JP7074518B2 - 正浸透水処理システム - Google Patents
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Description
希釈されたドロー溶液である前記希釈ドロー溶液から前記反応物質を分離除去し、前記極性変換材料の水溶性を変化させる工程と、
水溶性が変化した前記極性変換材料を、抽出溶媒である非水溶性溶媒に抽出することにより、前記希釈ドロー溶液を、前記極性変換材料が非水溶性溶媒に溶解してなる第1相と、前記希釈ドロー溶液から前記極性変換材料と前記反応物質とが分離除去された処理水の第2相とに分離する第1の抽出工程と、
前記第1の抽出工程で生成した前記第2相である処理水を回収する工程と
を含む正浸透水処理方法が提供される。
その実施形態に係る洗浄システムは、洗浄液として、水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して水に溶解している水溶液を使用し、非水溶性溶媒を収容したユニットを具備する。
実施形態に係る界面活性剤水溶液の製造方法において、界面活性剤水溶液は、水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して水に溶解している水溶液であり、
上記極性変換材料が非水溶性溶媒に溶解してなる非水溶性溶媒相と、水相とから構成される系に、上記反応物質を接触させることにより、上記極性変換材料を上記非水溶性溶媒相から上記水相に抽出することを含む。
本実施形態に係る正浸透水処理システムは、正浸透膜を具備する正浸透水処理システムであって、ドロー溶液が水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と、酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して溶解している水溶液であり、非水溶性溶媒を収容したユニットを更に具備する正浸透水処理システムである。一つの態様において、上記ドロー溶液に含まれる上記極性変換材料は、上記ユニットにおいて上記ドロー溶液から上記非水溶性溶媒に抽出される。
このような正浸透水処理システムにおいて実施され得る正浸透水処理方法は、1つの実施形態において、第1面と第2面を有する正浸透膜において、第1面を被処理水に接触させると共に、第2面を、水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して水に溶解しているドロー溶液に接触させることで、被処理水に含まれる水を、正浸透膜を通して第1面から第2面に移動させ、ドロー溶液を希釈する正浸透工程と、希釈されたドロー溶液である希釈ドロー溶液から上記反応物質を分離し、上記極性変換材料の水溶性を変化させる工程と、水溶性が変化した前記極性変換材料を、抽出溶媒である非水溶性溶媒に抽出することにより、上記希釈ドロー溶液を、上記極性変換材料が非水溶性溶媒に溶解してなる第1相と、上記希釈ドロー溶液から上記極性変換材料と上記反応物質とが分離除去された処理水の第2相とに分離する第1の抽出工程と、第1の抽出工程で生成した第2相である処理水を回収する工程と、を含む。
・CO2と塩を形成していない形態(以下において、「元の形態」ということがある。)では油溶性であり、
・CO2と反応して塩を形成することにより、分子全体の水溶性が著しく増加し、CO2が分離されることにより、水溶性が著しく減少して元の油溶性に戻る物質(あるいは、CO2と反応して塩を形成することにより、油溶性が著しく減少し、CO2が分離されることにより、元の油溶性に戻る物質)をいう。
(ii)非水溶性溶媒に極性変換材料が溶解している非水溶性溶媒相と、水からなる水相の2相の系において、CO2を接触させることにより、極性変換材料がCO2と塩を形成して水溶解度が増加し、その大半が上記非水溶性溶媒相から上記水相に移動すること。
・水との接触により固体になり(一部が水に溶解するものを含む)、当該固体がCO2と反応性せず塩を形成しない特性を有するものであっても、極性変換材料として使用可能である。第1の抽出工程で生成する第1相の非水溶性溶媒溶液の形態で水に接触させることにより、固体の発生を抑制することができる。
・CO2との接触により、界面活性剤のような挙動を示し、発泡する特性を有するものであっても、極性変換材料として使用可能である。第1の抽出工程で生成する第1相の非水溶性溶媒溶液の形態でCO2に接触させることにより、発泡を抑制することができる。
R1及びR2により表されるアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~3のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
R11、R12、R13及びR14により表されるアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~3のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
例えば、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチル-n-オクチルアミンのように、SW材料として既に公知の有機アミン化合物は使用することが可能である。
更に、例えば、N,N’-ジイソプロピルエチレンジアミンのように、水溶解度が高く、従来の正浸透水処理技術では使用できなかった有機アミン化合物も使用することが可能である。
更に、例えば、N,N-ジメチル-n-オクタデシルアミンのように、CO2のバブリングにより発泡性を示すため、従来の正浸透水処理技術では使用できなかった有機アミン化合物も使用することが可能である。
尚、後掲の実験例2で実証している通り、有機アミン化合物のCO2に対する反応速度は、有機アミン化合物単独の場合に比べ、非水溶性溶媒に溶解させた状態における方が早いことが新たに判明している。したがって、実施形態に係る正浸透水処理技術によれば、従来よりも効率的に正浸透水処理作業を行うことが可能となる。
図1に、実施形態に係る正浸透水処理システムの構成の一例を示す。正浸透水処理システム100は、浸透圧発生器1と、分離ユニット2と、ドロー溶液供給ユニットと、非水溶性溶媒供給ユニットとを備える。
ドロー溶液再生塔3は、抽出溶媒として水を収容した第2の抽出器(図示せず)を備えている。第2の抽出器には、反応物質接触装置(図示せず)が備えられている。反応物質がCO2であるとき、反応物質接触装置はCO2接触装置である。ドロー溶液再生塔3は、第2のチャンバ14が位置する第1の処理容器11に第4配管101fを通して接続されている。第3のポンプ18は、第4配管101fに設けられている。
第1のポンプ16を駆動して被処理水を被処理水タンク15から浸透圧発生器1の第1のチャンバ13内に配管101aを通して供給する。被処理水の供給と前後して、第3のポンプ18を駆動してドロー溶液を、ドロー溶液再生塔3から正浸透水発生器1の第2のチャンバ14内に第4配管101fを通して供給する。第2のチャンバに供給されるドロー溶液は、第1のチャンバ13に供給される被処理水に比べて高い浸透圧を有する。このため、第1のチャンバ13内の非処理水と第2のチャンバ14内のドロー溶液との間で浸透圧差が生じ、第1のチャンバ13内の被処理水中の水が正浸透膜12を透過して第2のチャンバ14内に移動する。
分離ユニット2は、第2のチャンバ14から第1配管101cを通して供給される希釈ドロー溶液から、反応物質及び極性変換材料を分離し、水を回収するためのユニットであり、反応物質分離器(図示せず)と、第1の抽出器(図示せず)とを備えている。第1の抽出器には、抽出溶媒として非水溶性溶媒が収容されている。反応物質分離器は、第1の抽出器に備えられていてもよい。ここで、抽出溶媒としての非水溶性溶媒は、上述した通り、20℃での水溶解度が0.1g/L以下である溶媒をいう。非水溶性溶媒として、好ましくは炭素数6~12の炭化水素であり、ヘキサン又はデカンであることがより好ましく、デカンであることが更に好ましい。
ドロー溶液供給ユニットは、分離ユニット2が備える第1の抽出器(図示せず)で生成した第1相の非水溶性溶媒溶液から極性変換材料を分離回収し、分離回収した極性変換材料を再利用してドロー溶液を調製し、浸透圧発生器1の第2のチャンバ14に再生したドロー溶液を供給するためのユニットである。
非水溶性溶媒供給ユニットは、分離ユニット2が備える第1の抽出器(図示せず)で生成した第1相である非水溶性溶媒溶液から、極性変換材料を分離除去することにより非水溶性溶媒を再生して回収し、回収した非水溶性溶媒を上述した第2の抽出工程において抽出溶媒として再利用するユニットである。
油分の付着した被洗浄物が配置される洗浄槽と、上記洗浄槽に設けられ、水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して水に溶解している洗浄液を供給する洗浄液供給器と、を備えた洗浄室と、
上記洗浄室から排出される洗浄廃液から上記極性変換材料と上記反応物質とを分離する分離ユニットであって、
上記洗浄廃液から上記反応物質を分離除去する反応物質分離器と、
抽出溶媒として非水溶性溶媒を収容する第1の抽出器であって、上記洗浄廃液からの上記反応物質の分離除去により水溶性が変化した上記極性変換材料を、上記非水溶性溶媒に抽出することにより、上記極性変換材料が上記非水溶性溶媒に溶解してなる第1相と、上記洗浄廃液から上記極性変換材料と上記反応物質とが分離除去された処理水の第2相とを生成する第1の抽出器と、
を備える分離ユニットと、
上記洗浄室に上記洗浄液を供給する洗浄液供給ユニットと、
上記分離ユニットに抽出溶媒である上記非水溶性溶媒を供給する非水溶性溶媒供給ユニットと、を備える。
図2は、実施形態に係る洗浄システムの構成の一例を示す。洗浄システム200は、洗浄室31と、洗浄廃液回収タンク32と、分離ユニット33と、洗浄液再生塔34と、非水溶性溶媒浄化装置35と、非水溶性溶媒貯留槽36とを備える。
分離ユニット33は、洗浄廃液回収タンク32に配管201bを通して接続されている。ポンプ41は、配管201bに設けられている。分離ユニット33は、反応物質分離器(図示せず)と、第1の抽出器(図示せず)とを備え、第1の抽出器には、抽出溶媒として非水溶性溶媒が収容されている。反応物質分離器は、第1の抽出器に備えられていてもよい。反応物質がCO2であるとき、反応物質分離器(CO2分離器)は温度調節器である。第1の抽出器で生成した極性変換材料が非水溶性溶媒に溶解してなる非水溶性溶媒溶液(第1相)は、配管201dを通して洗浄液再生塔34に送出され、処理水(第2相)は、配管201cから排出される。
非水溶性溶媒貯留槽36は、配管201gを通して非水溶性溶媒浄化装置35に接続されている。ポンプ45は、配管201gに設けられている。また、非水溶性溶媒貯留槽36は、配管201hを通して洗浄廃液回収タンク32に接続されている。
非水溶性溶媒浄化装置35で再生された非水溶性溶媒は、配管201gを通して非水溶性溶媒貯留槽36に送出され保管される。
非水溶性溶媒貯留槽36内で保管された非水溶性溶媒は、配管201hを通して分離ユニット33に供給され、抽出溶媒として再利用される。
すなわち、実施形態に係る界面活性剤水溶液の製造方法が提供される。ここで、界面活性剤は、水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して水に溶解している水溶液であり、上記極性変換材料が非水溶性溶媒に溶解してなる非水溶性溶媒相と、水相とから構成される系に、上記反応物質を接触させることにより、上記極性変換材料を上記非水溶性溶媒相から上記水相に抽出することを含む。
本実験例では、N,N’-ジイソプロピルエチレンジアミンについて、極性変換材料としての適性を有し、ドロー溶液として使用可能であるか(すなわち、DS性能)を評価した。
2gの水に、1gのN,N’-ジイソプロピルエチレンジアミンを添加した。数分間室温で静置した後、水相を全有機(Total Organic Carbon;TOC)分析した。TOC分析は、TOC装置(TOC-J/島津製作所製)を用いて行った。その結果、N,N-ジイソプロピルエチレンジアミンは、水相だけに接触させると、添加量に対し100質量%が水相に溶解していることがわかった。
上記と同じ系、すなわち、2gの水に1gのN,N’-ジイソプロピルエチレンジアミンを添加した系に、更に2gのデカンを添加した。数分間室温で静置した後、上記と同様に、水相をTOC分析した。その結果、N,N-ジイソプロピルエチレンジアミンは、添加量に対し77.2質量%が水相からデカン相に移動していることがわかった。
更に、この系にCO2をバブリングしたところ、N,N-ジイソプロピルエチレンジアミンがデカン相から水相に移動し、デカン容積が添加した元の容積にもどっていることが確認された。CO2のバブリングにより、デカン相に溶解していたN,N-ジイソプロピルエチレンジアミンが、再度水相に移動していることがわかった。
実験例1-1及び1-2の上記結果から、以下のことがわかった。すなわち、N,N’-ジイソプロピルエチレンジアミンは、水溶解度が高いため、SW材料の水溶解度の低さを利用した従来の正浸透処理技術においては、ドロー溶液に使用することはできない。一方、N,N’-ジイソプロピルエチレンジアミンは、水相と非水溶性溶媒相との相間移動に関する性能(相間移動性能)が良好であるため、抽出溶媒として非水溶性溶媒を使用する本実施形態に係る正浸透処理技術によれば、ドロー溶液として利用可能である。
本実験例では、有機アミン化合物のCO2に対する反応速度を、水相と非水溶性溶媒相との相関移動性能を利用した場合と利用しない場合とで比較した。非水溶性溶媒として、デカンを使用し、有機アミン化合物として、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン(水に難溶性、デカンに溶解性)を使用した。
N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン5gを、10gの水の上に流し込み、上相がN,N-ジメチルシクロヘキシルアミン相、下相が水の試料を得た。ここにCO2をバブリングした。
上相が10gのデカン相、下相が10gの水相からなる系に、5gのN,N-ジメチルシクロヘキシルアミンを添加することにより、上相がN,N-ジメチルシクロヘキシルアミンが溶解したデカン相、下相が水相の試料を得た。ここにCO2をバブリングした。
デカンを使用していない実験例2-1の場合、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン相がなくなり水相のみとなるまで、約1時間を要した。これに対し、デカンを使用した実験例2-2の場合、水相の体積が、実験例2-1と同様の水相の体積になるまで20分を要した。これらの結果から、有機アミン化合物における水相と非水溶性溶媒相との相関移動性能を利用することにより、CO2に対する反応速度は3倍に増大することがわかった。
本実験例では、水との接触により固体状態になる有機アミン化合物について、DS性能を評価した。本実験例では、このような有機アミン化合物として、N,N,N’,N’-テトラ-n-ブチルエチレンジアミンを使用した。N,N,N’,N’-テトラ-n-ブチルエチレンジアミンは、比較的水溶性が大きいため水からの分離性能が悪く、通常はドロー溶液として利用できない。更に、この物質は水からの分離性能が悪いことに加え、水と接触した時に大半が固体状態になる。固体状態になった場合、CO2との反応性も悪化する。
8.5gのN,N,N’,N’-テトラ-n-ブチルエチレンジアミンを、36gの水に添加して試料を得た。この試料では、一部のN,N,N’,N’-テトラ-n-ブチルエチレンジアミンが水に溶解して水相に移動し、残りが固体状態となって分離している。これにCO2をバブリングした。
上相が30gのデカン相、下相が36gの水相からなる系に、8.5gのN,N,N’,N’-テトラ-n-ブチルエチレンジアミンを添加することにより、上相がN,N,N’,N’-テトラ-n-ブチルエチレンジアミンが溶解したデカン相、下相が水相の試料を得た。ここにCO2をバブリングした。
デカンを使用していない実験例3-1の場合、CO2バブリング後に水相の体積に変化はなく、このことからCO2との反応が進行しなかったことがわかる。これに対し、実験例3-2では、CO2のバブリング後にデカン相を完全に乾固したところ、デカン相には何も残らなかった。このことから、すべてのN,N,N’,N’-テトラ-n-ブチルエチレンジアミンが水相に移動したことが確認できた。したがって、水に対する溶解性が比較的高く、且つ、水との接触により固体状態となる有機アミン化合物であっても、水相と非水溶性溶媒相との相関移動性能を利用することにより、ドロー溶液として使用可能であることがわかる。
(実験例4-1)
以下に示す各種有機アミン化合物について、以下に示すように、水相とヘキサン相との間の相間移動性能からDS性能を簡易的に評価した。
N,N’-ビス-tert-ブチルエチレンジアミンは、水に触れると固化する。N,N’-ビス-tert-ブチルエチレンジアミンが水に触れて固化した系に、CO2をバブリングすると、固形物が少しずつ溶解するため、DS性能評価に供することができる。一方、N,N’-ビス-tert-ブチルエチレンジアミンは、例えば、ヘキサンに良く溶解する。このことから、DS性能を有すると評価した。
1-シクロペンチルピペラジン0.5gをヘキサン1gに混合し、自由混合することを確認した。ここに水1gを添加したところ、水相が黄色く着色した。また、室温における水相のpHは11であった。1-シクロペンチルピペラジンは、水にもヘキサンにもよく溶解し、所望されるDS性能は有しないと評価した。
1,4-ビスアミノペンチルピペラジン20gと水30gとを混合したところ、自由混合したが発熱を伴った。また、1,4-ビスアミノペンチルピペラジン0.5gとヘキサン1gとを混合したところ、完全に2相に分離した。このように、水和熱が大きいこと、またヘキサンと分離することから、SD性能は有しないと評価した。
1-アミノー4-シクロペンチルピペラジンは、室温で固体であるが、この物質0.5gをヘキサン1gに添加したところ、よく溶解し均一系となった。ここに水1gを加えて撹拌したところ、全体が濁り不均一系となった。別途、水だけに1-アミノー4-シクロペンチルピペラジンを溶解させたところ、良く溶解した。これらからSD性能は有しないと評価した。
実施例3で使用したデカンをヘキサンに変更して同様の実験したところ、非水溶性溶媒としてヘキサンを使用した場合にも、DS性能を有することがわかった。
更に、上掲の有機アミン化合物のうち、1-シクロペンチルピペラジン以外の有機アミン化合物について、浸透圧(透過水量Jw(L/m2h)と、反対方向に透過する溶質量Js(mol/m2h))に関する下記実験を行った。
本実験例では、CO2との接触時に発泡する特性を有する有機アミン化合物について、水相と非水溶性溶媒相との相間移動を利用することによる発泡の抑制効果を実証した。発泡性能を有する有機アミン化合物として、N,N-ジメチル-n-オクタデシルアミンを使用した。ところで、N,N-ジメチル-n-オクチルアミンは、水に難溶性で、CO2との塩形成により水溶性が著しく増加し、水相に移動する溶媒であり、SW材料として有名な溶媒である。本実験例で使用したN,N-ジメチル-n-オクタデシルアミンは、N,N-ジメチル-n-オクチルアミンと類似の構造であるため、発泡性を抑制することができれば、同様のSD性能が期待できる。
20gのN,N-ジメチル-n-オクタデシルアミンを、40gの水に添加することにより、上相がN,N-ジメチル-n-オクタデシルアミン相、下相が水の試料を得た。このとき水相が少し増えた。ここにCO2をバブリングした。
上相が20gのデカン相、下相が20gの水相からなる系に、20gのN,N-ジメチル-n-オクタデシルアミンを添加することにより、上相がN,N-ジメチル-n-オクタデシルアミンが溶解したデカン相、下相が水相の試料を得た。ここにCO2をバブリングした。
デカンを使用していない実験例5-1の場合、その長鎖構造のためにCO2との反応により界面活性剤のような挙動を示し、発泡により容器から吹きこぼれた。このような溶媒は、発泡が配管を伝わり正浸透処理システムに問題を生じさせるため、ドロー溶液としての使用は困難である。一方、実験例5-2の場合、デカンが存在するため、CO2のバブリングの際に静かに反応が進行し発泡しないことが確認された。このことから、有機アミン化合物における水相と非水溶性溶媒相との相関移動性能を利用することにより、長鎖のSW材料であっても、CO2との接触時における発泡性が抑制されて極性変換することができ、ドロー溶液として使用可能であることがわかる。
実験を更に重ねた結果、非水溶性溶媒による発泡抑制効果は、水:有機アミン化合物(長鎖アミン):非水溶性溶媒の質量比が1~4:1~4:1~2が有効であることがわかった。
2 分離ユニット
3 ドロー溶液再生塔
4 貯留槽
11 第1の処理容器
12 正浸透膜、
13 第1のチャンバ
14 第2のチャンバ
15 被処理水タンク15
101a、101b 配管
101c 第1配管
101d 第2配管
101e 第3配管
101f 第4配管
101g 第5配管
101h 第6配管
16 第1のポンプ
17 第2のポンプ
18 第3のポンプ
19 第4のポンプ
[0]水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料を有する正浸透膜分離システムにおいて、上記極性変換材料とは異なる非水溶性溶媒を含む正浸透膜分離システム。
希釈されたドロー溶液である前記希釈ドロー溶液から前記反応物質を分離除去し、前記極性変換材料の水溶性を変化させる工程と、
水溶性が変化した前記極性変換材料を、抽出溶媒である非水溶性溶媒に抽出することにより、前記希釈ドロー溶液を、前記極性変換材料が非水溶性溶媒に溶解してなる第1相と、前記希釈ドロー溶液から前記極性変換材料と前記反応物質とが分離除去された処理水の第2相とに分離する第1の抽出工程と、
前記第1の抽出工程で生成した前記第2相である処理水を回収する工程と
を含む正浸透水処理方法。
[2] 上記第1の抽出工程で生成した上記第1相の溶液を、抽出溶媒である水が収容された第2の抽出器に供給する工程と、
上記第2の抽出器に収容される上記第1相の溶液と上記水を、酸塩基反応を生じさせる反応物質に接触させることにより、上記第1相の溶液から上記極性変換材料が分離除去された上記非水溶性溶媒の第3相と、上記第1相の溶液から分離された上記極性変換材料と上記反応物質とが塩を形成して水に溶解してなる第4相とに分離する第2の抽出工程と、
を更に含む[1]に記載の正浸透水処理方法。
[3] 上記第4相の溶液を上記ドロー溶液として上記正浸透工程において再利用する工程を更に含む、[2]に記載の正浸透水処理方法。
[4] 上記第3相の非水溶性溶媒を、上記第1の抽出工程における上記抽出溶媒として再利用する工程を更に含む、[2]又は[3]に記載の正浸透水処理方法。
[5]
酸塩基反応を生じさせる上記反応物質が二酸化炭素である、[1]~[14]のいずれかに記載の正浸透水処理方法。
[6]
上記非水溶性溶媒は、20℃における水溶解度が0.1g/L以下の溶媒である、[1]~[5]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[7] 上記非水溶性溶媒は炭素数6~12の炭化水素である、[1]~[6]のいずれかに記載の正浸透水処理方法。
[8] 上記非水溶性溶媒はデカン又はヘキサンである、[1]~[7]のいずれかに記載の正浸透水処理方法。
[9] 水中での酸塩基反応により水溶性が変化する上記極性変換材料が有機アミン化合物である、[11]~[18]のいずれかに記載の正浸透水処理方法。
[11] 上記洗浄液に含まれる上記極性変換材料は、上記ユニットにおいて上記洗浄液から上記非水溶性溶媒に抽出される、[10]に記載の洗浄システム。
[12] [10]又は[11]に記載の洗浄システムであって、
油分の付着した被洗浄物が配置される洗浄槽と、上記洗浄槽に設けられ、水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して水に溶解している洗浄液を供給する洗浄液供給器と、を備えた洗浄室と、
上記洗浄室から排出される洗浄廃液から上記極性変換材料と上記反応物質と上記油分とを分離する分離ユニットであって、
上記洗浄廃液から上記反応物質を分離除去する反応物質分離器と、
抽出溶媒として非水溶性溶媒を収容する第1の抽出器であって、上記洗浄廃液からの上記反応物質の分離除去により水溶性が変化した上記極性変換材料と上記油分とを、上記非水溶性溶媒に抽出することにより、上記極性変換材料と上記油分とが上記非水溶性溶媒に溶解してなる第1相と、上記洗浄廃液から上記極性変換材料と上記反応物質と上記油分とが分離除去された処理水の第2相とを生成する第1の抽出器と、
を備える分離ユニットと、
上記洗浄室に上記洗浄液を供給する洗浄液供給ユニットと、
上記分離ユニットに抽出溶媒である上記非水溶性溶媒を供給する非水溶性溶媒供給ユニットと、
を備える洗浄システム。
[13] 上記洗浄液供給ユニットにより上記洗浄室に供給される上記洗浄液は、上記第1の抽出器で生成した第1相から分離され回収された上記極性変換材料を含む再生液である、[12]に記載の正浸透水処理システム。
[14] 上記洗浄液溶液供給ユニットは、抽出溶媒として水を収容し、上記第1の抽出器で生成した上記第1相の溶液が供給される第2の抽出器であって、当該抽出器内の上記水と上記第1相の溶液とを酸塩基反応を生じさせる反応物質に接触させることにより、上記第1相の溶液から上記極性変換材料が分離除去され、上記油分が濃縮された上記非水溶性溶媒の第3相と、上記第1相の溶液から分離された上記極性変換材料と上記反応物質とが塩を形成して水に溶解してなる第4相とに分離する第2の抽出器を備えた洗浄液再生塔を含む、[12]又は[13]に記載の洗浄システム。
[15] 上記非水溶性溶媒供給ユニットにより上記分離ユニットに供給される上記非水溶性溶媒は、上記第1の抽出器で生成した上記第1相から分離され回収された再生液である、[12]~[14]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[16] 上記非水溶性溶媒供給ユニットは、抽出溶媒として水を収容し、上記第1の抽出器で生成した上記第1相の溶液が供給される第2の抽出器であって、当該抽出器内の上記水と上記第1相の溶液とを酸塩基反応を生じさせる反応物質に接触させることにより、上記第1相の溶液から上記極性変換材料が分離除去され、上記油分が濃縮された上記非水溶性溶媒の第3相と、上記第1相の溶液から分離された上記極性変換材料と上記反応物質とが塩を形成して水に溶解してなる第4相とに分離する第2の抽出器を備えた洗浄液再生塔と、
上記第2の抽出器で生成した上記第3相から油分を分離除去する非水溶性溶媒浄化装置と、
上記非水溶性溶媒浄化装置で油分が分離除去された非水溶性溶媒を収容する非水溶性溶媒貯留槽と
を具備する、[12]~[15]のいずれかに記載の洗浄システム。
[17] 酸塩基反応を生じさせる上記反応物質が二酸化炭素である、[10]~[16]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[18] 上記非水溶性溶媒は、20℃における水溶解度が0.1g/L以下の溶媒である、[10]~[17]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[19] 上記非水溶性溶媒は炭素数6~12の炭化水素である、[10]~[18]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[20] 上記非水溶性溶媒はデカン又はヘキサンである、[10]~[19]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[21] 水中での酸塩基反応により水溶性が変化する上記極性変換材料が有機アミン化合物である、[10]~[20]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[22] 上記有機アミン化合物が、少なくとも1つのアミン基を構成する窒素原子に対する置換基の少なくとも1つが、炭素原子数が6~20の範囲にある直鎖アルキル基である、[21]に記載の正浸透水処理システム。
上記極性変換材料が非水溶性溶媒に溶解してなる非水溶性溶媒相と、水相とから構成される系に、上記反応物質を接触させることにより、上記極性変換材料を上記非水溶性溶媒相から上記水相に抽出することを含む、界面活性剤水溶液の製造方法。
[24] 酸塩基反応を生じさせる上記反応物質が二酸化炭素である、[23]に記載の界面活性剤水溶液の製造方法。
[25] 上記非水溶性溶媒は、20℃における水溶解度が0.1g/L以下の溶媒である、[23]又は[24]に記載の界面活性剤水溶液の製造方法。
[26] 上記非水溶性溶媒は炭素数6~12の炭化水素である、[23]~[25]のいずれかに記載の界面活性剤水溶液の製造方法。
[27] 上記非水溶性溶媒はデカン又はヘキサンである、[23]~[26]のいずれかに記載の界面活性剤水溶液の製造方法。
[28] 水中での酸塩基反応により水溶性が変化する上記極性変換材料が有機アミン化合物である、[23]~[27]のいずれかに記載の界面活性剤水溶液の製造方法。
[29] 上記有機アミン化合物が、少なくとも1つのアミン基を構成する窒素原子に対する置換基の少なくとも1つが、炭素原子数が6~20の範囲にある直鎖アルキル基である、[28]に記載の界面活性剤水溶液の製造方法。
[30]
正浸透膜を具備する正浸透水処理システムであって、ドロー溶液が水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して溶解している水溶液であり、非水溶性溶媒を収容したユニットを更に具備する正浸透水処理システム。
[31]
前記ドロー溶液に含まれる前記極性変換材料は、前記ユニットにおいて前記ドロー溶液から前記非水溶性溶媒に抽出される、[30]に記載の正浸透水処理システム。
[32]
[30]又は[31]に記載の正浸透水処理システムであって、
被処理水を収容する第1のチャンバ、水中での酸塩基反応により水溶性が変化する前記極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる前記反応物質とが塩を形成して水に溶解している前記ドロー溶液を収容する第2のチャンバ、及び、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを区画する前記正浸透膜を備え、前記被処理水から前記正浸透膜を介して供給される水によって前記ドロー溶液を希釈し、希釈されたドロー溶液である希釈ドロー溶液を前記第2のチャンバから排出する浸透圧発生器と、
前記第2のチャンバから排出される前記希釈ドロー溶液から前記極性変換材料と前記反応物質とを分離する分離ユニットであって、
前記希釈ドロー溶液から前記反応物質を分離除去する反応物質分離器と、
抽出溶媒として前記非水溶性溶媒を収容する第1の抽出器であって、前記希釈ドロー溶液からの前記反応物質の分離除去により水溶性が変化した前記極性変換材料を、前記非水溶性溶媒に抽出することにより、前記極性変換材料が前記非水溶性溶媒に溶解してなる第1相と、前記希釈ドロー溶液から前記極性変換材料と前記反応物質とが分離除去された処理水の第2相とを生成する第1の抽出器と、
を備える分離ユニットと、
前記第2のチャンバに前記ドロー溶液を供給するドロー溶液供給ユニットと、
前記分離ユニットに抽出溶媒である前記非水溶性溶媒を供給する非水溶性溶媒供給ユニットと
を備える正浸透水処理システム。
[33]
前記ドロー溶液供給ユニットにより前記第2のチャンバに供給される前記ドロー溶液は、前記第1の抽出器で生成した第1相から分離され回収された前記極性変換材料を含む再生液である、[32]に記載の正浸透水処理システム。
[34]
前記ドロー溶液供給ユニットは、抽出溶媒として水を収容し、前記第1の抽出器で生成した前記第1相の溶液が供給される第2の抽出器であって、当該第2の抽出器内の前記水と前記第1相の溶液とを酸塩基反応を生じさせる反応物質に接触させることにより、前記第1相の溶液から前記極性変換材料が分離除去された前記非水溶性溶媒の第3相と、前記第1相の溶液から分離された前記極性変換材料と前記反応物質とが塩を形成して水に溶解してなる第4相とに分離する第2の抽出器を備えたドロー溶液再生塔を含む[32]又は[33]に記載の正浸透水処理システム。
[35]
前記非水溶性溶媒供給ユニットにより前記分離ユニットに供給される前記非水溶性溶媒は、前記第1の抽出器で生成した前記第1相から分離され回収された再生液である、[32]~[34]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[36]
前記非水溶性溶媒供給ユニットは、
抽出溶媒として水を収容し、前記第1の抽出器で生成した前記第1相の溶液が供給される第2の抽出器であって、当該第2の抽出器内の前記水と前記第1相の溶液とを酸塩基反応を生じさせる反応物質に接触させることにより、前記極性変換材料と前記反応物質とが塩を形成して水に溶解してなる第4相と、前記第1相の溶液から前記極性変換材料が分離除去された前記非水溶性溶媒の第3相とに分離する第2の抽出器を備えたドロー溶液再生塔と、
前記第2の抽出器で生成した前記第3相の前記非水溶性溶媒を収容する貯留槽と
を具備する[32]~[35]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[37]
酸塩基反応を生じさせる前記反応物質が二酸化炭素である、[30]~[36]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[38]
前記非水溶性溶媒は、20℃における水溶解度が0.1g/L以下の溶媒である、[30]~[37]のいずれかに記載の正浸透水処理システム。
[39]
前記非水溶性溶媒は炭素数6~12の炭化水素である、[30]~[38]のいずれか1項に記載の正浸透水処理システム。
[40]
前記非水溶性溶媒はデカン又はヘキサンである、[30]~[39]のいずれか1項に記載の正浸透水処理システム。
[41]
水中での酸塩基反応により水溶性が変化する前記極性変換材料が有機アミン化合物である、請求項[30]~[40]のいずれか1項に記載の正浸透水処理システム。
Claims (10)
- 正浸透膜を含む浸透圧発生器と、前記浸透圧発生器からドロー溶液が供給される分離ユニットとを具備する正浸透水処理システムであって、前記ドロー溶液が水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して溶解している水溶液であり、前記分離ユニットは、前記ドロー溶液から前記反応物質を分離除去する反応物質分離器と、抽出溶媒として非水溶性溶媒を収容し、前記反応物質の分離除去により水溶性が変化した前記極性変換材料を前記非水溶性溶媒に抽出する第1の抽出器とを含み、前記極性変換材料は有機アミン化合物であり、前記反応物質は二酸化炭素である正浸透水処理システム。
- 被処理水を収容する第1のチャンバ、水中での酸塩基反応により水溶性が変化する極性変換材料と酸塩基反応を生じさせる反応物質とが塩を形成して水に溶解しているドロー溶液を収容する第2のチャンバ、及び、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを区画する正浸透膜を備え、前記被処理水から前記正浸透膜を介して供給される水によって前記ドロー溶液を希釈し、希釈されたドロー溶液である希釈ドロー溶液を前記第2のチャンバから排出する浸透圧発生器と、
前記第2のチャンバから排出される前記希釈ドロー溶液から前記極性変換材料と前記反応物質とを分離する分離ユニットであって、
前記希釈ドロー溶液から前記反応物質を分離除去する反応物質分離器と、
抽出溶媒として非水溶性溶媒を収容する第1の抽出器であって、前記希釈ドロー溶液からの前記反応物質の分離除去により水溶性が変化した前記極性変換材料を、前記非水溶性溶媒に抽出することにより、前記極性変換材料が前記非水溶性溶媒に溶解してなる第1相と、前記希釈ドロー溶液から前記極性変換材料と前記反応物質とが分離除去された処理水の第2相とを生成する第1の抽出器と
を備える分離ユニットと、
前記第2のチャンバに前記ドロー溶液を供給するドロー溶液供給ユニットと、
前記分離ユニットに抽出溶媒である前記非水溶性溶媒を供給する非水溶性溶媒供給ユニットと
を備え、前記極性変換材料は有機アミン化合物である正浸透水処理システム。 - 前記ドロー溶液供給ユニットにより前記第2のチャンバに供給される前記ドロー溶液は、前記第1の抽出器で生成した第1相から分離され回収された前記極性変換材料を含む再生液である、請求項2に記載の正浸透水処理システム。
- 前記ドロー溶液供給ユニットは、抽出溶媒として水を収容し、前記第1の抽出器で生成した前記第1相の溶液が供給される第2の抽出器であって、当該第2の抽出器内の前記水と前記第1相の溶液とを酸塩基反応を生じさせる反応物質に接触させることにより、前記第1相の溶液から前記極性変換材料が分離除去された前記非水溶性溶媒の第3相と、前記第1相の溶液から分離された前記極性変換材料と前記反応物質とが塩を形成して水に溶解してなる第4相とに分離する第2の抽出器を備えたドロー溶液再生塔を含む請求項2又は3に記載の正浸透水処理システム。
- 前記非水溶性溶媒供給ユニットにより前記分離ユニットに供給される前記非水溶性溶媒は、前記第1の抽出器で生成した前記第1相から分離され回収された再生液である、請求項2~4のいずれか1項に記載の正浸透水処理システム。
- 前記非水溶性溶媒供給ユニットは、
抽出溶媒として水を収容し、前記第1の抽出器で生成した前記第1相の溶液が供給される第2の抽出器であって、当該第2の抽出器内の前記水と前記第1相の溶液とを酸塩基反応を生じさせる反応物質に接触させることにより、前記極性変換材料と前記反応物質とが塩を形成して水に溶解してなる第4相と、前記第1相の溶液から前記極性変換材料が分離除去された前記非水溶性溶媒の第3相とに分離する第2の抽出器を備えたドロー溶液再生塔と、
前記第2の抽出器で生成した前記第3相の前記非水溶性溶媒を収容する貯留槽とを具備する請求項2~5のいずれか1項に記載の正浸透水処理システム。 - 酸塩基反応を生じさせる前記反応物質が二酸化炭素である、請求項2~6のいずれか1項に記載の正浸透水処理システム。
- 前記非水溶性溶媒は、20℃における水溶解度が0.1g/L以下の溶媒である、請求項1~7のいずれか1項に記載の正浸透水処理システム。
- 前記非水溶性溶媒は炭素数6~12の炭化水素である、請求項1~8のいずれか1項に記載の正浸透水処理システム。
- 前記非水溶性溶媒はデカン又はヘキサンである、請求項1~9のいずれか1項に記載の正浸透水処理システム。
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