JP7077142B2 - 中空糸膜モジュール、および中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents

中空糸膜モジュール、および中空糸膜モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、中空糸膜モジュール、および中空糸膜モジュールの製造方法に関する。
中空糸膜濾過による分離プロセスは、各種工業製品の製造プロセスや上水、下水、海水等の水処理等、幅広い分野において広く採用されている。
近年、中空糸膜濾過による造水プロセスにおいては、コストの低減のため、より大型の中空糸膜モジュール(以下、単にモジュールという)の使用、やより圧力負荷の大きな状態での運転が求められている。通常、一つの造水システムに対し複数本のモジュールを設置して運転する。一つ一つのモジュールを大型化すると、システムトータルの造水量を維持しながら、モジュール数を減らすことができるので、モジュール間を接続する配管を削減して、コストを抑えることができる。他にも、海水淡水化プロセスでの例が挙げられる。従来のプロセスは、MF膜やUF膜モジュールを使用した濾過工程、濾過水を貯蔵する中間タンクを経て、淡水化処理工程へ続いていたが、近年は、中間タンクを排除した低コストプロセスに期待が寄せられている。従来のプロセスでは、濾過工程用のモジュールは低圧での運転が可能だったが、低コストプロセスでは、濾過工程用のモジュールと高圧運転が必要な淡水化工程用のモジュールとを直結配管で接続することになるので、モジュールの運転には、従来にはない高圧負荷がかかることになる。
従来の小型モジュールにおいては、ケースと中空糸膜とを連結して固定するポッティング材の体積が小さく、ポッティング材とケース表面の剥離が問題になることは少なかった。しかしながら近年のモジュールの大型化に伴ってポッティング材の量が増加する傾向にある。ポッティング材は硬化過程において収縮するが、ポッティング材の使用量が増加すると、その収縮量が増加する。これによりポッティング材とケース表面が剥離し、モジュール運転時に、被処理液の濾過側への漏洩が生じ得る。
また、運転時の操作圧力の上昇、加熱流体の供給等によるポッティング部への負荷の増加により、同様にポッティング材とケース表面が剥離し、被処理液の濾過側への漏洩が生じ得る。
これに対して、ケースとポッティング材との接着力の向上を目的としたケースとポッティング材の接触表面に対する加工、処理が提案されている。例えば、表面へのプラズマ処理(酸・火炎処理でも可)を実施することによって、ポッティング材とケースの接着強度を向上させ、剥離を抑制することが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、ケース表面に対するプラズマ処理では、プラズマの照射距離がわずかに長くなるだけで接着強度が大きく低下してしまうため、接着強度を安定的に向上させることが難しい。また、プラズマ処理では、時間の経過と共にプラズマ照射の効果が低下してしまうため、向上させた接着強度の維持が困難である。
また、接着力を向上させる処理として、ケース表面の酸処理、火炎処理等も挙げられるが、いずれも作業の危険性があり、また処理時間が長く、生産性を向上させることが難しかった。
上記以外のケースとポッティング材の接着力の向上を目的としたケースとポッティング材の接触表面の加工法として、ケース表面の粗面化が挙げられる。成形時に接触表面に対して梨地加工を施す、成形後のケースに対して粗面化処理を施す等、様々な加工手段が挙げられ、かつ接着力の向上についても提案されている(特許文献2参照)。
例えば、特許文献2では、旋盤による粗面化処理が開示されているが、実際にモジュールとしての接着力の向上および耐久性の向上は確認されていない。
特開平02-119923号公報 特許第5955730号
前述のとおり、ポッティング部におけるケース内表面の粗面化は、中空糸膜モジュールの接着力を向上させることは広く知られている。しかし、粗面化の指標と中空糸膜モジュールの耐久性との相関はとれておらず、粗面化を施したケースであっても高圧下や高温下において、中空糸膜モジュールの大型化の際に剥離が生じてしまうことがあった。
そこで本願発明者らは、ケースの粗面化の度合いと中空糸膜モジュールとしての耐久性の因果関係を鋭意検討した結果、従来表面の粗さの性状を表す際に用いられていた表面粗さRaを大きくしても、中空糸膜モジュールの耐久性の向上にはつながらないことが判明した。また、表面性状を変化させることで、耐久性が大きく向上した中空糸膜モジュールの開発に至った。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、モジュールの大型化や高圧・高温での運転に対して高い耐久性を有し、かつ高い生産性を達成可能な中空糸膜モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、中空糸膜モジュールの開発において、ポッティング材の接するケース内表面の、ミクロな表面積が中空糸膜モジュールの耐久性を大きく向上することを突き止めた。
即ち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
中空糸膜と、該中空糸膜を収容する熱可塑性樹脂から成るケースと、前記ケースの少なくとも一端と中空糸膜とを連結して固定するポッティング材とを有する中空糸膜モジュールにおいて、
前記ポッティング材と接着している前記ケースの内表面の少なくとも一部における、表面十点平均高さをRz(cm)、平均周期長をSm(cm)、単位長さをL(cm)とすると、式(1)が成り立つことを特徴とする中空糸膜モジュール。
(L/Sm)×Rz≧0.1cm (1)
〔2〕
前記ケースの材質は、変性PPE、PE、及びABSのいずれかであり、
前記ポッティング材の材質は、ウレタン樹脂、又はエポキシ樹脂である
ことを特徴とする[1]に記載の中空糸膜モジュール。

前記ポッティング材が前記ケースの内表面と接着している表面積をS(cm)、前記ポッティング材の体積をV(cm)とすると、
S/Vの値が0.2cm-1以上である
ことを特徴とする[1]又は[2]に記載の中空糸膜モジュール。

S/Vの値が0.6cm-1以下である
ことを特徴とする[]に記載の中空糸膜モジュール。

以下の式(2)を満たす
ことを特徴とする〔〕または[]に記載の中空糸膜モジュール。
(L×Rz×S)/(Sm×V)≧0.05 (2)

前記ケースとの、少なくとも前記ポッティング材とが接着している部分のケース素材が変性PPE、PE、PP、ABS、ポリスルフォン、塩化ビニルのいずれか、もしくはその組み合わせからなる
ことを特徴とする[1]から[]のいずれか1つに記載の中空糸膜モジュール。

前記ポッティング材がウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびその両方のいずれかからなる
ことを特徴とする[1]から[]のいずれか1つに記載の中空糸膜モジュール。

前記ポッティング材がウレタン樹脂から成なる
ことを特徴とする[]に記載の中空糸膜モジュール。

[1]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法であって、
前記ケース内表面に式(1)を満たすような粗面化処理を実施する工程を含む
ことを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
10
[1]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法であって、
ケース成形工程が実施された後に、前記ケース内表面に対する粗面化処理工程を含む
ことを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
11
または[10]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法であって、
前記粗面化処理工程において、金属製ブラシおよびサンドペーパーのいずれかもしくは両方を使用して粗面化処理を実施する工程を含む
ことを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
本発明の中空糸膜モジュールは、モジュールの大型化や高圧・高温での運転に対して高い耐久性を示し、ケースとポッティング材の剥離を抑制する効果がある。また本発明の中空糸膜モジュールでは、粗面化のみで高耐久性を付与することが可能であるため、薬品を使用する等の危険性を伴う工程を必要とせず、高い生産性を達成可能である。
本発明における一実施形態にかかる中空糸膜モジュールの概略縦断面図である。 図1の中空糸膜モジュールにおけるポッティング材の拡大図である。 図2の中空糸膜モジュールのIII-III線断面図である。 変形例1にかかる中空糸膜モジュールの概略縦断面図である。 変形例2にかかる中空糸膜モジュールの概略縦断面図である。 評価方法1による評価結果を示すグラフである。 評価方法2による評価結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」ともいう。)について、図面を参照して、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる中空糸膜モジュール100を示す概略縦断面図である。図1に示す中空糸膜モジュール100においては、両端が開口した筒状ケース(ケース)3内に多数本の中空糸膜1からなる中空糸膜束2が収納され、中空糸膜1の端面の一方が開口されもう一方が閉塞した状態で、中空糸膜束2の両方の端部がポッティング材4A、4Bによって筒状ケース3に液密かつ気密に固定されている。
筒状ケース3の一方の端部には、濾過液出口13を有する第1のキャップ11Aが、固定具7により接続されている。筒状ケース3またはポッティング材4Aと第1のキャップ11Aとにシール材8を挟持させることにより、筒状ケース3および第1のキャップ11Aの接続は液密かつ気密となっている。なお、本実施形態においては、ポッティング材4Aと第1のキャップ11Aとがシール材8を挟持している。
また、筒状ケース3の他方の端部には、原水流入口12を有する第2のキャップ11Bが固定具7により接続されている。筒状ケース3またはポッティング材4Bと第2のキャップ11Bとにシール材8を挟持させることにより、筒状ケース3および第2のキャップ11Bの接続は液密かつ気密となっている。なお、本実施形態においては、ポッティング材4Bと第2のキャップ11Bとがシール材8を挟持している。第2のキャップ11B側のポッティング材4Bには、筒状ケース3の軸線に垂直な断面において中空糸膜1と重ならない位置に、軸線に平行な貫通孔を画定する内壁15が形成されている。
なお、中空糸膜モジュール100は、第1のキャップ11Aが上側に、かつ第2のキャップ11Bが下側に向くように設置し、立てた状態で、使用してもよいし、横に寝かせた状態で使用してもよい。中空糸膜表面の濁質を除去するために空気を送り込むエアースクラビング(AS)を実施する場合、縦型の方が好ましい。モジュールを集積化して、システム設置面積あたりの造水量を稼ぎたい場合は、横に寝かせた状態で、多段に積み重ねた状態で使用する方が好ましい。
原水は第2のキャップ11Bに備わっている原水流入口12より中空糸膜モジュール100内に流入し、中空糸膜1を透過しなかった原水は、筒状ケース3の側面部に形成された原水出口14より中空糸膜モジュール100の外部に排出される。中空糸膜1によって濾過された液は、中空糸膜1の中空部を通り、第1のキャップ11Aに備わっている濾過液出口13より回収される。
本実施形態において、中空糸膜1は多孔質であり、通過する流体を濾過する。中空糸膜1の製造方法や材質は特に限定されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、アクリロニトリル、及び酢酸セルロース等を中空糸膜1に用いることができる。中でも、結晶性を有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、及びポリフッ化ビニリデンなどの結晶性熱可塑性樹脂は強度発現の面から好適に用いることができる。さらに好適には、疎水性ゆえ耐水性が高く、通常の水系液体の濾過において耐久性が期待できる、ポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン等を用いることができる。特に好適には、耐薬品性等の化学的耐久性に優れるポリフッ化ビニリデンを用いることができる。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンホモポリマーや、フッ化ビニリデンの比率が50モル%以上であるフッ化ビニリデン共重合体が挙げられる。フッ化ビニリデン共重合体としては、フッ化ビニリデンと、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレンまたはエチレンから選ばれた1種以上との共重合体が挙げられる。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンホモポリマーがもっとも好ましい。なお、図1から5において、中空糸膜1は視認を容易にするために大径化され且つ互いに間隔を開けて描画されているが、図1の縮尺より細径である中空糸膜1が、図1の縮尺より密に筒状ケース3に収容されていてもよい。
本実施形態において、筒状ケース3の材質は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。筒状ケース3の材質として、例えば、ポリスルフォン系樹脂、ABS、ポリカーボネート、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、塩化ビニル等を挙げることができる。一般的に、表面自由エネルギーの小さな素材は、素材自体の表面が他の物質で濡れなくても安定化されているため接着が難しい。そこで、比較的表面エネルギーの小さなABS、変性PPE、PE、PP、ポリスルフォン、塩化ビニルのような素材を材質に用いることにより、後述する剥離抑制効果が、顕著に発現する。
図2は、図1の中空糸膜モジュール100の第1のキャップ11A側のポッティング材4Aの拡大図である。図2に示すように、ポッティング材4Aと接する筒状ケース3の内表面の、少なくとも一部CSは、次の(1)式を満たす。なお、ポッティング材4Aと接する筒状ケース3の内表面の全体が(1)式を満たすことが好ましい。本実施形態においては、ポッティング材4Aと接着している筒状ケース3の内表面の全体が(1)式を満たす。
(L/Sm)×Rz≧0.1cm (1)
(1)式において、L(cm)は単位長さで、1.0cmである。また、(1)式において、Sm(cm)はポッティング材4Aと接している筒状ケース3の内表面の、少なくとも一部CSにおける凹凸の平均周期長である。また、(1)式において、Rz(cm)はポッティング材4Aと接している筒状ケース3の内表面の、少なくとも一部CSにおける表面十点平均高さである。
本実施形態に係るケース表面の表面粗さのパラメータであるRz、Smの測定場所および測定方法を以下に説明する。
本発明におけるRz、Smの測定場所には、中空糸膜モジュール100を解体して得られるポッティング材4Aを筒状ケース3から剥がし、ポッティング材4Aと接触していた筒状ケース3の表面を使用する。なお、測定箇所はポッティング材4Aと接触していた部分なら何処でもよく、例えば濾過液出口13側の端面から1cmで、周方向の原水出口14の逆側の部分が測定に用いられる。なお、本願発明者らの検討の結果、モジュール化前の筒状ケース3の内表面のRz、Smの値と、中空糸膜モジュール100を解体して得られた筒状ケース3の内表面のRz、Smの値は相関があり、モジュール化前の筒状ケース3の内表面における値の方が、解体して得られる筒状ケース3の内表面における値よりも大きな値を示すことが多い。
粗さの測定方法は、接触法および非接触法のいずれでも測定可能である。接触法による測定とは、針が試料に触れながら試料上を走査し表面粗さを測定する測定法のことである。非接触法による測定とは、レーザーや白色LEDなどの光源が発する光線を試料に当て、その表面から反射された光の波長や影の長さ、角度などを元に表面粗さを測定する測定法のことである。なお、接触法での粗さ測定の規格はJIS B 0601-1994とする。
接触法で測定する場合は、RzとSmの測定方向は、中空糸膜モジュール100の長手方向に対して平行な方向である。これは、ポッティング材4Aの剥離において、筒状ケース3の内表面の長手方向に対して垂直に刻まれたミクロな溝が剥離の抑制に有効に働くので、当該長手方向に垂直に刻まれた溝の表面粗さをより高い感度で示すようにRzおよびSmが測定されることが好ましいからである。例えば、長手方向に対して垂直な方向に沿って表面をなぞる場合には、長手方向に垂直な溝の底をなぞるだけであり、当該垂直な溝による凹凸を高感度で検出することは難しい。一方、長手方向に対して平行な方向に沿って表面をなぞる場合には、長手方向に垂直な複数の溝の凹凸に沿ってなぞるため凹凸をなぞる道のりが長くなり、表面粗さが高感度で検出され得る。なお、筒状ケース3の内表面が曲面や凹凸面になっている構成においても、筒状ケース3の内表面を長手方向に平行に測定する。測定範囲は基準長さ0.8mmであり、測定の繰り返し回数は3回であり、Smのカットオフ値は10%とする。
凹凸の平均周期長Smを短くする手段の一例として、加工する際に使用する表面加工機器の目の粗さを細かくするという手段が挙げられる。より目の細かい表面加工機器で表面を加工することにより、被加工表面の凹凸の平均周期長Smは短くなり、(1)式の左辺は大きくなる。
Rz(十点平均高さ)は、測定した基準長さの範囲内において、1~5番目に高い凸の高さの絶対値の和と、1~5番目に低い凹の高さの絶対値の和を足して5で割った値である。すなわち、Rzを大きくするためには、測定長方向における凹凸の差が大きく、さらにその凹凸の差がモジュールの長手方向にわたって継続されていることが重要である。これを達成する手段の一例として、表面加工機器の素材を、被加工表面である筒状ケース3の素材に対して十分に硬いものを使用するという手段が挙げられる。被加工表面の素材よりも硬い素材を表面加工機器に使用することにより、被加工部表面に対して表面加工機器が当たった際に大きな凹部を作製可能である。
(L/Sm)×Rzは、表面加工の程度が小さい場合、凹凸の高さ(Rz)が小さく、式(1)を満たさないことがある。一方、荒らしの程度が大きく、凹凸の高さを大きくしたとしても、同時に凹凸の周期が著しく大きくなってしまう場合、(L/Sm)×Rzは式(1)を満たさないことがあり、接着強度の低下が見られる。
本実施形態において、筒状ケース3のポッティング材4Aと接着している内表面の少なくとも一部CSの加工方法は、(L/Sm)×Rz≧0.1cmを満たすものであれば特に限定されない。例えば、シボ加工やブラシ、サンドペーパー、溶剤、サンドブラスト、ドライアイスブラスト等による粗面化等が挙げられる。中でも、平均周期長と十点平均高さのバランスをとるという観点から、金属製のワイヤーブラシ、サンドペーパーを使用することが好ましい。さらに好適には、凹凸を有する形状の加工に優れる、ステンレススチール製のブラシを使用することが好ましい。一方で、成形時にシボ加工を施すという加工方法は、生産性の向上という観点で好ましい。
本実施形態において、筒状ケース3の内表面の加工の工程は、成形時から中空糸束2を挿入する前までの作業工程の間であれば、どこで実施してもよい。
なお、上記においては、ポッティング材4Aと接着している筒状ケース3の内表面の状態を説明したが、ポッティング材4Bと接着している筒状ケース3の内表面の状態も同様である。以下の説明においても、ポッティング材4Aと筒状ケース3との接触に関する説明は、ポッティング材4Bと筒状ケース3との接触に対しても適用され得る。
ポッティング材4A、4Bは、中空糸膜1と筒状ケース3とを液密かつ気密に固定、封止する。ポッティング材4A、4Bの材質は特に限定されないが、通常二液混合型硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、ワックス類が用いられる。二液混合型硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が好適に使用される。ウレタン樹脂およびエポキシ樹脂の少なくとも一方を用いることにより、硬化までの時間が十分に得られ、筒状ケース3の内表面の加工がポッティング材に転写されることにより十分な接着強度を得ることができる。また、熱可塑性樹脂としては、該樹脂の融点が中空糸膜を構成するポリマーの融点より低く、かつ濾過対象原水に対して物理的及び化学的に安定である樹脂が望ましい。具体的には、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等が挙げられる。
さらに、本実施形態において、ポッティング材4Aに関して、次の(3)式および(4)式の少なくとも一方を満たすことが好ましい。
S/V≦0.6cm-1 (3)
S/V≧0.2cm-1 (4)
(3)、(4)式において、S(cm2)はポッティング材4Aが筒状ケース3の内表面と接着している表面積である。ポッティング材4Aの表面積Sの測定方法としては、解体したモジュールケースに対して、音響式表面積測定法、レーザー測定、および解体部を写真撮影もしくは3Dスキャナによりスキャニングした後CADソフトを用いた計測などの手法が挙げられる。
(3)、(4)式において、V(cm3)はポッティング材4Aの体積である。なお、ポッティング材4Aの体積Vは、ポッティング材4Aに埋設された中空糸膜1および当該中空糸膜1の中空部を含めた、ポッティング材4Aの長手方向における両端面および筒状ケース3との界面によって画定される全空間のことを指す。体積Vの測定方法としては、筒状ケース3の平均内径Dとポッティング材4Aの、中空糸膜モジュール100の長手方向の平均厚みlから、V=(D/2)2×π×lとして求める方法、音響式容積計、液体を容器に充填させてその体積を測定するビュレット法等が挙げられる。
一般的にポッティング材は、体積が大きくなるほど残存する歪みが大きくなり、剥離しやすくなる。そのため、(4)式を満たすように、筒状ケース3の内表面に接する表面積およびポッティング材4Aの体積を規定することにより、より剥離の発生しやすい構成において、(1)式を満たすことによる剥離抑制の効果が顕著となる。
筒状ケース3の直径が大きくなると、ポッティング材4Aの体積が大きく、またそれに対して筒状ケース3の内表面と接触する表面積が十分に大きくならないために、筒状ケース3とポッティング材4Aとの剥離が発生しやすくなる。そのため、(5)式を満たすことにより、筒状ケース3とポッティング材4Aとの剥離抑制効果が、さらに向上する。
さらに、本実施形態において、ポッティング材4Aおよび筒状ケース3に関して、次の(2)式を満たすことが好ましい。
(L×Rz×S)/(Sm×V)≧0.05 (2)
このように、ポッティング材4Aが筒状ケース3の内表面と接着している表面積Sと、ポッティング材4Aの体積Vとが、表面粗さに関するRz、L、Smとともに(2)式を満たすことにより、筒状ケース3とポッティング材4Aとの剥離抑制効果が総合的に調整され得る。
中空糸膜モジュール100は、中空糸膜1の束を整束し、それを筒状ケース3に収納して端部をポッティング材4A、4Bで固定した構造を有している。筒状ケース3の両端部に対するポッティング材4A、4Bの充填方法には、遠心力を利用して液状のポッティング材を中空糸膜1間に浸透させてから硬化させる遠心接着法と、液状のポッティング材を定量ポンプやヘッド差により送液し自然に流動させることにより中空糸膜1間に浸透させた後に硬化させる静置接着法とがある。なお、筒状ケース3へ中空糸膜束2を挿入した後、図2、3に示すように樹脂製の仕切り板5や、図1、2に示すように、整流筒6等を筒状ケース3内にセットし、その後ポッティング材の注入を行ってもよい。また、接着工程は、一度に全ポッティング材の注入を実施しても、二度以上に分けて実施してもよい。
次に、ポッティング材4Aの端部を切断することにより中空糸膜1を開口させ、筒状ケース3の長手方向の両端それぞれに第1のキャップ11Aおよび第2のキャップ11Bを固定具7を用いて接続することにより、中空糸膜モジュール100の製造が終了する。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、図4に示す変形例1のようにポッティング材4Aと触れる補助部材9と、ケース本体16とによって筒状ケース30を構成してもよい。なお、補助部材9は、外径が筒状ケース3の内径に略等しい短軸の円筒状であり、内周面に環状の溝が形成されている。補助部材9の材質としては、例えば、ポリスルフォン系樹脂、ABS、ポリカーボネート、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等が挙げられる。ケースとの接着性の観点から、ケースと同材質のものが好ましい。
補助部材9は、図4の変形例1に示すような角状の溝を有する形状の他に、波状の溝やレの字状の溝、溝のない円環など、S/V値が調整可能なものであれば、形状は特に限定されない。
さらに、補助部材9の内表面は、予め成形時のシボ加工や成形後にブラシ加工され、上述の実施形態の筒状ケース3と同様に、ポッティング材4Aと接する部分において(1)式を満たしている。このような補助部材9を有する筒状ケース30の構成により、ポッティング材4Aの体積を低減させ、筒状ケース30とポッティング材4Aの接触する表面積を増やし得る。このような構成によれば、筒状ケース3全体が大きく、その結果ケース本体16の直径が大きなままであっても、S/Vを大きくし得る。
また、図5に示す変形例2のように、ポッティング材4Aと触れる筒状ケース31の内表面に旋盤等で溝加工を施し、筒状ケース3とポッティング材4Aの接触する表面積を増やしてもよい。このような構成によっても、筒状ケース3が大きく、その直径が大きなままであっても、S/Vを大きくし得る。
また、本発明は、中空糸膜束の両端が開放した形態等の公知の中空糸膜モジュール技術にも応用することが可能である。
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
筒状ケースの加工方法
<参考例1>
筒状ケースの内表面のうち、ポッティング材と接する部分を、AP-50のサンドペーパーを使用して15分程度、万遍なくサンディングを実施した。
<参考例2>
筒状ケースの内表面のうち、ポッティング材と接する部分を、ステンレススチール製のワイヤーを有し、線径0.5mm、ワイヤー本数380本のブラシを用いて表面を加工した。加工時に使用したドリルの回転数は2000rpm、荒らし加工には10分を費やした。
<参考例3>
筒状ケースの内表面のうち、ポッティング材と接する部分を、鋼製のワイヤーを有し、線径0.3mm、ワイヤー本数5000本のブラシを用いて表面を加工した。加工時に使用したドリルの回転数は550rpm、荒らし加工には10分を費やした。
以下に記述する評価方法において、それぞれの実施例および比較例に記載の中空糸膜モジュールの製法により、実施例および比較例毎に2つの中空糸膜モジュールを作製し、一方の中空糸膜モジュールを評価方法1により、他方の中空糸膜モジュールを評価方法2にて評価を実施した。
[評価方法1]
中空糸膜モジュールの濾過液出口側で、筒状ケース3の端面から10mmの部分を周方向に沿って切断し、円筒状の切断片を得た。得られた切断片から、筒状ケース3とポッティング材4Aが接着している部分において、ポッティング材4Aとケース3との界面を含む、幅15mm、長さ50mmの試験片を切り出した。
得られた試験片を用いて、3点曲げ試験を実施し、界面が剥離した際の応力を最大応力(MPa)として測定した。後に示すように、(L/Sm)×Rzが0.1cm以上の試験片では、最大応力が5MPa以上であった。
[評価方法2]
作製した中空糸膜モジュールを、原水流入口を鉛直下方に向けて縦置きして、原水出口を塞いだ後、ポンプを用いて原水流入口から70℃の温水を注入した。注入した70℃の温水は、全て濾過液出口から排出させた。この時、原水側と濾過水側の差圧を0.02MPaに調整し、この温水での運転を12分続けた。
運転終了後、原水流入口から温水を抜き出し、続いて原水出口を塞いだままポンプを用いて原水流入口から20℃の冷水を注入した。注入した20℃の冷水は、全て濾過液出口14から排出させた。この時、原水側と濾過水側の差圧を0.02MPaに調整し、この冷水での運転を12分続けた。
上述の温水および冷水を用いた運転を1サイクルとして運転を実施した。3サイクルごとに筒状ケースとポッティング材との間の剥離の発生の有無を確認し、剥離が発生した際のサイクル回数を測定した。後に示すように、(L×Rz×S)/(Sm×V)が0.05以上の中空糸膜モジュールでは、サイクル回数が15回以上となった。
(実施例1)
筒状ケースのケース本体(原料:変性PPE、全長:2000mm)には、変性PPE素材の補助部材(長さ:50mm、最大内径:155mm、最小内径:135mm)を予め溶着固定した。補助部材をケース本体に固定した後、参考例1の加工方法によってポッティング材と接する筒状ケースの内表面を加工し、その加工部の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
粗さ測定の位置は、濾過液出口側の端面から10-30mmで、周方向の原水出口の逆側の部分であった。測定機として、ミツトヨ社製小型表面粗さ測定機SJ-210を使用した。また、粗さ測定の規格はJIS B 0601-1994であって、基準長さを0.8mm、繰り返し回数を3回、Smのカットオフ値を10%として測定した。以降、特に記述のない限り、ポッティング材と接する部分のケース内表面のRzとSmを、モジュール化前も評価方法1または評価方法2による評価後も、上記の方法により求めた。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、上述の筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより、実施例1の中空糸膜モジュールを得た。実施例1の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表1及び図6、7に示した。
ポッティング材と接する部分の筒状ケースの表面積Sは、製作した中空糸膜モジュールを評価後に解体し、3Dスキャナを用いてポッティング材と接触している部材を読込み、3D-CADソフトに計測させることにより求めた。ポッティング材の体積Vは、ポッティング材と接触している箇所の筒状ケースの平均内径Dと、ポッティング材の平均厚みlを用いて、V=(D/2)2×π×lで求めた。以降、特に記述のない限り、ポッティング材と接する部分の筒状ケースの表面積Sとポッティング材の体積Vを上記の方法により求めた。
また、評価後の中空糸膜モジュールの解体後の筒状ケースの内表面の十点平均高さRzと平均周期長Smを、上述のように、表面粗さ計を用いて測定した。
(実施例2)
筒状ケースのケース本体(原料:変性PPE、全長:2000mm)を、予め参考例2の加工方法によって加工した。また、ケース本体に、参考例2の加工方法によって加工した変性PPE素材の補助部材(長さ:50mm、最大内径:155mm、最小内径:135mm)を予め溶着固定し、筒状ケースの加工部分の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、上述の筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例2の中空糸膜モジュールを得た。実施例2の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表1及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例3)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:2000mm)を、予め参考例3の加工方法によって加工し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例3の中空糸膜モジュールを得た。実施例3の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表1及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例4)
予め溝加工を施した筒状ケース(原料:変性PPE、全長:800mm)を、参考例2の加工法方によって加工し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜2000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例4の中空糸膜モジュールを得た。実施例4の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表1及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例5)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:1000mm)を、予め参考例3の加工方法によって加工し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜4000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例5の中空糸膜モジュールを得た。実施例5の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表1及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例6)
筒状ケースのケース本体(原料:変性PPE、全長:2000mm)を、予め参考例2の加工方法によって加工した。また、ケース本体に、参考例2の加工法方によって加工した変性PPE素材の補助部材(長さ:50mm、最大内径:185mm、最小内径:160mm)を溶着固定し、筒状ケースの加工部分の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜10000本を一束とした中空糸膜束を、上述の筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例6の中空糸膜モジュールを得た。実施例6の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表1及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング部厚みlを測定した。
(実施例7)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:2000mm)を、予め参考例3の加工方法によって加工し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜10000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例7の中空糸膜モジュールを得た。実施例7の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表1及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例8)
筒状ケースのケース本体(原料:PE、全長:2000mm)を、予め参考例2の加工方法によって加工した。また、ケース本体に、参考例2の加工法方によって加工したPE素材の補助部材(長さ:50mm、最大内径:155mm、最小内径:135mm)を溶着固定し、筒状ケースの加工部分の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、上述の筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例8の中空糸膜モジュールを得た。実施例8の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表2及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例9)
筒状ケース(原料:ABS、全長:2000mm)を、予め参考例3の加工方法によって加工し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例9の中空糸膜モジュールを得た。実施例9の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表2及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例10)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:2000mm)を、予め参考例2の加工方法によって加工し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例10の中空糸膜モジュールを得た。実施例10の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表2及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例11)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:2000mm)を、予め参考例3の加工方法によって加工し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、エポキシ樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例11の中空糸膜モジュールを得た。実施例11の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表2及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例12)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:2000mm)を、予め参考例1の加工方法によって加工し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜15000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例12の中空糸膜モジュールを得た。実施例12の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表2及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(実施例13)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:2000mm)を、予め参考例2の加工方法によって加工し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜15000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより実施例13の中空糸膜モジュールを得た。実施例13の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表2及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(比較例1)
中空糸膜モジュールの作製前に、筒状ケース(原料:変性PPE、全長:2000mm)の内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより比較例1の中空糸膜モジュールを得た。比較例1の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表2及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(比較例2)
筒状ケースのケース本体(原料:変性PPE、全長:2000mm)に、予め成形時にシボ加工が施された変性PPE素材の補助部材(長さ:50mm、最大内径:155mm、最小内径:135mm)を溶着固定し、筒状ケースの加工部分の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより比較例2の中空糸膜モジュールを得た。比較例2の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表3及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(比較例3)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:2000mm)の、ポッティング材と接する部分を、鋼製のワイヤーを有し、線径0.80mm、ワイヤー本数150本のブラシを用いて予め2000rpmで30分表面加工を施し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより比較例3の中空糸膜モジュールを得た。比較例3の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表3及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(比較例4)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:800mm)に、予め成形時に筒状ケースの内表面にシボ加工を施し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜2000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより比較例4の中空糸膜モジュールを得た。比較例4の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表3及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(比較例5)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:1000mm)に、予め成形時に筒状ケースの内表面にシボ加工を施し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜4000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより比較例5の中空糸膜モジュールを得た。比較例5の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表3及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(比較例6)
筒状ケース(原料:変性PPE、全長:2000mm)に、予め成形時に筒状ケースの内表面にシボ加工を施し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜10000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより比較例6の中空糸膜モジュールを得た。比較例6の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表3及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(比較例7)
筒状ケースのケース本体(原料:PE、全長:2000mm)に、予め成形時にシボ加工が施されたPE素材の補助部材(長さ:50mm、最大内径:155mm、最小内径:135mm)を溶着固定し、筒状ケースの加工部分の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより比較例7の中空糸膜モジュールを得た。比較例7の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表3及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
(比較例8)
中空糸膜モジュールの作製前に、筒状ケース(原料:ABS、全長:2000mm)の内表面の十点平均高さRz、平均周期長Smを測定した。
ポリフッ化ビニリデンポリマーから成る中空糸膜(内径:0.5mmおよび外径:1.0mm)の膜6000本を一束とした中空糸膜束を、筒状ケースに充填した。中空糸膜束の端部を目止めした後、ウレタン樹脂を用いてポッティングをした。その後、目止めを実施した端部を切断し、筒状ケースの両端に第1のキャップおよび第2のキャップを接続することにより比較例8の中空糸膜モジュールを得た。比較例8の2つの中空糸膜モジュールを別々に、評価方法1および評価方法2によって評価を行った。評価結果を表3及び図6、7に示した。
評価後の中空糸膜モジュールを解体し、筒状ケースの内表面の十点平均高さRz、平均周期長Sm、ポッティング材と接する筒状ケースの部分の平均内径D、ポッティング材の厚みlを測定した。
Figure 0007077142000001
Figure 0007077142000002
Figure 0007077142000003
本発明の中空糸膜モジュールは、モジュールの大型化や高圧・高温での運転に対して高い耐久性を有し、高い生産性を達成可能である。また、本発明の中空糸膜モジュールは各種工業製品の製造プロセスや上水、下水、海水等の水処理等、幅広い分野に好適に利用できる。
100 中空糸膜モジュール
1 中空糸膜
2 中空糸膜束
3、30、31 筒状ケース(ケース)
4A、4B ポッティング材
5 仕切り板
6 整流筒
7 固定具
8 シール材
9 補助部材
11A 第1のキャップ
11B 第2のキャップ
12 原水流入口
13 濾過液出口
14 原水出口
15 内壁
16 ケース本体
CS ポッティング材と接する筒状ケースの内表面の少なくとも一部

Claims (11)

  1. 中空糸膜と、該中空糸膜を収容する熱可塑性樹脂から成るケースと、前記ケースの少なくとも一端と前記中空糸膜とを連結して固定するポッティング材とを有する中空糸膜モジュールにおいて、
    前記ポッティング材と接着している前記ケースの内表面の、少なくとも一部における、表面十点平均高さをRz(cm)、平均周期長をSm(cm)、単位長さをL(cm)とすると、式(1)が成り立つ中空糸膜モジュール。
    (L/Sm)×Rz≧0.1cm (1)
  2. 前記ケースの材質は、変性PPE、PE、及びABSのいずれかであり、
    前記ポッティング材の材質は、ウレタン樹脂、又はエポキシ樹脂である
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記ポッティング材が前記ケースの内表面と接着している表面積をS(cm)、前記ポッティング材の体積をV(cm)とすると、
    S/Vの値が0.2cm-1以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. S/Vの値が0.6cm-1以下である
    ことを特徴とする請求項に記載の中空糸膜モジュール。
  5. 以下の式(2)を満たす
    ことを特徴とする請求項またはに記載の中空糸膜モジュール。
    (L×Rz×S)/(Sm×V)≧0.05 (2)
  6. 前記ケースの、少なくとも前記ポッティング材と接着している部分が、変性PPE、PE、PP、ABS、ポリスルフォン、塩化ビニルのいずれか、もしくはその組み合わせからなる
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  7. 前記ポッティング材がウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびその両方のいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  8. 前記ポッティング材がウレタン樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項に記載の中空糸膜モジュール。
  9. 請求項1に記載の中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    前記ケース内表面に式(1)を満たすような粗面化処理を実施する粗面化処理工程を含む
    ことを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
  10. 請求項1に記載の中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    ケース成形工程が実施された後に、前記ケース内表面に対する粗面化処理工程を含む
    ことを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
  11. 請求項または10に記載の中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    前記粗面化処理工程において、金属製ブラシおよびサンドペーパーのいずれかもしくは両方を使用して粗面化処理を実施する工程を含む
    ことを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
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