JP4807699B2 - 乳酸菌生残性向上剤 - Google Patents

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本発明は、乳酸菌生残性向上剤に関する。詳しく言うと、本発明は、乳または乳素材に由来し、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物を有効成分とする乳酸菌生残性向上剤に関する。
本発明の乳酸菌生残性向上剤は、乳酸菌の生残性向上に優れた効果を有する。本発明の生残性向上剤を添加した培地で生育させた乳酸菌は、ヨーグルトやチーズ、乳飲料など製品の状態になっても長期にわたり死滅が抑制され、優れた生残性を示す。
乳酸菌は、古来より食品の製造に広く利用されており、チーズ、発酵乳、乳酸菌飲料、発酵バター等の乳製品、キムチや漬物等の食品、発酵ソーセージや発酵サラミ等の畜肉製品を製造する際に用いられている。また、パンのスターターや飼料用サイレージのスターターとしても利用されている。最近では、乳酸菌の有する整腸効果などの生理効果が次々と明らかとなり、乳酸菌の菌体自体や乳酸菌培養物等を健康食品や医薬品などの素材としても開発されている。さらに、最近の研究では、乳酸菌を生きた状態で腸まで到達させることにより生理効果が向上することも見出されている。製品中における乳酸菌の生残性を向上させることは、申請数が急増しつつある特定保健用食品への応用など、産業上からも大きな利点がある。
しかしながら、発酵乳はpHが酸性域であったり、乳飲料は糖質濃度が高かったりするため、製品本来の味を維持しつつ乳酸菌の生残性を維持することは非常に困難であった。また、有用乳酸菌の中には嫌気性菌もあり、生残性を高めるために酸素透過度を極力抑制する特殊な容器を採用する場合もあり、乳酸菌の生残性を高めるために、製品のコストアップが余儀なくされてきた。
したがって、本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、乳酸菌の生残性向上に優れた効果を有し、かつ製品の風味やコストに悪影響を与えない乳酸菌生残性向上剤を提供することを課題とする。
これらの課題を解決するために、本発明者らは、乳酸菌の生残性を向上させる効果を有する生残性向上剤について鋭意検討を進めたところ、乳または乳素材に由来し、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物に乳酸菌の生残性を高める効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、バターセーラムやバターミルクを精密濾過(MF)膜処理または限外濾過(UF)膜処理し、得られる濃縮画分を培地に添加するだけで、製品の風味を損なわず、かつ高価な容器の使用によるコストアップなどを回避しながら、乳酸菌が製品中においても生残性を維持できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物を有効成分とする乳酸菌生残性向上剤である。
本発明はまた、乳または乳素材を、孔径0.1〜2.0μmのMF膜処理または分画分子量5〜500kDaのUF膜処理することにより得られ、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物を有効成分とする前記乳酸菌生残性向上剤である。
本発明はまた、乳または乳素材に酸を加えてpHを4.0〜5.0に調整し、カゼインタンパク質を沈殿として除去した後、孔径0.1〜2.0μmのMF膜処理または分画分子量5〜500kDaのUF膜処理することにより得られ、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物を有効成分とする前記乳酸菌生残性向上剤である。
本発明はまた、乳または乳素材に酸を加えてpHを4.0〜5.0に調整し、塩化カルシウムを加えてカゼインタンパク質を沈殿として除去した後、孔径0.1〜2.0μmのMF膜処理または分画分子量5〜500kDaのUF膜処理することにより得られ、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物を有効成分とする前記乳酸菌生残性向上剤である。
本発明はまた、乳または乳素材が、バターセーラムまたはバターミルクであることを特徴とする前記乳酸菌生残性向上剤である。
本発明はまた、前記乳酸菌生残性向上剤を固形あたり0.1〜2.0重量%添加した乳酸菌培養用培地である。
本発明における脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物は、由来は特に限定されず、乳、大豆や卵黄由来のものが使用可能であるが、乳または乳素材由来のものが好ましい。
本発明における乳または乳素材とは、特に限定されないが、バターセーラム、バターミルク等が挙げられる。
また、バターセーラムとは、牛乳を遠心分離して脂肪分を40重量%以上としたクリーム画分を再度遠心分離などにより脂肪分を上げて得られる脂肪分60重量%以上の高脂肪クリームあるいはバターより、バターオイルを製造する際に得られる淡黄色の液体であり、前記高脂肪クリームあるいはバターを、遠心分離、加温あるいはせん断処理することにより得られる脂肪分1〜30重量%の水相画分をいう。
また、バターミルクとは、脂肪分40重量%以上のクリームあるいは発酵クリームよりバターを製造する際に得られる液体であり、前記クリームあるいは発酵クリームをせん断処理することにより得られる脂肪分1〜15重量%の水相画分をいう。
本発明においては、これらの原料をMF膜処理またはUF膜処理することにより濃縮液を回収することが好ましい。この際に用いるMF膜は、孔径0.1μm〜2.0μmのものが好ましい。孔径が0.1μm未満となると、ホエータンパク質などの夾雑物が濃縮液側に残存するようになり、固形当たりの脂質含量が減少することにより生残性向上剤としての効果が弱くなる。孔径が2.0μmを超えると、脂肪球が膜を通過して透過液側に漏れるようになるため、生残性向上効果を持つ脂質画分が濃縮画分から減少するために、生残性向上剤としての効果が弱くなる。混入するタンパク質の量やリン脂質の回収率を考慮すると、孔径0.1〜1.4μmのMF膜が最も好ましい。この孔径0.1〜2.0μmのMF膜としては、例えば、Membralox(SCT,Societie Ceramics Techniques社製)を使用することができる。
また、UF膜は、分画分子量5〜500kDaのものが好ましい。5kDa未満となると、乳糖も濃縮され、脂質の割合が高くならないため好ましくなく、500kDaはUF膜の分画分子量の上限である。
なお、MF膜処理またはUF膜処理を行う前に、上記原料に酸を加えてpHを4.0〜5.0に調整し、カゼインタンパク質を等電点沈殿させて除去しておくと、膜処理における膜の汚れ付着を防止することができると同時に、得られる濃縮液中に含まれる固形当たりの脂質含量を高くすることが可能となるので好ましい。さらに、pHを4.0〜5.0に調整した後に塩化カルシウムを加えると、カゼインタンパク質の沈殿がより促進されるのでより好ましい。塩化カルシウムの添加量としては、全体の0.01〜0.05重量%が好ましい。また、pH調整の際に加える酸の種類は特に限定しないが、塩酸や硫酸等の無機酸等が好ましい。
また、上清の回収方法は特に限定しないが、フィルタープレス、デカンターなどを用いることが望ましい。膜処理で得られた濃縮液に関しては、特に方法は限定しないが、凍結乾燥、噴霧乾燥などの操作により粉体あるいはペースト状の乳由来組成物にしておくことが保存上好ましい。
このようにして得られた組成物は、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質であることを特徴としている。
この組成物のその他の成分は特に限定されないが、上記したような方法によれば、全固形中、タンパク質を5〜50重量%程度、糖質3〜50重量%程度、灰分を2〜10重量%程度含有するものが得られる。また、組成物中の水分は約5重量%以下である。
本発明でいう乳酸菌は、特に限定されず、たとえば、Lactobacillus属、Lactococcus属、Bifidobacterim属、Leuconostoc属などが挙げられ、L.acidophilus、L.helveticus、L.caseiが好ましい例として挙げられる。
乳酸菌の培養を行う際には、乳酸菌の培養に通常用いられる脱脂乳培地を用いる。この脱脂乳培地に、上記で得られた乳または乳素材由来の組成物を添加して用いることが望ましい。
本発明者らが行った試験の結果によると、通常の脱脂乳培地で生育させた乳酸菌に比べて、本発明の乳酸菌生残性向上剤を添加した培地で生育させた乳酸菌は、製品中での生残性が著しく向上していた。これは、本発明の乳酸菌生残性向上剤中に含まれるリン脂質などの極性脂質やトリグリセリド等の中性脂質に結合している脂肪酸が乳由来であるため、不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸を多く含み、これが菌体の膜脂質に取り込まれることにより乳酸菌の膜表面の状態が外部環境に適応しやすくなっているためであると考えられる。
以上により得られる乳または乳素材由来の組成物、すなわち乳酸菌生残性向上剤については、乳酸菌を培養する際に従来より使用されている還元脱脂乳培地に、固形換算で全体の0.1〜2.0重量%となるように添加することが好ましい。このようにして生育した乳酸菌は、ドリンクヨーグルトや発酵乳、チーズなどに添加されてから2週間経過後においても、製品中での生残性が著しく高い。このように、本発明の乳由来組成物を添加することにより、製品中での乳酸菌の生残性を容易に高めることが可能であり、特殊な容器や中性付近でのpHの維持が不要となるために、コストアップを回避しつつ、従来の製品の風味を損なわずに製品を製造することができる。これまでに、乳由来組成物でこのように製品中での乳酸菌の生残性を向上させる物質は報告されていない。
本発明の生残性向上剤を用いて乳酸菌を生育させると、その乳酸菌が種々の製品中に添加されても、製品中における生残性が著しく向上する。
次に実施例を比較例とともに示し、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例及び比較例における「%」は「重量%」を意味するものとする。
バターセーラム粉(SM2、Corman社製)の20%溶液を調製し、5M塩酸を添加してpHを4.5に調整した。この溶液を50℃で1時間静置させて、カゼインタンパク質を沈殿として凝集させた。この凝集物はフィルタープレスを用いて除去し、得られた水溶液を孔径1.4μmのMF膜(SCT社製)で処理して濃縮液画分を得た。得られた濃縮液画分を凍結した後、凍結乾燥処理を行って水分を除去した。こうして得られた組成物、すなわち本発明の乳酸菌生残性向上剤は、全固形当たり脂質を56%、タンパク質を25%、糖質を13%、灰分を6%含有しており、全脂質中48%がリン脂質であった。この組成物を還元脱脂乳培地(18%脱脂粉乳、3%グルコース添加)に0.5%となるように添加し、乳酸菌(L.helveticusSBT2171)を1%接種した後に37℃で72時間培養した。この培養物を液糖、安定化剤、香料と混合して、糖度14%、無脂乳固形分3.0%のドリンクヨーグルトを製造し、10℃で保存した後、菌数の測定を行った。その結果、保存開始直後のドリンクヨーグルト中に6×10CFUの乳酸菌が生育していた。2週間保存した後に菌数の測定を行ったところ、4×10CFUもの乳酸菌の生育が確認された。
(比較例1)
還元脱脂乳培地(18%脱脂粉乳、3%グルコース添加)に乳酸菌(L.helveticusSBT2171)を1%接種した後、37℃で72時間培養した。この培養物を液糖、安定化剤、香料と混合して、糖度14%、無脂乳固形分3.0%のドリンクヨーグルトを製造し、10℃で保存した後、菌数の測定を行った。その結果、保存開始直後のドリンクヨーグルト中に6×10CFUの乳酸菌が生育していた。2週間保存した後に菌数の測定を行ったところ、菌数は5×10CFUにまで減少していた。
バターミルク粉(雪印乳業社製)の15%溶液を調製し、1M塩酸を添加してpHを4.5に調整した。この溶液を40℃で30分間静置させて、カゼインタンパク質を沈殿として凝集させた。この凝集物を、クラリファイヤーを用いて除去し、得られた上清を孔径0.1μmのMF膜(SCT社製)で処理することにより濃縮液画分を得た。得られた濃縮液画分を凍結した後、凍結乾燥処理を行って水分を除去した。
こうして得られた組成物、すなわち本発明の乳酸菌生残性向上剤は、固形当たり脂質を50%、タンパク質を27%、糖質を16%、灰分を7%含有しており、全脂質中40%がリン脂質であった。この生残性向上剤を牛乳(脂肪分3.5%、全固形12%)に1.0%となるように添加し、乳酸菌(L.acidophilus SBT2062)を1%接種した後に37℃で6時間培養した。pHが5.0に達したところでレンネットを全体の1%となるように添加して、カード形成を行った。ホエー排除後、カードに塩を添加し、さらにプレス成型器に入れて加圧・成型した。10℃で1ヶ月保存する前後で、菌数の測定を行った。その結果、保存開始直後のカード中には7×10CFUの乳酸菌が生育していた。1ヶ月保存後に菌数の測定を行ったところ、5×10CFUもの乳酸菌の生育が確認された。
(比較例2)
牛乳(脂肪分3.5%、全固形12%)に、乳酸菌(L.acidophilus SBT2062)を1%接種した後に37℃で6時間培養した。pHが5.0に達したところでレンネットを全体の1%となるように添加して、カード形成を行った。ホエー排除後、カードに塩を添加し、さらにプレス成型器に入れて加圧・成型した。10℃で1ヶ月保存する前後で、菌数の測定を行った。その結果、保存開始直後のカード中には7×10CFUの乳酸菌が生育していた。1ヶ月保存した後に菌数の測定を行ったところ、菌数は5×10CFUにまで激減していた。
生乳をセパレーターで分離して得られる40%脂肪のクリームを、さらにセパレーター処理して脂肪分70%の高脂肪クリームを得た。この高脂肪クリームをジャケット付きのタンクに投入し、ジャケットに100℃の熱湯を満たして、タンク内の高脂肪クリームを溶解し、1時間静置した。1時間経過後、タンク下部に分離した水相画分をタンクの底に設置したラインより回収し、分画分子量10kDaのUF膜(Desalination社製)で処理して濃縮液画分を得た。得られた濃縮液画分を凍結した後、凍結乾燥処理を行って水分を除去した。こうして得られた組成物、すなわち本発明の乳酸菌生残性向上剤は、固形当たり脂質を24%、タンパク質を46%、糖質を23%、灰分を7%含有しており、全脂質中47%がリン脂質であった。この組成物を還元脱脂乳培地(18%脱脂粉乳、3%グルコース添加)に0.8%となるように添加し、乳酸菌(L.casei ATCC−393)を1%接種した後に37℃で72時間培養した。この培養物を液糖、安定化剤、香料と混合して、糖度14%、無脂乳固形分3.0%のドリンクヨーグルトを製造し、10℃で保存した後、菌数の測定を行った。その結果、保存開始直後のドリンクヨーグルト中に6×10CFUの乳酸菌が生育した。2週間保存した後に菌数の測定を行ったところ、5×10CFUもの乳酸菌の生育が確認された。
(比較例3)
還元脱脂乳培地(18%脱脂粉乳、3%グルコース添加)に乳酸菌(L.caseiATCC−393)を1%接種した後、37℃で72時間培養した。この培養物を液糖、安定化剤、香料と混合して、糖度14%、無脂乳固形分3.0%のドリンクヨーグルトを製造し、10℃で保存した後、菌数の測定を行った。その結果、保存開始直後のドリンクヨーグルト中に6×10CFUの乳酸菌が生育していた。2週間保存した後に菌数の測定を行ったところ、菌数は7×10CFUにまで減少していた。
バターセーラム粉(SM2、Corman社製)の20%溶液を調製し、1M塩酸を添加してpHを4.5に調整した。この溶液に塩化カルシウムを全体の0.02%となるように添加した後、50℃で1時間静置させて、カゼインタンパク質を沈殿として凝集させた。この凝集物はフィルタープレスを用いて除去し、得られた水溶液を孔径1.4μmのMF膜(SCT社製)で処理して濃縮液画分を得た。得られた濃縮液画分を凍結した後、凍結乾燥処理を行って水分を除去した。こうして得られた組成物、すなわち本発明の乳酸菌生残性向上剤は、全固形当たり脂質を61%、タンパク質を20%、糖質を13%、灰分を6%含有しており、全脂質中48%がリン脂質であった。
この組成物について実施例3と同様にしてドリンクヨーグルトを製造し、菌数の測定を行ったところ、保存開始直後のドリンクヨーグルト中に5×10CFUの乳酸菌が生育した。2週間保存した後に菌数の測定を行ったところ、3×10CFUもの乳酸菌の生育が確認された。
本発明の乳酸菌生残性向上剤を用いて生育した乳酸菌は、種々の乳酸菌含有飲食品中において、長期にわたり生育状態が維持され、死滅が著しく抑制される。そのため、本発明の乳酸菌生残性向上剤は、乳酸菌含有食品の分野において非常に有用である。

Claims (6)

  1. 乳または乳素材を原料とし、脂質を全固形中24〜61重量%含有し、かつ全脂質中40〜48重量%がリン脂質である組成物を有効成分とする乳酸菌生残性向上剤。
  2. 乳または乳素材を熱処理して水相画分を除去した後、孔径0.1〜2.0μmの精密濾過(MF)膜処理または分画分子量5〜500kDaの限外濾過(UF)膜処理することにより得られ、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物を有効成分とする乳酸菌生残性向上剤。
  3. 乳または乳素材に酸を加えてpHを4.0〜5.0に調整し、カゼインタンパク質を沈殿として除去した後、孔径0.1〜2.0μmのMF膜処理または分画分子量5〜500kDaのUF膜処理することにより得られ、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物を有効成分とする乳酸菌生残性向上剤。
  4. 乳または乳素材に酸を加えてpHを4.0〜5.0に調整し、塩化カルシウムを加えてカゼインタンパク質を沈殿として除去した後、孔径0.1〜2.0μmのMF膜処理または分画分子量5〜500kDaのUF膜処理することにより得られ、脂質を全固形中20〜90重量%含有し、かつ全脂質中40〜55重量%がリン脂質である組成物を有効成分とする乳酸菌生残性向上剤。
  5. 乳または乳素材が、バターセーラムまたはバターミルクであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の乳酸菌生残性向上剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の乳酸菌生残性向上剤を、固形あたり0.1〜2.0重量%添加した乳酸菌培養用培地。
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