[情報提供システムSの概要]
図1は、情報提供システムSの概要を説明するための図である。情報提供システムSは、ゴルフ場においてゴルフプレイヤに各種の情報を提供するための情報処理システムである。情報提供システムSは、位置特定装置1と、サーバ2と、中継装置3と、携帯端末4と、を備える。
位置特定装置1は、グリーンに設置されるピンフラッグFに結合された状態において、ピンフラッグFの位置を特定するための装置である。詳細については後述するが、位置特定装置1は、GPS(Global Positioning System)又は準天頂衛星システム等の測位衛星から受信する電波に基づいてピンフラッグFの緯度・経度を特定する。
位置特定装置1は、無線通信回線W1及びネットワークNを介して、特定した緯度・経度を示すピン位置情報をサーバ2に送信する。第1無線通信回線W1は、例えばWi-Fi(登録商標)又は携帯電話回線である。ネットワークNは、例えばイントラネット又はインターネットである。位置特定装置1は、各ホールのグリーンG(図1におけるグリーンG-1~G-18)に設置されるピンフラッグFに結合され、各ホールの位置特定装置1のそれぞれがサーバ2にピン位置情報を送信する。
サーバ2は、ゴルフプレイヤに各種の情報を提供する情報処理装置であり、例えばコンピュータである。サーバ2は、ゴルフ場に設けられていてもよく、ゴルフ場の外部(例えばクラウド上)に設けられていてもよい。サーバ2は、グリーンに関する情報であるグリーン情報をゴルフプレイヤに提供する。本実施形態におけるサーバ2は、中継装置3を介して、ゴルフプレイヤが使用する携帯端末4にグリーン情報を送信する。
グリーン情報は、例えば、各グリーンのピン位置を示すピン位置情報、各グリーンエッジの位置を示すエッジ位置情報、各グリーンの基準位置(例えば中央位置)からグリーンエッジまでの距離を示す基準エッジ距離情報、又は各グリーンのピン位置からグリーンエッジまでの距離を示すピンエッジ間距離情報の少なくともいずれかを含む情報である。
サーバ2は、予め、各グリーンの基準位置(例えば中心位置)からグリーンエッジまでの距離と、基準向きに対する角度(以下、「エッジ角度」という場合がある)とが関連付けられた基準エッジ距離情報を記憶している。基準向きは任意であるが、例えば北向きである。エッジ角度は、基準向きに対して例えば1度ごとに異なる角度である。この場合、基準エッジ距離情報には、360個のエッジ角度に対応する基準位置からグリーンエッジまでの距離が含まれている。
サーバ2は、位置特定装置1から受信したピン位置情報が示すピン位置と基準位置との関係に基づいて、ピン位置からグリーンエッジまでの距離を、エッジ角度ごとに算出することにより、ピン位置からの距離とエッジ角度とが関連付けられたピンエッジ間距離情報を作成する。ピンエッジ間距離情報には、例えば360個のエッジ角度それぞれに対応するピン位置からグリーンエッジまでの距離が含まれている。
ピン位置は固定されておらず、定期的に変更される。そこで、サーバ2は、例えば、毎朝ピンフラッグFがグリーンに立てられた時点で位置特定装置1から取得したピン位置情報に基づいて、ピンエッジ間距離情報を作成する。サーバ2は、作成したピンエッジ間距離情報を含むグリーン情報を中継装置3に送信する。サーバ2は、ピン位置情報を含むグリーン情報を中継装置3に送信してもよい。
中継装置3は、サーバ2から受信するグリーン情報を複数のゴルフプレイヤの複数の携帯端末4に配信するために、グリーン情報を中継する。具体的には、中継装置3は、例えばネットワークN及び第1無線通信回線W1を介してグリーン情報を受信し、第1無線通信回線W1と異なる第2無線通信回線W2を介して、グリーン情報を携帯端末4に配信する。第2無線通信回線W2は、第1無線通信回線W1よりも通信距離が短い通信方式を使用した無線通信回線であり、例えばBluetooth(登録商標)であるが、第2無線通信回線W2がWi-Fiであってもよい。
中継装置3は、例えばマスター室の電源コンセントに接続された状態で電波を送信することによりグリーン情報を配信する。この場合、ゴルフプレイヤは、携帯端末4を起動させた状態でマスター室付近を通過することによりグリーン情報を取得することができる。
上述のようにピン位置は日によって異なり、グリーン情報は頻繁に更新される。そこで、中継装置3は、最初のゴルフプレイヤがプレイを開始する時刻よりも前の所定の受信時間帯にサーバ2からグリーン情報を取得し、所定の受信時間帯が経過した後に、中継装置3が送信する電波が届く範囲内の携帯端末4へのグリーン情報の配信を開始する。
中継装置3は、最初のゴルフプレイヤがマスター室を通る可能性がある時刻よりも前にグリーン情報の配信を開始することが好ましい。しかしながら、中継装置3がグリーン情報の配信を開始する時刻が早過ぎると、当日のピン位置が反映されていないグリーン情報が送信されてしまう。そこで、所定の受信時間帯は、ゴルフ場の職員がグリーンGにピンフラッグFを立て終わる時刻以降であり、かつ最初のゴルフプレイヤがスタートする時刻よりも十分に早いことが望ましい。
ゴルフ場へのゴルフプレイヤの入場が可能になる時刻が午前6時30分であり、最初のスタート時刻が午前7時である場合、所定の受信時間帯は、ゴルフ場へのゴルフプレイヤの入場が可能になる時刻よりも前の所定の時間帯(例えば午前6時から午前6時30分)である。中継装置3は、ゴルフ場へのゴルフプレイヤの入場が可能になる時刻(例えば午前6時30分)以降にグリーン情報の配信を開始する。
ピン位置は日によって異なるので、ゴルフプレイヤは、事前にピン位置情報及びピンエッジ間距離情報等のようにピン位置に関連する情報を携帯端末4にダウンロードしておくことはできない。一方、ゴルフ場は広いため、携帯端末4がサーバ2と通信することができないエリアが多いので、ゴルフプレイヤがプレイを開始した後には、携帯端末4がサーバ2からグリーン情報を受信することも困難である。特に、バッテリーの容量が少ない携帯端末4の場合、プレイ中に通信機能を動作させないことが望ましい。しかしながら、ゴルフプレイヤは必ずマスター室を通るので、例えばマスター室に設置された中継装置3がグリーン情報を配信することで、ゴルフプレイヤの携帯端末4は、確実にグリーン情報を取得することができる。
携帯端末4は、ゴルフプレイヤがゴルフのプレイ中に携帯する情報端末であり、例えばプレイ中に使用される情報を表示する専用端末又はスマートフォンである。携帯端末4は、GPS(Global Positioning System)又は準天頂衛星システムから受信する電波に基づいてピンフラッグFの緯度・経度を特定することにより携帯端末4の現在位置及び向きを特定する。携帯端末4は、特定した現在位置及び向き、並びに中継装置3を介して取得したグリーン情報に基づいて、ゴルフプレイヤの位置からピン位置までの距離、及びゴルフプレイヤの位置からグリーンのエッジまでの距離を算出し、算出したこれらの距離を表示する。
詳細については後述するが、携帯端末4は、サーバ2が作成したピン位置情報、基準エッジ距離情報又はピンエッジ間距離情報等を参照し、携帯端末4からピン位置までの距離を算出するとともに、携帯端末4の向きに対応するエッジ角度に関連付けられたピン位置からグリーンエッジまでの距離を特定する。携帯端末4は、ピン位置までの距離と、特定したピン位置からグリーンエッジまでの距離との関係に基づいて、携帯端末4の現在位置から最も近い手前のグリーンエッジまでの距離、又は携帯端末4の現在位置から最も遠い奥のグリーンエッジまでの距離を算出することができる。携帯端末4は、算出したグリーンエッジまでの距離を表示する。
図2は、携帯端末4がグリーンエッジ位置までの距離を表示した画面を示す図である。図2(a)は、ゴルフプレイヤが北を向いている状態で表示される画面を示しており、図2(b)は、図2(a)の状態に対して約45度異なる向き(北西の向き)をゴルフプレイヤが向いている状態で表示される画面を示している。
図2における点線は、グリーンのエッジを示しており、各点は、グリーン情報に含まれているエッジ角度に対応している。図2においては、エッジ角度の間隔が1度よりも大きい状態を模式的に示しているが、エッジ角度の間隔が1度である場合には、各点がつながって実線のように見える。
図2(a)における点線の内側の黒丸はピン位置を示している。黒丸の上側の数字20は、エッジ角度が0度である場合のピン位置からグリーンエッジまでの距離に対応しており、ピン位置から最も奥のグリーンエッジまでの距離が20ヤードであることを示している。黒丸の右側の数字7は、エッジ角度が90度である場合のピン位置からグリーンエッジまでの距離に対応しており、ピン位置の右側のグリーンエッジまでの距離が7ヤードであることを示している。
黒丸の下側の数字10は、エッジ角度が180度である場合のピン位置からグリーンエッジまでの距離に対応しており、ピン位置から最も手前のグリーンエッジまでの距離が10ヤードであることを示している。黒丸の左側の数字9は、エッジ角度が270度である場合のピン位置からグリーンエッジまでの距離に対応しており、ピン位置の右側のグリーンエッジまでの距離が9ヤードであることを示している。
画面の左上の「B170」は、ゴルフプレイヤの位置(すなわち携帯端末4の位置)から奥側のグリーンエッジまでの距離が170ヤードであることを示している。画面の左上の「P150」は、ゴルフプレイヤの位置からピン位置までの距離が150ヤードであることを示している。画面の左上の「F140」は、ゴルフプレイヤの位置から手前側のグリーンエッジまでの距離が140ヤードであることを示している。
図2(b)においては、各数字の値が図2(a)と異なっている。黒丸の上側の数字12は、エッジ角度が315度(-45度)である場合のピン位置からグリーンエッジまでの距離に対応しており、ピン位置から最も奥側のグリーンエッジまでの距離が12ヤードであることを示している。黒丸の右側の数字6は、エッジ角度が45度である場合のピン位置からグリーンエッジまでの距離に対応しており、ピン位置の右側のグリーンエッジまでの距離が6ヤードであることを示している。
黒丸の下側の数字11は、エッジ角度が135度である場合のピン位置からグリーンエッジまでの距離に対応しており、ピン位置から最も手前のグリーンエッジまでの距離が11ヤードであることを示している。黒丸の左側の数字6は、エッジ角度が225度である場合のピン位置からグリーンエッジまでの距離に対応しており、ピン位置の右側のグリーンエッジまでの距離が6ヤードであることを示している。
画面の左上の「B162」は、ゴルフプレイヤが北西を向いている状態で、ゴルフプレイヤの位置から奥側のグリーンエッジまでの距離が162ヤードであることを示している。画面の左上の「P150」は、ゴルフプレイヤの位置からピン位置までの距離が150ヤードであることを示している。画面の左上の「F139」は、ゴルフプレイヤの位置から手前側のグリーンエッジまでの距離が139ヤードであることを示している。このように、携帯端末4は、ゴルフプレイヤの位置及び向きによって異なるグリーンエッジまでの距離を表示することができる。
従来のシステム(例えば特許第6470823号公報を参照)においては、ゴルフプレイヤが携帯する端末がグリーンの形状を示すグリーン形状画像に基づいて、ピン位置を起点とする複数の方向のグリーンエッジまでの距離を算出していた。グリーン形状画像を用いるためには、端末に大容量のメモリが必要であるとともに、端末の演算負荷も大きかった。
これに対して、本実施形態に係るシステムにおいては、ピン位置からの距離とエッジ角度とが関連付けられたピンエッジ間距離情報を携帯端末4が利用することで、図2に示すような情報を表示する。したがって、携帯端末4が小容量のメモリ及び低性能のプロセッサしか有していない場合であっても、ゴルフプレイヤの位置から最も近いグリーンエッジ位置又は最も遠いグリーンエッジ位置までの距離を短時間で表示することができる。
以下、位置特定装置1、サーバ2、中継装置3及び携帯端末4の構成及び動作を詳細に説明する。
[位置特定装置1の構成]
図3は、ピンフラッグFに装着された状態の位置特定装置1を示す図である。位置特定装置1は、結合部11と、本体部12と、を有しており、結合部11がピンフラッグFと結合している。
結合部11は、位置特定装置1とピンフラッグFとを結合するように構成された部材である。結合部11の態様は任意であるが、例えば、可撓性を有する線状の部材、又は板状の部材であり、ピンフラッグFに巻き付けられた状態で本体部12が移動しないように位置特定装置1をピンフラッグFに結合する。結合部11は、例えば互いに着脱が可能な複数の面ファスナーにより構成されている。結合部11におけるピンフラッグFに接触する側の面には、滑りにくくするためにゴム材が設けられていてもよい。
本体部12は、位置特定装置1の位置を特定するための処理を実行するための電子回路が設けられた基板、及び電子回路を動作させるためのバッテリーを有する。本体部12の形状は任意であるが、本体部12が可撓性の基板(例えばフレキシブルプリント基板)を有しており、結合部11と一体に構成されていてもよい。この場合、位置特定装置1は、ピンフラッグFに装着されていない状態では板状であるため保管又は輸送をしやすく、ピンフラッグFに装着された状態では円環状になる。ピンフラッグFに装着された状態で位置特定装置1が円環状になる場合、位置特定装置1の重心位置がピンフラッグFの軸に一致するため、ピンフラッグFに位置特定装置1が装着されることによりピンフラッグFが傾くことを防げる。
ところで、従来のカップ位置計測方法において用いられていたように、測位衛星からの電波を受信するユニットがグリーンGのカップCの内側に設けられていると、カップCの壁面によって電波が遮られるので、受信可能な電波の強度が低下してしまう。また、電波を受信するユニットがグリーンGの表面の近くにあると、グリーンGの土に含まれる金属成分によって生じる電波の反射波による干渉が発生するため、受信感度が低下してしまう。
そこで、位置特定装置1が測位衛星からの電波を良好な条件で受信しやすくするために、ピンフラッグFがグリーンG上のカップCに挿入された状態において、電波を受信する電波受信部とグリーンGの面との距離Hが、受信する電波の波長以上になるように位置特定装置1とピンフラッグとを結合部11が結合する状態で位置特定装置1が使用されることが好ましい。測位衛星から受信する電波の周波数が1.57GHzである場合、波長は約19cmである。そこで、位置特定装置1は、グリーンGの表面から20cm以上の位置に設けられることが好ましい。
図4は、本体部12の内部構成を示す図である。本体部12は、電波受信部121と、センサ122と、計時部123と、通信部124と、記憶部13と、制御部14と、を有する。記憶部13は、時刻記憶部131及び位置記憶部132を有する。制御部14は、位置特定部141と、状態検知部142と、送信処理部143と、を有する。
電波受信部121は、測位衛星から電波を受信する。電波受信部121は、受信した電波に含まれているデータを位置特定部141に入力する。
センサ122は、位置特定装置1の状態を検知する機能を有しており、例えば加速度センサ又は重力センサである。センサ122は、位置特定装置1の状態によって値が変化するデータを状態検知部142へと出力入力する。センサ122は、位置特定装置1が装着されたピンフラッグFが立っている状態と、ピンフラッグFが立っていない状態とで異なる値のデータを出力する向きに設けられている。
計時部123は、現在時刻を計時する。計時部123は、例えば時計IC(Integrated Circuit)を有しており、時刻を示すデータを送信処理部143に入力する。
通信部124は、第1無線通信回線W1を介してサーバ2との間で送受信するための通信インターフェースである。通信部124は、送信処理部143から入力されたピン位置情報を送信する。通信部124は、サーバ2が送信した情報を受信してもよい。通信部124は、例えばピン位置情報の送信を指示する情報をサーバ2から受信した場合に、受信した情報を送信処理部143に入力する。
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を有する。記憶部13は、制御部14が実行するプログラムを記憶する。
時刻記憶部131は、ピン位置情報をサーバ2に送信するべき時刻として予め設定された所定の時刻を記憶する。位置記憶部132は、ゴルフ場の一以上のグリーンGの位置を示すグリーン位置情報を記憶する。位置記憶部132は、例えばグリーン番号に関連付けて、それぞれのグリーンGの輪郭線上の複数の位置の緯度・経度を記憶する。位置記憶部132は、グリーンGを含む最小の多角形の頂点の緯度・経度を記憶してもよい。
制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部14は、記憶部13に記憶されたプログラムを実行することにより、位置特定部141、状態検知部142及び送信処理部143として機能する。
位置特定部141は、電波受信部121が受信した測位衛星からの電波に基づいてピンフラッグFのピン位置を特定する。位置特定部141は、電波受信部121から入力されたデータに所定の演算を施すことにより、ピンフラッグFの位置の緯度・経度を算出する。位置特定部141は、算出した緯度・経度を送信処理部143に通知する。
状態検知部142は、センサ122から入力されたデータに基づいて、ピンフラッグFの状態を検知する。状態検知部142は、センサ122から入力されデータに基づいて、例えばピンフラッグFの長手方向が鉛直方向に一致しているか否か、すなわちピンフラッグFが立っているか否かを検知する。状態検知部142は、ピンフラッグFが動いているか否かをさらに検知してもよい。
送信処理部143は、位置特定部141が特定したピン位置を示すピン位置情報をサーバ2に送信する。送信処理部143は、例えば、ピンフラッグFの状態が所定の状態である場合にピン位置情報をサーバ2に送信する。一例として、送信処理部143は、ピンフラッグFが立った状態であることを状態検知部142が検知している間にピン位置情報をサーバ2に送信し、ピンフラッグFが立っていない状態であることを状態検知部142が検知していない間はピン位置情報をサーバ2に送信しない。送信処理部143がこのように動作することで、ピンフラッグFがカップCに立てられていない状態における位置特定装置1の位置をピン位置情報として送信しないので、誤ったピン位置情報がサーバ2に登録されてしまうことを防げる。
送信処理部143は、ピンフラッグFが立った状態で所定の時間(例えば30秒以上)が経過した後にピン位置情報をサーバ2に送信してもよい。送信処理部143がこのように動作することで、ピンフラッグFがグリーンGに設置される前に一時的に立った状態になった場合にピン位置情報がサーバ2に送信されてしまうことを防げる。
状態検知部142が、ピンフラッグFが立っていると判定したとしても、グリーンGのカップCに立てられておらず、スタッフが位置特定装置1を移動中であるという場合も想定される。そこで、送信処理部143は、グリーン位置情報が示すグリーンGの位置にピン位置が含まれている場合にピン位置情報をサーバ2に送信してもよい。グリーン位置情報がグリーンGの輪郭線上の複数の位置の緯度・経度を示す場合、送信処理部143は、まず、グリーンGの輪郭線上の複数の位置の緯度・経度と、ピン位置情報が示す緯度・経度とを比較し、ピン位置がグリーンGの輪郭線の内側に含まれているか否かを判定する。
送信処理部143は、ピン位置がグリーンGの輪郭線の内側に含まれていると判定した場合にピン位置情報をサーバ2に送信し、ピン位置が多角形の外側に含まれていると判定した場合にピン位置情報をサーバ2に送信しない。送信処理部143がこのように動作することで、位置特定装置1がピンフラッグFに装着されていない状態、又はピンフラッグFがグリーンGに立てられていない状態において送信処理部143がピン位置情報をサーバ2に送信しないので、誤った位置がピン位置としてサーバ2に登録されてしまうことを防げる。
送信処理部143は、位置特定装置1がグリーンGの内側にあり、かつピンフラッグFが立っている状態であることを条件として、ピン位置情報をサーバ2に送信してもよい。送信処理部143がこのように動作することで、ピンフラッグFがグリーンGのカップCに立てられた状態において特定された位置特定装置1の位置がピン位置としてサーバ2に登録される。
ところで、位置特定装置1がピンフラッグFに装着されていない状態で、ピンフラッグFが立てられた状態に相当する向きでグリーンGに置かれているという場合も想定される。そこで、送信処理部143は、結合部11がピンフラッグFに結合しているか否かを検知し、結合部11がピンフラッグFに結合していることを条件としてピン位置情報をサーバ2に送信してもよい。
一例として、位置特定装置1は、ピンフラッグFに装着されているか否かを検知するために、位置特定装置1がピンフラッグFに装着されている場合に押された状態になり、位置特定装置1がピンフラッグFに装着されていない場合に押されない状態になるスイッチが結合部11に設けられている。送信処理部143は、当該スイッチから入力される信号の値に基づいて位置特定装置1がピンフラッグFに装着されているか否かを判定する。送信処理部143がこのように動作することで、位置特定装置1がピンフラッグFに装着されていない状態でピン位置情報をサーバ2に送信することを防げる。
カップCの位置は、毎朝、ゴルフプレイヤがプレイを開始する前には確定している。そして、ゴルフ場のスタッフが、毎朝ピンフラッグFをカップCに立てる。そこで、送信処理部143は、計時部123が計時する現在時刻が所定の時刻になった場合にピン位置情報をサーバ2に送信してもよい。所定の時刻は、例えば、時刻記憶部131に記憶された時刻であり、プレイが開始する時刻よりも前の時刻である。所定の時刻は、例えば午前5時から午前6時といった時間帯により示されてもよい。所定の時刻は、サーバ2がピン位置を要求する時刻であってもよい。
なお、送信処理部143がピン位置情報を送信しない間は、電波受信部121が測位衛星から電波を受信する必要がない。そこで、送信処理部143は、結合部11がピンフラッグFに結合していない状態、又はピン位置情報を送信する時刻以外の時刻において、電波受信部121が電波を受信しないように電波受信部121を制御してもよい。送信処理部143がこのように動作することで、電波受信部121の消費電力が削減されるので、バッテリーの消耗を抑制することができる。
[位置特定装置1における処理の流れ]
図5は、位置特定装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、位置特定装置1の電源が投入された時点から開始している。
送信処理部143は、結合部11がピンフラッグFに結合しているか否かを判定する(S11)。送信処理部143は、結合部11がピンフラッグFに結合していると判定した場合(S11においてYES)、計時部123が示す現在時刻が時刻記憶部131に記憶された所定の時刻であるか否かを判定する(S12)。送信処理部143は、現在時刻が所定の時刻であると判定した場合(S12においてYES)、ピンフラッグFが立っているか否かを判定する(S13)。送信処理部143は、ピンフラッグFが立っていると判定した場合(S13においてYES)、位置特定部141にピン位置を特定させる(S14)。
送信処理部143は、S11からS13においてNOと判定した場合、位置特定部141にピン位置を特定させることなく、S11に戻る。なお、送信処理部143がS11からS13までの処理を実行する順序は任意である。
続いて、送信処理部143は、状態検知部142に記憶されたグリーン位置情報が示すグリーンGの範囲と、位置特定部141が特定したピン位置とを比較することにより、ピンフラッグFがグリーンGの内側にあるか否かを判定する(S15)。送信処理部143は、ピンフラッグFがグリーンGの内側にあると判定した場合(S15においてYES)、ピン位置を示すピン位置情報をサーバ2に送信する(S16)。送信処理部143は、ピンフラッグFがグリーンGの内側にないと判定した場合(S15においてNO)、ピン位置情報をサーバ2に送信することなくS17に処理を進める。
続いて、送信処理部143は、所定の時間が経過するまでの間、サーバ2からピン位置を再測定する指示をサーバ2から受けたか否かを判定する(S17)。送信処理部143は、例えば受信したピン位置情報が示すピン位置が不適切であるとサーバ2が判定した場合に再測定要求を受信し、再測定要求を受信した場合(S17においてYES)、S14に戻って、位置特定部141にピン位置を再度特定させる。送信処理部143は、所定の時間が経過するまでの間に再測定指示を受けない場合(S17においてNO)、ピン位置を特定する処理を終了する。
以上説明したように、位置特定装置1が自動的にピンフラッグFの位置を特定し、特定したピン位置を示すピン位置情報をサーバ2に送信することで、ゴルフ場のスタッフがピン位置を測定してサーバ2に登録する作業を行う必要がない。特に、位置特定装置1はピンフラッグFにおいてグリーンGの表面の上方に設けられているので、グリーンGでの反射波の影響を受けづらく、測位衛星からの電波を良好に受信することができる。したがって、位置特定装置1は、高い精度で自動的にピン位置を特定することができる。
なお、以上の説明においては、位置特定装置1がピンフラッグFに着脱可能に結合する場合を例示したが、ピンフラッグFが本体部12に含まれる構成の一部又は全部を内蔵していてもよい。この場合、ピンフラッグFにおけるグリーンG上のカップCに挿入される側の端部と電波受信部121の下端との距離が、測位衛星が送信する電波の波長以上であることが好ましい。ピンフラッグFにおけるグリーンG上のカップCに挿入される側の端部と電波受信部121の下端との距離が、測位衛星が送信する電波の波長と、カップCの深さとが加算された値よりも大きいことがさらに好ましく、この距離は例えば30cm以上である。
[サーバ2の構成]
図6は、サーバ2の構成を示す図である。サーバ2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を有する。制御部23は、ピン位置取得部231と、情報作成部232と、サーバ送信部233と、を有する。
通信部21は、ネットワークNを介して位置特定装置1及び中継装置3との間でデータを送受信するための通信インターフェースを含む。通信部21は、例えば位置特定装置1からピン位置情報を受信し、受信したピン位置情報をピン位置取得部231に入力する。また、通信部21は、サーバ送信部233から入力されたグリーン情報を中継装置3に送信する。通信部21は、サーバ送信部233から入力されたグリーン情報を携帯端末4に直接送信してもよい。
記憶部22は、ROM、RAM及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を含むサーバ記憶部である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶する。また、制御部23は、各グリーンGの位置を示すグリーン位置情報、位置特定装置1から受信したピン位置情報、及び情報作成部232が作成したピンエッジ間距離情報等の各種の情報を記憶する。記憶部22は、作成された日時に関連付けてピン位置情報及びピンエッジ間距離情報を記憶してもよい。また、記憶部22は、ゴルフ場のグリーンG内の基準位置からグリーンGのエッジ上の複数のエッジ位置までの複数の基準距離と、基準位置と複数のエッジ位置それぞれを結ぶ方向と基準向きとの角度である複数の基準角度と、が関連付けられた基準エッジ距離情報を記憶してもよい。
図7は、ピン位置情報の一例を示す図である。図7に示すピン位置情報においては、グリーンGを識別するためのグリーン識別情報の一例であるホール番号と、ピン位置を示す緯度・経度情報とが関連付けられている。
図8は、基準エッジ距離情報の一例を示す図である。図8(a)は、基準向き(例えば北向き)に対して30度ごとに、黒い四角形で示すグリーンGの基準位置からグリーンのエッジまでの距離(以下、「基準距離」という場合がある)を示している。図8(b)は、記憶部22が記憶している基準エッジ距離情報の一例を示しており、当該基準エッジ距離情報においては基準角度と基準距離とが関連付けられている。図8においては、基準角度が30度ごとに定められているが、基準角度の間隔は細かいほど好ましく、例えば1度ごとに定められている。
制御部23は、例えばCPUを含む。制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、ピン位置取得部231、情報作成部232及びサーバ送信部233として機能する。
ピン位置取得部231は、通信部21を介して、グリーンGにおけるピンフラッグFの位置であるピン位置を示すピン位置情報を取得する。ピン位置取得部231は、ピンフラッグFに設けられた位置特定装置1からピン位置情報を取得する。ピンフラッグFが位置特定装置1の機能を内蔵している場合、ピン位置取得部231は、グリーンGに立てられたピンフラッグFからピン位置情報を取得する。ピン位置取得部231は、ピンフラッグFが設けられたグリーンGを識別するためのグリーン識別情報に関連付けて、取得したピン位置情報を記憶部22に記憶させる。ピン位置取得部231は、例えば図7に示したような形式でピン位置情報を記憶部22に記憶させる。
ピン位置取得部231は、ピン位置情報と一以上のグリーン位置情報とを照合し、ピン位置情報が示すピン位置が一以上のグリーンGのうちのいずれかのグリーンG上にあると判定した場合に、ピン位置情報を記憶部22に記憶させてもよい。ピン位置取得部231は、例えば、ピン位置情報が示す緯度・経度を、グリーン位置情報が示す各グリーンGの位置と比較することにより、複数のグリーンGに設置された位置特定装置1から受信した複数のピン位置情報のそれぞれがどのグリーンGに対応するかを特定する。
ピン位置取得部231は、ピン位置情報が示す緯度・経度が示す位置を含むグリーンGのグリーン識別情報に関連付けてピン位置を記憶部22に記憶させる。ピン位置取得部231は、ピン位置情報が示す緯度・経度が示す位置が、どのグリーンGの位置にも対応していない場合、当該ピン位置情報を送信した位置特定装置1に対して再測定要求を送信してもよい。
ピン位置取得部231は、ピン位置情報が示す緯度・経度が示す位置が、どのグリーンGの位置にも対応していない場合、当該位置を記憶部22に記憶させず、通信部21を介して、エラー情報を外部の装置(例えばゴルフ場の管理者のコンピュータ)に送信したり、サーバ2に接続されたディスプレイにエラーが発生したことを表示したりしてもよい。
情報作成部232は、基準エッジ距離情報とピン位置情報とに基づいて、ピン位置から複数のエッジ位置までの複数のエッジ距離と、ピン位置と複数のエッジ位置それぞれとを結ぶ方向と基準向きとの角度差である複数のエッジ角度と、が関連付けられたピンエッジ間距離情報を作成する。詳細については後述するが、情報作成部232は、基準位置とピン位置との位置関係、基準距離及び基準角度を用いてエッジ距離及びエッジ角度を算出して、ピンエッジ間距離情報を作成する。
図9は、情報作成部232が作成したピンエッジ間距離情報の一例を示す図である。図9に示すピンエッジ間距離情報は、図8に示した基準エッジ距離情報と、当該基準エッジ距離情報に対応するグリーンGに設置された位置特定装置1からピン位置取得部231が取得したピン位置情報とに基づいて情報作成部232が作成した情報である。
図9(a)は、基準向きに対して30度ごとに、黒丸で示すグリーンGのピン位置からグリーンのエッジまでの距離を示している。図9(a)に示す黒い四角形は、図8(a)に示した基準位置を示している。図9(b)は、情報作成部232が作成したピンエッジ間距離情報の一例を示しており、当該ピンエッジ間距離情報においてはエッジ角度とエッジ距離とが関連付けられている。図9においては、基準角度が30度ごとに定められているが、エッジ角度の間隔は細かいほど好ましく、例えば1度ごとに定められている。
情報作成部232は、基準位置からピン位置までの距離が、基準位置から複数のエッジ位置までの距離よりも小さい場合のピン位置情報に基づいてピンエッジ間距離情報を作成してもよい。情報作成部232は、基準位置からピン位置までの距離が、基準位置から複数のエッジ位置までの距離よりも大きい場合、ピン位置がグリーンGの外にあることになるので、情報作成部232はピンエッジ間距離情報を作成しない。情報作成部232がこのように動作することで、不適切なピン位置に基づいて不適切なピンエッジ間距離情報を作成してしまうことを防げる。
図10は、情報作成部232がピンエッジ間距離情報を作成する方法を説明するための図である。図10における黒い四角形は基準位置Rを示しており、黒い丸はピン位置Pを示しており、黒い三角形はエッジ位置Eの一例を示している。図10における基準位置Rとエッジ位置Eとの距離はd1である。
情報作成部232は、基準位置Rの緯度・経度とピン位置Pの緯度・経度との関係に基づいて、基準位置Rとピン位置Pとの間の距離Δdを算出する。また、情報作成部232は、基準位置Rの緯度・経度とエッジ位置Eの緯度・経度との関係、及びピン位置Pの緯度・経度とエッジ位置Eの緯度・経度との関係に基づいて、基準位置Rとエッジ位置Eとを結ぶ直線の方向とピン位置Pとエッジ位置Eとを結ぶ直線の方向との角度θを算出する。
基準位置Rとピン位置Pを結ぶ直線の延長線と、当該延長線と直交しエッジ位置Eを通る直線との交点をTとすると、RT間の距離Δd+xは、d1×cosθにより算出される。情報作成部232は、Δd+xからΔdを減算することによりPT間の距離xを算出する。また、情報作成部232は、TE間の距離yをd1×sinθにより算出する。そして、情報作成部232は、d2=√(x2+y2)により、ピン位置とエッジ位置との距離を算出する。
また、情報作成部232は、PTとPEとの角度φをArctan(y/x)により算出する。角度φは、基準角度θに対応するエッジ位置Eのエッジ角度である。
情報作成部232は、基準エッジ距離情報に含まれる全ての基準角度に対して上記の演算を実行することにより、全てのエッジ角度に対応するエッジ距離を算出し、図9(b)に示したようなピンエッジ間距離情報を作成する。情報作成部232は、作成したピンエッジ間距離情報を記憶部22に記憶させる。
なお、基準角度θとエッジ角度φとは異なるので、基準角度θが1度ずつ変化するとしても、基準角度θに対応するエッジ角度φは1度ずつ変化しない。そこで、基準角度の間隔がエッジ角度の間隔(例えば1度)よりも小さくなっていてもよい。また、情報作成部232が、複数の基準角度それぞれに対応する複数のエッジ位置の間の位置を補間することにより、ピン位置を中心として所定の間隔のエッジ角度に対応するエッジ位置を算出し、算出したエッジ位置とピン位置との距離を算出してもよい。
また、グリーンエッジ上の多数のグリーンエッジ位置の緯度・経度が記憶部22に記憶されており、情報作成部232は、これらの緯度・経度を利用してもよい。この場合、情報作成部232は、ピン位置を中心とする複数のエッジ角度それぞれに対応するグリーンエッジ位置を特定し、ピン位置と特定したグリーンエッジ位置との距離を算出することにより、ピンエッジ間距離情報を作成する。
サーバ送信部233は、通信部21を介して、最新のピン位置情報及びピンエッジ間距離情報を含むグリーン情報を中継装置3に送信する。最新のピン位置情報及びピンエッジ間距離情報は、例えば、前日のプレイが終了した後、又は当日の朝に位置特定装置1が送信したピン位置情報に基づくピン位置情報及びピンエッジ間距離情報である。サーバ送信部233は、例えば記憶部22に記憶されたピン位置情報及びピンエッジ間距離情報が作成された日時を参照することにより、最新のピン位置情報及びピンエッジ間距離情報を中継装置3に送信する。
サーバ送信部233は、ゴルフ場において使用予定の全てのグリーンGに対応するピン位置情報をピン位置取得部231が取得した後に、当日作成された全てのグリーンGに対応するピンエッジ間距離情報を中継装置3に送信してもよい。サーバ送信部233は、グリーンGそれぞれのピン位置を示すピン位置情報及びピンエッジ間距離情報を含むグリーン情報を中継装置3に送信してもよい。サーバ送信部233は、通信部21を介して、グリーン情報を携帯端末4に直接送信してもよい。
また、サーバ送信部233は、ゴルフ場において使用予定のグリーンを識別するための使用グリーン識別情報を中継装置3に送信してもよい。サーバ送信部233がこのように動作することで、使用されないグリーンGに関する情報が携帯端末4に配信されることを防げるので、不要な情報が携帯端末4に表示されることを防げる。
[サーバ2における処理の流れ]
図11は、サーバ2における処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すフローチャートは、サーバ2がピンエッジ間距離情報を作成する時刻として予め設定された時刻から開始している。
ピン位置取得部231は、ゴルフ場の複数のグリーンGに設置された複数の位置特定装置1からピン位置情報を取得する(S21)。ピン位置取得部231は、グリーン位置情報を参照することにより、取得したピン位置情報が示すピン位置が、いずれかのグリーンG上の位置であるか否かを判定する(S22)。ピン位置取得部231は、ピン位置情報が示すピン位置が、どのグリーンG上の位置にも一致しないと判定した場合(S22においてNO)、当該ピン位置情報を送信した位置特定装置1に対して再測定要求を送信する(S23)。
ピン位置取得部231は、ピン位置情報が示すピン位置が、いずれかのグリーンG上の位置と一致すると判定した場合(S22においてYES)、グリーン識別情報に関連付けてピン位置を記憶部22に記憶させることにより、ピン位置情報を登録する(S24)。
続いて、情報作成部232は、記憶部22に記憶されている基準エッジ距離情報を読み出す(S25)。情報作成部232は、基準エッジ距離情報が示す基準位置とピン位置との差分を算出する(S26)。情報作成部232は、図10を参照して説明した方法により、算出した差分を用いて、ピン位置とグリーンエッジ位置との距離をエッジ角度ごとに算出することにより、ピンエッジ間距離情報を作成する(S27)。サーバ送信部233は、情報作成部232が作成したピンエッジ間距離情報を含むグリーン情報を中継装置3に送信する(S28)。
[中継装置3の構成]
図12は、中継装置3の構成を示す図である。中継装置3は、電源部31と、計時部32と、第1通信部33と、第2通信部34と、記憶部35と、制御部36と、を有する。記憶部35は、グリーン情報記憶部351及び時刻記憶部352を有する。制御部36は、情報受信部361及び情報送信部362を有する。
電源部31は、施設(例えばマスター室)の電源コンセントに中継装置3を接続するための端子と、端子を介して供給を受けた電力に基づいて中継装置3の各部を動作させるための直流電圧を発生するための回路を有する。電源部31は、電源コンセントに接続された時点から中継装置3の各部への電力の供給を開始する。
計時部32は、現在時刻を計時する。計時部32は、例えば時計ICを有しており、時刻を示すデータを情報送信部362に入力する。
第1通信部33は、例えば第1無線通信回線W1を介してサーバ2からグリーン情報又はピン位置情報を受信するための通信インターフェースである。第1通信部33は、サーバ2から受信したグリーン情報を情報受信部361に入力する。第1通信部33は、グリーン情報を配信する時間帯を示す配信時間帯情報をサーバ2から取得し、取得した配信時間帯情報を記憶部35に記憶させてもよい。
第2通信部34は、例えば第2無線通信回線W2を介して複数の携帯端末4にグリーン情報を配信するための通信インターフェースである。第2通信部34は、情報送信部362からの指示に基づいてグリーン情報を複数の携帯端末4が受信できるように定期的に送信する。第2通信部34は、例えばBluetoothの電波を用いてグリーン情報を送信する。
第2通信部34は、Bluetoothのビーコン(すなわちBLEビーコン)を用いて、携帯端末4がピン位置情報やピンエッジ間距離情報を取得するためのアクセス情報をグリーン情報として配信してもよい。アクセス情報は、グリーン情報又はピン位置情報を配信するサーバ2のアドレスに対応しており、携帯端末4は、当該アクセス情報を用いてグリーン情報を取得してもよい。
記憶部35は、ROM及びRAM等の記憶媒体を有する。記憶部35は、制御部36が実行するプログラムを記憶する。グリーン情報記憶部351は、サーバ2から取得したグリーン情報を記憶する。また、時刻記憶部352は、グリーン情報を受信する時間帯として設定された受信時間帯、又はグリーン情報を配信する時間帯として設定された配信時間帯を記憶する。
情報受信部361は、第1通信部33を介して、サーバ2からグリーン情報を受信する。情報受信部361は、計時部32が計時する現在時刻が、時刻記憶部352に記憶されている受信時間帯に含まれている場合にグリーン情報を受信する。受信時間帯は、例えば、1日のうち、位置特定装置1がピン位置情報を送信する時刻よりも後の時間帯である。配信時間帯は、受信時間帯が開始した後であり、かつ最後にスタートするゴルフプレイヤのスタート時刻よりも前の時間帯である。情報受信部361は受信したグリーン情報をグリーン情報記憶部351に記憶させる。
情報送信部362は、第2通信部34を制御することにより、中継装置3の第2通信部34が送信する電波が届く範囲内の携帯端末4に、情報受信部361が受信したグリーン情報を送信する。第2通信部34が送信する電波が届く範囲は、例えばマスター室にいるスタッフが視認できる範囲である。このように限られた範囲内でグリーン情報が送信されることで、携帯端末4が正常にグリーン情報を受信できないといったトラブルが発生した際に、スタッフが迅速に対応することができる。
情報送信部362は、情報受信部361が受信時間帯にグリーン情報を受信した後にグリーン情報の携帯端末4への配信を開始する。情報送信部362は、時刻記憶部352に記憶された配信時間帯に限ってグリーン情報を送信し、他の時間帯にグリーン情報を送信しないようにしてもよい。当日のピン位置に基づくグリーン情報が作成された後の配信時間帯にグリーン情報を情報送信部362が送信することで、携帯端末4が、当日のプレイに使用できるグリーン情報を取得することができる。また、このように情報送信部362が、グリーン情報を送信する時間帯を制限することで、中継装置3の消費電力を削減することができる。
情報送信部362は、携帯端末4から取得したゴルフプレイヤを識別するためのゴルフプレイヤ識別情報に基づいてゴルフプレイヤのスタート時刻を特定し、特定したスタート時刻よりも所定の時間以上前であることを条件として、当該携帯端末4にグリーン情報を送信するようにしてもよい。所定の時間は、中継装置3が設置された位置から、ゴルフプレイヤがスタートするホールのティーイングエリアまでに移動するために要する時間であり、例えば5分である。情報送信部362がこのように動作することで、ゴルフプレイヤは、早めにグリーン情報を取得するように動機づけられるので、スタート時刻の直前にゴルフプレイヤがグリーン情報を取得するための操作を行うことでスタート時刻に送れてしまうことを防げる。
[中継装置3における処理の流れ]
図13は、中継装置3における処理の流れを示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、中継装置3が電源コンセントに接続された時点から開始している。
情報受信部361は、現在時刻がグリーン情報を受信可能な時間帯であるか否かを判定する(S31)。情報受信部361は、現在時刻がグリーン情報を受信可能な時間帯である場合(S31においてYES)、第1通信部33を介して、サーバ2からグリーン情報を取得する(S32)。情報受信部361は、現在時刻がグリーン情報を受信可能な時間帯でない場合(S31においてNO)、グリーン情報を取得しないで待機する。
情報送信部362は、グリーン情報を取得した後に、現在時刻がグリーン情報を配信可能な時間帯であるか否かを判定する(S33)。情報送信部362は、現在時刻が配信可能な時間帯であると判定した場合(S33においてYES)、第2通信部34を介して、グリーン情報を複数の携帯端末4が受信できるように送信する(S34)。情報送信部362は、現在時刻が配信可能な時間帯でないと判定した場合(S33においてNO)、グリーン情報を送信しない。中継装置3は、電源コンセントから外されたり、電源スイッチが切られたりして電源がオフになるまでの間(S35においてNO)、S31からS34までの処理を繰り返す。
[携帯端末4の構成]
図14は、携帯端末4の構成を示す図である。携帯端末4は、通信部41と、電波受信部42と、表示部43と、記憶部44と、制御部45と、を有する。制御部45は、グリーン情報取得部451と、端末状態特定部452と、エッジ位置特定部453と、距離特定部454と、表示処理部455と、を有する。
通信部41は、第2無線通信回線W2を介して中継装置3からグリーン情報を受信するための通信インターフェースを有する。通信部41は、受信したグリーン情報をグリーン情報取得部451に入力する。
電波受信部42は、携帯端末4の現在位置及び向きを検出するために用いられる電波を測位衛星から受信する。電波受信部42は、測位衛星から受信した電波に含まれている情報を端末状態特定部452に入力する。
表示部43は、各種の情報を表示するためのディスプレイである。表示部43には、携帯端末4を使用するゴルフプレイヤの操作を受け付けるためのタッチパネルがさらに設けられていてもよい。
記憶部44は、ROM及びRAM等の記憶媒体を含む。記憶部44は、制御部45が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部44は、例えば中継装置3を介してサーバ2から取得されたグリーン情報を記憶する。本実施形態に係る記憶部44は、各ホールの位置又はエリアを示すホール情報も記憶している。
制御部45は、例えばCPUを含む。制御部45は、記憶部44に記憶されたプログラムを実行することにより、グリーン情報取得部451、端末状態特定部452、エッジ位置特定部453、距離特定部454及び表示処理部455として機能する。
グリーン情報取得部451は、通信部41を介して、ゴルフ場のグリーンG上のピンフラッグFのピン位置から、グリーンGのエッジ上の複数のエッジ位置までの複数のエッジ距離と、ピン位置と複数のエッジ位置それぞれとを結ぶ方向と基準向きとの角度である複数のエッジ角度と、が関連付けられたピンエッジ間距離情報を含むグリーン情報を取得する。グリーン情報取得部451は、ピン位置情報を含むグリーン情報を取得してもよい。グリーン情報取得部451は、取得したグリーン情報を、エッジ位置特定部453及び距離特定部454に通知する。
端末状態特定部452は、電波受信部42から入力されたデータに基づいて、携帯端末4の端末位置及び端末向きを特定する。端末状態特定部452は、携帯端末4の現在位置の緯度・経度、及び携帯端末4が向いている方位を特定する。端末状態特定部452は、特定した端末位置及び端末向きをエッジ位置特定部453及び距離特定部454に通知する。端末状態特定部452は、記憶部44に記憶されたホール情報を参照し、特定した端末位置が含まれているホールの番号を特定してもよい。エッジ位置特定部453は、特定したホール番号をエッジ位置特定部453及び距離特定部454に通知する。
エッジ位置特定部453は、グリーン情報取得部451から通知されたグリーン情報における、端末状態特定部452から通知されたホール番号に対応するピン位置情報及びピンエッジ間距離情報を参照することにより、携帯端末4からグリーンエッジまでの距離を特定する。エッジ位置特定部453は、ゴルフプレイヤがプレイしているホールに対応するピンエッジ間距離情報を参照し、複数のエッジ角度と端末向きとの関係に基づいて、複数のエッジ位置のうち、携帯端末4に最も近いエッジ位置である手前エッジ位置を特定する。
具体的には、エッジ位置特定部453は、まず、ゴルフプレイヤがプレイをしているホールに対応するグリーン情報に含まれている複数のエッジ角度のうち、端末向きに対応するエッジ角度を特定し、特定したエッジ角度に対して180度異なるエッジ角度に対応する位置を手前エッジ位置として特定する。図2(a)に示した例のように携帯端末4が北を向いている場合、エッジ位置特定部453は、0度のエッジ角度に対して180度異なる180度のエッジ角度に対応するエッジ位置を手前エッジ位置として特定する。図2(b)に示した例のように携帯端末4が北西を向いている場合、エッジ位置特定部453は、315度のエッジ角度に対して180度異なる135度のエッジ角度に対応するエッジ位置を手前エッジ位置として特定する。
同様に、エッジ位置特定部453は、携帯端末4から最も遠いエッジ位置である奥側のエッジ位置を特定してもよい。エッジ位置特定部453は、ピンエッジ間距離情報において端末向きに対応するエッジ角度に関連付けられたエッジ位置を奥側のエッジ位置として特定する。エッジ位置特定部453は、携帯端末4の位置からピン位置を見た場合にピン位置の右側及び左側のエッジ位置を特定してもよい。エッジ位置特定部453は、ピンエッジ間距離情報において端末向きに対応するエッジ角度に90度を加算したエッジ角度に対応するエッジ位置を右側のエッジ位置として特定し、ピンエッジ間距離情報において端末向きに対応するエッジ角度から90度を減算したエッジ角度に対応するエッジ位置を左側のエッジ位置として特定する。
続いて、距離特定部454は、端末位置とピン位置との距離から手前エッジ位置に対応するエッジ距離を減算することにより、携帯端末4から手前エッジ位置までの距離を特定する。具体的には、距離特定部454は、まず、端末状態特定部452から入力された携帯端末4の位置を示す経度・緯度とピン位置情報が示すピン位置の緯度・経度との差に基づいて、端末位置とピン位置との距離を特定する。続いて、距離特定部454は、特定した距離から、特定した手前エッジ位置にピンエッジ間距離情報において関連付けられているエッジ距離を減算することにより、携帯端末4から手前エッジ位置までの距離を特定する。
距離特定部454は、端末位置とピン位置との距離に奥側のエッジ位置に対応するエッジ距離を加算することにより、携帯端末4から奥側エッジ位置までの距離を特定してもよい。距離特定部454は、端末位置とピン位置との距離の2乗と、右側のエッジ位置に対応するエッジ距離の2乗とを加算した値の平方根を算出することにより、携帯端末4から右側エッジ位置までの距離を特定してもよい。同様に、距離特定部454は、端末位置とピン位置との距離の2乗と、左側のエッジ位置に対応するエッジ距離の2乗とを加算した値の平方根を算出することにより、携帯端末4から左側エッジ位置までの距離を特定してもよい。距離特定部454は、特定した各エッジ位置までの距離を表示処理部455に通知する。
表示処理部455は、距離特定部454が特定した距離を表示部43に表示させる。表示処理部455は、例えば図2に示したように、グリーンエッジ位置と、ピン位置と、奥側エッジ位置までの距離と、ピン位置までの距離と、手前エッジ位置までの距離と、を示す画面を表示部43に表示させる。この際、表示処理部455は、手前エッジ位置が画面の下方に位置するように複数のグリーンエッジ位置を配置してグリーンエッジ位置を示す画像を表示する。表示処理部455がこのような画像及び距離情報を表示することで、ゴルフプレイヤは、自身の位置からピン位置までの距離、及び自身の位置から最も手前のグリーンエッジまでの距離等を把握することができるので、どの番手のクラブでどのようなスイングをすればよいかを決定しやすくなる。
ピンエッジ間距離情報は、数値により構成されており画像情報を含まないので、制御部45が演算処理能力の高いプロセッサを有していない場合であっても、距離特定部454は、短時間でこれらの距離を算出することができる。また、表示処理部455は表示部43にグリーンエッジ位置を示す画像を表示させる際に、グリーンエッジ位置に対応する画素の画素値を他の画素値と異なる値にするだけでよいので、制御部45が演算処理能力の高いプロセッサを有していない場合であっても、グリーンエッジ位置を示す情報をゴルフプレイヤに提供することができる。
[携帯端末4における処理の流れ]
図15は、携帯端末4における処理の流れを示すフローチャートである。図15に示すフローチャートは、ゴルフプレイヤがプレイを開始する前に、中継装置3の近くで制御部45が実行するアプリケーションソフトウェアを起動させた時点から開始している。
グリーン情報取得部451は、通信部41を介して、中継装置3が送信するグリーン情報を取得する(S41)。グリーン情報取得部451は、取得したグリーン情報を記憶部44に記憶させる(S42)。
その後、端末状態特定部452は、電波受信部42から受信したデータに基づいて、携帯端末4の現在の端末位置及び端末向きを特定する(S43)。また、端末状態特定部452は、記憶部44に記憶されたホール情報を参照し、特定した端末位置が含まれているホールの番号を特定する(S44)。端末状態特定部452は、特定したホール番号をエッジ位置特定部453に通知する。
エッジ位置特定部453は、端末状態特定部452から通知されたホール番号に対応するピンエッジ間距離情報を参照することにより、ゴルフプレイヤがプレイしているホールのグリーンGのピン位置から、携帯端末4の向きに対応する手前のグリーンエッジまでの距離であるエッジ距離を特定する(S45)。距離特定部454は、ピン位置と携帯端末4との距離を算出し(S46)、算出した距離からS45において特定したエッジ距離を減算することにより、携帯端末4から手前のグリーンエッジまでの距離である手前エッジ距離を算出する(S47)。表示処理部455は、算出された手前エッジ距離を表示部43に表示する(S48)。
制御部45は、アプリケーションソフトウェアを終了する操作が行われるまで(S49においてNO)、S43からS48までの処理を繰り返す。なお、S45とS46の処理の順序は逆であってもよい。
[第1変形例]
以上の説明においては、サーバ2が、ピン位置とグリーンエッジまでの距離であるエッジ距離を算出し、基準となる向きに対する角度とエッジ距離とが関連付けられたピンエッジ間距離情報を作成し、当該ピンエッジ間距離情報が携帯端末4に提供される場合を例示した。しかしながら、中継装置3を介して携帯端末4に提供され、グリーン情報取得部451が取得するグリーン情報が、基準エッジ距離情報であってもよい。すなわち、携帯端末4は、ピンエッジ間距離情報を取得せず、基準エッジ距離情報とピン位置情報とを中継装置3から取得してもよい。
この場合、距離特定部454が情報作成部232と同様の処理を実行し、基準位置とピン位置との関係に基づいて、ピン位置から各基準角度に対応する各グリーンエッジ位置までの距離を算出する。そして、距離特定部454は、携帯端末4の向きに対応する基準角度に対応するピン位置からグリーンエッジまでの距離に基づいて、携帯端末4から手前エッジ位置までの距離を算出する。
具体的には、距離特定部454は、端末位置とピン位置との距離から、基準位置とピン位置との関係に基づいて算出したピン位置から手前エッジ位置までの距離を減算することにより、携帯端末4から手前エッジ位置までの距離を特定する。距離特定部454は、同様にして、携帯端末4の位置から奥側エッジ位置までの距離、右側エッジ位置までの距離、又は左側エッジ位置までの距離の少なくともいずれかを算出してもよい。携帯端末4がこのように基準エッジ距離情報とピン位置情報とに基づいて、ピン位置からグリーンエッジまでの距離を算出することで、サーバ2がピン位置からグリーンエッジまでの距離を算出する処理を実行する必要がなくなる。
[第2変形例]
以上の説明においては、サーバ2が、位置特定装置1から取得したピン位置情報を携帯端末4に提供する場合を例示したが、サーバ2は、中継装置3を介して、ゴルフ場のスタッフにより入力されたピン位置を示すピン位置情報を携帯端末4に提供してもよい。サーバ2がこのようにすることで、位置特定装置1が使用されていないゴルフ場においても、携帯端末4がグリーンの画像データを使用することなく、携帯端末4の位置からグリーンエッジまでの距離を算出して表示することができる。
[情報提供システムSによる効果]
以上説明したように、情報提供システムSにおいては、ピンフラッグFに結合された位置特定装置1がピン位置を特定し、特定したピン位置を示すピン位置情報をサーバ2に送信する。そして、サーバ2は、位置特定装置1から受信したピン位置情報と、予め作成された基準位置とグリーンエッジとの距離を示す基準エッジ距離情報とに基づいて、ピン位置とグリーンエッジとの距離を示すピンエッジ間距離情報を作成し、作成したピンエッジ間距離情報を含むグリーン情報を中継装置3に送信する。中継装置3は、サーバ2から受信したグリーン情報を複数の携帯端末4に配信し、携帯端末4は、中継装置3から受信したグリーン情報に基づいて、携帯端末4の位置からグリーンエッジまでの距離を算出して表示する。
情報提供システムSがこのように構成されていることで、ピン位置が変更になるたびにゴルフ場のスタッフがピン位置を計測してサーバ2に登録することなく、携帯端末4にピン位置情報を提供することが可能になる。そして、位置特定装置1がピンフラッグFに装着された状態でピン位置を特定するので、測位衛星から電波を良好に受信することができるので、グリーンG上のピンの位置の測定精度を向上させることができる。
また、情報提供システムSが中継装置3を備えており、サーバ2が中継装置3を介してピン位置とグリーンエッジとの距離やピン位置を示すグリーン情報を携帯端末4に配信することで、多数のゴルフプレイヤの携帯端末4に対して容易にグリーン情報を配信することができる。
また、携帯端末4は、基準向きに対する複数の角度に関連付けられたピン位置からグリーンエッジまでの距離を示すグリーン情報を使用して、携帯端末4の位置からグリーンエッジまでの距離を算出することで、携帯端末4が演算処理能力の高いプロセッサを有していない場合であっても、短時間で携帯端末4の位置からグリーンエッジまでの距離を算出することができる。したがって、携帯端末4がグリーンのエッジまでの距離を表示するまでに要する時間を短縮するとともに、携帯端末4の小型化及び低コスト化を実現することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。