JP7075781B2 - 低面粗度の塗膜を実現できる高平滑性塗料組成物、この施工方法や補修方法、これらを用いて表面処理された圧縮機 - Google Patents

低面粗度の塗膜を実現できる高平滑性塗料組成物、この施工方法や補修方法、これらを用いて表面処理された圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は、塗料組成物、これを用いた塗膜、圧縮機、施工方法および補修方法に関する。
これまでトップコート層を形成するための塗料組成物について様々な検討がなされてきた。この種の技術として、特許文献1に記載のものが知られている。同文献には、表面処理したガスタービンエンジン圧縮機ブレードに、鱗片状で平均粒径5μm以下のアルミニウムを含む上塗り塗料を塗布し焼付けることにより、表面粗さRaが0.5μm以下となる塗膜が得られると記載されている(特許文献1の段落0020)。同文献の実施例1~9には、Raが0.42~0.49μmであることが示されている(特許文献1の表6)。
特開平7-144171号公報
近年、表面粗さの低減に対する要求水準が一層高まっている。
本発明者がこのような開発環境を踏まえて検討した結果、上記文献1に記載の塗料において、表面粗さRaが0.4以下の水準を実現するものは未だ見出されておらず、表面平滑性および耐熱性の点で改善の余地を有していることが判明した。
上記文献1において、ノンリーフィングタイプ(非鱗片状)を使用した場合、表面粗さRaが0.5μm以下の塗膜を実現することは極めて難しいと記載されている。すなわち、文献1の塗膜の設計とは、鱗片状のアルミニウムが層状に積層することで、塗膜自体の表面粗さを低減しようとするものである。
これに対して、本発明者は、下地である基板の凹凸に塗膜中の成分を適切に埋め込むような設計を採用することによって、トップコート層の表面粗さを低減しようと考えた。
このような知見に基づいて本発明者が検討した結果、基板の表面粗さをRa1とし、基板の表面に形成された塗料組成物からなる塗膜(トップコート層)の表面粗さをRa2としたとき、Ra2/Ra1を指標とすることにより、トップコート層の下地である基板の表面形状を考慮した上で、その基板表面の凹凸中に対する塗料成分の埋め込み具合について安定的に評価できることを見出した。
このような指標Ra2/Ra1に基づいて鋭意検討した結果、Ra2/Ra1を所定値以下に制御することで、かかる塗料組成物からなるトップコート層において、表面平滑性とともに耐熱性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
基板の表面にトップコート層を形成するために用いる塗料組成物であって、
結合剤およびフィラーを含み、
前記結合剤が、金属アルコキシドを含み、
前記フィラーが、粒径が0.1μm以上5μm以下の球状アルミナを含み、
前記基板が金属基板またはセラミック基板とし、前記基板の表面粗さをRa1とし、前記基板の表面に形成された当該塗料組成物からなる塗膜の表面粗さをRa2とし、Ra1が0.4μm以上2.5μm以下とし、前記塗膜の膜厚が1μm以上50μm以下としたとき、
Ra2/Ra1が0.4以下である、塗料組成物が提供される。
また本発明によれば、上記塗料組成物からなる塗膜が提供される。
また本発明によれば、上記塗膜を備える、圧縮機が提供される。
また本発明によれば、
基板の表面にトップコート層を形成するための施工方法であって、
上記塗料組成物からなる塗膜を前記基板の表面に形成する塗膜形成工程を含む、施工方法が提供される。
また本発明によれば、
ガスタービンの圧縮機のブレードの表面を洗浄する工程と、
前記ブレードの表面に、トップコート層として、上記塗料組成物からなる塗膜を形成する工程と、を含む、補修方法が提供される。
本発明によれば、表面平滑性および耐熱性に優れた塗膜を実現できる塗料組成物、それを用いた塗膜、圧縮機、その施工方法および補修方法が提供される。
本実施形態の塗料組成物からなる塗膜を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態の塗料組成物の概要について説明する。
本実施形態の塗料組成物は、基板の表面にトップコート層を形成するために用いる塗料組成物である。このような塗料組成物において、基板の表面粗さをRa1とし、基板の表面に形成された当該塗料組成物からなる塗膜の表面粗さをRa2としたとき、Ra2/Ra1を0.4以下とすることができる。
本実施形態によれば、上記Ra2/Ra1を上限値以下とすることにより、表面平滑性とともに耐熱性を向上させることができる。
また、本実施形態の塗料組成物からなる塗膜の表面粗さをRa2は、例えば、0.40μm以下とすることができる。これにより、非常に優れた表面平滑性を実現することが可能になる。
また、本実施形態の塗料組成物は、例えば、圧縮機に用いることができ、具体的には、圧縮機用ブレード(回転翼)の表面に形成されるトップコート層に用いることができる。すなわち、圧縮機のブレードは、本実施形態の塗料組成物からなる塗膜をトップコート層として備えることができる。
本実施形態において圧縮機としては、例えば、液体または気体をブレードによって圧縮・圧送する機械であり、軸流式圧縮機や遠心圧縮機などのターボ圧縮機が挙げられる。このような圧縮機は、航空機用ガスタービン、船舶用ガスタービン、発電機用ガスタービン、気流分離装置、集塵機、真空ポンプ、風洞、プロパン(天然ガス)酸化脱水素装置、パイプライン圧送装置等の産業用途に用いることができる。
この中でも、上記ガスタービンの一例としては、圧縮機、燃焼器、タービンを有している。圧縮機は、圧縮された空気を燃焼器に流入する。燃焼器では、流入された圧縮空気が、天然ガスのような燃料と混合され、高温燃焼ガスを形成するために点火される。高温燃焼ガスは、後方に流れてタービンを通過すると、ブレードが回転させられて、次いでシャフトが駆動させられて、これにより機械的な仕事が提供される。
本実施形態によれば、上記塗料組成物を施工することによって表面粗さRaが0.4μm以下のトップコート層をブレードの表面に形成できるため、圧縮機の効率を高めることができ、このような圧縮機を備えるガスタービンの効率を改善することが可能になる。
また、本実施形態の塗料組成物によれば、自動研磨機や熟練工による研磨手作業によって塗膜形成前に基板表面を研磨する工程が不要であり、この工程を行わない場合でも表面平滑性に優れたブレードを実現できるため、ブレードの製作費用の削減が可能になる。
また、本実施形態の塗料組成物によれば、ブレードを圧縮機に設置したままの現地施工が可能になるため、定期的なブレードのオーバーホール時においても、予備のローター(複数のブレードが取り付けられたローター)が不要になる。
また、オーバーホール時に本実施形態の塗料組成物を施工することにより、再度、ブレードの表面に表面粗さRaが0.4μm以下のトップコート層を実現できるため、長期に亘って圧縮機の特性を維持することが可能になる。
以上により、本実施形態の塗料組成物を圧縮機に利用することにより、大幅にコストの削減を実現できる。
以下、本実施形態の塗料組成物の成分について説明する。
本実施形態の塗料組成物は、結合剤およびフィラーを含むことができる。
本実施形態に係るフィラーは、例えば、無機フィラーを含むことができる。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、シリカ、マイカ、コージライト、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素、および無機顔料からなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、耐熱性や平滑性の観点から、アルミナを使用することができる。
上記フィラーの形状としては、例えば、球状、真球状、板状、粒状などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、平滑性の観点から、球状であることが好ましい。
上記フィラーの粒径の下限値としては、例えば、0.02μm以上であり、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましい。また、上記フィラーの粒径の上限値としては、例えば、5μm以下であり、1.5μm以下が好ましく、0.9μm以下がより好ましい。このような数値範囲内とすることにより、トップコート層の表面平滑性を高めることが可能になる。
本実施形態において、フィラーの粒径は、メジアン径(平均粒径D50)とすることができる。
上記フィラーは、分散性の観点から、例えば、溶媒に分散させたスラリー状態で使用されていてもよい。すなわち、本実施形態の塗料組成物は、フィラーを溶媒中に分散させたスラリー状物質(以下、スラリーと呼称する。)を含有してもよい。すなわち、この塗料組成物は溶媒を含むことができる。また、スラリーは、分散剤を含有してもよい。
上記スラリーにおいて、例えば、スラリー濃度(固形分であるフィラーの含有比率)は、例えば、1重量%以上80重量%以下でもよく、5重量%以上70重量%以下でもよく、25重量%以上60重量%以下でもよい。
上記溶媒としては、例えば、水または有機溶媒であり、好ましくは親水性有機溶媒である。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、沸点が異なる2以上の有機溶媒を併用してもよい。
上記溶媒は、例えば、沸点が100℃以上、220℃以下の高沸点溶媒を含むことができる。この高沸点溶媒の沸点の上限値としては、例えば、220℃以下であり、好ましくは210℃以下である。これにより、低い温度での加熱や乾燥によって塗膜を成膜することが可能になる。そのため、本実施形態の塗料組成物からなる塗膜を備える構造体において、高熱による劣化が生じることを抑制できる。高沸点溶媒の沸点の下限値としては、例えば、100℃以上でもよく、105℃以上でもよい。これにより、室温等の保管環境において、溶媒の蒸発を抑制できるため保管性を高めることができる。また、塗膜特性の再現性を良好なものとすることができる。
上記高沸点溶媒としては、例えば、イソブタノール(沸点108℃)、プロパギルアルコール(沸点113.6℃)、n-ブタノール(沸点117.5℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点121℃)、酢酸ブチル(沸点127℃)、エチルセロソルブ(沸点136℃)、プロピルセロソルブ(沸点150℃)、ブチルセロソルブ(沸点171.2℃)、エチレングリコールモノアセテート(沸点188℃)、酢酸2-エトキシエチル(沸点156.8℃)、エチルジグリコール(沸点202.7℃)等が挙げられる。
一方、上記溶媒は、沸点が50℃以上100℃未満の低沸点溶媒を含むことができる。
上記低沸点溶媒としては、例えば、メチルアルコール(64.7°C)、エチルアルコール(78.37℃)、イソプロピルアルコール(沸点82.4℃)などの低分子量アルコールが挙げられる。これにより、より低温環境下や乾燥環境下において塗膜を成膜することが可能になる。
上記結合剤は、金属アルコシドとして、オルガノアルコキシシランを含むことができる。
このオルガノアルコキシシランは、加水分解及び重縮合によって、高分子化したオルガノポリシロキサンになる。なお、オルガノアルコキシシランの他に、Ti、Al、Zr等の金属アルコシドを使用してもよい。
上記オルガノアルコキシシランの具体例として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、i-プロピルトリメトキシシラン、i-プロピルトリエトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3-トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルメトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルエトキシシラン、γ-アミノプロピルメトキシシラン、γ-アミノプロピルエトキシシランなどを例示できる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、メチルトリメトキシシランまたはメチルトリエトキシシランを使用することができる。また、オルガノアルコキシシランを、予め酸またはアルカリの存在下もしくは非存在下で加水分解した加水分解物、該加水分解物をさらに熟成して重縮合した部分縮合物を使用することもできる。
また、上記結合剤は、金属粒子として、金属コロイドまたは金属微粒子を含むことができる。
金属コロイド(例えば、コロイド状のアルミナ)は、アルミナなどの無機酸化物を担体として、水および/または低級アルコール類を分散媒とする、pH2.5~6の金属酸化物ゾル(アルミナゾル)とすることができる。
この金属酸化物ゾルは、固形分換算で、例えば、5~50重量%、好ましくは5~25重量%含有してもよい。また、金属酸化物ゾルは、安定剤として硝酸、塩酸、酢酸などの酸を含有してもよい。
一方、金属微粒子は、例えば、微粒子状アルミナであり、精製アルミニウム塩の高温加水分解法で製造されたアルミナを用いることができる。微粒子状アルミナは、pH2~6の酸性水性分散液としたものを用いることもできる。
コロイド状アルミナ(金属コロイド)や微粒子状アルミナ(金属微粒子)は、例えば、平均粒径が5~200nm、好ましくは5~100nm、より好ましくは5~50nmのものである。
また、本実施形態の結合剤は、上記オルガノアルコキシシラン、上記金属コロイドまたは金属微粒子、および親水性有機溶媒を含むことができる。このような結合剤としては、例えば、日研株式会社製のセラミカG-92-6、日研株式会社製G-90等が挙げられる。
上記親水性有機溶媒は、例えば、アルコール類、グリコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類などである。アルコール類としては、炭素数1~8の脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-n-ペンタノールなどが挙げられる。グリコール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールが挙られる。エステル類としては、前記アルコール類およびグリコール類のギ酸、酢酸、プロピオン酸などのエステル、具体的にはギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルなどを例示できる。上記エーテル類として、前記アルコール類およびグリコール類のアルキルエーテルなど、具体的にはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。ケトン類としては、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンなどが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、i-プロパノール、n-ブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸エチル等を使用してもよい。
このような結合剤は、塗膜中において、例えば、オルガノアルコキシシラン由来のSiO成分と、コロイド状アルミナや微粒子状アルミナ由来のAl成分と、で構成される固形物を形成することができる。
上記結合剤において、上記固形物の含有量は、固形分換算で、例えば、10~50重量%、好ましくは20~40重量%である。
また、本実施形態の結合部において、アルミナの含有量は、固形物全体に対して、固形分換算で、例えば、10~45重量%、好ましくは15~40重量%とすることができる。
また、本実施形態の塗料組成物中において、フィラーの含有量の下限値は、結合剤の固形分(例えば、SiO成分およびAl成分)の含有量100部に対して、例えば、100部より大きく、好ましくは120部以上であり、より好ましくは140部以上である。一方で、フィラーの含有量の上限値は、結合剤の固形分の含有量100部に対して、例えば、300部以下でもよく、200部以下でもよい。
本実施形態において、塗料組成物の固形分とは、塗料組成物中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。また、本実施形態において、塗料組成物全体に対する含有量とは、塗料組成物が溶媒を含む場合には、塗料組成物のうちの溶媒を除く固形分全体に対する含有量を指す。
本実施形態の塗料組成物は、必要に応じて、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。
本実施形態の塗料組成物の製造方法は、公知の方法を使用することができ、特に限定されないが、例えば、フィラーを溶媒に混合してスラリーを調製し、得られたスラリーと結合剤とを混合することにより、塗料組成物を得ることができる。必要に応じて、塗料組成物に、結合剤の硬化触媒を添加することができる。添加するタイミングは、任意でよい。
本実施形態において、上記結合剤のポットライフを長くする観点から、結合剤とその硬化触媒とは別々の容器に保管することができる。また、結合剤およびフィラーを含む塗料組成物についても、同様に、結合剤用の硬化触媒(例えば、硝酸などの上記安定剤)とは別々に保管することができる。塗料組成物に硬化触媒を加えたものは、すぐに使用することが好ましいが、冷暗所に保存すれば、例えば、1日から1週間以内であれば、実用上問題ないことが多い。
以下、本実施形態の塗料組成物を使用した施工方法について説明する。
本実施形態の施工方法は、塗料組成物からなる塗膜を基板の表面に形成する塗膜形成工程を含むものである。この施工方法により、基板の表面にトップコート層を形成することができる。
上記施工方法において、塗膜を形成する方法は、公知の方法を利用できるが、例えば、スプレー塗装を利用することができる。すなわち、塗膜形成工程は、例えば、スプレーにより塗料組成物を基板に塗布する工程を含むことができる。これより、大面積の被塗装物に対して効率的に塗装を施すことが可能になる。また、ブレードの表面に対して、それを圧縮機に設置したままの現地施工が可能になる。また、塗膜の膜厚制御も容易になる。
スプレー塗装は、例えば、被塗装物である基板の表面に、霧状の塗料組成物を吹き付けることができる。スプレー塗装を行うブースの湿度は、例えば、60%以下であり、好ましくは55%以下であり、より好ましくは50%以下である。このように、乾燥条件を適切に制御することにより、塗膜の形成効率を高めることができる。
形成された塗膜に対して、さらに乾燥工程を行うことができる。この乾燥工程は、加熱処理とともに乾燥処理を行ってもよく、乾燥処理後に加熱処理を行ってもよい。また、乾燥工程において、乾燥風、温風、乾燥温風等の気流を塗膜に接触させてもよい。これにより、乾燥効率を高めることができるとともに、塗膜全体を均一に乾燥させることができる。
また、加熱処理に関して、上記乾燥工程は、例えば、220℃以下の温度で、好ましくは100℃~200℃、より好ましくは130℃~190℃、さらに好ましくは150℃~180℃の温度で、塗膜を加熱乾燥する工程を含むことができる。
従来の塗料を使用した場合、成膜するためには、300℃以上の高温で加熱することが必要となることが多かった。
これに対して、本実施形態の塗料組成物においては、溶剤の沸点を適切に選択することにより、220℃以下の低温において、溶媒を乾燥させて、成膜させることが可能になる。したがって、圧縮機のブレードが高温加熱によって劣化してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態の塗料組成物は、低温加熱した場合と比べれば時間が掛かるが、常温環境下においても、乾燥し成膜することが可能である。
従来、オーバーホール時にローターから分解されたブレードの1つ1つを、圧縮機の設置場所から別の場所にある加熱室まで搬送し、そこで再度、塗料を成膜することが行われていた。
これに対して、本実施形態の塗料組成物では、圧縮機に設置した状態のブレードに対して、現地施工が可能になる。すなわち、圧縮機の設置場所において、ブレードに対して本実施形態の塗料組成物の施工が可能になる。
以上の施工方法により、基板の表面にトップコート層として、塗料組成物からなる塗膜を形成することができる。
以下、本実施形態の塗料組成物の特性について説明する。
図1は、本実施形態の塗料組成物からなる塗膜を説明するための図である。
本実施形態において、図1(a)に示すように、基板10の表面粗さをRa1とし、基板10の表面に形成された塗料組成物からなる塗膜(トップコート層20)の表面粗さをRa2とする。また、基板10の最大高さをRz1とし、基板10の表面に形成された塗料組成物からなる塗膜(トップコート層20)の最大高さをRz2とする。
なお、基板10の表面には、図1(b)に示すように、表面処理等によりベース層30が形成されていてもよい。
本実施形態の塗料組成物において、Ra2/Ra1の上限値は、例えば、0.40以下であり、好ましくは0.39以下であり、より好ましくは0.35以下であり、さらに好ましくは0.30以下である。これにより、表面平滑性および耐熱性を向上させることができる。一方、上記Ra2/Ra1の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01以上でもよく、0.05以上でもよく、0.1以上でもよい。
また、本実施形態の塗料組成物において、塗膜(トップコート層20)の表面粗さRa2の上限値は、例えば、0.40μm以下であり、好ましくは0.39μm以下であり、より好ましくは0.35μm以下であり、さらに好ましくは0.30μm以下である。これにより、優れた表面平滑性を実現することが可能である。一方、上記Ra2の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上でもよく、0.05μm以上でもよく、0.1μm以上でもよい。
また、本実施形態の塗料組成物において、基板10の表面粗さRa1は、特に限定されないが、例えば、0.4μm~2.5μmでもよく、0.5μm~2μmでもよく、0.6μm~1.5μmでもよい。防食処理やブラスト処理によって比較的粗面化された基板10の表面においても、本実施形態の塗料組成物をトップコート層20として使用することにより、優れた表面平滑性を実現することができる。
本実施形態の塗料組成物において、Rz2/Rz1の上限値は、例えば、0.5以下であり、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.3以下である。これにより、表面平滑性および耐熱性を向上させることができる。一方、上記Rz2/Rz1の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01以上でもよく、0.05以上でもよく、0.1以上でもよい。
また、本実施形態の塗料組成物において、塗膜(トップコート層20)の最大高さRz2の上限値は、例えば、3μm以下であり、好ましくは2.5μm以下であり、より好ましくは2μm以下であり、さらに好ましくは0.30μm以下である。これにより、優れた表面平滑性を実現することが可能である。一方、上記Rz2の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上でもよく、0.05μm以上でもよく、0.1μm以上でもよい。
また、本実施形態の塗料組成物において、基板10の最大高さRz1は、特に限定されないが、例えば、1μm~10μmでもよく、3μm~8μmでもよい。防食処理やブラスト処理によって比較的粗面化された基板10の表面においても、本実施形態の塗料組成物をトップコート層20として使用することにより、優れた表面平滑性を実現することができる。
ここで、Ra、Rzの測定条件について説明する。
算術平均粗さRaおよび10点平均高さRzは、表面粗さ計を用いて測定できる。
膜厚は、膜厚計を用いて測定できる。
また、Ra2、Rz2は、当該塗料組成物を、基板に塗装(たとえば、スプレー塗装)を実施して塗布膜を得、得られた塗布膜に対して、例えば、150℃で30分の条件で加熱処理(乾燥処理)を実施して形成された塗膜(トップコート層)に対して測定することにより得られる。乾燥処理後の塗膜の測定を行う際、基板として、例えば、所定の縦横長さを有する上面視において四角形状の金属基板を用いる。
また、Ra3、Rz3は、上記の乾燥処理後の塗膜に対して、さらに550℃、100時間の条件で高温・長時間加熱処理した後の、当該塗膜(トップコート層)に対して測定することにより得られる。高温・長時間加熱後の塗膜の測定を行う際、基板として、SUS板などの耐熱性を有する金属基板を用いることが好ましい。本発明者の知見によれば、耐熱性を有する金属基板を用いることにより、高温・長時間加熱処理した金属基板に起因した塗膜への影響を抑制できる。
本実施形態において、550℃で100時間加熱処理した後の塗膜における、Ra3/Ra1は、例えば、0.8以下であり、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.40以下であり、さらに好ましくは0.35以下である。これにより、高温・長時間加熱処理後においても表面平滑性を維持することができる。一方、上記Ra3/Ra1の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01以上でもよく、0.05以上でもよく、0.1以上でもよい。
本実施形態において、550℃で100時間加熱処理した後の塗膜における、Rz3/Rz1は、例えば、0.9以下であり、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.40以下であり、さらに好ましくは0.35以下である。これにより、高温・長時間加熱処理後においても表面平滑性を維持することができる。一方、上記Rz3/Rz1の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01以上でもよく、0.05以上でもよく、0.1以上でもよい。
本実施形態では、たとえば塗料組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、塗料組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記Ra2/Ra1、Ra2、Rz2/Rz1およびRz2を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、フィラーの粒径を適切な範囲内に調整すること、フィラーの形状として球形状を選択すること、フィラー材料を結合剤中の金属種と同種の材料を選択すること、フィラー含有量を結合剤中の固形分(SiO成分およびAl成分)より多くすること、スラリー中のフィラーの分散度合い、適切な溶媒を選択すること、これらと膜厚のバランス等が、上記Ra2/Ra1、Ra2、Rz2/Rz1およびRz2を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。また、Ra2/Ra1やRz2/Rz1等を適切に制御することで、Ra3/Ra1やRz3/Rz1を所望の数値範囲とすることができる。
本発明者が検討した結果、基板の表面粗さをRa1とし、基板の表面に形成された塗料組成物からなる塗膜の表面粗さをRa2としたとき、Ra2/Ra1を指標とすることにより、トップコート層の下地である基板の表面形状を考慮した上で、その基板表面の凹凸中に対する塗料成分の埋め込み具合について安定的に評価できることを見出した。
詳細なメカニズムは定かでないが、基板表面の凹凸に効率的に配置されたフィラー間の隙間を、結合剤中の非晶質部(SiO成分およびAl成分等)で充填することができるため、緻密に成膜された塗膜が得られることから、その塗膜において表面平滑性および耐熱性を向上させることができる、と考えられる。
本実施形態の塗料組成物からなる塗膜は、単層でもよく、異なる配合で形成された層が積層した多層でもよい。
また、本実施形態の塗膜の膜厚は、目的に応じて適宜調整することができるが、その上限値は、例えば、50μm以下であり、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。薄層とした場合でも、表面平滑性に優れたトップコート層を形成することができる。一方で、塗膜の膜厚の下限値は、特に限定されないが、例えば、1μm以上でもよく、2μm以上でもよい。
本実施形態の基板10としては、例えば、金属基板やセラミック基板などが用いられる。
基板10の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、Al系材料、Fe系材料、Ni系材料、Co系材料、セラミックス基複合材等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Al系材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などが挙げられる。
Fe系材料としては、各種の鉄鋼材料および鉄基合金を用いることができ、例えば、炭素鋼、合金鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼、工具鋼、ステンレス鋼(SUS)、耐熱鋼、窒化鋼、肌焼鋼などが挙げられる。
Ni系材料としては、例えば、Ni基合金を用いることができる。
Co系材料としては、例えば、Co基合金を用いることができる。
上記のNi基合金、Co基合金、Fe基合金などの超合金や他の金属材料を用いる場合、これらは、公知の添加元素を1種または2種以上含有してもよい。
なお、セラミックス基複合材としては、SiC系やAl系等のセラミックス基複合材が挙げられる。
本実施形態において、基板10の表面には、防食皮膜またはブラスト処理面が形成されていてもよい。すなわち、基板10の表面にブラスト処理されていてもよい。また、図1(b)に示すように、基板10の表面に防食処理が施されて防食皮膜(ベース層30)が形成されていてもよい。このように、表面処理された基板10であっても、本実施形態の塗料組成物をトップコート層20に用いることにより、表面平滑性を高めることができる。
本実施形態において、上記防食皮膜はアルミニウムを含むことができる。この防食皮膜は、基板10を構成する金属材料よりも酸化されやすいような、アルミニウム等の金属で構成されていてもよい。具体的には、上記防食皮膜は、例えば、Al製犠牲防食塗料で形成されるAl製犠牲皮膜で構成されていてもよい。これにより、基板10に対して防食効果を付与することができる。また、Al製犠牲防食塗料に使用されるアルミニウムとしては、例えば、フレーク形状のアルミニウムまたは球形状のアルミニウム粉末などが挙げられる。フレーク形状のアルミニウムを用いることにより、さらに耐熱性も向上させることができる。
本実施形態において、ブラスト処理を基板表面に施すことにより、基板10と塗膜との密着性を向上させることができる。ブラスト処理としては、例えば、グリットブラスト、ガーネットブラスト、サンドブラスト、ショットブラスト等が使用できる。
本実施形態の塗料組成物は、各種の用途に用いることができるが、一例として、圧縮機に用いることができる。
本実施形態の圧縮機は、上記塗料組成物からなる塗膜を備えることができ、これによって、トップコート層が表面に形成されたブレードを備えることができる。このようなブレードについて表面平滑性を向上させることができるので、圧縮機の仕事効率を高めることができる。また、圧縮機を備えるガスタービンにおいても、その仕事効率を向上させることが可能になる。
従来、ガスタービン中の圧縮機のブレードにおいては、十分な平滑性が得られないことから、自動研磨機や熟練工による研磨手作業によって塗膜形成前に基板表面を研磨することにより、ブレード表面の平滑性を高めることが多かった。
これに対して、本実施形態によれば、上記塗料組成物を施工することによって表面粗さRaが0.4μm以下の高平滑性を有するトップコート層をブレードの表面に形成できる。すなわち、本実施形態の塗料組成物によって表面処理を行うことにより、表面平滑性に優れたブレードを安定的に実現できる。このため、自動研磨機や熟練工による研磨手作業によって塗膜形成前に基板表面を研磨する工程が不要になり、ブレードの製作費用の削減を実現できる。
また、従来、塗膜形成前に自動研磨機や手作業によって研磨工程を実施する場合や、圧縮機のオーバーホールを定期的に実施する場合、圧縮機からブレードを取り外して、個々のブレードごとに対応する必要があった。そうすると、ガスタービンの圧縮機であれば、全ブレードが組み込まれた予備ローターを準備する必要があることから、発電コストが高くなることがあった。
これに対して、本実施形態の塗料組成物の施工方法においては、例えば、簡易的なスプレー法を用いることができる。このため、圧縮機から取り外したブレードに対して施工してもよいが、圧縮機に設置したままの状態のブレードに対しても施工することが可能になる。このような、現地施工が可能であるため、ブレードのオーバーホール時においても、予備のローターを準備しておく必要がないため、発電コストを低減させることが可能になる。
また、本実施形態の塗料組成物を補修の目的で使用することも可能である。
本実施形態の補修方法は、例えば、ガスタービン等の圧縮機のブレードの表面を洗浄する工程と、当該ブレードの表面に、トップコート層として、本実施形態の塗料組成物からなる塗膜を形成する工程と、を含むことができる。塗膜を形成する方法は、上述の施工方法を利用することができる。
このようにブレードの表面に洗浄等によりトップコート層を除去し、露出したブレード表面に新たなトップコート層を容易に形成することができる。また、本実施形態の塗料組成物は、常温環境下においても、乾燥し成膜することが可能である。そのため、補修方法においては、圧縮機に設置した状態のブレードに対して、現地施工が可能になる。すなわち、圧縮機が設置された場所からブレードを移動させずに、その場での作業が可能である。
以上により、本実施形態の塗料組成物を圧縮機に利用することにより、大幅にコストの削減を実現できる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 基板の表面にトップコート層を形成するために用いる塗料組成物であって、
前記基板の表面粗さをRa1とし、前記基板の表面に形成された当該塗料組成物からなる塗膜の表面粗さをRa2としたとき、
Ra2/Ra1が0.4以下である、塗料組成物。
2. 1.に記載の塗料組成物であって、
前記Ra2が0.40μm以下である、塗料組成物。
3. 1.または2.に記載の塗料組成物であって、
前記基板の最大高さをRz1とし、前記基板の表面に形成された当該塗料組成物からなる塗膜の最大高さをRz2としたとき、
Rz2/Rz1が0.5以下である、塗料組成物。
4. 3.に記載の塗料組成物であって、
前記Rz2が3μm以下である、塗料組成物。
5. 1.から4.のいずれか1つに記載の塗料組成物であって、
結合剤およびフィラーを含む、塗料組成物。
6. 1.から5.のいずれか1つに記載の塗料組成物であって、
沸点が220℃以下の溶媒をさらに含む、塗料組成物。
7. 1.から6.のいずれか1つに記載の塗料組成物であって、
前記基板の表面には、防食皮膜またはブラスト処理面が形成されている、塗料組成物。
8. 7.に記載の塗料組成物であって、
前記防食皮膜はアルミニウムを含む、塗料組成物。
9. 1.から8.のいずれか1つに記載の塗料組成物であって、
前記基板は、金属基板を含む、塗料組成物。
10. 1.から9.のいずれか1つに記載の塗料組成物であって、
圧縮機に用いられる、塗料組成物。
11. 1.から10.のいずれか1つに記載の塗料組成物からなる塗膜。
12. 11.に記載の塗膜であって、
当該塗膜の膜厚が1μm以上50μm以下である、塗膜。
13. 11.または12.に記載の塗膜を備える、圧縮機。
14. 基板の表面にトップコート層を形成するための施工方法であって、
1.から10.のいずれか1つに記載の塗料組成物からなる塗膜を前記基板の表面に形成する塗膜形成工程を含む、施工方法。
15. 14.に記載の施工方法であって、
前記塗膜形成工程は、スプレーにより塗料組成物を前記基板に塗布する工程を含む、施工方法。
16. 14.または15.に記載の施工方法であって、
220℃以下の温度で前記塗膜を加熱乾燥する工程をさらに含む、施工方法。
17. 14.から16.のいずれか1つに記載の施工方法であって、
前記基板が、圧縮機のブレードである、施工方法。
18. 17.に記載の施工方法であって、
前記圧縮機が、ガスタービンである、施工方法。
19. ガスタービンの圧縮機のブレードの表面を洗浄する工程と、
前記ブレードの表面に、トップコート層として、1.から10.のいずれか1つに記載の塗料組成物からなる塗膜を形成する工程と、を含む、補修方法。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(フィラー)
白スラリーA:フィラー(コージライト、平均粒径D50:1.7μm、粒状)50重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、沸点121℃)48.5重量部、および分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk-111)1.5重量部を混合し、ボールミルで分散処理し、白スラリーA(スラリー濃度50重量%)を得た。
白スラリーB:フィラー(アルミナ、平均粒径D50:0.7μm、球状)50重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、沸点121℃)48.5重量部、および分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk-111)1.5重量部を混合し、ボールミルで分散処理し、白スラリーB(スラリー濃度50重量%)を得た。
白スラリーC:フィラー(マイカ、平均粒径D50:5μm、板状)50重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、沸点121℃)48.5重量部、および分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk-111)1.5重量部を混合し、ボールミルで分散処理し、白スラリーC(スラリー濃度50重量%)を得た。
白スラリーD:フィラー(アルミナ、平均粒径D50:0.02μm、真球状)25重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、沸点121℃)73.5重量部、および分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk-111)1.5重量部を混合し、ボールミルで分散処理し、白スラリーD(スラリー濃度25重量%)を得た。
白スラリーE:フィラー(アルミナ、平均粒径D50:0.27μm、球状)50重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、沸点121℃)48.5重量部、および分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk-111)1.5重量部を混合し、ボールミルで分散処理し、白スラリーE(スラリー濃度50重量%)を得た。
白スラリーF:フィラー(アルミナ、ランダム状)20重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、沸点121℃)78.5重量部、および分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk-111)1.5重量部を混合し、ボールミルで分散処理し、白スラリーF(スラリー濃度20重量%)を得た。
白スラリーG:フィラー(アルミナ、平均粒径D50:0.03μm、真球状)50重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、沸点121℃)48.5重量部、および分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk-111)1.5重量部を混合し、ボールミルで分散処理し、白スラリーG(スラリー濃度50重量%)を得た。
茶スラリー:フィラー(窒化珪素、平均粒径D50:0.7μm、球状)50重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM、沸点121℃)48.5重量部、および分散剤(ビックケミー社製、Disperbyk-111)1.5重量部を混合し、ボールミルで分散処理し、茶スラリー(スラリー濃度50重量%)を得た。
(結合剤)
バインダ液1:日研株式会社製、セラミカG-92-6
(溶媒)
溶媒1:IPA(イソプロピルアルコール、沸点82.4℃)
(基板)
基板1:ベース層付き鉄鋼板(Alフレーク犠牲防食塗料(主成分:アルミフレーク、防食性)で表面処理された30μm厚のアルミ犠牲皮膜付きSPCC鋼板、縦×横:50mm×100mm、2mm厚、Ra1:1.01μm、Rz1:6.58μm)
基板2:アルミニウム板(株式会社パルテック製、縦×横:70mm×150mm、1mm厚、A5052P、Ra1:0.72μm、Rz1:5.24μm)
基板3:表面にブラスト処理したSUS板(日本冶金工業株式会社製、縦×横:50mm×100mm、2mm厚、SUS304)
(塗料組成物)
以下のようにして、各実施例、比較例および各参考例の塗料組成物を調製した。
<実施例1>
結合剤として、60gのバインダ液1(日研株式会社製、セラミカG-92-6:ポリシリコンアルコキシドを主成分とする2液タイプのバインダ液。主剤3に対し硬化剤2の割合で混合し、乾燥固化すると約20重量%の固化物になり、固化物はガラス質で、約20重量%のアルミナを含む。)に対して、フィラーとして、40gの白スラリーB(スラリー濃度50重量%、フィラー分:20g)を加え、約1分間混合して、実施例1の塗料組成物を得た。
<実施例2>
実施例1の白スラリーBに代えて、白スラリーE(スラリー濃度50重量%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の塗料組成物を得た。
<実施例3>
実施例1の40gの白スラリーBに代えて、20gの白スラリーBおよび20gの白スラリーEを併用した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の塗料組成物を得た。
<実施例4>
実施例1の40gの白スラリーBに代えて、20gの白スラリーBおよび20gの溶媒1を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の塗料組成物を得た。
<実施例5>
バインダ液1を60gから50gに変更し、白スラリーBを40gから50gに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の塗料組成物を得た。
<比較例1>
実施例1の白スラリーBに代えて、白スラリーF(スラリー濃度20重量%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の塗料組成物を得た。
<参考例1~5>
実施例1の白スラリーBに代えて、それぞれ、参考例1:白スラリーA(スラリー濃度50重量%)、参考例2:白スラリーC(スラリー濃度50重量%)、参考例3:白スラリーD(スラリー濃度25重量%)、参考例4:白スラリーG(スラリー濃度50重量%)、参考例5:茶スラリー(スラリー濃度50重量%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、参考例1~5の塗料組成物を得た。
[塗膜]
上記実施例1~5、比較例1、参考例1~5で得られた塗料組成物を、基板1、基板2にそれぞれ、スプレー塗装を実施して(塗装ブース内の気温は20℃で湿度は55%)、塗布膜を得た。得られた塗布膜に対して、150℃で30分加熱処理(乾燥処理)を実施して、基板1および基板2の表面に塗膜(トップコート層)を形成した。乾燥処理後におけるトップコート層の算術平均粗さRa2、10点平均高さRz2および膜厚を測定した。
[評価A]
得られたトップコート層について、以下のような評価を行った。評価結果を以下に示す。
トップコート層、(トップコート層形成前の)基板の算術平均粗さRaおよび、10点平均高さRzは、JENOPTIK Industrial Metrology Germany社製の触針式表面粗さ計を用いて測定した。評価結果を下記に示す。
トップコート層の膜厚は、Helmut Fischer社製の電磁式膜厚計を用いて測定した。評価結果を下記に示す。
実施例1:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.29μm、Rz2:1.64μm、Ra2/Ra1:0.29、Rz2/Rz1:0.25、膜厚:9.89μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.20μm、Rz2:1.06μm、Ra2/Ra1:0.27、Rz2/Rz1:0.20、膜厚:9.22μmであった。
実施例2:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.31μm、Rz2:1.65μm、Ra2/Ra1:0.31、Rz2/Rz1:0.25、膜厚:11.17μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.18μm、Rz2:1.31μm、Ra2/Ra1:0.24、Rz2/Rz1:0.25、膜厚:10.52μmであった。
実施例3:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.26μm、Rz2:1.58μm、Ra2/Ra1:0.26、Rz2/Rz1:0.24、膜厚:10.82μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.18μm、Rz2:1.03μm、Ra2/Ra1:0.25、Rz2/Rz1:0.20、膜厚:17.44μmであった。
実施例4:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.40μm、Rz2:2.26μm、Ra2/Ra1:0.39、Rz2/Rz1:0.34、膜厚:6.50μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.17μm、Rz2:1.10μm、Ra2/Ra1:0.24、Rz2/Rz1:0.21、膜厚:4.09μmであった。
実施例5:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.36μm、Rz2:2.03μm、Ra2/Ra1:0.36、Rz2/Rz1:0.31、膜厚:7.33μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.19μm、Rz2:1.18μm、Ra2/Ra1:0.26、Rz2/Rz1:0.23、膜厚:9.09μmであった。
比較例1:基板1上のトップコート層および基板2上のトップコート層は、加熱処理後において塗膜が割れてしまった。Ra2、Rz2および膜厚は測定できなかった。
参考例1:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.51μm、Rz2:3.49μm、Ra2/Ra1:0.51、Rz2/Rz1:0.53、膜厚:11.53μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.39μm、Rz2:2.66μm、Ra2/Ra1:0.55、Rz2/Rz1:0.51、膜厚:11.53μmであった。
参考例2:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.53μm、Rz2:4.15μm、Ra2/Ra1:0.53、Rz2/Rz1:0.63、膜厚:18.97μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.44μm、Rz2:3.42μm、Ra2/Ra1:0.61、Rz2/Rz1:0.65、膜厚:18.97μmであった。
参考例3:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.59μm、Rz2:3.05μm、Ra2/Ra1:0.59、Rz2/Rz1:0.46、膜厚:14.97μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.34μm、Rz2:1.75μm、Ra2/Ra1:0.48、Rz2/Rz1:0.33、膜厚:14.97μmであった。
参考例4:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.61μm、Rz2:4.03μm、Ra2/Ra1:0.60、Rz2/Rz1:0.61、膜厚:9.39μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.33μm、Rz2:1.78μm、Ra2/Ra1:0.46、Rz2/Rz1:0.34、膜厚:22.89μmであった。
参考例5:基板1上のトップコート層において、Ra2:0.49μm、Rz2:2.98μm、Ra2/Ra1:0.48、Rz2/Rz1:0.45、膜厚:18.20μmであり、基板2上のトップコート層において、Ra2:0.35μm、Rz2:2.37μm、Ra2/Ra1:0.49、Rz2/Rz1:0.45、膜厚:18.20μmであった。
実施例1~5の塗料組成物からなる塗膜(トップコート層)については、基板1および基板2のいずれにおいても、参考例1~5と比べて優れた表面平滑性を示し、また、高温で長時間加熱処理した後も塗膜割れが生じないことから、優れた耐熱性を有することが分かった。このような実施例の塗料組成物は圧縮機の効率を高められるため圧縮機用途に適することが分かった。また、実施例1~5の塗膜(トップコート層)は、変色やむらも生じていなかった。
一方、比較例1の塗料組成物からなる塗膜(トップコート層)については、基板1および基板2のいずれにおいても、塗膜割れが生じたことから耐熱性が低いことが判明した。
[評価B:耐熱性試験]
以下の塗料組成物を準備した。
<実施例6>
上記実施例2と同様にして、実施例6の塗料組成物を得た。
<比較例2>
白スラリーE(スラリー濃度50重量%)を使用しない以外は、実施例2と同様にして、フィラーを含有しない比較例2の塗料組成物を得た。
<比較例3>
上記参考例2と同様にして、比較例3の塗料組成物を得た。
上記実施例6、比較例2で得られた塗料組成物を、基板3に、スプレー塗装を実施して(塗装ブース内の気温は20℃で湿度は55%)、塗布膜を得た。得られた塗布膜に対して、150℃で30分加熱処理(乾燥処理)を実施して、基板3の表面に塗膜(トップコート層)を形成し、各々の評価用サンプルを作製した。塗装前の基板3の表面の算術平均粗さRa1、10点平均高さRz1、乾燥処理後におけるトップコート層の算術平均粗さRa2、10点平均高さRz2、および膜厚を測定した。
なお、実施例6と比較例2の基板3のブラスト処理は同じ条件で行い、比較例3の基板3のブラスト処理は、より粗くなる条件で行った。
測定結果は以下のとおり。
・実施例6:Ra1:0.50μm、Rz1:3.63μm、Ra2:0.15μm、Rz2:0.91μm、Ra2/Ra1:0.30、Rz2/Rz1:0.25、膜厚:12.84μm
・比較例2:Ra1:0.50μm、Rz1:3.63μm、Ra2:0.50μm、Rz2:2.41μm、Ra2/Ra1:0.99、Rz2/Rz1:0.66、膜厚:9.82μm
・比較例3:Ra1:0.71μm、Rz1:5.38μm、Ra2:0.53μm、Rz2:3.42μm、Ra2/Ra1:0.74、Rz2/Rz1:0.64、膜厚:18.97μm
続いて、高耐熱用の循環炉に、得られた評価用サンプルを入れ、550℃、100時間(高温・長時間加熱処理)で加熱した。高温・長時間加熱処理後における評価サンプルのそれぞれについて、トップコート層の算術平均粗さRa3、10点平均高さRz3を測定した。
測定結果は以下のとおり。
・実施例6:Ra3:0.16μm、Rz3:1.13μm、Ra3/Ra1:0.32、Rz3/Rz1:0.31
・比較例2:Ra3:0.73μm、Rz3:4.69μm、Ra3/Ra1:1.45、Rz3/Rz1:1.29
・比較例3:Ra3:測定不能、Rz3:測定不能
実施例6の塗料組成物からなる塗膜(トップコート層)については、基板3においても優れた表面平滑性を示し、比較例2、3と比べて、高温・長時間加熱処理後も表面平滑性に優れることが分かった。実施例6の塗料組成物を塗膜に用いることにより、比較例2、3と比べて、|Ra3/Ra1-Ra2/Ra1|や|Rz3/Rz1-Rz2/Rz1|で表される表面平滑指数の上昇度合いが低減される、すなわち、高温・長時間加熱処理後におけるトップコート層の表面粗さの上昇を抑制できることが分かった。
また、高温・長時間加熱処理後の塗膜を外観観察した。結果は次の通りである。実施例6では、塗膜に光沢がありクラックは観察されず、良好な表面平滑性を示した。一方、比較例2では、塗膜にクラックは観察されないものの、光沢はなく、表面平滑性も十分ではなかった。また、比較例3では、塗膜の全面に割れや剥離が生じていたため、RaやRzは測定できなかった。
以上より、実施例の塗料組成物は圧縮機の効率を高められるため圧縮機用途に適することが分かった。
以上、実施形態および実施例に基づいて本発明を具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 基板
20 トップコート層
30 ベース層

Claims (17)

  1. 基板の表面にトップコート層を形成するために用いる塗料組成物であって、
    結合剤およびフィラーを含み、
    前記結合剤が、金属アルコキシドを含み、
    前記フィラーが、粒径が0.1μm以上5μm以下の球状アルミナを含み、
    前記基板が金属基板またはセラミック基板とし、前記基板の表面粗さをRa1とし、前記基板の表面に形成された当該塗料組成物からなる塗膜の表面粗さをRa2とし、Ra1が0.4μm以上2.5μm以下とし、前記塗膜の膜厚が1μm以上50μm以下としたとき、
    Ra2/Ra1が0.4以下である、塗料組成物。
  2. 請求項1に記載の塗料組成物であって、
    前記Ra2が0.40μm以下である、塗料組成物。
  3. 請求項1または2に記載の塗料組成物であって、
    前記基板の最大高さをRz1とし、前記基板の表面に形成された当該塗料組成物からなる塗膜の最大高さをRz2としたとき、
    Rz2/Rz1が0.5以下である、塗料組成物。
  4. 請求項3に記載の塗料組成物であって、
    前記Rz2が3μm以下である、塗料組成物。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の塗料組成物であって、
    沸点が220℃以下の溶媒をさらに含む、塗料組成物。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の塗料組成物であって、
    前記基板の表面には、防食皮膜またはブラスト処理面が形成されている、塗料組成物。
  7. 請求項に記載の塗料組成物であって、
    前記防食皮膜はアルミニウムを含む、塗料組成物。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の塗料組成物であって、
    圧縮機に用いられる、塗料組成物。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の塗料組成物からなる塗膜。
  10. 請求項に記載の塗膜であって、
    当該塗膜の膜厚が1μm以上50μm以下である、塗膜。
  11. 請求項または10に記載の塗膜を備える、圧縮機。
  12. 基板の表面にトップコート層を形成するための施工方法であって、
    請求項1からのいずれか1項に記載の塗料組成物からなる塗膜を前記基板の表面に形成する塗膜形成工程を含む、施工方法。
  13. 請求項12に記載の施工方法であって、
    前記塗膜形成工程は、スプレーにより塗料組成物を前記基板に塗布する工程を含む、施工方法。
  14. 請求項12または13に記載の施工方法であって、
    220℃以下の温度で前記塗膜を加熱乾燥する工程をさらに含む、施工方法。
  15. 請求項12から14のいずれか1項に記載の施工方法であって、
    前記基板が、圧縮機のブレードである、施工方法。
  16. 請求項15に記載の施工方法であって、
    前記圧縮機が、ガスタービンである、施工方法。
  17. ガスタービンの圧縮機のブレードの表面を洗浄する工程と、
    前記ブレードの表面に、トップコート層として、請求項1からのいずれか1項に記載の塗料組成物からなる塗膜を形成する工程と、を含む、補修方法。
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