JP7074949B2 - パンクシーリング剤 - Google Patents

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Description

本発明は、パンクしたタイヤをシールする際に使用されるパンクシーリング剤に関する。
近年、自動車の標準またはオプションの装備品として、パンクシーリング剤と小型のコンプレッサー等とがセットとなったパンク修理キットなどが導入されている。
用いるパンクシーリング剤は、温暖地から寒冷地でも使用できるように低温下から高温下まで問題なく使用できる必要性がある。
これまでのパンクシーリング剤としては、例えば、1)ゴムラテックスと、1,3-プロパンジオールを含み、液体成分における1,3-プロパンジオールの比率が55~61質量%であるタイヤのパンクシーリング剤(例えば、特許文献1参照)、2)ゴムラテックス、テルペン系樹脂やロジン系樹脂などの粘着剤、凍結防止剤、及び、溶解パラメーターが15以上のジオール(エチレングリコール等)と溶解パラメーターが14以下のジオール(プロピレングリコール等)を構成単位とする界面活性剤とを含むタイヤ用パンクシーリング剤(例えば、特許文献2参照)、3)ゴムラテックス、軟化点85℃以上のロジン系樹脂、1,3-プロパンジオール及びノニオン性界面活性剤を含むタイヤのパンクシーリング剤(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
上記特許文献1~3において、合成ゴムラテックスを用いたパンクシーリング剤では、低温下での補修性が劣るため、テルペン系樹脂やロジン系樹脂などの粘着剤を含有することが一般的であった。
しかしながら、テルペン系樹脂やロジン系樹脂などの粘着剤の量がパンクシーリング剤中に増えると、低温下での補修性は良好となるが、低温安定性が低下し、未だ低温補修性と低温安定性とを高度に両立できないという課題を有し、パンクシール性能の更なる向上も切望されているのが現状であった。
特開2014-40505号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2015-30761号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2015-98538号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状について、これを解消しようとするものであり、低温補修性と低温安定性とを高度に両立すると共に、パンクシール性にも優れたタイヤパンクシール剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、合成ゴムラテックスを少なくとも含有するパンクシーリング剤において、粘着剤含有量を特定値未満とし、更に、-25℃におけるゲル化率を特定値以上とすることにより、上記目的のパンクシーリング剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明のパンクシーリング剤は、合成ゴムラテックスを含有するパンクシーリング剤であって、該パンクシーリング剤は、粘着剤含有量2質量%未満であり、JIS-K6387-1:2011に準拠するマロン機械的安定性試験で、-25℃におけるゲル化率が0.05%以上であることを特徴とする。
この構成により、低温補修性と低温安定性とが高度に両立すると共に、パンクシール性にも優れたタイヤパンクシール剤が得られることとなる。
前記パンクシーリング剤は、粘着剤を含まないことが好ましい。
前記パンクシーリング剤には、2種類以上の乳化剤をさらに含むことが好ましい。
前記乳化剤は、オレイン酸又はその塩と、該オレイン酸又はその塩より高い融点を有する乳化剤1種類以上とからなることが好ましい。
前記オレイン酸又はその塩より高い融点を有する乳化剤は、ステアリン酸又はその塩と、エライジン酸又はその塩の少なくとも1種類を含むことが好ましい。
前記オレイン酸の含有量が乳化剤全量に対して25質量%以上であることが好ましく、また、50質量%以下であることが望ましい。
前記合成ゴムラテックスは、SBRラテックス、NBRラテックス、MBRラテックス、BRラテックス、カルボキシル変性NBRラテックス、及びカルボキシル変性SBRラテックスからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特に、SBRラテックスであることが好ましい。
本発明によれば、低温補修性と低温安定性とを高度に両立すると共に、パンクシール性にも優れたパンクシーリング剤が提供される。
以下に、本発明について、その実施形態を例示して具体的に説明する。
本発明のパンクシーリング剤は、合成ゴムラテックスを含有するパンクシーリング剤であって、該パンクシーリング剤は、粘着剤含有量2質量%未満であり、JIS-K6387-1:2011に準拠するマロン機械的安定性試験で、-25℃におけるゲル化率が0.05%以上であることを特徴とするものである。
本発明に用いる合成ゴムラテックスとしては、種々の合成ゴムラテックスを使用することができ、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)ラテックス、NBR(ニトリルゴム)ラテックス、MBR(ブタジエン・メタクリル酸共重合ゴム)ラテックス、BR(ポリブタジエンゴム)ラテックス、IIR(ブチルゴム)ラテックス、CR(クロロプレン)ラテックス、IR(イソプレン)ラテックス、カルボキシ変性NBRラテックス、カルボキシ変性SBRラテックス、ビニルピリジンラテックス、及び多硫化ゴムラテックス等が挙げられる。
好ましくは、より良好なシール性を確保する観点から、SBRラテックス、NBRラテックス、MBRラテックス、BRラテックス、カルボキシル変性NBRラテックス、及びカルボキシル変性SBRラテックスからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特に、SBRラテックスであることが好ましい。
これらの合成ゴムラテックスの含有量は、シール保持性能の点から、パンクシーリング剤全量に対して、固形分濃度で、5~30質量%の範囲とすることが好ましい。
本発明のパンクシーリング剤においては、本発明の効果を損なわない範囲で、上記合成ゴムラテックスの他に、NR(天然ゴム)ラテックスや合成樹脂ラテックス等の合成ゴムラテックス以外のラテックスを併用してもよいが、合成ゴムラテックスのみの使用の方が好ましい。
本発明において、低温安定性を損なうことなく、低温補修性を良好とする点から、粘着剤含有量はパンクシーリング剤全量に対して、固形分濃度で、2質量%未満とすることが必要であり、好ましくは、1質量%以下、特に好ましくは、粘着剤を含有しないことが望ましい。なお、本発明において「粘着剤を含有しないこと」とは、粘着剤の含有量が0.01質量%以下をいう。
用いることができる粘着剤としては、例えば、天然樹脂、変性ロジン及び変性ロジンの誘導体、テルペン系樹脂及びテルペン変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、及びビニルトルエン-αメチルスチレン共重合体を挙げることができる。
天然樹脂としては、ロジン、ダンマル等が挙げられる。変性ロジン及び変性ロジンの誘導体としては、重合ロジン(例えば、ロジン酸エステル樹脂等)、部分水添ロジン等が挙げられる。テルペン系樹脂及びテルペン変性体としては、ピネン、α-ピネンフェノール樹脂、ジペンテンフェノール樹脂、テルペンビスフェノール樹脂等のテルペンフェノール樹脂、またはこれらを水素添化したものなどが挙げられる。脂肪族系炭化水素樹脂としては、オレフィン、オレフィン重合体等が挙げられる。また、樹脂系粘着剤としては、アクリル系粘着剤、水溶性粘着剤等を用いることもできる。
これらの粘着剤は、上記範囲(0≦粘着剤含有量<2質量%)で用いられる。
本発明のパンクシーリング剤には、凍結防止剤を含有することが好ましい。
用いることができる凍結防止剤としては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール等を使用することができる。
これらの凍結防止剤の含有量は、パンクシーリング剤全量に対して、10~50質量%であることが好ましく、20~50質量%であることがより好ましく、30~50質量%であることが更に好ましい。この凍結防止剤の含有量を10質量%以上とすることにより、低温での凍結防止性を十分なものとし、50質量以下とすることにより、合成ゴムラテックス量に対して、グリコール類などの凍結防止剤が好適量となるため、十分なシール特性が得られることとなる。
本発明のパンクシーリング剤には、本発明の効果を更に発揮せしめるために、2種類以上の乳化剤をさらに含むことが好ましい。
用いることができる乳化剤としては、ラテックスとの相溶性の点から、オレイン酸又はその塩(例えば、アルカリ金属塩等、以下同様)と、該オレイン酸又はその塩より高い融点を有する乳化剤1種類以上とからなることが好ましい。
前記オレイン酸又はその塩より高い融点を有する乳化剤としては、例えば、ステアリン酸又はその塩と、エライジン酸又はその塩、ラウリン酸又はその塩、ミリスチン酸又はその塩、パルミチン酸又はその塩、パルミチン酸又はその塩などが挙げられ、好ましくは、低温補修性能の点から、ステアリン酸又はその塩と、エライジン酸又はその塩の少なくとも1種類を含むことが更に好ましい。
上記各乳化剤において、オレイン酸の融点は13~14℃、ステアリン酸の融点は67~72℃、エライジン酸の融点は43~47℃、ラウリン酸の融点は44~46℃、ミリスチン酸の融点は52~54℃、パルミチン酸の融点は58~62℃である。
これらの乳化剤の含有量は、パンクシーリング剤全量に対して、1~15質量%であることが好ましく、1~10質量%であることがより好ましく、1~5質量%であることが更に好ましい。
この乳化剤の含有量を1質量%以上とすることにより、低温補修性能を確保することができ、一方、15%質量以下とすることにより、低温安定性の確保が可能となる。
特に好ましくは、低温補修性能の点、低温安定性の点から、前記オレイン酸の含有量が乳化剤全量に対して25質量%以上であることが好ましく、50質量%以下であることが望ましい。
オレイン酸以外の乳化剤としては、特に、ステアリン酸と、エライジン酸を用いることが好ましく、その含有量は、全乳化剤全量に対して、ステアリン酸が25質量%以上50質量%以下が好ましく、エライジン酸が10質量%以上30質量%以下が好ましい。
本発明のパンクシーリング剤では、更に希薄化のために、水(精製水、蒸留水、水道水、純水、超純水など)を含有させることができる。さらに本発明のパンクシーリング剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の分散剤、発泡安定剤、又はアンモニア、苛性ソーダ等のpH調整剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤などを添加してもよい。
本発明のパンクシーリング剤では、パンクシーリング性を良好とし、本発明の効果の発揮せしめる点から、JIS-K6387-1:2011に準拠するマロン機械的安定性試験で、-25℃におけるゲル化率が0.05%以上となることが必要であり、好ましくは、0.07%以上、更に好ましくは、0.07~0.45%とすることが望ましい。なお、タイヤへの注入性確保の点から、上限は1%以下が望ましい。
本発明では、前記ゲル化率を0.05%以上とすることにより、パンクシーリング性を向上させている。本発明のパンクシーリング剤を用いたタイヤのパンク補修メカニズムを詳述すると、タイヤのパンク穴はタイヤの回転により開閉を繰り返し、閉じたときにパンク穴壁面に大きなシェアがかかり、このシェアにより、パンク穴内にある補修液が凝固して、凝固した合成ゴムラテックスがパンク穴につまり、補修が完了する。この現象は、合成ゴムラテックスに機械的安定性を与えるという現象である。具体的には、通常の合成ゴムラテックスは、ゴムラテックス粒子の周りを取り囲んでいる乳化剤の負の電荷同士の反発力により安定している。この反発力よりも大きな力を与えると粒子同士が着接することにより、ゴムラテックスが凝固する。タイヤ補修においては、上記現象による凝固物が出やすいほど、すなわち、機械的安定性の低いパンクシーリング剤ほどシール性能が高い。この機械的安定性の尺度であるマロン機械的安定性試験による合成ゴムラテックスのゲル化率と、タイヤ補修に必要な走行距離は高い相関関係をもつ。つまり、マロン式機械的安定性試験による機械安定性が低いパンクシーリング剤ほど、パンク穴のシール速度が速い。即ち、本発明においては、ゲル化率が0.05%以上とすることにより、パンクシーリング性を高めている。
本発明(後述する実施例等を含む)において、ゲル化率は、JIS-K6387-1:2011に準拠するマロン機械的安定性試験において、以下の測定条件により測定された値である。
(測定条件)
マロン機械的安定性試験機:型式PM9302MT、テスター産業社製
パンクシーリング剤量:100(g)
荷重:30kgf
ローター回転数:1000rpm、時間:5分
-25℃のゲル化率測定:試験開始2.5分経過時の液温が-25℃になる様に、ベッセルおよびシーリング剤を冷却して測定を行う。
本発明において、上記ゲル化率を0.05%以上とするには、用いる合成ゴムラテックス種、粘着剤種及びその含有量(0≦粘着剤含有量<2質量%)、好ましく用いる凍結防止剤、乳化剤、水などを好適にコントロールすることにより行うことができる。
本発明のパンクシーリング剤においては、ゲル化率が0.05%以上とすることにより、パンク穴を確実にシールすることができ、また、ゲル化率が1%以下とすることにより、長期保存時に安定性、タイヤへの注入性を良好とすることができることとなる。
このように構成される本発明のパンクシーリング剤が、何故、低温補修性と低温安定性とを高度に両立せしめ、パンクシール性にも優れたものとなるかは、以下のように推測される。
本発明では、合成ゴムテックスを含有すると共に、粘着剤含有量を2質量%未満とすることにより、低温安定性を損なうことなく、低温補修性を良好とし、かつ、JIS-K6387-1:2011に準拠するマロン機械的安定性試験で、-25℃におけるゲル化率を0.05%以上とすることにより、パンクシール性を向上させることができ、これにより本発明の効果を発揮できるものとなる。
本発明では、更に2種類以上の乳化剤を含有すること、好ましくは、オレイン酸又はその塩と、該オレイン酸塩又はその塩より高い融点を有する乳化剤1種類以上、特に、ステアリン酸又はその塩と、エライジン酸又はその塩の少なくとも1種類を含むことにより、低温補修性と低温安定性とを更に高度に両立せしめ、パンクシール性にも更に優れたパンクシーリング剤が得られることとなる。
本発明のパンクシーリング剤によるパンクの修理方法としては、公知の方法を適用することができる。例えば、自動車用タイヤでは、パンクシーリング剤が充填された容器を自動車用タイヤのバルブ口に差し込み、適量を注入する。その後、パンクシーリング剤がタイヤ内面に広がりパンク穴をシールできるようにタイヤを回転させればよい。
また、本発明のパンクシーリング剤は、種々の空気入りタイヤのパンク修理に適用することができる。自動車用タイヤ以外では、例えば、二輪車用タイヤ、一輪車用タイヤ、車いす用タイヤ、農地作業や庭園作業に使用する車両用タイヤ等が挙げられる。
以上の本発明のパンクシーリング剤そのものは、種々のポンプアップ装置、例えば、燃料ガスとしてプロパン・ブタン混合ガスを含むスプレー缶を用いてタイヤの内部に導入されてタイヤを再膨張させることができる。
次に、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
〔実施例1~9及び比較例1~3〕
下記表1に示す材料〔SBRラテックス:100質量部、プロピレングリコール+水:120質量部、粘着剤(質量%)、乳化剤(質量部)〕をそれぞれに示す比率になるように混合して、実施例1~9及び比較例1~3に係るパンクシーリング剤を調製した。
表1中に、プロピレングリコールの含有量については、SBRラテックス100質量部に対する含有量(質量部)と、パンクシーリング剤全量に対する含有量(質量%)を、粘着剤(固形分濃度)の含有量についてはパンクシーリング剤全量に対する含有量(質量%)を、乳化剤の含有量については、SBRラテックス100質量部に対する含有量(質量部)と、パンクシーリング剤全量に対する含有量(質量%)をそれぞれ記載した。
得られた各パンクシーリング剤について、上述の測定条件により、低温補修性の指標となる-25℃のゲル化率(%)を算出し、下記評価方法により、安定性、パンクシール性を評価した。
これらの評価結果等を下記表1に示す。
(安定性の評価方法)
得られた各パンクシーリング剤を、蓋付き視認性を有する収容容器に入れ、-5℃の恒温槽にて28日間保存し、振動試験機(FLK-L180-E、アズワン社製)を用いて、振動条件:2Hz、振幅幅:20mmにて振動させ、ゲル化物が存在するか否かを目視にて、下記評価基準で官能評価した。
評価基準:
◎:容器にゲルの固着がない。
○:容器に少しゲルが固着している。
△:容器にゲルが固着している。
×:容器に大量のゲルが固着している。
(パンクシール性の評価方法)
195/65R15のタイヤにφ2.6mmのドリル穴をあけ、調製した各パンクシーリング剤を450ml注入して、タイヤ内圧0.2MPaまで昇圧して車に装着した。その後、60km/h以下で車を走行させ、下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:3km以内で内圧低下が0になり完全硬化したもの
○:5km走行後に内圧低下が0になり完全硬化したもの
△:10km以上走行後に内圧低下が0になり完全硬化したもの
×:内圧が低下し、修理部分から空気漏れがあると判断されるもの
Figure 0007074949000001
上記表1の結果から明らかなように、本発明となる実施例1~9のパンクシーリング剤は、低温補修性、安定製及びパンクシール性のいずれも良好な結果が得られたのに対し、比較例1~3のパンクシーリング剤は、低温補修性、安定製及びパンクシール性の少なくとも一つが不良であることが確認された。
個別的に見ると、実施例1~3及び6~9は、粘着剤を含有せず(0.01質量%以下)、乳化剤中の各脂肪酸量(比率)を変動させたものであり、実施例4,5は実施例1に対応して粘着剤を変動(本発明の所定の範囲まで含有)した場合であり、これらの場合、本発明の効果を発揮できることが判る。一方、比較例1~3をみると、比較例1(実施例1、4、5対比)では、粘着剤(固形分濃度)が3質量%を含有するものであり、また、比較例2,3はマロン機械的安定性試験における、-25℃のゲル化率が0.05%未満のため、本発明の効果が発揮できないものであった。
自動車用タイヤ、二輪車用タイヤ、一輪車用タイヤ、車いす用タイヤ、農地作業や庭園作業に使用する車両用タイヤなどの空気入りタイヤのパンク修理に適用することができるパンクシーリング剤が得られるものとなる。

Claims (7)

  1. 合成ゴムラテックスと、2種類以上の乳化剤を含有すると共に、粘着剤を含まず、JIS-K6387-1:2011に準拠するマロン機械的安定性試験で、-25℃におけるゲル化率が0.05%以上であることを特徴とするパンクシーリング剤であって、
    前記2種類以上の乳化剤は、オレイン酸又はその塩と、該オレイン酸又はその塩より高い融点を有する乳化剤1種類以上とからなることを特徴とするパンクシーリング剤。
  2. 前記オレイン酸又はその塩より高い融点を有する乳化剤は、ステアリン酸又はその塩と、エライジン酸又はその塩の少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1に記載のパンクシーリング剤。
  3. 前記オレイン酸の含有量が乳化剤全量に対して25質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパンクシーリング剤。
  4. 前記オレイン酸の含有量が乳化剤全量に対して50質量%以下であることを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載のパンクシーリング剤。
  5. 凍結防止剤をパンクシーリング剤全量に対して、30~50質量%含有することを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載のパンクシーリング剤。
  6. 前記合成ゴムラテックスは、SBRラテックス、NBRラテックス、MBRラテックス、BRラテックス、カルボキシル変性NBRラテックス、及びカルボキシル変性SBRラテックスからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~5の何れか一つに記載のパンクシーリング剤。
  7. 前記合成ゴムラテックスは、SBRラテックスであることを特徴とする請求項1~6の何れか一つに記載のパンクシーリング剤。
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