JP5833932B2 - 中空糸膜モジュール - Google Patents
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Description
中空糸型膜モジュールにおける処理原液又は透過水の流出入は、例えば処理原液がケーシングの上端部又は下端部で樹脂封止固定された中空糸膜束から中空糸膜外側に濾過され、この濾過液はケーシングの側面に設けられた流体の出入口から流出入させるもののほか、中央部集水管に集められるもの(特許文献1〜3)等がある。
ケースハウジング内に集水管と中空糸膜束が収容されており、前記集水管の周囲に前記中空糸膜束が配置され、少なくとも一端側の中空糸膜束が封止用樹脂で一体化された中空糸型膜モジュールであって、
前記集水管が、周面の凹部に通水孔を有するコルゲート管である、中空糸膜モジュールを提供する。
中空糸型膜モジュール10は、円筒状のケースハウジング11内に集水管12と中空糸膜(又は中空糸膜束)13が収容されている。
ケースハウジング11は、原水入口、透過水出口、濃縮水出口等を備えることができる。
ケースハウジング11の両端には、ヘッダー15が取り付けられている。このヘッダー15に対して、US2003/0150807公報の図1のような公知の中空糸型膜モジュールと同様の両端側に液出入口を有するキャップを被せることができる。
ケースハウジング11、集水管12、ヘッダー15は、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂製や金属製のものを用いることができる。前記の合成樹脂を使用するときは、ケースハウジング11、集水管12、ヘッダー15の強度を高めたり光を遮断したりする目的で、充填剤や顔料等を含有することができるものであり、不透明なものである。
通水孔25は凹部21のみに形成され、凸部22には形成されていない。
例えば、1つの凹部21に10個の通水孔25が形成され、凹部21が全体で100あれば、合計で1000個の通水孔25が形成されていることになる。
表面が平滑な集水管の場合、余りに多くの通水孔を形成すると、集水管自体の強度が低下して実用できなくなるが、集水管12としてコルゲート管を使用すると、凸部22が補強用のリブとして作用することから、表面が平滑な集水管と比べるより多くの通水孔を形成することができる。
上記したとおり、コルゲート管を使用することによって、表面が平滑な集水管と比べるとより多くの通水孔25を形成することができるため、通水孔25全体の総開口面積を大きくしたまま(あるいは従来と同程度に維持したまま)、開口部径を小さくすることができる。通水孔25の開口部径を小さくすることで、通水孔25から集水管12内に透過水が流入するときの水圧を減少させることができるため、通水孔25に近接する位置にある中空糸膜13への影響を小さくできるので好ましい。
前記断面積比が3以上であると、通水孔25から集水管12内に透過水が流入するときの水圧をより減少させることができるため好ましい。
図4(a)は、凸部22が閉塞面20で閉塞されたものであり、図4(b)は、閉塞面20に相当するものがなく、凸部22が開口したものであり、どちらの構造のものでも使用することができる。
軸方向に隣接する凸部22同士の間隔(p1)は、軸方向に隣接する凹部21同士の間隔と同じであるから、凹部21に形成する通水孔25の開口径を考慮して決定される。
凸部22の高さ(凹部21の深さ)(h1)は6〜8mm程度にすることができる。
樹脂製リング30の外周面30aと中空糸膜束13が封止用樹脂で固着されており、集水管12は樹脂と接していない。
なお、集水管12自体の長さをより長くして、樹脂製リング30の長さをより短くすることで、集水管12の端部と樹脂製リング30の両方が樹脂と接触するようにしてもよい。
なお、樹脂製リング30の内側に形成された環状段差面30cは、図示していない透過水管の端部を差し込んだときに透過水管の開口部を当接支持するためのものである。
樹脂製リング30の開口部付近の内周壁は、透過水管と接続できるような内部構造(例えば、ねじ込むためのねじ山、嵌め込むための段差を有している)を形成することができる。
保護ネット40は、中空糸膜束13を包み込むようにして配置することもできる。
中空糸膜モジュール10の運転時においては、中空糸膜13で濾過して得られた透過水は、集水管12の凹部21に形成されている通水孔25を通って集水管12内部に入る。
その後、集水管12の端部に接続された透過水ラインを経て排水されるか、又は透過水タンクに送られて貯水される。透過水タンクに貯水された透過水は中空糸膜13の逆圧洗浄等に再利用することができる。
このため、公知の表面が平坦な集水管のように通水孔と中空糸膜が実質的に接触した状態にある場合と比べると、通水孔25から集水管12内部に透過水が流れ込むときの中空糸膜13に対する水圧(吸引圧)の影響が緩和される。
また、通水孔25の総開口面積を減少させることなく、1つの通水孔25の開口径も小さくできるので、より前記水圧(吸引圧)の影響を緩和する効果が大きくなる。
そして、通水孔25側に中空糸膜13が引き寄せられたとしても、凸部22の存在によって凹部21に形成された通水孔25が閉塞されることもない。
よって、本発明の中空糸膜モジュール10使用して濾過運転するときは、中空糸膜13が変形したり、損傷したりすることが防止されるほか、透過水が流れ込むときの抵抗も非常に小さくできるため、濾過能力も高いレベルで維持することができる。
酢酸セルロース系樹脂からなる中空糸膜束(ダイセン・メンブレン・システムズ社製)13と両端部にABS製環状部材(樹脂リング30)を取り付けた、ポリエチレン製コルゲート管の集水管12(内径:75mm,長さ:935mm)を、ケースハウジング11(内径:270mm,長さ:1100mm)に収容した。
その後、ポリウレン接着剤(商品名コロネード4428と商品名ニッポラン4221の混合品,日本ポリウレタン社製)を用いて両端部を接着固定した(樹脂封止部35)。
封止された中空糸膜束13の端部をスライサー(自動トリミング装置,コムス社製)を用いて中空糸膜束13端部を開口させた。
中空糸膜モジュール端面中央に連結管(透過水出口)を取付け、キャップを組立て、ろ過流量測定装置に設置した。
処理水入口から所定の流量(7.5m3/h)を供給し、全量濾過過方式で運転して、運転開始から5分後の中空糸膜モジュールの透過流束を測定した。
なお、比較例1として、同寸法のパイプを使用したほかは同一の中空糸膜モジュールを製造し、同様に透過流束を測定した。
その結果、実施例1の中空糸膜モジュールは、比較例1の中空糸膜モジュールと比べて約10%の圧力損失が低減された。
運転終了後、実施例1の中空糸膜モジュールを解体し中央部の中空糸膜13、特にコルゲート管からなる集水管12付近をサンプリングし観察したところ、圧痕や座屈、切断等の損傷は認められなかった。
11 ケースハウジング
12 集水管(コルゲート管)
13 中空糸膜(束)
21 凹部
22 凸部
25 通水孔
Claims (4)
- ケースハウジング内に集水管と中空糸膜束が収容されており、前記集水管の周囲に前記中空糸膜束が配置され、少なくとも一端側の中空糸膜束が封止用樹脂で一体化された中空糸型膜モジュールであって、
前記集水管が、周面の凹部に等間隔で3〜10個の通水孔を有するコルゲート管であり、
前記通水孔の開口部径が2〜10mmであり、
前記通水孔の総開口面積が、前記集水管の半径方向断面積の3倍以上である、中空糸膜モジュール。 - 前記集水管であるコルゲート管が、周面の凹部にのみ通水孔を有しているものである、請求項1記載の中空糸膜モジュール。
- 前記集水管であるコルゲート管が、凹凸部の軸方向断面形状が台形状のものである、請求項1または2記載の中空糸膜モジュール。
- 前記集水管と前記中空糸膜の間に保護ネットが介在されている、請求項1〜3のいずれか1項記載の中空糸膜モジュール。
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JP2012000902A JP5833932B2 (ja) | 2012-01-06 | 2012-01-06 | 中空糸膜モジュール |
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