JP7071704B2 - 移植機 - Google Patents

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Description

本発明は、玉葱、キャベツ、白菜等の野菜苗や種芋等の移植物を圃場に植え付ける移植機に関するものである。
近年、農業就業人口の減少や高齢化、一経営体当たり経営耕地面積の増加を背景として、農業用作業機に対し、作業負担の軽減と能率化のニーズが高まっている。ここで、特許文献1には、走行車体の機体前側に、苗供給装置及び苗植付装置が配設された移植機が開示されている。この移植機は、基本機能として、圃場に苗を植え付ける機能を備える。より詳細には、作業者が作業座席に着座しながら、苗供給装置に苗の投入作業を行うことで、苗供給装置から苗植付装置に苗が供給され、苗植付装置によって圃場に苗が植え付けられるよう構成されており、単独作業が可能となっている。
また、この移植機は、二次機能として、条間を調節する機能を有する。より詳細には、苗植付装置に左右2つの植付体を配して2条植えを可能とするとともに、左右の植付体の互いの間隔を調節可能な植付位置変更機構(本願における条間調節機構に該当する。)を備え、この植付位置変更機構により、畝の幅に対応して、左右の植付体をそれぞれ機体の幅方向にスライドし、植え付けの条間調節が可能となっている(特許文献1の図4参照)。
特開2015-122999号公報
しかしながら、特許文献1に記載の移植機は、上記の植付位置変更機構が、作業座席の後方となる機体後部に設けられている。したがって、作業者は、作業途中で植え付けの条間調節を行うとき、機体後部の植付位置変更機構を操作するため、走行車体から降車しなければならない。これにより、作業負担が増大するとともに、作業能率の低下を招くものとなっていた。
そこで、本発明は、作業者の作業負担を軽減するとともに、迅速な条間調節を可能として、作業能率を向上できる移植機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決する第1の発明は、圃場を走行する走行車体と、
圃場に苗を植え付ける苗植付装置と、
前記苗植付装置に苗を供給する苗供給装置とを備える移植機であって、
前記走行車体上に作業者が搭乗可能な搭乗部を備え、
前記苗植付装置は、前記搭乗部の前方に配設され、昇降リンクを介して連結された植付体を昇降及び植付動作させる植付伝動ケースを前記走行車体上で左右に移動可能に構成され、
前記走行車体は、前記植付伝動ケースの走行車体上の左右位置を位置決めする位置調節部材を前記搭乗部に備えたことを特徴とする移植機である。
上記第1の発明によれば、植付伝動ケースの走行車体上の左右位置を位置決めする位置調節部材を搭乗部に備えたことにより、作業者は乗車したまま条間調節が可能となる。これにより、作業者の作業負担を軽減するとともに、迅速な条間調節を可能として、作業能率を向上できる。
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記植付伝動ケースの上部に階段状の乗降ステップが設けられ、さらに、前記乗降ステップは、所定位置よりも上方側のステップが機体内側方向へ延出するように他のステップよりも幅広に設けられており、
前記位置決め部材は、搭乗部に設けられた左右方向を長手とするスライド孔に案内され、締結により前記植付伝動ケースの位置を固定可能な位置決めボルトにより構成され、かつ、前記位置決めボルトの上端が前記搭乗部の上面から突出するように構成されたことを特徴とする。
上記第2の発明によれば、階段状の乗降ステップによって搭乗部への乗降が容易となるため、作業能率が向上する。加えて、所定位置よりも上方側のステップが機体内側方向へ延出するよう設けられたことにより、乗降の際に作業者の足をずれ難くし、乗降をより容易とすることで、安全性を高めることができる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、
畝高さを検出する畝高さ検出部と、
機体の車高を調節する車高調節機構を備え、
前記畝高さ検出部は、畝高さを検出可能な畝高さ検出センサが機体の左右にそれぞれ配設され、
前記車高調節機構は、機体の左右にそれぞれ前輪の高さを調節する前輪高さ調節シリンダを備え、前記前輪高さ調節シリンダは、前記畝高さ検出センサが検出した左右の畝高さに応じて、左右の前輪をそれぞれ昇降し、車高が一定となるように調節することを特徴とする。
上記第3の発明によれば、機体の左右にそれぞれ前輪の高さを調節する前輪高さ調節シリンダを備えたことにより、車高調節機構の剛性を高めることができる。また、前記車高調節機構は、機体の左右に前輪高さ調節シリンダを備え、畝高さ検出センサが検出した左右の畝高さに応じて、左右の前輪をそれぞれ昇降し、車高が一定となるように調節することにより、前輪高さ調節シリンダの左右の伸縮量の差により、機体の左右の高さを異ならせることができるため、圃場の左右傾斜に合わせて、機体を傾斜させ、苗を圃場面に適切な姿勢で植え付けることが可能となる。
第4の発明は、上記第3の発明において、
前記畝高さ検出センサは、苗植付装置よりも前方に配設され、
上端側を中心として回動可能に構成されたセンサプレートと、
前記センサプレートの下端を畝側に付勢する接地スプリングと、
一端が前記センサプレートに固定され、他端が前記前輪高さ調節シリンダへ供給する作動油の量を制御する方向制御弁と連結された連動ワイヤとを備え、
前記車高調節機構は、前記センサプレートの回動量に基づき決定される前記連動ワイヤの引き量に応じて前記前輪高さ調節シリンダの伸縮量を決定することを特徴とする。
上記第4の発明によれば、畝高さ検出センサが苗植付装置よりも前方に配設されたことにより、苗の植付前に車高を畝面の高さに合わせたものとすることができるため、植付精度を向上できる。さらに、車高調節機構は、センサプレートの回動量に基づき決定される連動ワイヤの引き量に応じて前輪高さ調節シリンダの伸縮量を決定するため、畝面が傾斜している際に迅速に機体を左右傾斜させ、苗の植付姿勢を左右傾斜に合わせることができるため、苗の植付精度が向上する。
第5の発明は、上記第4の発明において、前記連動ワイヤの引き量を調節することにより植付深さを変更可能な植付深さ変更レバーと、
前記植付深さ変更レバーの操作範囲を規定するレバーガイド溝とを備え、
前記レバーガイド溝は、前後方向に複数設けられた位置固定溝によって、植付深さ変更レバーの操作位置を固定可能に設けられ、
前記植付深さ変更レバー及び前記レバーガイド溝は、左右それぞれの前記畝高さ検出センサの連動ワイヤの引き量を調節可能とするため、前記搭乗部の上面に、左右にそれぞれ設けられたことを特徴とする。
上記5の発明によれば、植付深さ変更レバー及びレバーガイド溝は、左右それぞれの前記畝高さ検出センサの連動ワイヤの引き量を調節可能とするため、搭乗部の上面に、左右にそれぞれ設けられたことにより、植付深さの段階的な変更を可能とすると共に、植付深さの増減を植付深さ変更レバーの操作量で判断しやすい。さらに、左右の植付深さ変更レバー及びレバーガイド溝が設けられたことにより、左右の植付深さ変更レバーを同時に操作すれば、左右の植付深さを同時に変更できるため、作業能率が向上する。
第6の発明は、上記第4または第5の発明において、前記センサプレートの下端に、前記畝高さ検出センサを畝に沿って案内するセンサ案内輪を備え、
前記センサ案内輪Srは、畝の上面を鎮圧する上面鎮圧部と、畝を左右から挟み込む挟込部とを備え、さらに、前記挟込部の左右位置が調節可能に設けられたことを特徴とする。
上記第6の発明によれば、上面鎮圧部により、畝面の小さな凹凸を均すことができ、車高調節機構により、車高が過度に変更されてかえって植付深さが乱れる事態を防止できる。また、畝を左右から挟み込む挟込部により畝に良好に追従でき、さらに、挟込部の左右位置が調節可能に設けられたことにより、多様な畝の幅に対応できる。
上述のように、本発明によれば、作業者の作業負担を軽減するとともに、迅速な条間調節を可能として、作業能率を向上できる移植機を提供できる。
図1は、本発明の好ましい実施形態にかかる移植機の略左側面図である。 図2は、図1の移植機の略平面図である。 図3は、図1の移植機の略正面図である。 図4は、図1の移植機の後輪伝動軸の要部縦断面図である。 図5は、図1の移植機の走行車体前部の要部左側面図である。 図6は、図1の移植機の畝高さ検出センサの左側面図である。 図7は、図1の移植機のセンサ案内輪の斜視図である。 図8は、図1の移植機の乗降フロアの条間調節機構周辺の部分拡大平面図である 図9は、図1の移植機の車高調節機構に係る油圧回路の構成図である。 図10(a)は、図1の移植機の植付深さ変更機構近傍の部分平面図である。図10(b)は、図1の移植機の植付深さ変更レバー近傍の部分左側面図である。 図11は、図7のセンサ案内輪の変形例を示す概略縦断面図である。 図12は、図7のセンサ案内輪の別の変形例を示す概略縦断面図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施の形態につき、詳細に説明を加える。図1は、本発明の好ましい実施形態にかかる移植機1の略左側面図であり、図2は、その略平面図であり、図3は、略正面図である。なお、以下の説明において、説明の便宜上、移植機1(以下、単に機体という場合がある。)の前進方向Fを前方とし、前方を向いて、右側を右方とし、左側を左方というが、これらの方向の定義は、本発明の構成を限定するものではない。また、以下では、機体の左右に共通して存在する位置や部材等の構成要素について、必要に応じて、各構成要素を表す符号の後に、左側を示す(L)、右側を示す(R)を付記する。例えば、前輪a2(L)は、機体の左側の前輪a2を意味し、前輪a2(R)は、機体の右側の前輪a2を意味する。
<1.全体構成>
移植機1は、基本構成として、機体を走行させる走行車体Aと、圃場に苗を植え付ける苗植付装置Bと、苗植付装置に苗を供給する苗供給装置Dと、圃場を覆土鎮圧する鎮圧装置Mとを備えている。各構成について以下に説明する。
<2.走行車体>
走行車体A(以下、単に車体という場合がある。)は、車体の骨格をなすフレーム部a1と、従動輪である前輪a2,a2と、駆動輪である後輪a3,a3とを備えて走行可能に構成されている。
車体フレーム部a1は、車体の底部を構成する下部フレームa4と、下部フレームa4の左右側部にそれぞれ立設され、車体の側部を構成する左右の側部フレームa5,a5と、下部フレームa4前部から上方に車体後部へと延び、車体の上部を構成する上部フレームa6とを備えている。
前輪a2,a2は、車体の左右にそれぞれ配設された前輪フレームa8,a8の前端部に、車軸を介し、転動自在に取り付けられている。この前輪フレームa8,a8の後端部は、下部フレームa4前部側方から突出する左右の前輪取付軸a7,a7に連結されている。ここで、下部フレームa4の左右側方には、それぞれ、車体に対する前輪a2,a2の高さ位置を調節するための前輪高さ調節シリンダa9,a9が設けられている。
この前輪高さ調節シリンダa9,a9は、車体の前後方向に伸縮可能な複動式の油圧シリンダであり、前端側が、左右の前輪取付軸a7,a7の軸の周面から略平板三角形状に突出するように設けられた前輪スイングアームa10,a10に、回動自在に連結されている。
これにより、この前輪高さ調節シリンダa9,a9が伸縮すると、これと連結された前輪スイングアームa10,a10が、前後方向に操作されて、前輪取付軸a7,a7が回動するよう構成されており、さらに、その回動方向に応じて、前輪フレームa8,a8の前端側が上下に回動し、前輪a2,a2が車体のフレーム部a1に対して昇降するよう構成されている。その結果、走行車体A前部の車高(圃場面からの高さ)の調節が可能となっており、後述する畝高さ検出センサSが検出した左右の畝高さに応じて、左右の前輪2a,2aをそれぞれ昇降し、車高が一定となるように自動調節することが可能となっている。なお、前輪a2,a2は、適応畝高さ以上に上昇可能となっており、必要に応じて、前輪a2,a2の上昇により、操縦ハンドルa26の押し下げのアシストを行い、移植機1の旋回がし易いよう構成されている。
後輪a3,a3は、車体の左右にそれぞれ配設された左右の走行伝動ケースa11,a11に、車軸を介して取り付けられている。この左右の走行伝動ケースa11,a11は、エンジンEの前方に配設されたミッションケースa12から動力の伝達を受けて、これをチェーン伝動により後輪a3,a3に伝達して回転させる。
ミッションケースa12は、スライド機構を有する左右の後輪伝動軸a13,a13を介し、エンジンEの動力を左右の走行伝動ケースa11,a11にそれぞれ伝達する。
後輪伝動軸a13,a13のスライド機構は、要部縦断面図を図4に示すように、ミッションケースa12から走行動力を伝達する六角断面穴を形成したスリーブ軸a14と、その走行動力を受けて走行伝動ケースa11側に嵌合伝動する六角断面のスライド軸a15とによって構成され、さらに、スリーブ軸a14とスライド軸a15の間に中間スリーブa16と制御ピンa17が設けられ、制御ピンa17の進退により、この中間スリーブa16とともに、スライド軸a15および走行伝動ケースa11側がスライド移動するよう構成されている。これにより、後輪a3,a3のトレッド幅を変更可能に構成されている。
また、後輪伝動軸a13,a13の基部a18,a18には、左右それぞれ、高さ調節ハンドルa19,a19の操作により、手動で前後方向に進退する手動進退ロッドa20,a20の前端が回動自在に取り付けられている。この手動進退ロッドa20,a20の進退に対応して、後輪伝動軸a13,a13の基部a18,a18を回動し、これにより、走行伝動ケースa11,a11の後端側を回動して、後輪伝動軸a13,a13に対する後輪3,3の高さ位置の調節が可能となっている。その結果、走行車体A後部の車高の調節が可能となっている。
なお、走行車体Aは、走行車体A後部の車高の調節と連動して、走行車体A前部の車高の調節を可能としてもよい。より詳細には、走行伝動ケースa11,a11の後端側を上下回動すると、前輪取付ステーa8,a8を連動して上下回動できるリンク機構を設けてもよい。これにより、走行車体Aが、畝に対して前後傾斜しにくくなり、植付深さHや植付姿勢の安定化を図ることができる。
上記の前輪高さ調節シリンダa9,a9は、ミッションケースa12の左右側方に、それぞれ位置するようにして、下部フレームa4に直接取り付けられている。前輪高さ調節シリンダa9,a9が剛性のある下部フレームa4の左右に取り付けられることで、機体のふらつきを低減できる。ミッションケースa12上部には、前輪高さ調節シリンダa9,a9の伸縮を制御する油圧バルブa21,a21(図9におけるスプール形式方向制御弁u3,u3及びバルブスプールu4,u4に該当する。)が設けられている。このように配置することにより、車体がコンパクトな構成となるようにしている。また、圃場の傾斜に対応し、機体の左右方向の傾斜制御も可能となっている。
また、エンジンEは、後輪伝動軸a13,a13の後方に設けられており、これにより、エンジンEをカウンタウエイトとすることで、移植機1全体の重量バランスを安定化することができる。さらに、ミッションケースa12についても後輪伝動軸a13,a13の後方に設けられており、これにより、これらの重量物を後方に配置してハンドル荷重が重くならないように構成されている。なお、ミッションケースa12は、植付株間変速も一体構成となっている。
走行車体Aは、作業者が搭乗する搭乗部Atを備えている。この搭乗部Atは、作業座席a22と、載置スペースa23と、乗車フロアa24を備えている。
作業座席a22は、作業者が着座し、後述する苗供給装置Dに苗を投入する作業を行うためのものである。この作業座席a22は、上部フレームa6上に、作業者が前方を向いて着座可能となるように設置されており、作業座席a22の後方には、潅水タンクT等の荷物の載置スペースa23が設けられている。なお、上部フレームa6は、作業座席a22と略同一の左右幅に設けられており、これにより、作業者が乗降する際に、上部フレームa6が妨げにならないようになっている。
また、この作業座席a22は、後輪伝動軸a13,a13の軸線の上方に位置しており、伝動軸周辺の強度の強い機構で作業者の荷重を受けることができ、移植機1の強度及び耐久性を向上できる構造となっている。さらに、作業座席a22は、側面視で前後方向における前輪a2及び後輪a3の間に位置しており、これにより、移植機1の重心が、前後方向において中心寄りとなるので、機体後部の浮き上がりが生じても植付深さHの大きな変動が防止され、移植機1の機体の重心が安定することで、安定して苗を植え付けることができる。
載置スペースa23は、作業座席a22の後方に設けられた荷物載置用のスペースであり、例えば、潅水タンクT等を載置することができる。この載置スペースa23は、後輪a3の車軸の軸線の上方に位置している。これにより、潅水タンクTの荷重を後輪a3にかけることができるため、移植機1の旋回時に、重心を安定させて旋回し易いよう構成されている。
乗車フロアa24は、作業座席a22の前方下側に設けられ、搭乗部Atの床面をなすものである。この乗車フロアa24は、作業者が乗降に使用したり、作業座席a22への着座時に足を置くことができる。また、この乗車フロアa24は、後述する植付伝動ケースb3,b3の上方に設けられており、これにより、乗車フロアa24と植付伝動ケースb3を下部フレームa4上に支持固定する部材の共通化が図られている。その結果、コンパクトな構成によって、乗車フロアa24周辺の強度向上が図られている。また、乗車フロアa24の前部は、作業者の足が苗植付装置Bに接触しないよう、上方に立ち上がるように屈曲して設けられている。
ここで、左右の走行伝動ケースa11,a11上には、それぞれ、座席a22への乗降を補助する階段状の乗降ステップa25,a25が設けられている。この乗降ステップa25,a25は、左右の走行伝動ケースa11,a11上面に取り付けられた複数のステップからなり、移植機1の後部からの乗降を可能とする役割を果たす。また、この乗降ステップa25,a25は、走行伝動ケースa11,a11上に設けられたことにより、後輪a3,a3のトレッド幅を広げても、ステップ位置が畝間近くとなるため乗降し易く、さらに、前輪a2,a2をリフトしても最下段のステップの高さの変化が少ないため、乗降の容易性が維持される。
また、乗降ステップa25,a25は、最上段のステップが、機体内側方向へと延出するように他のステップよりも幅広に設けられており、これにより、乗降の際に作業者の足をずれ難くし、乗車フロアa24への乗降を容易とすることで、安全性を高めるよう構成されている。さらに、それぞれの乗降ステップa25,a25の各ステップの前端側は、左右方向を長手とする角度調節軸(図示せず)を備えて走行伝動ケースa11に取り付けられており、これにより、この角度調節軸を中心に後端側を上下に回動して取付角度を調節可能となっている。その結果、乗降ステップa25,a25を畝高さに応じて乗降に最適な角度となるように調節でき、作業者の安全性と作業能率を向上できる。なお、乗降ステップa25,a25は、安全性向上のため、最上段のステップのみならず、所定位置(例えば、上から3段目)よりも上方側のステップが他のステップよりも幅広に設けられてもよい。また、ステップの総数も図示された3段に限定されるものではない。
走行車体A後部には、操縦ハンドルa26が設けられており、この操縦ハンドルa26は、下部フレームa4の後端部に取り付けられている。この操縦ハンドルa26は、グリップ部a27と油圧フィンガーレバーa28を備えている。この油圧フィンガーレバーa28を操作すると、図示しないワイヤ機構を介して操作が伝達され、各種機構の操作が可能となっている。
また、グリップ部a27の近傍には、エンジンEからの駆動力の伝動を入り切りする主クラッチ(図示省略)を入切操作するための主クラッチレバーa29が設けられている。
<3.苗植付装置>
図5は、走行車体A前部の要部左側面図である。
苗植付装置Bは、図3、図5に示されるように、苗を植え付ける植付体b1,b1と、植付体b1,b1を昇降する昇降リンクb2,b2と、昇降リンクb2,b2を上下に回動する植付伝動ケースb3,b3とを備える。
植付体b1,b1は、走行車体A前部の左右両側にそれぞれ配され、開閉可能な先端が尖った嘴状をなし、下部が閉じた状態で内部に苗株を保持して、植付け軌跡Obの最下端で左右に開いて畝内で苗株を植付ける一般的な構成である。
昇降リンクb2,b2は、前端に植付体b1,b1が取り付けられ、後端が植付伝動ケースb3,b3と連結され、植付伝動ケースb3,b3の駆動により回動可能に構成されている。
植付伝動ケースb3,b3は、左右それぞれ、下部フレームa4前部に設置され、後述する条間調節機構Jにより左右方向に固定位置が調節可能に構成されている。この植付伝動ケースb3,b3は、ミッションケースa12を介してエンジンEの動力の伝達を受け、図5の吹き出しに要部右側面図を示すように、左右それぞれ、左右の植付体b1を前後揺動させる揺動カムb4と、植付体b1を昇降させる昇降カムb5によって、上下の昇降リンクb2が接続された植付昇降アームb7を作動させ、左右の植付体b1を昇降させると共に前後揺動させるよう構成されている。なお、この揺動カムb4及び昇降カムb5は、植付伝動ケースb3から機体外側に突出する伝動軸b6に各々設けられ、不等円形状とするか、または偏心させて装着される。
この揺動カムb4の作用により、左右の植付体b1,b1の植付け軌跡Obに前後のふくらみを持たせることができ、昇降リンクb2のスイング支点が後方にある場合においても、好適に苗を植え付けることができる。また、昇降リンクb2は、植付体b1が前輪a2の前部近傍に位置する長さに設けられ、これにより、植付け軌跡Obの円弧が大きくなるため、揺動カムb4及び昇降カムb5によって植付け軌跡Obの制御を行い易い構成となっている。
以上のようにして、苗植付装置Bは、後述する苗供給装置Dから適宜のタイミングで苗の供給を受け、植付伝動ケースb3の駆動により昇降する昇降リンクb2と連結されて植付動作を行う植付体b1によって、圃場に苗を植え付けることが可能となっている。
<4.苗供給装置>
苗供給装置Dは、苗を上方から受け入れて内側に収容する複数の苗供給カップd1と、その苗供給カップd1を、エンジンEの動力を利用して左右の植付体b1,b1の上方を通過するように周回移動させる移動機構d2と、苗供給装置Dを下方から支持する供給装置支持フレームd3を備える。
苗供給装置Dは、図示しない公知の開放機構により、左右の落下供給位置Dr(L),Dr(R)において、苗供給カップd1の底部を開放して内側に収容した苗を落下させ、左右の植付体b1,b1に苗を供給するよう構成されている。なお、左右の落下供給位置Dr(L),Dr(R)は、苗植付装置Bの条間調節に応じて、左右の植付体b1,b1の左右位置に合わせ、それぞれ、位置を左右に変更して調節可能となっている。
<5.鎮圧装置>
鎮圧装置Mは、走行車体Aの前方に配設され、畝高さを検出する機能と、畝を覆土鎮圧する機能を果たす。この鎮圧装置Mは、図1に示されるように、取付部m1と、畝高さ検出部m2と、鎮圧部m3とを備え、走行車体Aに支持された取付部m1に、植付体b1,b1の前方の畝高さを検出する畝高さ検出部m2と、植付体b1,b1が持ち上げた土砂を踏み均す鎮圧部m3とが取り付けられている。
取付部m1は、図2に示されるように、平面視略T字状に形成されたフロントフレームm4と、このフロントフレームm4を走行車体Aに支持する支持筐体m5と、フロントフレームm4及び供給装置支持フレームd3に連結された連結バーm6と、備えている。
フロントフレームm4は、車幅方向を長手とするフロントバーm7に、前後方向を長手とする支持フレームm8とが一体形成されており、支持フレームm8の後端が、支持筐体m5と連結されている。
支持筐体m5は、走行車体A前部の左右略中央に固定され、クランク機構を内蔵した筐体部m9と、この筐体部m9から前方に延び、クランク機構の回動により先端を上下に揺動可能なクランクバーm10を備えている。このクランクバーm10の前端に、支持フレームm8の後端が回動可能に連結されている。
連結バーm6は、その両端が、フロントバーm7及び供給装置支持フレームd3とそれぞれ回動自在に連結されている。これにより、連結バーm6、支持フレームm8、クランクバーm10をリンクとする4節リンク機構が形成されている。その結果、フロントバーm7の荷重を、供給装置支持フレームd3によって支持可能に構成されている。
このような構成によって、支持筐体m5のクランク機構が回動すると、クランクバーm10が上下に首振り動作し、これに連動してフロントバーm7も上下するため、フロントバーm7の走行車体Aに対する高さ位置を調節可能となっている。これにより、畝高さに応じて、畝高さ検出部m2及び鎮圧部m3の基本的な高さ位置を設定することが可能となっている。なお、クランク機構の回動は、エンジンEの動力を利用するものとしても、手動によるものとしてもよい。
畝高さ検出部m2は、畝高さを検出する機能を有する畝高さ検出センサSを備えている。この畝高さ検出センサS(L),S(R)は、支持フレームm8を挟んでフロントバーm7の左右両側にそれぞれ取り付けられている。これにより、2条植えに対応して、機体の左右それぞれの畝高さの検出が可能となっている。
図6は、畝高さ検出センサSの左側面図である。
この畝高さ検出センサSは、下端を屈曲させて接地面が形成された平板状のセンサプレートs1と、このセンサプレートs1の上端を、回動可能にフロントバーm7に支持する回動支持部s2と、センサプレートs1の下端を畝側に付勢して接地させる接地スプリングs3と、一端がワイヤ連結部s4によってセンサプレートs1に固定され、他端が後述するスプール形式方向制御弁u3のバルブスプールu4と連結された連動ワイヤs5と、を備えている。
この畝高さ検出センサSは、接地スプリングs3の付勢力によって、センサプレートs1の下端を屈曲して設けられた接地部s6を、畝側に付勢して接地させ、畝面の高低に追随して回動させるよう構成されている。これにより、畝高さ検出センサSは、センサプレートs1の回動量を取得することにより畝高さを検出することができる。
また、センサプレートs1の上面側には、ワイヤ連結部s4によって、連動ワイヤs5の一端が取り付けられている。これにより、畝高さ検出センサSは、センサプレートs1が回動すると、これに応じて、連動ワイヤs5が引き操作されるよう構成されており、センサプレートs1の回動量に基づき、連動ワイヤs5の引き量Lxが決定される。
例えば、図6中の例においては、畝高さが低いほど、センサプレートs1は時計回りに回動し、これにより、連動ワイヤs5の引き量Lxは増加することとなる。このような仕組みによって、畝高さ検出センサSは、検出した畝高さを、連動ワイヤs5の引き量Lxとして後述する車高調節機構に伝達可能となっている。
また、このように構成された畝高さ検出センサSは、接地スプリングs3の付勢力によって、センサプレートs1の下端を畝側に付勢して接地させる構成により、車高を下げて植付深さHを深くした場合には、センサプレートs1が動きにくい「鈍感」に設定することができるため、畝高さが大きく変化したときのみ植付深さHを自動変更することができる。逆に、車高を上げて植付深さHを浅くした場合には、センサプレートs1が動きやすい「敏感」に設定することができるため、畝高さが小幅に変化しても、植付深さHを自動変更することができる。
<6.センサ案内輪>
畝高さ検出センサSは、センサプレートs1の接地部s6に回転自在に軸支され、センサプレートs1を畝に沿って案内するセンサ案内輪Srを備えている。
センサ案内輪Srについて、図7を用いてさらに詳細を説明する。
図7は、センサ案内輪Srの斜視図である。図7に示されるように、センサ案内輪Srは、畝の上面を鎮圧する上面鎮圧部sr1と、この上面鎮圧部sr1の両側に畝を左右から挟み込む挟込部sr2,sr2が設けられている。上面鎮圧部sr1は、回転軸からの径が一定の略円柱状に形成され、挟込部sr2は、両端に向かうほど径が大きく形成されており、これにより、センサ案内輪Srは、全体として略鼓形状をなし、センサプレートs1の接地部s6に設けられた凹部s7に両端が固定された支持軸s8に転輪自在に支持されている。
また、センサ案内輪Srの左右の寸法は、支持軸s7の左右の寸法よりも小なる寸法に設けられており、これにより、センサ案内輪Srは、支持軸s7上において、所定範囲に亘って左右にスライド可能に設けられている。
このように構成されたセンサ案内輪Srは、挟込部sr2,sr2によって畝を挟み込むように当接し、かつ、所定範囲に亘って左右にスライド可能に設けたことにより、畝に追従しながら回転することができる。これにより、植付前の畝を鎮圧でき、植付精度を向上できるとともに、畝からのズレが防止されて、畝高さ検出センサSが畝高さを良好に検出できる。その結果として、苗移植機1は、設定された植付深さHを良好に維持することができる。また、上面鎮圧部sr1は、畝面の小さな凹凸を均すことができるため、車高調節機構により、車高が過度に変更されてかえって植付深さが乱れる事態を防止できる。
次に、鎮圧部m3の構成について説明する。
鎮圧部m3(L),m3(R)は、図2の吹き出しに鎮圧部m3(R)が示されるように、二輪一対の鎮圧輪m11と、二輪一対の鎮圧輪を上下揺動可能に支持する一対の鎮圧輪支持ステーm12とを備えており、フロントバーm7の左右両側にそれぞれ設けられている。
鎮圧輪m11は、植付体b1が持ち上げた土砂を踏み均すよう、左右それぞれの植付体b1,b1のやや後方に配設されている。これにより、植え付け後の苗の姿勢を安定させることができる。
鎮圧輪支持ステーm12は、前端がフロントバーm7に回動可能に取り付けられ、後端に鎮圧輪m11が転輪自在に取り付けられている。鎮圧輪支持ステーm12は、昇降リンクb2が作動しても干渉しないよう、昇降リンクb2の左右両側を挟むようにして配設されている。なお、この鎮圧輪支持ステーm12のフロントバーm11に対する取付位置は、左右に変更可能となっている。これにより、後述する条間調節機構Jによる移植体b1,b1の左右の位置変更に合わせて、鎮圧部m3(L),m3(R)は、それぞれ、左右に位置調節が可能となっており、より詳細には、左右の鎮圧輪m11(L),m11(R)の位置を、それぞれ、左右方向に移動させて調節できる構成となっている。
<7.条間調節機構>
以下、苗植付装置Bの条間を調節する条間調節機構Jについて説明する。
苗植付装置Bの植付伝動ケースb3,b3は、それぞれ、滑動手段により、下部フレームa4上面で、機体に対して左右方向に滑動できるように構成されている。この滑動手段として、公知のスライド機構(例えば、レールとスライダ等)を用いることができる。
図8は、乗降フロアa24の条間調節機構J周辺の部分拡大平面図である。
乗降ステップa25には、植付伝動ケースb3,b3の上方に、それぞれ、左右を長手方向とする複数のスライド孔j1が設けられている。このスライド孔j1に、位置調節部材として、複数の位置決めボルトj2が挿通されている。
この複数の位置決めボルトj2のボルト軸(図示せず)の中途部は、植付伝動ケースb3,b3の左右の滑動に伴い、複数のスライド孔j1に沿って左右方向に案内されるよう構成されている。また、下部は、植付伝動ケースb3,b3の上面に設けられた螺子穴(図示せず)と螺合しており、複数の位置決めボルトj2を緩めると、植付伝動ケースb3,b3が左右にスライド可能となり、複数の位置決めボルトj2を締めると、位置が固定される。また、位置決めボルトj2は、その上部が、乗車フロアa24から突出していることにより、滑り止めの機能も果たすことができる。これにより、乗降時の詐称者の安全性を向上することができ、特に、作業者が、乗車する場合においては、乗降ステップa25から、乗車フロアa24に乗り込むとき、片足に負荷がかかるため滑りやすいが、作業者の足の滑りを良好に防止することができる。
なお、本実施形態において、条間調節機構Jは、左右の植付伝動ケースb3,b3に対して、それぞれ、3つの位置決めボルトj2と前後2つのスライド孔j1を備えているが、位置決めボルトj2及びスライド孔j2の数はこれに限定されるものではなく、左右の植付伝動ケースb3,b3の大きさや滑動範囲に合わせて設計変更が可能である。
このように構成された条間調節機構Jにより、作業者は、作業途中で植え付けの条間調節を行うとき、走行車体Aから降車することなく、複数の位置決めボルトj2の操作により、植付伝動ケースb3,b3の左右位置をそれぞれ調節し、条間調節できる。これにより、作業負担が軽減され、作業能率が向上する。なお、スライド孔j2に沿って植え付け条間が確認可能な目盛りが設けられてもよい。これにより、迅速かつ正確な条間調節が可能となる。
<8.車高調節機構>
移植機1は、畝高さに合わせて車高を自動調節する車高調節機構Uを備えている。
図9は、車高調節機構Uに係る油圧回路の構成図である。図9に示されるように、車高調節機構Uは、エンジンEの動力で駆動される油圧ポンプu1から吐き出される作動油を、分流弁u2を介して左右のスプール形式方向制御弁u3(L),u3(R)に送り込み、この左右のスプール形式方向制御弁u3(L),u3(R)のバルブスプールu4(L),u4(R)の操作によって、送油方向や送油する作動油の量を調節し、左右の前輪高さ調節シリンダa9(L),a9(R)の伸縮量(ストローク量)をそれぞれ制御するよう構成されている。
左右のバルブスプールu4(L),u4(R)は、それぞれ、左右の連動ワイヤs5(L),s5(R)と連結されており、左右の連動ワイヤs5(L),s5(R)による引き操作に応じて、左右のスプール形式方向制御弁u3(L),u3(R)のバルブスプールu4(L),u4(R)が操作される。これにより、左右の畝高さ検出センサS(L),S(R)が検出した畝高さに応じて、左右の連動ワイヤs5(L),s5(R)の引き量Lx(L),Lx(R)がそれぞれ決定され、左右のバルブスプールu4(L),u4(R)の操作量がそれぞれ決定される。
その結果、左右の前輪高さ調節シリンダa9(L),a9(R)の伸縮量(ストローク量)が決定され、左右の前輪高さ調節シリンダa9(L),a9(R)が伸縮すると、前輪スイングアームa10(L),a10(R)が操作されて、前輪取付軸a7(L),a7(R)が回動するとともに、その回動方向に応じて、前輪フレームa8(L),a8(R)の前端側が上下に回動し、前輪a2(L),a2(R)が左右それぞれ昇降する。
このようにして、車高調節機構Uは、左右の畝高さ検出センサS(L),S(R)により検出された畝高さに応じて、左右の前輪a2(L),a2(R)を昇降して、植付深さHを所定の設定深さに調節するよう構成されている。より具体的には、例えば、畝高さが相対的に高くなれば、前輪a2を上昇し、車体の高さを相対的に低くする。これにより、畝高さに合わせて車高を自動調節し、設定された植付深さHが維持される仕組みとなっている。また、作業中の圃場が左右傾斜している際、走行車体Aを圃場の左右傾斜と同じ、あるいは近い角度に左右傾斜させることができるので、苗が左右方向に傾斜した姿勢で植え付けられることが防止される。さらに、前輪高さ調節シリンダa9,a9の左右の伸縮量の差により、機体の左右の高さを異ならせることができるため、圃場の左右傾斜に合わせて、機体を傾斜させ、苗を圃場面に適切な姿勢で植え付けることが可能となる。
<9.載置台>
走行車体Aの左右両側には、それぞれ、移植物を載置可能な載置台Nが設けられており、この載置台Nは、側面視L字形状の左右の苗枠フレームn1(L),n1(R)と、苗枠フレームn1(L),n1(R)を機体と連結する左右の苗枠ステーn2(L),n2(R)を備えている。この左右の苗枠ステーn2(L),n2(R)の下端は、左右それぞれ、側部フレームa6における前輪回動軸a7,a7の近傍に取り付けられており、これにより、乗車位置の側方に載置台Nが配置されるようにして利便性を向上し、さらに、苗枠ステーn2(L),n2(R)の取付強度を向上できる。
<10.植付深さ変更機構>
植付深さ変更機構Gは、植付深さHを変更可能とする機能を有する。
図10(a)は、植付深さ変更機構G近傍の部分平面図である。
植付深さ変更レバーg1(L),g1(R)は、植付深さHを変更するための操作部材であり、乗車フロアa24上において操作可能に配設されている。また、乗車フロアa24には、この植付深さ変更レバーg1を案内するレバーガイド溝g2が設けられている。
レバーガイド溝g2(L),g2(R)は、植付深さ変更レバーg1(L),g1(R)の操作範囲を規定するものであり、前後方向を長手方向とする略長方状に形成された前後操作溝g3(L),g3(R)と、前後操作溝g3(L),g3(R)から機体外側に向かう方向へ所定範囲矩形状に切り欠いて形成された複数の位置固定溝g4(L),g4(R)を備える。前後操作溝g3(L),g3(R)は、植付深さ変更レバーg1(L),g1(R)の前後操作を案内する。位置固定溝g4(L),g4(R)は、植付深さ変更レバーg1(L),g1(R)を係止して、その操作位置が固定できるよう構成されている。
図10(b)は、植付深さ変更レバーg1近傍の部分左側面図である。
植付深さ変更レバーg1を前後に操作すると、ワイヤ全長変更機構g5により、前後の操作方向に応じて、連動ワイヤs5の全長が伸長または短縮されるように構成されている。これにより、植付深さ変更レバーg1の前後の操作位置に応じて、連動ワイヤs5の引き量Lxが増減される。例えば、作業座席a22から見て、奥側に植付深さ変更レバーg1を倒すほど、連動ワイヤs5の全長を短くして、引き量Lxを増加するよう構成することができる。その結果、引き量Lxの増減に応じて、前輪2aが昇降し、所定の畝高さに対する植付深さHを変更することができる。なお、左側の植付深さ変更レバーg1(L)の操作により、左側の前輪2a(L)が昇降し、右側の植付深さ変更レバーg1(R)の操作により、右側の前輪2a(R)が昇降するよう構成されている。
また、位置固定溝g4が前後に複数設けられていることにより、この複数の位置固定溝g4のいずれかに植付深さ変更レバーg1を操作することによって、段階的に、植付深さHを変更することが可能となっている。例えば、植付深さ変更レバーg1を前方の位置固定溝g4に操作するほど、段階的に、連動ワイヤs5の全長を伸長して植付深さHを浅くし、後方の位置固定溝g4に操作するほど、段階的に、連動ワイヤs5の全長を短縮して植付深さHを深くすることができる。
このように、植付深さ変更レバーg1及びレバーガイド溝g2は、左右それぞれの畝高さ検出センサSの連動ワイヤs5の引き量Lxを調節可能とするため、乗車フロアa24の上面に、左右にそれぞれ設けられており、その結果、植付深さHの段階的な変更を可能とすると共に、植付深さHの増減を植付深さ変更レバーg1の操作量で判断しやすい構成となっている。さらに、左右の植付深さ変更レバーg1,g1及びレバーガイド溝g2,g2が隣接させて設けられたことにより、左右の植付深さ変更レバーg1,g1を同時に操作すれば、左右の植付深さH,Hを同時に変更できるため、作業能率が向上する。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
<11.センサ案内輪の変形例1>
図11は、センサ案内輪Srの変形例を示す概略縦断面図である。
変形例に係るセンサ案内輪Sr´は、図11に示されるように、センサプレートs1の接地部s6に設けられた凹部s7に、上面鎮圧部sr1の機能を果たす円筒状の鎮圧ローラsr1´を回動自在に支持し、その両側に、それぞれ、挟込部sr2,sr2の機能を果たすガイドローラsr2´,sr2´を配し、このガイドローラsr2´を、組み込みバネsr3´,sr3´により、センサ案内輪Sr´の中央側に付勢するよう構成されている。これにより、ガイドローラsr2´,sr2´を交換することで、ガイドローラsr2´,sr2´の左右位置を変更してトレッド調節が可能となり、様々な畝形状に対応することができる。また、組み込みバネsr3´,sr3´の作用により、ガイドローラsr2´,sr2´は、良好に畝を挟み込むことができ、追従性が向上する。
<12.センサ案内輪の変形例2>
図12は、センサ案内輪Srの別の変形例を示す概略縦断面図である。
別の変形例に係るセンサ案内輪Sr´´は、図12に示されるように、センサプレートs1の接地部s6に設けられた凹部s7に、上面鎮圧部sr1の機能を果たす円筒状の鎮圧ローラsr1´´を回動自在に支持し、円筒状の鎮圧ローラsr1´´の両側に、それぞれ、挟込部sr2,sr2の機能を果たすガイドローラsr2´´,sr2´´を配し、さらに、このガイドローラsr2´´,sr2´´の外側に、スペーサsr3´´,sr3´´を配し、このスペーサsr3´´に組み込みバネsr4´,sr4´を設けて、ガイドローラsr2´´,sr2´´をセンサ案内輪Sr´の中央側に付勢するよう構成されている。これにより、スペーサsr3´´を交換することで、トレッド調節を容易に行うことができる。なお、ガイドローラsr2´´,sr2´´の内側には、ガイドローラsr2´´,sr2´´が所定範囲よりも内側への移動することを規制する規制手段sr5´´,sr5´´であるストッパが設けられている。
<13.その他>
上記の実施形態において、苗植付装置Bは、左右の植付体b1,b1を備えた2条植えの構成となっているが、植付伝動ケースb3を機体に着脱可能に設けることにより、いずれか一方の植付体b1を取り外して、1条植えに対応できるように構成されてもよい。
また、上記の実施形態において、畝高さ検出センサSは、連動ワイヤs5の引き量Lxにより、前輪高さ調節シリンダa9を伸縮するように構成されているが、ポテンショメータによって、センサプレートs1の回動量を電磁的に取得することで、畝高さを検出し、これに応じて、マイクロコンピュータ等の制御部により、前輪高さ調節シリンダa9の伸縮量(ストローク量)を電磁的に制御してもよい。
また、上記の実施形態において、畝高さ検出センサSのセンサプレートs1に設けた凹部s7にセンサ案内輪Srを転輪自在に支持するよう構成されているが、これに限らず、センサプレートs1の代わりに、棒状のステーを回動可能に設けて、その後端に、センサ案内輪Srを転輪自在に取り付けるよう構成してもよい。
1 移植機
A 走行車体
a1 フレーム部
a2 前輪
a3 後輪
a4 下部フレーム
a5 側部フレーム
a6 上部フレーム
a7 前輪回動軸
a8 前輪取付ステー
a9 前輪高さ調節シリンダ
a10 リンク機構
a11 走行伝動ケース
a12 ミッションケース
a13 後輪伝動軸
a14 スリーブ軸
a15 スライド軸
a16 中間スリーブ
a17 制御ピン
a18 基部
a19 高さ調節ハンドル
a20 手動進退ロッド
a21 油圧バルブ
a22 作業座席
a23 載置スペース
a24 乗車フロア
a25 乗降ステップ
a26 操縦ハンドル
a27 グリップ部
a28 油圧フィンガーレバー
a29 主クラッチレバー
At 搭乗部
E エンジン
B 苗植付装置
b1 植付体
b2 昇降リンク
b3 植付伝動ケース
b4 揺動カム
b5 昇降カム
b6 昇降アーム
b7 伝動軸
D 苗供給装置
d1 苗供給カップ
d2 移動機構
d3 供給装置支持フレーム
G 植付深さ変更機構
g1 植付深さ変更レバー
g2 レバーガイド溝
g3 前後操作溝
g4 位置固定溝
g5 ワイヤ全長変更機構
J 条間調節機構
j1 スライド孔
j2 位置決めボルト
M 鎮圧装置
m1 取付部
m2 畝高さ検出部
m3 鎮圧部
m4 フロントフレーム
m5 支持筐体
m6 連結バー
m7 フロントバー
m8 支持フレーム
m9 筐体部
m10 クランクバー
m11 鎮圧輪
m12 鎮圧輪支持ステー
N 苗載台
n1 苗枠フレーム
n2 苗枠ステー
T 潅水タンク
S 畝高さ検出センサ
s1 センサプレート
s2 回動支持部
s3 接地スプリング
s4 ワイヤ連結部
s5 連動ワイヤ
s6 接地部
s7 凹部
s8 支持軸
U 車高調節機構
u1 油圧ポンプ
u2 分流弁
u3 スプール形式方向制御弁
u4 バルブスプール
Sr センサ案内輪
sr1 上面鎮圧部
sr2 挟込部

Claims (5)

  1. 圃場を走行する走行車体と、
    圃場に苗を植え付ける苗植付装置と、
    前記苗植付装置に苗を供給する苗供給装置とを備える移植機であって、
    前記走行車体上に作業者が搭乗可能な搭乗部を備え、
    前記苗植付装置は、前記搭乗部の前方に配設され、昇降リンクを介して連結された植付体を昇降及び植付動作させる植付伝動ケースを前記走行車体上で左右に移動可能に構成され、
    前記走行車体は、前記植付伝動ケースの走行車体上の左右位置を位置決めする位置調節部材を前記搭乗部に備え、
    前記植付伝動ケースの上部に階段状の乗降ステップが設けられ、さらに、前記乗降ステップは、所定位置よりも上方側のステップが機体内側方向へ延出するように他のステップよりも幅広に設けられており、
    前記位置決め部材は、搭乗部に設けられた左右方向を長手とするスライド孔に案内され、締結により前記植付伝動ケースの位置を固定可能な位置決めボルトにより構成され、かつ、前記位置決めボルトの上端が前記搭乗部の上面から突出するように構成されたことを特徴とする移植機。
  2. 畝高さを検出する畝高さ検出部と、
    機体の車高を調節する車高調節機構を備え、
    前記畝高さ検出部は、畝高さを検出可能な畝高さ検出センサが機体の左右にそれぞれ配設され、
    前記車高調節機構は、機体の左右にそれぞれ前輪の高さを調節する前輪高さ調節シリンダを備え、前記前輪高さ調節シリンダは、前記畝高さ検出センサが検出した左右の畝高さに応じて、左右の前輪をそれぞれ昇降し、車高が一定となるように調節することを特徴とする請求項に記載の移植機。
  3. 前記畝高さ検出センサは、苗植付装置よりも前方に配設され、
    上端側を中心として回動可能に構成されたセンサプレートと、
    前記センサプレートの下端を畝側に付勢する接地スプリングと、
    一端が前記センサプレートに固定され、他端が前記前輪高さ調節シリンダへ供給する作動油の量を制御する方向制御弁と連結された連動ワイヤとを備え、
    前記車高調節機構は、前記センサプレートの回動量に基づき決定される前記連動ワイヤの引き量に応じて前記前輪高さ調節シリンダの伸縮量を決定することを特徴とする請求項に記載の移植機。
  4. 前記連動ワイヤの引き量を調節することにより植付深さを変更可能な植付深さ変更レバーと、
    前記植付深さ変更レバーの操作範囲を規定するレバーガイド溝とを備え、
    前記レバーガイド溝は、前後方向に複数設けられた位置固定溝によって、植付深さ変更レバーの操作位置を固定可能に設けられ、
    前記植付深さ変更レバー及び前記レバーガイド溝は、左右それぞれの前記畝高さ検出センサの連動ワイヤの引き量を調節可能とするため、前記搭乗部の上面に、左右にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項に記載の移植機。
  5. 前記センサプレートの下端に、前記畝高さ検出センサを畝に沿って案内するセンサ案内輪を備え、
    前記センサ案内輪は、畝の上面を鎮圧する上面鎮圧部と、畝を左右から挟み込む挟込部
    とを備え、さらに、前記挟込部の左右位置が調節可能に設けられたことを特徴とする請求項に記載の移植機。
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