JP6463620B2 - 淡水化システム及び淡水化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、正浸透膜を用いて被処理水を淡水化する淡水化システム等に関する。
近年、世界的な気候変動や水不足の影響によって水のニーズが高まりつつあり、市場規模の拡大が見込まれている。特に、浸透圧の差を利用して、一次側の被処理水から正浸透膜を介して二次側に水を流入させる淡水化システムが注目されている。
このような正浸透を利用する淡水化システムでは、逆浸透処理を行う淡水化システムのように被処理水を高圧で圧送する必要がないため、高圧ポンプや高耐圧の配管を設ける必要がなく、設備費用や電力コストが安価になるという利点がある。
また、正浸透を利用する淡水化システムでは、正浸透膜の面方向において透過流束(Flux)が略均一になる。したがって、透過流束の平均値(平均Flux)を高く設定できるとともに、正浸透膜を長期間に亘って使用できるという利点もある。このような正浸透を利用する技術として、例えば、以下に示すものが知られている。
すなわち、特許文献1には、被処理水に含まれる水を半透膜を介して誘導溶液に移動させる順浸透工程と、水で希釈された誘導溶液が疎水性化するまで加温する加温工程と、疎水性化した物質を分離する固液分離工程と、分離された物質が親水性化するまで冷却して誘導溶液を再生する冷却工程と、を含む水処理方法について記載されている。
特開2014−100692号公報
特許文献1に記載の技術では、前記した固液分離工程において、疎水性化した物質を膜濾過することで淡水を取り出している。このような方法でも淡水を取り出すことが可能ではあるが、例えば、飲み水として使用できるような純度の高い淡水を、小さなエネルギで取り出す淡水化システムが求められている。
そこで、本発明は、小さなエネルギで容易に淡水を取り出す淡水化システム等を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る淡水化システムは、正浸透膜を有し、一次側に供給される被処理水と、二次側に供給されるドロー液と、の浸透圧の差によって、一次側から前記正浸透膜を介して二次側に水を移動させて前記ドロー液を希釈ドロー液にする正浸透膜モジュールと、前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液に貧溶媒を添加して、ドロー液の塩を析出させる貧溶媒反応部と、前記貧溶媒反応部において析出したドロー液の塩と、貧溶媒が水で希釈されてなる希釈貧溶媒と、を含む混合液からドロー液の塩を分離する分離部と、前記分離部によって分離されたドロー液の塩と、前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液と、を混合してなるドロー液を、前記正浸透膜モジュールの二次側に戻すドロー液供給部と、前記分離部から供給される希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得るとともに、分離した貧溶媒を前記貧溶媒反応部に戻す貧溶媒回収部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、小さなエネルギで容易に淡水を取り出す淡水化システム等を提供できる。
本発明の一実施形態に係る淡水化システムの構成図である。
≪実施形態≫
<淡水化システムの構成>
図1は、本実施形態に係る淡水化システムSの構成図である。
淡水化システムSは、正浸透膜モジュール10の一次側1aに供給される被処理水から、正浸透膜12を介して二次側1bのドロー液に水を移動させ、水で希釈されたドロー液から淡水を得るシステムである。
なお、被処理水として、海水、工業排水、下水、海水淡水化で得られる濃縮水(塩分濃度の比較的高い海水)、天然ガスや石油の採掘に伴う随伴水等が挙げられる。
図1に示すように、淡水化システムSは、正浸透膜モジュール10と、貧溶媒反応部20と、分離部30と、ドロー液供給部40と、貧溶媒回収部50と、を備えている。
正浸透膜モジュール10は、容器11と、この容器11を一次側1aと二次側1bとに仕切る正浸透膜12と、を備えている。容器11は、一次側1aに供給される被処理水と、二次側1bに供給されるドロー液と、を一時的に貯留するものである。なお、容器11は、箱状であってもよいし、円筒状であってもよい。正浸透膜12は、被処理水から水を選択的に透過させる半透膜であり、容器11に設置されている。正浸透膜12として、例えば、三酢酸セルロースやポリアミドを用いることができるが、これに限定されない。
正浸透膜モジュール10の一次側1aには配管k1を介して被処理水が供給され、二次側1bには配管k2を介して、被処理水よりも浸透圧が高いドロー液が供給される。そして、一次側1aの被処理水に含まれる水が、浸透圧の差によって二次側1bに移動する(つまり、正浸透膜12によって被処理水が濾過される)ようになっている。
二次側1bのドロー液は、無機化合物である塩(例えば、硫酸ナトリウム)を水に溶解させた高濃度の水溶液である。二次側1bのドロー液は、所定の使用温度・使用圧力下において、その浸透圧(濃度)が被処理水よりも高くなっている。
ドロー液の塩として、前記したように、硫酸ナトリウムを用いることができるが、これに限定されない。すなわち、ドロー液の塩として、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウムを用いることができる。また、前記した塩のうち複数を混合してもよい。
なお、被処理水が海水(例えば、塩分濃度3.5%)である場合、0℃〜65℃において浸透圧が5[MPa]以上、より好ましくは10[MPa]以上のドロー液を正浸透膜モジュール10の二次側1bに供給することが好ましい。これによって、被処理水の浸透圧よりもドロー液の浸透圧を充分に高くすることができ、所定の透過流束(Flux)の水が一次側1aから二次側1bに移動するからである。
同様に、被処理水が下水である場合、0℃〜65℃において浸透圧が0.3[MPa]以上、より好ましくは1[MPa]以上のドロー液を正浸透膜モジュール10の二次側1bに供給することが好ましい。
一次側1aの被処理水に含まれる水が正浸透膜12を介して二次側1bに移動すると(正浸透工程)、一次側1aでは被処理水が濃縮され、二次側1bではドロー液が希釈される。
一次側1aにおいて濃縮された被処理水(濃縮水)は、配管k3を介して排出される。二次側1bで希釈されたドロー液は、ポンプ61の駆動によって、配管k4を介して貧溶媒反応部20に供給されるとともに、配管k4(一部)及び配管k5を介してドロー液供給部40に供給される。以下では、二次側1bで希釈されたドロー液を「希釈ドロー液」と記す。
貧溶媒反応部20は、正浸透膜モジュール10の二次側1bから供給される希釈ドロー液に貧溶媒を添加して、ドロー液の塩を析出させる機能を有している(貧溶媒反応工程)。このように本実施形態では、貧溶媒によって塩を析出させる「貧溶媒添加法」を用いている。
貧溶媒反応部20は、希釈ドロー液、貧溶媒、及び、析出した塩を含む混合液を一時的に貯留する第一貯留槽21を備えている。なお、前記した混合液を撹拌する撹拌機(図示せず)を、第一貯留槽21に設置してもよい。第一貯留槽21には、正浸透膜モジュール10の二次側1bから配管k4を介して希釈ドロー液が供給されるとともに、後記する貧溶媒回収部50から配管k9を介して貧溶媒が供給される。
貧溶媒は、ドロー液の塩(例えば、硫酸ナトリウム)に対する溶解度が低い溶媒である。なお、貧溶媒として、水への溶解度が高く、また、水よりも沸点が低い(水と分離しやすい)ものを用いることが好ましい。これは、後記する貧溶媒回収部50において、水と貧溶媒との沸点の違いを利用して両者を分離するためである。
貧溶媒として、例えば、エタノールを用いることができるが、これに限定されない。すなわち、ドロー液の塩の種類に応じて、この塩を析出しやすくする有機溶媒を適宜選択すればよい。
貧溶媒として、エタノールの他にも、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、酸化プロピレン、ジメトキシメタン、tert−ブチルアミン、プロピオンアルデヒド、n−プロピルアミン、アリルアミン、ジエチルアミン、アセトン、sec−ブチルアミン、エタノールアミン、酢酸、アセトニトリル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、酪酸、ジエタノールアミン、2−ブトキシエタノール、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコール、ギ酸、フルフリルアルコール、グリセリン、メタノール、メチルジエタノールアミン、1−プロパノール、2−プロパノール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、プロピオン酸、プロピレングリコール、ピリジン、テトラヒドロフラン、トリエチレングリコールを用いることができる。また、前記した物質のうち複数を混合してもよい。
なお、前記した物質のうちメチルアミンは、1atmにおける沸点(標準沸点)が−6℃である。したがって、貧溶媒としてメチルアミンを用いる場合には、貧溶媒反応部20内の圧力を高め、常温下でメチルアミンが気化しないようにする。
第一貯留槽21に希釈ドロー液及び貧溶媒が供給されると、ドロー液の塩が結晶等の固形物として析出する。その反応速度は非常に速く、塩の析出に要する時間は、例えば、数秒である。希釈ドロー液に添加する貧溶媒の種類や添加率にもよるが、貧溶媒の添加によって、希釈ドロー液に含まれる塩の略全てを析出させることができる。このようにして析出した塩は、第一貯留槽21内で沈降する。
以下では、希釈ドロー液に含まれる水で希釈された貧溶媒を「希釈貧溶媒」と記す。
分離部30は、貧溶媒反応部20において析出したドロー液の塩と、希釈貧溶媒と、を含む混合液からドロー液の塩を分離する機能を有している(分離工程)。分離部30は、ポンプ62が設置された配管k6を介して第一貯留槽21の下部に接続されている。そして、ポンプ62が駆動することで、希釈貧溶媒及びドロー液の塩を含む混合液が、配管k6を介して分離部30に供給されるようになっている。
分離部30として、例えば、サイクロン(粉体分離器)、遠心分離装置、沈殿装置を用いることができる。また、分離部30として、MF膜(Microfiltration Membrane)、UF膜(Ultrafiltration Membrane)、NF膜(Nanofiltration Membrane)を用いてもよい。また、前記した各機器及び膜を複数組み合わせてもよい。また、遠心脱水装置(図示せず)、フィルタプレス装置(図示せず)等を用いて脱水し、ドロー液の塩を粉状にしてもよい。
分離部30において分離されたドロー液の塩は、配管k7を介してドロー液供給部40に供給される。分離部30において分離された希釈貧溶媒は、配管k8を介して貧溶媒回収部50に供給される。
なお、ドロー液供給部40に供給されるドロー液の塩は、乾燥状態(粉状)ある必要はなく、希釈貧溶媒が混在したスラリー状でもよい。なぜなら、ドロー液の塩に希釈貧溶媒が含まれていたとしても、この希釈貧溶媒は、配管k2、正浸透膜モジュール10の二次側1b、及び配管k4を介して貧溶媒反応部20に還流し、系外には排出されないからである。
つまり、ドロー液の塩に貧溶媒が混在していても支障はなく、ドロー液の塩の回収率のみを考慮して、貧溶媒の添加量を調整したり、分離部30の機種を選定したりすればよい。したがって、分離部30を選定する際の自由度が高くなり、設備コストを軽減できる。
ドロー液供給部40は、分離部30によって分離されたドロー液の塩と、正浸透膜モジュール10の二次側1bから供給される希釈ドロー液と、を混合してなるドロー液を、正浸透膜モジュール10の二次側1bに戻す機能を有している(ドロー液供給工程)。
ドロー液供給部40は、希釈ドロー液、及びドロー液の塩を含む混合液を一時的に貯留する第二貯留槽41と、前記した混合液を撹拌する撹拌機42と、を備えている。第二貯留槽41には、配管k4(一部)及び配管k5を介して正浸透膜モジュール10の二次側1bから希釈ドロー液が供給されるとともに、配管k7を介して分離部30からドロー液の塩が供給される。
前記した混合液(希釈ドロー液+ドロー液の塩)を撹拌機42で撹拌することによって、ドロー液の塩が希釈ドロー液に溶け込む。これによって、第二貯留槽41内のドロー液を所定濃度(つまり、設定した浸透圧)で維持するようになっている。なお、第二貯留槽41内のドロー液は、ポンプ61の駆動によって、配管k2を介して正浸透膜モジュール10の二次側1bに供給される。
貧溶媒回収部50は、分離部30から供給される希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得るとともに、分離した貧溶媒を貧溶媒反応部20に戻す機能を有している(貧溶媒回収工程)。貧溶媒回収部50は、希釈貧溶媒を一時的に貯留する第三貯留槽51と、希釈貧溶媒を加熱する加熱手段52と、を備えている。前記した加熱手段52として、ボイラ、電熱器等を用いることができる。
前記したように、希釈貧溶媒に含まれる貧溶媒は、水よりも沸点が低い。したがって、加熱手段52によって希釈貧溶媒が加熱されると、水の沸点に達する前に貧溶媒が気化する。なお、第三貯留槽51に貯留されている希釈貧溶媒の温度は、貧溶媒の沸点よりも高く、かつ、水の沸点よりも低い温度で維持されている。
このように水よりも低沸点の貧溶媒を用いるため、小さなエネルギで、希釈貧溶媒から貧溶媒を回収できる(つまり、淡水を取りだすことができる)。したがって、淡水化システムSの運転コストを軽減できる。
第三貯留槽51において気化した貧溶媒は、ポンプ63の駆動によって、配管k9を介して貧溶媒反応部20に向かう。ちなみに、図1では図示を省略したが、配管k9には、気化した貧溶媒を冷やす熱交換器(コンデンサ)が設置されている。この熱交換器において貧溶媒が凝縮し、凝縮した貧溶媒が配管k9を介して貧溶媒反応部20に供給される。
なお、第三貯留槽51内の希釈貧溶媒が100℃未満で維持されていた場合でも、希釈貧溶媒に含まれる水分が貧溶媒とともに共沸し、配管k9を介して水分を含む貧溶媒が貧溶媒反応部20に流入する可能性がある。この場合、貧溶媒反応部20に流入した水は、配管k6、分離部30、及び配管k8を介して貧溶媒回収部50に還流する。
つまり、貧溶媒に水が混在していても支障はないため、第三貯留槽51内の希釈貧溶媒から略100%の回収率で貧溶媒が回収できるように、希釈貧溶媒の温度等を設定すればよい。
また、前記したように、ドロー液の塩の貧溶媒に対する溶解度は低い。したがって、貧溶媒とともに水が共沸し、配管k9を介して貧溶媒反応部20に水分が流入したとしても、貧溶媒の濃度が十分であれば、貧溶媒反応部20での塩の析出に支障が生ずるおそれはない。貧溶媒反応部20において、貧溶媒に溶け込む塩はわずかだからである。
また、貧溶媒回収部50に供給される希釈貧溶媒には、ドロー液の塩は混在していない。なぜなら、分離部30においてドロー液の塩が略全て分離され、分離されたドロー液の塩がドロー液供給部40に供給される(つまり、貧溶媒回収部50には流入しない)からである。さらに、第三貯留槽51内の希釈貧溶媒からは、貧溶媒と水との沸点の違いによって略100%の貧溶媒が気化する。したがって、本実施形態によれば、第三貯留槽51の底部から純度の高い淡水を得ることができる。この淡水は、配管k10を介して貯水槽(図示せず)に供給される。
<効果>
本実施形態では、希釈ドロー液に貧溶媒を添加してドロー液の塩を析出させる貧溶媒添加法を用いている。ドロー液の塩は、貧溶媒への溶解度が低い無機化合物の塩であるから、貧溶媒の添加によって、希釈ドロー液に含まれる塩を高い回収率で回収できる。したがって、ドロー液供給部40に貯留されているドロー液を高い濃度(つまり、浸透圧)で維持できる。つまり、一次側1aと二次側1bとの浸透圧の差が小さくなることを抑制し、ひいては、正浸透膜12における透過流束(Flux)を高い値で維持できる。
また、ドロー液が系外に排出されることはほとんどないため、ドロー液を補充する必要はない。したがって、淡水化システムSの運転コストを軽減できる。
また、分離部30において分離されたドロー液の塩に貧溶媒が混在していたとしても、この貧溶媒は系外に排出されることなく貧溶媒反応部20に還流する。さらに、貧溶媒回収部50では、水との沸点の違いによって略100%の貧溶媒が気化し、熱交換器(図示せず)で凝縮した貧溶媒が貧溶媒反応部20に供給される。つまり、貧溶媒が系外に排出されることはほとんどない。したがって、貧溶媒を補充する必要はほとんどなく、淡水化システムSの運転コストを軽減できる。
また、本実施形態では、希釈ドロー液の濃度を回復する工程を貧溶媒反応部20及び分離部30で行い、希釈貧溶媒から淡水を得る工程を貧溶媒回収部50で行っている。従来行われていたように、仮に、ドロー液の濃度の回復と、淡水の回収と、を一つの工程で行うと、淡水にドロー液が残存したり、ドロー液の濃度の低下を招いたりする可能性が高くなる。
これに対して本実施形態では、前記したように、ドロー液の濃度の回復と、淡水の回収と、が別々の工程で行われる。さらに、貧溶媒回収部50では、略100%の貧溶媒が気化して水から分離される。したがって、ドロー液及び貧溶媒を系内で循環させつつ、不純物がほとんど残存していない淡水を得ることができる。このように、本実施形態によれば、飲料水としてそのまま使える程度に高純度の淡水を容易に得ることができる。
また、本実施形態では、水よりも低沸点の貧溶媒を用いている。貧溶媒は有機溶剤であるから、第三貯留槽51内で貧溶媒の分子がイオン化して水分子に結合することはない。したがって、比較的低い温度で貧溶媒を気化させることができるため、淡水化システムSの運転コストを大幅に軽減できる。
≪変形例≫
以上、本発明に係る淡水化システムSについて実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、実施形態では、貧溶媒回収部50において希釈貧溶媒を加熱することで、貧溶媒を気化させる構成について説明したが、これに限らない。すなわち、前記した加熱に代えて、減圧を行うことで貧溶媒を気化させてもよい。この場合、貧溶媒回収部50は、「減圧手段」(図示せず)を備え、この減圧手段によって第三貯留槽51内を減圧する。減圧によって貧溶媒の沸点が下がるため、その種類によっては常温でも貧溶媒を気化させることができる。
なお、前記した加熱手段52(図1参照)と減圧手段(図示せず)とを併用し、減圧手段によって第三貯留槽51内を減圧した上で、貧溶媒が気化する所定温度まで加熱手段52によって加熱するようにしてもよい。
また、前記した加熱及び/又は減圧によって貧溶媒を気化させる工程に代えて(つまり、加熱手段52及び減圧手段を省略し)、第三貯留槽51に貯留されている希釈貧溶媒から貧溶媒を膜濾過するようにしてもよい。この場合、貧溶媒回収部50は、膜濾過によって貧溶媒を回収する「濾過手段」(図示せず)を備えている。この濾過手段として、例えば、NF膜(Nanofiltration Membrane)、RO膜(Reverse Osmosis Membrane)を用いることができる。ちなみに、膜濾過によって貧溶媒を分離する場合には、水よりも高い沸点の貧溶媒を用いてもよい。
前記した濾過手段(図示せず)は、配管k9においてポンプ63の下流側に設置され、ポンプ63によって吸い込まれた液状の希釈貧溶媒を膜濾過する。膜濾過によって得られる貧溶媒は、配管k9を介して貧溶媒反応部20に戻される。一方、膜濾過によって得られる淡水は、配管(図示せず)を介して貯水槽(図示せず)に供給される。
また、実施形態で説明した淡水化システムSよりもさらに高純度の淡水が得られるように、配管k10に貧溶媒分離部(図示せず)を設けてもよい。
この貧溶媒分離部は、前記した濾過手段と同様の構成(NF膜、RO膜等)を備えている。つまり、加熱及び/又は減圧によって希釈貧溶媒から分離された淡水を、貧溶媒分離部に流入させて膜濾過する。
貧溶媒分離部(図示せず)によって取り出された貧溶媒は、配管(図示せず)を介して貧溶媒反応部20に供給され、再利用される。一方、貧溶媒分離部によって分離された淡水は、配管k10を介して貯水槽(図示せず)に供給される。これによって、前記した淡水にわずかに貧溶媒が含まれていたとしても、この貧溶媒を略完全に除去して高純度の淡水を得ることができる。
S 淡水化システム
10 正浸透膜モジュール
1a 一次側
1b 二次側
11 容器
12 正浸透膜
20 貧溶媒反応部
30 分離部
40 ドロー液供給部
42 撹拌機
50 貧溶媒回収部
52 加熱手段

Claims (4)

  1. 正浸透膜を有し、一次側に供給される被処理水と、二次側に供給されるドロー液と、の浸透圧の差によって、一次側から前記正浸透膜を介して二次側に水を移動させて前記ドロー液を希釈ドロー液にする正浸透膜モジュールと、
    前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液に貧溶媒を添加して、ドロー液の塩を析出させる貧溶媒反応部と、
    前記貧溶媒反応部において析出したドロー液の塩と、貧溶媒が水で希釈されてなる希釈貧溶媒と、を含む混合液からドロー液の塩を分離する分離部と、
    前記分離部によって分離されたドロー液の塩と、前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液と、を混合してなるドロー液を、前記正浸透膜モジュールの二次側に戻すドロー液供給部と、
    前記分離部から供給される希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得るとともに、分離した貧溶媒を前記貧溶媒反応部に戻す貧溶媒回収部と、を備えること
    を特徴とする淡水化システム。
  2. 前記貧溶媒反応部において添加される貧溶媒の沸点は水よりも低く、
    前記貧溶媒回収部は、前記分離部から供給される希釈貧溶媒を加熱及び/又は減圧することによって、希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得ること
    を特徴とする請求項1に記載の淡水化システム。
  3. 前記貧溶媒回収部は、前記分離部から供給される希釈貧溶媒を膜濾過することによって、希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得ること
    を特徴とする請求項1に記載の淡水化システム。
  4. 正浸透膜を有する正浸透膜モジュールの一次側に供給される被処理水と、二次側に供給されるドロー液と、の浸透圧の差によって、一次側から前記正浸透膜を介して二次側に水を移動させて前記ドロー液を希釈ドロー液にする正浸透工程と、
    前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液に貧溶媒を添加して、ドロー液の塩を析出させる貧溶媒反応工程と、
    前記貧溶媒反応工程において析出したドロー液の塩と、貧溶媒が水で希釈されてなる希釈貧溶媒と、を含む混合液からドロー液の塩を分離する分離工程と、
    前記分離工程によって分離されたドロー液の塩と、前記正浸透膜モジュールの二次側から供給される希釈ドロー液と、を混合してなるドロー液を、前記正浸透膜モジュールの二次側に戻すドロー液供給工程と、
    前記分離工程によって抽出される希釈貧溶媒から貧溶媒を分離して淡水を得るとともに、分離した貧溶媒を前記貧溶媒反応工程に用いる貧溶媒回収工程と、を含むこと
    を特徴とする淡水化方法。
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