皮膚に与える刺激が過度に大きくなることが抑えられる。上記剥離接着強さは、JIS Z 0237(2009)「粘着テープ・粘着シート試験方法」に従って算出される。
なお、経皮投与デバイス10は、粘着シート30の粘着面30Sを覆う保護シートを備えていてもよい。この場合、経皮投与デバイス10の使用時には、保護シートは剥離される。
[経皮投与デバイスの製造方法]
上述の経皮投与デバイス10の製造方法を説明する。
<原版作製工程>
まず、投与部20の原版が作製される。原版は、作製対象の投与部20が有する突起部22と同一の形状および配列の突起部を有している。
原版の形成材料は特に限定されず、公知の微細加工技術によって加工可能な材料が用いられればよい。原版の形成材料としては、例えば、ステンレス鋼やアルミニウムやチタン等の金属材料、アルミナ、窒化アルミニウム、マシナブルセラミックス等のセラミックス、シリコンやガラス等の硬脆性材料、アクリルやポリアセタール等の有機材料等が挙げられる。原版の形成材料は、加工適性や、材料の入手容易性等を考慮して選択されることが好ましい。原版の形成には、機械加工技術や半導体装置の製造に用いられる加工技術等、公知の微細加工技術が用いられる。微細加工技術としては、例えば、ダイシング、サンドブラスト法、レーザー加工法、リソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法等が挙げられる。
なお、原版に対しては、原版の形状を転写した凹版を作製するにあたり、原版から凹版を離型しやすくするための加工や改質が行われてもよい。
<凹版作製工程>
続いて、原版の凹凸を反転させた形状の凹部を有する凹版が作製される。
凹版の形成材料としては、例えば、樹脂が用いられる。なかでも、成形性、成形物における微細形状の追従性、および、成形物の離型性が高いという観点から、シリコーン樹脂が用いられることが好ましく、シリコーン樹脂は、ポリジメチルシロキサンを含有するシリコーン樹脂であることが特に好ましい。こうしたシリコーン樹脂としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)(東レ・ダウコーニング社製、SYLGARD184等)に硬化剤を添加したシリコーン樹脂を用いることができる。凹版の形成材料として、離型性に優れたシリコーン樹脂が用いられることによって、成形物の離型性が向上するため、成形物の離型に際しての成形物の変形や型の損傷を抑えることができる。
凹版の作製に際しては、まず、原版の凹凸が、凹版の形成材料を含む液体によって埋められ、液体が硬化される。そして、硬化物が原版から剥離されることによって凹版が形成される。すなわち、原版の凹凸を写し取って反転させることによって凹版が形成される。
<充填工程>
続いて、凹版の凹部に、投与部20の形成材料が充填されて、成形物が形成される。
投与部20の形成材料は、凹版への充填によって成形可能な材料であれば特に限定されないが、生分解性を有する材料であることが好ましい。
生分解性を有する樹脂として、例えば、ポリカーボネート、ポリ乳酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・カーボネート、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポリエステルカーボネート、および、これらの混合物が挙げられる。特に、ポリ乳酸や、乳酸とグリコール酸の共重合体等が用いられることが好ましい。
また、投与部20の形成材料として水溶性高分子が用いられてもよい。水溶性高分子としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、キトサン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
なお、突起部22の形成材料と基体21の形成材料とは、互いに異なる組成を有していてもよい。
水溶性高分子と、非水溶性高分子、すなわち、非水溶性の樹脂とでは、非水溶性の樹脂から基体21が形成される場合の方が、基体21の柔軟性が低くなりやすい。したがって、基体21が非水溶性の樹脂から構成される場合に本実施形態の経皮投与デバイス10の構成が採用されれば、経皮投与デバイス10を皮膚に沿わせやすくなる効果により大きな利益が得られる。
投与部20の形成材料の凹版への充填方法は特に限られない。例えば、投与部20の形成材料として熱可塑性樹脂が用いられる場合には、生産性が高められる観点から、インプリント法、ホットエンボス法、射出成形法、押し出し成形法、または、キャスティング法などを利用して、形成材料が凹版へ充填され、成形物が形成されることが好ましい。また、投与部20の形成材料として、紫外線硬化性の樹脂が用いられてもよい。この場合、樹脂の硬化に温度変化を必要とせず、樹脂を常温で硬化できるため、樹脂における熱膨張率を考慮せずとも投与部20の成形が可能である。また、投与部20の形成材料として水溶性高分子が用いられる場合には、水溶性高分子が溶解された溶液が凹版に充填されればよい。充填物が乾燥により固化することによって、成形物が形成される。
<離型工程>
続いて、成形物が凹版から離される。凹版から離型された成形物が、投与部20とされてもよいし、離型後の成形物が機械加工により帯状に打ち抜かれることによって、投与部20が形成されてもよい。例えば、成形物の打ち抜きによって、投与部20の基体21の外形が整えられてもよいし、1つの成形物から複数の投与部20が形成されてもよい。
なお、凹版からの成形物の離型性を高めるために、すなわち、凹版から成形物を分離し易くするために、凹版に投与部20の形成材料を充填する前に、凹版の内側面に、成形物の離型性を高める機能を有する離型層を形成してもよい。例えば、離型層はフッ素系樹脂から構成される。離型層は、例えば、CVD法、スピンコート法、ディップコート法等の薄膜形成方法を用いることによって、好適に形成することができる。
<配置工程>
続いて、粘着シート30の粘着面30S上に複数の投与部20が配置される。これにより、経皮投与デバイス10が形成される。
粘着シート30における基材シート31の材料は、特に限定されず、例えば、メッシュ状に加工された樹脂や、織布や不織布等の繊維材料が用いられる。基材シート31の材料として、メッシュ状の素材や不織布が用いられると、粘着シート30における衝撃の吸収性や通気性が高められる。また、基材シート31の材料として、ポリエステル繊維等からなる織布が用いられると、基材シート31における透湿度が低く抑えられ、また、経皮投与デバイス10が貼り付けられた身体の部位の動きに対する粘着シート30の追従性が高められる。
また、粘着層32は、例えば、シリコーン系の粘着剤、ゴム系の粘着剤、エポキシ系の粘着材、または、アクリル系の粘着剤等から形成される。
経皮投与デバイス10によって投与される薬剤は、突起部22の表面に付され、突起部22による皮膚の穿孔とともに皮内に送り込まれてもよいし、突起部22が水溶性高分子のように皮膚に水分に対する溶解性を有する材料から形成されている場合には、突起部22の内部に含まれて、突起部22の溶解とともに皮内に送り込まれてもよい。あるいは、突起部22に溝や孔が形成されている場合には、溝や孔に薬剤が充填され、薬剤は、突起部22による皮膚の穿孔とともに皮内に送り込まれてもよい。また、突起部22が皮膚に刺される前や後に、液状の薬剤が皮膚に塗布され、突起部22によって形成された孔から、薬剤が皮内に送り込まれてもよい。さらには、これらの方式が組み合わされた形態によって、薬剤が投与されてもよい。なお、突起部22が溶解性を有する材料から形成されている場合には、突起部22を構成する材料が薬剤として機能してもよい。
薬剤は、皮内に投与されることにより機能する物質であれば、その種類は特に限定されない。薬剤としては、例えば、医薬品等の薬理活性物質や、化粧品あるいは美容品として用いられる組成物である化粧品組成物等が挙げられる。
[作用]
図4および図5を参照して、第1実施形態の経皮投与デバイス10の作用について説明する。経皮投与デバイス10を用いて投与対象に薬剤が投与されるとき、まず、各投与部20の基体21の第1面21Sが、薬剤を投与する部位に向けられ、すなわち、各突起部22の先端が皮膚に向けられて、経皮投与デバイス10が皮膚に押し付けられる。そして、粘着シート30の粘着面30Sが皮膚に貼り付けられる。これにより、突起部22が投与対象の皮膚に刺さった状態で、経皮投与デバイス10が投与対象に固定される。
図4および図5は、一例として、経皮投与デバイス10が指である投与部位に巻き付けられる過程を模式的に示している。図4は、経皮投与デバイス10の端部が指に巻き付けられ始めた状態を示しており、図5は、経皮投与デバイス10が指に巻き付けられて固定された状態を示している。なお、図4および図5では、理解を容易にするために、指に対する投与部20の大きさを誇張して示している。
第1実施形態においては、粘着シート30上にて、複数の投与部20が間隔をあけて並んでいるため、互いに隣り合う投与部20の間の領域、すなわち間隙領域Siでは、経皮投与デバイス10の柔軟性は、粘着シート30の柔軟性と同等となる。それゆえ、従来のように、経皮投与デバイス10が有するすべての突起部22が共通する1つの基体21上に位置する構成と比較して、経皮投与デバイス10の柔軟性が部分的に高められる。したがって、第1実施形態の経皮投与デバイス10によれば、複数の突起部22を皮膚に沿って容易に配置することができる。その結果、経皮投与デバイス10によって、薬剤の的確な投与が可能である。また、従来の構成と比較して、間隙領域Siの存在により、粘着シート30の粘着面30Sのなかで、投与対象の皮膚に接する面積を大きく確保可能であるため、経皮投与デバイス10が皮膚から剥がれにくくなる。
特に、複数の投与部20が第1方向D1に沿って延び、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿って並ぶため、経皮投与デバイス10においては、複数の間隙領域Siが、第1方向D1に沿って延び、第2方向D2に沿って並ぶように形成される。したがって、経皮投与デバイス10は、各間隙領域Siで屈曲し、第1方向D1に沿った方向から見て弧を描くように湾曲しやすい。したがって、経皮投与デバイス10は、指や腕等の投与部位の延びる方向が第1方向D1となるように、投与部位に貼り付けられることに適している。
例えば、図4および図5が示すように、経皮投与デバイス10は、指である投与部位に、第1方向D1を指の延びる方向として巻き付けられることに適している。経皮投与デバイス10が投与部位に巻き付けられるように用いられるとき、第2方向D2における経皮投与デバイス10の両端部付近は重なる場合がある。すなわち、両端部のうちの一方を含む部分における粘着シート30の粘着面30Sは、両端部のうちの他方を含む部分における基材シート31の粘着層32とは反対側の面に貼り付けられる。この場合、第2方向D2における経皮投与デバイス10の両端部のうちの一方を含む部分であって、基材シート31に貼り付けられることが予定される部分には、投与部20が配置されていなくてもよい。
一方で、上記基材シート31に貼り付けられる部分にも投与部20が配置される場合、この部分の投与部20が有する突起部22は、経皮投与デバイス10が投与対象の皮膚に固定されている状態において、基材シート31に刺さる。その結果、突起部22が基材シート31に引っ掛かることにより、経皮投与デバイス10にて互いに重なっている部分のうち、一方に対する他方の位置がずれることが抑えられる。したがって、経皮投与デバイス10の位置が、最初に皮膚に貼り付けられた位置からずれることや、経皮投与デバイス10が皮膚から剥がれることが抑えられる。
また、経皮投与デバイス10のなかで皮膚に貼り付いている部分に位置する投与部20の突起部22は、皮膚の角質層内に位置するか、もしくは、角質層を貫通することにより、皮膚に刺さっている。そのため、これらの突起部22が角質層に引っ掛かることによっても、経皮投与デバイス10の位置が、最初に皮膚に貼り付けられた位置からずれることや、経皮投与デバイス10が皮膚から剥がれることが抑えられる。
なお、経皮投与デバイス10によって薬剤を投与される投与対象は、人体に限らず、生体であればよい。
[変形例]
経皮投与デバイスの変形例を説明する。
<パッド部>
図6が示すように、経皮投与デバイスは、傷等の患部を保護するためのパッド部40を備えていてもよい。パッド部40は、粘着面30S上に位置する。パッド部40が、例えば、不織布やガーゼ等の織布から構成されていれば、患部に生じた体液等の液体の吸収効率が高められる。
パッド部40の配置は特に限定されないが、例えば、第1面21Sと対向する方向から見て、パッド部40は、複数の投与部20に挟まれる、あるいは、複数の投与部20に囲まれる位置に配置される。なお、第1面21Sと対向する方向から見て、パッド部40の位置する部分も、非配置領域Snに含まれる。そして、パッド部40の位置する部分は、間隙領域Siに含まれ得る。
パッド部40を備える経皮投与デバイス11は、投与対象が有する患部をパッド部40が覆うように、投与対象の皮膚に貼り付けられる。このとき、突起部22は、患部付近の皮膚に刺さり、これによって薬剤が投与対象に投与される。経皮投与デバイス11によって投与される薬剤は、例えば、患部の治癒を促進あるいは補助する薬剤であってもよい。
<切欠部>
経皮投与デバイスは薬剤の投与部位に応じた形状を有していればよい。図7は、投与部位が関節を含む部位である場合を対象とした経皮投与デバイスとして、切欠部30aを有する経皮投与デバイス12を示している。
詳細には、第1面21Sと対向する方向から見て、粘着シート30における第2方向D2の両端部の各々に切欠部30aが位置している。2つの切欠部30aは、粘着シート30における第1方向D1の中央部に位置し、互いに向かい合っている。粘着シート30の外縁は、切欠部30aの位置で内側に窪んでおり、換言すれば、粘着シート30における第2方向D2の幅は、切欠部30aの位置する部分で他の部分よりも小さくなっている。互いに向かい合う切欠部30aの間には、投与部20は配置されていない。図7では、互いに向かい合う切欠部30aの間にパッド部40が配置された例を示しているが、パッド部40の位置は図7とは異なってもよいし、経皮投与デバイス12はパッド部40を備えていなくてもよい。
経皮投与デバイス12は、例えば、指の関節付近に巻き付けられるように使用される。具体的には、図8〜図10が示すように、切欠部30aに対して第1方向D1の一方側に位置する部分が、関節に対して指の延びる方向の一方側に巻き付けられ、切欠部30aに対して第1方向D1の他方側に位置する部分が、関節に対して指の延びる方向の他方側に巻き付けられる。そして、2つの切欠部30aに挟まれる部分が、手の甲と対向する方向から関節に当たる。この場合も、経皮投与デバイス12は、第1方向D1を投与部位の延びる方向として投与部位に巻き付けられる。
図8〜図10は、経皮投与デバイス12が指に巻き付けられる過程を模式的に示す図である。図8は、経皮投与デバイス12における切欠部30aに対して第1方向D1の一方側に位置する部分が、関節に対して下側に巻き付けられている状態を手のひらと対向する方向から見た図である。図9は、経皮投与デバイス12が指に巻き付けられて固定された状態を手のひらと対向する方向から見た図であり、図10は、同状態を手の甲と対向する方向から見た図である。なお、図8〜図10では、理解を容易にするために、指に対する投与部20の大きさを誇張して示している。
こうした構成によれば、切欠部30aの位置で粘着シート30の外縁が窪んでいることにより、切欠部30aの部分、すなわち、関節の付近では、経皮投与デバイス12の巻き付いている領域が投与部位における他の部分と比較して小さい。そのため、関節の動きに起因して経皮投与デバイス12が動くことが抑えられ、関節を曲げたり伸ばしたりすることが繰り返されても、皮膚に対する経皮投与デバイス12の位置がずれることが抑えられる。
<ロール体>
図11が示すように、経皮投与デバイス10は、ロール状に巻かれたロール体50を構成していてもよい。経皮投与デバイス10は第1方向D1がロール体50の軸方向となる向きで巻かれている。こうした構成によれば、経皮投与デバイス10の保管や運搬が容易である。上述のように、柔軟性が高められていることにより経皮投与デバイス10は曲がりやすいため、経皮投与デバイス10によってロール体50を容易に構成することができる。経皮投与デバイス10の使用の際には、ロール体50の一部が引き出され、この引き出された部分から個々の経皮投与デバイス10が分離されて使用される。
経皮投与デバイス10がロール体50を構成するとき、経皮投与デバイス10は、基材シート31に対して粘着層32とは反対側に位置する裏面保護部材51を備えていることが好ましい。裏面保護部材51は、基材シート31における粘着層32とは反対側の面である裏面を覆っている。裏面保護部材51は、ロール体50において、経皮投与デバイス10の重なりに起因して基材シート31の裏面と対向する突起部22が変形することを抑える。また、裏面保護部材51は、ロール体50において、経皮投与デバイス10の重なりに起因して基材シート31の裏面と対向する粘着シート30の粘着面30Sを保護する。
また、裏面保護部材51に加えて、あるいは、裏面保護部材51に代えて、経皮投与デバイス10は、基材シート31に対して粘着層32と同一の側に位置する表面保護部材52を備えていてもよい。表面保護部材52は、粘着シート30の粘着面30Sおよび投与部20を覆う。表面保護部材52もまた、ロール体50において、基材シート31の裏面と対向する突起部22および粘着面30Sを保護する。
裏面保護部材51および表面保護部材52の各々は、例えば、突起部22の周囲に空間を区画することにより突起部22を保護してもよいし、保護部材51,52がウレタンゲル等のように軟性の高い材料から構成され、突起部22と当接したときに保護部材51,52が突起部22に追従した形状に変形して突起部22を覆うことで突起部22を保護してもよい。
経皮投与デバイス10は、切断や、ロール体50に形成されたミシン目での分離等によって、保護部材51,52も含めてロール体50から分離されてもよいし、保護部材51,52から剥離されて投与部20および粘着シート30のみがロール体50から分離されてもよい。経皮投与デバイス10が、保護部材51,52も含めてロール体50から分離されるとき、裏面保護部材51は、投与部20および粘着シート30が投与対象の皮膚に固定される前もしくは後に、粘着シート30から剥離され、表面保護部材52は、投与部20および粘着シート30が投与対象の皮膚に固定される前に、粘着シート30から剥離される。
基材シート31が伸びやすい特性を有する場合には、経皮投与デバイス10は、裏面保護部材51を備えず、表面保護部材52を備えていることが好ましい。こうした構成によれば、裏面保護部材51の剥離に起因して粘着シート30が伸びることが避けられるため、経皮投与デバイス10が取り扱いやすくなり、所望の投与位置へ投与部20および粘着シート30を配置することが容易になる。
なお、ロール体50において、さらには、経皮投与デバイス10が保護部材51,52も含めてロール体50から分離される場合には分離された後の経皮投与デバイス10において、保護部材51,52は、突起部22および粘着面30Sの保護に加えて、経皮投与デバイス10の強度を高める機能を発揮する。この強度の向上の効果をさらに高めるためには、保護部材51,52は、繊維やウレタン樹脂等の補強材として機能する材料を含むことや、突起部22および粘着面30Sの保護に要する厚さよりも厚く形成されることが好ましい。なお、こうした保護部材51,52は、ロール体50を構成せずに平板状の状態にて保管される経皮投与デバイスに用いられてもよい。
図12は、図7に示した切欠部30aを有する経皮投与デバイス12によって構成されたロール体55を示す。図12が示すように、切欠部30aの位置では、裏面保護部材51に、開口が形成されていてもよい。こうした構成であれば、裏面保護部材51上に粘着シート30および投与部20を配置した後、粘着シート30と裏面保護部材51とを打ち抜くことにより、切欠部30aを形成することができるため、切欠部30aを有する経皮投与デバイス12の形成が容易である。
なお、裏面保護部材51は開口を有していなくてもよく、この場合、切欠部30aが形成された後に、裏面保護部材51上に粘着シート30および投与部20が配置されることにより、経皮投与デバイス12が形成される。
<投与部の配置>
上記実施形態において、第1面21Sと対向する方向から見て、複数の投与部20の基体21は、同一の方向に沿って延び、基体21の延びる方向と直交する方向に沿って並ぶ。これに限らず、複数の投与部20において基体21の延びる方向は一定でなくてもよいし、複数の投与部20は、基体21の延びる方向と直交する方向とは異なる方向に並んでいてもよい。
例えば、図13が示す経皮投与デバイス13では、第1面21Sと対向する方向から見て、各投与部20の基体21は帯状を有しているが、各基体21の延びる方向は互いに異なっている。そして、複数の投与部20は、湾曲する線に沿うように並んでいる。また、図13は、第1面21Sと対向する方向から見て、粘着シート30が矩形とは異なる形状を有する例を示している。第1面21Sと対向する方向から見て、粘着シート30は、複数の投与部20の集合が位置する領域の縁部に沿うように、この領域を囲む形状を有している。
上記構成においても、非配置領域Snに、間隙領域Si、すなわち、第1面21Sと対向する方向から見て、粘着シート30が有する2つの端部間を複数の投与部20の間を通って直線状に延びる領域が含まれる。したがって、間隙領域Siにおいては経皮投与デバイス13の柔軟性が高められるため、複数の突起部22を皮膚に沿って容易に配置することができる。
さらに、第1面21Sと対向する方向から見て、各投与部20の基体21は、帯状を有していなくてもよい。例えば、図14が示す経皮投与デバイス14では、第1面21Sと対向する方向から見て、各投与部20の基体21は円形状を有している。第1面21Sと対向する方向から見た基体21の形状は、直線および曲線の少なくとも一方で囲まれた二次元図形であれば、特に限定されない。
また、第1面21Sと対向する方向から見て、複数の投与部20は、規則的に並んでいてもよいし、不規則に配置されていてもよい。図14に示す例では、複数の投与部20が、複数の列を構成するように並んでいる。複数の投与部20は、非配置領域Snに含まれる間隙領域Siが形成されるように並んでいればよい。こうした間隙領域Siの存在により、経皮投与デバイスの柔軟性が高められる。
図14に示す例では、非配置領域Snには、投与部20の列が延びる方向に延びる間隙領域Si1と、この間隙領域Si1と直交する方向に延びる間隙領域Si2とが含まれる。
間隙領域Siにおけるその延びる方向の2つの端部は、粘着シート30の外縁において互いに異なる箇所に位置していればよい。例えば、粘着シート30が長方形や楕円等である場合に、上記2つの端部は、粘着シート30の長さ方向もしくは幅方向において互いに向かい合っている必要はない。すなわち、図15が示す経皮投与デバイス15のように、間隙領域Siは、粘着シート30の長さ方向もしくは幅方向に対して傾斜して延びていてもよい。
第1面21Sと対向する方向から見て、粘着シート30が位置する領域における間隙領域Siの配置は限定されず、間隙領域Siは、複数の投与部20の間を通っていればよい。換言すれば、第1面21Sと対向する方向から見て、間隙領域Siを挟む少なくとも2つの投与部20が存在していればよい。間隙領域Siに対して一方側で間隙領域Siと隣接する投与部20の数は1つであっても複数であってもよく、また、間隙領域Siに対して他方側で間隙領域Siと隣接する投与部20の数も1つであっても複数であってもよい。そして、上記一方側で間隙領域Siと隣接する投与部20の数と、上記他方側で間隙領域Siと隣接する投与部20の数とは一致していてもよいし、異なっていてもよい。
また、非配置領域Snに複数の間隙領域Siが含まれるとき、これらの間隙領域Siの大きさは一定であってもよいし、一定でなくてもよい。そして、複数の間隙領域Siは、規則的に並んでいてもよいし、不規則に配置されていてもよい。また、1つの間隙領域Siと他の間隙領域Siとが重なっていてもよい。
要は、第1面21Sと対向する方向から見て、投与部20の配置されていない非配置領域Snに、複数の投与部20の間を通って直線状に延びる領域であって、その延びる方向の両端部が粘着シート30の外縁に位置する間隙領域Siが含まれていればよい。こうした構成であれば、間隙領域Siにおいては経皮投与デバイスの柔軟性が高められるため、間隙領域Siが存在しない構成と比較して、複数の突起部22を皮膚に沿って容易に配置することができる。
また、経皮投与デバイスは、間隙領域Siに沿って湾曲部分が形成されるように曲がりやすいため、間隙領域Siの配置、すなわち、投与部20の配置によって、経皮投与デバイスの曲がりやすい方向を規定することが可能である。これを利用して、投与部位の皮膚の形状に応じて、経皮投与デバイスの曲がりやすい方向を設定することもできる。
以上、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)経皮投与デバイスにおいて、非配置領域Snが間隙領域Siを含むため、間隙領域Siにおける経皮投与デバイスの柔軟性は、投与部20が位置する領域における経皮投与デバイスの柔軟性と比較して高くなる。したがって、経皮投与デバイスが有するすべての突起部22が共通する1つの基体21上に位置する構成と比較して、経皮投与デバイスの柔軟性が部分的に高められる。それゆえ、上記経皮投与デバイスによれば、複数の突起部22を皮膚に沿って容易に配置することができる。
(2)第1面21Sと対向する方向から見て、基体21が帯状を有する構成であれば、直線状に延びる間隙領域Siが形成されるように複数の投与部20を配置することが容易である。また、投与部20の配置によって、経皮投与デバイスの曲がりやすい方向を制御しやすい。したがって、複数の投与部20の配置の設計に要する負荷が軽減できる。
(3)第1面21Sと対向する方向から見て、複数の投与部20における各基体21が同一の方向に沿って延び、複数の投与部20が基体21の延びる方向と直交する方向に沿って並ぶ構成であれば、基体21の延びる方向に沿って延びる間隙領域Siが形成される。さらに、複数の間隙領域Siが形成される場合には、複数の間隙領域Siは、複数の投与部20が並ぶ方向に沿って並ぶ。こうした構成によれば、経皮投与デバイスを投与部位に巻き付ける場合等、経皮投与デバイスを1つの方向に湾曲させるように用いる場合に適した経皮投与デバイスが実現される。
(4)経皮投与デバイスが、複数の投与部20の間に位置するパッド部40を備える構成であれば、経皮投与デバイスを用いることで、傷等の患部を保護しつつ、患部の付近に薬剤を投与することができる。
(5)粘着シート30が、第1面21Sと対向する方向から見て粘着シート30の外縁が内側に窪む部分である切欠部30aを有する構成であれば、関節を挟む部位に貼り付けられることに適した経皮投与デバイスが実現される。
(6)経皮投与デバイスがロール状に巻かれてロール体50,55を構成することにより、経皮投与デバイスの保管や運搬が容易となる。経皮投与デバイスの柔軟性が高められていることにより、経皮投与デバイスは曲がりやすいため、こうした経皮投与デバイスによれば、ロール体50,55を容易に構成することができる。
(7)粘着シート30の粘着面30S上に投与部20が位置し、粘着面30Sに基体21の第2面21Tが接している。こうした構成によれば、粘着シート30上に複数の投与部20を並べることによって経皮投与デバイスを形成可能であるため、経皮投与デバイスの形成が容易である。また、突起部22が、その基部まで皮膚に刺さる部分として機能するため、薬剤の投与に際して突起部22の長さを有効に利用できる。
(第2実施形態)
図16〜図18を参照して、経皮投与デバイスの第2実施形態を説明する。以下では、第2実施形態と第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図16が示すように、第2実施形態の経皮投与デバイス16は、第1実施形態の経皮投与デバイスと比較して、基材シート31と、粘着層32と、基体21との位置関係が異なっている。すなわち、第2実施形態の経皮投与デバイス16において、各投与部20の基体21は、基材シート31と粘着層32とに挟まれており、各突起部22は、粘着層32を貫通して粘着層32よりも突き出ている。これにより、粘着シート30上においては、突起部22が粘着面30Sに対して突き出している。
図17が示すように、第1面21Sと対向する方向から見て、粘着シート30が位置する領域における投与部20の配置は、第1実施形態と同様である。すなわち、投与部20の位置しない非配置領域Snに、粘着シート30が有する2つの端部を複数の投与部20の間を通って直線状に結ぶ間隙領域Siが含まれている。投与部20の配置としては、第1実施形態の変形例として図13〜図15を参照して説明した各種の配置が採用可能である。
図18が示すように、基体21の第2面21Tは、基材シート31に向けられ、第1面21Sは、粘着層32に向けられている。粘着層32は、基体21の第1面21Sと基材シート31の表面にて基体21の配置されていない部分を覆っている。
突起部22の高さHtは、粘着層32の厚さTnbよりも大きい。突起部22の高さHtは、突起部22のなかで粘着層32から突き出す部分の長さが、突起部22の穿孔によって形成する必要のある孔の深さに応じた長さとなるように設定される。
第2実施形態の経皮投与デバイス16は、第1実施形態と同様の製法によって製造された複数の投与部20が基材シート31の上に配置された後、粘着剤の塗布によって粘着層32が形成されることによって製造される。なお、経皮投与デバイス16は、基材シート31と基体21との間に、基材シート31に対する基体21の位置のずれを抑えるための粘着層を備えていてもよい。
第2実施形態の経皮投与デバイス16においても、間隙領域Siにて経皮投与デバイス16の柔軟性が高められるため、複数の突起部22を皮膚に沿って容易に配置することができる。また、第1実施形態と比較して、粘着面30Sにおいて、投与対象の皮膚に貼り付けられる領域を広く確保可能であるため、投与対象に対する経皮投与デバイス16の位置のずれや、経皮投与デバイス16が皮膚から剥がれることがより抑えられる。
また、基体21が投与対象に直接接触しないため、基体21の端部に形成される段差が使用者に違和感を与えることも抑えられる。図18においては、基体21が位置する部分で、基体21の厚さに相当する大きさだけ粘着層32が他の部分よりも盛り上がっている構成を例示しているが、粘着面30Sは平坦な面であってもよい。すなわち、基体21を覆う部分における粘着層32の厚さTnbが、基体21の位置しない部分、すなわち、非配置領域Snにおける粘着層32の厚さTnbよりも小さくてもよい。
なお、第2実施形態の経皮投与デバイスにも、第1実施形態の各変形例の構成の適用が可能である。すなわち、第2実施形態の経皮投与デバイスは、パッド部40や切欠部30aを有していてもよいし、ロール体50,55を構成していてもよい。
以上、第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(6)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(8)投与部20の基体21が基材シート31と粘着層32とに挟まれ、突起部22は、粘着層32を貫通して粘着層32よりも突き出している。こうした構成によれば、粘着面30Sにおいて、投与対象の皮膚に貼り付けられる領域を広く確保可能であるため、投与対象に対する経皮投与デバイス16の位置のずれや、経皮投与デバイス16が皮膚から剥がれることがより抑えられる。また、基体21が投与対象に直接接触しないため、基体21の端部に形成される段差が使用者に違和感を与えることも抑えられる。
[第1実施形態および第2実施形態の変形例]
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・突起部22の形状は、針形状、すなわち、基体21の厚さ方向の長さが基体21の第1面21Sに沿った方向の長さよりも長い形状に限られない。突起部22の形状は、ブレード状、すなわち、基体21の第1面21Sに沿った方向である1つの延在方向の長さが基体21の厚さ方向の長さよりも長く、突起部22の先端が、基体21の第1面21Sと直交する方向とは異なる方向、例えば延在方向に沿った方向に延びる線状に形成された形状であってもよい。例えば、突起部22は、延在方向に沿って延びる三角柱形状であって、三角柱が有する3つの矩形の側面のなかの1つが基体21に接し、かつ、他の2つの側面を区画する辺が突起部22の先端として機能する形状を有していてもよい。
・第1実施形態にて説明したように、突起部22は、角質層に引っ掛かることによって、皮膚に対する経皮投与デバイスの位置がずれることや、経皮投与デバイスが皮膚から剥がれることを抑える機能を有している。こうした機能が、皮膚の患部付近に貼り付けられる皮膚貼着デバイスに利用されてもよい。
皮膚貼着デバイスの背景技術および課題を以下に説明する。
従来から、絆創膏や湿布等の皮膚貼着デバイスは、患部を覆うための保護部と、皮膚に貼り付けられる粘着面を有する粘着シートとを備えている。具体的には、絆創膏においては、傷等の患部を覆うための部分であるパッド部が保護部であり、湿布においては、湿布薬を含んでいる部分が保護部である。一般的には、湿布においては、粘着層が湿布薬を含むため、保護部の表面が粘着面となる。
こうした皮膚貼着デバイスが皮膚に貼り付けられている間、皮膚に対する皮膚貼着デバイスの位置、すなわち、患部に対する保護部の位置は一定の位置に保たれていることが好ましい。しかしながら、粘着面の粘着力が過度に大きいと、皮膚に対する刺激が過大になる虞があるため、粘着面の粘着力の調整のみによって、皮膚に対する皮膚貼着デバイスの固定の強さを高めることには限界がある。そこで、患部に対する保護部の位置のずれを抑えることのできる皮膚貼着デバイスが望まれている。
上記課題は、上述の投与部20と同様の基体21および突起部22を備える凹凸構造体と、粘着面30Sを有する粘着シート30と、患部を覆うための保護部とを備える皮膚貼着デバイスによって解決される。こうした皮膚貼着デバイスによれば、皮膚貼着デバイスが皮膚に貼り付けられている状態において、突起部22は角質層を通って皮膚に刺さっている。その結果、突起部22が角質層に引っ掛かることによって、患部に対する皮膚貼着デバイスの位置がずれること、さらには、皮膚貼着デバイスが皮膚から剥がれることが抑えられる。また、皮膚貼着デバイスの端部同士が重なる場合には、重なった部分に位置する突起部22が基材シート31に引っ掛かることによって、皮膚貼着デバイスの位置のずれが抑えられる。
粘着面30Sの粘着力は、汗等の体液や、外部からの皮膚表面への水分の侵入によって低下する場合が多い。これに対し、突起部22が非水溶性の材料から構成されている形態であれば、突起部22の引っ掛かりによって皮膚貼着デバイスの位置のずれを抑える効果は、皮膚表面に水分が存在する場合でも低下し難い。したがって、こうした皮膚貼着デバイスによれば、水分の存在に起因して患部に対する皮膚貼着デバイスの位置がずれることが好適に抑えられる。
皮膚貼着デバイスが有する凹凸構造体の数は、1以上であれば特に限定されない。凹凸構造体の数が1つであっても、皮膚貼着デバイスが凹凸構造体を備えない構成と比較して、患部に対する皮膚貼着デバイスの位置がずれることを抑える効果は得られる。
ただし、皮膚貼着デバイスは、間隔をあけて並ぶ複数の凹凸構造体を備えていることが好ましく、さらに、複数の凹凸構造体は、上記各実施形態および各変形例の経皮投与デバイスと同様に、非配置領域Snに含まれる間隙領域Siが形成されるように並んでいることが好ましい。これにより、皮膚貼着デバイスを皮膚に沿わせやすくなる。ただし、非配置領域Snに含まれる間隙領域Siが存在しない場合であっても、突起部22の引っ掛かりによって皮膚貼着デバイスの位置がずれることを抑える効果は得られる。
上記皮膚貼着デバイスが用いられるとき、突起部22によって皮膚に形成された孔からは薬剤が投与されなくてよい。すなわち、皮膚貼着デバイスは、突起部22による薬剤の経皮投与とは異なる目的で用いられる。ただし、保護部が薬剤を含有し、この薬剤を皮膚上から生体に投与する目的で、皮膚貼着デバイスが用いられることは排除されない。また、保護部の含有する薬剤が、突起部22によって皮膚に形成された孔から体内に入り込むことはあり得る。
皮膚貼着デバイスは、凹凸構造体と粘着シート30と保護部とを備えていればよく、これらの構成部材に関する構成、あるいは、これら以外の構成部材に関する構成について、皮膚貼着デバイスには、上記各実施形態および各変形例の経皮投与デバイスの各構成が適用可能である。
以上のように、上述した皮膚貼着デバイスの課題を解決する手段には、上記形態から導き出される技術的思想として以下の付記が含まれる。
(付記)
皮膚に貼り付けられる粘着面を有する粘着シートと、患部を覆うための保護部と、第1面を有する基体、および、前記第1面から突き出た突起部を有する凹凸構造体であって、前記粘着シート上において前記粘着面に対して前記突起部が突き出している前記凹凸構造体と、を備える皮膚貼着デバイス。
Sn…非配置領域、Si…間隙領域、10,11,12,13,14,15,16…経皮投与デバイス、20…投与部、21…基体、21S…第1面、21T…第2面、22…突起部、30…粘着シート、30a…切欠部、31…基材シート、32…粘着層、40…パッド部、50,55…ロール体、51…裏面保護部材、52…表面保護部材。

Claims (6)

  1. 粘着面を有する粘着シートと、
    第1面を有する基体、および、前記第1面から突き出た突起部を各々が有する複数の投与部であって、前記粘着シート上において前記粘着面に対して前記突起部が突き出している前記複数の投与部と、
    患部を保護するためのパッド部と、を備え、
    前記第1面と対向する方向から見て、
    前記複数の投与部は間隔をあけて並び、前記粘着シートが位置する領域のなかで前記投与部の位置しない領域が非配置領域であり、前記非配置領域には、前記複数の投与部の間を通って直線状に延びる間隙領域であって、前記間隙領域におけるその延びる方向の両端部が前記粘着シートの外縁に位置する前記間隙領域が含まれ、前記パッド部は前記複数の投与部の間に位置する
    経皮投与デバイス。
  2. 前記第1面と対向する方向から見て、
    前記基体は、帯状を有する
    請求項1に記載の経皮投与デバイス。
  3. 前記第1面と対向する方向から見て、
    各投与部の前記基体は、同一の方向に沿って延び、
    前記複数の投与部は、前記基体の延びる方向と直交する方向に沿って並ぶ
    請求項2に記載の経皮投与デバイス。
  4. 前記経皮投与デバイスは、ロール状に巻かれてロール体を構成している
    請求項1〜のいずれか一項に記載の経皮投与デバイス。
  5. 前記粘着シートは、基材シートと、前記基材シートの表面を覆う粘着層とを有し、
    前記粘着層における前記基材シートに接する面とは反対側の面が前記粘着面であり、
    前記粘着面に、前記基体における前記第1面とは反対側の面である第2面が接する
    請求項1〜のいずれか一項に記載の経皮投与デバイス。
  6. 前記粘着シートは、基材シートと、前記基材シートの表面を覆う粘着層とを有し、
    前記粘着層における前記基材シートに接する面とは反対側の面が前記粘着面であり、
    前記基体は前記基材シートと前記粘着層とに挟まれ、
    前記突起部は、前記粘着層を貫通して前記粘着層よりも突き出している
    請求項1〜のいずれか一項に記載の経皮投与デバイス。
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