JP6463620B2 - 淡水化システム及び淡水化方法 - Google Patents
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Description
<淡水化システムの構成>
図1は、本実施形態に係る淡水化システムSの構成図である。
淡水化システムSは、正浸透膜モジュール10の一次側1aに供給される被処理水から、正浸透膜12を介して二次側1bのドロー液に水を移動させ、水で希釈されたドロー液から淡水を得るシステムである。
なお、被処理水として、海水、工業排水、下水、海水淡水化で得られる濃縮水(塩分濃度の比較的高い海水)、天然ガスや石油の採掘に伴う随伴水等が挙げられる。
同様に、被処理水が下水である場合、0℃〜65℃において浸透圧が0.3[MPa]以上、より好ましくは1[MPa]以上のドロー液を正浸透膜モジュール10の二次側1bに供給することが好ましい。
一次側1aにおいて濃縮された被処理水(濃縮水)は、配管k3を介して排出される。二次側1bで希釈されたドロー液は、ポンプ61の駆動によって、配管k4を介して貧溶媒反応部20に供給されるとともに、配管k4(一部)及び配管k5を介してドロー液供給部40に供給される。以下では、二次側1bで希釈されたドロー液を「希釈ドロー液」と記す。
貧溶媒として、エタノールの他にも、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、酸化プロピレン、ジメトキシメタン、tert−ブチルアミン、プロピオンアルデヒド、n−プロピルアミン、アリルアミン、ジエチルアミン、アセトン、sec−ブチルアミン、エタノールアミン、酢酸、アセトニトリル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、酪酸、ジエタノールアミン、2−ブトキシエタノール、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコール、ギ酸、フルフリルアルコール、グリセリン、メタノール、メチルジエタノールアミン、1−プロパノール、2−プロパノール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、プロピオン酸、プロピレングリコール、ピリジン、テトラヒドロフラン、トリエチレングリコールを用いることができる。また、前記した物質のうち複数を混合してもよい。
分離部30は、貧溶媒反応部20において析出したドロー液の塩と、希釈貧溶媒と、を含む混合液からドロー液の塩を分離する機能を有している(分離工程)。分離部30は、ポンプ62が設置された配管k6を介して第一貯留槽21の下部に接続されている。そして、ポンプ62が駆動することで、希釈貧溶媒及びドロー液の塩を含む混合液が、配管k6を介して分離部30に供給されるようになっている。
なお、ドロー液供給部40に供給されるドロー液の塩は、乾燥状態(粉状)ある必要はなく、希釈貧溶媒が混在したスラリー状でもよい。なぜなら、ドロー液の塩に希釈貧溶媒が含まれていたとしても、この希釈貧溶媒は、配管k2、正浸透膜モジュール10の二次側1b、及び配管k4を介して貧溶媒反応部20に還流し、系外には排出されないからである。
つまり、ドロー液の塩に貧溶媒が混在していても支障はなく、ドロー液の塩の回収率のみを考慮して、貧溶媒の添加量を調整したり、分離部30の機種を選定したりすればよい。したがって、分離部30を選定する際の自由度が高くなり、設備コストを軽減できる。
このように水よりも低沸点の貧溶媒を用いるため、小さなエネルギで、希釈貧溶媒から貧溶媒を回収できる(つまり、淡水を取りだすことができる)。したがって、淡水化システムSの運転コストを軽減できる。
つまり、貧溶媒に水が混在していても支障はないため、第三貯留槽51内の希釈貧溶媒から略100%の回収率で貧溶媒が回収できるように、希釈貧溶媒の温度等を設定すればよい。
本実施形態では、希釈ドロー液に貧溶媒を添加してドロー液の塩を析出させる貧溶媒添加法を用いている。ドロー液の塩は、貧溶媒への溶解度が低い無機化合物の塩であるから、貧溶媒の添加によって、希釈ドロー液に含まれる塩を高い回収率で回収できる。したがって、ドロー液供給部40に貯留されているドロー液を高い濃度(つまり、浸透圧)で維持できる。つまり、一次側1aと二次側1bとの浸透圧の差が小さくなることを抑制し、ひいては、正浸透膜12における透過流束(Flux)を高い値で維持できる。
また、ドロー液が系外に排出されることはほとんどないため、ドロー液を補充する必要はない。したがって、淡水化システムSの運転コストを軽減できる。
以上、本発明に係る淡水化システムSについて実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、実施形態では、貧溶媒回収部50において希釈貧溶媒を加熱することで、貧溶媒を気化させる構成について説明したが、これに限らない。すなわち、前記した加熱に代えて、減圧を行うことで貧溶媒を気化させてもよい。この場合、貧溶媒回収部50は、「減圧手段」(図示せず)を備え、この減圧手段によって第三貯留槽51内を減圧する。減圧によって貧溶媒の沸点が下がるため、その種類によっては常温でも貧溶媒を気化させることができる。
この貧溶媒分離部は、前記した濾過手段と同様の構成(NF膜、RO膜等)を備えている。つまり、加熱及び/又は減圧によって希釈貧溶媒から分離された淡水を、貧溶媒分離部に流入させて膜濾過する。
10 正浸透膜モジュール
1a 一次側
1b 二次側
11 容器
12 正浸透膜
20 貧溶媒反応部
30 分離部
40 ドロー液供給部
42 撹拌機
50 貧溶媒回収部
52 加熱手段
Claims (4)
- 正浸透膜を有し、一次側に供給される被処理水と、二次側に供給されるドロー液と、の浸透圧の差によって、一次側から前記正浸透膜を介して二次側に水を移動させて前記ドロー液を希釈ドロー液にする正浸透膜モジュールと、
前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液に貧溶媒を添加して、ドロー液の塩を析出させる貧溶媒反応部と、
前記貧溶媒反応部において析出したドロー液の塩と、貧溶媒が水で希釈されてなる希釈貧溶媒と、を含む混合液からドロー液の塩を分離する分離部と、
前記分離部によって分離されたドロー液の塩と、前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液と、を混合してなるドロー液を、前記正浸透膜モジュールの二次側に戻すドロー液供給部と、
前記分離部から供給される希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得るとともに、分離した貧溶媒を前記貧溶媒反応部に戻す貧溶媒回収部と、を備えること
を特徴とする淡水化システム。 - 前記貧溶媒反応部において添加される貧溶媒の沸点は水よりも低く、
前記貧溶媒回収部は、前記分離部から供給される希釈貧溶媒を加熱及び/又は減圧することによって、希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得ること
を特徴とする請求項1に記載の淡水化システム。 - 前記貧溶媒回収部は、前記分離部から供給される希釈貧溶媒を膜濾過することによって、希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得ること
を特徴とする請求項1に記載の淡水化システム。 - 正浸透膜を有する正浸透膜モジュールの一次側に供給される被処理水と、二次側に供給されるドロー液と、の浸透圧の差によって、一次側から前記正浸透膜を介して二次側に水を移動させて前記ドロー液を希釈ドロー液にする正浸透工程と、
前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液に貧溶媒を添加して、ドロー液の塩を析出させる貧溶媒反応工程と、
前記貧溶媒反応工程において析出したドロー液の塩と、貧溶媒が水で希釈されてなる希釈貧溶媒と、を含む混合液からドロー液の塩を分離する分離工程と、
前記分離工程によって分離されたドロー液の塩と、前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液と、を混合してなるドロー液を、前記正浸透膜モジュールの二次側に戻すドロー液供給工程と、
前記分離工程によって抽出される希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得るとともに、分離した貧溶媒を前記貧溶媒反応工程に用いる貧溶媒回収工程と、を含むこと
を特徴とする淡水化方法。
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