JP5636163B2 - 排水処理方法及び排水処理設備 - Google Patents

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本発明は、焼却プラントから排出される排水の排水処理方法及び該排水の排水処理設備に関する。
従来、有機物を燃焼させる焼却装置と、該焼却装置から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収装置と、熱回収された燃焼排ガスをさらに減温させる減温装置とが備えられた焼却プラントから排出される排水の排水処理方法としては、該排水を凝集剤などによって凝集処理した後にろ過処理する排水処理方法などが知られている。
従来の排水処理方法としては、例えば、焼却プラントから排出される排水を凝集剤などによって凝集処理した後に生物処理を行い、さらに砂ろ過によってろ過処理する排水処理方法などが知られている(特許文献1)。特許文献1には、この種の排水処理方法によって浄化された浄化水の大部分を放流できることが記載されている。
ところで、近年、焼却プラントから排出される排水の排水処理方法としては、いわゆる環境問題に対応すべく、排水処理によって浄化された浄化水を極力放流しない方式を採用したものが強く求められている。
そこで、焼却プラントから排出される排水の排水処理方法においては、浄化水を極力放流しないようにするために、大半の浄化水を減温塔などの減温装置に噴射等して気化させ浄化水の容量を減らすことなどが行われている。詳しくは、廃熱ボイラなどの熱回収装置で燃焼排ガスから熱回収された後の燃焼排ガスに対して、減温装置において浄化水を噴射等することにより、浄化水を気化させてその容量を減らし、一方でその気化熱によって燃焼排ガスを減温することなどが行われている。即ち、斯かる排水処理方法においては、比較的多量の浄化水が減温装置における減温のために用いられることとなる。
このように、排水処理によって浄化された浄化水を極力放流しない方式を採用した排水処理方法においては、減温装置に噴射等される浄化水が比較的多量であるが故に、その気化熱により減温する温度幅を比較的大きく設定することとなる。その分だけ、減温装置の上流側にある廃熱ボイラなどの熱回収装置において、燃焼排ガスから回収する熱量を少なく設定せざるを得ない。即ち、減温装置において減温させる温度幅を比較的大きくすることに伴い、熱回収装置における燃焼排ガスからの熱回収量をより小さくすることとなり、焼却プラントにおける燃焼排ガスからの熱回収効率が比較的低いものになり得るという問題がある。
特開平10−99898号公報
そこで、焼却プラントから排水される排水の排水処理方法であって、焼却プラントにおける燃焼排ガスの熱を効率よく回収できる排水処理方法が要望されている。
本発明は、上記問題点、要望点等に鑑み、焼却プラントから排水される排水の排水処理方法であって、焼却プラントにおける燃焼排ガスの熱を効率よく回収できる排水処理方法を提供することを課題とする。また、焼却プラントから排水される排水の排水処理設備であって、焼却プラントにおける燃焼排ガスの熱を効率よく回収できる排水処理設備を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る排水処理方法は、有機物を燃焼させる焼却装置と、該焼却装置から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収装置と、該熱回収装置で熱回収された燃焼排ガスをさらに減温させる減温装置とが備えられた焼却プラントから排出される排水の排水処理方法であって、
前記排水から分離膜によって濃縮水を分離除去する膜分離工程と、熱回収された燃焼排ガスを前記濃縮水の気化熱により前記減温装置で減温させる減温工程とを実施し、
前記膜分離工程では、前記排水を精密ろ過膜(MF膜)によって分離して該精密ろ過膜を透過したMF膜透過水と前記排水が濃縮されたMF膜濃縮水とを調製するMF膜分離工程を実施した後、前記MF膜透過水を逆浸透膜(RO膜)によって分離して該逆浸透膜を透過したRO膜透過水と前記MF膜透過水が濃縮されたRO膜濃縮水とを調製するRO膜分離工程を実施し、
前記減温工程では、前記熱回収された燃焼排ガスを前記MF膜濃縮水及び前記RO膜濃縮水の気化熱により前記減温装置で減温させることを特徴とする。
上記構成からなる排水処理方法によれば、前記膜分離工程において、前記焼却プラントから排出された前記排水を分離膜によって濃縮して容積が減じられた前記濃縮水とし、該濃縮水を分離除去できる。そして、熱回収された燃焼排ガスを前記濃縮水の気化熱により前記減温装置で減温させるに際して、前記濃縮水の容積が前記排水より減じられている分、気化させる水量が少なくなっていることから、前記減温工程においては、熱回収された燃焼排ガスを減温する温度幅を小さくすることができる。即ち、前記減温工程においては、熱回収された燃焼排ガスから回収する熱量を少なくすることができる。熱回収された燃焼排ガスから回収する熱量が少なくなる分、上流側にある前記熱回収装置において燃焼排ガスから回収する熱量を大きくすることができる。
また、本発明に係る排水処理方法においては、前記膜分離工程で、前記排水を精密ろ過膜(MF膜)によって分離して該精密ろ過膜を透過したMF膜透過水と前記排水が濃縮されたMF膜濃縮水とを調製するMF膜分離工程を実施した後、前記MF膜透過水を逆浸透膜(RO膜)によって分離して該逆浸透膜を透過したRO膜透過水と前記MF膜透過水が濃縮されたRO膜濃縮水とを調製するRO膜分離工程を実施する前記膜分離工程で斯かる工程を実施することにより、前記排水に含まれ得る固体状の微粒子を前記精密ろ過膜によって除去でき、前記精密ろ過膜を透過したMF膜透過水を膜処理する前記逆浸透膜の目詰まりを抑制できる。従って、前記逆浸透膜の交換頻度が低くなり、前記MF膜濃縮水及び前記RO膜濃縮水を含み得る前記濃縮水を効率的に得ることができ、焼却プラントにおける燃焼排ガスの熱をより効率よく回収できる
また、本発明に係る排水処理方法は、前記膜分離工程の前に、前記排水に含まれる浮遊物を減少させる前処理工程を実施することが好ましい。前記膜分離工程の前に、前記排水に含まれる浮遊物を減少させる前処理工程を実施することにより、浮遊物が除去された排水を前記膜分離工程に用いることができるため、前記膜分離工程における分離膜の目詰まりが起こりにくく、分離膜の継続使用期間がより長くなり得る。従って、前記分離膜の交換頻度が低くなり、前記濃縮水を効率的に得ることができ、焼却プラントにおける燃焼排ガスの熱をより効率よく回収できるという利点がある。
本発明に係る排水処理設備は、有機物を燃焼させる焼却装置と、該焼却装置から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収装置と、該熱回収装置で熱回収された燃焼排ガスをさらに減温させる減温装置とを備えた焼却プラントから排出される排水の排水処理設備であって、前記排水から分離膜によって濃縮水を分離除去する膜分離手段と、熱回収された燃焼排ガスを前記濃縮水の気化熱により前記減温装置で減温させる減温手段とを備え、
前記膜分離手段は、前記排水を精密ろ過膜(MF膜)によって分離して該精密ろ過膜を透過したMF膜透過水と前記排水が濃縮されたMF膜濃縮水とを調製するMF膜ユニットと、前記MF膜透過水を逆浸透膜(RO膜)によって分離して該逆浸透膜を透過したRO膜透過水と前記MF膜透過水が濃縮されたRO膜濃縮水とを調製するRO膜ユニットとを有し、
前記減温手段は、前記熱回収された燃焼排ガスを前記MF膜濃縮水及び前記RO膜濃縮水の気化熱により前記減温装置で減温させるべく前記減温装置に前記MF膜濃縮水及び前記RO膜濃縮水を引き込む装置を有することを特徴とする。
本発明に係る排水処理方法及び排水処理設備は、上述の通り、上流側にある前記熱回収装置において燃焼排ガスから回収する熱量を大きくすることができる。従って、本発明の排水処理方法及び排水処理設備は、焼却プラントにおける燃焼排ガスの熱を効率よく回収できるという効果を奏する。
焼却プラントを簡略的に表した簡略図。 本実施形態の排水処理方法で用いる装置類の概略図。 本実施形態の排水処理方法の変形例で用いる装置類の概略図。 本実施形態の排水処理方法の変形例で用いる装置類の概略図。 本実施形態の排水処理方法の変形例で用いる装置類の概略図。 本実施形態の排水処理方法の変形例で用いる装置類の概略図。 本実施形態の排水処理方法の変形例で用いる装置類の概略図。 MF膜の膜差圧上昇を示す図。
以下、本発明に係る排水処理方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の排水処理方法は、有機物を燃焼させる焼却装置1と、該焼却装置1から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収装置2と、該熱回装置で熱回収された燃焼排ガス(以下、熱回収燃焼排ガスともいう)をさらに減温させる減温装置3とが備えられた焼却プラントから排出される排水の排水処理方法であって、前記排水から分離膜によって濃縮水を分離除去する膜分離工程と、前記熱回収燃焼排ガスを前記濃縮水の気化熱により前記減温装置3で減温させる減温工程とを実施する排水処理方法である。
詳しくは、本実施形態の排水処理方法は、有機物を燃焼させる焼却装置1と、該焼却装置1から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収装置2と、該熱回収装置で熱回収された燃焼排ガス(熱回収燃焼排ガス)をさらに減温させる減温装置3とが備えられた焼却プラントから排出される排水の排水処理方法であって、
前記排水を精密ろ過膜(以下、MF膜ともいう)によって分離して該精密ろ過膜を透過したMF膜透過水と前記排水が濃縮されたMF膜濃縮水とを調製するMF膜分離工程を実施した後、前記MF膜透過水を逆浸透膜(以下、RO膜ともいう)によって分離して該逆浸透膜を透過したRO膜透過水と前記MF膜透過水が濃縮されたRO膜濃縮水とを調製するRO膜分離工程を実施し、前記RO膜分離工程を実施した後に、前記熱回収燃焼排ガスを前記MF膜濃縮水又は前記RO膜濃縮水の気化熱により前記減温装置3で減温させる減温工程を実施する排水処理方法である。
さらに詳しくは、本実施形態の排水処理方法は、有機物を燃焼させる焼却装置1と、該焼却装置1から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収装置2と、該熱回収装置で熱回収された燃焼排ガス(熱回収燃焼排ガス)をさらに減温させる減温装置3とが備えられた焼却プラントから排出される排水の排水処理方法であって、
前記排水を精密ろ過膜(MF膜)によって分離して該精密ろ過膜を透過したMF膜透過水と前記排水が濃縮されたMF膜濃縮水とを調製するMF膜分離工程を実施した後、前記MF膜透過水を逆浸透膜(RO膜)によって分離して該逆浸透膜を透過したRO膜透過水と前記MF膜透過水が濃縮されたRO膜濃縮水とを調製するRO膜分離工程を実施し、前記RO膜分離工程を実施した後に、前記熱回収燃焼排ガスを前記MF膜濃縮水又は前記RO膜濃縮水の気化熱により前記減温装置3で減温させる減温工程を実施し、さらに、前記MF膜分離工程の前に前記排水に含まれる浮遊物を減少させる前処理工程と、前記RO膜分離工程の後に前記RO膜を透過した前記RO膜透過水をさらに取り扱う後処理工程とを実施する排水処理方法である。
ここで、焼却プラントに備えられている前記焼却装置1、前記熱回収装置2、及び前記減温装置3について説明する。なお、前記焼却プラントには、必要に応じて適宜、他の装置等が備えられ得る。
前記焼却装置1、前記熱回収装置2、及び前記減温装置3の概略図を図1に示す。
前記焼却装置1は、有機物を燃焼させるものであり、前記焼却装置1としては、具体的には、例えば、焼却炉が挙げられる。燃焼する有機物としては、特に限定されるものではないが、例えば、都市ごみ、産業廃棄物、下水汚泥、廃木材、などが挙げられる。なお、前記焼却装置1としては、ストーカ炉、流動床炉、ガス化溶融炉、灰溶融炉等、焼却プラントの技術分野において従来公知の一般的なものを用いることができる。
前記熱回収装置2は、前記焼却装置1から排出される燃焼排ガスの熱を回収するものである。前記熱回収装置2としては、例えば、燃焼排ガスの熱を回収して水に伝え、水蒸気や温水に換える廃熱ボイラなどが挙げられる。前記焼却装置1から排出された前記燃焼排ガスは、通常、800〜1300℃程度の温度になっている。なお、前記熱回収装置2としては、廃熱ボイラ等焼却プラントの技術分野において従来公知の一般的なものを用いることができる。
前記減温装置3は、前記熱回収装置2で熱回収された燃焼排ガス(熱回収燃焼排ガス)をさらに減温させるものである。前記減温装置3としては、特に限定されるものではないが、前記熱回収装置2から導入される前記熱回収燃焼排ガスに水を噴射又は噴霧し、前記熱回収燃焼排ガスの温度を水の気化熱により下げる減温塔などが挙げられる。前記減温装置3に導入される前記熱回収燃焼排ガスは、通常、250〜400℃程度の温度になっている。前記減温装置3としては、焼却プラントの技術分野において従来公知の一般的なものを用いることができる。
なお、前記熱回収燃焼排ガスが前記減温装置によって減温された後のガスの温度は、通常、150〜200℃程度になっている。このガスは、前記濃縮水の水が気化した水蒸気を含んでおり、集塵器等でさらに塵などが取り除かれ、大気中に放出される。
前記焼却プラントから排出される排水は、焼却プラントの敷地内で生じる排水を意味しており、通常、少なくとも焼却装置1の周辺機器を冷却した後の機器冷却排水を含んでいる。焼却プラントの敷地内から排出される排水としては、例えば、廃熱ボイラなどの熱回収装置2からブローされるブロー排水、焼却プラントにある床などを洗浄したときに発生する洗浄排水、廃棄物収集車を洗浄したときに発生する洗車排水、焼却炉などの焼却装置1から発生する焼却残渣やスラグを冷却する残渣冷却排水、生活排水など、又はその他焼却プラント内で発生する排水が挙げられる。
次に、本実施形態の排水処理方法で実施する各工程について詳しく説明する。なお、本実施形態の排水処理方法で用いる装置類の概略図を図2に示す。
本実施形態の排水処理方法は、まず、焼却プラントから排出される排水に含まれる浮遊物を減少させる前処理工程を前記膜分離工程の前に実施する。
前記膜分離工程の前に、焼却プラントから排出される排水に含まれる浮遊物を減少させる前処理工程を実施することにより、浮遊物が減少された排水を前記膜分離工程に用いることができるため、前記膜分離工程における分離膜の目詰まりが起こりにくく、分離膜の継続使用期間がより長くなり得る。従って、前記分離膜の交換頻度が低くなり、効率的に前記濃縮水を得ることができ、焼却プラントにおける燃焼排ガスの熱をより効率よく回収できる。
また、前記膜分離工程の前に、前処理工程を実施することにより、前記濃縮水に前記浮遊物が含まれにくくなり、前記濃縮水を前記減温装置に噴射等する後述の減温工程を実施した結果生じ得る、減温装置における前記浮遊物の蓄積等を抑制することができる。さらには、万が一、前記膜分離工程がトラブルに見舞われた場合でも、前処理工程の実施によって前記排水に含まれる浮遊物を減らすことができ、浮遊物が少なくなった後の排水を焼却プラントにおいて各種用途に用いることもできることから、焼却プラント全体の操業を停止する可能性が低くなるという利点がある。
前記浮遊物としては、有機性微粒子、無機性微粒子などが挙げられ、その他の固体状微粒子なども挙げられる。これら浮遊物は、前記焼却プラントから排出される排水に含まれ得る。
前記前処理工程では、詳しくは、前記排水に含まれる前記浮遊物を減少させる目的で、前記排水に凝集剤を添加し、主に前記浮遊物が凝集してなる凝集物を発生、沈殿させる凝集沈殿工程を実施することができる。該凝集沈殿工程を実施することにより、凝集物を前記排水から除去し、前記排水に含まれ得る前記浮遊物を減少させることができる。
前記排水に凝集剤を添加することにより、前記浮遊物が凝集物となって沈殿しやすくなるという利点がある。前記凝集物が沈殿した後の上澄み水を続く膜分離工程で用いることにより、前記分離膜の目詰まりを抑制することができる。
前記凝集剤としては、従来公知の一般的な凝集剤を用いることができる。前記凝集剤としては、例えば、硫酸第一鉄,硫酸第二鉄,塩化第二鉄などの鉄系凝集剤、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)などのアルミ系凝集剤、これらの混合物等が例示される。なお、前記凝集剤の添加量は、適宜調整され得る。
前記凝集沈殿工程は、前記排水が所定量貯蓄され、前記凝集剤が添加できるようにされた凝集装置を用いて実施できる。前記凝集装置は、前記凝集剤が適宜、適量、適当な時期に前記排水へ添加されるように備えられている。
また、前記前処理工程では、前記排水に含まれる前記浮遊物を減少させる目的で、前記凝集沈殿工程を実施した後に、砂ろ過工程を実施することができる。前記凝集沈殿工程を実施した後に、砂ろ過工程を実施することにより、凝集物として沈殿しなかった浮遊物であっても除去できるため、前記排水に含まれた前記浮遊物をより確実に低減できるという利点がある。
前記砂ろ過工程は、例えば、砂利の層の上に砂やアンスラサイト等ろ過メディアの層を敷いた砂ろ過装置を用いて実施できる。該砂ろ過装置は、主に前記排水に含まれる浮遊物を減少させるものであり、前記砂ろ過装置としては、一般的に用いられているものが挙げられる。
なお、本実施形態の排水処理方法は、前記砂ろ過工程を実施しないものとすることもできる。即ち、図3に示すように砂ろ過装置を用いずに実施することができる。前記砂ろ過装置は比較的大きい装置であり、前記砂ろ過装置の代わりにMF膜(浸漬膜)を用いて膜分離活性汚泥法をおこなうことにより、本実施形態の排水処理方法で用いる排水処理設備をコンパクト化することができる。なお、図3に示すように、MF膜(浸漬膜)装置の浸漬膜にて捕捉された凝集物は、抜き出された後にごみピットに投入され、焼却装置1にて焼却処理され得る。なお、前記前処理工程では、上記のごとくMF膜を用いる代わりに、UF膜を用いても良い。
本実施形態の排水処理方法では、前記膜分離工程を前処理工程の後に実施する。前記膜分離工程では、前記排水から分離膜によって濃縮水を分離除去する。即ち、前記焼却プラントから排出される排水を分離膜によって分離して、前記排水に含まれる不純物が濃縮された前記濃縮水を分離除去する。従って、前記膜分離工程を実施して前記排水から前記濃縮水を分離除去することにより、前記排水の一部を汚染度がより高められた水にすることができると認識することもできる。汚染度が比較的高い水は、通常、放流等できないため、前記排水と混合されるなどして再度排水処理されるところ、本実施形態の排水処理方法での減温工程(後述)におけるように、汚染度が比較的高くなった前記濃縮水を気化させてその容量を減らすことは、排水処理の効率化の点において好ましい。
一方、前記膜分離工程では、前記焼却プラントから排出される排水を分離膜によって分離して、前記排水に含まれる不純物を減少させ、実質的に容積が減少した前記透過水を分離除去できる。前記透過水は、前記排水に含まれる不純物等が減少されることにより、比較的浄化度の高い工業用水の浄化度に近いものになり、比較的高浄化度が要求される用途で用いられ得る。即ち、例えば、前記透過水を放流することができ、又は、焼却プラント内において高浄化度の求められる廃熱ボイラのボイラ原水、機器冷却水、プラント内で使用するプラント用水等の用途向けなど、汚染されている前記排水をそのまま適用することが困難な用途で用いることができる。従って、前記膜分離工程を実施して前記排水から前記透過水を分離除去することにより、前記排水の一部を比較的浄化度の高い水とし、斯かる比較的浄化度の高い水をより高い浄化度が求められる用途に適用することができる。
ここで、前記不純物としては、イオン成分、有機物などが挙げられる。前記不純物の前記イオン成分としては、例えば、陽イオン性物質、陰イオン性物質などが挙げられ、具体的には、陰イオンとイオン結合して水に溶解しにくいスケールを発生させやすいカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどが例示される。また、前記有機物としては、前記排水に溶解している水溶性有機物などが挙げられる。
前記分離膜としては、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、逆浸透膜(RO膜)、これらのうちいずれかを複数用いたもの、又はこれらを組み合わせたものなどが挙げられる。
詳しくは、前記膜分離工程では、焼却プラントから排出される排水を精密ろ過膜(MF膜)によって分離して該精密ろ過膜(MF膜)を透過したMF膜透過水と前記排水が濃縮されたMF膜濃縮水とを調製するMF膜分離工程を実施した後、前記MF膜透過水を逆浸透膜(RO膜)によって分離して該逆浸透膜(RO膜)を透過したRO膜透過水と前記MF膜透過水が濃縮されたRO膜濃縮水とを調製するRO膜分離工程を実施する。
なお、前記MF膜濃縮水には、前記排水がMF膜を透過しなかった非透過水が含まれ、また、MF膜表面に析出したスケールが付着することにより発生するMF膜差圧の上昇を解消するために行う、膜の逆圧洗浄や薬品洗浄により発生した洗浄排水も含まれる。MF膜の逆圧洗浄においては、MF膜差圧の上昇をより抑制できる点で、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸塩を含んだ水で洗浄することが好ましい。
前記膜分離工程において、前記MF膜分離工程、及び前記RO膜分離工程を実施することにより、前記排水に含まれ得る比較的小さい浮遊物を前記精密ろ過膜(MF膜)によって除去でき、これにより、前記精密ろ過膜(MF膜)を透過したMF膜透過水を膜処理する前記逆浸透膜(RO膜)の目詰まりを抑制できる。従って、前記逆浸透膜(RO膜)の交換頻度が低くなり、効率的に前記MF膜濃縮水や前記RO膜濃縮水という濃縮水を得ることができるという利点がある。即ち、効率的に前記濃縮水を得ることができるうえに、上述のごとく焼却プラントにおける燃焼排ガスの熱をより効率よく回収できる。
前記精密ろ過膜としては、水処理の技術分野において従来公知の一般的な精密ろ過膜を用いることができる。詳しくは、前記精密ろ過膜としては、多孔質の膜が挙げられ、ろ過膜ユニットとなっているものが用いられ得る。ろ過膜ユニットとしては、例えば、中空糸膜、スパイラル膜、チューブラー膜がベッセル内に保持されたものが挙げられる。また、前記精密ろ過膜としては、中空糸膜あるいは平膜をそのまま被処理水中に浸漬して用いるものも例示される。なお、前記精密ろ過膜は、通常、50nm〜10μm程度の孔径の孔を有している。
前記膜分離工程においては、前記精密ろ過膜(MF膜)の代わりに、通常、2nm〜200nm程度の孔径を有する限外ろ過膜(UF膜)を用いることもできる。
なお、本実施形態の排水処理方法は、前記砂ろ過工程を実施せず、且つ前記膜分離工程では、図4に示すように前記精密ろ過膜のユニットを2つ直列につなげて実施することができる。前記精密ろ過膜のユニットを2つ直列につなげることにより、前記砂ろ過工程を実施せずとも、前記排水に含まれる浮遊物を減らすことができ、よって前記精密ろ過膜を透過したMF膜透過水による前記逆浸透膜の目詰まりを抑制でき、さらには設置スペースを削減することができる。
前記逆浸透膜としては、水処理の技術分野において従来公知の一般的な逆浸透膜を用いることができる。詳しくは、前記逆浸透膜としては、例えば、逆浸透膜ユニットとなっているものが用いられ得る。逆浸透膜ユニットとしては、中空糸膜、スパイラル膜、管状膜等の状態で設置されたろ過膜が、ベッセル内に保持され高い圧力に耐えられるようになったものが挙げられる。また、前記逆浸透膜としては、例えば、非対称膜の緻密層と微細多孔層とで構成される複合膜が挙げられる。なお、前記逆浸透膜にある孔の孔径としては、通常、2nm以下が例示される。
また、前記膜分離工程では、前記精密ろ過膜(MF膜)を透過したMF膜透過水が前記逆浸透膜(RO膜)で濃縮される際に、析出物(いわゆるスケール)が発生することを防止する目的で、MF膜透過水にスケール防止剤を添加することができる。前記MF膜透過水にスケール防止剤を添加することにより、MF膜透過水に含まれるスケールになり得る成分(イオン状シリカ、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの硬度成分、溶解性蒸発残留物、重炭酸など)がスケールとなって析出することを抑制することができる。
前記スケール防止剤としては、具体的には、キレート剤作用を有する化合物、より具体的には、ポリリン酸、ホスホン酸、カルボン酸系高分子電解質(一般に低分子量ポリマーと呼ばれる)等を用いることができる。
また、有機性、無機性など種々の成分が含まれるごみ焼却プラント排水が前記逆浸透膜を透過する際には、前記逆浸透膜でのバイオファウリングの発生が問題となり得るため、前記膜分離工程では、前記逆浸透膜に発生し得るバイオファウリングを防止する目的で、MF膜透過水にバイオファウリング抑制剤を添加することができる。前記MF膜透過水にバイオファウリング抑制剤を添加することにより、前記逆浸透膜の目詰まりを生じさせるバイオファウリングを抑制することができる。
前記バイオファウリング抑制剤としては、水処理の技術分野において従来公知の一般的なものを用いることができる。
また、焼却プラント排水に次亜塩素酸イオンなどが含まれている場合、即ち塩素が含まれている場合には、前記膜分離工程において、塩素による前記逆浸透膜の劣化を抑制する目的で、図5に示すように、MF膜透過水を一時的に貯留する脱塩素水槽を備えさせ、該脱塩素水槽に脱塩素剤を添加する脱塩素工程を実施することができる。前記MF膜透過水に脱塩素剤を添加する脱塩素工程を実施することにより、塩素による前記逆浸透膜の劣化を抑制することができる。また、脱塩素水槽をMF膜ユニットの上流側でなく下流側に備えることにより、塩素が含まれた排水がMF膜を透過し、塩素の酸化力などによってMF膜表面のバイオファウリングを防止することができる。
前記脱塩素剤としては、例えば、重亜硫酸ソーダ、チオ硫酸ソーダなど、水処理の技術分野において従来公知の一般的なものを用いることができる。
なお、前記膜分離工程では、図6に示すように前記逆浸透膜のユニットを2つ直列につなげて実施することができる。前記逆浸透膜のユニットを2つ直列につなげることにより、分離膜を透過した透過水の浄化度をさらに高めることができ、前記透過水を純水並みの水質にすることができ、廃熱ボイラのボイラ給水に直接適用できる。
本実施形態の排水処理方法は、前記減温工程を前記膜分離工程の後に実施する。前記減温工程では、前記熱回収燃焼排ガスを前記濃縮水の気化熱により減温させる。
詳しくは、前記減温工程では、前記熱回収装置2を通過して熱が回収された燃焼排ガスに対して、前記減温装置3において前記濃縮水を噴射等することによって、前記熱回収燃焼排ガスをさらに減温する。減温は、前記濃縮水が蒸発する際の気化熱を利用する。
前記減温工程においては、前記濃縮水を前記減温装置3内に噴射等するなど、前記熱回収燃焼排ガスを前記濃縮水の気化熱により減温させるに際して、濃縮により前記排水の容積が減じられている分、気化させる水量が少ないため、前記熱回収燃焼排ガスをさらに減温する温度幅を小さく設定することができる。また、前記減温装置3で減温される前記熱回収燃焼排ガスは、その上流側で熱回収装置2により熱を回収されたものであり、前記熱回収燃焼排ガスを前記減温装置3において減温する温度幅を小さくする分、その上流側にある前記熱回収装置2において燃焼排ガスから回収する熱量を大きく設定することができる。なお、前記濃縮水の水分は、通常、水蒸気となって大気中に放出される。
具体的には、例えば、前記燃焼排ガスが1000℃であって、前記減温工程により燃焼排ガスを150℃にまで減温するように設定すると、本実施形態の排水処理方法では、前記濃縮水が比較的少ないため、前記熱回収燃焼排ガスを前記減温工程によって300℃から150℃、即ち150℃の温度幅で減温するように設定し得る。従って、前記熱回収装置においては、1000℃から300℃、即ち700℃分の熱を回収できる。
一方、従来の排水処理方法では、前記減温工程で用いる水が比較的多いため、例えば、前記熱回収燃焼排ガスを前記減温工程によって400℃から150℃、即ち250℃の温度幅で減温するように設定し得る。従って、前記熱回収装置においては、1000℃から400℃、即ち600℃分の熱しか回収できない。
なお、前記MF膜濃縮水中に含まれる浮遊物(SS)が多い場合には、前記濃縮水を前記減温装置3内に噴射等する際に、配管やノズルの目詰まりを起こす可能性がある。斯かる現象を防ぐべく、前記MF膜濃縮水の全部又は一部を上流側へ返送して、斯かるMF膜濃縮水の全部又は一部に対して前記前処理工程を実施し、前記MF膜濃縮水中に含まれる浮遊物を減少させる処理を行ってもよい。
また、前記MF膜を逆圧洗浄することにより発生する水を含むMF膜濃縮水は、前記減温装置3内に噴射等されることにより、前記減温装置3の配管等を腐食し得る。即ち、MF膜濃縮水には、前記減温装置3の配管等を腐食する腐食成分が含まれ得る。特に、次亜塩素酸塩等を含む水で前記MF膜を逆圧洗浄する場合には、より多くの腐食成分がMF膜濃縮水に含まれ得る。斯かる腐食成分による前記減温装置3の配管等の腐食を抑制すべく、MF膜を逆圧洗浄することにより発生するMF膜濃縮水と、前記RO膜濃縮水とを混合して混合濃縮水とし、腐食成分濃度が下げられた該混合濃縮水を前記減温装置3内に噴射等することができる。また、該混合濃縮水にさらに工業用水や井水を加えることによって腐食成分濃度が下げられたものを前記減温装置3内に噴射等することもできる。また、MF膜を逆圧洗浄することにより発生するMF膜濃縮水の全部又は一部を上流側へ返送して、斯かるMF膜濃縮水の全部又は一部に対して前記前処理工程を実施してもよい。
本実施形態の排水処理方法は、前記膜分離工程及び前記減温工程を実施することにより、前記熱回収装置2において燃焼排ガスから回収する熱量をより大きくすることができることは上述の通りであるが、好ましくは、排水処理後の水を極力放流しない方式、より好ましくは、前記排水を実質的に放流しない方式において実施する。
詳しくは、従来の排水処理方法においては、排水処理後の水を極力放流しないようにする目的で、排水処理後の水の一部を焼却装置1周辺機器の冷却、その他プラント用水などに利用できるものの、排水処理後の水の大半は、減温塔などの減温装置3に噴射等して気化させ排水処理後の水の容量を減らすことなどを行う。即ち、比較的多量の水が減温装置3における減温のために用いられることとなる。減温装置3に噴射等される水が比較的多量であるが故に、その気化熱により減温する温度幅を比較的大きく設定することとなる。その分だけ、減温装置3の上流側にある熱回収装置2において、燃焼排ガスから回収する熱量を少なく設定せざるを得ない。即ち、減温装置3において減温する温度幅を大きくすることに伴い、熱回収装置2における燃焼排ガスからの熱回収量を小さくすることとなり、焼却プラントにおける燃焼排ガスからの熱回収効率が比較的低いものとなり得る。
そこで、本実施形態の排水処理方法のごとく、前記膜分離工程によって前記焼却プラントから排出される排水を分離膜によって分離して、前記排水に含まれる不純物が濃縮され汚染度がより高められた前記濃縮水を分離除去する。汚染度が比較的高い水は、通常、放流等できないため、前記排水と混合されるなどして再度排水処理されるところ、汚染度が比較的高くなった前記濃縮水を気化させてその容量を減らすことは、排水処理後の水を極力放流しないようにする目的を達成する点において好ましい。
一方、前記膜分離工程では、前記焼却プラントから排出される排水を分離膜によって分離して、前記排水に含まれる不純物を減少させ、実質的に容積が減少した前記透過水を分離除去できる。前記透過水は、前記排水に含まれる不純物等が減少されて、工業用水程度の浄化度を有する比較的浄化度の高いものになっており、比較的高い浄化度が要求される用途で用いられ得る。即ち、例えば、焼却プラント内において比較的高い浄化度の求められる廃熱ボイラのボイラ原水、機器冷却水、プラント用水等の用途向けなどで用いることができる。従って、前記膜分離工程を実施して、前記排水の一部を比較的浄化度の高い前記透過水を生じさせることは、該透過水を焼却プラントにおける様々な用途に適用できることにつながり、排水処理後の水を極力放流しないようにする目的を達成する点において好ましい。
さらに付言するならば、前記減温工程で用いる濃縮水は、焼却プラントから排出される排水に含まれる不純物が濃縮され、汚染度が高まったものであり、例えば廃熱ボイラのボイラ原水などのように比較的高浄化度が要求される用途においてそのまま利用することが困難なものである。よって、前記濃縮水を極力放流しないようにするためには、従来、前記濃縮水を再度排水処理することとなり、再度排水処理する分だけ排水処理に必要なコストが増える。そこで、前記濃縮水を前記排水と混合する代わりに、本実施形態の排水処理方法のように前記減温工程を実施し、前記濃縮水を前記減温装置にて蒸発させ、その気化熱により前記熱回収燃焼排ガスを減温させることにより、上述のごとく前記熱回収装置2において燃焼排ガスから回収する熱量を大きくすることができる。さらには、前記濃縮水を再度排水処理することによる排水処理量の増加を抑制できる。
加えて、本実施形態においては、前記減温工程において気化させる水量を少なくできることに伴い、減温工程から排出される熱回収燃焼排ガスの量が減少し、環境負荷を低減でき、減温塔や集塵器などの機器の容量を小さくすることができるという利点がある。さらに、上述のごとく前記熱回収装置2において燃焼排ガスから回収する熱量を大きくすることができることにより、回収した熱量を利用して蒸気タービン等の発電機から発電される電力量が増加し、余剰電力の売電量の増加が可能となり、温室効果ガスであるCO2の排出量削減に寄与できる。
本実施形態の排水処理方法は、前記後処理工程を前記膜分離工程の後に実施する。詳しくは、前記RO膜分離工程の後に実施する。
前記後処理工程では、前記膜分離工程において分離膜を透過した透過水をさらに取り扱う。詳しくは、前記MF膜分離工程においてMF膜を透過したMF膜透過水、及び、前記RO膜分離工程においてRO膜を透過したRO膜透過水をさらに取り扱う。
具体的には、前記後処理工程では、前記MF膜透過水を洗車用水などとして用いることができ、前記RO膜透過水を廃熱ボイラのボイラ原水、機器冷却水、プラント用水などとして用いることができる。そのため、ボイラ原水等に使用するための新たな用水の供給量を低減することができるという利点がある。
なお、前記後処理工程においては、焼却プラントにおいて必ずしも完全なクローズドシステムを採用していない場合、前記MF膜透過水、前記RO膜透過水などの透過水を海、河川、又は下水等へ放流することができる。
なお、前記前処理工程の前に、例えば、従来公知の水処理方法を採用する態様も本発明に含まれ得る。また例えば、前記後処理工程の後に、従来公知の水処理方法を採用する態様も本発明に含まれ得る。
続いて、本発明に係る排水処理設備の一実施形態について説明する。
本実施形態の排水処理設備は、有機物を燃焼させる焼却装置1と、該焼却装置1から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収装置2と、該熱回収装置2で熱回収された燃焼排ガス(熱回収燃焼排ガス)をさらに減温させる減温装置3とを備えた焼却プラントから排出される排水の排水処理設備であって、
前記排水から分離膜によって濃縮水を分離除去する膜分離手段と、前記熱回収燃焼排ガスを前記濃縮水の気化熱により前記減温装置3で減温させる減温手段とが備えられていることを特徴とする。
前記膜分離手段としては、水処理の技術分野において従来公知の一般的な装置が挙げられ、例えば、上述したMF膜、UF膜、RO膜などが挙げられる。
前記減温手段としては、水処理の技術分野において従来公知の一般的な装置が挙げられる。例えば、前記熱回収装置2から導入される前記熱回収燃焼排ガスに水を噴射又は噴霧し、前記熱回収燃焼排ガスの温度を水の気化熱により下げる減温塔などの減温装置にまで前記濃縮水を引き込む装置(図示せず)などが挙げられる。
本実施形態の排水処理設備は、他に、前記排水が所定量貯蓄され前記凝集剤が適宜、適量、適当な時期に前記排水へ添加される凝集装置や、砂利の層の上に砂やアンスラサイト等ろ過メディアの層を敷いたものなど、一般的に用いられている砂ろ過装置が備えられ得る。
本実施形態の排水処理設備は、一般的な方法によって製造することができる。即ち、前記MF膜、前記RO膜、前記砂ろ過装置などとしては、水処理の技術分野において一般的に用いられているものを採用することができ、これらに必要な配管、配線等を設置するなどして組み合わせ、通常の方法で本実施形態の排水処理設備を製造することができる。
本発明は、上記例示の排水処理方法および排水処理設備に限定されるものではない。
また、一般の排水処理方法および排水処理設備において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
焼却プラントにおいては、燃焼排ガスに含まれ得るNOxガスを除去すべく、燃焼排ガスとアンモニアとを混合した混合ガスを脱硝触媒と接触させ、接触還元反応により、NOxガスを分解することなどがおこなわれている。そして、燃焼排ガス中にはアンモニアが残存し得ることから、焼却プラントから排出される排水には、アンモニア(アンモニウムイオン)が含まれ得る。
斯かる事情から、例えば、本実施形態の排水処理方法においては、排水に含まれ前記膜処理工程等によっては減少させにくいアンモニウムイオンを減少させる等の目的で、図7に示すように前処理工程で用いる装置の上流側に生物処理装置を備えさせ、前処理工程を実施する前にアンモニウムイオン等を減少させる生物処理工程を実施することができる。前記前処理工程を実施する前に該生物処理工程を実施することにより、後に実施する膜分離工程等によっても減少させにくいアンモニウムイオンを減少できることから、前記排水に含まれたアンモニウムイオンをより確実に低減できるという利点がある。
前記生物処理工程は、例えば、好気性微生物を利用して硝化工程を実施する硝化槽と、通性嫌気性微生物を利用して脱窒工程を実施する脱窒槽とを備えた生物処理装置を用いて実施できる。該生物処理装置としては、従来一般的に用いられているものを用いることができる。
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
(試験例)
排水処理設備に備えられている各装置を図5に示したように配置し、排水処理をおこなった。
詳しくは、MF膜のユニットとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を素材とする公称孔径0.1μmの中空糸膜モジュールを用いた。RO膜ユニットとして合成高分子系のスパイラル型エレメントを用いた。
また、脱塩素水槽においては、酸化還元電位(ORP)が200mV未満となる量の重亜硫酸ソーダをMF膜透過水に対して添加し、重亜硫酸ソーダを含んだ斯かるMF膜透過水に対しては、2.5mg/Lとなる量のスケール防止剤及び10mg/Lとなる量のバイオファウリング抑制剤を添加した。
下記の表1に示す凝集装置及び砂ろ過装置にて処理後の原水を用い、MF膜における透過流束を1.2m/dとし、原水の排水処理を160日間おこなった。
Figure 0005636163
その結果、最終処理水の水質は、表1に示す通り十分良好なものとなった。なお、表1における要求値は、日本冷凍空調工業会標準規格JRA−GL−02−1994の補給水水質基準に準ずるものである。
また、MF膜に対して30分間隔で逆圧洗浄をし、逆圧洗浄に用いる水が次亜塩素酸ナトリウムを10mg/L含む水である場合と全く含まない水である場合とにおいて、MF膜の膜差圧の上昇程度を比較した。その結果を図8に示す。
図8に示すように、MF膜の逆圧洗浄に用いる水が逆圧洗浄に用いる水が、次亜塩素酸ナトリウムを含むことにより、MF膜の膜差圧の上昇が抑制された。なお、排水処理中におけるMF膜の回収率は、90%以上であった。
また、RO膜ユニットにおける経時的なRO膜の操作圧及び差圧(モジュール圧損)の測定結果から、RO膜の操作圧上昇速度及び差圧(モジュール圧損)上昇速度を算出した。その結果、RO膜の操作圧上昇速度は、2.1×10-3MPa/dであり、差圧(モジュール圧損)上昇速度は、4.0×10-5MPa/dであり、比較的小さいものであった。なお、排水処理中におけるRO膜の回収率は、70%以上であった。
また、上記試験例に示した各装置を用い、表1に示す原水を上記試験例と同様に排水処理し、MF膜濃縮水の量及びRO膜濃縮水の量などを測定した。結果を表2に示す。
表2より、MF膜濃縮水の量及びRO膜濃縮水の量の合計が、被処理水の量に対して28%となることが認識できる。従って、斯かる試験例では、焼却プラントにおける減温塔に被処理水の全量を噴射等する場合と比較すると、減温塔に噴射等する水の量を28%に削減することが可能となり得る。
Figure 0005636163
1・・・焼却装置(焼却炉)
2・・・熱回収装置(廃熱ボイラ)
3・・・減温装置(減温塔)

Claims (3)

  1. 有機物を燃焼させる焼却装置と、該焼却装置から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収装置と、該熱回収装置で熱回収された燃焼排ガスをさらに減温させる減温装置とが備えられた焼却プラントから排出される排水の排水処理方法であって、
    前記排水から分離膜によって濃縮水を分離除去する膜分離工程と、熱回収された燃焼排ガスを前記濃縮水の気化熱により前記減温装置で減温させる減温工程とを実施し、
    前記膜分離工程では、前記排水を精密ろ過膜(MF膜)によって分離して該精密ろ過膜を透過したMF膜透過水と前記排水が濃縮されたMF膜濃縮水とを調製するMF膜分離工程を実施した後、前記MF膜透過水を逆浸透膜(RO膜)によって分離して該逆浸透膜を透過したRO膜透過水と前記MF膜透過水が濃縮されたRO膜濃縮水とを調製するRO膜分離工程を実施し、
    前記減温工程では、前記熱回収された燃焼排ガスを前記MF膜濃縮水及び前記RO膜濃縮水の気化熱により前記減温装置で減温させることを特徴とする排水処理方法。
  2. 前記膜分離工程の前に、前記排水に含まれる浮遊物を減少させる前処理工程を実施する請求項に記載の排水処理方法。
  3. 有機物を燃焼させる焼却装置と、該焼却装置から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱回収装置と、該熱回収装置で熱回収された燃焼排ガスをさらに減温させる減温装置とを備えた焼却プラントから排出される排水の排水処理設備であって、
    前記排水から分離膜によって濃縮水を分離除去する膜分離手段と、熱回収された燃焼排ガスを前記濃縮水の気化熱により前記減温装置で減温させる減温手段とを備え、
    前記膜分離手段は、前記排水を精密ろ過膜(MF膜)によって分離して該精密ろ過膜を透過したMF膜透過水と前記排水が濃縮されたMF膜濃縮水とを調製するMF膜ユニットと、前記MF膜透過水を逆浸透膜(RO膜)によって分離して該逆浸透膜を透過したRO膜透過水と前記MF膜透過水が濃縮されたRO膜濃縮水とを調製するRO膜ユニットとを有し、
    前記減温手段は、前記熱回収された燃焼排ガスを前記MF膜濃縮水及び前記RO膜濃縮水の気化熱により前記減温装置で減温させるべく前記減温装置に前記MF膜濃縮水及び前記RO膜濃縮水を引き込む装置を有することを特徴とする排水処理設備。
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