JP7175578B2 - 外圧式中空糸膜モジュール - Google Patents
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Description
このようなファウリングが生じた場合には、エアースクラビング洗浄をしたり、逆圧洗浄をしたりして膜を洗浄することで濾過性能を回復させている。
集水管の開口部付近の内周壁は、他部材、例えば、パイプと接続できるような内部構造(例えば、ねじ込むためのねじ山、嵌め込むための段差を有している)をしており、特許文献1の図1のような公知の中空糸膜モジュールと同様に両端側に液出入口を有するキャップを被せられることが記載されている(段落番号0014、0015)。
前記集水管の周囲に前記中空糸膜束が配置され、少なくとも第2端部側の中空糸膜束が封止用樹脂で前記円筒ケースハウジングおよび前記集水管と共に一体化されており、
前記円筒ケースハウジングの第1端部側が原水入口を有する第1キャップで閉塞され、前記円筒ケースハウジングの第2端部側が第1液出口と第2液出口を有する第2キャップで閉塞されている中空糸膜モジュールであって、
前記集水管の前記第1キャップ側と前記第2キャップ側が開口されており、
前記中空糸膜束の前記第1キャップ側の端部が閉塞され、前記第2キャップ側の端部が開口され、両端部側が前記第1キャップ内部または前記第2キャップ内部に面しており、
前記中空糸膜束の充填率が40%~70%であり、
前記第1液出口と前記第2液出口のいずれか一方の液出口と前記集水管の前記円筒ケースハウジングの第2端部側の開口部が連結管で連結されている、外圧式中空糸膜モジュールを提供する。
中空糸膜モジュール10は、円筒状のケースハウジング11内に多孔筒状体からなる集水管12と中空糸膜束13が収容されている。
またケースハウジング11は、原水入口41を有する第1端部11aと、前記第1端部11aと軸方向反対側の第2端部11bを有し、第1端部11a側が原水入口41を有する第1キャップ40で閉塞され、前記円筒ケースハウジングの第2端部11b側が第1液出口(ろ過水出口)51と第2液出口(濃縮水出口)52を有する第2キャップ50で閉塞されている。
ケースハウジング11の第1端部11aと第2端部11bには、ヘッダー15a又は15bが取り付けられている。これらのヘッダー15a又は15bに対して、第1キャップ40又は第2キャップ50が被せられており、これらの接続は、それぞれの材質に応じて、ねじ合わせ、接着剤による接着、溶接などの方法を適用することができる。
前記の合成樹脂を使用するときは、ケースハウジング11、集水管12、ヘッダー15a、ヘッダー15b、第1キャップ40、第2キャップ50の強度を高めたり光を遮断したりする目的で、充填剤や顔料等を含有させることができる。
また中空糸膜束13において、中空糸膜束13の第1キャップ40側の端部13aが閉塞され、第2キャップ50側の端部13bが開口され、両端部側が第1キャップ40内部または第2キャップ50内部に面している。
中空糸膜は、外径が好ましくは1~3mm、より好ましくは1.3~1.6mmの親水性膜(酢酸セルロースなどのセルロース系膜)または疎水性膜(ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)を使用することができる。
中空糸膜束13の充填率が40%以上であると、中空糸膜表面で水のせん断力が高まり、汚泥が付着し難くなる。特に、集水菅近傍の中空糸膜表面には、汚泥が付着し難くなる。
本発明において、中空糸膜束13の充填率は、中空糸膜1本あたりの軸方向の平均断面積とケースハウジング11内に収容される中空糸膜の本数との積から算出される中空糸膜束の断面積をS2、ケースハウジング11の内周部の軸方向の最小断面積をS1とした場合、以下の式により算出される。
充填率[%]=S2/S1×100
ここで最小断面積S1は、ケースハウジング11内周部の軸方向の最も小さくなる部分の断面積であり、かつ集水管12などの中空糸膜束以外の部材を除いた中空糸膜が使用されている空間の断面積をいうものとする。
また断面積S2において、中空糸膜1本あたりの軸方向の平均断面積は、ケースハウジング11内に収容される中空糸膜束から任意に合計100本の中空糸膜を採取し、各中空糸膜の外径を測定して断面積を算出し、それらの値を平均したものを用いるものとする。
複数の内側原水導入孔14は、封止用樹脂層35aを貫通して形成されているものであり、導入孔の先端部が封止用樹脂で固定されていない中空糸膜束13の内部にまで到達されていてもよいが、封止用樹脂層35bには到達していない。
内側原水導入孔14の開口面積は特に制限されないが、中空糸膜束13の半径方向の断面積に対して1~15%の範囲にすることが好ましい。
筒部材30を用いた場合、筒部材30の周壁部31の外周面31aと中空糸膜束13が封止用樹脂で固着されており、集水管12は樹脂と接していない。
なお、集水管12自体の長さをより長くして、筒部材30の長さをより短くすることで、集水管12の端部と筒部材30の両方が樹脂と接触するようにしてもよい。
筒部材30の内側には、筒状溝部33と軸方向に対向する位置に環状段差面31cが形成されている。
筒部材30と集水管12は、筒部材30の筒状溝部33内に集水管12の端部が嵌め込まれた状態で固定されている。
筒部材30を透明にするときは、PET樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂製のものが好ましい。
集水管(コルゲート管)12は各種分野において汎用されているものであり、図3及び図4に示すように、周方向に連続して形成された凹部21と周方向に連続して形成された凸部22が、それぞれ軸方向に交互に形成されたものである。
例えば、1つの凹部21に10個の通水孔25が形成され、凹部21が全体で100あれば、合計で1000個の通水孔25が形成されていることになる。
表面が平滑な集水管の場合、余りに多くの通水孔を形成すると、集水管自体の強度が低下して実用できなくなるが、集水管12としてコルゲート管を使用すると、凸部22が補強用のリブとして作用することから、表面が平滑な集水管と比べるより多くの通水孔を形成することができる。
上記したとおり、コルゲート管を使用することによって、表面が平滑な集水管と比べるとより多くの通水孔25を形成することができるため、通水孔25全体の総開口面積を大きくしたまま(あるいは従来と同程度に維持したまま)、開口部径を小さくすることができる。通水孔25の開口部径を小さくすることで、集水管12から通水孔25へ原水が流出するときの水圧を減少させることができるため、通水孔25に近接する位置にある中空糸膜13への影響を小さくできるので好ましい。
前記断面積比が3以上であると、集水管12から通水孔25へ原水が流出するときの水圧をより減少させることができるため好ましい。
図4(a)は、凸部22が閉塞面20で閉塞されたものであり、図4(b)は、閉塞面20に相当するものがなく、凸部22が開口したものであり、どちらの構造のものでも使用することができる。
軸方向に隣接する凸部22同士の間隔(p1)は、軸方向に隣接する凹部21同士の間隔と同じであるから、凹部21に形成する通水孔25の開口径を考慮して決定される。
凸部22の高さ(凹部21の深さ)(h1)は6~8mm程度にすることができる。
連結管70は、濃縮水出口または濃縮水ラインとして使用され、連結管70と連結する液出口が濃縮水出口となる。また筒部材30を用いる場合、出口連結管70を筒部材30に固定して、集水管12と連結してもよい。
出口連結管70は、フランジ部72の半径方向の環状周面73が筒部材30の内周面31bに当接されている。
また、出口連結管70は、フランジ部の環状平面72aが筒部材の環状段差面31cに当接された状態であってもよい。
出口連結管70は、集水管12の第2キャップ50側の開口部と連結する側に、エルボ管等の屈曲管74を用いて、円筒ケースハウジング11の軸方向と直交する方向に形成された濃縮水出口52と連結されてもよい。屈曲管74は90°のエルボ管を用いても良く、90°以外のエルボ管を用いてもよい。
また屈曲管74と濃縮水出口52との間に可撓性の管(パイプ)75を介して連結されてもよい。可撓性の管(パイプ)75は、可撓性を有する樹脂配管を用いればよく、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタン系などのエラストマー樹脂、塩化ビニル樹脂、軟質ポリエチレン樹脂等を用いることができる。
通水孔81の開口部径は、入口連結管80の大きさにより調整することができるが、5~50mmが好ましく、10~30mmがより好ましい。なお、通水孔81が円形の場合には、前記開口部径は内径であり、円形以外の場合には同面積の円に換算したときの内径である。
前記1又は複数の集水管(集水管12を除く)は、集水管12と同様の形状であり、第1キャップ40側の端部が開口されているが、入口連結管80とは連結されていない。前記1又は複数の集水管(集水管12を除く)の第2キャップ50側の端部は、開口されている態様と閉塞されている態様のいずれでもよいが、開口されている態様の場合、出口連結管70と連結されている。
また前記1又は複数の集水管(集水管12を除く)の内径は、集水管12の内径よりも小さいものが好ましい。
図7に示す中空糸膜モジュール10Aは、図1に示す中空糸膜モジュール10が内側原水導入孔14を有していることに代えて、外側原水導入孔24を有していることが異なっている。
中空糸膜モジュール10Aは、中空糸膜束13の第1端部13a側が、封止用樹脂(封止用樹脂部35a)で集水管12と共に一体化されているが、円筒ケースハウジング11の内周面とは一体化されていない。
中空糸膜束13の第2端部13b側は、集水管12と円筒ケースハウジング11と共に封止用樹脂(封止用樹脂部35b)で一体化されている。
中空糸膜束13の第1端部13a側の外表面と円筒ケースハウジング11の内周面の間において、円筒ケースハウジング11の長さ方向に形成された外側原水導入孔24を有している。
外側原水導入孔24の幅(円筒ケースハウジング11の内周面と中空糸膜束13の外表面との間隔)は、円筒ケースハウジング11の直径により異なるものであるが、円筒ケースハウジング11の直径(外径)が230~330mmであるとき、3~10mmが好ましい。
スペーサ65は、円筒ケースハウジング11の内周面と中空糸膜束13の第1端部13a側の外表面との間に間隔を形成できるものであればその形状は特に制限されるものでないが、例えば、平面形状が長方形、正方形などの四角形又はそれに類似する形状、円形又はそれに類似する形状にすることができる。
スペーサ65の厚さは、外側原水導入孔23の幅に相当する厚さである。
スペーサ65の幅(円筒ケースハウジング11の周方向の長さ)は10~30mmが好ましい。
スペーサ65の長さ(円筒ケースハウジング11の長さ方向の寸法)は、30~120mmが好ましい。
接着剤層(スペーサ65)は、耐久性を高める点から、円筒ケースハウジング11の内周面に形成されている凹凸(多数の凹部)と接着剤が接触する(多数の凹部に接着剤が入り込む)ことで固着されているものが好ましい。前記凹凸は、接着剤層(スペーサ65)を形成する位置に予め粗面化加工するなどの方法で形成することができる。
接着剤層(スペーサ65)を形成するための接着剤としては、上記した封止用樹脂を使用することができる。
図7、図8における外側原水導入孔24の総開口面積は、集水管12および外側原水導入孔24も含めた(内側原水導入孔14がある場合はそれも含めた)総開口面積の35~65%であることが好ましく、40~60%であることがより好ましい。
本発明の中空糸膜モジュールは、周知の遠心接着法(特開昭51-93788号公報、特開昭52-38797号公報、特開昭61-171503号公報、特開昭61-171504号公報等)のほか、特開2005-52736号公報の段落番号0029~0031に記載された製造方法、特開2006-281051号公報の段落番号0010~0024に記載された製造方法を利用することで、集水管12、中空糸膜(束)13、ケースハウジング11、及び筒部材30を封止用樹脂で一体化することで製造することができる。
その後、出口連結管70を所定位置に配置した状態で、筒状空間(接着部60)内に接着剤を充填して筒部材30に対して固定する。
ここで、第2キャップ50の第2液出口(濃縮水出口)52が円筒ケースハウジング11の軸方向と直交する方向に形成される場合、出口連結管70に屈曲管74と可撓性の管(パイプ)75を用いると、屈曲管74により筒部材30により固定された出口連結管70を軸方向から軸方向と直交する方向に向きを変更でき、また可撓性の管(パイプ)75を介することで濃縮水出口52と容易に連結することができる。
中空糸膜モジュール10Aは,中空糸膜モジュール10と同様にして作製することができる。
中空糸膜束13の第1端部13a側は、集水管12と中空糸膜束13を封止用樹脂で一体化するが、中空糸膜束13の第1端部13aと半径方向外側に対向する円筒ケースハウジング11の内周面は、外側原水導入孔24を形成するために一体化しない。
スペーサ(接着剤層)65は、集水管12と中空糸膜束13を封止用樹脂で一体化するとき、スペーサ65を形成するためのスペーサ形成用枠体を円筒ケースハウジング11の内表面の所定位置(凹凸が形成されているときは、前記凹凸が形成されている位置)に所定数配置して、前記封止用樹脂を前記枠体内に導入して形成することができる。
スペーサ形成用枠体は、スペーサ65の平面形状と厚さに対応する形状の枠体であり、スペーサ65の平面形状が長方形であるときは、一面側の長方形の開口部を円筒ケースハウジング11の内周面に押し当て、厚さ方向反対側の他面側の長方形の開口部を中空糸膜束13の第1端部13a側の外表面に押し当てた状態で使用する。
なお、接着剤層をスペーサ65として使用するときは、前記接着剤層が当接される円筒ケースハウジング11の内周面の部分には、予め円筒ケースハウジング11の素材に適した方法より粗面化加工して、凹凸(穴)を形成しておくことが好ましい。
粗面化加工の方法としては、やすり加工、レーザー加工、穿孔加工などを使用することができる。
中空糸膜モジュール10の運転時においては、集水管12を通過する原水は、集水管12の凹部21に形成されている通水孔25を通って、中空糸膜束13内部に入り、ろ過される。
ここで中空糸膜束13の第1端部11a側が、樹脂封止部35aにて封止用樹脂で円筒ケースハウジング11および集水管12と共に一体化され、中空糸膜束13に封止用樹脂35aを厚さ方向に貫通して形成された複数の内側原水導入孔14を有している場合、原水が中空糸膜束13の中心部と中心部以外の周囲にも供給されながらろ過されることから、原水流の偏りが小さくなるため、中空糸膜の表面に懸濁物質に由来する堆積物層も形成され難くなり、ろ過効率もよくなる。
中空糸膜モジュール10Aの濾過運転方法は、中空糸膜モジュール10の濾過運転方法と同じであるが、内側原水導入孔14に代えて外側原水導入孔24を有していることから、次のような異なる動作をする。
複数の外側原水導入孔24を有している場合、集水管12の凹部21に形成されている通水孔25を通って中空糸膜束13内部に入りろ過されると共に、原水が中空糸膜束13の外側にも供給されながらろ過される。
このため、原水流の偏りが小さくなり、中空糸膜の表面に懸濁物質に由来する堆積物層も形成され難くなり、ろ過効率もよくなる。
さらに逆圧洗浄を実施した場合には、外側原水導入孔24の作用により洗浄水が円筒ケースハウジング11の内周面と中空糸膜束13の外表面の間にも導入され易くなるため、中空糸膜束13の外表面に付着した物質(ファウリング物質)が除去され易くなるほか、洗浄時における中空糸膜からのリークも防止できる点で、内側原水導入孔14のみが形成された中空糸膜モジュール10と比べると優れている。
また透過水の生成に伴って生じる濃縮水は、集水管12、集水管12の端部に接続された筒部材30、出口連結管70および第2液出口(濃縮水出口)52を経て排水される。
逆圧洗浄は、必要に応じて薬剤を添加した逆圧洗浄水を第2液出口(濃縮水出口)52側から圧入して実施する。
逆圧洗浄排水は、中空糸膜束13の間を通り、逆圧洗浄水出口を兼ねる原水入口41から排出される。
また本発明の外圧式の中空糸膜モジュール10は、内圧式の中空糸膜モジュールを用いた水処理システムにおいて、被処理水(原水)の濁度が高まった場合に、内圧式の中空糸膜モジュールと、原水入口、ろ過水出口及び濃縮水出口の位置が同じであるため、中空糸膜モジュール外の配管の取り付けに工夫を要せず、内圧式の中空糸膜モジュールから外圧式の中空糸膜モジュールへの取り換えが容易である。
取り換え対象となる内圧式の中空糸膜モジュールは、原水入口を有する第1端部と、前記第1端部と軸方向反対側の第2端部を有する円筒ケースハウジング内に中空糸膜束が収容されており、前記円筒ケースハウジングの第1端部側が前記原水入口を有する第1キャップで閉塞され、前記円筒ケースハウジングの第2端部側が前記ろ過水出口と前記濃縮水出口を有する第2キャップで閉塞されているものであることが、本発明の外圧式の中空糸膜モジュールへの取り換え容易性の観点から好適である。
特に特許文献1又は3に記載の内圧式の中空糸膜モジュールは、第2キャップのろ過水出口が円筒ケースハウジングの軸方向に、濃縮水出口が円筒ケースハウジングの軸方向と直交する方向に形成されており、本発明の外圧式の中空糸膜モジュール10の第2キャップ50において、ろ過水出口51が円筒ケースハウジング11の軸方向に形成され、濃縮水出口52が円筒ケースハウジング11の軸方向と直交する方向に形成されると、ろ過水出口と濃縮水出口の位置が同じであるため、当該内圧式の中空糸膜モジュールと本発明の外圧式の中空糸膜モジュールとの取り換えがより容易である。
図1、図2に示す中空糸膜モジュール10を用いて、約8ヶ月間のろ過運転を実施した。
中空糸膜モジュール10及びろ過運転の詳細な条件は下記の通りである。
中空糸膜モジュール10:全長1,360mm、外径284mm
ケースハウジング11:ABS樹脂製、外径284mm、内径265mm、軸方向長さ1,116mm
集水管12:ポリエチレン製、外径93mm、内径75mm
中空糸膜束13:酢酸セルロース製、充填率56%(S1:48,362mm2、S2:27,077mm2、充填率は、上記に記載の方法で測定)、第1端部13a側から第2端部13b側までの長さ1,124mm、中空糸外径1.3mm、中空糸内径0.8mm、膜面積80.4m2
原水導入孔14:封止用樹脂層35aの中空糸膜束に、開口面積が2.0cm2の原水導入孔14を、集水管12を中心にして等間隔に6個形成
駆動ポンプを駆動させて、原水タンク内の河川水(揖斐川表流水)を送り、中空糸膜モジュール10の原水入口41から供給してろ過を開始した。ろ過運転の条件は下記の通りであった。
ろ過運転期間:約8ヵ月
ろ過水量:4m3/時間
ろ過運転時間(逆洗浄間隔):60分
逆洗浄時間:60秒/回
回収率(下記式より算出):95%
回収率(%)=[(造水量-逆洗浄時使用水量)/造水量]×100
図7、図8に示す中空糸膜モジュール10Aを用いて、約8ヶ月間のろ過運転を実施した。
中空糸膜モジュール10Aの詳細な条件は下記の通りである。ろ過運転条件は、実施例1と同じである。
中空糸膜モジュール10A:全長1,360mm、外径284mm
ケースハウジング11:ABS樹脂製、外径284mm、内径265mm、軸方向長さ1,116mm
集水管12:ポリエチレン製、外径93mm、内径75mm
中空糸膜束13:酢酸セルロース製、充填率56%(S1:48,362mm2、S2:27,077mm2、充填率は、上記に記載の方法で測定)、第1端部13a側から第2端部13b側までの長さ1,124mm、中空糸外径1.3mm、中空糸内径0.8mm、膜面積80.4m2
外側原水導入孔24:厚み5mm、幅(周方向の長さ)20mm、長さ50~65mmの接着剤層(スペーサ)24により円筒ケースハウジング11と中空糸膜束13の第1端部13aの間隙が周方向に6箇所に分離されたもの
11 ケースハウジング
12 集水管
13 中空糸膜(束)
14 内側原水導入孔
21 凹部
22 凸部
24 外側原水導入孔
25 通水孔
30 筒部材
35 樹脂封止部
40 第1キャップ
50 第2キャップ
70 出口連結管
Claims (6)
- 原水入口を有する第1端部と、前記第1端部と軸方向反対側の第2端部を有する円筒ケースハウジング内に多孔筒状体からなる集水管と中空糸膜束が収容されており、
前記集水管の周囲に前記中空糸膜束が配置され、前記中空糸膜束の第1端部側が前記集水管と共に一体化され、第2端部側の中空糸膜束が封止用樹脂で前記円筒ケースハウジングおよび前記集水管と共に一体化されており、
前記円筒ケースハウジングの第1端部側が原水入口を有する第1キャップで閉塞され、前記円筒ケースハウジングの第2端部側が第1液出口と第2液出口を有する第2キャップで閉塞されている中空糸膜モジュールであって、
前記集水管の前記第1キャップ側と前記第2キャップ側が開口されており、
前記中空糸膜束の前記第1キャップ側の端部が閉塞され、前記第2キャップ側の端部が開口され、両端部側が前記第1キャップ内部または前記第2キャップ内部に面しており、
前記中空糸膜束の充填率が40%~70%であり、
前記第1液出口と前記第2液出口のいずれか一方の液出口と前記集水管の前記円筒ケースハウジングの第2端部側の開口部が連結管で連結されており、
前記中空糸膜束の外周面と前記円筒ケースハウジングの内周面の間において、前記円筒ケースハウジングの長さ方向に形成された外側原水導入孔を有しているものであり、
前記外側原水導入孔が、前記円筒ケースハウジングの内周面に対して周方向に間隔をおいて複数が配置されたスペーサにより周方向に複数に分離されると共に、前記円筒ケースハウジングと前記中空糸膜束の第1端部側の間に間隔が形成されるものである、外圧式中空糸膜モジュール。 - 前記スペーサが、前記円筒ケースハウジングの内周面に固着された接着剤層からなるものであり、
前記接着剤層が、前記円筒ケースハウジングの内周面に形成されている凹凸と接着剤が接触することで固着されているものである、請求項1記載の外圧式中空糸膜モジュール。 - 前記外側原水導入孔の開口面積が、前記集水管および前記外側原水導入孔も含めた総開口面積の35~65%である、請求項1又は2記載の外圧式中空糸膜モジュール。
- 前記円筒ケースハウジング内に、前記集水管が複数個配置される、請求項1~3の何れか1項に記載の外圧式中空糸膜モジュール。
- 前記中空糸膜束がセルロースエステル系膜である、請求項1~4の何れか1項に記載の外圧式中空糸膜モジュール。
- 前記セルロースエステル系膜が、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、及びセルロースベンゾエートから選ばれる1種以上である、請求項5に記載の外圧式中空糸膜モジュール。
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