JP6795443B2 - 中空糸膜モジュール - Google Patents
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Description
集水管の開口部付近の内周壁は、他部材、例えば、パイプと接続できるような内部構造(例えば、ねじ込むためのねじ山、嵌め込むための段差を有している)をしており、特許文献1の図1のような公知の中空糸膜モジュールと同様に両端側に液出入口を有するキャップを被せられることが記載されている(段落番号0014、0015)。
内圧式の中空糸膜モジュールのろ過有効膜面積は、同じ寸法の中空糸膜を同じ本数使用した外圧式モジュールのそれに比べ小さく、被処理水(原水)の濁度が高まった場合に、中空糸膜面部に懸濁物質が付着・堆積することによる流路の閉塞化が早まる恐れがある。そのためろ過有効膜面積が広く、単位面積当たりの懸濁物質の付着・堆積を軽減できる外圧式の中空糸膜モジュールに取り換えると閉塞化を抑制できるが、前記内圧式の中空糸膜モジュールと外圧式の中空糸膜モジュールとでは、原水入口、ろ過水出口及び濃縮水出口の位置が異なるため、中空糸膜モジュール外の配管の取り付けに工夫を要し、取り換えが困難である。
原水入口を有する第1端部と、前記第1端部と軸方向反対側の第2端部を有する円筒ケースハウジング内に多孔筒状体からなる集水管と中空糸膜束が収容されており、
前記集水管の周囲に前記中空糸膜束が配置され、少なくとも第2端部側の中空糸膜束が封止用樹脂で前記円筒ケースハウジングおよび前記集水管と共に一体化されており、
前記円筒ケースハウジングの第1端部側が原水入口を有する第1キャップで閉塞され、前記円筒ケースハウジングの第2端部側が第1液出口と第2液出口を有する第2キャップで閉塞されている中空糸膜モジュールであって、
前記集水管の前記第1キャップ側と前記第2キャップ側が開口されており、
前記中空糸膜束の前記第1キャップ側の端部が閉塞され、前記第2キャップ側の端部が開口され、両端部側が前記第1キャップ内部または前記第2キャップ内部に面しており、
前記第1液出口と前記第2液出口のいずれか一方の液出口と前記集水管の前記円筒ケースハウジングの第2端部側の開口部が連結管で連結されている、外圧式の中空糸膜モジュールに関する。
中空糸膜モジュール10は、円筒状のケースハウジング11内に多孔筒状体からなる集水管12と中空糸膜束13が収容されている。
またケースハウジング11は、原水入口41を有する第1端部11aと、前記第1端部11aと軸方向反対側の第2端部11bを有し、第1端部11a側が原水入口41を有する第1キャップ40で閉塞され、前記円筒ケースハウジングの第2端部11b側が第1液出口(ろ過水出口)51と第2液出口(濃縮水出口)52を有する第2キャップ50で閉塞されている。
ケースハウジング11の第1端部11aと第2端部11bには、ヘッダー15a又は15bが取り付けられている。これらのヘッダー15a又は15bに対して、第1キャップ40又は第2キャップ50が被せられており、これらの接続は、それぞれの材質に応じて、ねじ合わせ、接着剤による接着、溶接などの方法を適用することができる。
前記の合成樹脂を使用するときは、ケースハウジング11、集水管12、ヘッダー15a、ヘッダー15b、第1キャップ40、第2キャップ50の強度を高めたり光を遮断したりする目的で、充填剤や顔料等を含有させることができる。
また中空糸膜束13において、中空糸膜束13の第1キャップ40側の端部13aが閉塞され、第2キャップ50側の端部13bが開口され、両端部側が第1キャップ40内部または第2キャップ50内部に面している。
中空糸膜は公知のものであり、外径が好ましくは1〜3mm、より好ましくは1.3〜1.6mmの親水性膜(酢酸セルロースなどのセルロース系膜)または疎水性膜(ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)を使用することができる。
複数の原水導入孔14は、封止用樹脂層35aを貫通して形成されているものであり、導入孔の先端部が封止用樹脂で固定されていない中空糸膜束13の内部にまで到達されていてもよいが、封止用樹脂層35bには到達していない。
原水導入孔14の開口面積は特に制限されないが、中空糸膜束13の半径方向の断面積に対して1〜15%の範囲にすることが好ましい。
筒部材30を用いた場合、筒部材30の周壁部31の外周面31aと中空糸膜束13が封止用樹脂で固着されており、集水管12は樹脂と接していない。
なお、集水管12自体の長さをより長くして、筒部材30の長さをより短くすることで、集水管12の端部と筒部材30の両方が樹脂と接触するようにしてもよい。
筒部材30の内側には、筒状溝部33と軸方向に対向する位置に環状段差面31cが形成されている。
筒部材30と集水管12は、筒部材30の筒状溝部33内に集水管12の端部が嵌め込まれた状態で固定されている。
筒部材30を透明にするときは、PET樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂製のものが好ましい。
集水管(コルゲート管)12は各種分野において汎用されているものであり、図3及び図4に示すように、周方向に連続して形成された凹部21と周方向に連続して形成された凸部22が、それぞれ軸方向に交互に形成されたものである。
例えば、1つの凹部21に10個の通水孔25が形成され、凹部21が全体で100あれば、合計で1000個の通水孔25が形成されていることになる。
表面が平滑な集水管の場合、余りに多くの通水孔を形成すると、集水管自体の強度が低下して実用できなくなるが、集水管12としてコルゲート管を使用すると、凸部22が補強用のリブとして作用することから、表面が平滑な集水管と比べるより多くの通水孔を形成することができる。
上記したとおり、コルゲート管を使用することによって、表面が平滑な集水管と比べるとより多くの通水孔25を形成することができるため、通水孔25全体の総開口面積を大きくしたまま(あるいは従来と同程度に維持したまま)、開口部径を小さくすることができる。通水孔25の開口部径を小さくすることで、集水管12から通水孔25へ原水が流出するときの水圧を減少させることができるため、通水孔25に近接する位置にある中空糸膜13への影響を小さくできるので好ましい。
前記断面積比が3以上であると、集水管12から通水孔25へ原水が流出するときの水圧をより減少させることができるため好ましい。
図4(a)は、凸部22が閉塞面20で閉塞されたものであり、図4(b)は、閉塞面20に相当するものがなく、凸部22が開口したものであり、どちらの構造のものでも使用することができる。
軸方向に隣接する凸部22同士の間隔(p1)は、軸方向に隣接する凹部21同士の間隔と同じであるから、凹部21に形成する通水孔25の開口径を考慮して決定される。
凸部22の高さ(凹部21の深さ)(h1)は6〜8mm程度にすることができる。
連結管70は、濃縮水出口または濃縮水ラインとして使用され、連結管70と連結する液出口が濃縮水出口となる。また筒部材30を用いる場合、出口連結管70を筒部材30に固定して、集水管12と連結してもよい。
出口連結管70は、フランジ部72の半径方向の環状周面73が筒部材30の内周面31bに当接されている。
また、出口連結管70は、フランジ部の環状平面72aが筒部材の環状段差面31cに当接された状態であってもよい。
出口連結管70は、集水管12の第2キャップ50側の開口部と連結する側に、エルボ管等の屈曲管74を用いて、円筒ケースハウジング11の軸方向と直交する方向に形成された濃縮水出口52と連結されてもよい。屈曲管74は90°のエルボ管を用いても良く、90°以外のエルボ管を用いてもよい。
また屈曲管74と濃縮水出口52との間に可撓性の管(パイプ)75を介して連結されてもよい。可撓性の管(パイプ)75は、可撓性を有する樹脂配管を用いればよく、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタン系などのエラストマー樹脂、塩化ビニル樹脂、軟質ポリエチレン樹脂等を用いることができる。
通水孔81の開口部径は、入口連結管80の大きさにより調整することができるが、5〜50mmが好ましく、10〜30mmがより好ましい。なお、通水孔81が円形の場合には、前記開口部径は内径であり、円形以外の場合には同面積の円に換算したときの内径である。
本発明の中空糸膜モジュールは、周知の遠心接着法(特開昭51−93788号公報、特開昭52−38797号公報、特開昭61−171503号公報、特開昭61−171504号公報等)のほか、特開2005−52736号公報の段落番号0029〜0031に記載された製造方法、特開2006−281051号公報の段落番号0010〜0024に記載された製造方法を利用することで、集水管12、中空糸膜(束)13、ケースハウジング11、及び筒部材30を封止用樹脂で一体化することで製造することができる。
その後、出口連結管70を所定位置に配置した状態で、筒状空間(接着部60)内に接着剤を充填して筒部材30に対して固定する。
ここで、第2キャップ50の第2液出口(濃縮水出口)52が円筒ケースハウジング11の軸方向と直交する方向に形成される場合、出口連結管70に屈曲管74と可撓性の管(パイプ)75を用いると、屈曲管74により筒部材30により固定された出口連結管70を軸方向から軸方向と直交する方向に向きを変更でき、また可撓性の管(パイプ)75を介することで濃縮水出口52と容易に連結することができる。
中空糸膜モジュール10の運転時においては、集水管12を通過する源水は、集水管12の凹部21に形成されている通水孔25を通って、中空糸膜束13内部に入り、ろ過される。ここで中空糸膜束13の第1端部11a側が、樹脂封止部35aにて封止用樹脂で円筒ケースハウジング11および集水管12と共に一体化され、中空糸膜束13に封止用樹脂35aを厚さ方向に貫通して形成された複数の原水導入孔14を有している場合、原水が中空糸膜束13の中心部と中心部以外の周囲にも供給されながらろ過されることから、原水流の偏りが小さくなるため、中空糸膜の表面に懸濁物質に由来する堆積物層も形成され難くなり、ろ過効率もよくなる。
また透過水の生成に伴って生じる濃縮水は、集水管12、集水管12の端部に接続された筒部材30、出口連結管70および第2液出口(濃縮水出口)52を経て排水される。
内圧式の中空糸膜モジュールは、原水入口を有する第1端部と、前記第1端部と軸方向反対側の第2端部を有する円筒ケースハウジング内に中空糸膜束が収容されており、前記円筒ケースハウジングの第1端部側が前記原水入口を有する第1キャップで閉塞され、前記円筒ケースハウジングの第2端部側が前記ろ過水出口と前記濃縮水出口を有する第2キャップで閉塞されているものであることが、本発明の外圧式の中空糸膜モジュールへの取り換え容易性の観点から好適である。
特に特許文献1又は3に記載の内圧式の中空糸膜モジュールは、第2キャップのろ過水出口が円筒ケースハウジングの軸方向に、濃縮水出口が円筒ケースハウジングの軸方向と直交する方向に形成されており、本発明の外圧式の中空糸膜モジュール10の第2キャップ50において、ろ過水出口51が円筒ケースハウジング11の軸方向に形成され、濃縮水出口52が円筒ケースハウジング11の軸方向と直交する方向に形成されると、ろ過水出口と濃縮水出口の位置が同じであるため、当該内圧式の中空糸膜モジュールと本発明の外圧式の中空糸膜モジュールとの取り換えがより容易である。
11 ケースハウジング
12 集水管
13 中空糸膜(束)
21 凹部
22 凸部
25 通水孔
30 筒部材
35 樹脂封止部
40 第1キャップ
50 第2キャップ
70 出口連結管
Claims (3)
- 原水入口を有する第1端部と、前記第1端部と軸方向反対側の第2端部を有する円筒ケースハウジング内に多孔筒状体からなる集水管と中空糸膜束が収容されており、
前記集水管の周囲に前記中空糸膜束が配置され、少なくとも第2端部側の中空糸膜束が封止用樹脂で前記円筒ケースハウジングおよび前記集水管と共に一体化されており、
前記円筒ケースハウジングの第1端部側が原水入口を有する第1キャップで閉塞され、前記円筒ケースハウジングの第2端部側が第1液出口と第2液出口を有する第2キャップで閉塞されている中空糸膜モジュールであって、
前記集水管の前記第1キャップ側と前記第2キャップ側が開口されており、
前記中空糸膜束の前記第1キャップ側の端部が閉塞され、前記第2キャップ側の端部が開口され、両端部側が前記第1キャップ内部または前記第2キャップ内部に面しており、
前記第1液出口と前記第2液出口のいずれか一方の液出口と前記集水管の前記円筒ケースハウジングの第2端部側の開口部が連結管で連結されている、外圧式の中空糸膜モジュール。 - 前記第2キャップの前記第1液出口と前記第2液出口の少なくとも一方の液出口が、前記円筒ケースハウジングの軸方向と異なる方向に形成され、前記集水管の前記円筒ケースハウジングの第2端部側の開口部と連結管で連結されている、請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
- 前記中空糸膜束の前記第1端部側が、封止用樹脂で前記円筒ケースハウジングおよび前記集水管と共に一体化されており、
前記中空糸膜束の前記第1キャップ内部に面した部分が、前記封止用樹脂を厚さ方向に貫通して形成された複数の原水導入孔を有しているものである、請求項1又は2に記載の中空糸膜モジュール。
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