JP2017039108A - 排水処理方法及び排水処理設備 - Google Patents
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しかしながら、特許文献1に記載の排水処理方法では、排水の放流量を抑えることができるものの、排水の水分の気化熱によって燃焼排ガスの温度を下げる分、燃焼排ガスから回収できる熱が少なくなり、燃焼排ガスの熱を必ずしも十分に回収できない。
しかしながら、特許文献1に記載の排水処理方法では、脱水ろ液を再び排水処理することとなり、排水から生じる浄化度の低い水を効率的に排水処理できない。
排水と該排水よりも浸透圧が高い高浸透圧水とを隔てるように配された正浸透膜を介して排水の水分を正浸透によって高浸透圧水側へ移動させる正浸透工程と、正浸透工程にて排水よりも水分が減った濃縮水の水分を焼却場における燃焼排ガス中で気化させる気化工程とを備える。
上記の排水処理方法によれば、正浸透によって十分に浄化された水分を燃焼排ガスの温度を下げるために用いなくても、濃縮水の水分を気化させて燃焼排ガスの温度を下げることができる。濃縮水の水分を気化させるものの、正浸透によって十分に浄化された水分を気化のために用いなくてもよい分、下げる温度幅を小さくでき、燃焼排ガスから熱を十分に回収できる。
従って、上記の排水処理方法によれば、焼却場における燃焼排ガスの熱を十分に回収しつつ、排水から生じる浄化度の低い水を効率的に排水処理できる。
排水と該排水よりも浸透圧が高い高浸透圧水とを隔てるように配された正浸透膜を含む浸透部であって正浸透膜を介して排水の水分を正浸透によって高浸透圧水側へ移動させる浸透部と、浸透部にて排水よりも水分が減った濃縮水の水分を焼却場における燃焼排ガス中で気化させるために燃焼排ガスに濃縮水を供給する濃縮水供給部とを備える。
燃焼部11は、焼却炉内の温度を調節するために、燃焼によって生じた燃焼排ガスGに水(後述する濃縮水B)を噴射又は噴霧することによって、燃焼排ガスG中で水分を気化させ、燃焼排ガスGの温度を気化熱によって下げるように構成されている。
本実施形態の排水処理設備1は、焼却場10にて生じる排水Aに含まれる濁質を減少させるために排水Aを前処理する前処理部2と、浸透部3に高浸透圧水Cを供給する高浸透圧水供給部5と、浸透部3の正浸透によって浸透圧がいったん下がった高浸透圧水Cの浸透圧を上げて高浸透圧水Cを再生させる再生部6とをさらに備える。
本実施形態の排水処理設備1は、浸透部3の正浸透膜の正浸透によって排水Aの水分を高浸透圧水C側へ移動させ、排水Aの水分が減ってなる濃縮水Bを浸透部3にて得るように構成されている。
本実施形態の排水処理設備1は、焼却場10の燃焼部11にて生じた燃焼排ガスの温度を下げるために、濃縮水Bを燃焼部11に供給するように構成されている。
本実施形態の排水処理設備1は、焼却場10の減温部122にて上記の熱回収燃焼排ガスの温度を下げるために、濃縮水Bを減温部122に供給するように構成されている。
本実施形態の排水処理設備1は、高浸透圧水Cを循環させつつ、高浸透圧水供給部5によって浸透部3に高浸透圧水Cを供給するように構成されている。
本実施形態の排水処理設備1は、浸透圧がいったん下がった高浸透圧水Cの浸透圧を再生部6によって上げて高浸透圧水Cを再生させ、再生させた高浸透圧水Cを高浸透圧水供給部5へ送るように構成されている。
本実施形態では、前処理部2は、ろ過膜を有する膜ろ過装置を備える。ろ過膜としては、例えば、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)などが挙げられる。ろ過膜としては、さらに、一般細菌やウイルス、重金属類を除去できる膜が好ましい。ろ過膜としては、分画分子量に換算しておよそ1,000〜300,000の物質を除去できる膜が好ましい。膜ろ過装置としては、排水処理の技術分野において一般的な装置が採用される。
前処理部2は、非透過水Dを燃焼部11に供給する非透過水供給経路2aを有する。前処理部2は、非透過水供給経路2aを経た非透過水Dを燃焼部11の燃焼排ガスG中に送るように構成されている。また、前処理部2は、焼却炉で生じる燃焼排ガスGに非透過水Dを噴射又は噴霧することによって燃焼排ガスG中で水分を気化させ、燃焼排ガスGの温度を気化熱によって下げるために、燃焼部11に非透過水Dを引き込むように構成されている。また、前処理部2は、非透過水Dに含まれる濁質を燃焼排ガスG中で燃焼させるためにも、燃焼部11に非透過水Dを引き込むように構成されている。
なお、再生部6は、例えば、高浸透圧水Cを加熱することによって高浸透圧水Cの水分を蒸発させ、いったん浸透圧が下がった高浸透圧水Cの浸透圧を上げるように構成され得る。また、再生部6は、例えば、ろ過膜を有し、析出させた感温性ポリマーと、浄化水Zとをろ過膜によって分離するように構成され得る。
排水Aと該排水Aよりも浸透圧が高い高浸透圧水Cとを隔てるように配された正浸透膜を介して排水Aの水分を正浸透によって高浸透圧水C側へ移動させる正浸透工程と、正浸透工程によって排水Aよりも水分が減った濃縮水Bを燃焼排ガスG中で気化させる気化工程とを備える。
本実施形態の排水処理方法は、焼却場10にて生じる排水Aに含まれる濁質を減少させる前処理工程と、浸透部3に高浸透圧水Cを供給する高浸透圧水供給工程と、浸透部3の正浸透によって浸透圧がいったん下がった高浸透圧水Cの浸透圧を上げて高浸透圧水Cを再生させる再生工程とをさらに備える。
前処理工程では、非透過水供給経路2aを経た非透過水Dを燃焼部11の燃焼排ガスG中に送る。また、前処理工程では、焼却炉で生じる燃焼排ガスGに非透過水Dを噴射又は噴霧することによって燃焼排ガスG中で非透過水Dの水分を気化させ、燃焼排ガスGの温度を気化熱によって下げる。また、前処理工程では、焼却炉の燃焼排ガスGに非透過水Dを噴射又は噴霧することによって、非透過水Dに含まれる濁質を燃焼させる。
詳しくは、濃縮水供給工程では、燃焼排ガスGの温度を濃縮水Bの水分の気化熱によって燃焼部11の焼却炉にて下げて、焼却炉内の温度を調節するために、燃焼部11に濃縮水Bを供給する。
また、濃縮水供給工程では、熱回収された燃焼排ガスGの温度を濃縮水Bの水分の気化熱によって減温部122にてさらに下げるために、減温部122に濃縮水Bを供給する。
濃縮水供給工程では、燃焼部11及び減温部122それぞれで気化工程にて下げる要求温度幅に応じて、燃焼部11及び減温部122それぞれに供給する濃縮水Bの量を調節することができる。濃縮水供給工程では、燃焼部11へ優先的に濃縮水Bを供給することが好ましい。即ち、減温部122よりも燃焼部11へ多くの濃縮水Bを供給することが好ましい。また、燃焼部11だけに濃縮水Bを供給することがより好ましい。
濃縮水供給工程では、上述した濃縮水供給経路に取り付けられた弁によって、濃縮水Bの供給先としての燃焼部11及び減温部122を選択でき、燃焼部11及び減温部122それぞれへの濃縮水Bの供給量を調節できる。即ち、燃焼部11及び減温部122のそれぞれに要求される濃縮水Bの供給量に応じて、必要量の濃縮水Bを燃焼部11及び減温部122の少なくともいずれかに供給できる。
気化工程では、焼却場10の燃焼部11にて、濃縮水Bを噴射等することによって、燃焼排ガスG中で水分を気化させ、燃焼排ガスGの温度を気化熱によって下げる。濃縮水Bの水分は、気化されて水蒸気となり、水蒸気を含んだ燃焼排ガスGが熱回収部12に送られる。一方、濃縮水Bに含まれる濁質は、高温の燃焼排ガスGに接触して燃焼する。これにより、濁質中の有機物がガスとなって燃焼排ガスGに取り込まれ、燃焼によってもガス化されない濁質中の物質が残渣となる。
これに対して、上記実施形態の排水処理設備1及び排水処理方法によれば、正浸透によって十分に浄化された水分を燃焼排ガスGの温度を下げるために用いずに、濃縮水Bの水分を気化させて燃焼排ガスGの温度を下げることができる。上記実施形態では、正浸透によって十分に浄化された水分を気化のために用いる必要が無くなった分、焼却炉内への噴霧量を減少させることができる。従って、焼却炉内の温度の下がり幅を小さくでき、燃焼排ガスGから熱を十分に回収できる。
従って、上記実施形態の排水処理設備1及び排水処理方法によれば、焼却場10における燃焼排ガスGの熱を十分に回収しつつ、排水Aから生じる浄化度の低い水(濃縮水B)を効率的に排水処理できる。また、焼却炉に過剰に燃料を供給する必要がないことから、過剰使用分の燃料を削減できる。
また、前処理部2による前処理工程によって、浸透部3に供給される濃縮水Bに濁質が含まれにくくなる。従って、濃縮水Bの水分を気化させたことによって生じた濁質由来の燃焼残渣や濁質等の蓄積物が燃焼部11や減温部122に蓄積することを抑制できる。前処理部2による前処理工程は、特に、蓄積物を取り除く頻度の少ない減温部122において、上記のごとき蓄積を抑制できるという点で、好適である。
また、排水Aが重金属を含む場合には、前処理部2による前処理工程によって、重金属や有機物を含む濁質が減った排水Aを得ることができる。従って、後段の正浸透工程を経た濃縮水Bが、減温部122の減温塔で気化させるためにふさわしいものにできる。これにより、減温部122に蓄積物が蓄積するといった減温部122への負荷をより小さく留めることができる。
また、前処理部2(膜ろ過装置)による前処理工程にて、ろ過膜を透過しなかった非透過水Dを燃焼部11の焼却炉に供給することによって、濁質中の有機物は燃焼によってそのほとんどがガスとなるが、ガス化されなかったその他の物質からは残渣が生じる。斯かる残渣は、焼却炉にてごみなどの燃焼に伴って生じた焼却残渣とともに取り除かれることから、焼却炉にて蓄積しない。従って、濁質を比較的多く含み浄化度の低い非透過水Dを、効率的に排水処理することができる。
また、一般の排水処理方法および排水処理設備において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
2:前処理部、 3:浸透部、 4:濃縮水供給部、 5:高浸透圧水供給部、 6:再生部、
10:焼却場(ごみ焼却場)
11:燃焼部(焼却炉)、
12:熱回収部、
121:ボイラ部(廃熱ボイラ)、 122:減温部(減温塔)、
13:発電部、
A:排水、
B:濃縮水、
C:高浸透圧水、
G:燃焼排ガス、
Z:浄化水。
Claims (4)
- 燃焼排ガスを排出する焼却場にて生じる排水の排水処理方法であって、
前記排水と該排水よりも浸透圧が高い高浸透圧水とを隔てるように配された正浸透膜を介して前記排水の水分を正浸透によって高浸透圧水側へ移動させる正浸透工程と、前記正浸透工程にて前記排水よりも水分が減った濃縮水の水分を前記焼却場における燃焼排ガス中で気化させる気化工程とを備える、排水処理方法。 - 前記高浸透圧水は、前記排水よりも浸透圧が高くなるように調製された駆動溶液である、請求項1記載の排水処理方法。
- 前記正浸透によって浸透圧がいったん下がった前記高浸透圧水の浸透圧を、燃焼排ガスから回収された熱のエネルギーによって上げる、請求項2に記載の排水処理方法。
- 燃焼排ガスを排出する焼却場にて生じる排水の排水処理設備であって、
前記排水と該排水よりも浸透圧が高い高浸透圧水とを隔てるように配された正浸透膜を含む浸透部であって前記正浸透膜を介して前記排水の水分を正浸透によって高浸透圧水側へ移動させる浸透部と、前記浸透部にて排水よりも水分が減った濃縮水の水分を前記焼却場における燃焼排ガス中で気化させるために燃焼排ガスに前記濃縮水を供給する濃縮水供給部とを備える、排水処理設備。
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- 2015-08-21 JP JP2015164049A patent/JP2017039108A/ja active Pending
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