JP5910466B2 - 浄水製造方法および装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば海水を半透膜を用いて浄化し、浄水を製造する方法と装置に関するものである。
海水を半透膜を用いて浄化する方法は種々知られているが、海水に浸透圧以上の圧力を加えて水を強制的に透過させる逆浸透法が主に開発されてきた。この方法は高圧に加圧する必要があるため、設備費および運転費にコストがかかるという問題点がある。一方、半透膜を介して海水より高濃度の塩溶液を存在させれば、加圧せずとも浸透圧で水をこの塩溶液に移動させることができる。そして、この塩溶液として揮発性ガスを溶解させた溶液を用いれば、この塩溶液を蒸留することにより揮発性ガスを蒸発、分離させて浄水を得ることができる。この揮発性ガスとしてアンモニアと二酸化炭素の組合せを用いた方法が既に開発されている(特許文献1、2)。
特許文献1の方法は、半透膜を介して海水と反対側にアンモニアと二酸化炭素を溶解して得られる塩溶液を流して、海水中の水を半透膜を通過させて該塩溶液に移動させ、得られた希釈塩溶液を蒸留塔に送って水を得るとともにアンモニアと二酸化炭素と水を含む混合ガスを分離し、この混合ガスを半透膜の元の部屋に返送する方法である。
特許文献2の方法は、半透膜を介して海水と反対側にアンモニアと二酸化炭素を溶解して得られる塩溶液を流して、海水中の水を半透膜を通過させて該塩溶液に移動させ、得られた希釈塩溶液をイオン交換膜や蒸留塔等を用いてアンモニウムイオンと炭酸イオンを個別に分離して浄水を得、分離したアンモニウムイオンと炭酸イオンを溶解して半透膜の元の部屋に戻す方法である。
米国特許出願公開第2005/0145568A1号明細書 特開2011−83663号公報
特許文献1にあるように、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液の全量と、蒸留塔から分離して出てきた二酸化炭素、アンモニア、水からなるガスの全量とを混合することは、蒸留塔に入る水を取り出すための炭酸アンモニウムを含む水溶液中の、二酸化炭素とアンモニアの濃度が上昇することにつながり、これらの濃度が上昇すると水を取り出すためのエネルギーがより多く必要になる。
また、特許文献2にあるように、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液の一部を、ガス状に分離したものと混合する(図4)ことは、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液の全量を蒸留することで多くの水を取り出せるのに対して水の取り出し量が減り、かつ、その水溶液の一部を循環させる動力が掛かり、またその水溶液の一部を循環させるための配管が必要となり、構造が複雑になる。
そのため、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液を全量蒸留塔に送入し、蒸留に必要なエネルギーを削減し、また、より多くの水を取り出すとともに、動力や配管を削減して構造を簡易にすることが必要であった。
本発明者らはこのような問題点を解決する手段として、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液から蒸留、分離された、二酸化炭素、アンモニア、水からなるガスをそのまま冷却することにより水溶液状態にし、再利用する手段を考案して特許出願(特願2011−238284号)した。
その内容は、溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して誘導溶液に移動させる浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を所定の温度に調整した後、蒸留塔に送入し、塔頂部から二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から浄水を得る蒸留工程と、前記ガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する浄水製造方法とその装置である。
ところが、この方法は、蒸発および凝縮部を減圧(例えば、10kPa程度)で運転するため、圧力制御で減圧ポンプを自動運転する必要がある。減圧ポンプの排気に関して通常は吸収塔によって臭気成分であるアンモニアを除去した後に大気放散される。このシステムでは、アンモニアおよび炭酸ガス供に回収されないためシステムから徐々にロスする。よって、定期的にアンモニアおよび炭酸ガスを補充する必要があった。
例えば、造水量1m/日(誘導溶液循環量:1250mol−NHHCO/日)のケースで、アンモニアと炭酸ガスのロス量は、誘導溶液循環量の0.1%/日(1.25mol−NHHCO/日)程度である。
アンモニアと炭酸ガスのロスが5%程度になると、膜透過水量に影響してくると考えられるので、5%/(0.1%/日)=50日 即ち、50日毎にアンモニアと炭酸ガスを誘導溶液循環量の5%ずつ補充する必要があることになる。
補充の間隔が長ければアンモニア溶液の濃度の低下の度合いが大きく膜ろ過速度の低下を招き、補充を頻繁に実施すれば、減圧雰囲気を保持したまま外部から薬剤を補充するための手間を要する。いずれの場合でも、補充する薬剤の費用が嵩む。
本発明の目的は、簡便な方法で減圧ポンプの排気から誘導溶質(誘導溶液の溶質)の揮発物を回収してこれらの補充を大幅に減少させることができる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、減圧ポンプの排気を蒸留塔の塔頂部から得られる誘導溶質の揮発物と水蒸気からなるガスに混合してこのガスと一緒に冷却し、あるいは、減圧ポンプの排気を冷却再生された誘導溶液中に導入してそこに含まれる誘導溶質の揮発物をこの誘導溶液に吸収させ、あるいは、減圧ポンプの排気を冷却凝縮することにより、減圧ポンプの排気に含まれる誘導溶質の揮発物を効率よく回収できることを見出した。
すなわち、本発明は、
溶媒が水である液体と、所定量の揮発性溶質を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を所定の温度に調整した後、減圧蒸留塔に送入し、塔頂部から前記溶質の揮発物と水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から浄水を得る減圧蒸留工程と、前記ガスを冷却することにより前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する浄水製造方法であって、前記減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気を前記ガスに混合して前記冷却再生工程で冷却することを特徴とする浄水製造方法と、
溶媒が水である液体と、所定量の揮発性溶質を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を所定の温度に調整した後、減圧蒸留塔に送入し、塔頂部から前記溶質の揮発物と水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から浄水を得る減圧蒸留工程と、前記ガスを冷却することにより前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する浄水製造方法であって、前記減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気を前記冷却再生工程で再生された誘導溶液中に導入することを特徴とする浄水製造方法と、
溶媒が水である液体と、所定量の揮発性溶質を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を所定の温度に調整した後、減圧蒸留塔に送入し、塔頂部から前記溶質の揮発物と水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から浄水を得る減圧蒸留工程と、前記ガスを冷却することにより前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する浄水製造方法であって、前記減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気を冷却凝縮し、凝縮液を前記冷却再生工程で再生された誘導溶液に導入することを特徴とする浄水製造方法と、
これらの方法に用いられる装置に関するものである。
本発明により、希釈誘導溶液から蒸留、分離された、誘導溶質の揮発物と水からなるガスをそのまま冷却することにより水溶液状態にし、誘導溶液を再生、再利用することにより、蒸留に必要なエネルギーを削減し、また、より多くの水を取り出すとともに、動力や配管を削減して構造を簡易にすることが可能となった。そして、減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気から誘導溶質の揮発物を回収して誘導溶液に返送することにより、これらの補充量を大幅に削減することができた。
本発明の装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の装置の別の構成の例を示すブロック図である。 本発明の装置の構成のさらに別の例を示すブロック図である。 本発明の装置の構成のさらに別の例を示すブロック図である。
以下に、本発明の実施形態として、アンモニアと二酸化炭素との塩を揮発性溶質として使用した態様について説明する。
本発明で浄水を得るのに使用される液体(浄化対象液)は溶媒が水であればよいが、例示すれば、海水、湖沼水、河川水、工場廃水などである。
浸透工程
浸透工程は、浄化対象液と誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、浄化対象液中の水をこの半透膜を通して誘導溶液に移動させる工程である。
この誘導溶液は、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解して生成する炭酸アンモニウム水溶液である。所定量とは、浄化対象液中の水を半透膜を通過させて誘導溶液まで移動させることができる濃度にする量であり、浄化対象液の塩濃度より高い濃度である。濃度の上限は、アンモニアと二酸化炭素の塩、すなわち、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アンモニウムカルバメート等が半透膜面や、蒸留塔内で析出しないように定められ、これは実験で求めることができる。半透膜面や蒸留塔内に析出物が生じたか否かの確認方法の一つとして長時間運転をして安定稼動可能かどうかで判断する方法がある。アンモニアと二酸化炭素のモル比は1.5〜3程度である。このモル比も半透膜面や蒸留塔内でアンモニアと二酸化炭素の塩が析出しないよう配慮する。
半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、市販のもの、特に順浸透膜を好ましく使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸などいずれであってもよい。
浄化対象液と誘導溶液を半透膜を介して接触させることにより、その塩濃度差で水は誘導溶液側に移動する。
減圧蒸留工程
減圧蒸留工程は、前記浸透工程で水の移動によって希釈された希釈誘導溶液を所定の温度に調整した後、減圧蒸留塔に送入し、塔頂部から二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガス(塔頂ガス)を得るとともに、塔底部からは浄水を得る工程である。
希釈誘導溶液に対して調整を行う所定の温度とはアンモニアと二酸化炭素の塩が析出しない温度であり、これは実験によって求めることができる。この温度調整は、通常は加熱によって行われる。この加温は、蒸留塔の塔頂から排出される前記ガスと熱交換してその温度を利用して行うことができ、あるいは、蒸留塔の塔底から排出される浄水と熱交換してその温度を利用することもできる。その両者を併用することもでき、あるいは別の熱源を利用することもできる。
温度調整を行った希釈誘導溶液は、蒸留塔に入れて蒸留を行い、アンモニアと二酸化炭素を分離する。
蒸留によって、蒸留塔の塔頂部からは二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを得、塔底部からは浄水を得る。一方、塔底部から取り出される浄水は、二酸化炭素の含有量は10ppm程度以下、アンモニアの含有量は10ppm程度以下で、蒸留条件等によって、これらを1ppm以下にした浄水も得られる。
冷却再生工程
冷却再生工程は、蒸留塔の塔頂部から取り出される二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを冷却し、誘導溶液を再生する工程である。
再生した誘導溶液は半透膜へ送って循環使用する。
本発明においては、このような浄水製造方法において、減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気からそこに含まれているアンモニアと二酸化炭素を回収する。
この排気には、アンモニア、二酸化炭素、水蒸気、などが含まれ、アンモニアの濃度は5〜20%程度、二酸化炭素の濃度は8〜2%程度、水蒸気の濃度は80〜90%程度、である。
排気からアンモニアと二酸化炭素を回収する第一の方法は、この排気を減圧蒸留塔の塔頂部から排出されている二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガス(塔頂ガス)に混合する方法である。排気を塔頂ガスに全量混合する。その結果、排気は塔頂ガスとともに冷却再生工程で冷却されて排気に含まれているアンモニアと二酸化炭素は水蒸気とともに凝縮されて誘導溶液として再利用される。
排気からアンモニアと二酸化炭素を回収する第二の方法は、この排気を冷却再生工程で再生された誘導溶液中に吹込んでアンモニアと二酸化炭素を誘導溶液に吸収させる方法である。この誘導溶液の温度は5〜40℃程度がよい。
排気からアンモニアと二酸化炭素を回収する第三の方法は、この排気を別途に設けた冷却器で冷却して凝縮させる方法である。冷却温度は5〜40℃程度が適当である。凝縮液は誘導溶液に加えて再利用される。
これらの方法は併用することもできる。
なお、本発明においては、高濃度の誘導溶液を使用するので、塩の析出による配管の詰まりが生ずる可能性があり、これを防止するために、定期的にこの循環ラインに希釈誘導溶液を通水する、あるいは、誘導溶液の流量を瞬間的に増大することが好ましい。
上記の浄水製造方法は、溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透手段と、前記手段で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液全量を所定の温度に調整する希釈誘導溶液温度調整手段と、前記温度調整手段で所定の温度に調整された希釈誘導溶液を蒸留する減圧蒸留塔と、前記蒸留塔の塔頂部から得られる二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを冷却し、誘導溶液を再生する冷却再生手段と、前記蒸留塔の塔底部から得られる二酸化炭素とアンモニアをほとんど含まない浄水の回収手段とを有する浄水製造装置を用いて実施される。
浸透手段
浸透手段は、浄化対象液と誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、浄化対象液中の水をこの半透膜を通して誘導溶液に移動させる手段であり、半透膜装置を用いる。
半透膜装置に用いる半透膜は前述したとおりである。この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱形の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に浄化対象液を流し、他方の室に誘導溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることができる。
浄化対象液を流す室の入口は浄化対象液溜(これは海や河川そのものであってもよく、タンク等であってもよい。)に配管接続される。出口側は通常は濃縮された浄化対象液溜に配管接続される。両配管を結ぶ循環ラインを設けて、浄化対象液を循環させることもできる。
誘導溶液を流す室の入口は冷却再生手段に配管接続され、出口は希釈誘導溶液温度調節手段に配管接続され、これによって誘導溶液の循環ラインが形成される。
なお、本発明においては、高濃度の誘導溶液を使用するので、塩の析出による配管の詰まりが生ずる可能性があり、これを防止するために、冷却再生手段の出口配管に希釈誘導溶液を通水するための希釈誘導溶液通水手段を設けることが好ましい。
希釈誘導溶液温度調節手段
希釈誘導溶液温度調節手段は、半透膜装置で浄化対象液から水を抽出して希釈された誘導溶液を所定の温度に調整する手段であり、これは加熱によって行われる。加熱手段は問わないが、系内で発生する熱を有効利用する点で熱交換器を用いるのがよい。熱源としては蒸留塔の塔頂部から得られるガスや塔底部から得られる浄水などの熱を利用することができる。
希釈誘導溶液温度調節手段は、蒸留塔に配管接続される。
減圧蒸留塔
減圧蒸留塔は公知のものを用いればよく、棚段方式、充填方式等いずれのものであってもよい。蒸留塔下部には加熱器を設け、下部の浄水を熱することにより発生する蒸気を上部から落下してくる希釈誘導溶液と接触させて熱交換させる。加熱器にはリボイラーや熱交換等を用いることができる。加熱器の熱源は問わないが、発電所のタービンから出てくる復水前の蒸気や、排熱から回収される熱水などを用いることができる。
塔内を減圧にする減圧ポンプの排気口は、蒸留塔の塔頂から冷却再生手段へ送られる二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガス(塔頂ガス)の流路、誘導溶液の流路もしくは液溜、または別途設けた冷却器に配管接続する。
塔頂ガスの流路へ接続する場合は蒸留塔の塔頂から冷却再生手段の入口の間と何処とに配管接続してもよく、蒸留塔の塔頂や冷却再生手段の入口に直接接続してもよい蒸留塔への逆流を防ぐため冷却再生手段入り口に近い位置が好ましい。冷却再生手段の底部でも良い。
誘導溶液の流路もしくは液溜に接続する場合には、冷却再生手段の出口から半透膜装置の入口に至る何処に配管接続してもよく、半透膜装置に直接あるいは半透膜装置の出口から減圧蒸留塔の入口に至る希釈誘導溶液の流路の何処に配管接続してもよいが、排気を誘導溶液に吸収させるための反応時間を確保するため、冷却再生手段出口の近くが好ましい。
別途設けた冷却器に接続する場合には、冷却器で凝縮された凝縮液を誘導溶液に供給するラインを設ける。
冷却再生手段
蒸留塔の塔頂から、希釈誘導溶液温度調節手段を経由して塔頂ガス冷却再生手段に配管接続し、塔頂部から得られる二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを冷却して水溶液状態にする。冷却手段は問わないが、熱交換器を用いることができる。冷却する熱源としては、特に限定されないが、河川水、海水、空気などを用いることができる。
本発明の浄水製造装置の一例の構成を図1に示す。
図1において、1は半透膜装置であり、内部には半透膜4が収容されている。溶媒が水である液体の例である海水2は左側の室に入り、そこで、誘導溶液との浸透圧差で水5は半透膜を通って右側の室に移動し、それによって濃縮された海水3は左側の室から排出される。誘導溶液6は右側の室に入り、半透膜4を通ってきた水で希釈された希釈誘導溶液7は右側の室から出る。
室から出た希釈誘導溶液7は、熱交換器16で熱交換して昇熱され、減圧蒸留塔11に入る。
蒸留塔11内では、この希釈誘導溶液7が蒸留されて、二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガス(塔頂ガス)が塔頂部から排出される。このガスは前記熱交換器16で熱交換して冷却され、次の熱交換器17でさらに冷却水と熱交換されて誘導溶液6に戻り、ポンプ18を通って半透膜4の容器1内にリサイクルされる。
減圧蒸留塔11の減圧ポンプ13の排気口は、蒸留塔11の塔頂部と熱交換器16を結ぶ配管に接続され、減圧ポンプの排気は塔頂ガスに混合されるようになっている。このフローでは熱交換器に排気を導入することから熱交換器の負荷が増大し、設置コストが上昇するが着実な薬剤の回収が見込まれる。
一方、塔底部からは二酸化炭素とアンモニアを実質的に含まない淡水12が排出され、熱交換器20で冷却水と熱交換されたのちに系外に出される。
別の浄水製造装置の構成を図2に示す。
この装置は、減圧ポンプの排気を熱交換器16の下部の液溜りに吹き込むようにした外は図1と同じである。このフローでは液溜りに排気を吹き込むため蒸発ガスの冷却が不十分となりやや回収率が低くなるものの、設備コストは従来とほとんど変わらない。
さらに別の浄水製造装置の構成を図3に示す。
この装置は、減圧ポンプの排気を新たな冷却器14に送り込んでそこで冷却し、冷却器14で凝縮された凝縮液の流出口を誘導溶液6の供給ラインに接続した外は図1と同じである。
さらに別の浄水製造装置の構成を図4に示す。
この装置では、減圧ポンプ13が、熱交換器16を介して塔頂ガスを吸引し、排気を熱交換器17の下部の液溜りに吹込むようにしてある。
以上、誘導溶液の揮発性溶質として、アンモニアと二酸化炭素との塩を使用した態様について説明したが、揮発性溶質として、この他にtert−ブタノール等のアルコール類、ケトン類も使用することができる。
本発明により、海水等の浄化対象液から安定して確実に浄水を得ることができ、しかも炭酸アンモニウムのような誘導溶液の溶質のロスをほとんどなくすことができるので、本発明は海水等から浄水を得る方法と装置に広く適用できる。
1 半透膜装置
2 海水
3 濃縮された海水
4 半透膜
5 半透膜を通過して移動する水
6 誘導溶液
7 希釈誘導溶液
8 水溶液とガスを混合する容器
9 混合された二酸化炭素とアンモニアを含む水溶液
10 蒸留塔の塔頂ガス
11 減圧蒸留塔
12 浄水
13 減圧ポンプ
14 冷却器
16 熱交換器
17 熱交換器
18 ポンプ

Claims (14)

  1. 溶媒が水である液体と、所定量の揮発性溶質を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を所定の温度に調整した後、減圧蒸留塔に送入し、塔頂部から前記溶質の揮発物と水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から浄水を得る減圧蒸留工程と、前記ガスを冷却することにより前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する浄水製造方法であって、前記減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気を前記ガスに混合して前記冷却再生工程で冷却することを特徴とする浄水製造方法。
  2. 溶媒が水である液体と、所定量の揮発性溶質を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を所定の温度に調整した後、減圧蒸留塔に送入し、塔頂部から前記溶質の揮発物と水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から浄水を得る減圧蒸留工程と、前記ガスを冷却することにより前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する浄水製造方法であって、前記減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気を前記冷却再生工程で再生された誘導溶液中に導入することを特徴とする浄水製造方法。
  3. 溶媒が水である液体と、所定量の揮発性溶質を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を所定の温度に調整した後、減圧蒸留塔に送入し、塔頂部から前記溶質の揮発物と水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から浄水を得る減圧蒸留工程と、前記ガスを冷却することにより前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する浄水製造方法であって、前記減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気を冷却凝縮し、凝縮液を前記冷却再生工程で再生された誘導溶液に導入することを特徴とする浄水製造方法。
  4. 減圧蒸留塔に送入する前記希釈誘導溶液の温度を、前記ガスと熱交換することにより調整することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の浄水製造方法。
  5. 減圧蒸留塔に送入する前記希釈誘導溶液の温度を、さらに前記浄水と熱交換することにより調整することを特徴とする請求項4に記載の浄水製造方法。
  6. 前記半透膜が、水を選択的に透過する順浸透膜であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の浄水製造方法。
  7. 前記揮発性溶質が、アンモニアと二酸化炭素との塩であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の浄水製造方法。
  8. 溶媒が水である液体と、所定量の揮発性溶質を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透手段と、前記手段で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液全量を所定の温度に調整する希釈誘導溶液温度調整手段と、前記温度調整手段で所定の温度に調整された希釈誘導溶液を減圧蒸留する減圧蒸留塔と、前記減圧蒸留塔の塔頂部から得られる前記溶質の揮発物と水蒸気からなるガスを冷却し、誘導溶液を再生する冷却再生手段と、前記減圧蒸留塔の塔底部から得られる前記溶質の揮発物をほとんど含まない浄水の回収手段とを有する浄水製造装置であって、前記減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気を前記ガスに混合する手段を設けたことを特徴とする浄水製造装置。
  9. 溶媒が水である液体と、所定量の揮発性溶質を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透手段と、前記手段で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液全量を所定の温度に調整する希釈誘導溶液温度調整手段と、前記温度調整手段で所定の温度に調整された希釈誘導溶液を減圧蒸留する減圧蒸留塔と、前記減圧蒸留塔の塔頂部から得られる前記溶質の揮発物と水蒸気からなるガスを冷却し、誘導溶液を再生する冷却再生手段と、前記減圧蒸留塔の塔底部から得られる前記溶質の揮発物をほとんど含まない浄水の回収手段とを有する浄水製造装置であって、前記減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気を前記冷却再生手段で再生された誘導溶液に導入する手段を設けたことを特徴とする浄水製造装置。
  10. 溶媒が水である液体と、所定量の揮発性溶質を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透手段と、前記手段で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液全量を所定の温度に調整する希釈誘導溶液温度調整手段と、前記温度調整手段で所定の温度に調整された希釈誘導溶液を減圧蒸留する減圧蒸留塔と、前記減圧蒸留塔の塔頂部から得られる前記溶質の揮発物と水蒸気からなるガスを冷却し、誘導溶液を再生する冷却再生工程と、前記減圧蒸留塔の塔底部から得られる前記溶質の揮発物をほとんど含まない浄水の回収手段とを有する浄水製造装置であって、前記減圧蒸留塔の減圧ポンプの排気を冷却凝縮する凝縮器と、前記凝縮器の凝縮液を前記冷却再生手段で再生された誘導溶液に導入する手段を設けたことを特徴とする浄水製造装置。
  11. 前記希釈誘導溶液温度調整手段が、前記希釈誘導溶液と前記塔頂ガスとの熱交換器であることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の浄水製造装置。
  12. 前記希釈誘導溶液温度調整手段が、さらに、前記希釈誘導溶液と前記浄水との熱交換器も有することを特徴とする請求項11に記載の浄水製造装置。
  13. 前記半透膜が、水を選択的に透過する順浸透膜であることを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の浄水製造装置。
  14. 前記揮発性溶質が、アンモニアと二酸化炭素との塩であることを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか1項に記載の浄水製造装置。
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