JP5900743B2 - 坑井からの随伴水処理方法および装置 - Google Patents
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Description
(1)坑井から排出される随伴水をろ過処理し、ろ過水を得るろ過処理工程と、前記ろ過水と、揮発性溶質を含有し、前記ろ過水よりも高浸透圧の誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記ろ過水中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘導溶液と膜濃縮水を得る順浸透工程と、前記希釈誘導溶液を加熱して、揮発した前記溶質と水蒸気からなるガスを得るとともに、前記溶質をほとんど含まない浄水を得る第一蒸発工程と、前記ガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する再生工程と、前記順浸透工程で得られる膜濃縮水を蒸発濃縮し、蒸発濃縮水と凝縮水を得る第二蒸発工程と、前記蒸発濃縮水を更に蒸発濃縮し、該蒸発濃縮水に含有される塩類を析出させるとともに凝縮水を得る晶析工程とを有することを特徴とする水処理方法と、
(2)前記第二蒸発工程で得られる凝縮水と前記晶析工程で得られる凝縮水の少なくとも一方を前記第一蒸発工程における希釈誘導溶液の加熱源として使用することを特徴とする(1)に記載の水処理方法と、
(3)前記第二蒸発工程で得られる凝縮水と前記晶析工程で得られる凝縮水の少なくとも一方を前記第一蒸発工程における希釈誘導溶液に加熱源として直接導入することを特徴とする(2)に記載の水処理方法と、
(4)前記浄水を前記坑井の掘削用水または蒸気として再利用することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の水処理方法と、
(5)坑井から排出される随伴水をろ過処理し、ろ過水を得るろ過装置と、前記ろ過水と、揮発性溶質を含有し、前記ろ過水よりも高浸透圧の誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記ろ過水中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘導溶液と膜濃縮水を得る順浸透膜処理装置と、前記希釈誘導溶液を加熱して、揮発した前記溶質と水蒸気からなるガスを得るとともに、前記溶質をほとんど含まない浄水を得る第一蒸発装置と、前記ガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する熱交換器と、前記順浸透処理装置から得られる膜濃縮水を蒸発濃縮し、蒸発濃縮水と凝縮水を得る第二蒸発装置と、前記蒸発濃縮水を更に蒸発濃縮し、該蒸発濃縮水に含有される塩類を析出させるとともに凝縮水を得る晶析装置とを有することを特徴とする水処理装置と、
(6)前記第二蒸発装置から得られる凝縮水と前記晶析装置から得られる凝縮水の少なくとも一方を前記第一蒸発装置内の希釈誘導溶液に加熱源として直接導入する手段を設けたことを特徴とする(5)に記載の水処理装置
を提供するものである。
本発明においては、この分離された随伴水をまずろ過処理する。このろ過処理は精密膜ろ過膜を用いた濾過器で行い、ろ過膜は、精密ろ過膜として使用されている通常の膜を使用することができる。例えば、酢酸セルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリ塩化ビニルなどの外、セラミック製の膜や多孔質ガラス製の膜なども利用できる。精密膜ろ過処理では、精密ろ過膜を通過した膜ろ過水と、膜を通過しないで残った膜濃縮水が得られる。
精密膜ろ過のほか、限外膜ろ過、砂ろ過等のろ過処理が用いられる。限外膜ろ過の材質は精密膜ろ過と同様のものが用いられる。
次に、この膜ろ過液を順浸透法で処理する。
誘導溶液の溶質としては、そのほかにも溶解度が高く高浸透圧が得られ、且つ低沸点で揮発性が高く、毒性の低いものを用いることが可能であり、例えばエチルアルコール,ブチルアルコール等のアルコール類やアセトン等のケトン類を用いることもできる。
第一蒸発工程は、順浸透工程で得られた希釈誘導溶液を加熱して、揮発した溶質と水蒸気からなるガスを得るとともに誘導溶液の溶質をほとんど含まない浄水を得る工程であり、第一蒸発装置には、蒸留塔を用いることができる。
再生工程は前記ガスを冷却して前記誘導溶液を再生する工程であり、熱交換器が用いられる。冷却する熱源には順浸透膜処理装置から排出される希釈誘導溶液などを利用することができる。再生された誘導溶液は順浸透工程で再利用される。
第二蒸発工程は、前記ろ過処理工程で得られる膜濃縮水と前記順浸透工程で得られる膜濃縮水とを蒸発濃縮し、蒸発濃縮水と凝縮水を得る工程であり、第二蒸発装置には通常の蒸発缶、すなわち、単一缶、多重効用缶、蒸気圧縮式蒸発缶、多段フラッシュ蒸発缶などを使用することができる。蒸発は、熱源に応じて常圧で行わせてもよく、減圧してもよい。凝縮水は、そのまま第一蒸発装置に投入し、あるいは熱交換器等を介してそれに含まれる熱を第一蒸発工程における熱源として利用することが好ましい。蒸発濃縮水は次工程に送られる。
晶析工程は、前記蒸発濃縮水を更に蒸発濃縮し、該蒸発濃縮水に含有される塩類を析出させるとともに凝縮水を得る工程であり、晶析装置には、密閉型の通常の晶析缶を利用できる。凝縮水は、前工程の凝縮水と同様にして第一蒸発工程における熱源として利用することが好ましい。一方、晶析装置から取出されるスラリーは個液分離して、結晶および有機物を含んでいる母液は産廃処分されるか、あるいは重金属や有機物等の環境汚染成分をほとんど含まない場合には融雪剤等に利用することもできる。
Claims (4)
- 坑井から排出される随伴水に分散剤を添加した後、ろ過処理し、ろ過水を得るろ過処理工程と、前記ろ過水と、揮発性溶質を含有し、前記ろ過水よりも高浸透圧の誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記ろ過水中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘導溶液と膜濃縮水を得る順浸透工程と、前記希釈誘導溶液を加熱して、揮発した前記溶質と水蒸気からなるガスを得るとともに、前記溶質をほとんど含まない浄水を得る第一蒸発工程と、前記ガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する再生工程と、前記順浸透工程で得られる膜濃縮水を蒸発濃縮し、蒸発濃縮水と凝縮水を得る第二蒸発工程と、前記蒸発濃縮水を更に蒸発濃縮し、該蒸発濃縮水に含有される塩類を析出させるとともに凝縮水を得る晶析工程とを有し、前記第二蒸発工程で得られる凝縮水と前記晶析工程で得られる凝縮水の少なくとも一方を前記第一蒸発工程における希釈誘導溶液の加熱源として使用することを特徴とする水処理方法。
- 坑井から排出される随伴水に分散剤を添加した後、ろ過処理し、ろ過水を得るろ過処理工程と、前記ろ過水と、揮発性溶質を含有し、前記ろ過水よりも高浸透圧の誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記ろ過水中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘導溶液と膜濃縮水を得る順浸透工程と、前記希釈誘導溶液を加熱して、揮発した前記溶質と水蒸気からなるガスを得るとともに、前記溶質をほとんど含まない浄水を得る第一蒸発工程と、前記ガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する再生工程と、前記順浸透工程で得られる膜濃縮水を蒸発濃縮し、蒸発濃縮水と凝縮水を得る第二蒸発工程と、前記蒸発濃縮水を更に蒸発濃縮し、該蒸発濃縮水に含有される塩類を析出させるとともに凝縮水を得る晶析工程とを有し、前記第二蒸発工程で得られる凝縮水と前記晶析工程で得られる凝縮水の少なくとも一方を前記第一蒸発工程における希釈誘導溶液に加熱源として直接導入することを特徴とする水処理方法。
- 前記浄水を前記坑井の掘削用水または蒸気として再利用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水処理方法。
- 坑井から排出される随伴水に分散剤を添加する反応槽と、前記反応槽から流出する反応液をろ過処理し、ろ過水を得るろ過装置と、前記ろ過水と、揮発性溶質を含有し、前記ろ過水よりも高浸透圧の誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記ろ過水中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘導溶液と膜濃縮水を得る順浸透膜処理装置と、前記希釈誘導溶液を加熱して、揮発した前記溶質と水蒸気からなるガスを得るとともに、前記溶質をほとんど含まない浄水を得る第一蒸発装置と、前記ガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する熱交換器と、前記順浸透膜処理装置から得られる膜濃縮水を蒸発濃縮し、蒸発濃縮水と凝縮水を得る第二蒸発装置と、前記蒸発濃縮水を更に蒸発濃縮し、該蒸発濃縮水に含有される塩類を析出させるとともに凝縮水を得る晶析装置とを有し、前記第二蒸発装置から得られる凝縮水と前記晶析装置から得られる凝縮水の少なくとも一方を前記第一蒸発装置内の希釈誘導溶液に加熱源として直接導入する手段を設けたことを特徴とする水処理装置。
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