JP2012183464A - 流体分離素子用テレスコープ防止板および流体分離素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 膜巻回体の外径に対する制約が小さく、膜巻回体とテレスコープ防止板との接合外周面を原液シール部材等で覆わなくても巻き付け繊維の落ち込みを防止することができるテレスコープ防止板を提供する。
【解決手段】 スパイラル型流体分離素子の一端側もしくは両端側に設置されるテレスコープ防止板4であって、該テレスコープ防止板の外周環部22の、流体分離素子の膜巻回体と接合する側に、複数の突起26が環周沿いに配設されているものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 スパイラル型流体分離素子の一端側もしくは両端側に設置されるテレスコープ防止板4であって、該テレスコープ防止板の外周環部22の、流体分離素子の膜巻回体と接合する側に、複数の突起26が環周沿いに配設されているものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、逆浸透装置、ナノ濾過装置、限外濾過装置、精密濾過装置等の流体分離装置に好適に用いられる流体分離素子およびそのテレスコープ防止板に関するものである。
海水淡水化用、半導体製造業における超純水製造用、さらには、一般のかん水淡水化用、有機物の分離用、廃水の再利用などの種々の分野において、分離膜を利用したさまざまな流体分離処理装置を用い、膜の透過液または濃縮液を有価物として取得することが行われている。この流体分離処理装置においては、分離膜を用いた流体分離素子を圧力容器に装填して使用することが一般的に行われている。
分離膜を用いた流体分離素子の形態としては、中空糸膜を用いた流体分離素子や、平膜を用いたプレートフレーム型流体分離素子、スパイラル型流体分離素子があげられる。
スパイラル型流体分離素子は、分離膜が透過液流路材と原液流路材と共に集水管の周りにスパイラル状に巻き付けられた構造をとるものであり、例えば、図3に示すような構造をとる。
図3において、第1の分離膜8および第2の分離膜9は、3辺が互いに接着され、もしくは折り返された封筒状の形状となっている。この封筒状の膜の間に透過液流路材10が挟み込まれている。これと原液流路材11とを1つのユニットとして、単数もしくは複数ユニットを積み重ね、集水管1の周囲にスパイラル状に巻き付けられ膜巻回体2を形成している。封筒状の膜は集水管1側で開口している。膜巻回体2の長手方向の両端部にはそれぞれテレスコープ防止板4u、4dが取り付けられている。
原液6は、流体分離素子の一方の端面から、上流側のテレスコープ防止板4uを通って膜巻回体2内へと流入し、第1の分離膜8および第2の分離膜9を透過するか否かにより膜分離処理される。分離膜8、9を透過した透過液13は透過液流路材10を伝って流れ集水管1で集められ透過水14として取り出される。分離膜8、9を透過しなかった原液7は、下流側のテレスコープ防止板4dを通り、流体分離素子の他方の端面から濃縮液12として排出される。
このようなスパイラル型流体分離素子においては、通常、膜巻回体2の外周面側が、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなる繊維強化樹脂(FRP)によりシェル状に固められている。この繊維強化樹脂層(外側FRPシェル)3は、膜巻回体2の形状を保持すると共に、膜巻回体2の外周面での原液通過を阻止する機能を果たす。
また、流体分離素子の上流側に取り付けられたテレスコープ防止板4uの外周面にはブラインシール5と呼ばれるシール部材が取り付けられている(図3には図示なし)。このブラインシール5は、流体分離素子が圧力容器内に装填されて原水が流入された際に、流体分離素子の外側FRPシェル3と圧力容器との隙間内へ原水が流入してショートパスするのを防ぐ機能を果たす。
同様のショートパスを防ぐために、膜巻回体2とテレスコープ防止板4との接合部における接合溝を覆うように、その接合溝の外周面に繊維強化樹脂層3を配している。繊維強化樹脂層3を膜巻回体2及び接合溝の外周を覆うように配置する際、例えば、エポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維ロービングを巻き付けて樹脂硬化させる方法が採用される。その巻き付け法としてはフープ巻きやヘリカル巻きが知られているが、膜巻回体の外周を強く巻付けることができる点からフープ巻き(ガラス繊維を、集水管の軸長手方向に対してほぼ直角に巻き付ける方法)が一般に採用されている。
フープ巻きによりガラス繊維ロービングを巻き付ける際、ガラス繊維が接合溝内に入り込み、膜巻回体2の端面とテレスコープ防止板4との間へ落ち込み易い。ガラス繊維が接合溝から膜巻回体端面の奥深くへと落ち込むと、そのガラス繊維に付着した樹脂分が膜巻回体端面の原液流路部分で硬化し原液流路を閉塞させるという不具合が生じる。
そこで、フープ巻きする際に、ガラス繊維が接合溝から落ち込まないようにするために、テレスコープ防止板の外周部に、膜巻回体の端部外周をはめ込むための環状突出部を設けることが知られている。(例えば特許文献1、2参照)。しかし、膜巻回体の端部外周を環状突出部内にはめ込む構造では、膜巻回体の直径が制限され、膜面積を増加させるのに限界があるという問題があるため、現在は、環状突出部のないテレスコープ防止板を使用するのが一般的となっている(特許文献3参照)。
環状突出部のないテレスコープ防止板を使用する場合は、例えば図4に示すように、テレスコープ防止板の外周面から膜巻回体の外周面にかけて、原液シール部材27で覆い(例えば、テープや弾性体を巻き回す方法による)、その上にガラス繊維ロービングを巻き付けることにより繊維強化樹脂層5を形成する方法が採用される。この方法によると、膜巻回体とテレスコープ防止板との接合面からガラス繊維が落ち込むことを防止できるが、作業効率の低下や作業の複雑性の点から問題がある。
そこで、本発明の目的は、膜巻回体の外径に対する制約が小さく、かつ、膜巻回体とテレスコープ防止板との接合外周面を原液シール部材等で覆わなくても巻き付け繊維の落ち込みを防止することができるテレスコープ防止板を提供すること、併せて、このテレスコープ防止板を備えた流体分離素子を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のテレスコープ防止板、流体分離素子は以下のとおり特定される。
(1) スパイラル型流体分離素子の一端側もしくは両端側に設置されるテレスコープ防止板であって、該テレスコープ防止板の外周環部の、流体分離素子の膜巻回体と接合する側に、複数の突起が環周沿いに配設されている流体分離素子用テレスコープ防止板。
(2) 突起の形状が、錐体状、柱状または半球状である上記(1)に記載の流体分離素子用テレスコープ防止板。
(3) 突起の少なくとも先端部が先細形状である上記(2)に記載の流体分離素子用テレスコープ防止板。
(4) 突起の表面に凹凸がある上記(1)〜(3)のいずれかに記載の流体分離素子用テレスコープ防止板。
(5) 集水管の周りに、分離膜、原液流路材及び透過液流路材がスパイラル状に巻回され、その膜巻回体の長手方向の一端側もしくは両端側に、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のテレスコープ防止板が取り付けられ、膜巻回体の外周面側が繊維強化樹脂層で覆われた構造を有するスパイラル型流体分離素子であって、テレスコープ防止板の突起が、膜巻回体の端部及び/又は繊維強化樹脂層の端部に貫入していることを特徴とする流体分離素子。
(1) スパイラル型流体分離素子の一端側もしくは両端側に設置されるテレスコープ防止板であって、該テレスコープ防止板の外周環部の、流体分離素子の膜巻回体と接合する側に、複数の突起が環周沿いに配設されている流体分離素子用テレスコープ防止板。
(2) 突起の形状が、錐体状、柱状または半球状である上記(1)に記載の流体分離素子用テレスコープ防止板。
(3) 突起の少なくとも先端部が先細形状である上記(2)に記載の流体分離素子用テレスコープ防止板。
(4) 突起の表面に凹凸がある上記(1)〜(3)のいずれかに記載の流体分離素子用テレスコープ防止板。
(5) 集水管の周りに、分離膜、原液流路材及び透過液流路材がスパイラル状に巻回され、その膜巻回体の長手方向の一端側もしくは両端側に、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のテレスコープ防止板が取り付けられ、膜巻回体の外周面側が繊維強化樹脂層で覆われた構造を有するスパイラル型流体分離素子であって、テレスコープ防止板の突起が、膜巻回体の端部及び/又は繊維強化樹脂層の端部に貫入していることを特徴とする流体分離素子。
本発明のテレスコープ防止板を用いると、膜巻回体の外周面に繊維強化樹脂層を形成する際に、膜巻回体とテレスコープ防止板の接合外周面を原液シール部材で覆わなくても、巻き付け繊維が、巻回体端部とテレスコープ防止板の接合面内に大きく落ち込むことがなく、原液流路を閉塞させることがない。この結果、原液シール部材を配する必要がなくなり、作業を効率化、容易化できる。
以下、本発明の流体分離素子やテレスコープ防止板の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明が適用される流体分離素子は、例えば図3に示すように、スパイラル型の膜巻回体2を備え、その両端側にテレスコープ防止板4u、4dが取り付けられてなる流体分離素子である。テレスコープ防止板が膜巻回体2の片端側に設けられたものでもよい。流体分離素子が圧力容器内に装填されて使用される際に、圧力容器と流体分離素子との隙間内への原液の流入を防ぐため、ブラインシール5が上流側のテレスコープ防止板4uの外周面に取り付けられている。
流体分離素子を構成する膜巻回体2は、前述したように、分離膜、原水流路材及び透過水流路材が所定順序で重ねられたユニットが積み重ねられてスパイラル状に巻回されたものであり、その外側に、繊維強化樹脂(FRP)製の外側FRPシェル5が形成されている。分離膜としては、逆浸透膜、ナノ濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜等が用いられる。膜巻回体2の中心には、透過水を集めて流すための集水管1が配置されている。集水管1には透過水流入用の孔が開けられている。
膜巻回体2の両端側もしくは片端側にはテレスコープ防止板4が取り付けられる。両端側にテレスコープ防止板4を取り付ける場合には、上流側のテレスコープ防止板4uの溝25にブラインシール5を嵌め込むことが好ましい。
テレスコープ防止板4としては、種々の形状があるが、図1や図2には、スポーク型のテレスコープ防止板の形状を例示する。図に示すように、スポーク型テレスコープ防止板は、主として、内周環部21、外周環部22、スポーク部23から構成される。内周環部21の内側には、膜巻回体の中心に位置する集水管が嵌合される。外周環部22の外周面には、ブラインシール嵌め込み用溝25が設けられる。スポーク部23は、内周環部21と外周環部22とを繋ぐものであり、内周環部21と外周環部22とスポーク部23とで囲まれる空間24は原液流路となり、上流側のテレスコープ防止板4uの場合、図1(b)や図2(b)に示す矢印方向に原液が流れる。内周環部21と外周環部22とを繋ぐ部材は、原液流路用の空間が開いていれば種々の形状をとることができ、例えば、原液流路として複数ないし多数の丸孔が穿設された多孔板状でもよい。
本発明のテレスコープ防止板には、テレスコープ防止板の外周環部22の、流体分離素子の膜巻回体と接合する側に、複数の突起26が環周沿いに配列している。膜巻回体2の端面側にテレスコープ防止板が配設され繊維強化樹脂層3が形成された際には、突起26は膜巻回体2の端部、繊維強化樹脂層3の端部、もしくは、膜巻体2と繊維強化樹脂層3との界面の端部のいずれかに突き刺さる状態となる。即ち、突起26の位置が、膜巻回体2の外周よりも内側である場合には、突起26は膜巻回体2の端部に突き刺さる状態となる(図5)。突起の位置が、膜巻回体2の外周よりも外側である場合には、突起26は繊維強化樹脂層3の端部に突き刺さる状態となる(図6)。また、突起の位置が、膜巻回体2の外周と同じ位置である場合には、突起26は膜巻体2と繊維強化樹脂層3との界面に突き刺さる状態となる。
突起26の位置が、膜巻回体2の外周よりも内側である場合、膜巻回体2の端面側にテレスコープ防止板を連設させると、突起26は膜巻回体2の端面に突き刺さる状態(貫入状態)となる。この状態で、膜巻回体2とテレスコープ防止板4との接合外周面の部分(接合溝)を含む外周側に、それらを覆うように樹脂含浸繊維を巻き回すと、その巻き回した繊維の一部が接合溝内に入り込むことがある。しかし、接合溝内に繊維が入り込んでも、突起26で係止されるため、突起26よりも内部深くへと落ち込むことがない。即ち、原液流路を塞ぐような位置まで樹脂含浸繊維が入り込むことを防止できる。
樹脂含浸繊維が接合面の内部深くへと落ち込まないようにするためには、突起の数は多い方が好ましいが、多過ぎる場合には、テレスコープ防止板の膜巻回体の端面への取り付け時に、突起を貫入させるために大きな力が必要になり、労力を要し、作業性が悪化する。これら観点から、突起の数は、4インチサイズの流体分離素子においては5個以上、8インチサイズの流体分離素子においては7個以上、16インチサイズの流体分離素子においては10個以上であることが好ましい。突起の数が上記個数よりも少ない場合には、樹脂含浸繊維の内部深くへの落ち込みの防止が難しくなり易い。突起の形状が、外周方向に幅をもつ弧状の突起である場合には、突起の数を少な目にすることも可能であるが、弧の幅が広過ぎる場合には突起を貫入させるために大きな力が必要となるので好ましくない。
図7(a)〜(e)、図8(f)〜(h)及び図9(a)、(b)は、テレスコープ防止板に設けた突起26及びその近傍部分(図1(b)における点線で丸く囲んだ部分)について、種々の形状を例示するものである。
突起の形状は、膜巻回体内に、その端面から貫入できる形状であればよい。例えば、円柱、多角柱のような柱状;円錐、多角錐のような錐体状;半球状などのいずれでも良いが、柱状や錐体状であることが好ましい。特に、膜巻体内に貫入しやすいように、突起の先端が錘状または球状のように先細形状であることが好ましい。例えば、図7(a)に示すような円錐状、図7(b)に示すような四角錐状、図7(c)に示すような先端を丸くした円錐状、図7(d)に示すような先端を丸くした四角錐状、図7(e)に示すような長円半分の半球状、図8(f)に示すような先端が半球である円柱状、図8(g)に示すような円柱状、図8(h)に示すような四角柱状などが例示される。
突起の高さHは、0.5mm以上であることが好ましい。高さが0.5mm未満である場合には、接合溝内に流入した樹脂含浸繊維が突起によって係止されずに内部深くまで落ち込み易くなるので好ましくない。また、突起の高さは20mm以下であることが好ましい。高さが20mmより大きいと、膜巻回体の端面側にテレスコープ防止板を配置する際に、突起が膜巻回体内部に十分貫入することができない。突起の高さは、なかでも、2〜15mmであることが好ましい。
突起1個の大きさ(即ち、突起の高さに対し垂直な断面での断面積)は、膜巻回体への貫入に要する圧力の点から、大き過ぎないことが好ましい。しかし、小さ過ぎる場合には、樹脂含浸繊維の落ち込みを阻止できる強度を確保し難くなり、即ち、落ち込もうとする繊維により切断され易くなる。そこで、突起1個の大きさは、突起底部の断面積が0.2〜15mm2であることが好ましい。
また、突起の表面は、図7、図8に示すような凹凸のない面でもよいし、図9に示すような凹凸がある面でもよい。その凹凸の形状は特定されず任意であればよい。凹凸がある場合には、突起が膜巻回体内に貫入した時に抜けにくくなり、膜巻回体とテレスコープ防止板との配置構造をより安定化させることができる。図9(a)は、先端が円錐である円柱状の突起の表面に、全周にわたる凹凸を設けた場合を例示する。図9(b)は、先端が半球である円柱状の突起の表面に、片側だけの切り込みを設けた場合を例示する。
樹脂含浸繊維が接合面の内部深くへと落ち込むことを防止するという目的を、最小個数の突起でもって達成するためには、突起は、外周端部の側面に、ほぼ等間隔で配置されていることが好ましく、また、外周端部の極力外周近くに設けられることが好ましい。
突起を配設した本発明のテレスコープ防止板は、通常の金型成型法による樹脂成型によって製造すればよい。
本発明のテレスコープ防止板を、大径の膜巻回体に取り付ける場合には、例えば図5に示すように、突起26が膜巻回体2内に貫入されるようにすればよい。即ち、集水管1の端部とテレスコープ防止体の内周環部21とが嵌合するように、かつ、膜巻回体2の端部にテレスコープ防止板の突起26が貫入するようにして、テレスコープ防止板を取り付ける。同時に、集水管1の端部と内周環部21との嵌合部分を接着材等の固着手段によって固着させる。次いで、膜巻回体2の外周と、膜巻回体2と外周環部22との接合溝の外周と、外周端部22の一部の外周とを覆うように、樹脂含浸繊維を巻き回し、樹脂硬化させ、繊維強化樹脂層3を形成する。
また、本発明のテレスコープ防止板を、小径の膜巻回体に取り付ける場合には、例えば図6に示すように、突起26が繊維強化樹脂層3内に貫入するようにすればよい。あるいは、膜巻体2と繊維強化樹脂層3との間に突起26が貫入するようにすればよい。具体的には、膜巻回体2の端部にテレスコープ防止板を配した後、テレスコープ防止板の内周環部21と集水管1とを嵌合させ、同時に突起26を膜巻回体2に外挿させるように、テレスコープ防止板を押し込んで取り付ける。この際、内周環部21と集水管1との嵌合部分は接着剤等により固着させる。次いで、膜巻回体の外周と、テレスコープ防止板における突起及び外周環部の一部分とを覆うように、樹脂含浸繊維を巻き回し、樹脂硬化させ、繊維強化樹脂層3を形成する。樹脂含浸繊維の巻き回しの際に、その一部が突起の内側に入り込んでも、膜巻回体の端面にまでは入り込まないし、また、突起の内側に樹脂含浸繊維のない空間ができても実用上の問題はない。
以下、本発明の実施の形態を具体的な実施例を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
直径8インチのスポーク型テレスコープ防止板の外周環部の、膜巻回体と接合する側に、底面の直径が1mm、高さが5mmで凹凸のない面からなる円錐状の突起を、30度おきの等間隔で合計12個配置した形状(図1と同様の形状)のテレスコープ防止板をABS樹脂の成型により作製した。ここで、テレスコープ防止板の突起配置部分の直径は196mmであった。また、集水管の外周に膜巻回体を形成した膜巻回体部材として、膜巻回体の外径が
200mmであるものを通常の方法で作製した。
直径8インチのスポーク型テレスコープ防止板の外周環部の、膜巻回体と接合する側に、底面の直径が1mm、高さが5mmで凹凸のない面からなる円錐状の突起を、30度おきの等間隔で合計12個配置した形状(図1と同様の形状)のテレスコープ防止板をABS樹脂の成型により作製した。ここで、テレスコープ防止板の突起配置部分の直径は196mmであった。また、集水管の外周に膜巻回体を形成した膜巻回体部材として、膜巻回体の外径が
200mmであるものを通常の方法で作製した。
上記膜巻回体部材の端部に、上記テレスコープ防止板を、その突起が膜巻回体と接するように配した後、テレスコープ防止板の内周環部と集水管とが嵌合し、突起が膜巻回体に貫入するように、テレスコープ防止板を押し込んで取り付けた。この際、内周環部と集水管との嵌合部分は接着剤により固着させた。取り付け後、突起は膜巻回体内に貫入された状態となった。
その後、膜巻回体の外周と、膜巻回体とテレスコープ防止板との接合溝部分と、テレスコープ防止板における外周環部の一部分とを覆うように、エポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維ロービング(オーウェンスコーニング社製、1150tex)の束をフープ巻きした後、樹脂硬化させ、繊維強化樹脂層を形成した。
フープ巻きした際に樹脂含浸ガラス繊維束の一部が接合溝から落ち込んだが突起によって内部への落ち込みが阻止されていたので、ガラス繊維束が膜巻回体の端面の原液流路部分まで落ち込むことはなく、原液流路部分での閉塞がない流体分離素子を製造することができた。
(実施例2)
テレスコープ防止板として、実施例1の場合と同じ突起付きテレスコープ防止板を使用した。また、集水管の外周に膜巻回体を形成した膜巻回体部材として、膜巻回体の外径が
192mmであるものを通常の方法で作製した。
テレスコープ防止板として、実施例1の場合と同じ突起付きテレスコープ防止板を使用した。また、集水管の外周に膜巻回体を形成した膜巻回体部材として、膜巻回体の外径が
192mmであるものを通常の方法で作製した。
上記膜巻回体部材の端部に、上記テレスコープ防止板を配した後、テレスコープ防止板の内周環部と集水管とが嵌合され、突起が膜巻回体に外挿されるように、テレスコープ防止板を押し込んで取り付けた。この際、内周環部と集水管との嵌合部分は接着剤により固着させた。
その後、膜巻回体の外周と、テレスコープ防止板における突起及び外周環部の一部分とを覆うように、エポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維ロービング(オーウェンスコーニング社製、1150tex)の束をフープ巻きした後、樹脂硬化させ、繊維強化樹脂層を形成した。
フープ巻きを何重にも行った際に樹脂含浸ガラス繊維束の一部が突起よりも内側に入り込んだが、膜巻回体の端面にまでは入り込まず、また、突起によって落ち込みが阻止されていたので、樹脂含浸ガラス繊維束が膜巻回体の端面の原液流路部分まで落ち込むことはなく、原液流路部分での閉塞がない流体分離素子を製造することができた。
(比較例1)
テレスコープ防止板として、突起を有さない以外は実施例1と同じ形状(図2と同様の形状)の8インチテレスコープ防止板を使用した。また、集水管の外周に膜巻回体を形成した膜巻回体部材として、実施例1の場合と同じ膜巻回体部材を使用した。
テレスコープ防止板として、突起を有さない以外は実施例1と同じ形状(図2と同様の形状)の8インチテレスコープ防止板を使用した。また、集水管の外周に膜巻回体を形成した膜巻回体部材として、実施例1の場合と同じ膜巻回体部材を使用した。
上記膜巻回体部材の端部に上記テレスコープ防止板を配した後、テレスコープ防止板の内周環部と集水管とが嵌合するように取り付け、内周環部と集水管との嵌合部分を接着剤により固着させた。
その後、膜巻回体の外周と、膜巻回体とテレスコープ防止板との接合溝部分と、テレスコープ防止板における外周環部の一部分とを覆うように、エポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維ロービング(オーウェンスコーニング社製、1150tex)の束をフープ巻きした後、樹脂硬化させ、繊維強化樹脂層を形成した。
フープ巻きした際に樹脂含浸ガラス繊維束の一部が接合溝から落ち込み、膜巻回体端面の原液流路部分まで達したので、ガラス繊維束に含浸されていた樹脂の硬化により原液流路部分に閉塞部分が生じ、膜巻回体端面での原液流路が減少した流体分離素子となった。
1 集水管
2 膜巻回体
3 繊維強化樹脂層(外側FRPシェル)
4、4u、4d テレスコープ防止板
5 ブラインシール
6、7 原液の流れ
8 第1の分離膜3
9 第2の分離膜
10 透過液流路材
11 原液流路材
12 濃縮液
13、14 透過液
21 内周環部
22 外周環部
23 スポーク部
24 原液流路用の空間
25 ブラインシール嵌め込み用溝
26 突起
27 原液シール部材
H 突起の高さ
2 膜巻回体
3 繊維強化樹脂層(外側FRPシェル)
4、4u、4d テレスコープ防止板
5 ブラインシール
6、7 原液の流れ
8 第1の分離膜3
9 第2の分離膜
10 透過液流路材
11 原液流路材
12 濃縮液
13、14 透過液
21 内周環部
22 外周環部
23 スポーク部
24 原液流路用の空間
25 ブラインシール嵌め込み用溝
26 突起
27 原液シール部材
H 突起の高さ
Claims (5)
- スパイラル型流体分離素子の一端側もしくは両端側に設置されるテレスコープ防止板であって、該テレスコープ防止板の外周環部の、流体分離素子の膜巻回体と接合する側に、複数の突起が環周沿いに配設されていることを特徴とする流体分離素子用テレスコープ防止板。
- 突起の形状が、錐体状、柱状または半球状である請求項1に記載の流体分離素子用テレスコープ防止板。
- 突起の少なくとも先端部が先細形状である請求項2に記載の流体分離素子用テレスコープ防止板。
- 突起の表面に凹凸がある請求項1〜3のいずれかに記載の流体分離素子用テレスコープ防止板。
- 集水管の周りに、分離膜、原液流路材及び透過液流路材がスパイラル状に巻回され、その膜巻回体の長手方向の一端側もしくは両端側に、請求項1〜4のいずれかに記載のテレスコープ防止板が取り付けられ、膜巻回体の外周面側が繊維強化樹脂層で覆われた構造を有するスパイラル型流体分離素子であって、テレスコープ防止板の突起が、膜巻回体の端部及び/又は繊維強化樹脂層の端部に貫入していることを特徴とする流体分離素子。
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