JP7065396B2 - 紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置 - Google Patents

紫外線硬化性樹脂組成物、有機el発光装置の製造方法及び有機el発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL発光装置における封止材を作製するために好適な紫外線硬化性樹脂組成物、この紫外線硬化性樹脂を用いる有機EL発光装置の製造方法、及びこの紫外線硬化性樹脂から作製される封止材を備える有機EL発光装置に関する。
有機EL発光装置は、照明用途、ディスプレイ用途などに適用されており、今後の普及が期待されている。
有機EL発光装置のうち、トップエミッションタイプと呼ばれるものは、例えば支持基板上に有機EL素子を配置し、支持基板に対向するように透明基板を配置し、支持基板と透明基板との間に透明な封止材を充填して構成される。この場合、有機EL素子が発する光は封止材及び透明基板を通過して外部へ出射できる。
封止材は、有機EL素子への水分の侵入を抑制することで、有機EL素子におけるダークスポットの発生及び成長を抑制する。ダークスポットとは、有機EL素子が水分で劣化することで生じる、発光しない部分のことである。
封止材は、例えばカチオン硬化性樹脂とカチオン重合開始剤とを含有する組成物から作製される(特許文献1及び2参照)。この場合、紫外線照射等で組成物を硬化させて封止材を作製できるので、有機EL素子に熱による負荷をかけることなく封止材を作製できる。
特許第5703429号公報 特許第5887467号公報 特開2016-012559号公報
有機EL発光装置に封止材を設けるだけでは、水分の侵入を十分に防げないことがある。そのため、支持基板と透明基板との間に吸湿剤を設けることも行われているが、吸湿剤を設けるための工程が必要となり、有機EL発光装置の構造の複雑化及び製造効率の低下を招いてしまう。
封止材中に吸湿剤を分散させて封止材に吸湿性を付与することも提案されている。例えば特許文献3には、カチオン重合性化合物と、重合開始剤及び/又は硬化剤と、粉末状モレキュラーシーブとを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤が開示されている。
しかし、このように封止材中に吸湿剤を分散させると、封止材の透明性の低下を招いてしまい、有機EL発光装置の発光効率が低下してしまう。封止材の粒径を小さくすると封止材の透明性が向上することが期待できるが、その場合は封止材を作製するための組成物の粘度が低下してしまい、組成物を成形することが困難になる。組成物に低粘度の成分を含有させて低粘度化すると、その成分が組成物から揮発しやすくなり、そのため保管中に組成物の組成が変化しやすくなってしまう。
本発明は、硬化することで透明性と吸湿性とを兼ね備える硬化物になることができ、しかも保存安定性を損なうことなく低粘度化された紫外線硬化性樹脂組成物、この紫外線硬化性樹脂組成物を用いる有機EL発光装置の製造方法、及びこの紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる封止材を備える有機EL発光装置を提供することである。
本発明の一態様に係る紫外線硬化性樹脂組成物は、シロキサン骨格を有さない多官能カチオン重合性化合物(A)、カチオン硬化触媒(C)、及び平均粒径100nm以下の吸湿剤(D)を含有する。前記多官能カチオン重合性化合物(A)は、下記式(1)で示されるエポキシ化合物(A1)を含有する。
Figure 0007065396000001
前記式(1)中、R1~R12の各々は独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1~20の炭化水素基である。
本発明の一態様に係る有機EL発光装置の製造方法は、有機EL発光素子と前記有機EL発光素子を覆う封止材とを備える有機EL発光装置を製造する方法であり、前記紫外線硬化性樹脂組成物をインクジェット法で成形してから、前記紫外線硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して硬化させることで前記封止材を作製することを含む。
本発明の一態様に係る有機EL発光装置は、有機EL発光素子と、前記有機EL発光素子を覆う封止材とを備え、前記封止材は、前記紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物である。
本発明の一態様によれば、硬化することで透明性と吸湿性とを兼ね備える硬化物になることができ、しかも保存安定性を損なうことなく低粘度化された紫外線硬化性樹脂組成物、この紫外線硬化性樹脂組成物を用いる有機EL発光装置の製造方法、及びこの紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる封止材を備える有機EL発光装置が得られる。
有機EL発光装置の第一例を示す概略の断面図である。 有機EL発光装置の第二例を示す概略の断面図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
有機EL発光装置1の構造の第一例を、図1を参照して説明する。有機EL発光装置1は、支持基板2、支持基板2と間隔をあけて対向する透明基板3、支持基板2の透明基板3と対向する面の上にある有機EL素子4、及び支持基板2と透明基板3との間に充填されている封止材5を備える。また、図1に示す例では、有機EL発光装置1は、支持基板2の透明基板3と対向する面及び有機EL素子4を覆うパッシベーション層6を備える。
支持基板2は、例えば樹脂材料から作製されるが、これに限定されない。透明基板3は透光性を有する材料から作製される。透明基板3は、例えば、ガラス製基板又は透明樹脂製基板である。有機EL素子4は有機発光ダイオードとも呼ばれる。有機EL素子4は、例えば一対の電極と、電極間にある有機発光層とを備える。パッシベーション層6は窒化ケイ素又は酸化ケイ素から作製されることが好ましい。
有機EL発光装置1の構造の第二例を、図2を参照して説明する。なお、図1に示す第一例と共通する要素については、図1と同じ符号を付して、詳細な説明を適宜省略する。図2に示す有機EL発光装置1も、トップエミッションタイプである。有機EL発光装置1は、支持基板2、支持基板2と間隔をあけて対向する透明基板3、支持基板2の透明基板3と対向する面の上にある有機EL素子4、及び有機EL素子4を覆う封止材5を備える。
有機EL素子4は、第一例の場合と同様、例えば一対の電極41、43と、電極41、43間にある有機発光層42とを備える。有機発光層42は、例えば正孔注入層421、正孔輸送層422、有機発光層423及び電子輸送層424を備え、これらの層は前記の順番に積層している。
有機EL発光装置1は複数の有機EL素子4を備え、かつ複数の有機EL素子4が、支持基板2上でアレイ9(以下素子アレイ9という)を構成している。素子アレイ9は、隔壁7も備える。隔壁7は、支持基板2上にあり、隣合う二つの有機EL素子4の間を仕切っている。隔壁7は、例えば感光性の樹脂材料をフォトグラフィ法で成形することで作製される。素子アレイ9は、隣合う有機EL素子4の電極43及び電子輸送層424同士を電気的に接続する接続配線8も備える。接続配線8は、隔壁7上に設けられている。
有機EL発光装置1は、有機EL素子4を覆うパッシベーション層6も備える。パッシベーション層6は窒化ケイ素又は酸化ケイ素から作製されることが好ましい。パッシベーション層6は、第一パッシベーション層61と第二パッシベーション層62とを含む。第一パッシベーション層61は素子アレイ9に直接接触した状態で、素子アレイ9を覆うことで、有機EL素子4を覆っている。第二パッシベーション層62は、第一パッシベーション層61に対して、素子アレイ9とは反対側の位置に配置され、かつ第二パッシベーション層62と第一パッシベーション層61との間には間隔があけられている。第一パッシベーション層61と第二パッシベーション層62との間に、封止材5が充填されている。すなわち、有機EL素子4と、有機EL素子4を覆う封止材5との間に、第一パッシベーション層61が介在している。
さらに、第二パッシベーション層62と透明基板3との間に、第二封止材52が充填されている。第二封止材52は、例えば透明な樹脂材料から作製される。第二封止材52の材質は特に制限されない。第二封止材52の材質は、封止材5と同じであっても、異なっていてもよい。
封止材5を、本実施形態に係る紫外線硬化性樹脂組成物(以下、組成物(X)という)から作製することができる。すなわち、好ましくは、封止材5は組成物(X)の硬化物であり、組成物(X)は有機EL素子封止用の組成物或いは有機EL発光装置における封止材作製用の組成物である。
以下、組成物(X)について説明する。
組成物(X)は、シロキサン骨格を有さない多官能カチオン重合性化合物(A)、カチオン硬化触媒(C)、及び平均粒径100nm以下の吸湿剤(D)を含有する。多官能カチオン重合性化合物(A)は、下記式(1)で示されるエポキシ化合物(A1)を含有する。
Figure 0007065396000002
式(1)中、R1~R12の各々は独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1~2
0の炭化水素基である。ハロゲン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。炭素数1~20の炭化水素基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基といった炭素数1~20のアルキル基;ビニル基、アリル基といった炭素数2~20のアルケニル基;又はエチリデン基、プロピリデン基といった炭素数2~20のアルキリデン基である。
1~R12の各々は独立に、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが最も好ましい。R1~R12がいずれも水素原子であることが特に好ましく、すなわちエポキシ化
合物(A1)が、下記式(1a)に示すテトラヒドロインデンジエポキシドであることが特に好ましい。
Figure 0007065396000003
この組成物(X)に紫外線を照射すると、組成物(X)は光カチオン重合反応によって硬化して、硬化物になる。
組成物(X)が吸湿剤(D)を含有するため、硬化物は優れた吸湿性を有する。また、吸湿剤(D)の平均粒径が100nm以下であるため、硬化物は高い透明性を有することができる。また、エポキシ化合物(A1)は、二つの脂環式エポキシ構造を有することで高いカチオン重合反応性を有するとともに、そのような構造を有する化合物としては低い粘度を有する。そのため、組成物(X)は、良好な紫外線硬化性を有することができるとともに、平均粒径が100nm以下の吸湿剤(D)を含有するにもかかわらず低い粘度を有することができる。このため、封止材5を作製する際などに組成物(X)を塗布する場合の塗布性が良好である。このため、キャスティング法、インクジェット法などにより組成物(X)を塗布することも可能である。
さらに、エポキシ化合物(A1)は、低い粘度を有するわりには、揮発しにくい性質を有する。そのため、組成物(X)がエポキシ化合物(A1)を含有しても、組成物(X)には、エポキシ化合物(A1)の揮発による組成の変化が生じにくい。このため、組成物(X)は、エポキシ化合物(A1)を含有することで、保存安定性を損なうことなく低粘度化されうる。
特に、エポキシ化合物(A1)が上記式(1a)に示すテトラヒドロインデンジエポキシドを含む場合、テトラヒドロインデンジエポキシドは組成物(X)の低粘度化に特に寄与することができ、そのため例えばインクジェット法などにより組成物(X)を塗布する場合に組成物(X)を安定して吐出することが可能となる。また、テトラヒドロインデンジエポキシドは特に高いカチオン重合反応性を有し、そのため例えば組成物(X)の硬化物の硬度及び均質性を向上できる。
組成物(X)は25℃で流動性を有することが好ましい。組成物(X)の25℃における粘度は、5~50mPa・sの範囲内であることが好ましい。この場合、組成物(X)を膜状等に成形することが容易であり、キャスティング法、インクジェット法といった方法で組成物(X)を成形することができる。組成物(X)の25℃における粘度が、5~20mPa・sの範囲内であることも好ましい。この場合、組成物(X)が特に低い粘度を有することで、組成物(X)をインクジェット法で成形することが容易である。組成物(X)の50℃における粘度が、5~20mPa・sの範囲内であることも好ましい。この場合、常温における組成物(X)の粘度がいかなる値であっても、組成物(X)を僅かに加熱すれば低粘度化することが可能であり、このため、組成物(X)をインクジェット法で成形することが容易である。このような組成物(X)の低い粘度は、下記で詳細に説明される組成物(X)の組成によって達成可能である。
組成物(X)を紫外線硬化させて作製される硬化物は、有機EL発光装置1における封止材5として好適である。
以下、組成物(X)の成分について更に詳しく説明する。
多官能カチオン重合性化合物(A)は、シロキサン骨格を有さず、一分子あたり二以上のカチオン重合性官能基を有する。多官能カチオン重合性化合物(A)の一分子あたりのカチオン重合性官能基の数は2~4個の範囲内であることが好ましく、2~3個の範囲内であれば更に好ましい。
多官能カチオン重合性化合物(A)におけるカチオン重合性官能基は、例えばエポキシ基、オキセタン基及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも一種の基である。
上記の通り、多官能カチオン重合性化合物(A)は、エポキシ化合物(A1)を含有する。
エポキシ化合物(A1)は、従来公知の方法で製造されうる。例えば、下記式(1b)で示されるテトラヒドロインデン骨格を有する環状オレフィン化合物を、酸化剤を用いて酸化することで、エポキシ化合物(A1)を合成できる。このようにエポキシ化合物(A1)を合成する反応を、以下、エポキシ化反応という。
Figure 0007065396000004
式(1b)におけるR1~R12は、式(1)の場合と同じである。
エポキシ化反応のための酸化剤は、例えば過硫酸塩、過酸化水素、脂肪族過カルボン酸、有機過酸化物、又はこれらのうちの二種以上の混合物である。酸化剤の使用量は、環状オレフィン化合物1モルに対して、通常は1モル以上であり、1~2モルの範囲内であることが好ましい。
エポキシ化反応は、溶媒中で行われることが好ましい。溶媒は、例えばヘキサン、シクロヘキサンといった脂肪族炭化水素類;トルエンといった芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸メチルといったエステル類;メタノール、エタノールといったアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンといったケトン類;並びにアセトニトリルといったニトリル類からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。溶媒は、更に水を含有してもよい。溶媒が水を含有する場合に、溶媒が有機相と水相とに相分離する場合には、溶媒に相間移動触媒を添加することが好ましい。
エポキシ化反応の反応温度は、通常は0℃以上溶媒の沸点以下の範囲内であり、好ましくは20~70℃の範囲内である。反応時間は、反応規模などに応じて決定すればよいが、通常は10分間~100時間の範囲内、好ましくは1~50時間の範囲内である。反応終了後、生成したエポキシ化合物(A1)は、例えば、貧溶媒で沈殿させる方法、熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法などにより、溶媒中から回収できる。
エポキシ化合物(A1)は、2つのエポキシ環の立体配置に基づく4つの立体異性体を含みうる。エポキシ化合物(A1)は、4つの立体異性体のいずれを含んでもよい。すなわち、エポキシ化合物(A1)は、4つの立体異性体からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。エポキシ化合物(A1)中における、4つの立体異性体のうちのエキソ-エンド体とエンド-エンド体の合計量の百分比は、エポキシ化合物(A1)全体に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であれば更に好ましい。この場合、硬化物の耐熱性を向上できる。なお、エポキシ化合物(A1)中の特定の立体異性体の割合は、ガスクロマトグラフィーで得られるクロマトグラムに現れるピーク面積比に基づいて、求めることができる。
エポキシ化合物(A1)中のエキソ-エンド体及びエンド-エンド体の量を少なくするためには、エポキシ化合物(A1)を精密蒸留する方法、シリカゲルなどを充填剤として用いたカラムクロマトグラフィーを適用する方法といった、適宜の方法を適用できる。
エポキシ化合物(A1)は、多官能重合性化合物(A)の一部であってもよく、全部であってもよい。多官能カチオン重合性化合物(A)に対する、エポキシ化合物(A1)の百分比は、15~100質量%の範囲内であることが好ましい。この百分比が15質量%以上であると、エポキシ化合物(A1)は組成物(X)の紫外線硬化性の向上及び低粘度化に特に寄与できる。
組成物(X)中の樹脂成分の全量に対するエポキシ化合物(A1)の百分比は、5~100質量%の範囲内であることが好ましい。なお、樹脂成分とは、組成物(X)中のカチオン重合性を有する化合物のことをいい、多官能カチオン重合性化合物(A)を含む。組成物(X)が後述する多官能カチオン重合性化合物(B)を含有する場合には、樹脂成分はこの多官能カチオン重合性化合物(B)も含む。組成物(X)が後述する単官能カチオン重合性化合物(E)を含有する場合には、樹脂成分はこの単官能カチオン重合性化合物(E)も含む。この百分比が5質量%以上であれば、エポキシ化合物(A1)は組成物(X)の紫外線硬化性の向上、低粘度化、及び保存安定性向上に、特に寄与できる。この百分比が10~100質量%の範囲内であれば更に好ましい。樹脂成分がエポキシ化合物(A1)以外の成分を含有する場合には、樹脂成分の全量に対するエポキシ化合物(A1)の百分比は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であって、エポキシ化合物(A1)以外の成分の量に応じた適宜の量であればよいが、例えば95質量%以下であり、好ましくは80質量%以下である。
エポキシ化合物(A1)が多官能重合性化合物(A)の一部である場合は、多官能重合性化合物(A)は、エポキシ化合物(A1)以外の化合物(A2)を更に含有する。化合物(A2)は、例えば下記式(31)に示すような二官能脂環式エポキシ化合物、下記式(32)に示すような三官能エポキシ化合物、下記式(33)に示すような二官能オキセタン化合物、下記式(34)~(37)に示すようなアルキレングリコールジグリシジルエーテル、及び式(38)に示すようなアルキレングリコールモノビニルモノグリシジルエーテルのうち、少なくとも一種の成分を含有できる。
Figure 0007065396000005
式(31)において、R1~R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は炭化水素基である。炭化水素基は、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい。式(1)において、Xは単結合又は二価の有機基であり、有機基は、例えば-CO-O-CH2-である。
式(31)に示す化合物の例は、下記式(31a)に示す化合物及び下記式(31b)に示す化合物を含む。
Figure 0007065396000006
Figure 0007065396000007
Figure 0007065396000008
Figure 0007065396000009
Figure 0007065396000010
Figure 0007065396000011
Figure 0007065396000012
Figure 0007065396000013
Figure 0007065396000014
より具体的には、化合物(A2)は、例えばダイセル製のセロキサイド2021P及びセロキサイド8010、日産化学製のTEPIC-VL、東亞合成製のOXT-221、並びに四日市合成製の1,3-PD-DEP、1,4-BG-DEP、1,6-HD-DEP、NPG-DEP及びブチレングリコールモノビニルモノグリシジルエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
化合物(A2)は、脂環式エポキシ構造を有することが好ましく、特に式(31)に示す化合物を含有することが好ましい。この場合、組成物(X)はより高いカチオン重合反応性を有することができる。
特に化合物(A2)は式(31a)に示す化合物を含有することが好ましい。この場合、組成物(X)は、より高いカチオン重合反応性を有するとともに、特に低い粘度を有することができる。
樹脂成分の全量に対する多官能カチオン重合性化合物(A)の百分比は、10質量%以上100質量%未満の範囲内であることが好ましい。この百分比が10質量%以上であれば組成物(X)は光カチオン重合反応時に特に優れた反応性を有することができ、またそれによって、硬化物が高い強度を有することができる。この多官能カチオン重合性化合物(A)の量は、12質量%以上であればより好ましく、15質量%以上であれば更に好ましく、25質量%以上であれば特に好ましい。またこの多官能カチオン重合性化合物(A)の量は、85質量%以下であればより好ましく、60質量%以下であれば更に好ましい。
組成物(X)は、シロキサン骨格を有する多官能カチオン重合性化合物(B)を含有してもよい。多官能カチオン重合性化合物(B)は、シロキサン骨格と、一分子あたり二以上のカチオン重合性官能基とを有する。多官能カチオン重合性化合物(B)の一分子あたりのカチオン重合性官能基の数は、2~6個であることが好ましく、2~4個であれば更に好ましい。多官能カチオン重合性化合物(B)は、組成物(X)のカチオン重合反応性の向上に寄与できるとともに、組成物(X)中及び硬化物中の吸湿剤(D)の分散性の向上に寄与できる。このため、たとえ吸湿剤(D)に分散性向上のための表面処理などを施さない場合であっても、組成物(X)中及び硬化物中において、吸湿剤(D)が良好に分散できる。
多官能カチオン重合性化合物(B)は、25℃で液体であることが好ましい。特に多官能カチオン重合性化合物(B)の25℃における粘度は、10~300mPa・sの範囲内であることが好ましい。この場合、組成物(X)の粘度上昇を抑制できる。
多官能カチオン重合性化合物(B)が有するカチオン重合性官能基は、例えばエポキシ基、オキセタン基及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも一種の基である。
多官能カチオン重合性化合物(B)が有するシロキサン骨格は、直鎖状でも分岐鎖状でも環状でもよい。シロキサン骨格が有するSi原子の数は、2~15の範囲内であることが好ましい。この場合、組成物(X)は特に低い粘度を有することができる。このSi原子の数は、2~10の範囲内であればより好ましく、2~7の範囲内であれば更に好ましく、3~6の範囲内であれば特に好ましい。
多官能カチオン重合性化合物(B)は、例えば式(10)に示す化合物と、式(11)に示す化合物とのうち、少なくとも一方を含有する。
Figure 0007065396000015
Figure 0007065396000016
式(10)及び式(11)の各々におけるRは、単結合又は二価の有機基であり、アルキレン基であることが好ましい。Yはシロキサン骨格であり、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでもよく、そのSi原子の数は2~10の範囲内であることが好ましく、2~7の範囲内であればより好ましく、3~6の範囲内であれば更に好ましい。nは2以上の整数であり、2~4の範囲内であることが好ましい。
より具体的には、例えば多官能カチオン重合性化合物(B)は、次の式(2)に示す化合物を含有する。
Figure 0007065396000017
式(10a)におけるRは、単結合又は二価の有機基であり、炭素数1~4のアルキレン基であることが好ましい。式(10a)におけるnは0以上の整数である。式(10a)に示す化合物は、下記式(2)に示す化合物を含有することが好ましい。すなわち、多官能カチオン重合性化合物(B)は、下記式(2)に示す化合物を含有することが好ましい。
Figure 0007065396000018
式(2)中、nは0以上の整数であり、0~8の範囲内であることが好ましい。nが0~5の範囲内であればより好ましく、1~4の範囲内であれば更に好ましい。
式(2)に示す化合物の例は、下記式(10a-1)に示す化合物を含む。
Figure 0007065396000019
多官能カチオン重合性化合物(B)は、式(10a)に示す化合物に代えて、或いは式(10a)に示す化合物とともに、次の式(10b)~(10d)並びに(11a)~(11b)に示す化合物のうち少なくとも一種の化合物を含有してもよい。
Figure 0007065396000020
Figure 0007065396000021
Figure 0007065396000022
式(10d)におけるRは、単結合又は二価の有機基であり、炭素数1~4のアルキレン基であることが好ましい。式(10d)におけるnは0以上の整数である。式(10d)におけるmは2以上の整数である。
Figure 0007065396000023
式(11a)におけるRは、単結合又は二価の有機基であり、炭素数1~4のアルキレン基であることが好ましい。式(11a)におけるnは0以上の整数であり、8~80の範囲内であることが好ましい。式(11a)におけるmは2以上の整数であり、2~6の範囲内であることが好ましい。
Figure 0007065396000024
式(11b)におけるRは、単結合又は二価の有機基であり、炭素数1~4のアルキレン基であることが好ましい。式(11b)におけるnは0以上の整数であり、8~80の範囲内であることが好ましい。
更に具体的には、多官能カチオン重合性化合物(B)は、例えば信越化学株式会社製の品番X-40-2669、X-40-2670、X-40-2715、X-40-2732、X-22-169AS、X-22-169B、X-22-2046、X-22-343、X-22-163、及びX-22-163Bからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することが好ましい。
多官能カチオン重合性化合物(B)は脂環式エポキシ構造を有することが好ましく、多官能カチオン重合性化合物(B)が式(2)に示す化合物を含有すれば特に好ましい。式(2)に示す化合物は、組成物(X)のカチオン重合反応性の向上と低粘度化とに特に寄与でき、組成物(X)が吸湿剤(D)を含有する場合は組成物(X)中の吸湿剤(D)の分散性向上にも特に寄与できる。
樹脂成分の全量に対する多官能カチオン重合性化合物(B)の量は、5~95質量%の範囲内であることが好ましい。多官能カチオン重合性化合物(B)の量が5質量%以上であれば、組成物(X)が吸湿剤(D)を含有する場合に、組成物(X)中及び硬化物中での吸湿剤(D)の分散性が特に向上することで、硬化物の透明性が特に向上する。また、多官能カチオン重合性化合物(B)の量が95質量%以下であれば、組成物(X)は特に高い光カチオン重合反応性を有することができ、そのため、硬化物は特に高い強度を有することができる。多官能カチオン重合性化合物(B)の量は、6質量%以上であればより好ましく13質量%以上であれば更に好ましい。
また、多官能カチオン重合性化合物(B)の量は、70質量%以下であればより好ましい。この場合、組成物(X)の良好な塗布性を得ることができ、インクジェット法による良好な塗布性も得ることができる。この量が45質量%以下であれば更に好ましい。
カチオン硬化触媒(C)は、光照射を受けてプロトン酸又はルイス酸を発生する触媒であれば、特に制限されない。カチオン硬化触媒(C)は、イオン性光酸発生型のカチオン硬化触媒と、非イオン性光酸発生剤のカチオン硬化触媒とのうち、少なくとも一方を含有できる。
イオン性光酸発生型のカチオン硬化触媒は、オニウム塩類と有機金属錯体とのうち少なくとも一方を含有できる。オニウム塩類の例は、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、及び芳香族スルホニウム塩を含む。有機金属錯体の例は、鉄-アレン錯体、チタノセン錯体、及びアリールシラノール-アルミニウム錯体を含む。イオン性光酸発生型のカチオン硬化触媒は、これらの成分のうち少なくとも一種の成分を含有できる。
非イオン性光酸発生剤のカチオン硬化触媒は、例えばニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、及びN-ヒドロキシイミドホスホナートからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
カチオン硬化触媒(C)に含まれる成分のより具体的な例は、みどり化学製のDPIシリーズ(105,106、109、201など)、BI-105、MPIシリーズ(103、105、106、109など)、BBIシリーズ(101、102、103、105、106、109、110、200、210、300、301など)、TSPシリーズ(102、103、105、106、109、200、300、1000など)、HDS-109、MDSシリーズ(103、105、109、203、205、209など)、BDS-109、MNPS-109、DTSシリーズ(102、103、105、200など)、NDSシリーズ(103、105、155、165など)、DAMシリーズ(101、102、103、105、201など)、SIシリーズ(105、106など)、PI-106、NDIシリーズ(105、106、109、1001、1004など)、PAIシリーズ(01、101、106、1001、1002、1003、1004など)、MBZ-101、PYR-100、NBシリーズ(101、201など)、NAIシリーズ(100、1002,1003、1004、101、105、106、109など)、TAZシリーズ(100、101、102、103、104、107、108、109、110、113、114、118、122、123、203、204など)、NBC-101、ANC-101、TPS-Acetate、DTS-Acetate、Di-Boc Bisphinol A、tert-Butyl lithocholate、tert-Butyl deoxycholate、tert-Butyl cholate、BX、BC-2、MPI-103、BDS-105、TPS-103、NAT-103、BMS-105、及びTMS-105;
米国ユニオンカーバイド社製のサイラキュアUVI-6970、サイラキュアUVI-6974、サイラキュアUVI-6990、及びサイラキュアUVI-950;
BASF社製のイルガキュア250、イルガキュア261及びイルガキュア264;
チバガイギー社製のCG-24-61;
株式会社ADEKA製のアデカオプトマーSP-150、アデカオプトマーSP-151、アデカオプトマーSP-170及びアデカオプトマーSP-171;
株式会社ダイセル製のDAICAT II;
ダイセル・サイテック株式会社製のUVAC1590及びUVAC1591;
日本曹達株式会社製のCI-2064、CI-2639、CI-2624、CI-2481、CI-2734、CI-2855、CI-2823、CI-2758、及びCIT-1682;
ローディア社製のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート トルイルクミルヨードニウム塩であるPI-2074;
3M社製のFFC509;
米国Sartomer社製のCD-1010、CD-1011及びCD-1012;
サンアプロ株式会社製のCPI-100P、CPI-101A、CPI-110P、CPI-110A及びCPI-210S;並びに
ダウ・ケミカル社製のUVI-6992及びUVI-6976を、含む。カチオン硬化触媒(C)は、これらの成分のうち少なくとも一種の成分を含有できる。
樹脂成分の全量に対するカチオン硬化触媒(C)の量は、例えば0.05~3質量%の範囲内である。
組成物(X)は、上述の通り吸湿剤(D)を含有する。組成物(X)が吸湿剤(D)を含有することで、硬化物は吸湿性を有することができる。また、吸湿剤(D)の平均粒径が100nm以下であるため、硬化物は高い透明性も有することができる。また、吸湿剤(D)の粒径が小さくても、組成物(X)は、エポキシ化合物(A1)を含有することで、低い粘度を有することができる。
吸湿剤(D)は、吸湿性を有する無機粒子であることが好ましく、例えばゼオライト粒子、シリカゲル粒子、塩化カルシウム粒子、及び酸化チタンナノチューブ粒子からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することが好ましい。吸湿剤(D)が平均粒径100nm以下のゼオライト粒子を含有することが特に好ましい。
平均粒径100nm以下のゼオライト粒子は、例えば一般的な工業的用ゼオライトを粉砕することで製造できる。ゼオライトを粉砕してから水熱合成などによって結晶化させてもよく、この場合、ゼオライト粒子は特に高い吸湿性を有することができる。このようなゼオライト粒子の製造方法は、特開2016-69266号公報、特開2013-049602号公報などにより公知である。
平均粒径100nm以下のゼオライト粒子の製造方法の一具体例を示す。まず、ゼオライト粉を準備する。ゼオライト粉はLTA型(A型ゼオライト)などのナトリウムを含むゼオライトであることが好ましいが、これに限られない。このゼオライト粉を物理粉砕する。例えばゼオライト粉を水と混合してスラリーを調製し、このスラリーをビーズミル粉砕機にかけることで、ゼオライト粉を物理粉砕できる。
続いて、水熱合成によりゼオライト粉を結晶化させる。例えば物理粉砕後のゼオライト粉を含むスラリーを、オートクレーブで加熱することで、水熱合成を行うことができる。水熱合成の条件は、例えば加熱温度150~200℃の範囲内、加熱時間15~24時間の範囲内である。
続いて、ゼオライト粉を乾燥する。乾燥温度は例えば150~200℃の範囲内であり、乾燥時間は例えば2~3時間の範囲内である。続いて、必要に応じ、乾燥後のゼオライト粉を乳鉢などを用いて解砕してから篩いにかけることで粒径を整える。
続いて、必要に応じ、ゼオライト粉にイオン交換処理を施す。特にゼオライト粉がLTAなどのナトリウムを含むゼオライトである場合は、ゼオライト粉中のナトリウムをマグネシウムと交換するイオン交換処理を施すことが好ましい。
イオン交換処理は、例えばゼオライト粉を、マグネシウムイオンを含有する水溶液中に分散させて混合物を調製し、この混合物を加熱することで行われる。より具体的には、イオン交換処理は例えば次のように行われる。まずゼオライト粉を、塩化マグネシウム及び水と混合し、得られた混合物を加熱しながら撹拌する処理をする。この処理の間、撹拌を一時的に停止してから混合物の上澄みを捨て、続いて混合物に水を補充してから撹拌を再開するという操作を、適当な間隔をあけて複数回繰り返すことが好ましい。この処理における加熱温度は40~80℃の範囲内、処理時間は6~8時間の範囲内であることが好ましい。
イオン交換処理を施した場合、続いて、ゼオライト粉を乾燥する。乾燥温度は例えば150~200℃の範囲内であり、乾燥時間は例えば2~3時間の範囲内である。続いて、必要に応じ、乾燥後のゼオライト粉を乳鉢などを用いて解砕してから篩いにかけることで粒径を整える。
これにより、平均粒径100nm以下のゼオライト粒子を得ることができる。
ゼオライト粉の結晶化を、シリケート及びアルカリ金属酸化物の存在下で行うこともできる。その場合の平均粒径100nm以下のゼオライト粒子の製造方法の具体例を示す。まず、ゼオライト粉を準備する。ゼオライト粉は、aM12O・bSiO2・Al23・cMeの組成を有することが好ましい。M1はアルカリ金属、プロトン、又はアンモニウムイオン(NH4 +)であり、Meはアルカリ土類金属であり、aは0.01~1の範囲内の数であり、bは20~80の範囲内の数であり、cは0~1の範囲内の数である。ゼオライト粉は、例えばFAU型、CHA型、BEA型、MFI型、MOR型、又はFER型であってよい。
このゼオライト粉を物理粉砕する。例えばゼオライト粉をビーズミル粉砕機にかけることで、ゼオライト粉を物理粉砕できる。
物理粉砕後のゼオライト粉を、M22O、SiO2及びH2Oを含有する溶液に分散させ、スラリーを調製する。M2はアルカリ金属であり、好ましくはK又はNaである。M22O/H2Oのモル比は例えば0.003~0.01の範囲内であり、SiO2/H2Oのモル比は例えば0.006~0.025である。ゼオライト粉の量は、例えば溶液100mlに対して0.5~10gである。
このスラリーをオートクレーブで加熱することで、ゼオライト粉の結晶化を行うことができる。その条件は、例えば加熱温度100~230℃の範囲内、加熱時間1~24時間の範囲内である。続いて、ゼオライト粉を洗浄してから乾燥させる。
これにより、平均粒径100nm以下のゼオライト粒子を得ることができる。
ゼオライト粒子のpHは6~9の範囲内であることが好ましい。ゼオライト粒子のpHが6以上であると、ゼオライト粒子の結晶が破壊されにくくなり、そのためゼオライト粒子を含有する組成物(X)から作製された封止材が特に高い吸湿性を有することができる。また、ゼオライト粒子のpHが9以下であると、組成物(X)を硬化させる場合にゼオライト粒子が硬化を阻害しにくい。ゼオライト粒子のpHが6~8の範囲内であればより好ましく、6.5~8の範囲内であれば更に好ましい。
なお、ゼオライト粒子のpHは、イオン交換水99.95gにゼオライト粒子0.05gを入れて得られた分散液を、90℃で24時間加熱してから、分散液の上澄みのpHをpH測定器で測定することで得られる値である。pH測定器としては、例えば堀場製作所製のコンパクトpHメータ<LAQUAtwin>B-711を用いることができる。
ゼオライト粒子のpHが6~9の範囲内であるためには、ゼオライト粒子が、カウンターカチオンとしてプロトンを有するFAU Y型のゼオライトからなることが好ましい。
ゼオライト粒子を作製する過程において、ゼオライトの水熱合成を行う場合に、pHの調整のための処理を施してもよい。pHの調整のための処理は、例えば水熱合成のために調製されたゼオライト粉を含むスラリーを加熱する前、スラリーの加熱中、又はスラリーの加熱後に行われる。pHの調整は、例えばスラリーに酸を添加することで行われる。酸は、例えば塩酸、硫酸、硝酸といった無機酸と、ギ酸、酢酸、シュウ酸といった有機酸とからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
吸湿剤(D)の平均粒径は、10~100nmの範囲内であることが好ましい。この平均粒径が100nm以下であれば、硬化物は特に高い透明性を有することができる。また、この平均粒径が10nm以上であれば、吸湿剤(D)の良好な吸湿性を維持できる。なお、吸湿剤(D)の平均粒径は、動的光散乱法による測定結果から算出されるメディアン径、すなわち累積50%径(D50)である。なお、測定装置としては、マイクロトラック・ベル株式会社のナノトラックNanotrac Waveシリーズを用いることができる。
吸湿剤(D)の平均粒径が5~70nmの範囲内であれば特に好ましい。この場合、硬化物は、特に良好な透明性と吸湿性とを有することができる。
吸湿剤(D)の累積90%径(D90)が100nm以下であることも好ましい。この場合、硬化物は特に高い透明性を有することができる。
組成物(X)の全量に対する吸湿剤(D)の量は、1~30質量%の範囲内であることが好ましい。吸湿剤(D)の量が1質量%以上であれば硬化物は特に高い吸湿性を有することができる。また、吸湿剤(D)の量が30質量%以下であれば、硬化物の良好な透明性を維持できるとともに、組成物(X)の粘度を特に低減でき、組成物(X)がインクジェット法により塗布可能な程度の十分な低粘度を有することもできる。吸湿剤(D)の量は、3~25質量%の範囲内であればより好ましく、3~20質量%の範囲内であることも好ましく、5~15質量%の範囲内であれば更に好ましい。
組成物(X)は、単官能カチオン重合性化合物(E)を含有してもよい。組成物(X)が単官能カチオン重合性化合物(E)を含有すると、単官能カチオン重合性化合物(E)は組成物(X)の粘度を更に低減できる。
単官能カチオン重合性化合物(E)の25℃における粘度は、8mPa・s以下であることが好ましい。この場合、単官能カチオン重合性化合物(E)は組成物(X)の低粘度化に特に寄与できる。この粘度は0.1~8mPa・sの範囲内であることが好ましい。
単官能カチオン重合性化合物(E)は、カチオン重合性官能基を一分子に対して一つのみ有する。単官能カチオン重合性化合物(E)におけるカチオン重合性官能基は、例えばエポキシ基、オキセタン基及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも一種の基である。
単官能カチオン重合性化合物(E)は、例えば下記式(12)~(17)に示す化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有できる。
Figure 0007065396000025
Figure 0007065396000026
Figure 0007065396000027
Figure 0007065396000028
Figure 0007065396000029
Figure 0007065396000030
単官能カチオン重合性化合物(E)は、特に上記式(16)で示される化合物を含有することが好ましい。この場合、組成物(X)の低粘度化が特に可能なだけでなく、粘度の経時的な上昇を効果的に抑制できる。そのため、組成物(X)は、長期間保存された場合でも、良好な塗布性を有することができ、良好なインクジェット塗布性を維持することも可能である。
また、単官能カチオン重合性化合物(E)は比較的揮発しやすい性質を有するが、組成物(X)は、エポキシ化合物(A1)を含有することで、単官能カチオン重合性化合物(E)を含有する場合でも、次に示す通り、良好な保存安定性を有することができる。組成物(X)の更なる低粘度化のために組成物(X)に単官能カチオン重合性化合物(E)を配合する場合であっても、この場合は本実施形態ではエポキシ化合物(A1)と単官能カチオン重合性化合物(E)とが協働して組成物(X)を低粘度化させることができる。そのため、単官能カチオン重合性化合物(E)のみで組成物(X)を低粘度化させる場合と比べて、組成物(X)中の単官能カチオン重合性化合物(E)の量が少なくて済む。このように単官能カチオン重合性化合物(E)の量が少ないと、組成物(X)を保管しても単官能カチオン重合性化合物(E)の揮発による組成物(X)の組成変化は生じにくい。このため、組成物(X)は良好な保存安定性を有することができる。
組成物(X)が単官能カチオン重合性化合物(E)を含有する場合、樹脂成分の全量に対する単官能カチオン重合性化合物(E)の百分比は、25質量%以下であることが好ましい。この場合、組成物(X)の保管中における組成物(X)からの単官能カチオン重合性化合物(E)の揮発を抑制できる。そのため、組成物(X)の組成の変化が抑制され、組成物(X)は良好な保存安定性を有することができる。
この単官能カチオン重合性化合物(E)の百分比が20質量%以下であることも好ましい。この場合、単官能カチオン重合性化合物(E)の揮発による組成物(X)の組成の変化が更に抑制される。また、特に単官能カチオン重合性化合物(E)が式(16)で示される化合物である場合には、多官能カチオン重合性化合物(A)がエポキシ化合物(A1)を含有することもあって、単官能カチオン重合性化合物(E)の百分比が20質量%以下でも、組成物(X)は低い粘度を有することができる。
また、この単官能カチオン重合性化合物(E)の百分比は3質量%以上であることも好ましい。この場合、単官能カチオン重合性化合物(E)は組成物(X)の低粘度化に特に寄与できる。この百分比が5質量%以上であれば更に好ましい。
組成物(X)は、分散剤(F)を含有してもよい。組成物(X)が分散剤(F)を含有すると、吸湿剤(D)の分散性を特に向上できるとともに、組成物(X)の粘度を特に低減できる。
分散剤(F)は、例えば金属石鹸とシランカップリング剤とのうち少なくとも一方を含有できる。
シランカップリング剤は、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、アミンシラン、及びアルコキシシランからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
分散剤(F)は非アミン系であることが好ましい。アミン系の分散剤は、光カチオン重合を阻害するおそれがあるからである。このため、分散剤(F)は、上記のアミンシランを含有しないことがより好ましい。
シランカップリング剤は、エポキシシランを含有することが好ましく、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランと8-グリシドキシオクチルトリメトキシシランとのうち少なくとも一方を含有することがより好ましい。
分散剤(F)の量は、フィラーの全量に対して3質量%以上であることが好ましい。この場合、吸湿剤(D)の分散性を特に向上できるとともに組成物(X)の粘度を特に低減できる。分散剤(F)の量が、フィラーの量に対して50質量%以下であることも好ましい。この場合、組成物(X)からのアウトガスの発生を抑制し、硬化物とガラス製基板などとの密着性を高めることができる。分散剤(F)の量は、フィラーの全量に対して10~40質量%の範囲内であればより好ましく、20~40質量%の範囲内であれば更に好ましい。なお、フィラーとは、組成物(X)中の無機質粒子のことであり、吸湿剤(D)を含む。組成物(X)が後述する吸湿剤(D)以外の無機充填材を含有する場合には、フィラーは無機充填材も含む。
組成物(X)は、吸湿剤(D)以外の無機充填材を含有してもよい。無機充填材は、ナノサイズの高屈折率粒子を含有することが好ましい。高屈折率粒子の例はジルコニア粒子を含む。組成物(X)が高屈折率粒子を含有すると、硬化物の良好な透明性を維持しながら、硬化物を高屈折率化できる。そのため、硬化物を有機EL発光装置1における封止材5に適用した場合に、封止材5を透過して外部へ出射する光の取り出し効率を向上できる。高屈折率粒子の平均粒径は、5~30nmの範囲内であることが好ましく、10~20nmの範囲内であれば更に好ましい。
組成物(X)中の高屈折率微粒子の量は、硬化物が所望の屈折率を有するように適宜設計される。特に高屈折率粒子は、硬化物の屈折率が1.5~1.7の範囲内になるように組成物(X)に含有されることが好ましい。この場合、有機EL発光装置1の光の取り出し効率が特に向上する。
組成物(X)は、上記以外の種々の添加剤を含有してもよい。例えば組成物(X)は増感剤を含有してもよい。
組成物(X)は、溶剤を含有しないことが好ましい。この場合、組成物(X)から硬化物を作製する際に組成物(X)を乾燥させて溶剤を揮発させる必要がなくなる。
上述の成分を混合することで、組成物(X)を調製できる。特に吸湿剤(D)を分散剤(F)とともに、多官能カチオン重合性化合物(A)、カチオン硬化触媒(C)といった成分と混合することで、組成物(X)中に吸湿剤(D)を分散させることが好ましい。
組成物(X)に、公知の方法で吸湿剤(D)の分散性を向上させる分散処理を施してもよい。また、分散処理に先立って、組成物(X)に、分散処理の効果を向上させるプレ分散処理を施してもよい。その場合、例えば吸湿剤(D)が凝集して二次粒子を形成していても、この凝集を解消して組成物(X)中で吸湿剤(D)をより良好に分散させることができる。
プレ分散処理は、例えば、分散剤(F)を、多官能カチオン重合性化合物(A)、カチオン硬化触媒(C)といった成分と混合し、得られた混合物に吸湿剤(D)を加えながら、混合物をホモジナイザーなどの攪拌器で、3000~5000rpmの条件で2~4分間撹拌することを含む。
また、分散処理は、組成物(X)をビーズミルで処理することを含むことが好ましい。組成物(X)をビーズミルで処理する場合、例えば5~15m/sの範囲内の周速で、組成物(X)中の粒径の低下が観察されなくなるまで処理することが好ましい。これにより、組成物(X)中の分散剤(F)を良好に分散させることができる。ビーズミルでの処理におけるビーズはジルコニアビーズであることが好ましい。ビーズの径は例えば0.03~1mmの範囲内であり、0.05~0.1mmの範囲内が好ましいが、これに制限されない。
組成物(X)の硬化物の厚み寸法が10μmである場合の、硬化物の全光透過率は、90%以上であることが好ましい。この場合、硬化物が有機EL発光装置1における封止材5である場合に、封止材5を透過して外部へ出射する光の取り出し効率を特に向上できる。このような硬化物の高い光透過性は、組成物(X)が吸湿剤(D)を含有する場合であっても、吸湿剤(D)の平均粒径が100nm以下であることで達成可能である。
組成物(X)が吸湿剤(D)を含有する場合、硬化物の吸湿率は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であればより好ましく、2質量%以上であれば最も好ましい。なお、吸湿率は、次の方法で求められる。Ar雰囲気下で、組成物(X)を塗布してから紫外線を照射することで、厚み10μmのフィルムを作製する。紫外線照射条件は、例えば紫外線のピーク波長365nm、紫外線強度3000mW/cm2、紫外線照射時間10秒間である。このフィルムを、例えば真空乾燥器を用いて、加熱温度120℃、加熱時間3時間の条件で、真空乾燥する。乾燥後のフィルムの質量を測定する。この測定結果を初期質量(M0)とする。続いて、フィルムを十分に吸湿させる。そのために、例えばフィルムを85℃、85%RHの条件下に24時間曝露する。吸湿後のフィルムの質量を測定する。この測定結果を吸湿後質量(M)という。これらの初期質量(M0)及び吸湿後質量(M)から、吸湿率を、(M-M0)/M0×100(質量%)の式で算出できる。
硬化物は、窒化ケイ素及び酸化ケイ素との間で高い密着性を有することができる。窒化ケイ素及び酸化ケイ素は有機EL発光装置1におけるパッシベーション層6の材料として使用されることがある。このため、パッシベーション層6が窒化ケイ素又は酸化ケイ素から作製されている場合、封止材5とパッシベーション層6との密着性を向上することができ、このため有機EL発光装置1の信頼性が向上する。多官能カチオン重合性化合物(A)(組成物(X)が多官能カチオン重合性化合物(B)を含有する場合は多官能カチオン重合性化合物(A)と多官能カチオン重合性化合物(B)とのうち少なくとも一方)がエポキシ基を有する場合、硬化物は窒化ケイ素及び酸化ケイ素との特に高い密着性を有することができる。
[封止材の作製方法及び有機EL発光装置の作製方法]
封止材5の作製方法及び有機EL発光装置1の作製方法について説明する。
図1に示す第一例の有機EL発光装置1の作製方法について説明する。
まず、支持基板2を準備する。この支持基板2の一面上に、有機EL素子4を設ける。有機EL素子4は、蒸着法、塗布法といった適宜の方法で作製できる。特に有機EL素子4をインクジェット法などの塗布法で作製することが好ましい。
次に、パッシベーション層6を設ける。パッシベーション層6は、例えば蒸着法で作製できる。
次に、支持基板2の一面及び有機EL素子4を覆うように組成物(X)を塗布する。なお、パッシベーション層6を設けている場合にはパッシベーション層6を覆うように組成物(X)を塗布する。組成物(X)を塗布する方法は、例えばキャスティング法又はインクジェット法である。本実施形態では組成物(X)の低粘度化が可能であるため、インクジェット法で組成物(X)を塗布することが可能である。有機EL素子4の形成と組成物(X)の塗布のいずれにもインクジェット法を適用すれば、有機EL発光装置1の製造効率を特に向上できる。
次に、透明基板3を組成物(X)に重ねる。透明基板3は、例えばガラス製基板又は透明樹脂製基板である。
次に外部から透明基板3へ向けて紫外線を照射する。紫外線は透明基板3を透過して組成物(X)へ到達する。これにより、組成物(X)内でカチオン重合反応が進行して組成物(X)が硬化し、硬化物からなる封止材5が作製される。封止材5の厚みは例えば5~50μmの範囲内である。
図2に示す第二例の有機EL発光装置1の作製方法について説明する。
まず、支持基板2を準備する。この支持基板2の一面上に隔壁7を、例えば感光性の樹脂材料を用いてフォトグラフィ法で作製する。続いて、支持基板2の一面上に複数の有機EL素子4を設ける。有機EL素子4は、蒸着法、塗布法といった適宜の方法で作製できる。特に有機EL素子4を、インクジェット法といった塗布法で作製することが好ましい。これにより、支持基板2に素子アレイ9を作製する。
次に、素子アレイ9の上に第一パッシベーション層61を設ける。第一パッシベーション層61は、例えばプラズマCVD法といった蒸着法で作製できる。
次に、第一パッシベーション層61の上に組成物(X)を、例えばインクジェット法で成形して、塗膜を作製する。有機EL素子4の形成と組成物(X)の塗布のいずれにもインクジェット法を適用すれば、有機EL発光装置1の製造効率を特に向上できる。続いて、塗膜に紫外線を照射することで硬化させて、封止材5を作製する。封止材5の厚みは例えば5μm以上50μm以下である。
次に、封止材5の上に第二パッシベーション層62を設ける。第二パッシベーション層62は、例えばプラズマCVD法といった蒸着法で作製できる。
次に、支持基板2の一面上に、第二パッシベーション層62を覆うように、紫外線硬化性の樹脂材料を設けてから、この樹脂材料に透明基板3を重ねる。透明基板3は、例えばガラス製基板又は透明樹脂製基板である。
次に外部から透明基板3へ向けて紫外線を照射する。紫外線は透明基板3を透過して紫外線硬化性の樹脂材料へ到達する。これにより、紫外線硬化性の樹脂材料が硬化し、第二封止材52が作製される。
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、本発明は実施例のみに制限されない。
1.組成物の調製
下記表の「組成」の欄に示す成分を混合することで、実施例、参考例及び比較例の組成物を調製した。
このとき、まずゼオライト粒子以外の成分を混合して混合物を調製し、この混合物中にゼオライト粒子を加えながら、混合物をホモディスパー(PRIMIX社製、2.5型)で、3000rpm、2minの条件で撹拌した。これにより得られた組成物を、ビーズミル(寿工業製、品名ウルトラアペックスミル)で、5~15m/sの周速で処理した。ビーズとして直径0.05mmのジルコニアビーズ(寿工業製)を用いた。
なお、表中に示される成分の詳細は次の通りである。また、下記の各成分の粘度は、レオメータ(アントンパール・ジャパン社製、型番DHR-2)を使用し、温度25℃、せん断速度100s-1の条件で測定された値である。
(1)シロキサン骨格を有さない多官能カチオン重合性化合物
・THI-DE:JXエネルギー株式会社製、品番THI-DE、式(1a)に示す化合物、粘度20mPa・s。
・セロキサイド8000:株式会社ダイセル製、品名セロキサイド8000、二官能脂環式エポキシ化合物、粘度60mPa・s。
・LDO:アルケマ製、品名LDO、下記式に示す化合物、粘度6mPa・s。
Figure 0007065396000031
・OXT-221:東亞合成製、品番OXT-221、式(33)に示す化合物、粘度10mPa・s。
(2)シロキサン骨格を有する多官能カチオン重合性化合物
・X-40-2669:信越化学製、品番X-40-2669、式(10a-1)に示す化合物、粘度55mPa・s。
・X-40-2732:信越化学製、品番X-40-2732、式(10a)に示す化合物(n=3~6の混合物、R=C24)、粘度20mPa・s。
・X-22-169AS:信越化学製、品番X-22-169AS、式(10a)に示す化合物(n=10、R=C24)、粘度25mPa・s。
・X-22-169B:信越化学製、品番X-22-169B、式(10a)に示す化合物(n=20、R=C24)の構造を有する化合物、粘度80mPa・s。
(3)単官能カチオン重合性化合物
・3-アリルオキシメチル-3-エチルオキセタン:四日市合成製、式(16)に示す化合物、粘度2mPa・s。
(4)分散剤
・KBM403:信越化学製、品番KBM403、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン。
(5)吸湿剤
(5-1)ゼオライト粒子1
ゼオライト粒子1は、下記の方法で製造され、そのD50は20nm、そのD90は50nm、そのpHは11である。
出発物質のゼオライト粉として平均粒径5μmの4A型ゼオライト・ナトリウムイオンを用意し、このゼオライト粉100gとイオン交換水100gとを混合してスラリーを調製した。
このスラリーに粒径100μmのジルコニアビーズ400gを入れてから、ビーズミル粉砕機でスラリー中のゼオライト粉を3時間粉砕することで、Na系ゼオライトの平均粒径を120nmにした。このときのスラリー流量は10kg/h、スラリー粘度は10mPa・sである。
続いて、スラリーから粒径100μmのジルコニアビーズを取り除き、それに代えて粒径50μmのジルコニアビーズ400gを入れてから、ビーズミル粉砕機でスラリー中のNa系ゼオライトを1時間粉砕することで、ゼオライト粉の平均粒径を70nmにした。このときのスラリー流量は10kg/h、スラリー粘度は6mPa・sである。
続いて、スラリーから粒径50μmのジルコニアビーズを取り除き、それに代えて粒径30μmのジルコニアビーズ450gを入れてから、ビーズミル粉砕機でスラリー中のゼオライト粉を1時間粉砕することで、ゼオライト粉の平均粒径を20nmにした。このときのスラリー流量は10kg/h、スラリー粘度は4mPa・sである。
ビーズミルで処理されたスラリー中のゼオライト粉に、次の方法で水熱合成処理を施した。スラリー50gをフッ素樹脂製容器に入れ、このフッ素樹脂製容器を、オートクレーブのステンレススチール製(SUS316製)容器に入れた。ステンレススチール製容器は、容量100cc、耐熱温度200℃、耐圧力50MPaであり、安全弁を備えた蓋により密閉される密閉構造を有する。このステンレススチール製容器を乾燥機に配置して密閉し、180℃で24時間加熱した。次に、乾燥機からステンレススチール製容器を取り出し、これを常温の水の中に入れることで急冷した。
ステンレススチール製容器からフッ素樹脂製容器を取り出し、これをバットに入れて、180℃の温度下で2~3時間放置することで、フッ素樹脂製容器内のスラリーを乾燥した。これにより、微粉砕されたゼオライト粉を得た。このゼオライト粉をフッ素樹脂製容器から取り出し、乳鉢で解砕してから、メッシュを通過させることで粒度を整えることで、ゼオライト粒子1を得た。
また、ゼオライト粒子のpHは次の方法で測定した。ポリエチレン製の瓶にゼオライト粒子0.05gとイオン交換水99.95gとを入れてから、瓶を恒温槽に入れて、90℃で24時間加熱した。続いて、瓶の中の液の上澄みのpHを、堀場製作所製のコンパクトpHメータ<LAQUAtwin>B-711を用いて測定した。
(5-2)ゼオライト粒子2
ゼオライト粒子2は、下記の方法で製造され、そのD50は60nm、そのD90は100nm、そのpHは11である。
出発物質のゼオライト粉として平均粒径5μmの4A型ゼオライト・ナトリウムイオンを用意し、このゼオライト粉100gとイオン交換水100gとを混合してスラリーを調製した。このスラリー中のゼオライト粉を、ゼオライト粒子1の場合に準じた方法で、平均粒径が60nmになるように粉砕した。続いて、ゼオライト粒子1の場合に準じた方法で水熱合成処理を施してから解砕し、更に粒度を整えることで、ゼオライト粒子2を得た。
(5-3)ゼオライト粒子3
ゼオライト粒子3は、下記の方法で製造され、そのD50は150nm、そのD90は250nm、そのpHは11である。
出発物質のゼオライト粉として平均粒径5μmの4A型ゼオライト・ナトリウムイオンを用意し、このゼオライト粉100gとイオン交換水100gとを混合してスラリーを調製した。このスラリー中のゼオライト粉を、ゼオライト粒子1の場合に準じた方法で、平均粒径が150nmになるように粉砕した。続いて、ゼオライト粒子1の場合に準じた方法で水熱合成処理を施してから解砕し、更に粒度を整えることで、ゼオライト粒子3を得た。
(5-4)ゼオライト粒子4
ゼオライト粒子4は、下記の方法で製造され、そのD50は20nm、そのD90は50nm、そのpHは11である。
出発物質のゼオライト粉として平均粒径5μmの4A型ゼオライト・ナトリウムイオンを用意し、このゼオライト粉100gとイオン交換水100gとを混合してスラリーを調製した。このスラリー中のゼオライト粉を、ゼオライト粒子1の場合に準じた方法で、平均粒径が20nmになるように粉砕した。
続いて、スラリーを、180℃の温度下で2~3時間放置することで、微粉砕されたゼオライト粉を得た。このゼオライト粉を乳鉢で解砕してから、メッシュを通過させることで粒径を整えることで、ゼオライト粒子4を得た。
(5-5)ゼオライト粒子5
ゼオライト粒子5は、下記の方法で製造され、そのD50は60nm、D90は100nm、そのpHは7.5である。
出発物質のゼオライト粉として平均粒径5μmのY型ゼオライト・水素イオンを用意し、このゼオライト粉100gとイオン交換水100gとを混合してスラリーを調製した。このスラリー中のゼオライト粉を、ゼオライト粒子1の場合に準じた方法で、平均粒径が60nmになるように粉砕した。
続いて、スラリーを、180℃の温度下で2~3時間放置することで、微粉砕されたゼオライト粉を得た。このゼオライト粉を乳鉢で解砕してから、メッシュを通過させることで粒径を整えることで、ゼオライト粒子4を得た。
(5-6)ゼオライト粒子6
ゼオライト粒子6は、表面処理が施されていない粉末品である東ソー製の品番ゼオラム4A、100メッシュパス品であり、そのD50は13μm、そのD90は30μm、そのpHは10である。
(6)触媒
・DTS-200:みどり化学製、品番DTS-200、C65-S-C64-S+(C652・B(C654 -
2.評価試験
実施例、参考例及び比較例について、次の評価試験を実施した。その結果を表に示す。
(1)インクジェット性
組成物をインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型式PX-B700)のカートリッジに入れ、インクジェットプリンターにおけるノズルからカートリッジ内の組成物を吐出しうることを確認してから、ノズルから組成物を吐出させてテストパターンを連続で印刷した。その結果、組成物を1時間吐出できるとともに吐出動作が安定していた場合を「A」、組成物を1時間吐出できたが吐出動作が断続的に不安定になった場合を「B」、吐出開始から1時間経過前にノズルが詰まって組成物を吐出できなくなった場合を「C」と、評価した。
(2)粘度
組成物の粘度を、レオメータ(アントンパール・ジャパン社製、型番DHR-2)を使用し、温度25℃、せん断速度100s-1の条件で測定した。
(3)透過率
組成物を塗布して塗膜を作製し、この塗膜を、パナソニック電工株式会社製のLED-UV照射器(ピーク波長365nm)を用いて、約3000mW/cm2の条件で10秒間紫外線照射することで光硬化させることで、厚み10μmのフィルムを作製した。このフィルムの、JIS K7361-1による全光線透過率を測定した。
(4)吸湿性
Ar雰囲気下のグローブボックス内で、組成物を塗布して塗膜を作製し、この塗膜を、パナソニック電工株式会社製のLED-UV照射器(ピーク波長365nm)を用いて、約3000mW/cm2の条件で10秒間紫外線照射することで光硬化させることで、厚み10μmのフィルムを作製した。
このフィルムを、真空乾燥器を用いて、加熱温度120℃、加熱時間3時間の条件で真空乾燥してから、このフィルムの質量を測定した。この測定結果を初期質量(M0)とする。続いて、フィルムを85℃、85%RHの条件下に24時間曝露してから、フィルムの質量を測定した。この測定結果を吸湿後質量(M)という。これらの初期質量(M0)及び吸湿後質量(M)から、吸湿率を、(M-M0)/M0×100(質量%)の式で算出した。
その結果、吸湿率が2質量%以上の場合を「AA」、1質量%以上2質量%未満の場合を「A」、0.5質量%以上1質量%未満の場合を「B」、0.1質量%以上0.5質量%未満の場合を「C」と、0.1質量%未満の場合を「D」と、評価した。
(5)保管性
組成物を容量50mlの遮光ガラス製容器に入れてふたをし、この容器をAr雰囲気のグローブボックス内で、室温下、3か月及び6ヶ月放置した。続いて、組成物について、(1)と同じ方法で、インクジェット性を確認した。
Figure 0007065396000032
Figure 0007065396000033

Claims (15)

  1. シロキサン骨格を有さない多官能カチオン重合性化合物(A)、カチオン硬化触媒(C)、及び平均粒径100nm以下の吸湿剤(D)を含有する紫外線硬化性樹脂組成物であり、
    前記多官能カチオン重合性化合物(A)は、下記式(1)で示されるエポキシ化合物(A1)を含有し、
    Figure 0007065396000034
    前記式(1)中、R1~R12の各々は独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1~20の炭化水素基であり、
    前記紫外線硬化性樹脂組成物の全量に対する前記吸湿剤(D)の量は1質量%以上30質量%以下である、
    紫外線硬化性樹脂組成物。
  2. 前記紫外線硬化性樹脂組成物の全量に対する前記吸湿剤(D)の量は3質量%以上である、
    請求項1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記多官能カチオン重合性化合物(A)に対する、前記エポキシ化合物(A1)の百分比は、15~100質量%の範囲内である、
    請求項1又は2に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  4. 前記紫外線硬化性樹脂組成物中の樹脂成分全量に対する、前記エポキシ化合物(A1)の百分比は、10~100質量%の範囲内である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  5. シロキサン骨格を有する多官能カチオン重合性化合物(B)を更に含有する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  6. 前記多官能カチオン重合性化合物(B)における前記シロキサン骨格のSi原子数は、2~15の範囲内である、
    請求項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  7. 前記多官能カチオン重合性化合物(B)は、下記式(2)に示す化合物を含有し、
    Figure 0007065396000035
    前記式(2)中、nは0以上の整数である、
    請求項又はに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  8. 前記式(2)中、nは0~8の範囲内の整数である、
    請求項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  9. 単官能カチオン重合性化合物(E)を含有する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  10. 前記紫外線硬化性樹脂組成物中の樹脂成分全量に対する、前記単官能カチオン重合性化合物(E)の百分比は、0質量%よりも多く25質量%以下の範囲内である、
    請求項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  11. 溶媒を含有しない、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  12. 25℃における粘度は、5~50mPa・sの範囲内である、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  13. 有機EL発光素子のための封止材を作製するために用いられる、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  14. 有機EL発光素子と前記有機EL発光素子を覆う封止材とを備える有機EL発光装置を製造する方法であり、
    請求項1から13のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物をインクジェット法で成形してから、前記紫外線硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して硬化させることで前記封止材を作製することを含む、
    有機EL発光装置の製造方法。
  15. 有機EL発光素子と、前記有機EL発光素子を覆う封止材とを備え、前記封止材は、請求項1から13のいずれか一項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物である、
    有機EL発光装置。
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