JP7078465B2 - 飛散防止フィルム - Google Patents

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本発明は、飛散防止フィルムに関する。
型板ガラスは、ガラスの片面に型模様をつけることにより、光を通しつつ、外部からの視線を遮るガラスである。
型板ガラスは、すり板ガラスのように、水に濡れても透明になることがない。そのため、浴室、脱衣所、洗面所、キッチン等の水周りの窓などに広く使用されている。
型板ガラスは、型模様が付された面と反対側に平坦面とを有する。型板ガラスは、型模様が付された面は汚れが付着しやすいため、汚れの付着を防止し、付着した場合でも洗浄除去が容易となるように、型板ガラスは、平坦面が室外側、型模様を付された面が室内側となるように設置される。
窓に設置された板ガラスの室内側には、ガラスが割れた際に室内にガラスが飛散することを防ぐ飛散防止フィルムや、室外からガラスを破壊して侵入されることを防ぐ防犯フィルムが貼付されることがある。
一般的な飛散防止フィルムや防犯フィルム(以下、飛散防止フィルムという)の構成としては、フィルム状の基材(PETフィルム等)と、前記基材の一方の面に形成された粘着剤層(厚さ10~25μm程度)とを具備したものが知られている。
こうした一般的な飛散防止フィルムでは、型板ガラスの型模様の凹凸が粘着剤層の厚さよりも大きいため、型模様面の凹凸形状に追従できず、凸部分でしか粘着できていなかった。そのため、凹部分かつ非粘着箇所に多数生じる隙間部分による外観悪化や粘着力低下により飛散防止効果が低下するなどの問題があった。
上記問題点を解決する手段として、飛散防止フィルムを構成する粘着剤層を、特許文献1では100μm以上に、特許文献2では150~300μmに、特許文献3では150~200μmに、特許文献4では80~1000μmに、それぞれ厚膜化する手段が提案されている。こうした厚膜化により、型模様面の凹凸形状にある程度まで追従することができるようになり、上記問題を軽減し得ることが知られている。
特開2018-65320号公報 特許第4,783,113号公報、特に請求項3 特許第4,371,800号公報 特開2004-338365号公報
しかしながら、型板ガラスには、シャワー等により、水がかかることがある。また、冬場には、型板ガラスに結露することがある。型模様の凹部に飛散防止フィルムの粘着剤層が追従していない隙間部分があると、水がその隙間に侵入し、更に、飛散防止フィルムの粘着剤層と型板ガラスの界面に侵入することにより、粘着面積が低下し、飛散防止フィルムが剥がれてしまうことがあった。
そこで本発明は、型板ガラスへの粘着後の外観の見栄えが良く、飛散防止効果を安定して保持でき、更に水が直接かかる、又は結露する場合でも耐水効果に優れた飛散防止フィルムを提供することを目的とする。
本発明の飛散防止フィルムは、貼着時の隙間部分の発生や外観悪化を防止する手段として粘着剤層を所望の厚さ以上にすると共に、水が直接かかる、又は結露する場合でも高い耐水効果を発現する手段として粘着剤層にシランカップリング剤を加えた点に特徴を有する。詳しくは、本発明は、以下の構成により達成されるものである。
1.粘着剤層および基材を有する飛散防止フィルムであって、
前記粘着剤層の厚みが60μm以上であり、
前記粘着剤層がシランカップリング剤を含む、飛散防止フィルム。
2.前記粘着剤層の貯蔵弾性率G’が、23℃、周波数1Hzにおいて、2×10~10×10Paの範囲である、上記1に記載の飛散防止フィルム。
3.前記シランカップリング剤は、有機官能基がエポキシ基であるエポキシ系シランカップリング剤である、上記1または2に記載の飛散防止フィルム。
4.前記粘着剤層を構成する粘着剤がアクリル系粘着剤である、上記1~3のいずれか1項に記載の飛散防止フィルム。
本発明によれば、型板ガラスの型模様面の凹凸形状に追従することにより、型模様の凹部に飛散防止フィルムの粘着剤層が追従していない隙間部分の発生が大幅に抑制され外観の見栄えが良く、高い粘着力を長期間して確保でき飛散防止効果を安定して保持でき、更に水が直接かかる、又は結露する場合でも水や蒸気の侵入を防ぎ浮き・剥がれが生じ難いという耐水性に優れた飛散防止フィルムの提供が可能となる。
本発明の飛散防止フィルムの基本的な構成を模式的に表す断面図である。 実施例の飛散防止フィルムの追従性試験により、型板ガラスの型模様面の凹凸形状への追従性が良好な例(実施例1)と、追従性が不良な例(比較例2)の画像を表す図面である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
なお、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等は、室温(20~25℃)/相対湿度40~50%の条件で測定する。本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタクリレート」を指し、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸またはメタクリル酸」を指す。
本発明の飛散防止フィルムは、粘着剤層および基材を有する飛散防止フィルムであって、前記粘着剤層の厚みが60μm以上であり、前記粘着剤層がシランカップリング剤を含むことを特徴とするものである。かかる構成を有することにより、上記した発明の効果を有効に奏することができる。
図1は、本発明の飛散防止フィルムの基本的な構成を模式的に表す断面図である。図1に示すように、本発明の飛散防止フィルム11は、基材13と、基材13の片面に設けられた粘着剤層15とを必須に有し、更に粘着剤層15上に設けられた剥離ライナー17と、基材13のもう一方の片面に設けられたハードコート層19と、を有するのが好ましい。すなわち、図1に示す本発明の飛散防止フィルム11は、剥離ライナー17、粘着剤層15、基材13およびハードコート層19がこの順に積層されてなる積層体である。
以下、本発明の飛散防止フィルムにつき、構成要件ごとに詳しく説明する。
[基材]
基材を形成する材料としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。これらの中でも、採光性と飛散防止性のバランスに優れる点から、ポリエチレンテレフタレートが好適である。
上記基材の片面または両面には、隣接層の密着性向上を目的としてプライマー処理、コロナ放電処理などによる表面処理を施すことができる。上記プライマー処理に使用し得る液剤としては、特に制限はされず、例えばアクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、シリコーン系、ゴム系などの従来公知のものを用いることができる。これらの表面処理法は、基材の種類に応じて適宜選ばれる。
基材には、必要に応じて、安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、加工助剤、軟化剤、防曇剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難撚剤等を適宜に含有していてもよい。
基材の厚さについては特に制限はないが、通常15~1000μmである。ガラス飛散防止性の観点から38μm以上であることが好ましく、貼付作業性の観点から500μm以下であることが好ましい。
[粘着剤層]
粘着剤層は、型板ガラスの型模様面の凹凸形状に追従することにより、隙間部分の発生が大幅に抑制され外観の見栄えが良く、高い粘着力を長期間して確保でき飛散防止効果を安定して保持する観点から、所定以上の厚さに厚膜化する必要がある。かかる観点から、粘着剤層の厚さは、60μm以上、好ましくは60~300μm、より好ましくは80~120μmである。
粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、23℃、周波数1Hzにおいて、好ましくは2×10~10×10Pa、より好ましくは2×10~8×10Paの範囲である。粘着剤層の貯蔵弾性率G’が10×10Pa以下であれば、凹凸追従性に優れている。一方、粘着剤層の貯蔵弾性率G’が2×10Pa以上であれば、製品端部からの粘着剤のはみ出しを防止することができる。すなわち、粘着剤層の貯蔵弾性率G’を上記範囲とすることにより、型板ガラスの型模様面の凹凸形状に対する追従性をより高め、かつ剥がしたときに型板ガラス表面に付着する粘着剤層残渣をより低減することができる。また、製品端部からの粘着剤のはみ出しを防止することができる。粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、粘着剤層に含まれる重合体(粘着剤)を構成するモノマーの種類、分子量及び配合比、並びに重合体の重合度、さらに架橋剤を含む場合には、架橋剤量(重合体の架橋密度)などを適宜変更することによって調整することができる。
粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定装置ARES(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて決定する。2枚の剥離ライナー間に500μm~1mmの厚み(例えば、800μm)の粘着剤層を形成した積層体を直径8mmの円盤状に打抜き、剥離ライナーを除去した後のものを、粘着剤層試料とする。-20℃~150℃の温度範囲において5℃/分の昇温速度及び周波数1Hzの剪断モードで測定を行ったときの、23℃における貯蔵弾性率G’(Pa)を記録する。
飛散防止フィルムは、以下の耐水性試験(加速度寿命試験を兼用)後の粘着力が10N/25mm以上であることが好ましい。耐水性試験後の粘着力が10N/25mm以上である(耐水性を有する)ことにより、水が直接かかる、又は結露する場合、具体的にはシャワーの温水が連続してあたる状態を模擬した40℃の温水中に24時間浸漬して(加速度寿命実施後)も、飛散防止フィルム周囲の切断面の非粘着箇所(主に凹部分)から粘着界面に温水が侵入するのを十分に防止し、粘着力が低下するのを防止することができる。かかる観点から。耐水性試験後の粘着力は、10~30N/25mmであることがより好ましい。
飛散防止フィルムの耐水性試験(加速度寿命試験を兼用)は、以下の通りである。
飛散防止フィルムを幅25mm長さ250mmの大きさに切り取り、1日標準環境下(23℃、50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がして呼び厚さ4mmの型板ガラス「霞」(旭硝子社製)の型模様面に粘着剤層面を貼付する。24時間標準環境下に静置後、40℃の温水中に全面を24時間浸漬し、取り出した直後、飛散防止フィルムの粘着力を測定する。具体的には、引張試験機により、180°方向に試験速度300mm/分で飛散防止フィルムを引き剥がし、飛散防止フィルムの粘着力を測定する。数値は、幅25mm当たりの引き剥がし力に換算したもの(N/25mm)である。
飛散防止フィルムは、以下の型板ガラスの型模様面の凹凸形状への追従性試験を行ったときに、型板ガラスの型模様面との粘着面積率は、75%以上が好ましく、80%以上がより好ましい(上限100%)。かかる追従性を有することにより、隙間部分の発生が大幅に抑制され外観の見栄えが良く、高い粘着力を長期間して確保でき飛散防止効果を安定して保持できる。
飛散防止フィルムの追従性試験は、以下の通りである。
飛散防止フィルムを幅75mm長さ75mmの大きさに切り取り、1日標準環境下(23℃、50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がして呼び厚さ4mmの型板ガラス「霞」(旭硝子社製)の型模様面に粘着剤層面を貼付する。飛散防止フィルムの基材側からデジタル顕微鏡でデジタル画像を撮影し、得られたデジタル画像をデジタル顕微鏡に付随するデータ解析装置に取り込み、解析ソフト用いて2値化処理して粘着部(白色部分)の粘着面積率を算出し、粘着面積率を求める。
飛散防止フィルムの粘着力は、15N/25mm以上であることが好ましい。飛散防止フィルムの粘着力が15N/25mm以上であることで、型板ガラスが割れた際に、ガラスを保持し、飛散を防止することができる。飛散防止フィルムの粘着力が80N/25mm以下であることで、貼付作業時に位置直しを容易に行うことができる。飛散防止フィルムの粘着力は、型板ガラスの型模様面の凹凸形状への追従性、貼着時の作業性を考慮すると、15~80N/25mmであることがより好ましく、20~70N/25mmであることがさらに好ましい。飛散防止フィルムの粘着力は、例えば、粘着剤層を形成する際に用いられる粘着剤組成物を構成する粘着剤の組成、ガラス転移温度、粘着剤組成物中の架橋剤の量などにより制御することができる。粘着剤組成物中に高極性なモノマーを含まない場合は粘着力が低くなる傾向にあり、ガラス転移温度(Tg)が低いほど型模様面への粘着力が高くなる傾向にあり、粘着剤組成物中の架橋剤の量が少なくなるほど型模様面への粘着力が高くなる傾向にある。
飛散防止フィルムの粘着力は、以下の方法により測定することができる。
飛散防止フィルムを幅25mm長さ250mmの大きさに切り取り、1日標準環境下(23℃、50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がして4mm厚の型板ガラス「霞」(旭硝子社製)の型模様面に粘着剤層面を貼付する。24時間標準環境下に静置後、JIS A 5759:2016「6.9粘着力試験」に準拠して、飛散防止フィルムの粘着力を測定する。具体的には、引張試験機により、180°方向に試験速度300mm/分でフィルムを引き剥がし、飛散防止フィルムの粘着力を測定する。数値は、幅25mm当たりの引き剥がし力に換算したもの(N/25mm)である。
粘着剤層は粘着剤組成物を用いて形成される。粘着剤組成物に用いられる粘着剤としては、特に限定されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などを用いることができる。上記粘着剤は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
粘着剤としては、粘着の信頼性の観点から、特にアクリル系粘着剤を好適に用いることができる。アクリル系粘着剤を構成するアクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし、必要に応じて(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な単量体(共重合性単量体)を用いることにより形成される。ここで、主成分とは、単量体中50質量%以上(上限100質量%)であることを指し、好ましくは65質量%以上、より好ましくは85質量%以上である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基のいずれであってもよい。アルキル基は炭素数1~24のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~18のアルキル基であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル(メタ)アクリレート)の具体例としては、以下に制限されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのアルキル(メタ)アクリレートは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらの中でも、粘着剤組成物により形成された粘着剤層の型板ガラスの型模様面の凹凸形状への追従性を向上させる観点から、主モノマーとして、2-エチルヘキシルアクリレート(-70℃)、n-ブチルアクリレート(-55℃)、ヘキシルアクリレート(-45℃)を少なくとも用いることが好ましい。なお、カッコ内数値は、ホモポリマーのTgを表す。これらの中でも、共重合が容易であり、粘着剤層の貯蔵弾性率G’を制御しやすいことから、主モノマーが2-エチルヘキシルアクリレート及びn-ブチルアクリレートであることが好ましく、2-エチルヘキシルアクリレート及びn-ブチルアクリレートを併用して主モノマーとして用いることがより好ましい。ここでいう主モノマーとは、単独で全単量体中10質量%以上、合計で、全単量体中50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上であることを指す。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な単量体(共重合性単量体)として、後述の架橋剤が有する架橋性反応基と反応する官能基を有する単量体を用いることが好ましく、具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有単量体などを挙げることができる。2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体を用いることがより好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを用いることがさらに好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な単量体(共重合性単量体)は、単量体中、0.1~20質量%であることが好ましく、0.3質量%以上10質量%未満であることがより好ましい。
他の共重合性単量体としては、凝集力の観点から、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
アクリル系共重合体の分子量は、特に制限されるものではないが、重量平均分子量(Mw)が40万以上であることが好ましい。アクリル系共重合体の重量平均分子量が40万以上であることで、粘着剤の凝集力が向上し、貯蔵弾性率が高くなる。アクリル系共重合体の重量平均分子量は、大きければ大きいほど好ましいが、製造上、通常200万以下となる。アクリル系共重合体の重量平均分子量は、60万~150万であることがより好ましく、70万~120万であることがさらに好ましい。本明細書において重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により標準ポリスチレン換算分子量として測定されたものを用いる。具体的には下記測定条件により測定された値を採用する。
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製,HLC-8220 GPC
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK guard column HXL-H
TSK gel GMHXL
TSK gel GMHXL
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃。
アクリル系共重合体の製造方法は、特に制限されず、重合開始剤を使用する溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法など従来公知の方法を用いることができる。また、重合開始剤により重合を開始させる方法の他に、電子線、紫外線等を照射して重合を開始させる方法を採用することもできる。中でも重合開始剤を使用する溶液重合法が、分子量の調節が容易であり、また不純物も少なくできるために好ましい。例えば、溶剤として酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンなどを用い、モノマーの合計量100質量部に対して、重合開始剤を好ましくは0.01~0.50質量部を添加し、窒素雰囲気下で、例えば反応温度60~90℃で、3~10時間反応させることで得られる。
前記粘着剤層は、シランカップリング剤を必須に含むものである。即ち、粘着剤層の形成に用いられる粘着剤組成物中には、少なくとも上記した粘着剤およびシランカップリング剤を必須に含むものである。かかる構成により、シランカップリング剤がアクリル系粘着剤及び型板ガラスと反応するため、アクリル系粘着剤層と型板ガラスの界面に水が浸入しやすい場合であっても、粘着力が低下しない飛散防止フィルムを提供することができるものである。
前記シランカップリング剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知ものを適宜利用することができ、次の一般式(1):X-Si≡(R)で表される。一般式(1)中、Xは、各種粘着剤などの有機材料と化学結合する有機官能基であり、ビニル基、メタアクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基などが挙げられる。また、一般式(1)中、Rは、ガラス等の無機材料と化学結合する反応基(加水分解性シリル基とも称されている)であり、メトキシ基、エトキシ基、β-メトキシエトキシ基などのジアルコキシ基、トリアルコキシ基、ハロゲン基などが挙げられる。なお、一般式(1)中の3つのRは、相互に独立して、同一の反応基であってもよいし、異なる反応基であってもよい。前記シランカップリング剤として、具体的には、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシトリエトキシシラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。前記シランカップリング剤として、好ましくは、アクリル系共重合体との反応性の観点から、有機官能基(一般式(1)中のX)がエポキシ基であるエポキシ系シランカップリング剤である。かかるエポキシ系シランカップリング剤としては、例えば、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシトリエトキシシラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シランなどを挙げることができる。
アクリル系粘着剤を構成するアクリル系共重合体は、エポキシ系シランカップリング剤との反応性の観点から、水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体を0.1質量%以上1質量%以下共重合されていることが好ましい。
粘着剤層中のシランカップリング剤の含有量は、粘着剤100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、0.005質量部以上であることがより好ましく、0.01質量部以上であることがさらに好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲内にあることで、高い粘着力を長期間して確保でき飛散防止効果を安定して保持でき、更に水が直接かかる、又は結露する場合でも水や蒸気の侵入を防ぎ浮き・剥がれが生じ難く耐水性にも優れる。また、粘着剤層中のシランカップリング剤の含有量は、粘着剤100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下であることがより好ましく、0.3質量部以下であることがさらに好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲内にあることで、水分による粘着剤層の白濁を抑制することができる。
粘着剤組成物は、上記した粘着剤(好ましくはアクリル系粘着剤)およびシランカップリング剤に加えて、さらに架橋剤を含むことが好ましい。架橋させることで粘着剤層のはみ出しを抑制することができる。
架橋剤としては、公知の架橋剤が使用できる。例えば、以下に制限されないが、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などの脂肪族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;ならびにジイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、ジイソシアネート化合物のビウレット体やイソシアヌレート体などのイソシアネート誘導体が挙げられる。
また、エポキシ系架橋剤としては、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミンや1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン等が挙げられる。
金属キレート系架橋剤としては、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、コバルト、マンガン、ジルコニウム等の金属のアセチルアセトネート錯体等が挙げられる。
これらの架橋剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の所望の物性を有する粘着剤層を得やすい観点から、架橋剤は、イソシアネート系化合物であることが好ましい。
粘着剤組成物における架橋剤の含有量は、粘着剤100質量部に対して、下限値として0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましい。また、粘着剤組成物における架橋剤の含有量は、粘着剤100質量部に対して、上限値として5.0質量部以下であることが好ましく、4.0質量部以下であることがより好ましく、3.75質量部以下であることがさらに好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であると、架橋の程度を適度なものとし、得られる粘着剤層の貯蔵弾性率G’等の諸特性を所望の範囲に制御しやすい。
粘着剤組成物は、従来公知のその他の添加剤をさらに含みうる。かような添加剤としては、例えば、染料、顔料等の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、光安定剤、ロジン、ロジンエステル等の粘着付与剤、スメクタイト、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤、難燃剤、加水分解防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、可塑剤、硬化促進剤、反応抑制剤などが挙げられる。
粘着剤層の形成方法は特に限定されないが、例えば、粘着剤組成物を剥離ライナー上に塗布した後、乾燥することで得られる。粘着剤組成物の塗布方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗布装置を用いて塗布することができる。粘着剤組成物を剥離ライナー上に塗布後、乾燥処理を行うことによって、粘着剤層が形成される。この際の乾燥条件としては特に限定されず、例えば、60~150℃にて10~60秒の条件で行われる。
[剥離ライナー]
剥離ライナーとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム;上質紙、グラシン紙、クラフト紙などの紙が挙げられる。
剥離ライナーの厚みは、通常10~400μm程度である。また、剥離ライナーの表面には、粘着剤層からの剥離性を向上させるためにシリコーンなどから構成される剥離剤からなる層が設けられていてもよい。かような層が設けられる場合の当該層の厚みは、通常0.01~5μm程度である。
[ハードコート層]
ハードコート層は、表面を高硬度化して保護する機能を有する層である。ハードコート層は従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。ハードコート層としては、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であることが好ましい。ハードコート層としても適用可能な硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂その他公知の硬化性樹脂などを要求性能などに応じて適宜採用すればよい。紫外線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系などが挙げられる。例えば、アクリレート系の紫外線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
ハードコート層は、上記硬化性樹脂を含むハードコート層用樹脂組成物を、基材の片面(粘着剤層を形成した面とは反対側の面)に塗工し、例えば紫外線により硬化することにより得られる。
ハードコート層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、表面を高硬度化して保護する機能を十分に発現し得るものであればよく、1~10μm程度であればよい。
飛散防止フィルムは公知の方法によって製造することができる。例えば、粘着剤組成物を必要に応じて有機溶剤などで希釈した溶液を、ナイフコーター等の塗布装置を用いて剥離ライナー又は基材の上に塗布し加熱により乾燥して、粘着剤層を形成する。剥離ライナー上に粘着剤層を形成した場合には、基材と、剥離ライナー上に形成した粘着剤層とを、積層して、飛散防止フィルムを形成することができる。また、基材上に粘着剤層を形成した場合には、基材上に形成した粘着剤層と、剥離ライナーとを、積層して、飛散防止フィルムを形成することができる。なお、いずれの場合も、上記基材には、ハードコート層を形成した基材を用いてもよい。
本発明の飛散防止フィルムは、型板ガラス(型模様面側)の内貼り用として使用することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、標準環境下(23℃50%RH)で行われる。
<貯蔵弾性率G’の測定>
粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定装置ARES(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて決定した。2枚の剥離ライナー間に800μmの厚みの粘着剤層を形成した積層体を直径8mmの円盤状に打抜き、剥離ライナーを除去した後のものを、粘着剤層試料とした。-20℃~150℃の温度範囲において5℃/分の昇温速度及び周波数1Hzの剪断モードで測定を行ったときの貯蔵弾性率G’(Pa)を記録した。当該記録データから23℃における貯蔵弾性率G’を読み取った。
(実施例1)
還流器および攪拌機を備えたフラスコに、2-エチルヘキシルアクリレート70質量部、n-ブチルアクリレート29.0質量部、アクリル酸0.5質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート0.5質量部からなるモノマー混合物、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)、および酢酸エチル(溶剤)を添加し、窒素置換を行いながら65℃まで加温し、7時間重合を行って、アクリル系共重合体を得た(重量平均分子量80万)。
上記アクリル系共重合体100質量部に対して、コロネートHL(架橋剤:ヘキサメチレンジイソシアネートのポリオール化合物とのアダクト体の75%酢酸エチル溶液、東ソー社製)1質量部、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシ系シランカップリング剤、KBM-403、信越化学工業社製)0.05質量部を添加・混合して粘着剤組成物を作製した。
得られた粘着剤組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにシリコーン系剥離剤を0.1μmの厚さに塗布した剥離ライナーの剥離剤塗布面上にナイフコーターにより乾燥膜厚90μmとなるように塗布した後、乾燥させて、剥離ライナーおよび粘着剤層の積層体1を得た。
基材として厚さ50μmのPETフィルムを、上記積層体1の粘着剤層面と貼り合わせて、23℃環境下に1週間静置した後、飛散防止フィルム1を得た。
上記測定方法による飛散防止フィルム1に使用した粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、23℃、周波数1Hzの剪断モードにおいて、5.5×10Paであった。
(実施例2)
実施例1において、粘着剤組成物の乾燥膜厚90μmを120μmに変更した以外は実施例1と同様にして、飛散防止フィルム2を得た。
飛散防止フィルム2に使用した粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、厚さが異なる他は実施例1と同じ構成の粘着剤層を用いているため実施例1と同じ値(5.5×10Pa)である。
(実施例3)
実施例1において、粘着剤組成物の乾燥膜厚90μmを60μmに変更した以外は実施例1と同様にして、飛散防止フィルム3を得た。
飛散防止フィルム3に使用した粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、厚さが異なる他は実施例1と同じ構成の粘着剤層を用いているため実施例1と同じ値(5.5×10Pa)である。
(実施例4)
実施例1において、アクリル系共重合体100質量部に対するイソシアネート系架橋剤の量を調整することにより、飛散防止フィルムに使用する粘着剤層の貯蔵弾性率G’が9×10Paとなるように変更した以外は実施例1と同様にして、飛散防止フィルム4を得た。
上記飛散防止フィルム4に使用した粘着剤層の貯蔵弾性率G’に関しても、上記測定方法により得られた値である。
(実施例5)
実施例1において、アクリル系共重合体100質量部に対するイソシアネート系架橋剤の量を調整することにより、飛散防止フィルムに使用する粘着剤層の貯蔵弾性率G’が3×10Paとなるように変更した以外は実施例1と同様にして、飛散防止フィルム5を得た。
上記飛散防止フィルム5に使用した粘着剤層の貯蔵弾性率G’に関しても、上記測定方法により得られた値である。
(比較例1)
実施例1において、エポキシ系シランカップリング剤を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、飛散防止フィルム6を得た。
上記測定方法による飛散防止フィルム6に使用した粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、5.5×10Paであった。
(比較例2)
実施例1において、粘着剤組成物の乾燥膜厚90μmを45μmに変更した以外は実施例1と同様にして、飛散防止フィルム7を得た。
飛散防止フィルム7に使用した粘着剤層の貯蔵弾性率G’は、厚さが異なる他は実施例1と同じ構成の粘着剤層を用いているため実施例1と同じ値(5.5×10Pa)である。
<評価方法>
1.耐水性試験
各実施例および比較例で得られた飛散防止フィルム1~7を幅25mm長さ250mmの大きさに切り取り、1日標準環境下(23℃、50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がして呼び厚さ4mmの型板ガラス「霞」(旭硝子社製)の型模様面に粘着剤層面を貼付した。24時間標準環境下に静置後、40℃の温水中に全面を24時間浸漬し、取り出した直後、飛散防止フィルムの粘着力を測定した。具体的には、引張試験機により、180°方向に試験速度300mm/分で飛散防止フィルムを引き剥がし、飛散防止フィルムの粘着力を測定した。得られた結果を下記表1に示す。
2.飛散防止フィルムの追従性試験
各実施例および比較例で得られた飛散防止フィルム1~7を幅75mm長さ75mmの大きさに切り取り、1日標準環境下(23℃、50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がして呼び厚さ4mmの型板ガラス「霞」(旭硝子社製)の型模様面に粘着剤層面を貼付した。飛散防止フィルムの基材側からデジタル顕微鏡でデジタル画像を撮影し、得られたデジタル画像をデジタル顕微鏡に付随するデータ解析装置に取り込み、解析ソフト用いて2値化処理して粘着部(白色部分)の粘着面積率を算出し、粘着面積率を求めた。
追従性試験による粘着面積率が75%以上は、追従性が良好とし、追従性試験による粘着面積率が75%未満は、追従性が不良とする。得られた結果を下記表1に示す。
なお、図2には、上記追従性が良好な例(実施例1)と、追従性が不良な例(比較例2)の画像を示す。図中の黒色部分が非粘着部分(隙間部分)であり、白色部分が、粘着部分である。画像は30倍に拡大して撮影されたものである。
3.粘着力(粘着性試験)
実施例および比較例で得られた飛散防止フィルム1~7を幅25mm長さ250mmの大きさに切り取り、1日標準環境下(23℃50%RH)に静置し、剥離ライナーを剥がして呼び厚さ4mmの型板ガラス「霞」(旭硝子社製)の型模様面に粘着剤層面を貼付した。24時間標準環境下に静置後、JIS A 5759:2016「6.9粘着力試験」に準拠して、飛散防止フィルムの粘着力を測定した。具体的には、引張試験機により、180°方向に試験速度300mm/分で飛散防止フィルムを引き剥がし、飛散防止フィルムの粘着力を測定した。得られた結果を下記表1に示す。
Figure 0007078465000001
表1の比較例1の耐水性試験後の粘着力の「-」は、耐水性試験後、型板ガラスの型模様面から飛散防止フィルム全体が剥がれてしまっており、測定できなかったものである。
表1より、実施例1~5の飛散防止フィルムは、比較例1~2の飛散防止フィルムと比較して、型板ガラスの型模様面の凹凸形状に追従することにより、隙間部分の発生が大幅に抑制され外観の見栄えが良く、高い粘着力を有し飛散防止効果を安定して保持でき、尚且つ水が直接かかる、又は結露する場合でも水や蒸気の侵入を防ぎ浮き・剥がれが生じ難く耐水性にも優れることがわかった。
表1より、粘着剤層の厚みが45μmよりも大きく(60μm以上)、更に貯蔵弾性率G’が2×10~10×10Paの範囲において、高い粘着力を有することがわかる。
11 飛散防止フィルム、
13 基材、
15 粘着剤層、
17 剥離ライナー、
19 ハードコート層。

Claims (4)

  1. 粘着剤層および基材を有する飛散防止フィルムであって、
    前記粘着剤層の厚みが60μm以上であり、
    前記粘着剤層がシランカップリング剤を含み、
    前記粘着剤層が粘着剤組成物から形成され、
    前記粘着剤組成物が、アクリル系粘着剤、イソシアネート系架橋剤およびシランカップリング剤を含み、
    前記粘着剤層中の前記シランカップリング剤の含有量が、粘着剤100質量部に対して、0.001質量部以上1質量部以下であり、
    前記アクリル系粘着剤を構成するアクリル系共重合体は、水酸基含有単量体およびカルボキシル基含有単量体を0.1質量%以上1質量%以下共重合されてなる、飛散防止フィルム。
  2. 前記粘着剤層の貯蔵弾性率G’が、23℃、周波数1Hzにおいて、2×10~10×10Paの範囲である、請求項1に記載の飛散防止フィルム。
  3. 前記シランカップリング剤は、有機官能基がエポキシ基であるエポキシ系シランカップリング剤である、請求項1または2に記載の飛散防止フィルム。
  4. 前記イソシアネート系架橋剤の含有量が、前記アクリル系粘着剤100質量部に対して0.1~5.0質量部である、請求項1~3のいずれか1項に記載の飛散防止フィルム。
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