上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
苗移植機1は、左右の走行装置2,2をそれぞれの伝動ケース2a,2aの上下回動によって車高調節可能に構成して苗供給テーブルTと苗植付装置Pとを備え、また、左右傾斜時は、後述のバルブユニット82によって構成される水平保持機構3によって水平調節可能に機体を走行支持する。
(水平保持機構)
水平保持機構3について詳細に説明すると、その側面図(a)と平面図(b)を図1に示すように、機体の左右傾斜を検出可能に上部支点3bで左右回動可能に軸支した回動部材3aと、その下方にブレーキシューとして機能する移動摺接部材4を設け、この移動摺接部材4と摺接可能に固定摺接部材5を設けて構成する。
回動部材3aは、錘部材3cを一体に設け、下部の支点4aに軸支したブレーキ振子として取付部材4bに移動摺接部材4を高さ調節可能に取付け、ブレーキドラム状の固定摺接部材5を回動部材3aの回動軌跡に沿って配置し、その摩擦力を調節可能に構成し、回動部材3aの傾斜に基づき、機体を左右水平に保つように左右の走行装置2,2の支持高さを調節可能に水平保持機構3を構成する。
上記構成の水平保持機構3により、機体が左右に傾斜すると、回動部材3aの位置が元に戻るように左右走行装置2,2の支持高さが調節制御され、また、機体が左右方向に急激に傾斜したときは、移動摺接部材4が固定摺接部材5と接触する抵抗で回動部材3aの回動速度が抑えられるので、回動部材3aが高速回動したときの反動で機体が左右に揺れることが防止され、走行姿勢や植付姿勢が安定し、作業能率が向上する。
また、移動摺接部材4の支持高さ調節により、作動状況に対応して圃場作業に最適な制御が可能となり、さらに、移動摺接部材4が固定摺接部材5との接触で磨耗しても、接触位置調節によって摩擦力を調節することにより、検出精度を維持しつつ移動摺接部材4を長く使うことができ、部品交換の頻度が減少する。
(凹凸対応)
図2は、自動水平装置の制御入力部の正面図(a)と側面図(b)である。
自動水平装置6は、左右の走行装置2,2を上下動させる水平切替部材であるローリングバルブ6cを作動させる回動可能な水平回動アーム6bを備え、この水平回動アーム6bを圃場面の凹凸に応じて回動可能に接地センサ6aと連結するとともに、水平回動アーム6bに接して回動抵抗を作用する抵抗付加部材である抵抗ローラ6eをアーム上端6dに軸支する。
抵抗ローラ6eは、水平回動アーム6bと接するローラ部と一体で大きな回転質量を有する大径部6fを備えて水平回動アーム6bの中立角度範囲内で大きな回動抵抗を作用可能に構成する。
上記構成の自動水平装置6は、接地センサ6aの凹凸検知によって回動される水平回動アーム6bがローリングバルブ6cを作動させて左右の走行装置2,2を上下動させることにより機体水平を保つように制御し、接地センサ6aが圃場の大きな凹凸を検知して自動水平装置6が高速で作動したときは、抵抗ローラ6eが水平回動アーム6bのアーム部6dに接触する抵抗となってローリングバルブ6cの切替動作が緩和されることから、左右の走行装置2,2が頻繁に上下動するハンチング動作が防止されるので、走行姿勢や植付姿勢が安定し、作業能率が向上する。
また、水平回動アーム6bは、ローリングバルブ6cの中立域の幅よりも狭い範囲で抵抗ローラ6eがアーム部6dに接触することから、わずかな圃場の凹凸を接地センサ6aが検知しても、抵抗ローラ6eとの接触によって自動水平装置6が作動しにくくなるので、不要な機体の姿勢変化が生じることが防止され、走行姿勢や植付姿勢の安定化が図られる。
(二重式鎮圧輪)
次に、鎮圧輪に付いて説明する。
図3は、鎮圧輪の側面図(a)と断面平面図(b)である。
苗植付装置Pで植付けた苗の周囲の土を均す鎮圧回転体である鎮圧輪115,115を設け、この鎮圧輪115,115にそれぞれ同心形成した内周部115a,115aを転動可能に小径の補助鎮圧回転体である補助鎮圧輪116,116をそれぞれ鎮圧フレーム117,117によって支持するとともに、鎮圧輪115,115を前記鎮圧フレーム117,117によって転動ガイド可能に支持したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の苗移植機。
請求項6に係る発明により、請求項1から5のいずれかの効果に加え、
鎮圧輪115,115は、鎮圧フレーム117,117によって転動ガイド可能に支持したことから、鎮圧フレーム117に軸支した補助鎮圧輪116が鎮圧輪115の同心の内周部115aを転動することにより、石や土塊等の抵抗で鎮圧輪115,115の回転が弱まりかけても、補助鎮圧輪116の回転力によって鎮圧輪115,115を回転させることができるので、苗の周囲の圃場面が均されて苗の根部の露出が防止され、食害や冷害が防止されることで苗の生育が安定する。
(前輪キャンバ角)
次に、前輪の支持構成について説明する。
図4は、走行支持輪周りの側面図(a)と正面図(b)である。
左右の走行装置2,2の上下動とともに上下回動する左右の接地輪アーム111,111それぞれの端部に支持アーム112,112を介して左右外側に傾斜するキャンバ角を付けて左右の接地輪113,113を軸支して機体前部を案内支持可能に構成する。
左右の接地輪113,113と支持アーム112,112を機体上側ほど機体外側に位置する傾斜姿勢で配置することにより、接地輪113,113の下部を畝の左右両端部に食い込ませる角度とすることができるので、走行位置が畝からずれることが防止され、植付精度が向上する。
支持アーム112,112を回転自在に接地輪113,113を設けたことにより、走行装置2,2が上下動しても支持アーム112,112が下方を向くので、接地輪113,113の傾斜姿勢が変更されることを防止できる。
また、V字状に支点が傾いていることから、傾斜地では、谷側の前輪が内側を向くので、機体が流されにくくなり、さらに、前輪が畝に乗り上げて負荷が掛かると支点が傾いて外側に転舵される。
(苗供給テーブル)
次に、苗供給テーブルについて説明する。
苗供給テーブルTは、要部平面図を図5に示すように、チェーン式苗カップ120の送り機構について、苗カップ120の送りスプロケット121を駆動側とし、受けディスク122を被駆動側として両者間の下部をチェーン伝動することによって苗カップ120…の周回テーブルを構成し、張り側を苗落下部として苗植付装置Pを配置することにより、位置ずれを抑えて苗植付装置Pに対する安定投入を確保することができる。
送りスプロケット121は、要部斜視図を図6(a)に示すように、一体構成の複数スプロケット121a,121aによる多段構成とし、苗カップ120は断面図を図6(b)に示すように、送りスプロケット121と対応する多段の円筒部120a,120aと大径のつば120bを形成し、受けディスク122は、要部斜視図を図6(c)に示すように、苗カップ120の円筒部120a,120aと対応する多段の円柱ガイド部122a,122aと、大径のつば120bを受ける小径部122bを形成して苗カップ120…を多段ガイド可能に構成する。
このように、苗供給テーブルTのカップ送り機構を多段式とすることにより、カップ送りの駆動力を増加しつつ、カップ姿勢を安定化することができる。
苗カップ120…の周回経路には、張り側に直線状のガイドレール123を固定配置し、緩み側は、斜視図(a)と断面図(b)を図7に示すように、湾曲した多段のガイドレール124a,124aをバネ付勢し、さらに苗カップ120の底蓋120cの支持部124bを設けたテンショナレール124を配置する。
また、苗カップ120の破損防止のために、駆動スプロケット121の軸部に不図示の安全クラッチを設け、さらに苗供給テーブルTの破損防止のために、駆動軸からの駆動チェーンスプロケットとチェーン式苗カップ120の間に不図示の安全クラッチを設ける。
(玉葱苗移植機)
次に、本発明の適用対象の玉葱苗移植機について、関連機器を中心に説明する。
図8は、移植機の一例として玉葱苗を移植する玉葱苗移植機10を示す側面図であり、図9は、玉葱苗移植機10の平面図である。
尚、以下の説明では、操縦ハンドル47を配置した側を後とし、その反対側、すなわちエンジン41を配置した側を前とする。そして、機体前側に向かって右手側を右とし、左手側を左とする。
本実施の形態の玉葱苗移植機10は、機体を前進走行可能とする走行車体40と、走行車体40の後部に設けた歩行操縦用の操縦ハンドル47と、圃場に苗を植付ける植付装置42と、植付装置42に苗を供給する苗供給装置43を備えている。
走行車体40は、エンジン41と、エンジン41の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の駆動車輪である後輪44と、後輪44の前方に転動自在に支持した左右一対の前輪45とを備えている。
エンジン41の後側には、ミッションケース39が配置されている。ミッションケース39は、その左側部からエンジン41の左側方に延びるケース部分を有しており、このケース部分がエンジン41の左側部と連結している。このケース部分にエンジン41の出力軸が入り込んでミッションケース39内の伝動機構に動力が伝達する構成となっている。
ミッションケース39の左右両側部には、前後に長い走行用伝動ケース38の前部が回動自在に取り付けられている。具体的には、走行用伝動ケース38の前部の機体内側部に、走行用伝動ケース38と一体回転可能に回転するアクスルケース11を設け、このアクスルケース11をミッションケース39の左右両側部に回動自在に取付けて、走行用伝動ケース38をミッションケース39の左右両側部に対応して回動自在に取付けている。そして、この走行用伝動ケース38の後部側方に突出させた後輪車軸12に後輪44を装着している。
走行用伝動ケース38の前部の回動軸心位置には、ミッションケース39から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで、ミッションケース39内の走行部系変速伝動部を経た走行用の動力が走行用伝動ケース38内の伝動機構に伝達している。そして、走行用の動力は走行用伝動ケース38内の伝動機構を介して、走行用伝動ケース38の後輪車軸12に伝動し、後輪44が駆動回転する構成としている。
尚、ミッションケース39内に設けた左右それぞれのサイドクラッチ(図示せず)により、左右の各後輪44の駆動を断つことが出来る構成になっている。従って、機体を旋回させるときには、サイドクラッチにより旋回内側となる左右一方の後輪44を非駆動状態にしてスム−ズに旋回出来る構成としている。
又、走行用伝動ケース38には、走行用伝動ケース38の前部側を回動支点として後輪44を上下させる、上下回動する駆動手段が連結している。具体的には、走行用伝動ケース38のミッションケース39への取付部には、上方に延びるアーム13が一体的に取り付けられており、アーム13がミッションケース39に固定された昇降用油圧シリンダーのピストンロッド先端に取り付けた連結体の左右両側部と連結している。左右一方側(右側)は、連結ロッドで連結し、他方側(左側)は、機体の傾斜に対応して伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダーで連結している。
昇降用油圧シリンダーが作動してそのピストンロッドが機体後方に突出すると、左右のアーム13は後方に回動し、これに伴い走行用伝動ケース38が下方に回動して、機体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダーのピストンロッドが機体前方に移動してシリンダー内に引っ込むと、左右のアーム13は前方に回動し、これに伴い走行用伝動ケース38が上方に回動して、機体が下降する。
この昇降用油圧シリンダーは、畝面に接地して機体と畝面との上下間隔の変動に伴って動作するセンサー14によって作動する。センサー14の動作は機体に対する畝上面高さを検出する動作となり、そのセンサー14の検出動作に基づいて機体を畝上面高さに対応して設定高さになるよう昇降用油圧シリンダーが作動する構成としている。
又、左右水平制御用油圧シリンダーが伸縮作動すると、その左右水平制御用油圧シリンダーと連結する左側のアーム13が回動して、左側の後輪44のみを上下動させ、機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダーは、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサーの検出結果に基づいて作動して、機体を左右水平にする構成としている。
エンジン41下方の左右中央位置で前後方向の軸心回りに回動自在に取り付けた横フレーム16の左右両側部に、上下に長い縦フレーム17が取付けられており、左右前輪45は、縦フレーム17の下端部側方に固着した前輪車軸18に回転自在に取り付けられている。従って、左右前輪45は、機体の左右中央の前後方向の軸心回りにローリング動自在となっている。又、横フレーム16の左右両側部を基準として、縦フレーム17が上下調節可能に設けられており、前輪45の高さ調節をすることが出来る構成としている。
前記操縦ハンドル47は、機体後部に設けられており、後輪44の後輪車軸12より機体後側に位置している。具体的には、ミッションケース39に前端部を固定した機体フレーム19の後端部に取り付けられている。
機体フレーム19は、機体の左右中央で後方に延び、又、前後中間部から斜め後上方に延びている。
操縦ハンドル47は、機体フレーム19の後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル47のグリップ部としている。
尚、図9では、グリップ部を左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル47の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
植付装置42は、先端が下方に向かう嘴状の複数の植付具と、植付具の下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに植付具を上下動させる上下動機構21と、嘴状の植付具の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能する閉状態と植付具の下端部が左右に開いて内側に収容した苗を下方に放出可能とする開状態とに植付具を開閉する開閉機構とを備える。
本実施の形態の植付装置42は、植付具を左右に複数体並べて配備した複数条植の構成としている。本実施の形態では、植付具を左右に設定間隔で四体並べて配備した4条植えの構成としており、これらの植付具を、機体左側から順に第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dとする。
4体の第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dは、ミッションケース39から伝動される伝動ケース26の左右両側部に設けられた上下動機構21に2体ずつ装着されている。尚、伝動ケース26は、機体フレーム19に下部を固定した取付部材の上部に固着されている。
上下動機構21は、伝動ケース26を基準として前部が上下回動自在に装着され、後部の左右両側に植付具が連結した昇降リンクを備えている。そして、別途設けた駆動機構により伝動ケース26内からの動力で昇降リンクを上下動させ、昇降リンクの左右に連結した、第1植付具20a及び第2植付具20b、又は、第3植付具20c及び第4植付具20dが上下動する構成となっている。
この上下動の上昇位置では各植付具20a〜20dの下端部が圃場面より上方に位置し、下降位置では各植付具20a〜20dの下端部が圃場面より下方に位置する。
各植付具20a〜20dの開閉機構は、伝動ケース26内からの動力で作動し、上下動機構21の作動に連動して、各植付具20a〜20dが下降して下端位置に達するとその植付具20a〜20dの下部側を左右に開いて下方に開放状態とし、各植付具20a〜20dが上昇して上端位置に達するとその植付具20a〜20dの下部側を閉じて閉塞状態とする構成である。
4体の植付具のうち、左右内側に配置された第2植付具20b及び第3植付具20cは、左右外側に配置された第1植付具20a及び第4植付具20dよりも後側に位置している。又、左右の上下動機構21は、180度位相を異ならせて作動する構成となっており、左右一方の外側の第1植付具20a又は第4植付具20dと、左右他方の内側の第3植付具20c又は第2植付具20bとが、それぞれ圃場において同じ前後位置に苗を植付ける構成としている。
苗供給装置43は、苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数の苗収容体22と、苗収容体22を、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの上方を通過させて周回移動させる移動機構23と、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの上方位置で苗収容体22の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの何れかに苗を供給させる苗落下機構24とを備える。
各苗収容体22は、上下に開口する筒状体と、その筒状体の下側の開口部を開閉する底蓋27とを有し、互いにループ状に連結している。
移動機構23は、連結した各苗収容体22が各植付具20a〜20dの上方近傍を通過する状態で、機体平面視で左右に長い長円形状のループ状の軌跡で、連結した苗収容体22を左回りに周回動させる。
苗落下機構24は、苗収容体22の底蓋27を、その苗収容体22に対応する、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの何れかの上方位置で開放する。
本実施の形態では、苗収容体22の外周に円筒外周部を形成し、その円筒外周部に外側から回動自在に接続する係合部(丸孔)を設けて、2つの苗収容体22を連結する連結体を複数形成した。そして、その連結体の係合部を苗収容体22の円筒外周部に回動自在に接続し、その円筒外周部を回動軸として隣の苗収容体22が回動自在に連結する状態として、複数の苗収容体22を互いに連結した構成としている。すなわち、苗収容体22と連結体とで無端チェーンの如く連結した構成である。
これにより、苗収容体22は、直線的に移動する直線状部分28でも円弧状に移動する円弧状部分29でも隣接する苗収容体22との間隔が変わらないので、苗収容体22から各植付具20a〜20dに苗を供給する個所で、苗収容体22の各植付具20a〜20dに対する位置ズレが生じ難くなり、苗供給が適正に行われて適確な苗の植え付けが出来る。
苗収容体22の個数と周回動する範囲を設定したうえで、苗収容体22の上側開口部を可能な限り広く形成出来て、機体のコンパクト化を図りつつ苗収容体22への苗補給作業を出来るだけ容易に行えるものとなる。
苗供給装置43の移動機構23は、無端チェーンの如く互いに連結する苗収容体22を、左右に設けたスプロケットの外周の円弧状切欠部に巻き掛け、この左右のスプロケットを伝動ケース26内から取り出した動力で駆動回転することにより、各苗収容体22を周回動させる構成としている。
苗収容体22が周回する周回移動経路は、平面視で左右方向に延びる直線状部分28と、スプロケットにより直線状部分28から前側又は後側に円弧状に曲がる円弧状部分29とを備えた長円状であり、左右の後輪44より機体内側に配置されている。
又、各植付具20a〜20dは、後輪車軸12の位置よりも後側に配置している。
苗供給装置43は、4体の第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dに合わせて苗収容体22が一回りで周回移動して苗を供給する構成としている。
図10〜図12を用いて、苗落下機構24による各植付具20a〜20dへの苗の供給動作について説明する。
図10は、苗落下機構24による苗の供給動作を説明する図であり、苗供給装置43を上から見た模式図である。
各植付具20a〜20dに対応して落下供給する苗を収容する苗収容体22を各別に設けている。
図10の各苗収容体22に記載の数字1〜4は、苗を落下供給する各植付具20a〜20dに対応する苗収容体22の区別を表している。
図9に示すとおり、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dは、それぞれ、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dで、苗収容体22から苗が落下供給される。
図10において、番号1の苗収容体22は、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dでは底蓋27は開かず、第1落下供給位置31aでのみ底蓋27が開き、第1落下供給位置31aで内側に収容している苗が第1植付具20aへ落下供給される。
同様に、番号2の苗収容体22は、第3落下供給位置31cでのみ底蓋27が開き、第3落下供給位置31cで内側に収容している苗が第3植付具20cへ落下供給される。番号3の苗収容体22は、第2落下供給位置31bでのみ底蓋27が開き、第2落下供給位置31bで内側に収容している苗が第2植付具20bへ落下供給される。番号4の苗収容体22は、第4落下供給位置31dでのみ底蓋27が開き、第4落下供給位置31dで内側に収容している苗が第4植付具20dへ落下供給される。
番号1〜4で区別した苗収容体22ごとに対応する落下供給位置でのみ苗を落下供給させる構成例について説明する。
図11(a)〜(d)に、苗収容体22の底蓋27部分の構成を示す。図11(a)〜(d)は、それぞれ、図10に示した番号1、3、2及び4の苗収容体22に対応する底蓋27部分を示している。それぞれ、図11の上側を苗収容体22の周回移動経路の内側向きとして記載し、左に平面図を示し、右に側面図を示している。
図11(a)〜(d)に示すとおり、底蓋27には、周回移動経路の内側又は外側に突出する開閉規制板部が設けられている。
図11(a)及び図11(b)に示すとおり、番号1及び番号3で区別される苗収容体22の底蓋27には、何れも周回移動経路の内側に向けて突出する第1開閉規制板部56a及び第2開閉規制板部56bが設けられており、第2開閉規制板部56bが低位で周回移動経路の内側に向けて突出する構成であり、第1開閉規制板部56aが第2開閉規制板部56bよりも高位で突出する構成である。
又、図11(c)及び図11(d)に示すとおり、番号2及び番号4で区別される苗収容体22の底蓋27には、何れも周回移動経路の外側に向けて突出する第3開閉規制板部56c及び第4開閉規制板部56dが設けられており、第4開閉規制板部56dが低位で周回移動経路の外側に向けて突出する構成であり、第3開閉規制板部56cが第4開閉規制板部56dよりも高位で突出する構成である。
一方、図10に示すとおり、苗収容体22の周回移動経路の内側に沿って、内側上支持軸51及び内側下支持軸52が、上下に離れて配置されている。又、苗収容体22の周回移動経路の外側に沿って、外側上支持軸53及び外側下支持軸54が、上下に離れて配置されている。
図11(a)に示す番号1で区別される苗収容体22は、底蓋27に内側に向けて突出して設けられた第1開閉規制板部56aが内側上支持軸51に支持されながら周回移動経路を移動する。
内側上支持軸51は、第1落下供給位置31aに対応する部分に第1支持軸欠如部55aがあり、この部分では内側上支持軸51が途切れている。
図12(a)は、番号1で区別される苗収容体22の底蓋27と、内側上支持軸51及び内側下支持軸52との関係を示す断面模式図であり、下図は、第1支持軸欠如部55aの部分を通過するときの断面図を示し、上図は、内側上支持軸51の第1支持軸欠如部55a以外の部分を通過するときの断面図を示している。
番号1で区別される苗収容体22は、図12(a)に示すとおり、内側上支持軸51の第1支持軸欠如部55a以外の部分を通過するときには、第1開閉規制板部56aが内側上支持軸51に支持されているので、底蓋27は閉じた状態が維持される。
一方、番号1で区別される苗収容体22が、第1支持軸欠如部55aの部分を通過するときには、第1開閉規制板部56aを支持する内側上支持軸51が欠如しているので、第1開閉規制板部56aの支持が解放される。このとき、第1開閉規制板部56aは、端部が内側下支持軸52に干渉しない長さで構成されているので、底蓋27が開き、苗が下方へ落下する。
図11(b)に示す番号3で区別される苗収容体22は、底蓋27に内側に向けて突出して設けられた第2開閉規制板部56bが内側下支持軸52に支持されながら周回移動経路を移動する。
内側下支持軸52は、第2落下供給位置31bに対応する部分に第2支持軸欠如部55bがあり、この部分では内側下支持軸52が途切れている。
図12(b)は、番号3で区別される苗収容体22の底蓋27と、内側上支持軸51及び内側下支持軸52との関係を示す断面模式図であり、上図は、第2支持軸欠如部55bの部分を通過するときの断面図を示し、下図は、内側下支持軸52の第2支持軸欠如部55b以外の部分を通過するときの断面図を示している。
番号3で区別される苗収容体22は、図12(b)に示すとおり、内側下支持軸52の第2支持軸欠如部55b以外の部分を通過するときには、第2開閉規制板部56bが内側下支持軸52に支持されているので、底蓋27は閉じた状態が維持される。
一方、番号3で区別される苗収容体22が、第2支持軸欠如部55bの部分を通過するときには、第2開閉規制板部56bを支持する内側下支持軸52が欠如しているので、第2開閉規制板部56bの支持が解放され、底蓋27が開き、苗が下方へ落下する。
このとおりの構造により、番号1で区別される苗収容体22の内側に収容された苗は、周回移動経路のうち、第1落下供給位置31aでのみ底蓋27が開いて苗が下方へ落下し、番号3で区別される苗収容体22の内側に収容された苗は、周回移動経路のうち、第2落下供給位置31bでのみ底蓋27が開いて苗が下方へ落下する。
同様の構造により、番号2及び番号4で区別される苗収容体22についても、それぞれ、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dでのみ底蓋27が開いて苗が下方へ落下する。
すなわち、外側上支持軸53の第3落下供給位置31cの部分に第3支持軸欠如部55cがあり、番号2で区別される苗収容体22がこの部分を通過するときに、第3開閉規制板部56cの支持が解放されて、底蓋27が開いて苗が下方へ落下する。又、外側下支持軸54の第4落下供給位置31dの部分に第4支持軸欠如部55dがあり、番号4で区別される苗収容体22がこの部分を通過するときに、第4開閉規制板部56dの支持が解放されて、底蓋27が開いて苗が下方へ落下する。
従って、苗収容体22の配列順を変更しても、各開閉規制板部56a〜56dに対応する各落下供給位置31a〜31dのみで底蓋27が開いて苗が落下する。
本実施の形態では、図10に示すとおり、苗収容体22に番号1〜4で区別した各別の苗収容体22を1個ずつ備えて周回移動経路で隣接させた4個の苗収容体22からなる苗収容ユニット25を構成し、移動機構23により苗収容ユニット25を同一の周回移動経路で複数組(6組)周回移動させる構成とし、計24個の苗収容体22を周回移動させる。そして、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dのそれぞれに対応する4箇所の第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dを、苗収容体22の同一の周回移動経路上に設定している。
尚、上記において、底蓋27、内側上支持軸51、内側下支持軸52、外側上支持軸53、外側下支持軸54、第1支持軸欠如部55a、第2支持軸欠如部55b、第3支持軸欠如部55c、第4支持軸欠如部55d、第1開閉規制板部56a、第2開閉規制板部56b、第3開閉規制板部56c及び第4開閉規制板部56dで構成される苗落下機構24は、移植物落下機構の一例にあたる。
又、苗収容体は収容体の一例にあたり、苗収容ユニット25は区画の一例にあたる。
図13に、苗供給装置43における苗収容体22の移動動作を説明する、上から見た模式図を示す。
本実施の形態の苗供給装置43は、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dを上下動させる上下動機構21が1周期作動する間に、苗収容ユニットが1個分移動、すなわち苗収容体22が4個分移動する構成で、移動機構23作動周期が、上下動機構21の作動周期に同期する設定にされている。従って、上下動機構21が半周期作動する間に、苗収容体22は、周回移動経路を2個分移動する。
図13では、各苗収容体22に、苗を落下供給する各植付具20a〜20dに対応する苗収容体22を区別する番号1〜4を示し、苗収容体22の周回移動経路の内側に、上下動機構21が半周期作動した後の位置にある苗収容体22を区別する番号を記載している。従って、苗収容体22の周回移動経路の内側に記載の番号は、各苗収容体22に記載した番号をそれぞれ周回方向に2個分ずれた数字となっている。
機体左側の2体の第1植付具20a及び第2植付具20bが上下動機構21により上死点付近まで移動してきたとき、第1植付具20a及び第2植付具20bに対応して苗を落下供給する苗収容体22、すなわち図10の番号1及び番号3で区別する苗収容体22が、第1落下供給位置31a及び第2落下供給位置31bに同時に到達する構成となっている。そして、その後、上下動機構21が半周期作動して右側の2体の第3植付具20c及び第4植付具20dが上死点付近まで移動してきたとき、第3植付具20c及び第4植付具20dに対応して苗を落下供給する苗収容体22、すなわち図10の番号2及び番号4で区別する苗収容体22が、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dに同時に到達する構成となっている。
この構成により、苗収容体22が4箇所の落下供給位置31a〜31dを直列的に通過しながら、4体の植付具20a〜20dに対応して苗供給漏れが生じることなく苗を供給出来、且つ4箇所の落下供給位置31a〜31dを通過した後に苗が供給されなかった苗収容体22が生じないよう、余すことなく4体の植付具20a〜20dに対応して苗を供給出来るものとなり、苗供給作業が余裕をもって行え、且つ4体の植付具20a〜20dに対応して確実に苗を供給出来る。
各苗収容ユニット25は、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dに対応して、周回移動方向上手側から順に番号1〜番号4で区別される苗収容体22が配列されている。
又、苗収容体22の周回移動経路における、隣接する第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dの互いの間隔は、周回移動方向上手側から順に苗収容体22の配列の2ピッチ、5ピッチ、2ピッチに設定されている。
又、第2落下供給位置31b及び第3落下供給位置31cは、周回移動経路の直線状部分28に位置し、第1落下供給位置31a及び第4落下供給位置31dは、周回移動経路の円弧状部分29に位置している。これにより、隣接する第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dの周回移動経路に沿う互いの配列間隔を異ならせると共に、これらの互いの配列間隔のうち広い配列間隔が直線状部分28となる構成に設定されている。
尚、第2落下供給位置31bと第3落下供給位置31cとの間の周回移動経路に沿った長さは、直線状部分の長さの一例にあたり、第1落下供給位置31aと第2落下供給位置31bとの間の周回移動経路に沿った長さ、及び第3落下供給位置31cと第4落下供給位置31dとの間の周回移動経路に沿った長さが、それぞれ曲がっている部分の長さの一例にあたる。
第2落下供給位置31b及び第3落下供給位置31c間の周回移動経路に沿った長さを広くすることにより、これらの落下供給位置に対応する植付具20bと植付具20cとの間も広くなるので、内側条間に苗を植え付ける植付具20b及び植付具20cのメンテナンスがし易くなる。
ここでは、隣接する第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dの互いの間隔を、周回移動方向上手側から順に苗収容体22の配列の2ピッチ、5ピッチ、2ピッチに設定したが、左右両外側部のそれぞれの間隔、すなわち第1落下供給位置31aと第2落下供給位置31bの間隔をXピッチとし、左右中央部の間隔、すなわち第2落下供給位置31bと第3落下供給位置31cの間隔をYピッチとすると、X=2+4n、Y=1+4m(n、mは0以上の整数とする)であれば、各落下供給位置31a〜31dで、それぞれ対応する苗収容体22から各植付具20a〜20dへ苗を供給する構成とすることが出来る。
直列的に配置された4箇所の落下供給位置から、各落下供給位置に対応する苗収容体22の苗を落下させ、これらの4箇所の落下供給位置を通過する間に、余すことなく全ての苗収容体22の苗を落下させるには、上記したXピッチ及びYピッチの組み合わせ以外に、X=3+4nとY=1+4mの組み合わせ、X=1+4nとY=3+4mの組み合わせ、又はX=2+4nとY=3+4mの組み合わせで実現することが出来る。
但し、図13に示すとおり、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dにおいて、それぞれ番号1、3、2及び4で区別される苗収容体22の苗が落下する条件では、各落下供給位置31a〜31dの位置を、このとおりのXピッチ及びYピッチの組み合わせの位置に変更しただけでは、これらの4箇所の落下供給位置を通過する間に、余すことなく全ての苗収容体22の苗を落下させることが出来ない。
本実施の形態の玉葱苗移植機10では、苗収容ユニット25内の苗収容体22の配列順を変更することにより、Xピッチ及びYピッチの組み合わせの変更を実現した。
図14及び図15に、それぞれ、隣接する落下供給位置間の間隔を変更するときの、苗収容体22の配列順及び移動動作を説明する図を示す。それぞれ、図13に対応する図で、苗供給装置43を上から見た模式図を示している。
図14では、隣接する第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dの互いの間隔を、周回移動方向上手側から順に苗収容体22の配列の3ピッチ、5ピッチ、3ピッチと変更している。すなわち、X=3+4nとY=1+4mの組み合わせに変更した構成を示している。
図13の構成に比べて、第1落下供給位置31aと第2落下供給位置31bの間隔、及び第3落下供給位置31cと第4落下供給位置31dの間隔が、それぞれ1ピッチずつ大きくなっているので、第1落下供給位置31a及び第4落下供給位置31dを、図13の構成よりもそれぞれ外側に移動している。
図14に示すとおり、苗収容ユニット25内の苗収容体22の配列を、周回移動方向上手側から順に番号4、2、3、1で区別される苗収容体22の順番としている。すなわち、図13に示す苗収容体22の配列を基準として、番号1及び番号4で区別される苗収容体22の順番を入れ替えている。
移動機構23によって番号1で区別される苗収容体22が、第1落下供給位置31aに到達した際に、第1植付具20a及び第2植付具20bが上死点付近に到達する構成で上下動機構21を動作させることにより、このとき同時に、第2落下供給位置31bに番号3で区別される苗収容体22が到達して、第2植付具20bへ苗が落下供給される。
そして、その後上下動機構21が半周期作動して右側の2体の第3植付具20c及び第4植付具20dが上死点付近まで移動してきたとき、第3植付具20c及び第4植付具20dに対応して苗を落下供給する苗収容体22、すなわち番号2及び番号4で区別される苗収容体22が、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dに同時に到達し、苗が落下供給される。
このとおり、番号1及び番号4で区別される苗収容体22の順番を入れ替えることにより、X=3+4nとY=1+4mの組み合わせに変更することが出来る。
図15では、隣接する第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dの互いの間隔を、周回移動方向上手側から順に苗収容体22の配列の5ピッチ、3ピッチ、5ピッチと変更している。すなわち、X=1+4nとY=3+4mの組み合わせに変更した構成を示している。
図13の構成に比べて、第2落下供給位置31bと第3落下供給位置31cの間隔が2ピッチ分小さくなるとともに、第1落下供給位置31aと第2落下供給位置31bの間隔、及び第3落下供給位置31cと第4落下供給位置31dの間隔が、それぞれ3ピッチずつ大きくなっているので、第2落下供給位置31bと第3落下供給位置31cを、図13の構成よりも内側に移動し、第1落下供給位置31a及び第4落下供給位置31dを、図13の構成よりも外側に移動している。
図15に示すとおり、苗収容ユニット25内の苗収容体22の配列を、周回移動方向上手側から順に番号1、3、2、4で区別される苗収容体22の順番としている。すなわち、図13に示す苗収容体22の配列を基準として、番号2及び番号3で区別される苗収容体22の順番を入れ替えている。
移動機構23によって番号1で区別される苗収容体22が、第1落下供給位置31aに到達した際に、第1植付具20a及び第2植付具20bが上死点付近に到達する構成で上下動機構21を動作させることにより、このとき同時に、第2落下供給位置31bに番号3で区別される苗収容体22が到達して、第2植付具20bへ苗が落下供給される。
そして、その後上下動機構21が半周期作動して右側の2体の第3植付具20c及び第4植付具20dが上死点付近まで移動してきたとき、第3植付具20c及び第4植付具20dに対応して苗を落下供給する苗収容体22、すなわち番号2及び番号4で区別される苗収容体22が、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dに同時に到達し、苗が落下供給される。
このとおり、番号2及び番号3で区別される苗収容体22の順番を入れ替えることにより、X=1+4nとY=3+4mの組み合わせに変更することが出来る。
同様にして、図13に示す苗収容体22の配列を基準として、番号1及び番号4で区別される苗収容体22の順番を入れ替えるとともに、番号2及び番号3で区別される苗収容体22の順番も入れ替えることにより、X=2+4nとY=3+4mの組み合わせに変更することも出来る。
尚、上記で、苗収容体22の順番を入れ替えるとは、苗収容体22が筒状部分と底蓋27に分離出来る構成では、底蓋27の位置を組み替えればよい。
尚、上記において、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dを変更するときには、これらの変更位置に合わせて、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの左右方向の位置、第1支持軸欠如部55a、第2支持軸欠如部55b、第3支持軸欠如部55c及び第4支持軸欠如部55dの位置も変更する。
隣接する第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dのそれぞれの左右方向の間隔は、植え付け条間の距離に対応しているので、上記のとおり、隣接する第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dの互いの間隔を変更することにより、所望の植え付け条間に変更することが出来る。
本実施の形態の玉葱苗移植機10は、各植付具20a〜20dが植付けた苗に合わせて覆土鎮圧することに利用される覆土鎮圧輪37を各植付具20a〜20dの苗植付け個所の各後方左右両側近傍位置に設けている。
又、苗供給装置43に苗を補給する作業者が乗車して苗補給作業が行えるよう、作業者が座る作業者用座席46を設けている。具体的には、苗供給装置43の前側となる機体左右中央位置に後向きに作業者用座席46を配置している。作業者用座席46に座る作業者は、苗供給装置43の前側部に向って後側向き姿勢で着座して、苗供給装置43の前側部、特に苗収容体22の周回移動経路における前側の直線状部分28に対応して苗補給作業を行う。
作業者用座席46の左右両側で機体側面視で後輪44の後輪車軸12の上方位置に、苗供給装置43に補給する苗を収容可能な苗載台50を設けている。
次に、本実施の形態の玉葱苗移植機10の上下動機構21の構成及び動作について説明する。
図16に、第1植付具20a及び第2植付具20bへの苗供給時の上下動機構21部分の斜視図を示し、図17に、第1植付具20a及び第2植付具20bの苗植付け時の上下動機構21部分の斜視図を示す。図16及び図17は、機体の左斜め後方から見た斜視図を示している。
又、図18に、機体左側の上下動機構21への第1植付具20a及び第2植付具20bの取り付け構成を示す平面図を示す。
伝動ケース26の左側に設けた上下動機構21には、第1植付具20a及び第2植付具20bが装着されている。同様に、伝動ケース26の右側に設けた上下動機構21には、第3植付具20c及び第4植付具20dが装着されている。
ここでは、機体左側に配置される上下動機構21について説明する。第3植付具20c及び第4植付具20dを上下動させる機体右側に配置される上下動機構21も、同様の構成である。
第1植付具20a及び第2植付具20bの上方には、それぞれ苗ガイド65が設けられている。苗ガイド65は、苗供給装置43から供給された苗を第1植付具20a及び第2植付具20b内に案内する。苗ガイド65は、苗の供給口(上側)が広く、苗の案内口(下側)が狭くなった筒状体であり、苗供給装置43から落下供給される苗を受け入れて、適確に第1植付具20a及び第2植付具20b内に苗を案内し供給することが出来る。
機体左側の上下動機構21は、伝動ケース26の左側方に突出した回動支点軸63及び従動支点軸69に、それぞれ前部を上下回動自在に装着し、後部を第2植付具20bに連結した上リンク61及び下リンク62を備える。
上リンク61及び下リンク62の回動先端部(後端部)は、それぞれ上連結軸67及び下連結軸68によって、右側植付具支持プレート66が連結している。そして、右側植付具支持プレート66に第2植付具20bが取り付けられている。
又、図16及び図17では図示していないが、図18に示すとおり上連結軸67及び下連結軸68の左側にも左側植付具支持プレート57が取り付けられており、左側植付具支持プレート57に第1植付具20aが取り付けられている。
すなわち、上リンク61及び下リンク62の右側に第2植付具20bが取り付けられ、左側に第1植付具20aが取り付けられている。
伝動ケース26側方に突出する駆動軸と一体回転する構成で取付けられた駆動アーム64の回転外周側端部に、下リンク62に回動自在に連結する連結アームの他端が回動自在に連結している。駆動アーム64が駆動回転すると、上リンク61及び下リンク62が上下動して、左右に取り付けられた第1植付具20a及び第2植付具20bが上下動する。
又、上リンク61の前端が連結する回動支点軸63は、伝動ケース26から突出して回転駆動する植付出力軸の先端部に、植付出力軸の中心軸心より偏心させた位置に設けられている。回動支点軸63は、植付出力軸の回転によって植付出力軸の軸芯を中心として偏心量(回動支点軸63と植付出力軸の軸芯との間隔)を半径として回転しながら移動する。従って、上リンク61及び下リンク62の上下動中に回動支点軸63が前後に移動することにより、第1植付具20a及び第2植付具20bをその昇降動中に前後に傾け、第1植付具20a及び第2植付具20bの先端部を側面視ループ状の作動軌跡15で上下動させる構成となっている。
図16に示す作動軌跡15は、玉葱苗移植機10が走行を停止しているときの、第1植付具20a及び第2植付具20bの先端部の静軌跡を示している。
作動軌跡15でわかるとおり、第1植付具20a及び第2植付具20bの先端部の位置が、植え付ける位置となる下死点よりも苗が供給される上死点における位置の方が前方の位置となる構成で、第1植付具20a及び第2植付具20bは上下動する。
第1植付具20a及び第2植付具20bによって苗を植え付けた後に、嘴状の先端部が閉じるが、作動軌跡15を描く構成で上下動することにより、先端部が閉じる際に、植え付けた後の苗をその先端部によって摘むことを防止することが出来る。又、苗収容体22からの苗の引継ぎ位置が前方になるので、機体の前後長さを小さくすることが出来る。
又、図17に示すとおり、第1植付具20a及び第2植付具20bの上下動の下死点又は下死点付近の位置となる植え付け時において、上リンク61及び下リンク62は略水平な状態となる。
これにより、玉葱苗移植機10が走行して植え付ける際の、第1植付具20a及び第2植付具20bの各先端の動軌跡が垂直になり、きれいに苗を植え付けることが出来る。
又、図17に示すとおり、植え付け時において、第1植付具20a及び第2植付具20bは略垂直な状態となる。
植え付け時に、第1植付具20a及び第2植付具のホッパー部分が垂直なので、苗を真っ直ぐに植え付けることが出来、前後の位置が異なる2つの第1植付具20a及び第2植付具20bによる苗の植え付け深さを略同じにすることが出来る。
又、図16及び図17に示すとおり、上リンク61よりも下リンク62の方が長い。
これにより、第1植付具20a及び第2植付具20bの姿勢を、植え付け時には垂直にするとともに、苗が供給される上死点付近では、大きく前方に傾けることが出来る。
又、図16に示すとおり、第1植付具20a及び第2植付具20bに苗が供給される上死点付近において、第1植付具20a及び第2植付具20bは前方に傾いている。
これにより、苗が供給される上死点付近では、苗ガイド65の上端部がより前方まで達するので、植付装置42を基準として苗供給装置43を前方に配置することが出来、機体の前後長さを小さくすることが出来る。
又、図16及び図17に示すとおり、苗ガイド65は、側面視で後方へ向かって低くなる形状となっている。
このとおりの形状としたことにより、第1植付具20a及び第2植付具20bへ苗が供給される面積が大きくなり、苗の供給がし易くなる。
図18に示すとおり、上リンク61及び下リンク62の左右両側に取り付けられた第1植付具20a及び第2植付具20bは、第1植付具20aの方が前方に位置する構成で配置されている。
第1植付具20a及び第2植付具20bの前後の位置をずらすことにより、図9に示すとおり前後の位置が異なる第1落下供給位置31a及び第2落下供給位置31bから落下する苗の位置に、各植付具20a、20bの位置を合わせることが出来る。
又、第1植付具20a及び第2植付具20bを、直線状部分28に限らず苗収容体22の周回移動経路に沿って配置することが出来るので、機体の前後長さを小さく出来る。
作動軌跡15に示すとおり、第1植付具20a及び第2植付具20bの前後方向の距離(植付具前後間隔70)を、第1植付具20a及び第2植付具20bの上下方向の移動距離よりも小さくすることにより、第1植付具20a及び第2植付具20bによって植え付けられる苗の深さを略同じにすることが出来る。
第1植付具20a及び第2植付具20bによって同時に植え付けが行なわれるので、植付具前後間隔70を、p×株間+株間/2(pは、0以上の整数)とすることにより、4体の第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dによって千鳥植えを行なうことが出来る。
又、植付具前後間隔70を、p×株間とすることにより、4体の第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dによって並木植えを行なうことが出来る。
機体の左端に位置する第1植付具20aについては、第1植付具20aが上死点に達した後、下がり工程になったタイミングで苗収容体22から苗が落下供給される構成に設定することにより、より確実に第1植付具20aへ苗を供給することが出来る。
第1植付具20aは、図10の第1落下供給位置31aで苗が供給されるので、苗収容体22が後方へ移動しながら苗を落下供給することになり、苗が後方に振れながら第1植付具20aへ供給される。
一方、第1植付具20aは、作動軌跡15を描く構成で上下動するので、上死点に達する直前の上がり工程では前方に移動し、上死点を過ぎた下がり工程では後方に移動する。
第1植付具20aが下がり工程になったタイミングで苗を供給させる構成とすることにより、落下する苗が振れる後方への向きと同じ向きに第1植付具20aが移動しながら苗が供給されることになるので、第1植付具20aへの苗の供給がし易くなる。
又、機体の右端に位置する第4植付具20dについては、第4植付具20dが上死点に達する前の、まだ上がり工程のタイミングで苗収容体22から苗が落下供給される構成に設定することにより、より確実に第4植付具20dへ苗を供給することが出来る。
第4植付具20dは、図10の第4落下供給位置31dで苗が供給されるので、苗収容体22が前方へ移動しながら苗を落下供給することになり、苗が前方に振れながら第4植付具20dへ供給される。
第4植付具20dは、作動軌跡15を描く構成で上下動するので、第4植付具20dが上死点に達する前の上がり工程のタイミングで苗を供給させる構成とすることにより、落下する苗が振れる前方への向きと同じ向きに第4植付具20dが移動しながら苗が供給されることになるので、第4植付具20dへの苗の供給がし易くなる。
尚、上記では、玉葱苗移植機10の、接地して駆動回転する走行駆動部を、前後車輪を備えた四輪式の走行駆動部の構成としたものであるが、クローラー式の走行駆動部の構成としてもよい。
図19に、クローラー式の走行駆動部とした構成の、クローラー走行装置部分の側面図を示す。又、図20に、クローラー式の走行駆動部とした構成の、油圧回路を説明する平面図を示す。図8及び図9と同じ機能構成部分には、同じ符号を用いている。
図19及び図20を用いて、クローラー式の走行駆動部の構成及び動作について説明する。
ミッションケース39の左右側面から突出する左右回動筒部87内に左右クローラー駆動軸73をミッションケース39の左右に突出して設け、左右クローラー駆動軸73により左右クローラ走行装置の前輪である駆動輪75を駆動する。
駆動輪75のクローラー駆動軸73には後輪アーム74の前端部が回動自在に設けられ、後輪アーム74の後部には、側面視で略三角形状の第1転輪支持プレート77が連結している。第1転輪支持プレート77に設けた長孔にピンを挿入して後輪アーム74と第1転輪支持プレート77が遊動自在に連結している。
そして、第1転輪支持プレート77の後端部(三角形状の後方角部)には、左右クローラー走行装置の後輪である従動転輪76の従動回転軸80が回動自在に連結しており、後輪アーム74と連結するピンが第1転輪支持プレート77の長孔内を前後に動くことで、後輪アーム74が長手方向に進退可能である。又、後輪アーム74と連結するピンをきつく閉めることで、後輪アーム74と第1転輪支持プレート77が一体となり、固定される。
このとおり、後輪アーム74が長手方向に進退調節して固定自在に設けられることで、駆動輪75と従動転輪76間の距離を調節して、クローラー72を緩みが無く張る構成である。
そして、第1転輪支持プレート77の前方下端部(三角形状の前方下部の頂点部)には前方遊転輪79aが回動自在に連結している。尚、複数個の遊転輪を第1転輪支持プレート77に支持させて設けても良い。
第1転輪支持プレート77の下部には、側面視で三角形状の第2転輪支持プレート78が前後方向に揺動自在に連結している。第2転輪支持プレート78の上端部(上方頂点部)が第1転輪支持プレート77の後方下部にピンを介して連結し、第2転輪支持プレート78の下端部(下方頂点部)に、2つの遊転輪79b、79cが回動自在に連結している。これらの2つの遊転輪を、中央遊転輪及び後方遊転輪と呼ぶことにする。
そして、合成ゴムよりなる外周面にラグが一体形成されたクローラー72が、駆動輪75、従動転輪76、前方遊転輪79a、中央遊転輪79b及び後方遊転輪79cの外側に巻き掛けられて左右クローラー走行装置を構成している。
このとおり、左右クローラー走行装置の3つの前方遊転輪79a、中央遊転輪79b及び後方遊転輪79cがクローラー72を接地させるので、クローラー72の接地面積が広くなって、滑り難くなる。
又、機体を旋回させるときには、左右クローラー走行装置の後部を下動させて機体を上昇させて旋回するが、この旋回時には、左右クローラー走行装置の後方側の後方遊転輪79cの最も設置面積が少ない部分が接地するので、圃場の土の横押し量も少なく、安定した小回り旋回が行なえ、旋回作業が効率よく且つ容易に行なえる。
走行部には、機体を基準として左右クローラー走行装置の後部を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。
この機体制御機構(上下動機構)は、図20に示すとおり、ミッションケース39の上に配置した油圧バルブユニット82から後方に向けて昇降用油圧シリンダー83が設けられ、昇降用油圧シリンダー83のピストンロッドの先端部に連結体85が上下方向の軸回りに回動自在に取り付けられている。ピストンロッドは、前後両端が前後方向に摺動する構成としている。連結体85の左右両端部と、左右回動筒部87に固着した左右スイングアーム88とが、左右連結ロッド86を介して連結されている。左側の連結ロッド86は、左右水平制御用油圧シリンダー81が組み込まれており、左右水平制御用油圧シリンダー81を伸縮作動させることにより長さを変えられる構成としている。
昇降用油圧シリンダー83のピストンロッドが機体後方に突出すると、アーム13が後方へ回動し、左右クローラー走行装置の後部が下動する。
昇降用油圧シリンダー83及び左右水平制御用油圧シリンダー81は、油圧ポンプ84から供給される作動油を油圧バルブユニット82内の第1制御バルブ89a及び第2制御バルブ89bで制御して作動させられる。
昇降用油圧シリンダー83を伸縮作動させると、左右のクローラー走行装置が同方向に同量だけ機体を基準として上下動し、機体が昇降する。又、左右水平制御用油圧シリンダー81を伸縮作動させると、左右のクローラー走行装置が逆方向に同量だけ機体を基準として上下動し、機体が左右に傾斜する。
又、油圧バルブユニット82内の第1制御バルブ89a及び第2制御バルブ89bは左右傾斜検出用の振り子90の動きに連動して切り替わる構成としている。機体が左右に傾斜すると振り子90が傾斜を検出して、第1制御バルブ89a及び第2制御バルブ89bを切替えて左右水平制御用油圧シリンダー81が適宜作動し、機体を左右水平に戻す制御をする。
そして、このとおり、前方遊転輪79aと従動転輪76は第1転輪支持プレート77に支持されて、その間に位置する中央遊転輪79b及び後方遊転輪79cは第1転輪支持プレート77の下部に連結した第2転輪支持プレート78によって支持されているので、前方遊転輪79aと従動転輪76は中央遊転輪79bと後方遊転輪79cよりも上方に位置することになる。従って、4つの転輪のうち、両端の転輪(前方遊転輪79aと従動転輪76)と中央部の転輪(中央遊転輪79bと後方遊転輪79c)の上下位置が異なる配置になっているので、圃場面に段差があっても上り易く、走行性能が良い。
本実施の形態のクローラー走行装置では、クローラー72の上下動に連動して、前輪45を支持している前輪アーム91も上下動して、前輪45を基準としても機体が上下動する構造となっている。
(技術的意義)
上記構成の苗移植機の技術的意義についてまとめると、以下のとおりである。
振子機構3に振子アーム3aを設け、この振子アーム3aの回動軌跡上にブレーキドラム5を設け、振子アーム3aの下部に、ブレーキドラム5に接触するブレーキシュー4を設けることにより、振子機構3が高速で作動したときはブレーキドラム5とブレーキシュー4が接触する抵抗で振子アーム3aの回動速度を抑えることができるので、反動で機体が左右に揺れること(ハンチング)が防止され、走行姿勢や植付姿勢が安定し、作業能率が向上する。
また、振子機構3は、振子アーム3aの回動を補助する錘部材3cを設け、振子アーム3aの下部にはブレーキシュー4を取付ける取付部材4bを設け、この取付部材4bにブレーキシュー4を上下位置調節自在に設けることにより、ブレーキドラム5と接触したときの抵抗力を変更することができるので、振子機構3が高速で作動しても、振子アーム3aの回動速度を抑えることができるので、走行姿勢や植付姿勢が安定し、作業能率が向上する。
また、ブレーキシュー4がブレーキドラム5との接触で磨耗しても、上下位置を調節することで接触位置を調節することができるので、ブレーキシュー4を長く使うことができ、部品交換の頻度が減少する。
また、圃場面に接地して凹凸を検知する接地センサ6aと、この接地センサ6aの検知に合わせて左右の走行装置2,2を上下動させて機体を水平に保つ自動水平装置6と、この自動水平装置6の作動時に回動する水平回動アーム6bと、自動水平装置6を作動させるローリングバルブ6cとを設け、水平回動アーム6bの上方に、水平回動アーム6bの回動に抵抗を加える抵抗ローラ6eを設けることにより、接地センサ6aが圃場の大きな凹凸を検知して自動水平装置6が高速で作動すると、抵抗ローラ6eが水平回動アーム6bに接触する抵抗となり、左右の走行装置2,2が頻繁に上下動すること(ハンチング)が防止されるので、走行姿勢や植付姿勢が安定し、作業能率が向上する。
また、抵抗ローラ6eが水平回動アーム6bに接触する範囲は、自動水平装置6の中立域(ローリング非作動域)の幅よりも狭く形成し、中立域で抵抗を掛けることにより、接地センサ6aがわずかな圃場の凹凸を検知しても自動水平装置6が作動しににくくなるので、不要な機体の姿勢変化が生じることが防止され、走行姿勢や植付姿勢の安定化が図られる。
また、左右の走行装置2,2に、その上下動とともに上下回動する接地輪アーム111,111を設け、これら接地輪アーム111,111の端部に、支持アーム112,112を介して接地輪113,113を装着し、支持アーム112,112は回転自在に接地輪113,113に装着し、接地輪113,113と支持アーム112,112は、機体上側ほど機体外側に位置する傾斜姿勢で配置し、接地輪113,113にキャンバ角を付けることにより、接地輪113,113の下部を畝の左右両端部に食い込ませる角度とすることができるので、走行位置が畝からずれることが防止され、植付精度が向上する。
また、支持アーム112,112を回転自在に接地輪113,113を設けたことにより、走行装置2,2が上下動しても支持アーム112,112が下方を向くので、接地輪113,113の傾斜姿勢が変更されることがなく、機体の走行位置がずれることを防止できる。
苗植付装置Pで植付けた苗の周囲の土を均す鎮圧輪115,115を設け、これら鎮圧輪115,115に、より小径の補助鎮圧輪116,116を回転自在に装着し、鎮圧輪115,115と補助鎮圧輪116,116は同一の鎮圧フレーム117,117に配置し、鎮圧輪115,115の回転力を補助鎮圧輪116,116の回転力で補助する構成とすることにより、鎮圧フレーム117,117に鎮圧輪115,115の内部で補助鎮圧輪116,116が回転することにより、石や土塊等の抵抗で鎮圧輪115,115の回転が弱まりかけても、補助鎮圧輪116,116の回転力により鎮圧輪115,115を回転させることができるので、苗の周囲の圃場面を均すことが苗の根部の露出が防止され、食害や冷害が防止されることで、苗の生育が安定する。