JP7080230B2 - 砒素組成物 - Google Patents

砒素組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7080230B2
JP7080230B2 JP2019524985A JP2019524985A JP7080230B2 JP 7080230 B2 JP7080230 B2 JP 7080230B2 JP 2019524985 A JP2019524985 A JP 2019524985A JP 2019524985 A JP2019524985 A JP 2019524985A JP 7080230 B2 JP7080230 B2 JP 7080230B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leukemia
diarsenic
composition according
acute
tetroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019524985A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020500845A (ja
Inventor
マルヴィン・ユーティック
Original Assignee
ユーファーマ・プロプライアタリー・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from AU2016904945A external-priority patent/AU2016904945A0/en
Application filed by ユーファーマ・プロプライアタリー・リミテッド filed Critical ユーファーマ・プロプライアタリー・リミテッド
Publication of JP2020500845A publication Critical patent/JP2020500845A/ja
Priority to JP2022028046A priority Critical patent/JP7419415B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7080230B2 publication Critical patent/JP7080230B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • A61K33/24Heavy metals; Compounds thereof
    • A61K33/36Arsenic; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0053Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
    • A61K9/1605Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/1611Inorganic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • A61K9/2004Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/2009Inorganic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/4841Filling excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/485Inorganic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia

Description

本発明は金属含有化合物及びがんの治療におけるそれらの使用の分野に関する。さらにとりわけ、本発明は砒素含有化合物及びがんの治療におけるそれらの使用に関する。
本明細書における背景技術へのあらゆる参照はオーストラリア又はほかの国で一般常識を構成することを承認するものとは解釈されない。
急性前骨髄球性白血病(APL)及び関連がんは殺菌水、生理食塩水又はグルコースを含む点滴バック中で三酸化砒素の濃縮IV型 10mg/10mL液を希釈することで得られた殺菌IV型点滴の形態で三酸化砒素により治療され、患者はゆっくりとした点滴で三酸化砒素を投与される。
三酸化砒素は生理的又は酸性pHの水には非常に解けにくいため、三酸化砒素は典型的には高いpH、例えば12より大きなpHの水溶液に溶解される。すべての三酸化砒素を溶解させて透明溶液を得るには撹拌と加熱が必要とされる。その結果溶液は塩基性過ぎるため、医薬組成物として有用ではなく、例えば初めに約1mg/mLの濃度で、pH12の水中に希釈されなければならない。三酸化砒素の溶液はその後pHが8.0から8.5、又は必要に応じてそれ以下になるまで塩酸により一定の撹拌の下調整される。部分的に中和された三酸化砒素溶液はその後殺菌及び包装される。
この殺菌IV型処方は多くの欠点を有する。第一に、殺菌点滴バッグに1mg/mL溶液を無菌添加することにより調製されなければならない。第二に送達の形態は希釈IVバックのゆっくりとした点滴であり、それ故、患者は導入及び維持治療段階中、約4から6か月の断続的な期間にわたってかなりの回数病院で何時間も費やさなければならない。これは患者、その家族、病院のリソース及び病院のスタッフの時間をかなり費やす。
K.S. Wallwork, B.J. Kennedy & D. Wang, The high resolution powder diffraction beamline for the Australian Synchrotron, AIP Conference Proceedings., (2007) 879-882. Schmitt, B., Bronnimann, ch., Eikenberry, E. F., Gozzo, F., Hormann, C., Horisberger, R., Patterson, B. Nucl. Instrum. Methods Phys. Res. A, (2003) 501, 267-272. McMurdie H., Morris M., Evans E., Paretzkin B., Wong-Ng W., Hubbard C., Powder Diffr. (1986) 1, 79. Lee C., Harrison W.T.A., Acta Crystallogr., Sec. C: Cryst. Struct. Commun. (2004) 60, m215. Fleet M.E., Liu X., Z. Kristallogr. (2009) 224, 144. Dickens B, Mauer F.A., Brown WE., J. Res. Natl. Bur. Stand. (1970) Sect A 74, 319. Pertlik F., Mitt. Oesterr. Mineral. Ges., (1986) 131, 7. Brouns E., Visser J.W. and de Wolff P.M., Acta Cryst. (1964). 17, 614. Sheldrick W.S, Hausler H.J.Z, Anorg. Allg. Chem. (1987) 549, 177, 1.
そのため、多数のがんの型の治療に有用な活性砒素種を送達する改善処方が必要である。
本発明の第一の態様によると、四酸化二砒素と医薬的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
好適には、四酸化二砒素はアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の四酸化二砒素である。
一実施態様において、四酸化二砒素はHAs イオンを含む。
複数の実施態様において、四酸化二砒素は式MHAsであり、式中Mは適切な原子価の金属である。
それ故、一実施態様において、本発明は式MHAs(式中Mは適切な原子価の金属である)の四酸化二砒素と医薬的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
好ましい実施形態において、四酸化二砒素は式NaHAsである。
好ましくは、四酸化二砒素は固体状態で存在する。
一実施態様において、組成物は乾燥剤、崩壊剤及び分散剤のうちの一つ以上を更に含む。
本発明の第二の態様によると、四酸化二砒素を患者に経口投与し、それによりがんを治療する段階を含む、患者におけるがんの治療方法を提供する。
本発明の第三の態様は患者におけるがんの治療に使用するための四酸化二砒素に属する。
本発明の第四の態様は患者におけるがんの治療のための医薬の製造において使用するための四酸化二砒素に属する。
第二、第三及び第四の態様の特定の実施形態において、がんは悪性血液腫瘍、固形腫瘍及びリンパ腫から選ばれる。
好ましくは、がんは急性前骨髄球性白血病(APL)及び多発性骨髄腫から選ばれる。
第二、第三及び第四のある実施形態において、四酸化二砒素は固体状態で投与される。
第二、第三及び第四の態様の四酸化二砒素は第一の態様で規定したとおりであってもよい。四酸化二砒素は第一の態様の医薬組成物の一部として投与されてもよい。
本発明の第五の態様は患者にある量の四酸化二砒素を投与する段階を含む、治療有効量の砒素を患者に送達する方法に属する。
好適には、投与は第一の態様で規定する四酸化二砒素の固体状態の経口投与である。
上記個別のセクションで参照された本発明の様々な特徴と実施形態は変更すべきところは変更してほかのセクションに適切に適用する。それ故にあるセクションにおいて規定された特徴はほかのセクションにおいて規定された特徴と適切に組み合わせてもよい。
さらなる本発明の特徴と利点は下記詳細な説明から明らかになるだろう。
本発明を理解しやすくし、実際の効果を記載するため、好ましい実施形態を添付した図面を参照した実施例の方法によって記載する。
検索適合結果を重ね合わせた対照のAsサンプルのX線粉末回折パターンである。 検索適合結果を重ね合わせた対照のメタ亜砒酸ナトリウムサンプルのX線粉末回折パターンである。 検索適合結果を重ね合わせた本発明の四酸化二砒素であるサンプル1aのX線粉末回折パターンである。 検索適合結果を重ね合わせた本発明の四酸化二砒素であるサンプル3のX線粉末回折パターンである。 HNaAs(ICDD04-011-6938)の位相に適合するピークを示す8-17°2θの、サンプル3の拡大したX線回折パターンである。 HNaAs(ICDD04-011-6938)の位相に適合するピークを示す17-26°2θの、サンプル3の拡大したX線回折パターンである。 HNaAs(ICDD04-011-6938)の位相に適合するピークを示す8-15°2θの、サンプル1aの拡大したX線回折パターンである。 検索適合結果を重ね合わせた比較サンプルであるサンプル1bの5°-18°2θのX線粉末回折パターンである。 検索適合結果を重ね合わせた比較サンプルであるサンプル2の9°-26°2θのX線粉末回折パターンである。
一般的な形態において、体内において砒素(III)の活性酸化物を供給する四酸化二砒素は、特定のがんの治療に典型的には用いられて活性砒素イオンを送達し、高いpHを除き極めて難溶性である三酸化砒素と実質的に異なる溶解性を示す。本明細書において、本発明の四酸化二砒素はpH約1で10秒未満、pH7で1分を十分に下回って溶解することが実験的に示された。
本発明はそれ故、三酸化砒素の難水溶性及び非常に塩基性の高い溶液以外に極めて難溶解性であるという問題が、より非常に溶けやすい四酸化二砒素化合物、好ましくはNaHAsを患者にそれが送達される前に形成することで解決されたという認識に少なくとも一部は基づいている。溶解性の問題の典型的な解決法は三酸化砒素を水酸化ナトリウム溶液中に溶解させ、次いでこの溶液のpHを患者に液体状態で送達するのにより適したpH6から8まで調整することであった。溶液から三酸化砒素の沈殿が懸念されるため、高濃度の酸の使用は常に避けられてきた。
NaHAsは砒素化合物のどんな沈殿もなく胃酸で非常に迅速に溶解し得ることが今回判明した。これは強酸の胃の分泌液により、塩が溶解したほぼ直後に溶液から三酸化砒素の沈殿を生じさせるという従来の知見に逆らう。この発見は錠剤、座薬、顆粒剤又は、好ましくはカプセル剤の形態で製造される便利な固体状態で、殺菌IV型製品へ、効果的な三酸化砒素の同等物としての砒素(III)イオンを経口送達することを可能にする。特に維持治療段階中、病院内で過ごす必要がある患者の多くの時間を大きく減らすことができるため、前記の送達の選択肢が長く必要と感じられていた。これは患者のための改善であり、病院のリソースについては実質的にコスト削減になる。
現時点より前に長い間、経口送達できる固形状態の三酸化砒素を見つけるための文書化された試みがかなりの数なされていた。塩の使用及び/又は粒子の微粒子化、湿潤剤若しくは界面活性剤、クエン酸などの強い分散剤、及びほかの方法はすべてうまくいかない試みであった。最近、三酸化砒素溶液の凍結乾燥が試されていた。
三酸化砒素の固体状態の経口使用を更に抑止するのは、許容可能なバイオアベイラビリティを達成するために三酸化砒素を胃の中で約20分未満、好ましくは10分未満で溶解させなければならないことであった。これは三酸化砒素の砒素(III)イオンの吸収が小腸の末端部分で起こり、液体約250mLを含んでいる胃の胃内容排出が23分強で起こるためである。空腹時の胃の分泌液のpHは約pH1から2であり、したがって強酸性である。末端小腸への排出においてpHはpH6より上がり、それ故あらゆる溶解していない固体塩の溶解は遅くなるか、遅延され得る。
これは三酸化砒素のあらゆる経口送達形態がpH1から2で最大20分、好ましくは大幅に少ない時間枠で溶解し、タイムリーかつ予測可能な方法で可溶化三酸化砒素の投薬の完全な送達を確保しなければならないことを意味する。この溶解時間枠は中性のpHでわずかにしか溶解せず、酸性pHではより溶けやすいと考えられているが、低いpHで生体外で強撹拌を行ってもかなり遅い過程のままであることが分かった固体の三酸化砒素の使用を満たさない(実施例で後述する)。しかしながら、20分の時間枠内に胃の分泌液中でのNaHAsの効果的な溶解によりこの挑戦がうまく対処されることが可能になり、一方IV型投与経路で送達される望ましい活性三価砒素カチオンを送達する。NaHAsの胃の分泌液中での完全な溶解は1分未満、更には30秒未満で起きることが証明された。このきわめて短い時間枠はメタ亜砒酸ナトリウム又はメタ亜砒酸カリウムなどの砒素の可溶なメタ塩の固体塩の形態でさえ実現されない。
重要なことに、NaHAsの強アルカリ性と使用される組成物中の炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウムの存在により、胃の分泌液の酸中で非常に迅速な発泡と乱れた泡立ちが起き、粉末の溶解と、砒素(III)カチオンとして、塩の分散を引き起こす。実施例で示すとおり、反応は非常に速い。重要なことに、実施例で示されたとおりより遅いが溶解するメタ亜ヒ酸ナトリウムなどの塩と比較した場合、強酸/強アルカリ反応は乱れた泡立ちと発泡効果を引き起こし、この効果は胃の分泌液中で砒素イオンの混合の役に立つ。
経口送達可能な組成物でのNaHAsはメタ亜ヒ酸ナトリウムなどのほかの砒素塩に対して二つの重要な利点があることが理解される:(i)胃の酸性条件で(または中性pHでも)きわめて速い溶解性;と(ii)強アルカリであるが固体の組成物の爆発的な発泡が胃の中で素早い混合と分散を引き起こす。体内で得られる混合物は活性砒素IIIカチオン、(ナトリウム塩が使用された場合)ナトリウムカチオン、二酸化炭素及び炭酸であり、それらすべてがアルカリに前溶解させた三酸化砒素注射の受ける効果を再現する。本質的にはこれは本発明の化合物及び組成物により供給された砒素IIIカチオン投薬が患者に三酸化砒素の同等のIV投薬がなされた場合と同等であり、そしてがん及びほかの病気の過程における治療効果が三酸化砒素治療の既に知られる効能に基づき完全に予想できることを意味する。すなわち、送達形態がより効率的であるが、活性物質に関して最終的な結果は全く同等である。
本明細書においては、第一と第二、左と右、前と後、上と下などの形容詞は、単に一つの要素又は方法の段階を、別の要素又は方法の段階から区別するために使用され、形容詞によって表される特定の相対的な位置又は順序を必要としない。
ほかで定義しない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語及び科学用語は本発明が属する分野において通常の知識を有する者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。
本明細書で用いられる「分散剤」の用語は四酸化二砒素の粒子の分離を改善し、そして患者の胃の分泌液中塩の溶解速度を向上させるのを補助する試薬を言う。
四酸化二砒素によって治療される様々ながんに関して本明細書で用いている「治療」の用語は、病気や病気に関連する症状が軽減し、減り、治り、又は緩和の状態になることを意味する。
本発明の第一の態様によると、四酸化二砒素と医薬的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
好適には、医薬組成物は四酸化二砒素を固体状態で含む。
好ましくは、四酸化二砒素は四酸化二砒素(III)である。
好適には、四酸化二砒素はアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の四酸化二砒素である。
好ましい一実施態様において、四酸化二砒素は四酸化二砒素ナトリウム、四酸化二砒素カリウム、四酸化二砒素マグネシウム、四酸化二砒素アンモニウム、及び四酸化二砒素カルシウムからなる群から選ばれてもよい。
好ましくは、四酸化二砒素は四酸化二砒素ナトリウムであり、より好ましくは四酸化二砒素(III)ナトリウムである。
複数の実施形態において、四酸化二砒素はHAs イオンを含む。
これはナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウムから選ばれてもよいカウンターイオンと組み合わせられてもよい。
複数の実施形態において、四酸化二砒素は式MHAs(式中Mは適切な原子価の金属である)である。Mは適切な原子価のあらゆる金属から選ばれてもよい。好ましくはMは適切な原子価のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属である。ナトリウムとカリウムが好ましい金属である。
そのため、一実施態様において、本発明は式MHAs(式中Mは適切な原子価の金属である)の四酸化二砒素と医薬的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
好ましい実施態様において、四酸化二砒素は式NaHAsである。
好ましくは、本明細書で記載したあらゆる実施態様の四酸化二砒素は固体状態で存在する。
一実施態様において、組成物は乾燥剤、崩壊剤及び分散剤のうちの一つ以上を更に含む。
四酸化二砒素はアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の溶液中三酸化砒素の溶解により形成される塩であってもよく、炭酸塩化合物と反応した後、重炭酸塩と混合される。三酸化砒素は高いpH(例えばpH約12以上)での水溶液中でしか溶解しないことが知られ、そのためアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物により形成された前記のような強塩基の溶液のみが好適である。しかしながら、潜在的にあらゆる強塩基(例えば水酸化アンモニウム)は三酸化砒素の溶解に使用されてもよく、そして好適であり得る。
一実施態様において、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、及び水酸化セシウムからなる群から選ばれてもよい。これらの水酸化物はすべて強塩基水溶液を形成することが知られている。カウンターイオンの性質が原因でこれらの水酸化物のうちのいくつかは他のものより好まれないかもしれない。例えば、リチウム塩は生理学的に好まれない。三酸化砒素が溶解する強塩基溶液を形成する水酸化ナトリウムの使用は、IV型送達の三酸化砒素を含む水酸化ナトリウムの溶液のpH調整溶液が現在臨床的に使用されているため特に好まれる。これは三酸化砒素の水酸化ナトリウム溶液のIV型使用は砒素の毒性の知られている範囲内では安全であり、またがん治療において効果的であるということを示した。
別の実施態様において、水酸化物は水酸化アンモニウムであってもよい。
組成物は乾燥剤、崩壊剤又は分散剤を更に含んでもよい。乾燥剤、崩壊剤又は分散剤は発泡性であってもよい。一実施態様において、乾燥剤、崩壊剤又は分散剤は重炭酸塩及び/又は炭酸塩である。好適には崩壊剤又は分散剤は重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び重炭酸マグネシウム、並びにそれらの組み合わせからなる群から選ばれる一つ以上である。
崩壊剤又は分散剤は胃の分泌液中、四酸化二砒素を速く溶解させることに寄与する。四酸化二砒素の粒子を効果的に分離し、可溶化されたイオン型にするために作用する、迅速な乱れた発泡反応があるため、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の重炭酸塩又は炭酸塩などの発泡性の崩壊剤又は分散剤の使用は胃の分泌液との接触時に特に効果的である。
一実施態様において、四酸化二砒素は炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩の使用なしで形成されるものではない。すなわち、反応混合物又は物質と炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩との接触は四酸化二砒素生成物の形成に必要である。
組成物は錠剤、座薬、顆粒剤又はカプセル剤の形態であってもよい。四酸化二砒素のためのいかなる医薬的に許容可能な媒体は、四酸化二砒素と相互作用せず、胃の中での溶解を遅らせない限りは使用できる。とりわけ、患者又は医療スタッフが砒素化合物を扱う際に直接触れないため、素早く溶解させるために胃へ活性種を送達するために現在使用されるカプセル剤は特に本組成物の使用に適していると考えられる。ゼラチンカプセル剤はカプセル剤の一例である。組成物は錠剤又はカプセル剤中で粉末状又は顆粒状の形態であってもよい。四酸化二砒素を生成する溶媒の乾燥方法により、結晶塩が供給されてもなおよい。生成した固体はより早く溶解させる必要があれば、粒子径を小さくするため、粉砕又は微粒子化又は他の方法でさらに処理されてもよい。
賦形剤は適当な医薬的に許容可能ないずれの賦形剤でもよい。一実施態様において、乾燥剤、崩壊剤及び賦形剤は一つ及び同じであってもよい。
本発明の第二の態様によると、四酸化二砒素を患者に経口投与し、それによりがんを治療する段階を含む、患者におけるがんの治療方法を提供する。
本発明の第三の態様は患者においてがんを治療することに使用するための四酸化二砒素に属する。
本発明の第四の態様は患者におけるがんの治療のための医薬の製造において使用するための四酸化二砒素に属する。
第二、第三及び第四の態様の特定の実施態様において、四酸化二砒素は固体状態で投与される。
第二、第三及び第四の態様に関して、一実施態様において、がんは悪性血液腫瘍である。一実施態様において、がんは白血病、多発性骨髄腫、固形腫瘍又はリンパ腫である。
がんは扁平上皮がん、基底細胞がん、腺又は管の上皮層のメラノーマ腫瘍、骨髄異形成症候群(MDS)、乳頭がん、肝臓や胆管の乳頭腺がん、胃腸管の肝細胞がん、食道の扁平上皮細胞がん、食道の腺がん、大腸がん(結腸がん)、胃がん、気道の腫瘍、気管支がん、小細胞がん、大細胞がん、泌尿生殖器管の腫瘍、膀胱移行上皮がん、膀胱扁平上皮がん、前立腺がん、頸がん、血液細胞と関連細胞(白血病)のがん、急性及び慢性リンパ芽球性白血病、真性多血症、リンパ組織のがん、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫を含む悪性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、多発性骨髄腫、結合組織の腫瘍、骨肉腫のがん、神経系の腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、神経膠芽腫の腫瘍、腫瘍ウイルスに関係する乏突起神経膠腫、バーキットリンパ腫、個人の免疫からなるb細胞リンパ腫、上咽頭がん及びbウイルスの肝炎の肝細胞がんからなる群から選ばれてもよい。
がんが白血病である場合、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性リンパ芽球性B細胞白血病、急性リンパ芽球T細胞白血病、急性骨髄芽球性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、急性単芽球性白血病、急性赤白血病、急性巨核芽球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性未分化白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)および慢性リンパ性白血病からなる群から選ばれる型であってもよい。
好ましくは、がんは急性前骨髄球性白血病(APL)である。
がんが固形腫瘍である場合、様々な肉腫や前立腺がんを含む消化管、食道、肝臓、胃、結腸、皮膚、脳、骨、乳房、肺及び軟部組織のがんの一つかそれ以上であっても良い。
がんは現在臨床的に利用できる三酸化砒素溶液による治療が示されている又は三酸化砒素の溶液が効果の実証が示されていないあらゆるがんであってもよい。
一実施態様は、患者におけるリンパ腫、白血病又は固形腫瘍は標準的な治療方法は無効であるか、又は白血病の再発する場合がある。
四酸化二砒素は単独の使用、又は広範囲の公知の治療薬を含む抗がん剤を更に組み合わせて使用してもよく、治療薬は例えば、免疫療法のモノクローナル抗体、化学療法薬の肝がんにおけるメラトニンやATOなどの小分子活性剤、MDSにおけるATOとバルプロ酸やフェノキシブチレートナトリウム、放射線保護剤及び放射線治療などである。特に、限定されないがマスタード化合物、窒素マスタード、クロラムブシル、メルファラン、シクロホスファミド、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシル、フロクスウリジン、メトトキサレート、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール、エトポシド、テニポシド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、エストラムスチンリン酸、ヒドロキシ尿素、BCNU、プロカルバジン、VM-26、インターフェロン、及び全トランス型レチノイン酸、又は他のレチノイドを含む既知の抗がん剤の一つかそれ以上の投与前、中、又は後に四酸化二砒素の経口送達を行っても良い。
様々ながんの治療において、治療薬の投薬や四酸化二砒素の頻繁な投薬はがんの性質、年齢だけでなく状態の厳しさ、体重、患者個人の状態及び反応次第である。重要なことに、そのような投薬は標準過程や三酸化砒素のIV型送達の現在の投薬計画の指針に基づいて好都合に決定され得る。これは四酸化二砒素の現在の使用が効果的に患者に三酸化砒素の生物学的同等性及び体内でそこから得られる活性種を与えるより有利な方法であるという理解に基づく。得られた治療薬の効果とそれ故の治療効果は三酸化砒素を用いたがん治療に観察されるのと実質的に同じくらいである。広範囲のがん治療において三酸化砒素の使用と活動の研究は科学及び医学文献で自由に利用できる。そして、特異のがんについては、すでに開発されたIV型送達によって臨床的に利用できる三酸化砒素のための投薬及び毒性手順を使用できる。一実施態様において、一日あたり0.05から5.0mg/kg/dayの投薬が導入療法を必要とする患者にとって適切な送達である。好ましい投薬は約0.15mg/kg/dayである。
本発明の四酸化二砒素は溶解した三酸化砒素のIV型注射に対して経口型のような送達に利点があり、これは砒素IIIイオンのおおよそ同じ投薬が患者の体内で24時間後に達することを意味するが、経口型はイオンのピーク濃度が注射の濃度には達しないという点で利点があり、これは医薬品副作用、特に心臓合併症が起きにくい点で通常受け入れられる。
がん治療を受ける患者は三酸化砒素の治療を必要とするヒトである。
第二、第三、第四の態様の四酸化二砒素は第一の態様に記載したとおりである。四酸化二砒素は第一の態様の医薬組成物の一部として投与されても良い。好ましくは、四酸化二砒素は組成物中に重炭酸ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムと共に、NaHASである。次いでこの固体組成物は好ましくは組成物を含むカプセル型又は錠剤の形態で患者によって経口摂取され得る。
本発明の第五の態様は患者にある量の四酸化二砒素を投与する段階を含む、治療有効量の砒素を患者に送達する方法に属する。
好適には、投与は四酸化二砒素の固体状態の経口投与である。四酸化二砒素は第一の態様に記載したとおりであってもよい。
第五の態様の方法は第一から第四の態様に記載したいずれの実施形態で行われてもよい。
(四酸化二砒素塩-NaHAsの調製)
四酸化二砒素の塩の合成における様々な材料、次いで、それらの関連する量を表1に記し、参照した。乳鉢などの容器の参照は合成のスケールに関しての当業者によって理解され、スケールアップ合成のための適切なより大きいスケールの容器は前記当業者に明らかであるだろう。
適切なサイズの乳鉢にすべての三酸化砒素、続いて水酸化ナトリウム、次いで洗浄に適切な量の水を移す。穏やかに乳鉢を回すことにより材料が完全に混合したことを確認し、材料がすべて溶解するまで停止したままにする。乳鉢と内容物は温かくなる。
一度材料を完全溶解させ、すべての炭酸ナトリウムを乳鉢へ移す。炭酸ナトリウムが完全に湿り、目に見える乾燥した穴がないことを確認する。室温に冷却されるまで放置し、これは典型的には最小1時間かかる。次に、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)のすべてをステンレス鋼のトレイへ移し、次いで、トレイに乳棒と乳鉢中の冷めた内容物をトレイに移し、少量の炭酸水素ナトリウムを使い乳鉢を洗浄する。ステンレス鋼トレイ上で冷却した炭酸ナトリウム/三酸化砒素/水酸化ナトリウム混合物を炭酸水素ナトリウム中に手動で分散させる。
第二のステンレス鋼トレイに2000μmの篩をセットする。バルク材料を篩に通過させる。もし材料が篩に接着し篩中で穴が詰まる場合、それがなくなるまでバルク材料を篩に再度通過させる(詰まりは局所的に濡れすぎた材料により起きており、バルクを通過させ、水を再分配し、水含有率が少ない材料と混合することで、篩のつまりはその結果通過する。)この操作をすべての材料が篩から取り除かれるまで繰り返す。
製造した濡れた塊をステンレス鋼トレイからポリエチレンバッグへ注意深く移し、濡れた塊の重さを測り、収率を計算する。収率は好ましくは97%から101%の間である。前回測定してからLOD変化が2%未満になると規定される一定の重さになるまで乾燥を行う。分析サンプルを一定の重さで扱わなければならない。分析結果は乾燥の終了を確認して使用する。
バッグを開け、濡れた塊を双方のステンレス鋼トレイにむらなく広げる。各トレイを40℃にセットした真空オーブンに置く。最小24時間850mbar以上の真空で乾燥させた後に最初の計量を行う。それぞれ次の計量は2時間乾燥の間隔で行う。それぞれ次の計量でLOD%が変化しなくなった時乾燥が完了したとみなす。
355μmの篩を混合容器の最上部に置き、あらかじめ乾燥させた材料を篩に通過させ、混合容器に入れる。篩を通過しなかった材料を乳棒と乳鉢で粒子径が355μmの篩を通過するまでつぶす。すべての材料が篩を通過し、混合容器に入れば、篩を取り除き、白色硬質ゼラチンカプセル剤へ充填するための最終生成物NaHAsが準備できる。
上記過程は所望によりバルク製造にスケールアップされ得る。例えば、表2にバッチ製造の量を示す。
Figure 0007080230000001
Figure 0007080230000002
上記手順を二つの別々の量のNaHAs生成物(再現性を確認するため)を得るため二回個別の製造実験で行い、1a及び3と名付けた。手順は二回の別々の実験において再び繰り返したが、重要なことに炭酸ナトリウム/三酸化砒素/水酸化ナトリウム混合物と炭酸水素ナトリウムとの混合段階を行わなかった。すなわち、二回目の手順では炭酸水素ナトリウムの混合を除き、この変化の影響を評価した。そして、生成した二つのサンプルは1b及び2と名付けた。
(砒素塩の特性評価)
これらの製造したサンプル(1aから3)を参照材料として三酸化砒素とメタ亜砒酸ナトリウムと共に特性評価し、サンプルがこれらの対照との間に明確な差異が存在し、そして上記手順が三酸化砒素をメタ亜砒酸ではない新しい種への変換を実際にもたらしたことを示す。それ故、商業的に得られるAs及びメタ亜砒酸ナトリウム、サンプル1a、サンプル1b、サンプル2及びサンプル3の6サンプルをAustralian SynchrotronのPowder Diffraction BeamlineのシンクロトロンX線粉末回折により分析した。本調査の目的はサンプル1a、サンプル1b、サンプル2及びサンプル3において製造した粉末の位相集合を決定することであった。すべてのサンプルから得られたデータセットを質の高い調査員によって評価した。解析の前に粉末サンプルを乳鉢と乳棒で軽くすりつぶし、直径0.3mmのホウケイ酸塩の別々のキャピラリーに詰めた。詰められたキャピラリーをそれぞれ別々のサンプルホルダーに乗せた。
それぞれのサンプルのX線回折パターンはAustralian Synchrotron[1]のPowder Diffraction beamline (10BM-1)に波長1.07761(1)ÅのX線を用いて収集した。回折したX線はMythen II Microstrip検出システム[2]を用いて検出した。キャピラリーに詰められたそれぞれのサンプルを回折計の中心に位置合わせして乗せた。データをNational Institute of Standards and Technology (NIST, USA)により供給された希釈したLaB6 660b Standard Referenceから収集した。660bデータセットのリートベルト法解析の後にX線波長とゼロ補正をそれぞれ1.07761(1)Åと-0.0017(1)°になるように決定した。粉末の平均を最大化させるためにキャピラリーをデータ収集中に持続的に回転させた。データ収集時間はサンプル当たり検出位置当たり10分であった。それぞれのサンプルはデータ収集時間に20分を要し(二つの検出位置)、データを常温常圧で収集した。収集した回折パターンをPDViPeR (v2.0)の自家ソフトウェアパッケージを用い統合した。ICDD PDF-4データベースと連結したHighScore (v4.0)のソフトウェアプログラムを用いて、回折データを評価し、位相回折の検索/適合を行った。
統合したシンクロトロンX線粉末回折データの一部を図1から9に示した。2θに対する強度のデータは結晶中の異なったd面間隔を示唆するピークの連続を示す。それぞれの回折データパターンに対して、バックグラウンドは差し引かれていないが、それはピーク強度決定の手助けにモデル化される。HighScoreソフトウェアプログラム中のピーク検索アルゴリズムを使用して、60°2θまでに存在するピークを同定した。これらのピーク位置を使用して、位相の決定を助けるInternational Centre for Diffraction Data (ICDD) PDF-4データベースを検索した。非常に低い回折計のゼロ補正はそれぞれのサンプルからのピーク位置に対してICDD PDF-4データベース中のデータを直接参照して比較することを可能にする。
すべての6サンプルからのX線粉末回折データは優れたシグナルからノイズ特性を有し、優れた角分解能を示した。この質の高いデータは位相の同定能力を大きく改善する。
図1はAs参照サンプルの回折パターンを示し、重ね合わせ検索は結果に適合した。三酸化砒素のICDD PD-4の参照パターン00-036-1490 [3]はデータとの良い一致を示した。As参照サンプルからの回折パターンを赤で示した。緑の線が近似バックグラウンドを示し、青のマーカーがPDF-4の参照パターン 00-036-1490からの参照ピーク位置を示唆する。収集データと参照パターンの良い一致とこれ故の重ね合わせは主要な位相がAsであると示唆した。いずれの不純物のピークも観察されなかった。
図2はメタ亜砒酸ナトリウムの回折パターンと検索/適合結果を示す。亜砒酸ナトリウム(NaAsO)のICDD PDF-4の参照パターン04-016-1771 [4]がデータによく一致したが、適合しないピークが得られ、サンプル中に1以上のさらなる不純物の位相が存在することが示唆された。メタ亜砒酸ナトリウムの参照サンプルからの回折パターンの6°から28°2θの断片を赤で示した。緑の線が近似バックグラウンドを示し、青のマーカーがPDF-4の参照パターン04-016-1771からの参照ピーク位置を示唆する。収集データと参照パターンの良い一致によりメタ亜砒酸ナトリウムが主要な位相であることを示唆される。
図3はサンプル1aの回折パターンを示す。差し込み図は本データの一部の検索/適合結果を示す。Na(HCO) 04-017-3645 [5] と NaCO.HO 01-070-2148 [6]の位相により炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムが製造の残余物であり得るものとして同定され、NaHAs 04-011-6938 [9]が上記製造過程の結果として新しく合成された成分として同定された。1以上の少数の不純物の位相の存在を示唆する適合しない少ない数のピークが観察された。サンプル1aの回折パターンを赤で6°から65°2θで示した。緑の線は近似バックグラウンドを示す。差し込み図はデータの検索/適合結果と共にデータの一部を示す。それぞれの色の線のグループは同定した位相の存在を示している。
図4はサンプル3の回折パターンの一部及び検索/適合結果を示す。再び、Na(HCO) 04-017-3645 [5] が NaCO.HO 01-070-2148 [6]と共に製造の残余物として確認され、NaHAs 04-011-6938 [9]が主要な成分として同定され、再度三酸化砒素の変化を通じて四酸化二砒素を合成する効果的な方法として上記手順が立証された。サンプル3の回折パターンの一部が赤で6°から29°2θで示されている。同定された個別の位相は色の線のグループにより示唆される。Na(HCO)(青)が、NaH(CO.2HO(緑)、NaCO.HO(ピンク)、NaHAsと共に同定された。
図5はサンプル3の特にNaHAs位相(ICDD 04-011-6938)に適合するピークを示す拡大した8~17°2θのX線回折パターンであり、図6はさらにNaHAs位相(ICDD 04-011-6938)に適合するピークを示す拡大した17~26°2θのX線回折パターンである。NaHAs位相に対する相対ピーク強度は検索/適合ソフトウェアの制限によって限定される。図7はサンプル1aの特にNaHAs位相(ICDD 04-011-6938)に適合するピークを示す拡大した8~15°2θのX線回折パターンである。さらに、NaHAs位相に対する相対ピーク強度は検索/適合ソフトウェアの制限によって限定される。
図8は炭酸水素ナトリウムの使用なしに生成した二つのサンプルのうちの一つであるサンプル1bの回折パターンの一部と検索/適合結果を示す。位相NaAsO04-016-1771 [4]およびNaCO.HO 01-070-2148 [6]が主要水準で存在しているとして同定された。位相NaCO00-019-1130 [8]およびNa6.26(AsO(OH)0.26・24HO04-011-1587 [10]が少数水準で確認された。さらに1以上の不純物の位相の存在を示唆する多数の適合しないピークが観察された。サンプル1bの回折パターンの一部を赤で5°~18°2θの範囲で示した。緑の線は近似バックグラウンドを示す。同定された個別の位相を主要水準のNaAsO(青)及びNaCO.HO(緑)、並びに少数水準のNa6.26(AsO(OH)0.26・(HO)24(ピンク)及びNaCO(茶)を含む色の線のグループにより示した。これは製造において炭酸水素ナトリウムなしでは四酸化二砒素のNaHAsの生成が不可能であることを示す。
最後に、図9は炭酸水素ナトリウムを使用せずに生成したもう一つサンプルであるサンプル2の回折パターンの一部及び検索/適合結果を示す。3つの主要な位相が確認された:NaCO.HO 01-070-2148 [6]、NaAsO04-016-1771 [4]及びNaCO00-019-1130 [8]。いくつかの適合しないピークが確認され、1以上の更なる不純物の位相の存在が示唆された。図9は赤で9°から26°2θのサンプル2の回折パターンの一部を示す。緑の線は近似バックグラウンドを示す。同定された個別の位相を同定された3つの位相の色の線のグループにより示した:NaAsO(緑)、NaCO.HO(I.青)及びNaCO(青)。サンプル2も同様に、これは炭酸水素ナトリウムなしでは四酸化二砒素のNaHAsの生成が不可能であることを裏付ける。
明確にするため、図5から7はそれ故、図4(サンプル3;低い角度範囲を図5、高い角度範囲を図6の二つのグラフを示す)及び図3(サンプル1a;図7に低い角度範囲のみを示す)の粉末回折分析結果の「拡大した」型を示した。縦軸は位相を目立たせるためより大きくした。それぞれの図の緑/青の縦の線はピークがNaHAsの結晶構造に相当すると期待される(赤線)ことを示す。特にサンプル3(図5及び6)に対してこの位相の存在は明白である;緑線はピークの位置だけでなくデータに相当するそれらの期待される相対高さも合致する。測定された多くの小さいピークがNaHAsとして適合し、完全に異なる結晶位相の可能性は非常に低い。
これらの結果は炭酸水素ナトリウムとの混合を含む重要性があり、上記手順に従うことで四酸化二砒素NaHAsが生成につながることを示す。この化合物は混合物中で通常生成し、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムが残ったままであり、それ故、ゼラチンカプセル剤に充填するために使用される最終組成物中に含まれる。炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムは本明細書中で記載したとおり利点を与え、NaHAsが治療的に活性な砒素イオンとして「活性」な送達型になる。
(溶解性検討)
WO 2016/119019として公開されたPCT出願に開示された三酸化砒素との比較の溶解試験を行い、それ故その内容を参照により援用する。端的には、比較的高いpHにおかれた溶解性試験でさえ、20分後に三酸化砒素25%から59%しか溶解しなかった。0.1M NaOHの使用でさえ、完全な溶解には15から20分を要した。本発明の四酸化二砒素化合物は代替手段の創作により有利な方法を提供し、及び胃の糜汁中、カプセル剤の内容物の混合がより早く起こる速い溶解砒素化合物を提供する。
模擬胃溶液での溶解
2gのNaCl、7mLの37%HCLを含む模擬胃溶液を調製し、それから水で約pH1.2の1Lになるまで調製した。NaHAsを含むゼラチンカプセル剤を150mLの模擬胃溶液に加え、37℃で撹拌した。約1分又は1分未満で、カプセル剤の外郭が溶解し、約2分又は2分未満で、NaHAsの内容物が完全に溶解した。
NaHAsの溶解試験を2つの異なるpHで行った。初めに、模擬胃液(pH1.24)次いで中性液に近いpH6.5を用いた。カプセル剤添加前、150mlの溶解液を37℃に加熱し、溶液はスピード2の回転子を含んでいた。その後適当なカプセル剤を加えた。通常、2分未満で両方の溶解媒体中、NaHAs粉末が完全に溶解したことが分かった。結果を下記表3に示す。
Figure 0007080230000003
本発明の一つの利点は食物がない休息状態におけるpH約1の胃の内容物(糜汁)中で四酸化二砒素(好ましくはNaHAs)の非常に迅速な完全な溶解を確実にすることにある。これはその塩が砒素酸を生成し、小腸中で容易に吸収に利用できることを確実にするだろう。この速い溶解が起こらず、胃の内容物がpH約6の小腸へ通過しなければ、砒素塩が溶解し、それから一部がその表面を通過することが起こる可能性は低い。固形の経口送達型でがん患者を治療する上での重要な点は24時間の生物学的同等性が液体注入型とおよそ同じになることである。胃の中での完全な溶解をできなかった場合にはこの目的が達成されないことを意味する。本発明は驚くべき効果的な方法でこの要求を満たす四酸化二砒素の塩を提供する。
上記記載の本発明の様々な実施態様を関連する分野において通常の知識を有する者へ記載する目的のために提供する。開示した単一の実施態様に発明を徹底させたり、制限したりする意図はない。上記のとおり、本発明への多数の代替手段や変形例が上記教示した当業者には明らかであるだろう。その結果、いくつかの代替実施態様が特に議論され、当業者たちによって他の実施態様は明らかであり、又は比較的容易に開発されるだろう。その結果、本発明の明細書は本明細書で議論された本発明のすべての代替方法、修正及び変更や上記発明の意図及び範囲に含まれる他の実施態様の利用することを意図している。
以下の特許請求の範囲及び本発明の先の記載において、文脈が明らかに必要としていない場合、表現言葉及び必要な含意によらない限り、本発明の1以上の実勢態様において、「含む」又はその変化形の言葉は開放的な意味で使用され、すなわち規定された整数の存在は、更なる整数の存在又は追加排除しないことを特定して使用されている。

Claims (16)

  1. アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の四酸化二砒素(III)と医薬的に許容可能な賦形剤とを含む、固体の経口医薬組成物。
  2. 前記アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の四酸化二砒素(III)が式MHAs(式中、Mは+1の原子価の金属である)である、請求項1に記載の組成物。
  3. 式MHAs(式中、Mは+1の原子価のアルカリ金属である)の四酸化二砒素(III)と医薬的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
  4. 前記四酸化二砒素が式NaHAsのものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記医薬的に許容可能な賦形剤が、乾燥剤、崩壊剤及び分散剤のうちの一つ以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記乾燥剤、崩壊剤又は分散剤が重炭酸塩化合物及び/又は炭酸塩化合物である、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記崩壊剤又は分散剤が重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び重炭酸マグネシウムからなる群から選ばれるか、又はそれらの組み合わせである、請求項6に記載の組成物。
  8. 錠剤、顆粒剤又はカプセル剤の形態である、請求項1から7いずれか一項に記載の組成物。
  9. 患者におけるがんの治療用の経口投与のための、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記がんが悪性血液腫瘍、固形腫瘍及びリンパ腫から選ばれる、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記がんが急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性リンパ芽球性B細胞白血病、急性リンパ芽球T細胞白血病、急性骨髄芽球性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、急性単芽球性白血病、急性赤白血病、急性巨核芽球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性未分化白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)及び慢性リンパ性白血病からなる群から選ばれる、請求項9または10に記載の組成物。
  12. 前記がんが急性前骨髄球性白血病(APL)である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記がんが多発性骨髄腫である、請求項9に記載の組成物。
  14. 組み合わせ治療の一部として四酸化二砒素の投与のための、請求項9から13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の医薬組成物を製造するための、四酸化二砒素の使用。
  16. 治療に有効な量の砒素イオンを患者に送達するための、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
JP2019524985A 2016-12-01 2017-08-02 砒素組成物 Active JP7080230B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022028046A JP7419415B2 (ja) 2016-12-01 2022-02-25 砒素組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AU2016904945 2016-12-01
AU2016904945A AU2016904945A0 (en) 2016-12-01 Arsenic compositions
PCT/AU2017/050807 WO2018098519A1 (en) 2016-12-01 2017-08-02 Arsenic compositions

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022028046A Division JP7419415B2 (ja) 2016-12-01 2022-02-25 砒素組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020500845A JP2020500845A (ja) 2020-01-16
JP7080230B2 true JP7080230B2 (ja) 2022-06-03

Family

ID=62240940

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019524985A Active JP7080230B2 (ja) 2016-12-01 2017-08-02 砒素組成物
JP2022028046A Active JP7419415B2 (ja) 2016-12-01 2022-02-25 砒素組成物

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022028046A Active JP7419415B2 (ja) 2016-12-01 2022-02-25 砒素組成物

Country Status (20)

Country Link
US (1) US11241453B2 (ja)
EP (1) EP3548044B1 (ja)
JP (2) JP7080230B2 (ja)
KR (1) KR102487884B1 (ja)
CN (1) CN109952105A (ja)
AU (1) AU2017368444B9 (ja)
BR (1) BR112019007498A2 (ja)
CA (1) CA3041357A1 (ja)
CL (1) CL2019001422A1 (ja)
DK (1) DK3548044T3 (ja)
ES (1) ES2964979T3 (ja)
IL (1) IL265986B (ja)
MX (1) MX2019006107A (ja)
NZ (1) NZ752214A (ja)
PE (1) PE20191544A1 (ja)
PL (1) PL3548044T3 (ja)
SG (1) SG11201903064SA (ja)
TW (1) TWI808060B (ja)
WO (1) WO2018098519A1 (ja)
ZA (1) ZA201902156B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022069485A (ja) * 2016-12-01 2022-05-11 ユーファーマ・プロプライアタリー・リミテッド 砒素組成物

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2017305945B2 (en) 2016-08-01 2019-11-21 Veolia Water Solutions & Technologies Support Process for removing silica from produced water and other wastewater streams
CA3211092A1 (en) * 2021-02-26 2022-09-01 Intas Pharmaceuticals Ltd. Oral pharmaceutical composition of arsenic trioxide
JP2022151442A (ja) * 2021-03-26 2022-10-07 均 石井 白血病治療薬。

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1471925A (zh) 2002-08-02 2004-02-04 丛繁滋 更适于硬质肿瘤直接给药的含砷组合物、制剂及制备方法
WO2016119019A1 (en) 2015-01-29 2016-08-04 Eupharma Pty Ltd Compositions containing arsenic and their use in methods of treatment

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2080004A (en) * 1933-05-17 1937-05-11 Frederick E Dearborn Double salt of copper arsenite and a copper salt of an unsaturated fatty acid and process of making the same
US3280046A (en) 1963-03-27 1966-10-18 Dow Chemical Co Polyol ether resins and utility
CA2307208A1 (en) 1997-10-15 1999-04-22 Polarx Biopharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for the treatment of primary and metastatic neoplastic diseases using arsenic compounds
ES2399480T3 (es) 1997-11-10 2013-04-01 Memorial Sloan-Kettering Cancer Center Procedimiento de producción de formulaciones de trióxido de arsénico
US7521071B2 (en) 2002-10-09 2009-04-21 Versitech Limited Formulation of oral compositions comprising arsenic trioxide and methods of use thereof
EP1721615A1 (en) 2005-05-09 2006-11-15 Komipharm International Co., Ltd. Pharmaceutical compositions comprising sodium or potassium arsenite for the treatment of urogenital cancer and its metastasis
US20090246291A1 (en) * 2008-03-27 2009-10-01 Angelika Burger Method and compositions for treatment of cancer
CN102060722B (zh) * 2009-05-01 2014-06-11 常州高新技术产业开发区三维工业技术研究所有限公司 一种含砷化合物及其制备方法和用途
EP2359812A1 (en) 2010-01-18 2011-08-24 Cephalon France Oral lyophilised compositions
CN105435228B (zh) * 2014-08-14 2020-08-07 中国科学院上海营养与健康研究所 三氧化二砷的抗肿瘤新用途及抗肿瘤制剂
EP3981414A1 (en) 2015-02-01 2022-04-13 Syros Pharmaceuticals, Inc. High surface-area lyophilized compositions comprising arsenic for oral administration in patients
AU2017368444B9 (en) 2016-12-01 2020-07-02 Eupharma Pty Ltd Arsenic compositions

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1471925A (zh) 2002-08-02 2004-02-04 丛繁滋 更适于硬质肿瘤直接给药的含砷组合物、制剂及制备方法
WO2016119019A1 (en) 2015-01-29 2016-08-04 Eupharma Pty Ltd Compositions containing arsenic and their use in methods of treatment

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022069485A (ja) * 2016-12-01 2022-05-11 ユーファーマ・プロプライアタリー・リミテッド 砒素組成物
JP7419415B2 (ja) 2016-12-01 2024-01-22 ユーファーマ・プロプライアタリー・リミテッド 砒素組成物

Also Published As

Publication number Publication date
EP3548044A4 (en) 2020-07-22
PE20191544A1 (es) 2019-10-24
KR20190089865A (ko) 2019-07-31
SG11201903064SA (en) 2019-05-30
ES2964979T3 (es) 2024-04-10
PL3548044T3 (pl) 2024-03-04
AU2017368444B9 (en) 2020-07-02
IL265986B (en) 2022-09-01
AU2017368444A1 (en) 2019-04-18
TW201821087A (zh) 2018-06-16
ZA201902156B (en) 2021-01-27
US20200016196A1 (en) 2020-01-16
TWI808060B (zh) 2023-07-11
IL265986A (en) 2019-06-30
NZ752214A (en) 2022-11-25
AU2017368444B2 (en) 2020-04-30
JP7419415B2 (ja) 2024-01-22
CN109952105A (zh) 2019-06-28
KR102487884B1 (ko) 2023-01-11
CL2019001422A1 (es) 2019-08-02
EP3548044A1 (en) 2019-10-09
CA3041357A1 (en) 2018-06-07
JP2020500845A (ja) 2020-01-16
EP3548044B1 (en) 2023-09-20
US11241453B2 (en) 2022-02-08
DK3548044T3 (en) 2023-12-11
MX2019006107A (es) 2019-08-21
JP2022069485A (ja) 2022-05-11
WO2018098519A1 (en) 2018-06-07
BR112019007498A2 (pt) 2019-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022069485A (ja) 砒素組成物
EP3149000B1 (en) Crystalline tosylate salt of a pi3k delta selective inhibitor for use in pharmaceutical formulations
CA2974843C (en) Compositions containing arsenic and their use in methods of treatment
EA018636B1 (ru) Система доставки лекарственного средства для введения водорастворимого катионного и амфифильного фармацевтически активного вещества
CN108003174A (zh) 一种倍半萜衍生物的晶型及其制备方法与用途
CN102060722B (zh) 一种含砷化合物及其制备方法和用途
WO2022087763A1 (zh) 含有索拉非尼游离碱和5-氟尿嘧啶的共晶体、药物组合物及其用途
TWI814468B (zh) 藥用組合物、其製備方法及用途
BR112017016252B1 (pt) Composição farmacêutica e processo de produção de carbonato e/ou bicarbonato arsênico
CN117956999A (en) Use of heteroaryloxy naphthalenes
CN102151276A (zh) 山楂酸的抗胰腺癌作用及其药物制剂

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210726

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220225

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220301

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220322

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7080230

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150