JP7062858B2 - 凝乳食品の製造方法 - Google Patents

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本発明は凝乳食品の製造方法に関し、特に高濃度の凝乳食品の製造方法に関する。
従来、食品を濃縮する場合には、遠心分離法やろ過膜法を用いてきた。ろ過膜法では、平膜の他、複数枚の膜を重ね合わせた膜、膜をロール状に巻き込んだスパイラル膜などが知られている。例えば、チーズの製造方法では、乳原料を精密ろ過や透析ろ過して、カゼイン濃縮物を得てから、チーズを生産するための方法が知られている(特許第5921579号)。しかし、この方法では、十分に高濃度の凝乳食品を得ることはできなかった。
また、トマトジュースの濃縮方法として、ろ過膜の一つであるプレート&フレーム膜(P&F膜)を用いることが知られている(特開2000-210537)。しかし、P&F膜は供給する組成物の粘度の上昇に伴って圧力が上昇するため、膜と装置の耐圧限界までしか、組成物を濃縮することができず、この方法では十分に高濃度の乳製品を作ることができなかった。
特許第5921579号 特開2000-210537
P&F膜を用いる場合、これに供することのできる食品原料の粘度に制限があり、原料の供給圧力を高くしても、得られる食品の濃縮率には限界があった。
本発明は上述の課題に鑑み、高濃度の凝乳食品を製造することのできる凝乳食品の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る凝乳食品の製造方法は、例えば図1、図4に示すように、 ろ過膜11a、12aとろ過膜11a、12aを収納するハウジング13を有し、ろ過膜11a、12aはハウジング13に対して動的に設けられた、動的ろ過装置10を提供する工程S81と; 凝乳組成物16を動的ろ過装置10に供給する工程S84と; ろ過膜11a、12aをハウジング13に対して動かす工程S82と; 凝乳組成物16を加圧する工程S83と; 凝乳組成物16中のホエイ(乳清)18を、ろ過膜11a、12aが動いている状態で透過させて抜き出し、凝乳組成物16中の固形分の濃度を高める工程S86とを備える。ここで、凝乳組成物とは、原料乳(本明細書では単に「乳」ともいう)を凝乳させたものである。凝乳とは、酸や酵素などの凝固作用剤および/または乳酸菌や酵母などの微生物の作用により乳を凝固することをいう。ここで凝乳食品とは、凝乳組成物からホエイ(乳清)を除去したものである(一例として、チーズや発酵乳が挙げられる)。ホエイとは、凝乳組成物から分離される液体であって、固形分が低くタンパク質、乳糖、ビタミン、ミネラルなどが含まれる。
本発明において、原料乳とは、牛乳、水牛乳、ヤギ乳、羊乳、馬乳等の家畜乳および/またはこれらの部分脱脂乳、脱脂乳、還元全乳、還元脱脂乳、還元部分脱脂乳、ホエイ、カゼイン、脱脂粉乳、ホエイタンパク濃縮物(WPC)、ホエイタンパク分離物(WPI)、バター、バターミルク、クリーム等の乳原料を1種または2種以上組み合わせて調製した液状乳をいう。
このように構成すると、凝乳した原料乳(つまり、凝乳組成物)中のホエイを、ろ過膜が動いている状態で透過させて抜き出し、原料乳中の固形分の濃度を高める工程を備える。ホエイを、ろ過膜が動いている状態で透過させて抜き出すので、ろ過膜に乳成分が堆積することを抑制できる。
また、本発明の第2の態様に係る凝乳食品の製造方法は、例えば図1及び図2に示すように、第1の態様の凝乳食品の製造方法において、ろ過膜11a、12aは、中空の円板状に形成されており、動的に設けられたろ過膜11a、12aはハウジング13に対して回転支持されている。
このように構成すると、ホエイは円板状に形成されたろ過膜を透過し、中空内に抜ける。
また、本発明の第3の態様に係る凝乳食品の製造方法は、例えば図1及び図2に示すように、第2の態様の凝乳食品の製造方法において、円板状に形成されたろ過膜11、12は回転軸11s、12sに複数設けられた回転体21、22を構成している。回転体は1個でもよい。
また、本発明の第4の態様に係る凝乳食品の製造方法は、例えば図1及び図2に示すように、第3の態様に係る凝乳食品の製造方法において、隣接させて配置した回転体21、22を2個備え、各回転軸11s、12sは互いに平行に配置され、両回転軸11s、12sの間に位置するろ過膜円板11、12は互いに重なるように配置されている。回転体は3個以上でもよい。
なおろ過膜は円板状に形成されたものとしたが、円板に限らず非円板の例えば楕円状、多角形であってもよい。円板状とすれば、回転体の製造が容易である他、回転動力を抑えることができる。一方、非円板の場合は、凝乳組成物をある程度の攪拌効果をもってろ過することができる。
本発明によれば、高濃度の凝乳食品を製造することのできる凝乳食品の製造方法を提供することができる。
動的ろ過装置の一例と、凝乳組成物の流れを説明するブロック図である。 図1の動的ろ過装置の主要部を示す斜視図である。 濃縮工程を含む、凝乳食品としての無脂肪ヨーグルトの製造方法を示すフロー図である。 図3に示す工程のうち、濃縮工程をさらに説明するフロー図である。 実施例1の凝乳組成物にかけられた濃縮圧力と全固形分の濃度と経過時間との関係を示す線図である。 比較例1の凝乳組成物にかけられた濃縮圧力と全固形分の濃度と経過時間との関係を示す線図である。 実施例2と比較例2における濃縮倍率と透過流束との関係を示す線図である。 比較例1による、凝乳組成物の流れを説明するブロック図である。 比較例2による、凝乳組成物の流れを説明するブロック図である。 濃縮倍率、全固形分(TS)、タンパク質(Pro)の粘度の測定結果を示す表の図である。 発酵乳体積当たりの濃縮倍率と粘度、全固形分(TS)、タンパク質(Pro)の関係を表す線図である。 濃縮倍率、粘度に対する菌体外多糖(EPS)の測定結果を示す表の図である。 図11Aの値をプロットした線図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず、図1を参照して、本発明で使用する動的ろ過装置の一例を説明する。動的ろ過装置10は、セラミックスで形成されたろ過膜11a、12aを備え、このろ過膜は中空の円板状に形成されている。円板状に形成されたろ過膜は、ハウジング13に収納されている。円板状に形成されたろ過膜(以下ろ過膜で円板状に形成された回転体を「ろ過膜円板」という)11、12は、回転軸11s、12sに取り付けられて構成され、ろ過膜円板11、12と回転軸11s、12sを含んで構成されるローター21、22はハウジング13に回転支持されている。すなわち、ローター21、22はハウジング13に対して動的に設けられている。ハウジング13に対して動的に設けられた構造とは、ハウジングに対して固定的に設けられておらず、相対的に動くことができる構造をいい、例えば、ハウジングに対して、回転、往復動等の運動が可能なように設けられていることである。ハウジング13には、ハウジング内を流れる流体を加熱又は冷却するジャケット15が設けられている。以下で説明する実施例では、凝乳組成物を濃縮処理に適した温度に維持するために温水を流す。
凝乳組成物は、ハウジング内を流れる。ハウジングに対して動的に設けられているので、ハウジング内を流れる凝乳組成物の濃縮された固形分がろ過膜に堆積し貼り付くことを抑制することができる。ホエイは円板状にろ過膜円板11、12を形成するろ過膜11a、12aを透過し、円板の中空内に抜ける。
回転軸11s、12sには、中心軸線に沿って中空が形成されており、この中空は、ろ過膜円板の中空と連通している。また、この回転軸11s、12sの中空は、軸端から外部に抜けて導管によりホエイ貯留タンク(不図示)に導かれている。したがって、ろ過膜11a、12aを透過したホエイ18は回転軸11s、12sの中空を抜けてホエイ貯留タンクに貯留される。
ろ過膜円板11、12は回転軸11s、12sに対してそれぞれ1枚でもよいが、生産性を高めるために、複数、この例では1個の回転体21、22にそれぞれ3枚ずつ設けられている。回転体は、1個でもよいが、ここでは隣接させて配置した2個の回転体21、22が設けられている場合を示す。ろ過膜円板11、12は、回転軸11s、12sに互いに1枚の円板の厚さよりも大きい間隙をもって、回転軸方向に配置されている。各回転軸11s、12sは互いに平行に配置され、両回転軸11s、12sの間に位置するろ過膜円板11、12は互いに重なるように配置される。互いに重なるとは、一方のろ過膜円板11が、他方のローターのろ過膜円板12の間隙に、挟み込まれるように配置されていることを意味する。当該間隙はろ過膜円板の厚さよりも大きいので、互いに相手のろ過膜円板に接触することなく重なるように配置することができる。一方のローターのろ過膜円板の外周は、他方のローターの回転軸にできるだけ近く、しかし接触することなく配置されている。
動的ろ過装置10とは別に、凝乳組成物16をろ過する前に貯留しておくフィードタンク14が設けられている。フィードタンク14と、動的ろ過装置10とは導管で接続されている。フィードタンク14には、凝乳組成物16を搬送する搬送エアを導く導管19が接続されている。搬送エアは、凝乳組成物16をフィードタンク14に搬送すると共に、凝乳組成物16を加圧する。加圧された凝乳組成物16は、動的ろ過装置10のハウジング13内に供給され、加圧状態でろ過膜11a、12aでろ過される。加圧は、フィードタンク14とハウジング13との間の導管に設けられたポンプ(不図示)で行ってもよい。
図2の斜視図を参照して、動的ろ過装置10の構成をさらに説明する。回転軸11s、12sは図1のように水平方向に配置してもよいが、図2のように鉛直方向に配置してもよい。2個のローター21、22は、近接して、しかしろ過膜円板11、12の外周が他方のローターの軸12s、11sに接触しないように配置される。典型的な動的ろ過装置10の実機の寸法仕様は、以下の通りである:
ろ過膜円板の直径 D=312mm
回転速度 n=300~400rpm
実施例では、Dが実機の1/2、回転速度が2倍のテスト機でテストを行い、満足の行く結果が得られた。
ろ過膜の孔径は、5nm~2.0μmである。孔径は、濃縮対象の凝乳組成物によって定める。
図1に戻って、動的ろ過装置10の作用を説明する。フィードタンク14に貯留された凝乳組成物16は加圧されてハウジング13に供給される。加圧状態にある凝乳組成物16は、ハウジング内を流れる間に、ホエイがろ過膜11a、12aを透過する。透過したホエイはろ過膜円板11、12の中空部に流入し、さらに回転軸11s、12sの中空部を通って外部に導き出される。
凝乳組成物16からホエイを抜き出すと、凝乳組成物の固形分の濃度が高くなり、凝乳食品17として外部に導き出され、凝乳食品としてのチーズに製品化される。ろ過膜円板11、12の近傍では、凝乳組成物16がろ過膜円板11、12の回転方向に対して相対的に反対方向に流れるクロスフローが生じる。また、ろ過膜円板11、12の重なり合っている部分では渦が生じるので、高いクロスフローと渦が相まって、ろ過膜11a、12aに凝乳組成物が付着するのを抑制できる。付着したとしても圧力差により、あるいはろ過膜円板11、12と凝乳組成物16との間の相対速度により、逆洗浄作用が生じて、付着した堆積物が除去される。多少の堆積があったとしても、洗浄頻度を少なくすることができる。なお、本図では、濃縮された凝乳組成物17は、ハウジング部13から全て抜き出されるものとしているが、一部を抜き出すように構成してもよい。残りは再びフィードタンク14に戻され、ろ過装置10を含むシステムを循環してもよい。循環するときは、濃縮工程を繰り返すことにより濃縮度を高めることができる。
図3を参照して、典型的な発酵食品の製造方法の概要を、凝乳組成物の固形分の濃度を高める工程を含めて説明する。先ずラインを殺菌(工程S1)した後、凝乳食品の種類に応じた所定の割合で、発酵のための菌以外の原料を混合する(工程S2)。次に原料の殺菌を行う(工程S3)。殺菌後、混合した原料を発酵温度まで冷却する(S4)。発酵温度になったら菌を接種(工程S5)し、所定の時間(例えば10分)緩やかに撹拌して発酵させる(工程S6)。発酵はpHが所定の値となった時点で終了し、濃縮温度まで加温もしくは冷却を行い(工程S7)、目的の温度で濃縮を実施する(工程S8)。濃縮には耐熱性に優れている例えばセラミック膜を用いる。次に均質化(工程S9)とピロー型袋、プラスチックカップ、スタンディングパウチ、BIB、アルミ包材等への充填(S10)を行う。さらに、充填工程の後に冷却工程(不図示)を備えてもよい。
図4を参照しながら、本発明の実施の形態として、濃縮工程S8の例をさらに詳しく説明する。この濃縮工程S8が、乳成分を濃縮して凝乳食品を製造する方法の主要部である。ろ過装置の構成部分については、図1、図2を適宜参照する。
まず動的ろ過装置を用意する(工程S81)。動的ろ過装置のろ過膜円板11、12を回転し、これによってろ過膜11a、12aをハウジング13に対して動かす(工程S82)。ろ過膜円板を回転させる前に凝乳組成物をハウジングに満たしてもよい。凝乳組成物16は加圧されて(工程S83)、ハウジング13に供給される(S84)。加圧されているので、凝乳組成物中のホエイがろ過膜11a、12aを透過する(工程S85)。ろ過膜11a、12aがハウジング13に対して動いているので、ろ過膜11a、12aの膜面への堆積や目詰まりを抑制できる。ホエイがろ過膜11a、12aを透過して、凝乳組成物16から抜き出されるので(工程S85)、凝乳食品の濃度が高められる(工程S86)。
クリームチーズの材料は、典型的には、生乳、生クリーム、食塩、ローカストビーンガム、乳酸菌スターターである。
実施例を説明する前に、まず本発明の実施の形態としてクリームチーズの製造方法を説明する。
生乳と生クリームを、乳脂肪分11~13重量%、無脂乳固形分6~9重量%となるように混合し、チーズミルクを調製し、加熱殺菌する。加熱殺菌の条件は、73~95℃、15秒~6分の範囲内で最適な条件を選択する。チーズミルクを、加熱殺菌の前または後に、50~60℃で均質化処理する。均質化圧力は7.5~18MPaの範囲内で最適な条件を選択する。
チーズミルクを加熱殺菌および均質化後、25~38℃に冷却し、乳酸菌スターターを添加し、25~38℃の範囲内の、選択した乳酸菌スターターの生育に適した任意の温度で静置し発酵させる。チーズミルクが発酵しpH4.6~5.2の範囲に到達すると、凝固した凝乳組成物(チーズカード)が得られる。チーズカードを送液可能な流動性のある物性になるまで破砕・撹拌する。破砕後のチーズカードを、50~80℃の範囲内に加熱する。加熱温度としては、その後のホエイ分離工程の設備に適した温度を選択する。それぞれのホエイ分離設備に加熱後のチーズカードを供し、チーズカードが任意の全固形分濃度に到達するようホエイを分離する。凝乳食品(ホエイ分離後のチーズカード)を、必要であれば80℃以上に再加熱する。再加熱後、ホエイ分離後のチーズカードに、食塩0.2~0.6重量%およびローカストビーンガム0.2~0.5重量%を添加・混合する。混合は、チーズカード全体が均一に撹拌される容器および撹拌羽根を使用し、80℃以上を保った状態で15分以上撹拌する。撹拌後に、ホエイ分離後のチーズカードを、70~80℃の状態で8~30MPaの均質化に供する。均質化後、ホエイ分離後のチーズカードを、65~80℃の状態で任意の容器に充填し、クリームチーズ製品とする。充填後のクリームチーズ製品を、24時間以内に10℃以下となる方法で冷却し、1~10℃の範囲内で保存する。
具体的な粘度は以下のとおりである。なお、ろ過装置、運転条件等は、後で説明する実施例2と同様である。
発酵乳の40℃における粘度は、好ましくは0.5Pa・s以上、より好ましくは2Pa・s以上、さらに好ましくは5Pa・s以上、最も好ましくは10Pa・s以上である。
通常の発酵乳を発酵後に撹拌し組織を微細化すると、その粘度は0.2~0.4Pa・s(回転式B型粘度計、温度40℃)となる。
本発明の実施の形態によれば、発酵後あるいはカード形成の始まった発酵中の発酵乳を微細化して動的ろ過方式による膜分離法を適用し、ホエイ等を分離することで粘度10~1000Pa・s以上を達成できることが分かった。従来の膜濃縮技術では系内の圧力上昇により発酵乳の粘度は10Pa・s程度が限度であった。本願の実施の形態によれば、1000Pa・s以上まで濃縮可能である。このように従来技術では達成できなかった濃縮度を得ることが可能である。
図10Aの表と図10Bの線図に、濃縮倍率と粘度の測定結果を示す。
更に、発酵乳の濃縮倍率を高めるに応じて、ホエイ側に透過することなく発酵乳側に菌体外多糖(EPS:Exopolysaccharide)が濃縮できる。本発明の実施の形態によれば、発酵乳中の菌体外多糖の濃度を、初期濃度の好ましくは1.2倍以上、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは5倍以上、最も好ましくは8倍以上とすることができる。
図11Aの表に、粘度に対するEPSの測定結果を示す。
図11Bは、図11Aの値を分かり易くプロットした線図である。
本発明の実施の形態の発酵乳に使用する乳酸菌は、その菌種・菌株に制限はないが、EPSを多く産生できる乳酸菌を使用することができる。EPSを多く産生できる乳酸菌は、例えば、Lactobacillusdelbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1である。
本明細書における「Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricusOLL1073R-1」は、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD, AIST)(日本国〒305-8566 茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受領番号:FERM P-17227(識別のための表示: Lactobacillusdelbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1、寄託日(受領日):平成11年2月19日)で平成11年2月22日に国内受託されており、平成18(2006)年11月29日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、受託番号FERM BP-10741が付与されている。
なお、Budapest Notification No. 282 (http://www.wipo.int/treaties/en/notifications/budapest/treaty_budapest_282.html)に記載される通り、独立行政法人製品評価技術基盤機構(IPOD,NITE)が独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD, AIST)より特許微生物寄託業務を承継したため、現在は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(IPOD, NITE)(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120 号室)に寄託されている(受託番号FERM BP-10741)。
Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricusOLL1073R-1で発酵させた発酵乳は、EPSが多く産生され、予想外にEPSを高濃度に濃縮することができる。
本発明の実施の形態の製造方法においてEPSを測定した。
乳酸菌スターターを原料乳に添加して発酵乳を製造した。乳酸菌スターターは、Lactobacillusdelbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1(受託番号FERMBP-10741)とStreptococcus thermophilus OLS3059(受託番号FERM BP-10740)を含むものとした。原料乳の組成は、脱脂粉乳9重量%、乳酸菌スターター2重量%、原料水89重量%とした。発酵乳の酸度が0.7%となったところで発酵を終了した。
発酵乳における菌体外多糖の産生量(EPS量)を測定した。ここで、EPS量での分析は、以下の手順で実施した。
(1)10gの発酵乳(ヨーグルト)に対してTCAによる除タンパクを行う。
(2)エタノール沈澱によりEPSを精製する。
(3)0.45μmフィルターにより夾雑物を除去する。
(4)ゲル濾過カラムを用いたHPLC(High performance liquidchromatography)によりEPS量を分析する。
なお,HPLC分析装置としては,Ultimate3000 (Thermo Scientific)を用いた。
EPSの抽出手順は以下の通りである。
(1)サンプル10g秤量
(2)トリクロロ酢酸1ml添加し、撹拌後、遠心分離で上清を回収
(3)上清に2倍量の冷エタノールを加え、4℃2時間以上静置後、遠心し、上清を除去
(4)沈殿物を10mlミリQ水で溶解
(5)濃縮倍率に合わせて蒸留水で希釈し、抽出
HPLC分析条件は以下の通りである。
HPLCシステム;UltiMate 3000(Thermo)
カラム;Acclaim SEC-1000(Thermo)
カラム温度;40℃
移動相;50mM酢酸アンモニウム
流速;0.3ml/min
検出装置;Corona Veo
EPS濃度測定は、OLL1073R-1株が産生したEPS精製物をスタンダードに用い、検出時間6.6分付近のピークの面積値より算出した。
図11Aの表と図11Bの線図に測定結果を示す。
以上のように、本発明の一態様において、生産効率の観点から、培養物が、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1およびStreptococcus thermophilusを用いて得られた培養物、例えばLactobacillusdelbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1およびStreptococcusthermophilusを培養して得られる組成物であることが好ましい。本発明の一態様において、Streptococcus thermophilusには、あらゆる菌株を用いることができるが、好ましくは、Streptococcus thermophilus OLS3059を用いることができる。
本明細書における、「Streptococcus thermophilus OLS3059」は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD, AIST)(日本国 〒305-8566 茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受領番号:FERM P-15487(識別のための表示: Streptococcusthermophilus OLS3059、寄託日(受領日):平成8年2月29日)で平成8年2月29日付にて国内受託されており、平成18(2006)年11月29日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、受託番号FERM BP-10740が付与されている。
なお、Budapest Notification No. 282 (http://www.wipo.int/treaties/en/notifications/budapest/treaty_budapest_282.html)に記載される通り、独立行政法人製品評価技術基盤機構(IPOD,NITE)が独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD, AIST)より特許微生物寄託業務を承継したため、現在は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(IPOD, NITE)(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120 号室)に寄託されている(受託番号FERM BP-10740)。
本発明の一態様において、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1を含む発酵乳の発酵温度は、30~45℃の範囲とすることが好ましい。特に、32~44℃の範囲とすることがより好ましく、34~43℃の範囲とすることがさらに好ましい。
本発明の一態様において、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1を含む発酵乳の発酵時間は、1~24時間の範囲とすることが好ましい。特に、2~12時間の範囲とすることがより好ましく、3~8時間の範囲とすることがさらに好ましい。
なお、本発明の一態様において、前記培養温度と前記培養時間は、いかなる組み合わせでもよいが、製造効率、Lactobacillus delbrueckii ssp. bulgaricus OLL1073R-1の菌体数、培養物(発酵物、例えばEPS)の酸度、風味などの観点から、好ましくは30~45℃で1~24時間、さらに好ましくは32~44℃で2~12時間、より好ましくは34~43℃で3~8時間培養(発酵)させる。
なおクリームチーズと発酵乳(ヨーグルト)の濃縮による乳固形分とタンパク質の比率は次のとおりである。
クリームチーズでは、乳固形分量として、好ましくは40重量%以上、より好ましくは、47重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、最も好ましくは55重量%以上である。タンパク質量として、好ましくは6重量%以上、より好ましくは、8重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、最も好ましくは11重量%以上である。
発酵乳では、乳固形分量として、好ましくは14重量%以上、より好ましくは、16重量%以上、さらに好ましくは18重量%以上最も好ましくは22重量%以上である。タンパク質量として好ましくは8重量%以上、より好ましくは、10重量%以上、さらに好ましくは12重量%以上、最も好ましくは16重量%以上である。
また、クリームチーズの60℃における粘度は、好ましくは8Pa・s以上、より好ましくは10Pa・s以上、さらに好ましくは18Pa・s以上、最も好ましくは20Pa・s以上である。
図5、図6を参照して、実施例と比較例で得られた濃度について、まず説明する。実施例では図1、図2の動的ろ過膜装置10が使用された。比較例で使用された装置は、図8と図9で説明する。
図5の線図は以下に説明する実施例1の凝乳組成物にかけられた濃縮圧力と全固形分の濃度と経過時間との関係を示す。実施例1では、110分経過時に60重量%の濃度が得られ、そのときの濃縮圧力(ろ過圧力)は0.2MPaであった。ろ過膜の耐圧値の0.6MPaには十分に余裕があった。このように、動的ろ過では、少なくとも60重量%まで濃縮が可能であった。
図6の線図は以下に説明する比較例1の凝乳組成物にかけられた濃縮圧力と全固形分の濃度と経過時間との関係を示す。比較例1では、約45分経過でろ過膜の耐圧値の0.8MPaに達しており、得られた濃度は48重量%以下であった。このように比較例1では、ろ過膜の耐圧値から、48~50重量%までしか濃縮できなかった。これが濃縮限界であった。なお、この比較例では、手動のバルブ操作により圧力が上限圧力を超えないようにコントロールした。図6で圧力を示す線が0.8MPaで抑えられているのはこの操作による。これは、圧力が上限値を超えてP&F膜の破損や循環ポンプ42のトリップ等の発生を防ぐためである。
図7の線図は以下に説明する実施例2と比較例2(発酵乳(ヨーグルト)の濃縮試験)における濃縮倍率と透過流束との関係を示す。実線が、実施例2の動的ろ過膜を用いた場合を示し、破線は、比較例2の筒型のセラミック膜を用いた場合を示す。
UF膜に相当する細孔径60nmの動的ろ過膜を用いた濃縮の検討では、少なくとも体積当たり5.5倍まで濃縮できる事がわかった。一方、比較例の筒型のセラミック膜では、発酵乳の濃縮は体積当たり約2.5倍が限界であった。また、透過流束も筒型のセラミック膜と比較して、動的ろ過膜では高い傾向にあり、筒型のセラミック膜よりも更に濃縮効率が優れていた。比較例2で使用したろ過膜の孔径は50nmであった。
図5の結果を得たチーズの製造方法の実施例1を説明する。
使用した動的ろ過装置(図1、図2参照)の仕様;
回転シャフト 2本
ろ過膜の孔径 30nm
ろ過膜 セラミックフィルター
ろ過膜の面積 0.14m
ハウジングの容積 2.6リッター(L)
ローターの運転回転速度 750rpm
加熱殺菌した200Lの発酵タンクに、生乳160kgに対し生クリーム40kgを添加したチーズミルクを調製した。前記チーズミルクの組成は、乳固形分21重量%、乳タンパク質2.9重量%であった。プレート式熱交換器及びホモジナイザを用いて、95℃5分の加熱殺菌および60℃15MPaの均質化を施した。その後、30℃まで冷却し、乳酸菌スターターを添加し発酵させた。発酵によりpHを4.9まで低下させ、凝乳組成物(チーズカード)を得た。撹拌によってチーズカードを破砕し、発酵タンクの温水ジャケットを用いて80℃まで加熱した。加熱したチーズカードを、動的ろ過膜装置に供し、可能な限りホエイを分離し、チーズカードの乳固形分を高めた。動的ろ過膜は、回転シャフト2本、膜孔30nm、膜面積0.14mのセラミックフィルターを使用し、2.6Lのベッセル内で750rpmの回転で運転した。ホエイ分離後のチーズカードを、80~82℃に保ったまま、ケトル型チーズニーダーに供し、0.3重量%の食塩及び0.4重量%のローカストビーンガムを添加し、15分200rpmで撹拌混合した。混合後、70℃以上を保ったままホモジナイザで15MPaの均質化に供し、65℃以上を保ったまま容器に充填しクリームチーズ製品を得た。充填後のクリームチーズ製品を、4℃のフリーザー内にて冷却し、保存した。また、動的ろ過膜装置に供する前の凝乳組成物(チーズカード)と、動的ろ過膜装置に供する前の凝乳食品(ホエイを分離したチーズカード)の粘度を測定した。動的ろ過膜装置に供する前の凝乳組成物の粘度は、2Pa・sであり、動的ろ過膜装置に供した後の凝乳食品の粘度は、13Pa・sであった。粘度は、回転式B型粘度計により、試料を直径70mmの円柱型ビーカーに充填して、温度60℃で測定した。
[比較例1]
図6の結果となったチーズの製造方法の比較例1を説明する。
この比較例は、図8に示す装置を使用した。
濃縮は、P&F膜装置30でおこなった。
フィードタンク34に貯留した凝乳組成物をフィードポンプ41で送り出す。送り出された凝乳組成物は、循環ポンプ42で加圧され冷却用の熱交換器35を経由してP&F膜装置30に供給される。ここでホエイ38と凝乳食品(ホエイを分離したチーズカード37)に分離される。この比較例では、凝乳食品(ホエイを分離したチーズカード)37の一部が製品として完成するために外部に取り出される。残りのチーズカード37はホエイ分に混入したまま、循環ポンプ42の入り口に戻され、濃縮工程を繰り返すことにより濃縮度を高める。
比較例1で使用したP&F膜装置の仕様;
ろ過膜 有機膜フィルター
有機膜フィルター材の分画分子量 26,000
ろ過膜の面積 1.43m
循環ポンプ流量 325L/分
ポンプ吐出圧力 1.0バール(bar)
加熱殺菌した200Lの発酵タンクに、生乳160kgに対し生クリーム40kgを添加したチーズミルクを調製し、プレート式熱交換器及びホモジナイザを用いて、95℃5分の加熱殺菌および60℃15MPaの均質化を施した。その後、30℃まで冷却し、乳酸菌スターターを添加し発酵させた。発酵によりpHを4.9まで低下させ、凝乳組成物(チーズカード37)を得た。撹拌によってチーズカードを破砕し、発酵タンクの温水ジャケットを用いて60℃まで加熱した。加熱したチーズカードを、P&F膜装置に供し、可能な限りホエイを分離し、チーズカードの乳固形分を高めた。
凝乳食品(ホエイ分離後のチーズカード)を、ケトル型チーズニーダーに供し、0.3重量%の食塩及び0.4重量%のローカストビーンガムを添加し、80℃まで加熱し、80~82℃を保ったまま15分200rpmで撹拌混合した。混合後、70℃以上を保ったままホモジナイザで15MPaの均質化に供し、65℃以上を保ったままカップ容器に充填しクリームチーズ製品を得た。充填後のクリームチーズ製品を、4℃のフリーザー内にて冷却し、保存した。
図3と図4で説明した方法によって、無脂肪ヨーグルトを試作した。
図1、図2で説明した動的ろ過装置を使用して、無脂肪タイプのヨーグルトを濃縮して製造した。使った乳原料は、脱脂粉乳;9.0重量%、バルクスターター;2.0重量%、水;89重量%であった。
動的ろ過膜装置に供する前の後発酵ヨーグルトと、動的ろ過膜装置に供した後の凝乳食品(ホエイを分離した後発酵ヨーグルト)の粘度を測定した。動的ろ過膜装置に供する前の後発酵ヨーグルトの粘度は、0.3Pa・sであり、動的ろ過膜装置に供した後の後発酵ヨーグルトの粘度は、体積当たりの濃縮倍率が6.5倍の時点で53Pa・sであった。濃縮倍率が7倍に達すると1000Pa・s以上であった(粘度の検出上限が1000Pa・sである)。粘度は、回転式B型粘度計により、試料を直径70mmの円柱型ビーカーに充填して、温度40℃で測定した。
更に、動的ろ過膜装置に供する前の後発酵ヨーグルトと、動的ろ過膜装置に供した後の凝乳食品(ホエイを分離した後発酵ヨーグルト)の発酵乳中の菌体外多糖(EPS)濃度を測定した。動的ろ過膜装置に供する前には18μg/mlであったEPS濃度が、体積当たり7倍濃縮後に151μg/mlにまで上昇した。これまでに膜濃縮技術を用いてEPSが初期濃度の8倍以上に濃縮された報告はなく、従来技術と比較して極めて優れた濃縮技術であるといえる。
図3に示す工程にしたがって、ラインを殺菌した後、上記乳原料の割合でバルクスターター以外の原料を混合し、原料乳の殺菌を行った。具体的には、機器殺菌後のタンクに水44.5kgと脱脂粉乳4.5kgを加えて混合・撹拌し、発酵前ミックスを得た。前記発酵前ミックスの組成は、乳固形分9.4重量%、乳タンパク質4.7重量%であった。発酵前ミックスを90℃で達温殺菌した後、混合した原料を発酵温度である43℃まで冷却した。43℃になったところでバルクスターターを接種し、10分間緩やかに撹拌を行った。撹拌開始後10分で撹拌を停止し、pHが4.6になるまで静置発酵させ、発酵後ヨーグルトを得た。発酵はpHが4.6となった時点で終了し、濃縮温度である43℃に保持したまま動的ろ過装置による濃縮を実施した。濃縮には耐熱性に優れているセラミック膜を用いた。セラミック膜としては、本実施例では図1、図2で説明した円板状のろ過膜(セラミック膜)を用いた。なお、本実施例では濃縮温度は43℃としたが、40℃~55℃が適温である。この温度まで加温もしくは冷却を行う。
この実施例による、濃縮倍率を、次に説明する比較例2と比較した。比較の結果は、先に図7を参照して説明した通りである。
[比較例2]
この比較例は、図9に示す筒型のセラミック膜を使用する装置を用いた。
濃縮は、セラミック製膜によるろ過装置50でおこなう。セラミック製膜の孔径は50nmであった。
フィードタンク54に貯留した凝乳組成物をフィードポンプ51で送り出す。フィードポンプ51で加圧された凝乳組成物は、ろ過装置50に供給される。ここでホエイ58と凝乳食品(ホエイを分離したヨーグルトカード)57に分離される。この比較例では、ヨーグルトカード57の一部が製品として完成するために外部に取り出される。残りのヨーグルトカード57はホエイ分に混入したまま、フィードタンク54に戻され、濃縮工程を繰り返すことにより濃縮度を高める。
機器殺菌後のタンク54に水44.5kgと脱脂粉乳4.5kgを加えて混合・撹拌し、発酵前ミックスを得た。発酵前ミックスを90℃で達温殺菌した後、発酵温度である43℃まで冷却を行い、バルクスターターを接種し、緩やかに撹拌を行った。撹拌開始後10分で撹拌を停止し、pHが4.6になるまで静置発酵させて発酵後ヨーグルトを得た。発酵後ヨーグルトは43℃に保持したまま、フィードポンプ51で加圧して、筒型のセラミック膜50による濃縮を実施した。分離されたホエイ58は外部に取り出された。ヨーグルトカードを含む濃縮液57の一部が外部に製品化のために取り出され、残りのヨーグルトカード57はホエイ分に混入したまま、タンク54に戻され、濃縮工程を繰り返すことにより濃縮度を高める。
10 動的ろ過装置
11、12 ろ過膜円板
11a、12a ろ過膜
11s、12s 回転軸
13 ハウジング
14 フィードタンク
15 ジャケット
16 凝乳組成物
17 凝乳食品
18 ホエイ
19 搬送エア
21、22 回転体(ローター)
D ろ過膜円板の直径
n ろ過膜円板の回転速度

Claims (4)

  1. 孔径が5nm~2.0μmのろ過膜と前記ろ過膜を収納するハウジングを有し、前記ろ過膜は前記ハウジングに対して動的に設けられた、動的ろ過装置を提供する工程と;
    凝乳組成物を50~80℃に加熱する工程と;
    前記加熱した凝乳組成物を前記動的ろ過装置に供給する工程と;
    前記ろ過膜を前記ハウジングに対して動かす工程と;
    前記凝乳組成物を加圧する工程と;
    前記凝乳組成物中のホエイを、前記ろ過膜が動いている状態で透過させて抜き出し、前記凝乳組成物中の固形分の濃度を40重量%以上まで高める工程とを備える
    凝乳食品の製造方法。
  2. 前記ろ過膜は、中空の板状に形成されており、前記動的に設けられたろ過膜は前記ハウジングに対して回転支持されている、請求項1に記載の凝乳食品の製造方法。
  3. 前記板状に形成されたろ過膜板は回転軸に複数設けられた回転体を構成する、請求項2に記載の凝乳食品の製造方法。
  4. 隣接させて配置した前記回転体を2個備え、前記各回転軸は互いに平行に配置され、両回転軸の間に位置する前記ろ過膜板は互いに重なるように配置された、請求項3に記載の凝乳食品の製造方法。
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