以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.適用例
<1.実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る撮像装置(撮像装置1)の一構成例を表すものである。撮像装置1は、画素アレイ10と、走査部21と、信号生成部22,23と、読出部40(読出部40S,40N)と、制御部50と、信号処理部60とを備えている。
画素アレイ10は、複数の画素Pがマトリックス状に配置されたものである。複数の画素Pは、複数の画素P1、複数の遮光画素P2、複数のダミー画素P3、および複数のダミー画素P4を含んでいる。画素P1は、フォトダイオードを有し、受光量に応じた画素電圧Vpixを生成するものである。遮光画素P2は、遮光された画素であり、後述するように、フォトダイオードの暗電流を検出するためのものである。ダミー画素P3,P4は、フォトダイオードを有しない画素である。画素アレイ10には、通常画素領域R1、遮光画素領域R21,R22、およびダミー画素領域R3,R4が設けられている。複数の画素P1は通常画素領域R1に配置され、複数の遮光画素P2は遮光画素領域R21,R22に配置され、複数のダミー画素P3はダミー画素領域R3に配置され、複数のダミー画素P4は、ダミー画素領域R4に配置されている。この例では、画素アレイ10において、垂直方向(図1における縦方向)の上から下に向かって、ダミー画素領域R4、ダミー画素領域R3、遮光画素領域R21、遮光画素領域R22、通常画素領域R1がこの順に配置されている。
画素アレイ10は、垂直方向(図1における縦方向)に延伸する複数の信号線SGL(この例では4096本の信号線SGL(0)~SGL(4095))を有している。この複数の信号線SGLは、通常画素領域R1、遮光画素領域R21,R22、およびダミー画素領域R3,R4を貫くように配置されている。この例では、水平方向(図1における横方向)において、1列分の画素Pと2本の信号線SGLとが交互に配置されている。偶数番目の信号線SGL(SGL(0),SGL(2),…)は、読出部40Sに接続され、奇数番目の信号線SGL(SGL(1),SGL(3),…)は、読出部40Nに接続されている。
以下に、通常画素領域R1、遮光画素領域R21,R22、およびダミー画素領域R3,R4について説明する。
図2は、通常画素領域R1の一構成例を表すものである。画素アレイ10は、通常画素領域R1において、複数の制御線TGLと、複数の制御線SLLと、複数の制御線RSTLとを有している。制御線TGLは、水平方向(図2における横方向)に延伸するものであり、制御線TGLには、走査部21により制御信号TGが印加される。制御線SLLは、水平方向に延伸するものであり、制御線SLLには、走査部21により制御信号SLが印加される。制御線RSTLは、水平方向に延伸するものであり、制御線RSTLには、走査部21により制御信号RSTが印加される。
複数の画素P1は、複数の画素P1Aと、複数の画素P1Bとを含んでいる。画素P1Aおよび画素P1Bは、互いに同じ回路構成を有するものである。画素P1A,P1Bは、垂直方向(図2における縦方向)において交互に配置されている。
画素P1(画素P1A,P1B)は、フォトダイオード11と、トランジスタ12~15とを有している。トランジスタ12~15は、この例ではN型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。
フォトダイオード11は、受光量に応じた量の電荷を生成して内部に蓄積する光電変換素子である。フォトダイオード11のアノードは接地され、カソードはトランジスタ12のソースに接続されている。
トランジスタ12のゲートは制御線TGLに接続され、ソースはフォトダイオード11のカソードに接続され、ドレインはフローティングディフュージョンFDに接続されている。画素P1Aのトランジスタ12のゲートと、その画素P1Aの下の画素P1Bのトランジスタ12のゲートは、同じ制御線TGLに接続されている。
この構成により、画素P1では、制御信号TGに基づいてトランジスタ12がオン状態になり、画素P1のフォトダイオード11で発生した電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される(電荷転送動作)ようになっている。
トランジスタ13のゲートは制御線RSTLに接続され、ドレインには電源電圧VDDが供給され、ソースはフローティングディフュージョンFDに接続されている。画素P1Aのトランジスタ13のゲートと、その画素P1Aの下の画素P1Bのトランジスタ13のゲートは、同じ制御線RSTLに接続されている。
この構成により、画素P1では、フォトダイオード11からフローティングディフュージョンFDへの電荷の転送に先立ち、制御信号RSTに基づいて、トランジスタ13がオン状態になり、フローティングディフュージョンFDに電源電圧VDDが供給される。これにより、画素P1では、フローティングディフュージョンFDの電圧がリセットされる(リセット動作)ようになっている。
トランジスタ14のゲートはフローティングディフュージョンFDに接続され、ドレインには電源電圧VDDが供給され、ソースはトランジスタ15のドレインに接続されている。
トランジスタ15のゲートは制御線SLLに接続され、ドレインはトランジスタ14のソースに接続され、ソースは信号線SGLに接続されている。画素P1Aのトランジスタ15のソースは、偶数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(0))に接続され、画素P1Bのトランジスタ15のソースは、奇数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(1))に接続されている。
この構成により、画素P1(画素P1A,P1B)では、トランジスタ15がオン状態になることにより、トランジスタ14が、読出部40の電流源44(後述)に接続される。これにより、トランジスタ14は、いわゆるソースフォロワとして動作し、フローティングディフュージョンFDの電圧に応じた電圧を、信号SIGとして、トランジスタ15を介して信号線SGLに出力する。具体的には、トランジスタ14は、フローティングディフュージョンFDの電圧がリセットされた後のP相(Pre-charge相)期間PPにおいて、その時のフローティングディフュージョンFDの電圧に対応するリセット電圧Vresetを信号SIGとして出力する。また、トランジスタ14は、フォトダイオード11からフローティングディフュージョンFDへ電荷が転送された後のD相(Data相)期間PDにおいて、その時のフローティングディフュージョンFDの電圧に対応する、受光量に応じた画素電圧Vpixを信号SIGとして出力するようになっている。
次に、遮光画素領域R21,R22について説明する。図1に示したように、遮光画素領域R21には、2行分の遮光画素P2が配置されており、遮光画素領域R22には、2行分の遮光画素P2が配置されている。遮光画素領域R22の構成は、遮光画素領域R21の構成と同様であるので、以下に、遮光画素領域R21を例に挙げて説明する。
図3は、遮光画素領域R21の一構成例を表すものである。なお、この図3では、画素アレイ10の遮光画素領域R21に加え、走査部21をも描いている。画素アレイ10は、遮光画素領域R21において、制御線TGLと、制御線SLLと、制御線RSTLとを有している。制御線TGLは、水平方向(図3における横方向)に延伸するものであり、制御線TGLには、走査部21により制御信号TGが印加される。制御線SLLは、水平方向に延伸するものであり、制御線SLLには、走査部21により制御信号SLが印加される。制御線RSTLは、水平方向に延伸するものであり、制御線RSTLには、走査部21により制御信号RSTが印加される。
複数の遮光画素P2は、複数の遮光画素P2Aと、複数の遮光画素P2Bとを含んでいる。遮光画素P2Aおよび遮光画素P2Bは、互いに同じ回路構成を有するものである。遮光画素P2Aは、2行分の遮光画素P2のうちの上の行の画素であり、遮光画素P2Bは、2行分の遮光画素P2のうちの下の行の画素である。
遮光画素P2(遮光画素P2A,P2B)は、フォトダイオード11と、トランジスタ12~15とを有している。遮光画素P2は、画素P1(図2)と同じ回路構成を有しており、画素P1とは異なり、光がフォトダイオード11に入射しないように遮光されたものである。
この構成により、遮光画素P2(遮光画素P2A,P2B)では、画素P1と同様に、トランジスタ15がオン状態になることにより、トランジスタ14が、フローティングディフュージョンFDの電圧に応じた信号SIGを、トランジスタ15を介して信号線SGLに出力する。遮光画素P2では、遮光されているため、D相期間PDにおけるフローティングディフュージョンFDの電圧は、フォトダイオード11の暗電流に応じた電圧になる。よって、トランジスタ14は、D相期間PDにおいて、暗電流に応じた画素電圧Vpixを信号SIGとして出力するようになっている。
次に、ダミー画素領域R3,R4について説明する。図1に示したように、ダミー画素領域R3には、2行分のダミー画素P3が配置されており、ダミー画素領域R4には、2行分のダミー画素P4が配置されている。
図4は、ダミー画素領域R3の一構成例を表すものである。なお、この図4では、画素アレイ10のダミー画素領域R3に加え、走査部21および信号生成部22をも描いている。画素アレイ10は、ダミー画素領域R3において、制御線SLLと、制御線VMALと、制御線VMBLとを有している。制御線SLLは、水平方向(図4における横方向)に延伸するものであり、制御線SLLには、走査部21により制御信号SLが印加される。制御線VMALは、水平方向に延伸するものであり、制御線VMALには、信号生成部22の電圧生成部30A(後述)により制御信号VMAが印加される。制御線VMBLは、水平方向に延伸するものであり、制御線VMBLには、信号生成部22の電圧生成部30B(後述)により制御信号VMBが印加される。
複数のダミー画素P3は、複数のダミー画素P3Aと、複数のダミー画素P3Bとを含んでいる。ダミー画素P3Aおよびダミー画素P3Bは、互いに同じ回路構成を有するものである。ダミー画素P3Aは、2行分のダミー画素P3のうちの上の行の画素であり、ダミー画素P3Bは、2行分のダミー画素P3のうちの下の行の画素である。
ダミー画素P3(ダミー画素P3A,P3B)は、トランジスタ14,15を有している。すなわち、ダミー画素P3は、画素P1(図2)から、フォトダイオード11およびトランジスタ12,13を省いたものである。
ダミー画素P3Aにおいて、トランジスタ14のゲートは制御線VMALに接続され、ドレインには電源電圧VDDが供給され、ソースはトランジスタ15のドレインに接続されている。トランジスタ15のゲートは制御線SLLに接続され、ドレインはトランジスタ14のソースに接続され、ソースは偶数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(0))に接続されている。
ダミー画素P3Bにおいて、トランジスタ14のゲートは制御線VMBLに接続され、ドレインには電源電圧VDDが供給され、ソースはトランジスタ15のドレインに接続されている。トランジスタ15のゲートは制御線SLLに接続され、ドレインはトランジスタ14のソースに接続され、ソースは奇数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(1))に接続されている。
この構成により、ダミー画素P3Aでは、トランジスタ15がオン状態になることにより、トランジスタ14が、P相期間PPおよびD相期間PDにおいて、制御信号VMAの電圧に応じた信号SIGを、トランジスタ15を介して信号線SGLに出力する。同様に、ダミー画素P3Bでは、トランジスタ15がオン状態になることにより、トランジスタ14が、P相期間PPおよびD相期間PDにおいて、制御信号VMBの電圧に応じた信号SIGを、トランジスタ15を介して信号線SGLに出力するようになっている。
図5は、ダミー画素領域R4の一構成例を表すものである。なお、この図5では、画素アレイ10のダミー画素領域R4に加え、走査部21および信号生成部23をも描いている。画素アレイ10は、ダミー画素領域R4において、制御線SLLと、制御線SUNLとを有している。制御線SLLは、水平方向(図5における横方向)に延伸するものであり、制御線SLLには、走査部21により制御信号SLが印加される。制御線SUNLは、水平方向に延伸するものであり、制御線SUNLには、信号生成部23により制御信号SUNが印加される。
複数のダミー画素P4は、複数のダミー画素P4Aと、複数のダミー画素P4Bとを含んでいる。ダミー画素P4Aおよびダミー画素P4Bは、互いに同じ回路構成を有するものである。ダミー画素P4Aは、2行分のダミー画素P4のうちの上の行の画素であり、ダミー画素P4Bは、2行分のダミー画素P4のうちの下の行の画素である。
ダミー画素P4(ダミー画素P4A,P4B)は、トランジスタ14,15を有している。ダミー画素P4は、ダミー画素P3(図4)と同じ回路構成を有している。トランジスタ14のゲートは制御線SUNLに接続され、ドレインには電源電圧VDDが供給され、ソースはトランジスタ15のドレインに接続されている。トランジスタ15のゲートは制御線SLLに接続され、ドレインはトランジスタ14のソースに接続され、ソースは信号線SGLに接続されている。ダミー画素P4Aのトランジスタ15のソースは、偶数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(0))に接続され、ダミー画素P4Bのトランジスタ15のソースは、奇数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(1))に接続されている。
このダミー画素P4では、後述するように、通常画素領域R1における画素P1、遮光画素領域R21,R22における遮光画素P2、およびダミー画素領域R3におけるダミー画素P3が読出対象として選択されている場合に、トランジスタ15がオン状態になる。そして、例えば、撮像装置1が、非常に明るい被写体を撮像する場合に、ダミー画素P4は、P相期間PP前の所定の期間において、制御信号SUNに電圧に応じた電圧を、トランジスタ15を介して信号線SGLに出力する。これにより、ダミー画素P4は、後述するように、非常に明るい被写体を撮像する場合に、P相期間PP前の所定の期間において、信号SIGの電圧が低くなりすぎないように、信号SIGの電圧を制限するようになっている。
走査部21(図1)は、制御部50からの指示に基づいて、通常画素領域R1における複数の画素P1を順次駆動するものであり、例えばシフトレジスタやアドレスデコーダ等を含んで構成されるものである。具体的には、走査部21は、通常画素領域R1における複数の制御線RSTLに対して制御信号RSTを順次印加し、複数の制御線TGLに対して制御信号TGを順次印加し、複数の制御線SLLに対して制御信号SLを順次印加するようになっている。
また、走査部21は、後述するように、ブランキング期間P20において、遮光画素領域R21,R22における複数の遮光画素P2、およびダミー画素領域R3における複数のダミー画素P3を駆動する機能をも有している。
また、走査部21は、後述するように、通常画素領域R1における画素P1、遮光画素領域R21,R22における遮光画素P2、およびダミー画素領域R3におけるダミー画素P3が読出対象として選択されている場合に、ダミー画素領域R4におけるダミー画素P4を駆動する機能をも有している。
信号生成部22は、制御部50からの指示に基づいて、画素アレイ10における制御線VMALに対して制御信号VMAを印加するとともに、制御線VMBLに対して制御信号VMBを印加するものである。信号生成部22は、図4に示したように、2つの電圧生成部30(電圧生成部30A,30B)を有している。電圧生成部30Aおよび電圧生成部30Bは、互いに同じ回路構成を有するので、以下に、電圧生成部30Aを例に挙げて説明する。
図6は、電圧生成部30Aの一構成例を表すものである。電圧生成部30Aは、抵抗回路部31と、セレクタ32と、温度センサ33と、セレクタ34とを有している。抵抗回路部31は、直列に接続された複数の抵抗素子を有するものであり、電源電圧VDDを分圧することにより複数の電圧を生成するようになっている。セレクタ32は、制御部50から供給された制御信号に基づいて、抵抗回路部31において生成された複数の電圧のうちの1つを選択して出力するものである。温度センサ33は、温度を検出するとともに、検出された温度に応じた電圧Vtempを生成するものである。セレクタ34は、制御部50から供給された制御信号に基づいて、セレクタ32から供給された電圧、および温度センサ33から供給された電圧Vtempのうちの一方を選択し、制御信号VMAとして出力するものである。
電圧生成部30Aおよび電圧生成部30Bには、制御部50から、制御信号が別々に供給される。これにより、電圧生成部30A,30Bは、互いに同じ制御信号VMA,VMBを生成することができ、あるいは互いに異なる制御信号VMA,VMBを生成することができるようになっている。
信号生成部23は、制御部50からの指示に基づいて、画素アレイ10における制御線SUNLに対して、制御信号SUNを印加するものである。この制御信号SUNは、後述するように、撮像装置1が、非常に明るい被写体を撮像する場合に、P相期間PPの前の所定の期間において、信号SIGの電圧が低くなりすぎないように、信号SIGの電圧を制限するためのものである。
読出部40(読出部40S,40N)は、画素アレイ10から信号線SGLを介して供給された信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成するものである。読出部40Sは、偶数番目の信号線SGL(信号線SGL(0),SGL(2),SGL(4),…)に接続されており、この例では、垂直方向(図1における縦方向)において、画素アレイ10の下に配置されている。読出部40Nは、奇数番目の信号線SGL(信号線SGL(1),SGL(3),SGL(5),…)に接続されており、この例では、垂直方向において、画素アレイ10の上に配置されている。
図7Aは、読出部40Sの一構成例を表すものであり、図7Bは、読出部40Nの一構成例を表すものである。なお、図7Aには、読出部40Sに加え、制御部50および信号処理部60をも描いており、同様に、図7Bには、読出部40Nに加え、制御部50および信号処理部60をも描いている。
読出部40(読出部40S,40N)は、複数のAD(Analog to Digital)変換部ADC(AD変換部ADC(0),ADC(1),ADC(2),…)と、複数のスイッチ部SW(スイッチ部SW(0),SW(1),SW(2),…)と、バス配線100(バス配線100S,100N)とを有している。
AD変換部ADCは、画素アレイ10から供給された信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、画素電圧VpixをデジタルコードCODEに変換するものである。複数のAD変換部ADCは、複数の信号線SGLに対応して設けられている。具体的には、読出部40S(図7A)では、0番目のAD変換部ADC(0)は、0番目の信号線SGL(0)に対応して設けられ、2番目のAD変換部ADC(2)は、2番目の信号線SGL(2)に対応して設けられ、4番目のAD変換部ADC(4)は、4番目の信号線SGL(4)に対応して設けられている。同様に、読出部40N(図7B)では、1番目のAD変換部ADC(1)は、1番目の信号線SGL(2)に対応して設けられ、3番目のAD変換部ADC(3)は、3番目の信号線SGL(3)に対応して設けられ、5番目のAD変換部ADC(5)は、5番目の信号線SGL(5)に対応して設けられている。
AD変換部ADCは、容量素子41,42と、電流源44と、コンパレータ45と、カウンタ46とを有している。容量素子41の一端には、制御部50から供給された参照信号REFが供給され、他端はコンパレータ45の正入力端子に接続されている。この参照信号REFは、P相期間PPおよびD相期間PDにおいて、時間の経過に応じて電圧レベルが徐々に低下する、いわゆるランプ波形を有するものである。容量素子42の一端は信号線SGLに接続され、他端はコンパレータ45の負入力端子に接続されている。電流源44は、信号線SGLから接地に所定の電流値の電流を流すものである。コンパレータ45は、正入力端子における入力電圧と負入力端子における入力電圧とを比較して、その比較結果を信号CMPとして出力するものである。コンパレータ45の正入力端子には、容量素子41を介して参照信号REFが供給され、負入力端子には、容量素子42を介して信号SIGが供給されるようになっている。このコンパレータ45は、P相期間PP前の所定の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行う機能をも有している。カウンタ46は、コンパレータ45から供給された信号CMP、制御部50から供給されたクロック信号CLKおよび制御信号CCに基づいて、カウント動作を行うものである。この構成により、AD変換部ADCは、信号SIGに基づいてAD変換を行い、カウンタ46のカウント値CNTを、複数のビット(この例では13ビット)を有するデジタルコードCODEとして出力するようになっている。
スイッチ部SWは、制御部50から供給された制御信号SELに基づいて、AD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEをバス配線100に供給するものである。複数のスイッチ部SWは、複数のAD変換部ADCに対応して設けられている。具体的には、読出部40S(図7A)では、0番目のスイッチ部SW(0)は、0番目のAD変換部ADC(0)に対応して設けられ、2番目のスイッチ部SW(2)は、2番目のAD変換部ADC(2)に対応して設けられ、4番目のスイッチ部SW(4)は、4番目のAD変換部ADC(4)に対応して設けられている。同様に、読出部40N(図7B)では、1番目のスイッチ部SW(1)は、1番目のAD変換部ADC(1)に対応して設けられ、3番目のスイッチ部SW(3)は、3番目のAD変換部ADC(3)に対応して設けられ、5番目のスイッチ部SW(5)は、5番目のAD変換部ADC(5)に対応して設けられている。
スイッチ部SWは、この例では、デジタルコードCODEのビット数と同じ数(この例では13個)のトランジスタを用いて構成されている。これらのトランジスタは、制御部50から供給された制御信号SELの各ビット(制御信号SEL[0]~SEL[4095])に基づいて、オンオフ制御される。具体的には、例えば、0番目のスイッチ部SW(SW(0))(図7A)は、制御信号SEL[0]に基づいて各トランジスタがオン状態になることにより、0番目のAD変換部ADC(0)から出力されたデジタルコードCODEをバス配線100Sに供給する。同様に、例えば、1番目のスイッチ部SW(SW(1))(図7B)は、制御信号SEL[1]に基づいて各トランジスタがオン状態になることにより、1番目のAD変換部ADC(1)から出力されたデジタルコードCODEをバス配線100Nに供給する。他のスイッチ部SWについても同様である。
バス配線100S(図7A)は、複数(この例では13本)の配線を有し、読出部40SのAD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEを伝えるものである。読出部40Sは、このバス配線100Sを用いて、読出部40SのAD変換部ADCから供給された複数のデジタルコードCODEを、画像信号DATA0Sとして、信号処理部60に供給するようになっている。
同様に、バス配線100N(図7B)は、複数(この例では13本)の配線を有し、読出部40NのAD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEを伝えるものである。読出部40Nは、このバス配線100Nを用いて、読出部40NのAD変換部ADCから供給された複数のデジタルコードCODEを、画像信号DATA0Nとして、信号処理部60に供給するようになっている。
制御部50(図1)は、走査部21、信号生成部22,23、読出部40(読出部40S,40N)、および信号処理部60に制御信号を供給し、これらの回路の動作を制御することにより、撮像装置1の動作を制御するものである。
制御部50は、参照信号生成部51を有している。参照信号生成部51は、参照信号REFを生成するものである。参照信号REFは、P相期間PPおよびD相期間PDにおいて、時間の経過に応じて電圧レベルが徐々に低下する、いわゆるランプ波形を有するものである。参照信号生成部51は、この参照信号REFにおけるランプ波形の傾きや、電圧オフセット量OFSを変更可能に構成されている。そして、参照信号生成部51は、生成した参照信号REFを、読出部40(読出部40S,40N)のAD変換部ADCに供給するようになっている。
この構成により、制御部50は、例えば、走査部21に対して制御信号を供給することにより、走査部21が、通常画素領域R1における複数の画素P1を順次駆動し、ブランキング期間P20において、遮光画素領域R21,R22における複数の遮光画素P2、およびダミー画素領域R3における複数のダミー画素P3を駆動するように制御する。また、制御部50は、例えば、走査部21に対して制御信号を供給することにより、通常画素領域R1における画素P1、遮光画素領域R21,R22における遮光画素P2、およびダミー画素領域R3におけるダミー画素P3が読出対象として選択されている場合に、走査部21が、ダミー画素領域R4におけるダミー画素P4を駆動するように制御する。
また、制御部50は、信号生成部22に対して制御信号を供給することにより、信号生成部22が、ダミー画素領域R3における制御線VMALに対して制御信号VMAを印加するとともに、制御線VMBLに対して制御信号VMBを印加するように制御する。また、制御部50は、信号生成部23に対して制御信号を供給することにより、信号生成部23が、ダミー画素領域R4における制御線SUNLに対して、制御信号SUNを印加するように制御する。
また、制御部50は、読出部40(読出部40S,40N)に対して、参照信号REF、クロック信号CLK、制御信号CC、および制御信号SEL(制御信号SEL[0]~SEL[4095])を供給することにより、読出部40が、信号SIGに基づいて画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成するように制御する。
また、制御部50は、信号処理部60に対して制御信号を供給することにより、信号処理部60の動作を制御するようになっている。
図8は、信号処理部60の一構成例を表すものである。信号処理部60は、読出部40から供給された画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)に基づいて、所定の信号処理を行い、信号処理が施された画像信号を画像信号DATAとして出力するものである。また、信号処理部60は、画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)に基づいて診断処理を行い、診断結果RESを出力する機能をも有している。信号処理部60は、処理部70,80と、診断部61とを有している。
処理部70は、画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)に基づいて、この画像信号DATA0に含まれるデジタルコードCODEからフォトダイオード11の暗電流の寄与分を差し引く暗電流補正を行うものである。処理部70は、平均値算出部71と、オフセット量算出部72と、平均値算出部73と、補正値算出部74と、補正部75とを有している。
平均値算出部71は、制御部50からの指示に基づいて、画像信号DATA0に含まれる、遮光画素領域R21における複数の遮光画素P2に係るデジタルコードCODEの平均値を求めるものである。すなわち、走査部21が、遮光画素領域R21における複数の遮光画素P2を駆動し、読出部40が、信号SIGに基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードCODEを生成したときに、平均値算出部71は、これらのデジタルコードCODEの平均値を求めるようになっている。
オフセット量算出部72は、平均値算出部71の算出結果に基づいて、D相期間PDにおける参照信号REFの電圧オフセット量OFSを算出するものである。そして、オフセット量算出部72は、その算出結果を、制御部50に供給するようになっている。制御部50は、この電圧オフセット量OFSをレジスタに記憶し、制御部50の参照信号生成部51は、この電圧オフセット量OFSに基づいて、参照信号REFを生成する。これにより、参照信号生成部51は、これ以降、D相期間PDにおいて、電圧オフセット量OFSの分だけ電圧がずれた参照信号REFを生成する。そして、走査部21は、遮光画素領域R22における複数の遮光画素P2を駆動し、読出部40は、信号SIGに基づいて、この参照信号REFを用いてAD変換を行うことによりデジタルコードCODEを生成する。
平均値算出部73は、制御部50からの指示に基づいて、画像信号DATA0に含まれる、遮光画素領域R22における複数の遮光画素P2に係るデジタルコードCODEの平均値を求めるものである。このデジタルコードCODEは、読出部40が、D相期間PDにおいて、電圧オフセット量OFSの分だけ電圧がずれた参照信号REFを用いて生成したものである。平均値算出部73は、このようにして生成したデジタルコードCODEの平均値を求めるようになっている。
補正値算出部74は、平均値算出部73の算出結果に基づいて、デジタルコードCODEの補正値を算出するものである。
補正部75は、補正値算出部74が算出した補正値を用いて、画像信号DATA0に含まれる、通常画素領域R1における複数の画素P1に係るデジタルコードCODEを補正するものである。
この構成により、処理部70は、遮光画素領域R21,R22の複数の遮光画素P2に係るデジタルコードCODEに基づいて、フォトダイオード11の暗電流がデジタルコードCODEに与える影響を求め、通常画素領域R1の複数の画素P1に係るデジタルコードCODEから、暗電流の寄与分を差し引くようになっている。
処理部80は、例えば1行分の画素P1や1列分の画素P1が正常に動作しないことにより、画像にライン状の筋が生じる場合に、画像を補正する処理を行うものである。処理部80は、行平均値算出部81と、判定部82と、横筋補正部83と、判定部84と、縦筋補正部85と、選択制御部86と、セレクタ87とを有している。
行平均値算出部81は、処理部70から供給された画像信号に基づいて、通常画素領域R1における1行分の画素P1に係るデジタルコードCODEの平均値を算出するものである。
判定部82は、行平均値算出部81から供給された、複数行分のデジタルコードCODEの平均値に基づいて、水平方向に延びるライン状の筋が生じているかどうかを判定するものである。具体的には、例えば、着目した行の画素P1に係るデジタルコードCODEの平均値と、着目した行の上の行の画素P1に係るデジタルコードCODEの平均値との差が所定値より大きく、かつ、着目した行の画素P1に係るデジタルコードCODEの平均値と、着目した行の下の行の画素P1に係るデジタルコードCODEの平均値との差が所定値よりも大きい場合に、判定部82は、着目した行にライン状の筋が生じていると判定する。そして、判定部82は、その判定結果を選択制御部86に供給するようになっている。
横筋補正部83は、着目した行の上の行の画素P1に係るデジタルコードCODEと、着目した行の下の行の画素P1に係るデジタルコードCODEに基づいて、着目した行の画素P1に係るデジタルコードCODEを算出するものである。具体的には、横筋補正部83は、例えば、着目した画素P1の上の画素P1に係るデジタルコードCODEと、着目した画素P1の下の画素P1に係るデジタルコードCODEとの平均値を求めることにより、着目した画素P1に係るデジタルコードCODEを求めるようになっている。
判定部84は、処理部70から供給された画像信号に含まれる、着目した画素P1に係るデジタルコードCODEと、着目した画素P1の左の画素P1に係るデジタルコードCODEと、着目した画素P1の右の画素P1に係るデジタルコードCODEに基づいて、垂直方向に延びるライン状の筋が生じ得るかどうかを判定するものである。具体的には、例えば、着目した画素P1に係るデジタルコードCODEと、着目した画素P1の左の画素P1に係るデジタルコードCODEとの差が所定値より大きく、かつ、着目した画素P1に係るデジタルコードCODEと、着目した画素P1の右の画素P1に係るデジタルコードCODEとの差が所定値よりも大きい場合に、判定部84は、着目した画素P1を含む列にライン状の筋が生じ得ると判定する。そして、判定部84は、その判定結果を選択制御部86に供給するようになっている。
縦筋補正部85は、例えば、着目した画素P1の右の画素P1に係るデジタルコードCODEと、着目した画素P1の左の画素P1に係るデジタルコードCODEとの平均値を求めることにより、着目した画素P1に係るデジタルコードCODEを求めるものである。
選択制御部86は、判定部82,84による判定結果に基づいて、処理部70から供給されたデジタルコードCODE、横筋補正部83から供給されたデジタルコードCODE、および縦筋補正部85から供給されたデジタルコードCODEのうちの選択すべきデジタルコードCODEを指示するための選択信号を生成するものである。
セレクタ87は、選択制御部86から供給された選択信号に基づいて、処理部70から供給されたデジタルコードCODE、横筋補正部83から供給されたデジタルコードCODE、および縦筋補正部85から供給されたデジタルコードCODEのうちの1つを選択して出力するものである。
この構成により、処理部80は、処理部70から供給された画像信号に基づいて、ライン状の筋を検出し、ライン状の筋が目立たなくなるように、デジタルコードCODEを補正する。そして、処理部80は、処理が施された画像信号を、画像信号DATAとして出力するようになっている。なお、この例では、処理部80を撮像装置1に設けたが、これに限定されるものではなく、撮像装置1に処理部80を設けず、撮像装置1とは別の信号処理部がこの処理部80の処理を行うようにしてもよい。
なお、この例では、処理部80は、1行分の画素P1や1列分の画素P1が正常に動作しないことにより、画像にライン状の筋が生じる場合に、ライン状の筋が目立たなくなるように、デジタルコードCODEを補正したが、これに限定されるものではない。例えば、隣り合う2行分の画素P1が正常に動作しないことにより、画像にライン状の筋が生じる場合に、同様に、デジタルコードCODEを補正するようにしてもよい。
診断部61は、画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)に基づいて、診断処理を行うものである。具体的には、診断部61は、画像信号DATA0に含まれるデジタルコードCODEが、所定のスペックを満たしているかどうかを確認することにより診断処理を行い、診断結果RESを出力するようになっている。
撮像装置1において、図1に示したブロックは、1枚の半導体基板に形成されてもよい。また、図1に示したブロックが、複数の半導体基板に形成されてもよい。具体的には、例えば、図9に示したように、撮像装置1の各ブロックを、2枚の半導体基板(上基板201および下基板202)に分けて形成してもよい。この例では、上基板201および下基板202は積層され、複数のビア203を介して互いに接続されている。上基板201には、例えば、画素アレイ10、制御線TGL,SLL,RSTL,VMAL,VMBL,SUNL、信号線SGL、走査部21、および信号生成部22,23を形成することができる。また、下基板202には、読出部40(読出部40S,40N)、制御部50、および信号処理部60を形成することができる。具体的には、上基板201における信号線SGLが、複数のビア203のうちの複数のビア203Aを介して、下基板202における読出部40に接続される。なお、各回路の配置は、これに限定されるものではなく、例えば、信号生成部22,23を下基板202に形成してもよい。この場合、上基板201における複数の制御線VMAL,VMBL,SUNLは、複数のビア203のうちの複数のビア203Bを介して、下基板202における信号生成部22,23に接続される。このような積層構造により、レイアウトの観点から、有利な設計を実現することができる。また、撮像装置1では、例えば隣り合うビア203のショートや、電圧の固定などが生じた場合でも、これらの不具合を診断することができるようになっている。
図38は、上基板201および下基板202における回路配置の一例を表すものである。
上基板201には、この例では画素アレイ10が形成されている。すなわち、上基板201には、複数の画素P1(画素P1A,P1B)、複数の遮光画素P2(遮光画素P2A,P2B)、複数のダミー画素P3(ダミー画素P3A,P3B)、複数のダミー画素P4(ダミー画素P4A,P4B)、制御線TGL,SLL,RSTL,VMAL,VMBL,SUNL、および信号線SGLが形成される。
また、上基板201には、電極領域201A,201B,201Cが設けられている。電極領域201Aは、上基板201の下辺側に設けられ、電極領域201Bは、上基板201の上辺側に設けられ、電極領域201Cは、上基板201の左辺側に設けられている。電極領域201Aには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCV(Through Chip Via)などのビアを介して画素アレイ10における偶数番目の複数の信号線SGLに接続されている。電極領域201Bには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCVなどのビアを介して画素アレイ10における奇数番目の複数の信号線SGLに接続されている。電極領域201Cには、複数の電極が形成され、これらの電極は、例えばTCVなどのビアを介して画素アレイ10における制御線TGL,SLL,RSTL,VMAL,VMBLに接続されている。
下基板202には、この例では、走査部21、読出部40S,40N、参照信号生成部51、および処理部209が形成されている。ここで、処理部209は、制御部50における参照信号生成部51以外の回路、信号生成部22,23、および信号処理部60に対応している。処理部209は、図38における上下方向の中央付近に配置され、走査部21は、処理部209の左側に配置され、参照信号生成部51は、処理部209の右側に配置され、読出部40Sは処理部209の下側に配置され、読出部40Nは処理部209の上側に配置されている。参照信号生成部51から2つの読出部40S,40Nに供給される参照信号REFは、2つの読出部40S,40Nにおいて同じ波形であることが望ましい。よって、参照信号生成部51と読出部40Sとの間の距離は、参照信号生成部51と読出部40Nとの間の距離に等しいことが望ましい。なお、この例では、1つの参照信号生成部51を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、2つの参照信号生成部51(参照信号生成部51S,51N)を設け、参照信号生成部51Sが生成した参照信号REFを読出部40Sに供給し、参照信号生成部51Nが生成した参照信号REFを読出部40Nに供給してもよい。
また、下基板202には、電極領域202A,202B,202Cが設けられている。電極領域202Aは、下基板202の下辺側に、読出部40Sに隣り合うように設けられ、電極領域202Bは、下基板202の上辺側に、読出部40Nに隣り合うように設けられ、電極領域202Cは、下基板202の左辺側に、走査部21に隣り合うように設けられている。電極領域202Aには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCVなどのビアを介して読出部40Sに接続されている。電極領域202Bには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCVなどのビアを介して読出部40Nに接続されている。電極領域202Cには、複数の電極が形成され、これらの複数の電極は、例えばTCVなどのビアを介して走査部21、および処理部209内の信号生成部22,23に接続されている。
撮像装置1では、上基板201および下基板202が、互いにはり合わされている。これにより、上基板201の電極領域201Aにおける複数の電極が、下基板202の電極領域202Aにおける複数の電極に電気的に接続され、上基板201の電極領域201Bにおける複数の電極が、下基板202の電極領域202Bにおける複数の電極に電気的に接続され、上基板201の電極領域201Cにおける複数の電極が、下基板202の電極領域202Cにおける複数の電極に電気的に接続される。
この構成により、下基板202の走査部21、信号生成部22,23は、電極領域201C,202Cにおける複数の電極を介して、上基板201の画素アレイ10に、制御信号TG,SL,RST,VMA,VMB,SUNを供給する。上基板201の画素アレイ10は、電極領域201A,202Aにおける複数の電極、および電極領域201B,202Bにおける複数の電極を介して、下基板202の読出部40S,40Nに信号SIGを供給する。下基板202の読出部40S,40Nは、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成する。下基板202の信号処理部60は、画像信号DATA0に基づいて、画像信号DATA0に基づいて診断処理を行い、診断結果RESを出力する。これにより、撮像装置1では、後述するように、例えば、画素アレイ10において隣り合う信号線SGLのショート、電極領域201A,201B,201C,202A,202B,202C付近において隣り合う電極やビアのショート、信号線SGLや電極における電圧の固定などが生じた場合でも、これらの不具合を診断することができるようになっている。
また、このように、上基板201に画素アレイ10を主に配置することにより、画素に特化した半導体製造工程を用いて上基板201を製造することができる。つまり、上基板201には、画素アレイ10以外にトランジスタがないので、例えば、1000度でアニールする工程がある場合でも、画素アレイ10以外の回路に影響を与えることがない。よって、上基板201を製造する際、例えば白点対策の高温プロセスを導入することができ、その結果、撮像装置1における特性を改善することができる。
ここで、画素P1は、本開示における「第1の画素」および「第2の画素」の一具体例
に対応する。フォトダイオード11は、本開示における「第1のフォトダイオード」およ
び「第2のフォトダイオード」の一具体例に対応する。信号線SGLは、本開示における
「第1の信号線」および「第2の信号線」の一具体例に対応する。AD変換部ADCは、
本開示における「第1のAD変換部」および「第2のAD変換部」の一具体例に対応する
。制御線VMALは、本開示における「第1の制御線」の一具体例に対応する。制御線V
MBLは、本開示における「第2の制御線」の一具体例に対応する。信号生成部22は、
本開示における「信号生成部」の一具体例に対応する。ダミー画素P3Aのトランジスタ
14は、本開示における「第1のトランジスタ」の一具体例に対応する。ダミー画素P3
Bのトランジスタ14は、本開示における「第2のトランジスタ」の一具体例に対応する
。診断部61は、本開示における「診断部」の一具体例に対応する。参照信号生成部51
は、本開示における「参照信号生成部」の一具体例に対応する。コンパレータ45は、本
開示における「比較部」の一具体例に対応する。カウンタ46は、本開示における「カウ
ンタ」の一具体例に対応する。ビア203Aは、本開示における「第1の接続部」および
「第2の接続部」の一具体例に対応する。上基板201は、本開示における「第1の基板
」の一具体例に対応する。下基板202は、本開示における「第2の基板」の一具体例に
対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の撮像装置1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、撮像装置1の全体動作概要を説明する。信号生成部22は、制御信号VMA,VMBを生成する。信号生成部23は、制御信号SUNを生成する。走査部21は、通常画素領域R1における複数の画素P1を順次駆動する。通常画素領域R1における画素P1は、P相期間PPにおいて、リセット電圧Vresetを信号SIGとして出力し、D相期間PDにおいて、受光量に応じた画素電圧Vpixを信号SIGとして出力する。また、走査部21は、ブランキング期間P20において、遮光画素領域R21,R22における複数の遮光画素P2、およびダミー画素領域R3における複数のダミー画素P3を駆動する。遮光画素領域R21,R22における遮光画素P2は、P相期間PPにおいて、リセット電圧Vresetを信号SIGとして出力し、D相期間PDにおいて、暗電流に応じた画素電圧Vpixを信号SIGとして出力する。ダミー画素領域R3におけるダミー画素P3Aは、P相期間PPおよびD相期間PDにおいて、制御信号VMAの電圧に応じた信号SIGを出力し、ダミー画素P3Bは、制御信号VMBの電圧に応じた信号SIGを出力する。また、走査部21は、通常画素領域R1における画素P1、遮光画素領域R21,R22における遮光画素P2、およびダミー画素領域R3におけるダミー画素P3が読出対象として選択されている場合に、ダミー画素領域R4におけるダミー画素P4を駆動する。
読出部40(読出部40S,40N)は、信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成する。信号処理部60は、画像信号DATA0に基づいて、所定の信号処理を行い、信号処理が施された画像信号を画像信号DATAとして出力するとともに、画像信号DATA0に基づいて診断処理を行い、診断結果RESを出力する。制御部50は、走査部21、信号生成部22,23、読出部40(読出部40S,40N)、および信号処理部60に制御信号を供給し、これらの回路の動作を制御することにより、撮像装置1の動作を制御する。
(詳細動作)
撮像装置1において、通常画素領域R1における複数の画素P1は、受光量に応じて電荷を蓄積し、受光量に応じた画素電圧Vpixを信号SIGとして出力する。以下に、この動作について詳細に説明する。
図10は、通常画素領域R1における画素P1を走査する動作の一例を表すものである。図11は、撮像装置1の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は(n-1)本目の制御線RSTL(n-1)における制御信号RST(n-1)の波形を示し、(C)は(n-1)本目の制御線TGL(n-1)における制御信号TG(n-1)の波形を示し、(D)は(n-1)本目の制御線SLL(n-1)における制御信号SL(n-1)の波形を示し、(E)はn本目の制御線RSTL(n)における制御信号RST(n)の波形を示し、(F)はn本目の制御線TGL(n)における制御信号TG(n)の波形を示し、(G)はn本目の制御線SLL(n)における制御信号SL(n)の波形を示し、(H)は(n+1)本目の制御線RSTL(n+1)における制御信号RST(n+1)の波形を示し、(I)は(n+1)本目の制御線TGL(n+1)における制御信号TG(n+1)の波形を示し、(J)は(n+1)本目の制御線SLL(n+1)における制御信号SL(n+1)の波形を示す。
撮像装置1は、図10に示したように、タイミングt0~t1の期間において、通常画素領域R1における画素P1に対して、垂直方向において上から順に蓄積開始駆動D1を行う。
具体的には、例えば、図11に示したように、タイミングt21から開始する水平期間Hにおいて、走査部21は、パルス波形を有する制御信号RST(n-1),TG(n-1)を生成する(図11(B),(C))。具体的には、走査部21は、タイミングt22において制御信号RST(n-1)および制御信号TG(n-1)の電圧を低レベルから高レベルに変化させ、タイミングt23において制御信号RST(n-1)および制御信号TG(n-1)の電圧を高レベルから低レベルに変化させる。制御信号RST(n-1),TG(n-1)が供給された画素P1では、タイミングt22において、トランジスタ12,13がともにオン状態になる。これにより、フローティングディフュージョンFDの電圧およびフォトダイオード11のカソードの電圧が電源電圧VDDに設定される。そして、タイミングt23において、トランジスタ12,13がともにオフ状態になる。これにより、フォトダイオード11は、受光量に応じて電荷を蓄積し始める。このようにして、画素P1において蓄積期間P10が開始する。
次に、タイミングt24から開始する水平期間Hにおいて、走査部21は、パルス波形を有する制御信号RST(n),TG(n)を生成する(図11(E),(F))。これにより、制御信号RST(n),TG(n)が供給された画素P1は、タイミングt26において、受光量に応じて電荷を蓄積し始める。
次に、タイミングt27から開始する水平期間Hにおいて、走査部21は、パルス波形を有する制御信号RST(n+1),TG(n+1)を生成する(図11(H),(I))。これにより、制御信号RST(n+1),TG(n+1)が供給された画素P1は、タイミングt29において、受光量に応じて電荷を蓄積し始める。
このようにして、走査部21は、蓄積開始駆動D1を行うことにより、画素P1における電荷の蓄積を順次開始させる。そして、各画素P1では、読出駆動D2が行われるまでの蓄積期間P10において、電荷が蓄積される。
そして、走査部21は、図10に示したように、タイミングt10~t11の期間において、通常画素領域R1における画素P1に対して、垂直方向において上から順に読出駆動D2を行う。
具体的には、例えば、図11に示したように、タイミングt31から開始する水平期間Hにおいて、走査部21は、パルス波形を有する制御信号RST(n-1),TG(n-1),SL(n-1)を生成する(図11(B)~(D))。これにより、制御信号RST(n-1),TG(n-1),SL(n-1)が供給された画素P1は、後述するように、信号SIGを出力する。具体的には、この画素P1は、P相期間PPにおいてリセット電圧Vresetを信号SIGとして出力し、D相期間PDにおいて画素電圧Vpixを信号SIGとして出力する。そして、読出部40(読出部40S,40D)は、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードCODEを生成する。
次に、タイミングt32から開始する水平期間Hにおいて、走査部21は、パルス波形を有する制御信号RST(n),TG(n),SL(n)を生成する(図11(E)~(G))。これにより、制御信号RST(n),TG(n),SL(n)が供給された画素P1は信号SIGを出力し、読出部40は、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードCODEを生成する。
次に、タイミングt33から開始する水平期間Hにおいて、走査部21は、パルス波形を有する制御信号RST(n+1),TG(n+1),SL(n+1)を生成する(図11(H)~(J))。これにより、制御信号RST(n+1),TG(n+1),SL(n+1)が供給された画素P1は信号SIGを出力し、読出部40は、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことによりデジタルコードCODEを生成する。
このようにして、撮像装置1は、読出駆動D2を行うことにより、画素P1から信号SIG(リセット電圧Vresetおよび画素電圧Vpix)に基づいて、AD変換を順次行う。
撮像装置1は、このような蓄積開始駆動D1および読出駆動D2を繰り返す。具体的には、走査部21は、図10に示したように、タイミングt2~t3の期間において蓄積開始駆動D1を行い、タイミングt12~t13の期間において読出駆動D2を行う。また、走査部21は、タイミングt4~t5の期間において蓄積開始駆動D1を行い、タイミングt14~t15の期間において読出駆動D2を行う。
次に、読出駆動D2について、詳細に説明する。
図12は、着目した画素P1における読出駆動D2の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号RSTの波形を示し、(C)は制御信号TGの波形を示し、(D)は制御信号SLの波形を示し、(E)は参照信号REFの波形を示し、(F)は信号SIGの波形を示し、(G)はAD変換部ADCのコンパレータ45から出力される信号CMPの波形を示し、(H)はクロック信号CLKの波形を示し、(I)はAD変換部ADCのカウンタ46におけるカウント値CNTを示す。ここで、図12(E),(F)では、各信号の波形を同じ電圧軸で示している。図12(E)の参照信号REFは、コンパレータ45の正入力端子における波形を示し、図12(F)の信号SIGは、コンパレータ45の負入力端子における波形を示す。
撮像装置1では、ある水平期間(H)において、まず、走査部21が、画素P1に対してリセット動作を行い、AD変換部ADCが、その後のP相期間PPにおいて、画素P1が出力したリセット電圧Vresetに基づいてAD変換を行う。そして、走査部21が、画素P1に対して電荷転送動作を行い、AD変換部ADCが、D相期間PDにおいて、画素P1が出力した画素電圧Vpixに基づいてAD変換を行う。以下にこの動作について詳細に説明する。
まず、タイミングt41において、水平期間Hが開始すると、走査部21は、タイミングt42において、制御信号SLの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図12(D))。これにより、画素P1では、トランジスタ15がオン状態になり、画素P1が信号線SGLと電気的に接続される。
次に、タイミングt43において、走査部21は、制御信号RSTの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図12(B))。これにより、画素P1では、トランジスタ13がオン状態になり、フローティングディフュージョンFDの電圧が電源電圧VDDに設定される(リセット動作)。また、コンパレータ45は、タイミングt43~t45の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行う。
次に、タイミングt44において、走査部21は、制御信号RSTの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図12(B))。これにより、画素P1では、トランジスタ13がオフ状態になる。そして、画素P1は、このタイミングt44以降において、このときのフローティングディフュージョンFDの電圧に対応する電圧(リセット電圧Vreset)を出力する(図12(F))。
次に、タイミングt45において、コンパレータ45は、ゼロ調整を終了し、正入力端子および負入力端子を電気的に切断する。そして、このタイミングt45において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を電圧V1に変化させる(図12(E))。
次に、タイミングt46~t48の期間(P相期間PP)において、読出部40は、リセット電圧Vresetに基づいてAD変換を行う。具体的には、まず、タイミングt46において、制御部50は、クロック信号CLKの生成を開始する(図12(H))。これと同時に、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V1から所定の変化度合い(変動パターン)で低下させ始める(図12(E))。これに応じて、AD変換部ADCのカウンタ46は、カウント動作を開始し、カウント値CNTを順次変化させる(図12(I))。
そして、タイミングt47において、参照信号REFの電圧が信号SIGの電圧(リセットVreset)を下回る(図12(E),(F))。これに応じて、AD変換部ADCのコンパレータ45は、信号CMPの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図12(G))。その結果、カウンタ46は、カウント動作を停止する(図12(I))。
次に、タイミングt48において、制御部50は、P相期間PPの終了に伴い、クロック信号CLKの生成を停止する(図12(H))。これと同時に、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt49において、参照信号REFの電圧を電圧V2に変化させる(図12(E))。これに伴い、参照信号REFの電圧が信号SIGの電圧(リセット電圧Vreset)を上回るので(図12(E),(F))、AD変換部ADCのコンパレータ45は、信号CMPの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図12(G))。
次に、タイミングt50において、AD変換部ADCのカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNTの極性を反転する(図12(I))。
次に、タイミングt51において、走査部21は、制御信号TGの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図12(C))。これにより、画素P1では、トランジスタ12がオン状態になり、その結果、フォトダイオード11で発生した電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される(電荷転送動作)。これに応じて、信号SIGの電圧は低下する(図12(F))。
そして、タイミングt52において、走査部21は、制御信号TGの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図12(C))。これにより、画素P1では、トランジスタ12がオフ状態になる。そして、画素P1は、このタイミングt52以降において、このときのフローティングディフュージョンFDの電圧に対応する電圧(画素電圧Vpix)を出力する(図12(F))。
次に、タイミングt53~t55の期間(D相期間PD)において、読出部40は、画素電圧Vpixに基づいてAD変換を行う。具体的には、まず、タイミングt53において、制御部50は、クロック信号CLKの生成を開始する(図12(H))。これと同時に、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V2から所定の変化度合い(変動パターン)で低下させ始める(図12(E))。これに応じて、AD変換部ADCのカウンタ46は、カウント動作を開始し、カウント値CNTを順次変化させる(図12(I))。
そして、タイミングt54において、参照信号REFの電圧が信号SIGの電圧(画素電圧Vpix)を下回る(図12(E),(F))。これに応じて、AD変換部ADCのコンパレータ45は、信号CMPの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図12(G))。その結果、カウンタ46は、カウント動作を停止する(図12(I))。このようにして、AD変換部ADCは、画素電圧Vpixとリセット電圧Vresetとの差に応じたカウント値CNTを得る。そして、AD変換部ADCは、このカウント値CNTを、デジタルコードCODEとして出力する。
次に、タイミングt55において、制御部50は、D相期間PDの終了に伴い、クロック信号CLKの生成を停止する(図12(H))。これと同時に、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt56において、参照信号REFの電圧を電圧V3に変化させる(図12(E))。これに伴い、参照信号REFの電圧が信号SIGの電圧(画素電圧Vpix)を上回るので(図12(E),(F))、AD変換部ADCのコンパレータ45は、信号CMPの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図12(G))。
次に、タイミングt57において、走査部21は、制御信号SLの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図12(D))。これにより、画素P1では、トランジスタ15がオフ状態になり、画素P1が信号線SGLから電気的に切り離される。
そして、タイミングt58において、AD変換部ADCのカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNTを“0”にリセットする(図12(I))。
このように、撮像装置1では、P相期間PPにおいてリセット電圧Vresetに基づいてカウント動作を行い、カウント値CNTの極性を反転したのちに、D相期間PDにおいて画素電圧Vpixに基づいてカウント動作を行うようにした。これにより、撮像装置1は、画素電圧Vpixとリセット電圧Vresetとの差電圧に応じたデジタルコードCODEを取得することができる。撮像装置1では、このような相関2重サンプリングを行うようにしたので、画素電圧Vpixに含まれるノイズ成分を取り除くことができ、その結果、撮像画像の画質を高めることができる。
読出部40(読出部40S,40N)は、複数のAD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEを、バス配線100(バス配線100S,100N)を介して、画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)として信号処理部60に供給する。次に、このデータ転送動作について詳細に説明する。
図13Aは、読出部40Sにおけるデータ転送動作の一例を模式的に表すものであり、図13Bは、読出部40Nにおけるデータ転送動作の一例を模式的に表すものである。図13A,13Bにおいて、太線は、複数ビット(この例では13ビット)のバス配線を示す。この図13A,13Bにおいて、例えば、AD変換部ADCにおける“0”は、0番目のAD変換部ADC(0)を示し、“1”は、1番目のAD変換部ADC(1)を示す。
図14は、図13A,13Bに示したデータ転送動作のタイミング図を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SELの偶数ビットを示し、(C)は制御信号SELの奇数ビットを示す。図14(B)において、例えば“0”は、制御信号SELの偶数ビット(制御信号SEL[0],SEL[2],SEL[4],…)のうちの“0”番目のビット(制御信号SEL[0])のみがアクティブであり、他のビットは非アクティブであることを示す。同様に、図14(C)において、例えば“1”は、制御信号SELの奇数ビット(制御信号SEL[1],SEL[3],SEL[5],…)のうちの“1”番目のビット(制御信号SEL[1])のみがアクティブであり、他のビットは非アクティブであることを示す。
制御信号SELの偶数ビットは、図14(B)に示したように、制御信号SEL[0]、制御信号SEL[2]、制御信号SEL[4]の順にアクティブになる。これにより、読出部40S(図13A)では、まず、0番目のAD変換部ADC(0)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給され、次に、2番目のAD変換部ADC(2)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給され、次に、4番目のAD変換部ADC(4)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される。このようにして、左のAD変換部ADCから順に(転送順序F)、デジタルコードCODEが画像信号DATA0Sとして信号処理部60に転送される。
同様に、制御信号SELの奇数ビットは、図14(C)に示したように、制御信号SEL[1]、制御信号SEL[3]、制御信号SEL[5]の順にアクティブになる。これにより、読出部40N(図13B)では、まず、1番目のAD変換部ADC(1)のデジタルコードCODEがバス配線100Nに供給され、次に、3番目のAD変換部ADC(3)のデジタルコードCODEがバス配線100Nに供給され、次に、5番目のAD変換部ADC(5)のデジタルコードCODEがバス配線100Nに供給される。このようにして、左のAD変換部ADCから順に(転送順序F)、デジタルコードCODEが画像信号DATA0Nとして信号処理部60に転送される。
図15は、データ転送動作の他の動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SELの偶数ビットを示し、(C)は制御信号SELの奇数ビットを示す。
制御信号SELの偶数ビットは、図15(B)に示したように、制御信号SEL[4094]、制御信号SEL[4092]、制御信号SEL[4090]の順にアクティブになる。これにより、読出部40Sでは、まず、4094番目のAD変換部ADC(4094)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給され、次に、4092番目のAD変換部ADC(4092)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給され、次に、4090番目のAD変換部ADC(4090)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される。このようにして、右のAD変換部ADCから順に、デジタルコードCODEが画像信号DATA0Sとして信号処理部60に転送される。
同様に、制御信号SELの奇数ビットは、図15(C)に示したように、制御信号SEL[4095]、制御信号SEL[4093]、制御信号SEL[4091]の順にアクティブになる。これにより、読出部40Nでは、まず、4095番目のAD変換部ADC(4095)のデジタルコードCODEがバス配線100Nに供給され、次に、4093番目のAD変換部ADC(4093)のデジタルコードCODEがバス配線100Nに供給され、次に、4091番目のAD変換部ADC(4091)のデジタルコードCODEがバス配線100Nに供給される。このようにして、右のAD変換部ADCから順に、デジタルコードCODEが画像信号DATA0Nとして信号処理部60に転送される。
このように、撮像装置1では、複数のAD変換部ADCから信号処理部60にデジタルコードCODEを転送する際の順序を変更することができる。これにより、撮像装置1では、左右が反転した撮像画像が容易に得られるようになっている。
(自己診断について)
図10において、例えば、タイミングt11~t12の期間は、いわゆるブランキング期間P20(垂直ブランキング期間)であり、撮像装置1は、読出駆動D2を行わない。すなわち、この期間には、信号線SGLは、通常画素領域R1における画素P1に係るリセット電圧Vresetおよび画素電圧Vpixを伝えない。撮像装置1は、このブランキング期間P20を利用して自己診断を行う。以下に、いくつかの自己診断を例に挙げて説明する。なお、撮像装置1は、一つのブランキング期間P20に、以下に説明する自己診断のうちの1つを行うとともに、ブランキング期間P20ごとに、互いに異なる自己診断を行うようにすることができる。また、撮像装置1は、一つのブランキング期間P20に、以下に説明する自己診断のうちの複数の自己診断を行うようにしてもよい。
(自己診断A1)
自己診断A1では、主に、信号線SGLが正常に信号SIGを伝えることができるかどうかを、AD変換部ADCの基本動作とともに診断する。具体的には、信号生成部22の電圧生成部30A,30Bが、制御信号VMAを制御線VMALに印加するとともに制御信号VMBを制御線VMBLに印加する。そして、ダミー画素P3が、ブランキング期間P20において、制御信号VMA,VMBの電圧に応じた信号SIGを信号線SGLに出力する。読出部40は、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードCODEを生成する。そして診断部61が、このデジタルコードCODEに基づいて、診断処理を行う。以下に、この動作について詳細に説明する。
図16は、自己診断A1の一例を表すものである。この自己診断A1では、信号生成部22の電圧生成部30Aは、P相期間PPにおいて電圧V10を生成するとともにD相期間PDにおいて電圧V10よりも低い電圧V11を生成することにより制御信号VMAを生成する。また、電圧生成部30Bは、P相期間PPにおいて電圧V10を生成するとともにD相期間PDにおいて電圧V11よりも低い電圧V12を生成することにより制御信号VMBを生成する。このように、電圧生成部30A,30Bは、D相期間PDにおいて、互いに異なる電圧を生成する。ダミー画素領域R3におけるダミー画素P3Aは、P相期間PPおよびD相期間PDにおいて、制御信号VMAの電圧に応じた信号SIGを偶数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(0))に出力し、ダミー画素P3Bは、制御信号VMBの電圧に応じた信号SIGを奇数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(1))に出力する。これにより、D相期間PDにおいて、偶数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(0))の電圧と、その信号線SGLに隣接する奇数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(1))の電圧は互いに異なる。
読出部40(読出部40S,40N)は、信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成し、信号処理部60の診断部61は、この画像信号DATA0に基づいて診断処理を行い、診断結果RESを出力する。
以下に、0番目の信号線SGL(0)に接続されたダミー画素P3(ダミー画素P3A)と、1番目の信号線SGL(1)に接続されたダミー画素P3(ダミー画素P3B)に着目し、自己診断A1について説明する。
図17は、自己診断A1の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SLの波形を示し、(C)は制御信号VMAの波形を示し、(D)は制御信号VMBの波形を示し、(E)は参照信号REFの波形を示し、(F)は信号線SGL(0)における信号SIG(信号SIG(0))の波形を示し、(G)は1番目の信号線SGL(1)における信号SIG(信号SIG(1))の波形を示し、(H)はクロック信号CLKの波形を示し、(I)は0番目のAD変換部ADC(0)のカウンタ46におけるカウント値CNT(カウント値CNT(0))を示し、(J)は1番目のAD変換部ADC(1)のカウンタ46におけるカウント値CNT(カウント値CNT(1))を示す。ここで、図17(C),(D)では、各信号の波形を同じ電圧軸で示しており、同様に、図17(E)~(G)では、各信号の波形を同じ電圧軸で示している。
まず、タイミングt61において、ブランキング期間P20内の水平期間Hが開始すると、走査部21は、タイミングt62において、制御信号SLの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図17(B))。これにより、ダミー画素P3A,P3Bでは、トランジスタ15がオン状態になり、ダミー画素P3Aが信号線SGL(0)と電気的に接続されるとともに、ダミー画素P3Bが信号線SGL(1)と電気的に接続される。これにより、このタイミングt62以降において、ダミー画素P3Aは、制御信号VMAの電圧(電圧V10)に対応する電圧を信号SIG(0)として出力し(図17(C),(F))、ダミー画素P3Bは、制御信号VMBの電圧(電圧V10)に対応する電圧を信号SIG(1)として出力する(図17(D),(G))。
そして、コンパレータ45は、タイミングt63~t64の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行う。
次に、タイミングt64において、コンパレータ45は、ゼロ調整を終了し、正入力端子および負入力端子を電気的に切断する。そして、このタイミングt64において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を電圧V1に変化させる。
次に、タイミングt65~t67の期間(P相期間PP)において、読出部40は、AD変換を行う。具体的には、まず、タイミングt65において、制御部50は、クロック信号CLKの生成を開始する(図17(H))。これと同時に、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(図17(E))。AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、カウント動作を開始し、カウント値CNT(0)を順次変化させ(図17(I))、同様に、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、カウント動作を開始し、カウント値CNT(1)を順次変化させる(図17(J))。
そして、タイミングt66において、参照信号REFの電圧が信号SIG(0)の電圧を下回ると(図17(E),(F))、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、信号CMPに基づいてカウント動作を停止する(図17(I))。同様に、このタイミングt66において、参照信号REFの電圧が信号SIG(1)の電圧を下回ると(図17(E),(G))、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、信号CMPに基づいてカウント動作を停止する(図17(J))。
次に、タイミングt67において、制御部50は、P相期間PPの終了に伴い、クロック信号CLKの生成を停止する(図17(H))。これと同時に、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt68において、参照信号REFの電圧を電圧V2に変化させる(図17(E))。
次に、タイミングt69において、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)の極性を反転し(図17(I))、同様に、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(1)の極性を反転する(図17(J))。
次に、タイミングt70において、信号生成部22の電圧生成部30Aは、制御信号VMAの電圧を電圧V11に変化させ(図17(C))、電圧生成部30Bは、制御信号VMBの電圧を電圧V12に変化させる(図17(D))。これに応じて、信号SIG(0),SIG(1)の電圧は低下する(図17(F),(G))。
次に、タイミングt71~t74の期間(D相期間PD)において、読出部40は、AD変換を行う。具体的には、まず、タイミングt71において、制御部50は、クロック信号CLKの生成を開始する(図17(H))。これと同時に、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V2から所定の変化度合いで低下させ始める(図17(E))。これに応じて、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、カウント動作を開始し、カウント値CNT(0)を順次変化させ(図17(I))、同様に、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、カウント動作を開始し、カウント値CNT(1)を順次変化させる(図17(J))。
そして、タイミングt72において、参照信号REFの電圧が信号SIG(0)の電圧を下回ると(図17(E),(F))、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、カウント動作を停止する(図17(I))。そして、AD変換部ADC(0)は、このカウント値CNT(0)を、デジタルコードCODEとして出力する。
また、タイミングt73において、参照信号REFの電圧が信号SIG(1)の電圧を下回ると(図17(E),(G))、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、カウント動作を停止する(図17(J))。そして、AD変換部ADC(1)は、このカウント値CNT(1)を、デジタルコードCODEとして出力する。
次に、タイミングt74において、制御部50は、D相期間PDの終了に伴い、クロック信号CLKの生成を停止する(図17(H))。これと同時に、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt75において、参照信号REFの電圧を電圧V3に変化させる(図17(E))。
次に、タイミングt76において、走査部21は、制御信号SLの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図17(B))。これにより、ダミー画素P3A,P3Bでは、では、トランジスタ15がオフ状態になり、ダミー画素P3Aが信号線SGL(0)と電気的に切り離されるとともに、ダミー画素P3Bが信号線SGL(1)と電気的に切り離される。
そして、タイミングt77において、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)を“0”にリセットし(図17(I))、同様に、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(1)を“0”にリセットする(図17(J))。
読出部40(読出部40S,40N)は、AD変換により生成したデジタルコードCODEを含む画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成し、信号処理部60の診断部61は、この画像信号DATA0に基づいて診断処理を行う。
診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、例えば、画素アレイ10における信号線SGLが断線しているかどうかを診断することができる。具体的には、診断部61は、例えば、生成したデジタルコードCODEの値が、互いに異なる固定電圧値を有する電圧V11,V12に応じた所定の範囲内に収まっているかどうかを確認することにより、信号線SGLが断線しているかどうかを診断することができる。特に、図9に示したように、画素アレイ10が形成された上基板201と、読出部40が形成された下基板202を、ビア203で接続する場合には、診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、例えば、ビア203による接続不良があるかどうかを診断することができる。
また、診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、例えば、隣り合う信号線SGLがショートしているかどうかを診断することができる。特に、信号生成部22は、D相期間PDにおいて、制御信号VMA,VMBの電圧を互いに異なる電圧に設定したので、偶数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(0))の電圧と、その信号線SGLに隣接する奇数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(1))の電圧は、互いに異なる。よって、例えばこれらの信号線SGLがショートしている場合には、デジタルコードCODEが同じになる。診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、隣り合う信号線SGLがショートしているかどうかを診断することができる。
また、診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、例えば、信号線SGLが、電源線やグランド線などの他の配線とショートしているかどうかを診断することができる。すなわち、このようなショートが生じている場合には、信号線SGLの電圧が、ショートしている配線(電源線など)における所定の電圧と同じ電圧に固定されるため、デジタルコードCODEは、その所定の電圧に応じた値になる。診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、信号線SGLが他の配線とショートしているかどうかを診断することができる。
また、診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、電流源44が信号線SGLに接続されているかどうかや、電流源44が他の配線とショートしているかどうかを診断することができる。
また、診断部61は、例えば、電圧V11,V12を適切に設定することにより、撮像装置1のダイナミックレンジを診断することができる。具体的には、例えば、電圧V12をハイライト相当の電圧に設定することができる。
また、診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、AD変換部ADCの特性を診断することができる。具体的には、例えば、診断部61は、P相期間PPにおいてAD変換を行うことができるかどうかを診断することができる。すなわち、P相期間PPは、D相期間PDよりも時間長が短いので、動作マージンが少ない。よって、診断部61は、例えば、電圧V10を様々な電圧に設定したときの、P相期間PP終了後のカウント値CNT(0)を確認することにより、P相期間PPにおける動作マージンを診断することができる。
(自己診断A2)
撮像装置1は、暗い被写体や明るい被写体を撮像するために、参照信号REFの電圧の変化度合い(変動パターン)を変更することにより、AD変換部ADCにおける変換ゲインを変更する。自己診断A2では、参照信号生成部51が参照信号REFの電圧の変化度合いを変更することができるかどうかを診断する。具体的には、参照信号生成部51は、ブランキング期間P20において、P相期間PPおよびD相期間PDにおける、参照信号REFの電圧の変化度合いを変更する。この例では、信号生成部22は、互いに同じ制御信号VMA,VMBを生成する。そして、ダミー画素P3が、ブランキング期間P20において、制御信号VMA,VMBの電圧に応じた信号SIGを信号線SGLに出力する。読出部40は、変化度合いが変更された参照信号REFを用いて、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードCODEを生成する。そして、診断部61が、このデジタルコードCODEに基づいて、診断処理を行う。以下に、この動作について詳細に説明する。
図18は、自己診断A2の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SLの波形を示し、(C)は制御信号VMAの波形を示し、(D)は参照信号REFの波形を示し、(E)は信号線SGL(0)における信号SIG(信号SIG(0))の波形を示し、(F)はクロック信号CLKの波形を示し、(G)は0番目のAD変換部(0)のカウンタ46におけるカウント値CNT(カウント値CNT(0))を示す。
この例では、参照信号生成部51は、自己診断A1の場合よりも電圧の変化度合いが小さい参照信号REFを生成する。なお、この図18では、説明の便宜上、自己診断A1における参照信号REFを破線で示している。
まず、タイミングt61において、ブランキング期間P20内の水平期間Hが開始すると、走査部21は、タイミングt62において、制御信号SLの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図18(B))。これにより、このタイミングt62以降において、ダミー画素P3Aは、制御信号VMAの電圧(電圧V10)に対応する電圧を信号SIG(0)として出力する(図18(C),(E))。
次に、コンパレータ45は、タイミングt63~t64の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行う。そして、タイミングt64において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を電圧V4に変化させる(図18(D))。
そして、タイミングt65~t67の期間(P相期間PP)において、読出部40は、AD変換を行う。タイミングt65において、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V4から所定の変化度合いで低下させ始める(図18(D))。AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、タイミングt65においてカウント動作を開始し、タイミングt66においてカウント動作を停止する(図18(G))。
次に、タイミングt67において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt68において、参照信号REFの電圧を電圧V5に変化させる(図18(D))。そして、タイミングt69において、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)の極性を反転する(図18(G))。
次に、タイミングt70において、信号生成部22の電圧生成部30Aは、制御信号VMAの電圧を電圧V13に変化させる(図18(C))。これに応じて、信号SIG(0)の電圧は低下する(図18(E))。
次に、タイミングt71~t74の期間(D相期間PD)において、読出部40は、AD変換を行う。タイミングt71において、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V5から所定の変化度合いで低下させ始める(図18(D))。AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、タイミングt71においてカウント動作を開始し、タイミングt72においてカウント動作を停止する(図18(G))。そして、AD変換部ADC(0)は、このカウント値CNT(0)を、デジタルコードCODEとして出力する。
次に、タイミングt74において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt75において、参照信号REFの電圧を電圧V6に変化させる(図18(D))。
そして、タイミングt76において、走査部21は、制御信号SLの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図18(B))。そして、タイミングt77において、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)を“0”にリセットする(図18(G))。
読出部40(読出部40S,40N)は、AD変換により生成したデジタルコードCODEを含む画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成し、信号処理部60の診断部61は、この画像信号DATA0に基づいて診断処理を行う。
診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、例えば、参照信号生成部51が参照信号REFの傾き度合いを変更することができるかどうかを診断することができる。すなわち、撮像装置1では、例えば、明るい被写体や暗い被写体を撮像可能にするため、参照信号REFの傾き度合いを変更する。具体的には、撮像装置1は、暗い被写体を撮像する場合には、参照信号REFの傾き度合いを小さくすることにより、AD変換部ADCにおける変換ゲインを高くする。例えば、暗い被写体を撮像する際の変換ゲインは、明るい被写体を撮像する際の変換ゲインよりも30[dB]高くすることができる。診断部61は、例えば、参照信号REFの傾き度合いを変更した場合に生成したデジタルコードCODEに基づいて、参照信号生成部51が参照信号REFの傾き度合いを変更することができるかどうかを診断することができる。
また、診断部61は、自己診断A1の場合と同様に、例えば、参照信号REFの傾き度合いを様々な値に設定したときの、P相期間PP終了後のカウント値CNT(0)を確認することにより、例えば、P相期間PPにおける動作マージンを診断することができる。
(自己診断A3)
撮像装置1は、フォトダイオード11の暗電流の寄与分を差し引くために、D相期間PDにおける参照信号REFの電圧オフセット量OFSを調節する。自己診断A3では、参照信号生成部51が、D相期間PDにおける参照信号REFの電圧を変更することができるかどうかを診断する。具体的には、参照信号生成部51は、ブランキング期間P20において、D相期間PDにおける参照信号REFの電圧オフセット量OFSを変更する。この例では、信号生成部22は、互いに同じ制御信号VMA,VMBを生成する。そして、ダミー画素P3が、ブランキング期間P20において、制御信号VMA,VMBの電圧に応じた信号SIGを信号線SGLに出力する。読出部40は、変化度合いが変更された参照信号REFを用いて、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードCODEを生成する。そして、診断部61が、このデジタルコードCODEに基づいて、診断処理を行う。以下に、この動作について詳細に説明する。
図19は、自己診断A3の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SLの波形を示し、(C)は制御信号VMAの波形を示し、(D)は参照信号REFの波形を示し、(E)は信号線SGL(0)における信号SIG(信号SIG(0))の波形を示し、(F)はクロック信号CLKの波形を示し、(G)は0番目のAD変換部ADC(0)のカウンタ46におけるカウント値CNT(カウント値CNT(0))を示す。
この例では、参照信号生成部51は、D相期間PDにおける参照信号REFの電圧レベルを自己診断A1の場合よりも下げる。なお、この図19では、説明の便宜上、自己診断A1における参照信号REFを破線で示している。
まず、タイミングt61において、ブランキング期間P20内の水平期間Hが開始すると、走査部21は、タイミングt62において、制御信号SLの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図19(B))。これにより、このタイミングt62以降において、ダミー画素P3Aは、制御信号VMAの電圧(電圧V10)に対応する電圧を信号SIG(0)として出力する(図19(C),(E))。
次に、コンパレータ45は、タイミングt63~t64の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行う。そして、タイミングt64において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を電圧V4に変化させる(図18(D))。
そして、タイミングt65~t67の期間(P相期間PP)において、読出部40は、AD変換を行う。タイミングt65において、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(図19(D))。AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、タイミングt65においてカウント動作を開始し、タイミングt66においてカウント動作を停止する(図19(G))。
次に、タイミングt67において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt68において、参照信号REFの電圧を電圧V7に変化させる(図19(D))。そして、タイミングt69において、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)の極性を反転する(図19(G))。
次に、タイミングt70において、信号生成部22の電圧生成部30Aは、制御信号VMAの電圧を電圧V14に変化させる(図19(C))。これに応じて、信号SIG(0)の電圧は低下する(図19(E))。
次に、タイミングt71~t74の期間(D相期間PD)において、読出部40は、AD変換を行う。タイミングt71において、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V7から所定の変化度合いで低下させ始める(図19(D))。AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、タイミングt71においてカウント動作を開始し、タイミングt72においてカウント動作を停止する(図19(G))。そして、AD変換部ADC(0)は、このカウント値CNT(0)を、デジタルコードCODEとして出力する。
次に、タイミングt74において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt75において、参照信号REFの電圧を電圧V3に変化させる(図19(D))。
そして、タイミングt76において、走査部21は、制御信号SLの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図19(B))。そして、タイミングt77において、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)を“0”にリセットする(図19(G))。
読出部40(読出部40S,40N)は、AD変換により生成したデジタルコードCODEを含む画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成し、信号処理部60の診断部61は、この画像信号DATA0に基づいて診断処理を行う。
診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、例えば、参照信号生成部51が、D相期間PDにおける参照信号REFの電圧を変更することができるかどうかを診断することができる。すなわち、撮像装置1では、フォトダイオード11の暗電流の寄与分を差し引くために、D相期間PDにおける参照信号REFの電圧オフセット量OFSを調節する。具体的には、撮像装置1は、暗電流が多い場合には、電圧オフセット量OFSを大きくする。診断部61は、例えば、D相期間PDにおける参照信号REFの電圧を変更した場合に取得したデジタルコードCODEに基づいて、参照信号生成部51が、D相期間PDにおける参照信号REFの電圧を変更することができるかどうかを診断することができる。
(自己診断A4)
撮像装置1は、非常に明るい被写体を撮像する場合に、P相期間PPの前の所定の期間において、信号SIGの電圧が低くなりすぎないように、ダミー画素P4を用いて信号SIGの電圧を制限する。以下に、この動作について説明する。
図20は、着目した画素P1における読出駆動D2の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SUNの波形を示し、(C)は制御信号RSTの波形を示し、(D)は制御信号TGの波形を示し、(E)は制御信号SLの波形を示し、(F)は参照信号REF(参照信号REF1,REF2,REF3)の波形を示し、(G)は信号SIG(信号SIG1,SIG2,SIG3)の波形を示す。ここで、図20(F),(G)では、各信号の波形を同じ電圧軸で示している。図20(F),(G)において、参照信号REF1および信号SIG1は、通常の明るさの被写体を撮像した場合の参照信号REFおよび信号SIGである。すなわち、この参照信号REF1および信号SIG1は、図12に示したものと同じである。参照信号REF2および信号SIG2は、非常に明るい被写体を撮像した場合の参照信号REFおよび信号SIGであり、ダミー画素P4が機能しない場合の信号である。参照信号REF3および信号SIG3は、非常に明るい被写体を撮像した場合の参照信号REFおよび信号SIG信号であり、ダミー画素P4が機能する場合の信号である。
通常の明るさの被写体を撮像した場合には、AD変換部ADCは、図12の場合と同様に、参照信号REF1を用いて、信号SIG1に基づいて、P相期間PPにおいてAD変換を行うとともに、D相期間PDにおいてAD変換を行う。そして、AD変換部ADCは、図12の場合と同様に、カウント値CNTをデジタルコードCODEとして出力する。
一方、非常に明るい被写体を撮像した場合には、着目した画素P1のフローティングディフュージョンFDに周辺の画素P1のフォトダイオード11から電子が漏れてくるため、タイミングt44以降において、信号SIG2が低くなる(図20(G))。コンパレータ45は、タイミングt43~t45の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行うので、参照信号REF2もまた、この信号SIG2に合うように低くなる(図20(F))。その後、AD変換部ADCは、P相期間PPにおいてAD変換を行うとともに、D相期間PDにおいてAD変換を行う。しかしながら、この場合には、信号SIG2は低くなりすぎて飽和してしまい、信号SIG2はタイミングt51以降に変化しない(図20(G))。よって、AD変換部ADCは、“0”に近い値をデジタルコードCODEとして出力する。すなわち、被写体は非常に明るいにもかかわらず、デジタルコードCODEは“0”に近い値になってしまう。
そこで、撮像装置1では、ダミー画素P4を用いて、P相期間PPの前の所定の期間における信号SIGの電圧を制限する。具体的には、信号生成部23は、タイミングt43~t45の期間において、制御信号SUNを高い電圧に設定する(図20(B))。ダミー画素P4は、タイミングt43~t45の期間において、この制御信号SUNに応じた電圧を信号線SGLに出力する。よって、このタイミングt43~t45の期間において、信号SIG3の電圧の低下が抑制される。このように、信号SIG3の電圧は、制御信号SUNの電圧に応じた電圧に制限される。コンパレータ45は、このタイミングt43~t45の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行うので、参照信号REF3もまた、参照信号REF2に比べて高くなる。そして、タイミングt45において、制御信号SUNの電圧が低くなると(図20(B))、信号SIG3の電圧は、信号SIG2の電圧と同じ程度にまで低下する。この信号SIG3の電圧は、P相期間PPにおいて参照信号REF2よりも常に低い。よって、AD変換部ADCのカウンタ46は、P相期間PPにおいてカウント動作をし続け、クロック信号CLKの生成が停止されるタイミングt48において、所定のカウント値(フルカウント値)になる。このカウンタ46は、P相期間PPにおいてフルカウント値になった場合には、続くD相期間PDにおいて、コンパレータ45から出力される信号CMPにかかわらず、カウント動作をし続けるようになっている。これにより、撮像装置1は、被写体は非常に明るいにもかかわらず、デジタルコードCODEが“0”に近い値になることを回避している。
このように、撮像装置1は、非常に明るい被写体を撮像する場合に、P相期間PPの前の所定の期間において信号SIGの電圧が低くなりすぎないように、ダミー画素P4を用いて信号SIGの電圧を制限する。自己診断A4では、このような信号SIGの電圧を制限する機能が働くかどうかを診断する。具体的には、信号生成部22は、制御信号VMA,VMBを低い電圧に設定する。この例では、信号生成部22は、互いに同じ制御信号VMA,VMBを生成する。そして、ダミー画素P3が、ブランキング期間P20において、制御信号VMA,VMBの電圧に応じた信号SIGを信号線SGLに出力する。読出部40は、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードCODEを生成する。そして、診断部61が、このデジタルコードCODEに基づいて、診断処理を行う。以下に、この動作について詳細に説明する。
図21は、自己診断A4の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SLの波形を示し、(C)は制御信号SUNの波形を示し、(D)は制御信号VMAの波形を示し、(E)は参照信号REFの波形を示し、(F)は信号線SGL(0)における信号SIG(信号SIG(0))の波形を示し、(G)はクロック信号CLKの波形を示す。
まず、タイミングt61において、ブランキング期間P20内の水平期間Hが開始すると、走査部21は、タイミングt62において、制御信号SLの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図21(B))。
そして、タイミングt63において、信号生成部22は、制御信号VMAの電圧を低い電圧V15に変化させる(図21(D))。これに応じて、信号SIG(0)もまた低下する(図21(F))。また、このタイミングt63において、信号生成部23は、制御信号SUNの電圧を高い電圧に変化させる。これにより、信号SIG(0)の低下が抑制される(図21(F))。コンパレータ45は、このタイミングt63~t64の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行う。
次にタイミングt64において、信号生成部23は、制御信号SUNの電圧を低い電圧に変化させる(図21(C))。これに応じて、信号SIG(0)は低下する(図21(F))。
そして、タイミングt65~t67の期間(P相期間PP)において、読出部40は、AD変換を行う。制御部50の参照信号生成部51は、タイミングt65において、参照信号REFの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(図21(E))。AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、タイミングt65においてカウント動作を開始する。しかしながら、信号SIG(0)の電圧は、P相期間PPにおいて参照信号REFよりも常に低いので、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、P相期間PPにおいてカウント動作をし続け、クロック信号CLKの生成が停止されるタイミングt67において、所定のカウント値(カウント値CNTF1)になる。これにより、カウンタ46は、次のD相期間PDにおいて、コンパレータ45から出力される信号CMPにかかわらず、カウント動作をし続けるべきと判断する。
タイミングt67において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt68において、参照信号REFの電圧を電圧V2に変化させる(図21(E))。そして、その後、図示しないが、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)の極性を反転する。
次に、タイミングt71~t74の期間(D相期間PD)において、読出部40は、AD変換を行う。制御部50の参照信号生成部51は、タイミングt71において、参照信号REFの電圧を、電圧V2から所定の変化度合いで低下させ始める(図21(E))。AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、タイミングt71においてカウント動作を開始する。そして、カウンタ46は、D相期間PDにおいて、コンパレータ45から出力される信号CMPにかかわらず、カウント動作をし続ける。これにより、カウンタ46は、クロック信号CLKの生成が停止されるタイミングt74において、所定のカウント値(カウント値CNTF2)になる。そして、AD変換部ADC(0)は、このカウント値CNT(0)を、デジタルコードCODEとして出力する。
タイミングt74において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt75において、参照信号REFの電圧を電圧V3に変化させる(図21(E))。
そして、タイミングt76において、走査部21は、制御信号SLの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図21(B))。その後、図示しないが、カウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)を“0”にリセットする。
読出部40(読出部40S,40N)は、AD変換により生成したデジタルコードCODEを含む画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成し、信号処理部60の診断部61は、この画像信号DATA0に基づいて診断処理を行う。
診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、信号SIGの電圧を制限する機能が働くかどうかを診断する。具体的には、診断部61は、例えば、デジタルコードCODEが所定のカウント値(カウント値CNTF2)になっていることを確認することにより、信号SIGの電圧を制限する機能が働くことを診断することができる。
また、診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、カウンタ46の動作を確認することができる。具体的には、この動作では、カウンタ46がカウント動作をし続けることを利用して、診断部61は、P相期間PP終了後のカウント値CNT(0)やD相期間PD終了後のカウント値CNT(0)を確認することにより、カウンタ46がカウント動作を正常に行うことができるかどうかを診断する。また、診断部61は、P相期間PP終了後のカウント値CNT(0)と、D相期間PD開始前のカウント値CNT(0)を確認することにより、カウンタ46がカウント値CNTの極性を反転するかどうかを確認することができる。また、診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、D相期間PDの後に、カウンタ46がカウント値CNTを“0”にリセットすることができるかどうかを確認することができる。
(自己診断A5)
撮像装置1は、2つの電圧生成部30A,30Bが、それぞれ、温度センサ33を有している。これにより、撮像装置1は、温度を検出することができる。自己診断A5では、温度センサ33が、温度に応じた電圧Vtempを生成することができるかどうかを診断する。具体的には、信号生成部22は、ブランキング期間P20内のD相期間PDにおいて、温度センサ33から出力される電圧Vtempを制御信号VMA,VMBとして出力する。この例では、信号生成部22は、互いに同じ制御信号VMA,VMBを生成する。そして、ダミー画素P3が、ブランキング期間P20において、制御信号VMA,VMBの電圧に応じた信号SIGを信号線SGLに出力する。読出部40は、この信号SIGに基づいてAD変換を行うことにより、デジタルコードCODEを生成する。そして、診断部61が、このデジタルコードCODEに基づいて、診断処理を行う。以下に、この動作について詳細に説明する。
図22は、自己診断A5の一動作例を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SLの波形を示し、(C)は制御信号VMAの波形を示し、(D)は制御信号VMBの波形を示し、(E)は参照信号REFの波形を示し、(F)は信号線SGL(0)における信号SIG(信号SIG(0))の波形を示し、(G)は信号線SGL(1)における信号SIG(信号SIG(1))の波形を示し、(H)はクロック信号CLKの波形を示し、(I)は0番目のAD変換部ADC(0)のカウンタ46におけるカウント値CNT(カウント値CNT(0))を示し、(J)は1番目のAD変換部ADC(1)のカウンタ46におけるカウント値CNT(カウント値CNT(1))を示す。
まず、タイミングt61において、ブランキング期間P20内の水平期間Hが開始すると、走査部21は、タイミングt62において、制御信号SLの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図22(B))。これにより、このタイミングt62以降において、ダミー画素P3Aは、制御信号VMAの電圧(電圧V10)に対応する電圧を信号SIG(0)として出力し(図22(C),(F))、ダミー画素P3Bは、制御信号VMBの電圧(電圧V10)に対応する電圧を信号SIG(1)として出力する(図22(D),(G))。
次に、コンパレータ45は、タイミングt63~t64の期間において、正入力端子および負入力端子を電気的に接続するゼロ調整を行う。そして、タイミングt64において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を電圧V1に変化させる(図22(E))。
そして、タイミングt65~t67の期間(P相期間PP)において、読出部40は、AD変換を行う。タイミングt65において、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V1から所定の変化度合いで低下させ始める(図22(E))。AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、タイミングt65においてカウント動作を開始し、タイミングt66においてカウント動作を停止する(図22(I))。同様に、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、タイミングt65においてカウント動作を開始し、タイミングt66においてカウント動作を停止する(図22(J))。
次に、タイミングt67において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt68において、参照信号REFの電圧を電圧V2に変化させる(図22(E))。
次に、タイミングt69において、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)の極性を反転し(図22(I))、同様に、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(1)の極性を反転する(図22(J))。
次に、タイミングt70において、信号生成部22の電圧生成部30Aは、電圧生成部30Aの温度センサ33から出力される電圧Vtempを制御信号VMAとして出力し(図22(C))、同様に、電圧生成部30Bは、電圧生成部30Bの温度センサ33から出力される電圧Vtempを制御信号VMBとして出力する(図22(D))。これに応じて、信号SIG(0),SIG(1)の電圧は低下する(図22(F),(G))。
次に、タイミングt71~t74の期間(D相期間PD)において、読出部40は、AD変換を行う。タイミングt71において、制御部50の参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧を、電圧V2から所定の変化度合いで低下させ始める(図22(E))。AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、タイミングt71においてカウント動作を開始し、タイミングt72においてカウント動作を停止する(図22(I))。そして、AD変換部ADC(0)は、このカウント値CNT(0)をデジタルコードCODEとして出力する。同様に、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、タイミングt71においてカウント動作を開始し、タイミングt72においてカウント動作を停止する(図22(J))。そして、AD変換部ADC(1)は、このカウント値CNT(1)をデジタルコードCODEとして出力する。
次に、タイミングt74において、参照信号生成部51は、参照信号REFの電圧の変化を停止させ、その後のタイミングt75において、参照信号REFの電圧を電圧V3に変化させる(図22(E))。
そして、タイミングt76において、走査部21は、制御信号SLの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図22(B))。そして、タイミングt77において、AD変換部ADC(0)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(0)を“0”にリセットし(図22(I))、同様に、AD変換部ADC(1)のカウンタ46は、制御信号CCに基づいて、カウント値CNT(1)を“0”にリセットする(図22(J))。
読出部40(読出部40S,40N)は、AD変換により生成したデジタルコードCODEを含む画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)を生成し、信号処理部60の診断部61は、この画像信号DATA0に基づいて診断処理を行う。
診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、例えば、電圧生成部30A,30Bの温度センサ33が、温度に応じた電圧Vtempを生成することができるかどうかを診断することができる。具体的には、診断部61は、例えば、生成したデジタルコードCODEの値が、所定の範囲内に収まっているかどうかを確認することにより、温度センサ33が、温度に応じた電圧Vtempを生成することができるかどうかを診断することができる。また、撮像装置1では、電圧生成部30A,30Bが、同じ回路構成を有する温度センサ33を有するようにしたので、電圧生成部30Aの温度センサ33が生成した電圧Vtempと、電圧生成部30Bの温度センサ33が生成した電圧Vtempは、互いにほぼ等しい。その結果、偶数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(0))の電圧と、その信号線SGLに隣接する奇数番目の信号線SGL(例えば信号線SGL(1))の電圧が互いにほぼ等しい。例えば、2つの温度センサ33のうちの一方が故障している場合には、デジタルコードCODEが異なるので、診断部61は、デジタルコードCODEに基づいて、温度センサ33に不具合が生じているかどうかを診断することができる。
(自己診断A6)
自己診断A6では、主に、複数のAD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEを、バス配線100(バス配線100S,100N)を介して、信号処理部60に供給することができるかどうかを診断する。具体的には、複数のAD変換部ADCの出力部に設けられた図示しないラッチが、ブランキング期間P20において、制御信号CCに基づいて所定のビットパターンを有するデジタルコードCODEを出力する。そして、制御部50が、制御信号SELを生成し、読出部40Sの複数のスイッチ部SWが、制御信号SELに基づいて、読出部40SのAD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEを画像信号DATA0Sとして信号処理部60に順次転送し、読出部40Nの複数のスイッチ部SWが、制御信号SELに基づいて、読出部40NのAD変換部ADCから出力されたデジタルコードCODEを画像信号DATA0Nとして信号処理部60に順次転送する。そして、診断部61が、このデジタルコードCODEに基づいて、診断処理を行う。撮像装置1では、ビットパターンや、転送順序を変更しつつ、この一連の動作を複数回行う。以下に、この動作について詳細に説明する。
図23A,23Bは、自己診断A6の第1の診断A61におけるデータ転送動作の一例を模式的に表すものであり、図23Aは、読出部40Sにおける動作を示し、図23Bは、読出部40Nにおける動作を示す。この図23A,23Bにおいて、複数のAD変換部ADCのうちの網掛けされていないAD変換部ADC(例えばAD変換部ADC(0),ADC(1),ADC(4),ADC(5),…)は、制御信号CCに基づいて、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEを出力する。また、網掛けされたAD変換部ADC(例えばAD変換部ADC(2),ADC(3),ADC(6),ADC(7),…)は、制御信号CCに基づいて、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEを出力する。
図24は、図23A,23Bに示したデータ転送動作のタイミング図を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SELの偶数ビットを示し、(C)は制御信号SELの奇数ビットを示し、(D)は画像信号DATA0Sを示し、(E)は画像信号DATA0Nを示す。図24の(D),(E)において、網掛けされておらず“L”が記載された部分は、すべてのビットが“0”(第1の論理値)であるデジタルコードCODEを示し、網掛けされ“H”が記載された部分は、すべてのビットが“1”(第2の論理値)であるデジタルコードCODEを示す。
制御信号SELの偶数ビットは、図24(B)に示したように、制御信号SEL[0]、制御信号SEL[2]、制御信号SEL[4]の順にアクティブになる。これにより、読出部40Sでは、まず、0番目のAD変換部ADC(0)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される。AD変換部ADC(0)は、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEを出力しているので(図23A)、このときの画像信号DATA0Sのすべてのビットが“0”になる(図24(D))。次に、2番目のAD変換部ADC(2)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される。AD変換部ADC(2)は、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEを出力しているので(図23A)、このときの画像信号DATA0Sのすべてのビットが“1”になる(図24(D))。次に、4番目のAD変換部ADC(4)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される。AD変換部ADC(4)は、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEを出力しているので(図23A)、このときの画像信号DATA0Sのすべてのビットが“0”になる(図24(D))。このようにして、左のAD変換部ADCから順に(転送順序F)、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODE、およびすべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEが、交互に、画像信号DATA0Sとして信号処理部60に転送される(図23A,24(D))。
読出部40Nの動作についても同様であり、左のAD変換部ADCから順に(転送順序F)、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODE、およびすべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEが、交互に、画像信号DATA0Nとして信号処理部60に転送される(図23B,24(E))。
信号処理部60の診断部61は、この画像信号DATA0(画像信号DATA0S,DATA0N)に基づいて、画像信号DATA0に含まれるデジタルコードCODEの各ビットを期待値と比較することにより、診断処理を行う。特に、第1の診断A61では、隣り合うAD変換部ADCに係るデジタルコードCODEが互いに異なるようにしたので、例えば、隣り合うAD変換部ADCに係るバス配線が互いにショートしていないかどうかを診断することができる。具体的には、診断部61は、例えば、読出部40S(図23A)において、0番目のAD変換部ADC(0)とバス配線100Sとを結ぶバス配線のうちのAD変換部ADC(2)に近い配線と、2番目のAD変換部ADC(2)とバス配線100Sとを結ぶバス配線のうちのAD変換部ADC(0)に近い配線とが、互いにショートしていないかどうかを診断することができる。
図25A,25Bは、自己診断A6の第2の診断A62におけるデータ転送動作の一例を模式的に表すものであり、図25Aは、読出部40Sにおける動作を示し、図25Bは、読出部40Nにおける動作を示す。図26は、図25A,25Bに示したデータ転送動作のタイミング図を表すものである。この第2の診断A62では、図25A,25Bに示したように、各AD変換部ADCが出力するデジタルコードCODEのビットパターンを、第1の診断A61(図23A,23B)におけるビットパターンと異なるパターンにしている。具体的には、例えばAD変換部ADC(0),ADC(1),ADC(4),ADC(5),…は、第1の診断A61では、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEを出力したが(図23A,23B)、第2の診断A62では、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEを出力する。同様に、例えばAD変換部ADC(2),ADC(3),ADC(6),ADC(7),…は、第1の診断A61では、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEを出力したが(図23A,23B)、第2の診断A62では、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEを出力する。
読出部40Sでは、まず、0番目のAD変換部ADC(0)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される(図26(B))。AD変換部ADC(0)は、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEを出力しているので(図25A)、このときの画像信号DATA0Sのすべてのビットが“1”になる(図26(D))。次に、2番目のAD変換部ADC(2)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される(図26(B))。AD変換部ADC(2)は、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEを出力しているので(図25A)、このときの画像信号DATA0Sのすべてのビットが“0”になる(図26(D))。次に、4番目のAD変換部ADC(4)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される(図26(B))。AD変換部ADC(4)は、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEを出力しているので(図25A)、このときの画像信号DATA0Sのすべてのビットが“0”になる(図26(D))。このようにして、左のAD変換部ADCから順に(転送順序F)、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODE、およびすべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEが、交互に、画像信号DATA0Sとして信号処理部60に転送される(図25A,26(D))。
読出部40Nの動作についても同様であり、左のAD変換部ADCから順に(転送順序F)、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODE、およびすべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEが、交互に、画像信号DATA0Nとして信号処理部60に転送される(図25B,26(E))。
信号処理部60の診断部61は、第1の診断A61(図23A,23B,24)に加え、この第2の診断A62(図25A,25B,26)を行うことにより、AD変換部ADCに係るバス配線が、電源線やグランド線などの他の配線とショートしているかどうかを診断することができる。すなわち、このようなショートが生じている場合には、バス配線のうちのショートしている配線の電圧が固定される。診断部61は、第1の診断A61と、第2の診断A62とで、各AD変換部ADCが出力するデジタルコードCODEのビットパターンが異なるようにしたので、このような電圧の固定が生じているかどうかを検出することができる。その結果、診断部61は、AD変換部ADCに係るバス配線が他の配線とショートしているかどうかを診断することができる。
図27A,27Bは、自己診断A6の第3の診断A63におけるデータ転送動作の一例を模式的に表すものであり、図27Aは、読出部40Sにおける動作を示し、図27Bは、読出部40Nにおける動作を示す。図28は、図27A,27Bに示したデータ転送動作のタイミング図を表すものである。この第3の診断A63では、転送順序Fが第1の診断A61と異なるものである。
制御信号SELの偶数ビットは、図28(B)に示したように、制御信号SEL[4094]、制御信号SEL[4092]、制御信号SEL[4090]の順にアクティブになる。これにより、読出部40Sでは、まず、4094番目のAD変換部ADC(4094)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される。AD変換部ADC(4094)は、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEを出力しているので、このときの画像信号DATA0Sのすべてのビットが“1”になる(図28(D))。次に、4092番目のAD変換部ADC(4092)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される(図28(B))。AD変換部ADC(4092)は、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEを出力しているので、このときの画像信号DATA0Sのすべてのビットが“0”になる(図28(D))。次に、4090番目のAD変換部ADC(4090)のデジタルコードCODEがバス配線100Sに供給される(図28(B))。AD変換部ADC(4090)は、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEを出力しているので、このときの画像信号DATA0Sのすべてのビットが“1”になる(図28(D))。このようにして、右のAD変換部ADCから順に(転送順序F)、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODE、およびすべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEが、交互に、画像信号DATA0Sとして信号処理部60に転送される(図27A,28(D))。
読出部40Nの動作についても同様であり、右のAD変換部ADCから順に(転送順序F)、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODE、およびすべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEが、交互に、画像信号DATA0Nとして信号処理部60に転送される(図27B,28(E))。
信号処理部60の診断部61は、この第3の診断A63を行うことにより、複数のAD変換部ADCから信号処理部60にデジタルコードCODEを転送する際の転送順序を変更することができるかどうかを診断することができる。
以上のように、撮像装置1では、ブランキング期間P20において自己診断を行うようにしたので、被写体を撮像する撮像動作を行いながら、この撮像動作に影響を与えることなく、撮像装置1の不具合の有無を診断することができる。
撮像装置1では、ブランキング期間P20において、信号生成部22が制御信号VMA,VMBを生成し、ダミー画素領域R3の複数のダミー画素P3が、制御信号VMA,VMBに応じた信号SIGを信号線SGLに出力するようにしたので、例えば、信号線SGLの断線など、画素アレイ10に生じた不具合をも診断することができる。また、撮像装置1では、制御信号VMA,VMBの電圧を様々な電圧に設定できるようにしたので、撮像装置1における様々な動作を診断することができるので、診断性能を高めることができる。
また、撮像装置1では、ブランキング期間P20において、複数のAD変換部ADCが、制御信号CCに基づいて所定のビットパターンを有するデジタルコードCODEを出力するようにしたので、複数のAD変換部ADCから信号処理部60へのデータ転送動作を診断することができる。特に、撮像装置1では、AD変換部ADCが出力するデジタルコードCODEのビットパターンや、転送順序を変更できるようにしたので、診断性能を高めることができる。
尚、本実施の形態では、各AD変換部ADCで変換されたデジタルコードと、診断部61に転送されたデジタルコードとの差分を検出することにより、信号線SGLまたはバス配線100Sがショートしていないかを診断しているが、この実施の形態には限定されない。たとえば、図示しない診断用デジタルコード注入部によって、各AD変換部ADCの下流側に設けられたラッチに診断用のデジタルコードを強制的に注入する構成としても良い。具体的には、ブランキング期間P20において、第1のAD変換部の下流側に設けられた第1のラッチにすべてのビットが“0”であるデジタルコードを強制的に注入し、第1のAD変換部に隣り合う第2のAD変換部の下流側に設けられた第2のラッチにすべてのビットが“1”であるデジタルコードを強制的に注入する。そして、制御部50が、制御信号SELを生成し、読出部40Sの複数のスイッチ部SWが、制御信号SELに基づいて、各ラッチから出力されたデジタルコードCODEを信号処理部60の診断部61に順次転送する。
診断部61は、その第1のラッチから転送されたデジタルコードが、すべてのビットが“0”であるデジタルコードであると判定するとともに、その第2のラッチから転送されたデジタルコードが、すべてのビットが“1”であるデジタルコードであると判定した場合、バス配線100Sに不具合が発生していない(ショートしていない)と診断する。
一方、診断部61は、その第1のラッチから転送されたデジタルコードが、すべてのビットが“0”であるデジタルコードではないと判定した場合や、その第2のラッチから転送されたデジタルコードが、すべてのビットが“1”であるデジタルコードではないと判定した場合、信号線SGLまたはバス配線100Sに不具合が発生している(ショートしている)と診断する。
さらに、例えば、上基板201に画素アレイ10および読出部40S,40Nが形成され、下基板202に診断部61が形成された場合、上記の診断を実施することによって、バス配線100S,100Nに加え、読出部40S,40Nと診断部61との間のビア203における不具合をも診断することができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、ブランキング期間において、信号生成部22が制御信号VMA,VMBを生成し、ダミー画素領域R3の複数のダミー画素P3が、制御信号VMA,VMBに応じた信号を信号線に出力するようにしたので、例えば、画素アレイに生じた不具合を診断することができる。
本実施の形態では、ブランキング期間において、複数のAD変換部が、所定のビットパターンを有するデジタルコードを出力するようにしたので、複数のAD変換部から信号処理部へのデータ転送動作を診断することができる。
[変形例1]
上記実施の形態では、例えば、画素アレイ10の通常画素領域R1において、垂直方向(図1における縦方向)に隣り合う2つの画素P1(画素P1A,P1B)を、同じ制御線TGL,SLL,RSTLに接続したが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例について、いくつか例を挙げて説明する。
図29は、本変形例に係る撮像装置1Aの画素アレイ10Aにおける通常画素領域R1の一例を表すものである。この例では、水平方向(図29における横方向)において、1列分の画素P1と4本の信号線SGLとが交互に配置されている。偶数番目の信号線SGL(SGL(0),SGL(2),…)は、読出部40Sに接続され、奇数番目の信号線SGL(SGL(1),SGL(3),…)は、読出部40Nに接続されている。複数の画素P1は、複数の画素P1Aと、複数の画素P1Bと、複数の画素P1Cと、複数の画素P1Dとを含んでいる。画素P1A~P1Dは、互いに同じ回路構成を有するものである。画素P1A,P1B,P1C,P1Dは、垂直方向(図29における縦方向)において、この順で巡回するように配置されている。画素P1A,P1B,P1C,P1Dは、同じ制御線TGL,SLL,RSTLに接続されている。画素P1Aは、例えば信号線SGL(0)に接続され、画素P1Bは、例えば信号線SGL(1)に接続され、画素P1Cは、例えば信号線SGL(2)に接続され、画素P1Dは、例えば信号線SGL(3)に接続されている。なお、以上では、通常画素領域R1を例に挙げて説明したが、遮光画素領域R21,R22、ダミー画素領域R3,R4についても同様である。
図30は、本変形例に係る他の撮像装置1Bの画素アレイ10Bにおける通常画素領域の一例を表すものである。この例では、水平方向(図30における横方向)において、1列分の画素P1と1本の信号線SGLとが交互に配置されている。偶数番目の信号線SGL(SGL(0),SGL(2),…)は、読出部40Sに接続され、奇数番目の信号線SGL(SGL(1),SGL(3),…)は、読出部40Nに接続されている。垂直方向(図30における縦方向)に並設された画素P1は、互いに異なる制御線TGL,SLL,RSTLに接続されている。なお、以上では、通常画素領域R1を例に挙げて説明したが、遮光画素領域R21,R22、ダミー画素領域R3,R4についても同様である。
[変形例2]
上記実施の形態では、読出部40Sに1つのバス配線100Sを設けるとともに、読出部40Nに1つのバス配線100Nを設けたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、読出部40S,40Nのそれぞれに、複数のバス配線を設けてもよい。以下に、本変形例について詳細に説明する。
図31A,31Bは、本変形例に係る撮像装置1Cの読出部40C(読出部40SC,40NC)の一構成例を模式的に表すものであり、図31Aは、読出部40SCの一例を示し、図31Bは、読出部40NCの一例を示す。
読出部40SCは、図31Aに示したように、4つのバス配線100S0,100S1,100S2,100S3を有している。バス配線100S0は、複数のデジタルコードCODEを画像信号DATA0Sとして信号処理部60に供給するものであり、バス配線100S1は、複数のデジタルコードCODEを画像信号DATA1Sとして信号処理部60に供給するものであり、バス配線100S2は、複数のデジタルコードCODEを画像信号DATA2Sとして信号処理部60に供給するものであり、バス配線100S3は、複数のデジタルコードCODEを画像信号DATA3Sとして信号処理部60に供給するものである。
読出部40SC(図31A)において、AD変換部ADC(0),ADC(2),ADC(4),ADC(6)は、バス配線100S0に対応づけられている。具体的には、 AD変換部ADC(0),ADC(2),ADC(4),ADC(6)は、対応するスイッチ部SWがオン状態である場合に、デジタルコードCODEをバス配線100S0にそれぞれ供給する。同様に、AD変換部ADC(8),ADC(10),ADC(12),ADC(14)は、バス配線100S1に対応づけられ、AD変換部ADC(16),ADC(18),ADC(20),ADC(22)は、バス配線100S2に対応づけられ、AD変換部ADC(24),ADC(26),ADC(28),ADC(30)は、バス配線100S3に対応づけられている。また、AD変換部ADC(32),ADC(34),ADC(36),ADC(38)は、バス配線100S0に対応づけられ、AD変換部ADC(40),ADC(42),ADC(44),ADC(46)は、バス配線100S1に対応づけられ、AD変換部ADC(48),ADC(50),ADC(52),ADC(54)は、バス配線100S2に対応づけられ、AD変換部ADC(56),ADC(58),ADC(60),ADC(62)は、バス配線100S3に対応づけられている。AD変換部ADC(64)以降の偶数番目のAD変換部ADCについても同様である。
読出部40NCは、図31Bに示したように、4つのバス配線100N0,100N1,100N2,100N3を有している。バス配線100N0は、複数のデジタルコードCODEを画像信号DATA0Nとして信号処理部60に供給するものであり、バス配線100N1は、複数のデジタルコードCODEを画像信号DATA1Nとして信号処理部60に供給するものであり、バス配線100N2は、複数のデジタルコードCODEを画像信号DATA2Nとして信号処理部60に供給するものであり、バス配線100N3は、複数のデジタルコードCODEを画像信号DATA3Nとして信号処理部60に供給するものである。
読出部40NC(図31B)において、AD変換部ADC(1),ADC(3),ADC(5),ADC(7)は、バス配線100N0に対応づけられている。具体的には、AD変換部ADC(1),ADC(3),ADC(5),ADC(7)は、対応するスイッチ部SWがオン状態である場合に、デジタルコードCODEをバス配線100N0にそれぞれ供給する。同様に、AD変換部ADC(9),ADC(11),ADC(13),ADC(15)は、バス配線100N1に対応づけられ、AD変換部ADC(17),ADC(19),ADC(21),ADC(23)は、バス配線100N2に対応づけられ、AD変換部ADC(25),ADC(27),ADC(29),ADC(31)は、バス配線100N3に対応づけられている。また、AD変換部ADC(33),ADC(35),ADC(37),ADC(39)は、バス配線100N0に対応づけられ、AD変換部ADC(41),ADC(43),ADC(45),ADC(47)は、バス配線100N1に対応づけられ、AD変換部ADC(49),ADC(51),ADC(53),ADC(55)は、バス配線100N2に対応づけられ、AD変換部ADC(57),ADC(59),ADC(61),ADC(63)は、バス配線100N3に対応づけられている。AD変換部ADC(65)以降の奇数番目のAD変換部ADCについても同様である。
このように、撮像装置1Cでは、読出部40SC,40NCのそれぞれに複数のバス配線を設けるようにしたので、複数のAD変換部ADCから信号処理部60へのデータ転送時間を短くすることができる。
自己診断を行う場合には、複数のAD変換部ADCのうちの網掛けされていないAD変換部ADC(例えばAD変換部ADC(0),ADC(1),ADC(4),ADC(5),…)は、ブランキング期間P20において、制御信号CCに基づいて、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEを出力する。また、網掛けされたAD変換部ADC(例えばAD変換部ADC(2),ADC(3),ADC(6),ADC(7),…)は、ブランキング期間P20において、制御信号CCに基づいて、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEを出力する。
図32は、本変形例に係るデータ転送動作のタイミング図を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SELの偶数ビットを示し、(C)は制御信号SELの奇数ビットを示し、(D)~(G)は画像信号DATA0S,DATA1S,DATA2S,DATA3Sをそれぞれ示し、(H)~(K)は画像信号DATA0N,DATA1N,DATA2N,DATA3Nをそれぞれ示す。
制御信号SELの偶数ビットでは、図32(B)に示したように、まず、制御信号SEL[0],SEL[8],SEL[16],SEL[24]がアクティブになる。これにより、読出部40SCでは、AD変換部ADC(0)のデジタルコードCODEがバス配線100S0に供給され、AD変換部ADC(8)のデジタルコードCODEがバス配線100S1に供給され、AD変換部ADC(16)のデジタルコードCODEがバス配線100S2に供給され、AD変換部ADC(24)のデジタルコードCODEがバス配線100S3に供給される。AD変換部ADC(0),ADC(8),ADC(16),ADC(24)は、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODEをそれぞれ出力しているので(図31A)、このときの画像信号DATA0S,DATA1S,DATA2S,DATA3Sのすべてのビットが“0”になる(図32(D)~(G))。
次に、制御信号SELの偶数ビットでは、制御信号SEL[2],SEL[10],SEL[18],SEL[26]がアクティブになる(図32(B))。これにより、読出部40SCでは、AD変換部ADC(2)のデジタルコードCODEがバス配線100S0に供給され、AD変換部ADC(10)のデジタルコードCODEがバス配線100S1に供給され、AD変換部ADC(18)のデジタルコードCODEがバス配線100S2に供給され、AD変換部ADC(26)のデジタルコードCODEがバス配線100S3に供給される。AD変換部ADC(2),ADC(10),ADC(18),ADC(26)は、すべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEをそれぞれ出力しているので(図31A)、このときの画像信号DATA0S,DATA1S,DATA2S,DATA3Sのすべてのビットが“1”になる(図32(D)~(G))。
このようにして、すべてのビットが“0”であるデジタルコードCODE、およびすべてのビットが“1”であるデジタルコードCODEが、交互に、画像信号DATA0Sとして信号処理部60に転送される(図32(D))。画像信号DATA1S,DATA2S,DATA3Sについても同様であり(図32(E)~(G))、画像信号DATA0N,DATA1N,DATA2N,DATA3Nについても同様である(図32(I)~(K))。
[変形例3]
上記実施の形態では、デジタルコードCODEのすべてのビットを”0”または”1”にしたが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例について詳細に説明する。
図33A,33Bは、本変形例に係る撮像装置1Dの読出部40D(読出部40SD,40ND)の一構成例を模式的に表すものであり、図33Aは、読出部40SDの一例を示し、図3DBは、読出部40NDの一例を示す。
読出部40SDは、図33Aに示したように、4つのバス配線100S0,100S1,100S2,100S3を有している。この例では、AD変換部ADC(0),ADC(2),ADC(4)は、バス配線100S0に対応づけられ、AD変換部ADC(6),ADC(8),ADC(10)は、バス配線100S1に対応づけられ、AD変換部ADC(12),ADC(14),ADC(16)は、バス配線100S2に対応づけられ、AD変換部ADC(18),ADC(20),ADC(22)は、バス配線100S3に対応づけられている。また、AD変換部ADC(24),ADC(26),ADC(28)は、バス配線100S0に対応づけられ、AD変換部ADC(30),ADC(32),ADC(34)は、バス配線100S1に対応づけられ、AD変換部ADC(36),ADC(38),ADC(40)は、バス配線100S2に対応づけられ、AD変換部ADC(42),ADC(44),ADC(46)は、バス配線100S3に対応づけられている。AD変換部ADC(48)以降の偶数番目のAD変換部ADCについても同様である。
読出部40NDは、図33Bに示したように、4つのバス配線100N0,100N1,100N2,100N3を有している。この例では、AD変換部ADC(1),ADC(3),ADC(5)は、バス配線100N0に対応づけられ、AD変換部ADC(7),ADC(9),ADC(11)は、バス配線100N1に対応づけられ、AD変換部ADC(13),ADC(15),ADC(17)は、バス配線100N2に対応づけられ、AD変換部ADC(19),ADC(21),ADC(23)は、バス配線100N3に対応づけられている。また、AD変換部ADC(25),ADC(27),ADC(29)は、バス配線100N0に対応づけられ、AD変換部ADC(31),ADC(33),ADC(35)は、バス配線100N1に対応づけられ、AD変換部ADC(37),ADC(39),ADC(41)は、バス配線100N2に対応づけられ、AD変換部ADC(43),ADC(45),ADC(47)は、バス配線100N3に対応づけられている。AD変換部ADC(49)以降の奇数番目のAD変換部ADCについても同様である。
自己診断を行う場合には、複数のAD変換部ADCのうちの網掛けされていないAD変換部ADC(例えばAD変換部ADC(0),ADC(1),ADC(4),ADC(5),…)は、ブランキング期間P20において、制御信号CCに基づいて、ビットパターンA(=0101010101010b)を有するデジタルコードCODEを出力する。また、網掛けされたAD変換部ADC(例えばAD変換部ADC(2),ADC(3),ADC(6),ADC(7),…)は、ブランキング期間P20において、制御信号CCに基づいて、ビットパターンB(=1010101010101b)を有するデジタルコードCODEを出力する。ビットパターンA,Bは、1/0交番パターンであり、互いに反転したパターンである。
図34は、本変形例に係るデータ転送動作のタイミング図を表すものであり、(A)は水平同期信号XHSの波形を示し、(B)は制御信号SELの偶数ビットを示し、(C)は制御信号SELの奇数ビットを示し、(D)~(G)は画像信号DATA0S,DATA1S,DATA2S,DATA3Sをそれぞれ示し、(H)~(K)は画像信号DATA0N,DATA1N,DATA2N,DATA3Nをそれぞれ示す。図34の(D)~(K)において、網掛けされておらず“A”が記載された部分は、ビットパターンA(=0101010101010b)を有するデジタルコードCODEを示し、網掛けされ“B”が記載された部分は、ビットパターンB(=1010101010101b)を有するデジタルコードCODEを示す。
制御信号SELの偶数ビットでは、図34(B)に示したように、まず、制御信号SEL[0],SEL[6],SEL[12],SEL[18]がアクティブになる。これにより、読出部40SDでは、AD変換部ADC(0)のデジタルコードCODEがバス配線100S0に供給され、AD変換部ADC(6)のデジタルコードCODEがバス配線100S1に供給され、AD変換部ADC(12)のデジタルコードCODEがバス配線100S2に供給され、AD変換部ADC(18)のデジタルコードCODEがバス配線100S3に供給される。AD変換部ADC(0),ADC(12)は、ビットパターンAを有するデジタルコードCODEをそれぞれ出力しているので(図33A)、このときの画像信号DATA0S,DATA2SのデジタルコードCODEは、ビットパターンAを有する(図34(D),(F))。また、AD変換部ADC(6),ADC(18)は、ビットパターンBを有するデジタルコードCODEをそれぞれ出力しているので(図33A)、このときの画像信号DATA1S,DATA3SのデジタルコードCODEは、ビットパターンBを有する(図34(E),(G))。
次に、制御信号SELの偶数ビットでは、制御信号SEL[2],SEL[8],SEL[14],SEL[20]がアクティブになる(図34(B))。これにより、読出部40SDでは、AD変換部ADC(2)のデジタルコードCODEがバス配線100S0に供給され、AD変換部ADC(8)のデジタルコードCODEがバス配線100S1に供給され、AD変換部ADC(14)のデジタルコードCODEがバス配線100S2に供給され、AD変換部ADC(20)のデジタルコードCODEがバス配線100S3に供給される。AD変換部ADC(2),ADC(14)は、ビットパターンBを有するデジタルコードCODEをそれぞれ出力しているので(図33A)、このときの画像信号DATA0S,DATA2SのデジタルコードCODEは、ビットパターンBを有する(図34(D),(F))。また、AD変換部ADC(8),ADC(20)は、ビットパターンAを有するデジタルコードCODEをそれぞれ出力しているので(図33A)、このときの画像信号DATA1S,DATA3SのデジタルコードCODEは、ビットパターンAを有する(図34(E),(G))。
このようにして、ビットパターンAを有するデジタルコードCODE、およびビットパターンBを有するデジタルコードCODEが、交互に、画像信号DATA0Sとして信号処理部60に転送される(図34(D))。画像信号DATA2S,DATA0N,DATA2Nについても同様である(図34(F),(H),(J))。また、ビットパターンBを有するデジタルコードCODE、およびビットパターンAを有するデジタルコードCODEが、交互に、画像信号DATA01Sとして信号処理部60に転送される(図34(E))。画像信号DATA3S,DATA1N,DATA3Nについても同様である(図34(G),(I),(K))。
このように、撮像装置1Dでは、デジタルコードCODEのビットパターンを1/0交番パターンにしたので、例えば、AD変換部ADCのそれぞれに係るバス配線のうちの隣接する配線が互いにショートしていないかどうかを診断することができる。具体的には、診断部61は、例えば、読出部40SD(図33A)において、0番目のAD変換部ADC(0)とバス配線100S0とを結ぶバス配線における、互いに隣り合う配線が互いにショートしていないかどうかを診断することができる。
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
<2.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した撮像装置の適用例について説明する。
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図35は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図35に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図35では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
ここで、図36は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図36には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920~7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
図35に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)若しくはLTE-A(LTE-Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又は画像信号を交換する。
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図35の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
なお、図35に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
以上説明した車両制御システム7000において、図1を用いて説明した本実施形態に係る撮像装置1は、図35に示した応用例における撮像部7410に適用することができる。これにより、車両制御システム7000では、自己診断を行うことにより、撮像部7410が正常に動作しているかどうかを診断することができる。そして、撮像部7410に不具合が生じた場合には、例えば、その診断結果をマイクロコンピュータ7610に通知することにより、車両制御システム7000は、撮像部7410に不具合が生じたことを把握することができる。これにより、車両制御システム7000では、例えば運転者に注意喚起を促すなどの適切な処理を行うことができるため、信頼性を高めることができる。また、車両制御システム7000では、診断処理の結果に基づいて、車両を制御する機能を制限することができる。車両を制御する機能の具体例としては、車両の衝突回避あるいは衝突緩和機能、車間距離に基づく追従走行機能、車速維持走行機能、車両の衝突警告機能、車両のレーン逸脱警告機能等が挙げられる。診断処理の結果、撮像部7410に不具合が生じたと判定された場合、車両を制御する機能を制限し、あるいは禁止することができる。これにより、車両制御システム7000では、撮像部7410の不具合に基づく誤検知に起因した事故を防止することができる。
以上、実施の形態および変形例、ならびにそれらの具体的な適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態では、垂直方向(図2における縦方向)に並設された複数の画素P1Aを1つのAD変換部ADCに接続したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、図37に示す撮像装置1Eのように、1つのエリアARに属する複数の画素Pを1つのAD変換部ADCに接続してもよい。撮像装置1Eは、2枚の半導体基板(上基板211および下基板212)に分けて形成されている。上基板211には、画素アレイ10が形成されている。この画素アレイ10は、複数(この例では9つ)のエリアARに区分され、各エリアARは、複数の画素Pを含んでいる。下基板212には、読出部40が形成されている。具体的には、下基板212には、上基板211におけるエリアARに対応する領域に、そのエリアARに属する複数の画素Pに接続されるAD変換部ADCが形成されている。上基板211と下基板212は、例えばCu-Cu接合により、電気的に接続されるようになっている。なお、この例では、画素アレイ10を9つのエリアARに区分したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば8つ以下または10個以上のエリアARに区分してもよい。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。